JP2007167996A - シュータイプの加工物支持装置およびこれを用いて加工された機械構造体 - Google Patents
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Abstract
【課題】加工製品の原価高を来たさないで、シューマークの発生を防止することができる加工物支持装置を提供する。
【解決手段】加工物Aの外径面を回転自在に支持するシュー2の摺接部2bを含む先端部2cを樹脂で形成することにより、シューの摺接部2bを金属の加工物Aよりも十分に軟質なものとし、加工製品の原価高を来たさないで、シューマークの発生を防止できるようにした。
【選択図】図1
【解決手段】加工物Aの外径面を回転自在に支持するシュー2の摺接部2bを含む先端部2cを樹脂で形成することにより、シューの摺接部2bを金属の加工物Aよりも十分に軟質なものとし、加工製品の原価高を来たさないで、シューマークの発生を防止できるようにした。
【選択図】図1
Description
本発明は、シュータイプの加工物支持装置およびこれを用いて加工された機械構造体に関する。
研削盤等を用いて軸受部品等の機械構造体の研削加工や超仕上げ加工を行なう際には、金属の加工物をシューで回転自在に支持するシュータイプの加工物支持装置がよく使用される。通常、シューは金属製またはダイヤモンドコンパックスとされており、加工物支持装置のホルダに固定されて、加工工具と干渉しない部位で加工物を回転自在に支持する。
このようなシュータイプの加工物支持装置では、加工物の加工発熱を抑えるために加工部位に掛けられる油性または水溶性のクーラント(切削油)が、回転する加工物がシューと摺接する部位にも掛けられるが、加工能率を上げるために加工物の回転速度を高めたり、研削力等の加工物への加圧力を増大すると、潤滑性のよい油性クーラントを用いても、シューと摺接する加工物の表面にシューマークと呼ばれる接触痕が生じることがある。このシューマークは加工製品の機能を阻害するものではないが、製品の外見が損なわれるので、通常、ラッピング等の追加工で除去されている。
前記シューマークの発生を防止する手段としては、シューで加工物の外径を把持する超仕上げ盤の加工物支持装置を対象として、シューに切削油供給穴を設け、シューの加工物との摺接部に切削油を直接供給する手段が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載されたシューの摺接部に切削油を直接供給する手段は、シューに切削油供給穴を設ける必要があるので、シューの製造コストが高くなる問題がある。また、加工中に適量の切削油を継続的に供給するために、その供給装置を別途に設ける必要もあり、これらのコストによって加工製品の原価が高くなる。
そこで、本発明の課題は、加工製品の原価高を来たさないで、シューマークの発生を防止することである。
上記の課題を解決するために、本発明は、金属の加工物をシューの摺接部で回転自在に支持するシュータイプの加工物支持装置において、前記シューの少なくとも前記摺接部を樹脂で形成した構成を採用した。
また、本発明は、金属の加工物をシューの摺接部で回転自在に支持するシュータイプの加工物支持装置において、前記シューの少なくとも前記摺接部を樹脂でコーティングした構成も採用した。
すなわち、シューの少なくとも摺接部を樹脂で形成するか、樹脂でコーティングすることにより、シューの摺接部を金属の加工物よりも十分に軟質なものとし、加工製品の原価高を来たさないで、シューマークの発生を防止できるようにした。また、樹脂は自己潤滑性を有するので、加工物に掛けるクーラントの種類が、油性か水溶性かを問われない利点もある。
前記樹脂としては、耐摩耗性とクーラントに対する耐薬品性の観点から、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)、熱硬化性または熱可塑性のポリイミド樹脂(PI)、ポリアミドイミド樹脂(PAI)、ポリフェニレンスルフィド樹脂(PPS)等を使用するのが好ましい。
前記樹脂には、摩擦、摩耗特性や機械的特性を向上するために適当な充填材を添加することができる。この充填材としては、例えば、ガラス繊維、ピッチ系炭素繊維、PAN系炭素繊維、アラミド繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、炭化珪素繊維、窒化珪素繊維、窒化硼素繊維、石英ウール、金属繊維等の繊維類またはこれらを布状に編んだもの、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、燐酸リチウム、炭酸リチウム、硫酸リチウム、タルク、シリカ、クレー、マイカ等の鉱物類、酸化チタンウィスカ、チタン酸カリウムウィスカ、硼酸アルミニウムウィスカ、硫酸カルシウムウィスカ等の無機ウィスカ類、カーボンブラック、黒鉛、ポリエステル繊維、さらにポリイミド樹脂やポリベンゾイミダール樹脂等の各種熱硬化性樹脂が挙げられる。これらの充填材の中で最も好ましい充填材はPAN系炭素繊維であり、最も好ましい例としては、PEEKにPAN系炭素繊を10〜40質量%配合したものが挙げられる。
また、前記樹脂には、摺動性を向上させる目的で、アミノ酸化合物、ポリオキシベンゾイルポリエステル樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂、液晶樹脂、アラミド樹脂の繊維やパルプ、ポリテトラフルオロエチレン、窒化硼素、二硫化モリブデン、二硫化タングステン等を添加することもできる。摺動に伴う摩擦発熱を分散させるように熱伝導性を高める目的で、カーボン繊維、金属繊維、黒鉛粉末、酸化亜鉛等を添加することもできる。
上述した各種充填材は複数種類のものを組み合わせて添加することもでき、本発明の効果を阻害しない範囲で、一般的に樹脂に配合される、例えば、離型剤、難燃剤、帯電防止剤、耐候性改良剤、酸化防止剤、着色剤、導電性付与剤、工業用潤滑剤等を適宜配合してもよい。
