JP2007168428A - 複合材料の成形方法 - Google Patents

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Masashi Manabe
賢史 真鍋
Nobuo Asahara
信雄 浅原
Koji Kotani
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Abstract

【課題】大型・肉厚の高強度・高靭性複合材料の成形を行うに際して、樹脂含浸を容易にし、かつ樹脂の無駄を省いて高繊維含有率を確保することができる繊維強化複合材料の成形方法を提供する。
【解決手段】強化繊維基材を積層したプリフォームを基台上に配置し、バッグフィルムで覆い、バッグフィルム内部を吸引して減圧後、該バッグフィルム内部に液状樹脂を注入し、硬化させる複合材料の成形法において、目的とする成形体の体積より5〜55%体積の大きいプリフォームを用い該バッグフィルム内部を吸引、減圧後、該プリフォームの空隙体積の45%〜95%の樹脂を注入する第1の工程と、該バッグフィルム内部の体積を目的とする成形体の体積まで減少させる第2の工程と、樹脂の硬化をおこなう第3の工程を有する複合材料の成形方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、繊維強化複合材料の成形方法に関し、特に、大型・肉厚で高繊維含有率である繊維強化複合材料を成形する際に好適な繊維強化複合材料の成形方法に関する。
従来より、繊維強化複合材料の製造方法として、ドライの強化繊維基材を型に積層配置した後、バッグフィルムで包んで真空状態にし、大気圧を利用して樹脂を注入する真空補助レジントランスファーモールディング成形法(以下、VaRTM成形法と記す)が注目されている。
VaRTM成形法では大気圧による樹脂の注入を行うのが一般的であるが、強化繊維基材の樹脂含浸抵抗が大きい場合や樹脂粘度が高い場合は、樹脂を加圧し、含浸速度を高くすることがある。その場合、樹脂圧によるバッグフィルムの膨らみを抑えるために、バッグフィルムの外側から圧力(以下、外圧とする)をかける必要がある。
従来、VaRTM成形法において、二重にバギングをすることで、注入圧によるバッグフィルムの膨らみを抑える方法が提案されているが(例えば、特許文献1参照)、注入は大気圧で行っているため、含浸性は向上していない。
また、樹脂を加圧することなく、含浸性を向上させる方法として、プリフォームにニードルパンチで起毛処理を施す方法が提案されているが(例えば、特許文献2参照)、この方法では、圧縮強度など低下させる懸念があるほか、肉厚のものを成形する際、プリフォームの抵抗が大きくなり、起毛処理が困難になる可能性がある。
また、バッグフィルムを加圧する手段として、加圧缶を用いる方法が提案されているが(例えば、特許文献3参照)、この方法では、設備が高価になり、また、加圧缶の圧力を高くすると、強化繊維基材が圧縮され、内部の空隙が小さくなるため、樹脂注入が困難になる可能性がある。
また、強化繊維基材を配置した基台上にバッグフィルムを覆うように加圧チャンバーを設置し、外圧をかけながら樹脂を加圧注入する方法が提案されているが(例えば、特許文献4参照)、この方法では、高い繊維体積含有率(以下、Vfとも称す)を確保するためには、強化繊維基材全体に樹脂が含浸した後に外圧を高め、余剰樹脂を排出する必要があり、多量の樹脂の無駄が生じてしまうという問題を有する。
特開2002−172630号公報 特開2003−039429号公報 特開平5−237853号公報 特開2004−174776号公報
そこで本発明の課題は、上記従来技術の問題点を解消し、大型・肉厚の高強度・高靭性複合材料の成形を行うに際して、樹脂含浸を容易にし、かつ樹脂の無駄を省いて高繊維含有率を確保することができる繊維強化複合材料の成形方法を提供することにある。
上記の課題を達成するため、本発明は以下の構成を採用する。すなわち、
(1)強化繊維基材を積層したプリフォームを基台上に配置し、バッグフィルムで覆い、バッグフィルム内部を吸引して減圧後、該バッグフィルム内部に液状樹脂を注入し、硬化させる複合材料の成形法において、目的とする成形体の体積より5〜55%体積の大きいプリフォームを用い該バッグフィルム内部を吸引、減圧後、該プリフォームの空隙体積の45%〜95%の樹脂を注入する第1の工程と、該バッグフィルム内部の体積を目的とする成形体の体積まで減少させる第2の工程と、樹脂の硬化をおこなう第3の工程を有する複合材料の成形方法。
