JP2007163361A - 近接場分光解析のための標準試料およびこの標準試料を用いた空間分解能評価方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】近接場分光解析における空間分解能評価のための標準試料(10)は、表面が反射率の高い金属材料によって構成された下地金属層(11)と、下地金属層(11)上に形成された厚さが10μm以下の樹脂層(12)と、樹脂層(12)との境界(14)が明確になるように樹脂層表面を部分的に被覆する金属層(13)とを有する。
【選択図】図2
Description
図2は、本発明の実施形態1にかかる標準試料の構造を示す図である。この標準試料は、単一の樹脂−金属境界を有することを特徴とする。図2(a)は標準試料10の断面図、(b)はその平面図、(c)は標準試料10の変形例10’の断面図、(d)は変形例10’の製造方法を説明するための図である。図2において、11は、Fe、Alなどの反射率の高い金属を材料とする下地金属層である。下地金属層11は、ガラス基板上にAu、Pd、Pt、Al、Ag、Cr、Taなどの金属を蒸着したものでも良い。12は、厚さが10μm以下の薄い樹脂層であり、C−H、C=O、C−O、Si−O、C−Fなどの官能基を含んだ樹脂で構成される。特に、C=O基を含むものは高感度の試料となる。樹脂層12は、下地金属層11上に例えばスピンコートなどによって被覆される。
T=実際の厚さ(t1)×反射率(R) (1)
で示され、一方、反射率(R)は、
R=金属SB(シングルビーム)強度/Al基準SB強度 (2)
として算出することができる。したがって、金属被覆膜13としてAl以外の金属を用いる場合は、上記式(1)および(2)にしたがって実際の金属膜厚t1の最小値を決定することができる。なお、式(1)、(2)に示す関係は、近接場プローブの金属被覆膜厚さの決定に対しても適用することができる。
図9は本発明の実施形態2にかかる標準試料の構成を示す図である。本実施形態の標準試料は、金属−樹脂境界を試料上に複数個設けたことを特徴としている。図9(a)は試料20の平面図、図(b)は図(a)の線20A−20A上の断面図である。図において、21は下地金属層、22は樹脂層、23は格子金属メッシュを示す。格子金属メッシュ23は、図2に示した実施形態1の金属被覆層13に代わるものであって、したがってその肉厚は金属被覆層13と同様に0.1〜3μmの範囲内である。また、格子金属メッシュ23の格子間隔は、50〜1000nmである。
図12は、本発明の実施形態3にかかる標準試料30の構成を示す図である。本実施形態の標準試料は、実施形態2の標準試料の高感度化を狙ったものである。図の(a)は標準試料30の断面構造を示し、図(b)はその効果を説明するための図である。図(a)および(b)において、31は、表面部分に複数の半球形孔34を有する下地金属層、32は樹脂層、33は格子金属メッシュである。球形孔34は、下地金属となる金属プレートに、フェムト秒レーザー加工などによって50〜1000nmφの孔が複数個設けられている。孔34内には、KBr、KCl、NaCl、CaFなどの光透過結晶材料35が充填されている。図示はしていないが、充填材料35内に金属の微粒子を混入させても良い。格子金属メッシュ33は、下地金属層31の球形孔34とほぼ同じサイズの開口36を有している。
図13は、本発明の実施形態4にかかる標準試料40の構成を示す図である。図(a)は標準試料40の断面図であって、41は下地金属層、42は樹脂層、43は樹脂層42上に設けた第1の格子金属メッシュ、44は第1の格子金属メッシュ43上に設けた第2の格子金属メッシュである。第1、第2の格子金属メッシュ43、44は、それぞれ0.05μm〜1.5μmの厚さを有しているが、両者を合わせた最大の厚さt1が実施形態2の格子金属メッシュ23の厚さ、即ち実施形態1の金属被覆層13の厚さt1以内であれば良い。格子金属メッシュの厚さ以外の構成および材料は、実施形態2の格子金属メッシュと同じであり、かつ、下地金属層41、樹脂層42は実施形態1あるいは実施形態2と同様である。
図14の(a)および(b)は、本発明の実施形態5にかかる標準試料の断面図である。本実施形態では、下地金属層51上に格子金属メッシュ52を配置し、メッシュ開口内にポリカーボネートなどの分析用樹脂を埋め込み、樹脂層53を形成したことを特徴としている。図(b)に示す樹脂層53’は、検出感度を向上させるために、樹脂層中に金属微粒子を分散させて光を多重反射させるようにしている。本実施形態における格子金属メッシュ52は、樹脂層53、53’の厚さを10μm以下とするために、その厚さt3を10μm以下とする。また、格子幅は10μm以下、メッシュ穴サイズは10〜50μmが望ましい。メッシュの金属種は、Cu、Al、Fe、Niなどが良い。
図15の(a)および(b)に、本発明の実施形態6にかかる標準試料を示す。本実施形態の標準試料60は、図(a)の断面図に示すように、下地金属層61の表面上に100〜1000nmφの複数の孔62を設け、この孔62中に100〜1000nmφのポリマー微粒子63を分散させた構造を有する。ポリマー微粒子63の材料はポリスチレンまたはポリメタクリレートなどであるが、あるいはSiO2などの微粒子を用いても良い。また、ポリマー微粒子63が孔62内に安定的に収容されるように、下地金属層61の孔62表面およびポリマー微粒子63の表面に親水基を付与しても良い。
図17は本発明の実施形態7に示す標準試料の構造を示す断面図である。本実施形態の標準試料は、近接場分光解析における垂直方向の空間分解能評価に適している。図16において、標準試料70は、下地金属層71、樹脂多層膜72および格子金属メッシュ73で構成されている。下地金属層71は、上記実施形態1〜6と同様の金属プレートあるいは表面に金属を蒸着したガラス基板である。