また、本発明は、金属の加工物をシューの摺接部で回転自在に支持するシュータイプの加工物支持装置を用いて加工された機械構造体において、前記シュータイプの加工物支持装置に、上述したいずれかの加工物支持装置を用いた構成を採用することにより、機械構造体の原価高を来たさないで、シューマークの発生を防止できるようにした。
本発明のシュータイプの加工物支持装置は、シューの少なくとも摺接部を樹脂で形成するか、樹脂でコーティングするようにしたので、加工製品の原価高を来たさないで、シューマークの発生を防止することができる。樹脂は自己潤滑性を有するので、加工物に掛けるクーラントの種類が、油性か水溶性かを問われない利点もある。
また、本発明のシュータイプの加工物支持装置を用いて加工された機械構造体は、シュータイプの加工物支持装置に、上述したいずれかの加工物支持装置を用いたので、機械構造体の原価高を来たさないで、シューマークの発生を防止することができる。
以下、図面に基づき、本発明の実施形態を説明する。このシュータイプの加工物支持装置は、図1に示すように、一対のホルダ1に固定されたシュー2で、機械構造体としての軸受外輪となる加工物Aの外径面を2箇所で回転自在に支持するものであり、その内径面に軌道面が研削加工される。
図2に示すように、前記シュー2は、ホルダ1に固定される基部2aが金属で形成され、加工物Aの外径面が摺接するV字形の摺接部2bを含む先端部2cが、PEEKにCFを10〜40質量%配合した樹脂で形成されている。先端部2cは射出成形で基部2aと一体に成形してもよいし、接着等により基部2aと一体にしてもよい。
図3(a)、(b)は、それぞれ前記シュー2の変形例を示す。図3(a)のシュー2は、摺接部2bを含む全体を樹脂で形成したもの、図3(b)のシュー2は、金属で形成して摺接部2bに樹脂をコーティングしたものであり、これらの樹脂は、実施形態のものと同様に、PEEKにCFを10〜40質量%配合したものである。樹脂のコーティング法としては、樹脂を適当な溶媒に溶かした状態で行うスプレー法やディッピング法、樹脂を粉末状とした状態で行う静電塗装法や流動浸漬法を採用することができる。
上述したシュータイプの加工物支持装置を用いて、軸受外輪用の加工物の内径面に軌道面を形成する研削加工を行なった。加工物の加工個数は10個とした。加工条件は以下の通りである。
・軸受外輪:外径150mm、内径137mm、幅24mm
・回転速度:140rpm
・研削時間:1分間
・クーラント:水溶性
・軸受外輪:外径150mm、内径137mm、幅24mm
・回転速度:140rpm
・研削時間:1分間
・クーラント:水溶性
上記加工条件で研削加工した10個の加工物について、シューで支持された外径面を観察した。この結果、いずれの加工物の外径面にもシューマークは発生しておらず、本発明に係る加工物支持装置が、期待通りの効果を発揮することが確認された。
上述した実施形態では、シューが加工物の外径面を2箇所で支持するものとしたが、シューによる加工物の支持部位および支持箇所数は、実施形態のものに限定されることはない。
1 ホルダ
2 シュー
2a 基部
2b 摺接部
2c 先端部
2 シュー
2a 基部
2b 摺接部
2c 先端部
Claims (3)
- 金属の加工物をシューの摺接部で回転自在に支持するシュータイプの加工物支持装置において、前記シューの少なくとも前記摺接部を樹脂で形成したことを特徴とするシュータイプの加工物支持装置。
- 金属の加工物をシューの摺接部で回転自在に支持するシュータイプの加工物支持装置において、前記シューの少なくとも前記摺接部を樹脂でコーティングしたことを特徴とするシュータイプの加工物支持装置。
- 金属の加工物をシューの摺接部で回転自在に支持するシュータイプの加工物支持装置を用いて加工された機械構造体において、前記シュータイプの加工物支持装置に、請求項1または2に記載された加工物支持装置を用いたことを特徴とするシュータイプの加工物支持装置を用いて加工された機械構造体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005366317A JP2007167996A (ja) | 2005-12-20 | 2005-12-20 | シュータイプの加工物支持装置およびこれを用いて加工された機械構造体 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2005366317A JP2007167996A (ja) | 2005-12-20 | 2005-12-20 | シュータイプの加工物支持装置およびこれを用いて加工された機械構造体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2007167996A true JP2007167996A (ja) | 2007-07-05 |
Family
ID=38295226
Family Applications (1)
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JP2005366317A Pending JP2007167996A (ja) | 2005-12-20 | 2005-12-20 | シュータイプの加工物支持装置およびこれを用いて加工された機械構造体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007167996A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019097738A1 (ja) | 2017-11-16 | 2019-05-23 | 日本精工株式会社 | ワークピース支持装置、加工装置、加工方法、軸受の製造方法、車両の製造方法、および機械装置の製造方法 |
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2005
- 2005-12-20 JP JP2005366317A patent/JP2007167996A/ja active Pending
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