(2)前記第2の工程において、前記第1の工程以上に加圧することで、該バッグフィルム内部の体積を減少させ、第3の工程では、第2の工程の最終圧力値を維持する前記(1)に記載の複合材料の成形方法。
(3)前記第1工程、および、前記第3工程における圧力値をそれぞれP、P(いずれも単位は、kPa)としたとき、それぞれが、下記式の範囲内にある前記(2)に記載の複合材料の成形方法。
150≦P≦600 ・・・(A)
100≦P≦P―50 ・・・(B)
(4)樹脂のフローフロントの位置を検知するセンサにより、前記樹脂のフローフロントの位置がプリフォームの空隙体積の45%〜95%の位置に達したことを検知した後、第1の工程を終了し、第2の工程へ移行することを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の複合材料の成形方法。
(5)前記樹脂のフローフロントの位置を検査するセンサにより、強化繊維基材全面に樹脂が含浸されたことを確認した後に第2の工程を終了することを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の複合材料の成形方法。
(6)前記バッグフィルム外部からの加圧を、前記バッグフィルムとチャンバーで囲まれた空間に圧縮流体を注入することにより行うことを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の複合材料の成形方法。
(7)少なくともプリフォーム片側の面に樹脂を拡散させる媒体を配置することを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載の複合材料の成形方法
(8)前記強化繊維基材として、熱可塑性樹脂を主成分とする流路形成体を少なくとも片面に分散付与した強化繊維基材を用いることを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれかに記載の複合材料の成形方法。
(9)前記第2の工程において、成形温度を下記式(E)で算出される温度Tまでさらに加温し、前記流路形成体の形状を変化させ、該バッグフィルム内部の体積を減少させることを特徴とする前記(8)に記載の複合材料の成形方法。
T≧Tg・・・(E)
Tg:前記流路形成体のガラス転移点温度(単位:℃)
T:単位(℃)
本発明によれば、大型・肉厚の高強度・高靭性複合材料の成形を行うに際して、樹脂含浸を容易にし、かつ樹脂の無駄を省いて高繊維含有率を確保することができる。
以下に本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら、説明する。
図1は本発明に係る複合材料の成形方法の一実施態様例を示すモデル断面図をあらわしている。図1において、まず、強化繊維基材を積層したプリフォーム1を基台2上に配置し、バッグフィルム3でプリフォーム1を覆い、バッグフィルム3で囲まれた空間内に、配管A1、A2を挿入し、プリフォーム1の周囲のバッグフィルム3と基台2との間をシーラント4を用いて密閉する。配管A1は樹脂タンク5内の樹脂Rに挿入されており、樹脂タンク5は圧力容器6内に配置され、圧力容器6内の空間F1は配管A3を介して加圧装置P1と接続されている。配管A2は樹脂トラップF2と接続されており、樹脂トラップF2は配管A4を介して減圧装置P3と接続されている。さらに、基台2上に、バッグフィルム3を覆うようにチャンバー7が設置され、バッグフィルム3とチャンバー7とで形成される空間F3は配管A5を介して加圧装置P2と接続されている。
また、チャンバー7を基台2に設置する方法としては、空間F3の機密性を保つことができれば、特に限定するものではないが、例えば、300kPa以上の高圧力下で使用する場合は、簡易性からO−リング(オーリング)でシールし、周囲をボルト8で固定するなどの手段を適宜使用してもよい。
本発明において、プリフォームの空隙体積とは、プリフォーム1内部の繊維以外の空間部分をさし、プリフォーム内に均一に分布していると考える。また、バッグフィルム内部の空間とは、プリフォーム1を含む基台2とバッグフィルム3で囲まれた空間(以下、内部空間とする)をさす。
本発明では、第1の工程において圧力値Pで外圧をかけながら、成形品の目標Vfから下記式(1)により決定される量Raの樹脂Rの注入を行い、プリフォームの一部にのみ樹脂を含浸させた状態で、外圧を圧力値Pまで昇圧することで、プリフォームの体積を圧縮(つまりVfを上昇)させながら、プリフォームの残りの空隙部に樹脂を含浸させることにより、樹脂の排出量を最小限に抑え、かつ、精度よく、高繊維含有率を確保することができる。ここで、圧力値Pは、成形品の目標Vfより決定される値であり、使用する強化繊維基材や樹脂ごとに異なる。なお、注入する樹脂量Raは、注入量の誤差を考慮し、下記式(1)のようにαを乗じたものであることが好ましい。