11 下地金属層
12 樹脂層
13 金属被覆層
14 境界
15 傾斜(スロープ)
20 標準試料
21 下地金属層
22 樹脂層
23 格子金属メッシュ
30 標準試料
31 下地金属層
32 樹脂層
33 格子金属メッシュ
34 孔
35 光透過結晶
36 開口
40 標準試料
43、44 第1、第2の格子金属メッシュ
50 標準試料
52 格子金属メッシュ
53 樹脂層
60 標準試料
62 孔
63 ポリマー微粒子
64、65 親水基
70 標準試料
72 樹脂多層膜
Claims (16)
- 近接場分光解析における空間分解能評価のための標準試料であって、表面が反射率の高い金属材料によって構成された下地金属層と、前記下地金属層上に形成された厚さが10μm以下の樹脂層と、前記樹脂層との境界が明確になるように前記樹脂層表面を部分的に被覆する金属層とを有することを特徴とする、標準試料。
- 請求項1に記載の標準試料において、前記樹脂層は、C−H、C=O、Si−O、C−F官能基のうち少なくとも1個の官能基を含むことを特徴とする、標準試料。
- 請求項1に記載の標準試料において、前記金属層は厚さが3μm以下であることを特徴とする、標準試料。
- 請求項1に記載の標準試料において、前記金属層は、前記樹脂層との境界部分に傾斜を有していることを特徴とする、標準試料。
- 請求項1に記載の標準試料において、前記金属層は格子金属メッシュで構成されていることを特徴とする、標準試料。
- 請求項5に記載の標準試料において、前記下地金属層はその上面部分に前記格子金属メッシュの格子間隔と同程度の径を有する半球状の複数の孔を有し、前記孔は光透過性の材料で充填されていることを特徴とする、標準試料。
- 請求項5に記載の標準試料において、前記格子金属メッシュは、樹脂層表面に平行方向において相対的にスライド可能な第1、第2の格子金属メッシュで構成されていることを特徴とする、標準試料。
- 近接場分光解析における空間分解能評価のための標準試料であって、表面が反射率の高い金属材料によって構成された下地金属層と、前記下地金属層上に形成した厚さが10μm以下の格子金属メッシュと、前記格子金属メッシュの格子で囲まれた部分に充填される樹脂層とを有し、前記格子金属メッシュ表面と前記樹脂層表面とが同一平面を形成するように平坦化されていることを特徴とする、標準試料。
- 請求項8に記載の標準試料において、前記樹脂層中には金属の微粒子が分散されていることを特徴とする、標準試料。
- 近接場分光解析における空間分解能評価のための標準試料であって、表面が反射率の高い金属材料によって構成された下地金属層と、前記下地金属層の表面部分に形成された複数の半球状の孔と、前記半球状の孔に分散収容される微粒子とを有することを特徴とする、標準試料。
- 請求項10に記載の標準試料であって、前記孔の表面および前記微粒子表面には親水基が付着されていることを特徴とする、標準試料。
- 請求項1に記載の標準試料において、前記樹脂層は、少なくとも、第1の官能基を含む第1の樹脂層と、前記第1の官能基とは異なる第2の官能基を含む第2の樹脂層とを積層した構造を有することを特徴とする、標準試料。
- 請求項1乃至8の何れか1項に記載の標準試料を用意するステップと、
前記用意された標準試料を用いて近接場分光測定を行うステップと、
前記測定結果を解析してあらかじめ決定した官能基に基づくスペクトルピークの強度分布を求めるステップと、
前記求めた強度分布において強度値が大幅に変化する部分を検出し、該検出部分の幅に基づいて近接場分光解析における水平方向の空間分解能を評価するステップと、を備えることを特徴とする、近接場分光解析における空間分解能の評価方法。 - 請求項7に記載の標準試料を用意するステップと、
前記標準試料における第1、第2の格子金属メッシュを相対的にスライドさせて前記格子面積を変化させながら近接場分光測定を行うステップと、
前記測定結果を解析してあらかじめ決定した官能基に基づくスペクトルピークの強度分布を求めるステップと、
前記求めた強度分布に基づいて前記格子によって画定された樹脂領域の識別可能下限を求めるステップと、を備えることを特徴とする、近接場分光解析における空間分解能の評価方法。 - 請求項10または11に記載の標準試料を用意するステップと、
前記用意された標準試料を用いて近接場分光測定を行って特定の官能基に基づくスペクトルピークの強度分布を求めるステップと、
前記求めた強度分布に基づいて前記標準試料に含まれる微粒子の識別可能なサイズの下限値を決定するステップと、を備えることを特徴とする、近接場分光解析における空間分解能の評価方法。 - 請求項12に記載の標準試料を用意するステップと、
前記用意された標準試料を用いて近接場分光測定を行うステップと、
前記測定結果を解析して前記第1および第2の官能基に基づくスペクトルピークの強度分布を求めるステップと、
前記求めた第1および第2の官能基の強度分布に基づいて、前記標準試料における多層膜の識別可能な下限値を決定するステップと、を備えることを特徴とする、近接場分光解析における空間分解能の評価方法。
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WO2015133014A1 (ja) * | 2014-03-05 | 2015-09-11 | 株式会社日立製作所 | 走査プローブ顕微鏡及び、これを用いた試料測定方法 |
WO2023021867A1 (ja) * | 2021-08-20 | 2023-02-23 | 株式会社日立ハイテク | 走査プローブ顕微鏡とそれに使用される試料 |
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