Ra=α×A×((M×PL)/(Vf×ρf))×ρr×(1−Vf)
かつ 1≦α≦1.1 ・・・(1)
Ra:樹脂量(単位:g)
A:成形品面積(単位:mm
M:強化繊維基材目付(単位:g/mm
PL:強化繊維基材積層数
ρf:強化繊維密度(単位:g/mm
ρr:樹脂密度(単位:g/mm
Vf:成形品における目標繊維体積含有率
VaRTM成形法では、プリフォーム内部の空隙が多いほど、樹脂の流路が増えるため、含浸性が高いことが知られている。よって、本発明によれば、第1の工程において、目的とする成形体より体積の大きい(空隙が多い)プリフォームを用いることにより、プリフォームVfが低い状態で樹脂を注入し、その後、昇圧などによって、成形品のVfを高くすることができるため、樹脂の高含浸性と成形品の高繊維含有率の特性を両立させることができる。ここで、プリフォームVfとは(プリフォーム1内部の強化繊維の体積)/(圧力付与時のプリフォーム1の体積)より算出される値で、プリフォーム1内の強化繊維基材のしめる割合を表す。
圧力値Pは、高くなるほど、チャンバー7に耐圧性が必要となるため設備が大がかりとなる。また、圧力が低いと、成形品のVfが目標とするVfに到達しない場合がある。これらを考慮すると、圧力値Pcとしては、下記式(2)を満たすものが好ましい。
150≦P≦600 ・・・(2)
また、Pが、P−50kPaを超える場合、PとPとの差が小さくなるため、樹脂含浸させながら、バッグフィルム内部の体積を目的とする成形体の体積まで減少させることに長時間を要する場合があり、また、100kPa未満では第1の工程での樹脂注入に長時間を要する場合があることから、下記式(3)の範囲にあることが好ましい。
100≦P≦P―50・・・(3)
圧力値Pは成形中のフィルムの膨らみを防止する必要があるため、注入圧以上であることが好ましく、さらには強化繊維基材のスプリングバックを抑えるためには、注入圧より30kPa以上高いことがさらに好ましい。
第1の工程において、減圧装置P3により、配管A2を介して、内部空間の減圧を行う際に、空気の存在は成形品内部のボイドの原因となるため、減圧レベルは5kPa以下であることが好ましい。次に、加圧装置P2により、配管A5を介して、空間F3の加圧を行う。その後、加圧装置P1により、配管A3を介して圧力容器6内の空間F1を加圧し、配管A1を介してプリフォーム1に樹脂Rの注入を行う。空間F3とF1の加圧媒体としては気体あるいは液体を用いるのがよい。例えば、加圧装置P2として空気コンプレッサーを使用し、圧縮空気を用いて空間F3を加圧するのが簡単でよい。
また、樹脂を効率よく含浸させる目的と、フローフロント面を基台面と平行にする目的(外圧をかけて樹脂含浸させるときに効率がよい)で、樹脂注入側の面(以下、注入面とする)に樹脂拡散媒体9(図2参照)を設けてもよい。本発明において、樹脂のフローフロントとは樹脂含浸部と樹脂未含浸部の境界をさす。樹脂拡散媒体としては、強化繊維基材より空隙率が高く、樹脂の拡散性がよければ特に限定されるものではない。樹脂製ネットでもよいし、繊維織物でもよい。
第2の工程において、プリフォームの空隙体積の95%を上回るまで樹脂を注入してから昇圧を開始すると、余剰樹脂量が多くなり、プリフォームの空隙体積の45%以下の樹脂では、外圧を昇圧しても、強化繊維基材全体に樹脂が含浸しない問題がある。また、第1の工程において、目的とする成形体の体積に対するプリフォームの体積の増加率(以下、プリフォームの体積増加率とも称す)が5%以下の場合、樹脂の含浸性向上と言う本発明の効果を得ることが出来ず、55%以上の場合、Pを高くする必要があり、設備コストがかかると言う問題がある。よって、第1の工程において、目的とする成形体の体積より5〜55%体積の大きいプリフォームを用い、該プリフォームの空隙体積の45%〜95%の樹脂を注入する必要がある。これは、プリフォーム内の空隙体積の45%〜95%を樹脂で置換することを意味する。
また、高Vfの成形品を成形する場合、プリフォームの体積増加率が低い場合は、注入時のプリフォームVfが高いため含浸が困難になり、プリフォームの体積増加率が高いほど、昇圧させるための設備コストが高くなる。これらを考慮すると目的とする成形体の体積より10〜40%体積の大きいプリフォームを用い、プリフォームの空隙体積の60%〜90%まで含浸させることがさらに好ましい。
第1の工程におけるプリフォームの体積増加率βとプリフォーム内の空隙体積に対する樹脂の注入量の割合γは、樹脂の無駄(排出量)を最小にすると言う点から、上記式(1)のように誤差αを考慮し、下記式(4)式の関係にあることが好ましい。
γ=α(Vr/(Vr+β))
かつ 1≦α≦1.1 ・・・(4)
γ:プリフォーム内の空隙体積に対する樹脂の注入量の割合(%)
Vr:目標の成形品内における樹脂の体積含有率(%)
β:目標の成形品の体積に対するプリフォームの体積増加率(%)
ここで、昇圧を開始する際、樹脂注入を停止してもよいし、昇圧しながら樹脂注入を続けてもよい。どちらの場合も、上式(1)を用いてもよいが、昇圧の開始時期としてセンサによる注入率の検知結果を用いるのも正確でよい。昇圧に関しては、プリフォームが目的の体積になるまで、徐々に加圧してもよいし、急激に昇圧した後、定圧にしてもよい。
また、昇圧と定圧を繰り返してもよい。
図2は、本発明の製造方法の他の実施態様例を説明する概略モデル断面図をあらわしており、図1のプリフォーム1の注入面に樹脂拡散媒体9を、反対面に平板10と気泡吸収媒体層11を設け、強化繊維基材内部にセンサS1を、平板10とプリフォーム1との間にセンサC2をそれぞれ配置したものである。
図2に示すように、注入面と反対側の面(以下、強化繊維基材上面とする)には成形品の表面平滑性を考慮し平板10を配置してもよい。強化繊維基材内部気泡を排出するために平板10として有限個の孔が設けられたパンチングメタルを使用するが好ましく、さらにその上に、気泡吸収媒体層11を設けてもよい。気泡吸収媒体は前記第2の工程において、未含浸部の脱気をおこなうために気泡の吸収をおこなう媒体で、気体と樹脂が浸透できれば、特に限定されるものではない。不織布や繊維織物を用いてもよいし、樹脂製ネットを用いてもよい。また樹脂拡散媒体と同一のものを用いてもよい。
本発明においては、樹脂のフローフロントの位置を検知するセンサにより、前記樹脂の注入率が45%〜95%になったことを検知した後、第1の工程を終了し第2の工程へ移行するものであることが好ましい。フローフロントの検出方法としては、特に限定するものではないが、例えば、電気抵抗変化検出、誘電率変化検出、超音波検出、X線CT検出、光ファイバーを用いた検出などを用いることができる。センサはプリフォームにあらかじめ配置しておいてもよい。あらかじめプリフォーム内に配置する場合は成形品に悪影響をおよぼさないよう端部付近に配置するのが好ましい。
前記センサを用いて、前記樹脂が強化繊維基材全面に含浸されたことを確認した後に第3の工程へ移行することが好ましい。センサを用いて、強化繊維基材全面に樹脂が含浸されたことを確認することにより、前記式(1)で決定された量の樹脂が、目標の体積の成形体に含浸されたことが確認できる。また、樹脂が強化繊維基材全面に含浸したことを確認した後に、樹脂を硬化することにより、硬化後の成形品に、樹脂の未含浸部分が生じることを未然に防ぐことができる。
また、高い外圧をかけた場合、プリフォームVfが高くなり、プリフォーム内の空隙体積が小さくなるため、樹脂の含浸が困難になる問題があり、第1の工程においては、プリフォームVfを低い状態に保つことが好ましい。
ここで、前記第1の工程である樹脂加圧注入時は、プリフォームVfを低い状態に保つために、強化繊維基材間に流路形成体を挿入してもよく、その場合、強化繊維基材として、流路形成体を少なくとも片面に分散付与したものを用いてもよい。ここでいう流路形成体とは、外圧をかけたときに容易に変形せず強化繊維基材間の空隙を確保するものをいい、形態はとくに限定しない。粒子形態でもよいし、繊維形態でもよい。流路形成の面から、粒子径または、繊維直径が強化繊維の直径より大きめであることが好ましい。また、加熱硬化型の樹脂をもちいる場合は、前記第2の工程において前記バッグフィルム内部の空間体積を減少させ、高Vfの成形品を得るために、前記流路形成体として、熱可塑性樹脂を主成分とするものを用い、前記バッグフィルム内部をさらに加温する方法を用いることができる。その場合、流路形成体を変形させるために下記式(5)で算出される温度まで、加熱を行うのが好ましい。
T≧Tg・・・(5)
Tg:前記流路形成体のガラス転移点温度(単位:℃)
T:単位:℃
また、確実に流路形成体を変形させるために、さらにはT≧Tg+10℃であることが好ましい。
加温率(℃/min)としては樹脂のポットライフを考慮して、樹脂の硬化条件と同様であることが望ましい。加温中は、前記第1の工程における未含浸部内の脱気を行うために、吸引を続けてもよいし、前記気泡吸収媒体を用いた場合は吸引を止めてもよい。
また、前記バッグフィルム内部の空間体積の減少をより促すために、加温中に外圧の昇圧をおこなってもよい。
第3の工程では、板厚を安定させて硬化させるために、第2の工程における最終圧力を保持するのが好ましい。
以下、本発明の実施例について、図2を参照しながら説明する。
[実施例1]
プリフォーム1の強化繊維基材として、東レ(株)性炭素繊維T800S(PAN系炭素繊維、24,000フィラメント、繊度1,030tex、引張強度5,900MPa、引張弾性率295GPa、破断伸度2.0%、密度1.8g/cm)の一方向織物(目付190g/m)にPES(ポリエーテルスルホン)を主成分とする高靭性化樹脂粒子を分散した一方向性炭素繊維織物(東レ株式会社製、品名CZ8431DP)をサイズ150mm×150mmに切り出し、これをスチール製平面型上に[45°/0°/−45°/90°]8Sの積層構成で疑似等方積層したものを用意した。
この積層体をスチール平板に配置し、フィルムで覆い、シーラントで周囲を密閉し、フィルム内部を真空引きした後、オーブンで繊維温度が70℃で120分間加熱し、プリフォーム1を得た。プリフォーム1はこの状態でのプリフォームVfは50%、厚みは13.5mmであり、目標とする成形板の厚み12.1mmに対し12%厚みが大きい。このプリフォームを、図2に示すように配置した。その際、樹脂と接触すると抵抗値が変化するセンサS1とS2をそれぞれ、プリフォーム1の厚みの79%の位置とプリフォーム1と樹脂拡散媒体(パンチングメタル)9の間に、挿入した。その後、加圧装置P2からの空気圧により、内部空間F3を200kPaに加圧調整し、樹脂注入配管A1をクランプし、バッグフィルム内部を減圧し、60℃に設定したオーブン内に投入し、プリフォーム温度が60℃になるまで、加熱を行った。次に、温度が60℃の後述のエポキシ樹脂組成物を樹脂注入配管A1のクランプを外して、150kPaの圧力で樹脂注入を開始した。60g樹脂を注入したところで、センサS1が樹脂を検知したので樹脂注入配管A1をクランプし、注入をとめ、加圧装置P2からの空気圧を300kPaまで昇圧した。センサS2が樹脂を検知した後、オーブンの設定温度を130℃まで上昇させ、真空排気配管A2をクランプし、2時間保持したのち、室温まで冷却をおこなった。これより成形されたCFRPのVfは56%、厚み12.1mmであり良質なものであった。
エポキシ樹脂組成物−エポキシ主剤(I)100重量部、硬化剤(II)40重量の配合物。
エポキシ主剤(I)−“アラルダイト”(登録商標)MY−721(ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ社製)40重量部に、“JER”(登録商標)630(ジャパンエポキシレジン社製)を25重量部、“Epon”(登録商標)825(ジャパンエポキシレジン社製)を35重量部加え、70℃で1時間攪拌した後、25℃に冷却したもの。
エポキシ硬化剤(II)−“JERキュア”(登録商標)W(ジャパンエポキシレジン社製)27重量部に3,3’−DAS(三井化学ファイン社製)を12重量部加え、100℃で1時間攪拌し、70℃まで降温した後、硬化促進剤としてTBC(宇部興産社製)1重量部を加え、更に70℃で30分間攪拌しTBCを均一溶解させた後、25℃に冷却したもの。
[実施例2]
実施例1と同様の強化繊維基材を[45°/0°/−45°/90°]13S の積層構成で積層し、この積層体をスチール平板に配置し、フィルムで覆い、シーラントで周囲を密閉し、フィルム内部を真空引きした後、オーブンで繊維温度が70℃で120分間加熱し、プリフォーム1を得た。この状態でのプリフォームVfは50%であり、厚みは21.9mmで、目標とする成形板の厚み19.6mmに対し、12%厚みが大きい。次ぎに、実施例1と同様の手順で、図2にように組み付けをおこなった。またプリフォーム1の厚みの79%の位置に樹脂検知センサS1を配置し、プリフォーム1と樹脂拡散媒体(パンチングメタル)9の間に樹脂検知センサS2を配置し、内部空間F3を350kPaに加圧調整し、60℃に加熱を行い、300kPaの圧力で樹脂注入をおこなった。S1で樹脂を検知したのち、樹脂を注入したまま、90℃まで加熱をおこない、S2で樹脂を検知した後に、樹脂の注入を止め、実施例1と同様の手順で成形をおこなった。これより成形されたCFRPのVfは56%、厚みは19.6mmであり良質なものであった。
本発明に係る複合材料の成形方法の一実施態様例を示すモデル断面図である。 本発明に係る複合材料の成形方法の他の実施態様例を示すモデル断面図である。
符号の説明
1:プリフォーム
2:基台
3:バッグフィルム
4:シーラント
5:樹脂タンク
6:圧力容器
A1、A2、A3、A4、A5:配管
R:樹脂
P1、P2:加圧装置
P3:減圧装置
F1:圧力容器内の空間
F2:樹脂トラップ
7:チャンバー
F3:バッグフィルム3とチャンバー7とで形成される空間
8:ボルト
9:樹脂拡散媒体
10:平板
11:気泡吸収媒体層

Claims (9)

  1. 強化繊維基材を積層したプリフォームを基台上に配置し、バッグフィルムで覆い、バッグフィルム内部を吸引して減圧後、該バッグフィルム内部に液状樹脂を注入し、硬化させる複合材料の成形法において、目的とする成形体の体積より5〜55%体積の大きいプリフォームを用い該バッグフィルム内部を吸引、減圧後、該プリフォームの空隙体積の45%〜95%の樹脂を注入する第1の工程と、該バッグフィルム内部の体積を目的とする成形体の体積まで減少させる第2の工程と、樹脂の硬化をおこなう第3の工程を有する複合材料の成形方法。
  2. 前記第2の工程において、前記第1の工程以上に加圧することで、該バッグフィルム内部の体積を減少させ、第3の工程では、第2の工程の最終圧力値を維持する請求項1に記載の複合材料の成形方法。
  3. 前記第1工程、および、前記第3工程における圧力値をそれぞれP、P(いずれも単位は、kPa)としたとき、それぞれが、下記式の範囲内にある請求項2に記載の複合材料の成形方法。
    150≦P≦600 ・・・(A)
    100≦P≦P―50 ・・・(B)
  4. 樹脂のフローフロントの位置を検知するセンサにより、前記樹脂のフローフロントの位置がプリフォームの空隙体積の45%〜95%の位置に達したことを検知した後、第1の工程を終了し、第2の工程へ移行することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の複合材料の成形方法。
  5. 前記樹脂のフローフロントの位置を検知するセンサにより、強化繊維基材全面に樹脂が含浸されたことを確認した後に第3の工程へ移行することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の複合材料の成形方法。
  6. 前記バッグフィルム外部からの加圧を、前記バッグフィルムとチャンバーで囲まれた空間に圧縮流体を注入することにより行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の複合材料の成形方法。
  7. 少なくともプリフォーム片側の面に樹脂を拡散させる媒体を配置することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の複合材料の成形方法。
  8. 前記強化繊維基材として、熱可塑性樹脂を主成分とする流路形成体を少なくとも片面に分散付与した強化繊維基材を用いることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の複合材料の成形方法。
  9. 前記第2の工程において、成形温度を下記式(D)で算出される温度Tまでさらに加温し、前記流路形成体の形状を変化させ、該バッグフィルム内部の体積を減少させることを特徴とする請求項8に記載の複合材料の成形方法。
    T≧Tg・・・(D)
    Tg:前記流路形成体のガラス転移点温度(単位:℃)
    T:単位(℃)
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JP (1) JP2007168428A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010094908A (ja) * 2008-10-16 2010-04-30 Yokohama Rubber Co Ltd:The 繊維強化プラスチックパネルの製造方法および製造装置
KR101242724B1 (ko) 2010-12-08 2013-03-12 (주)하드램 진공 라미네이션 장치 및 이를 이용한 필름 라미네이션 방법
JP2013132853A (ja) * 2011-12-27 2013-07-08 Kawasaki Heavy Ind Ltd 樹脂含浸材の製造方法

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