JP2007162969A - 給湯システム - Google Patents

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Abstract

【課題】太陽熱で加熱された温水とヒートポンプサイクルを用いて沸き上げた給湯水とを適切な状態で混合することができる給湯システムを提供する。
【解決手段】給湯システムは、太陽熱集熱器8によって集熱した太陽熱を使用して温水を蓄える太陽熱温水器システム11と、ヒートポンプユニット1によって循環させて沸き上げた給湯水を蓄えるヒートポンプ給湯機システム4と、太陽熱温水器システム11で蓄えた温水とヒートポンプ給湯機システム4で蓄えた給湯水を混合させて出湯する温水混合システム20と、を備えている。そして、この温水混合システム20において温水と給湯水を配管内でほぼ圧力差がない状態にしてから混合する構成としている。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽熱で加熱された温水とヒートポンプサイクルを用いて沸き上げた給湯水とを混合させて出湯する給湯システムに関する。
従来、この種の給湯システムは、太陽熱集熱器で加熱された温水を貯める第1貯湯タンクと、ヒートポンプサイクルからなる熱源装置で沸き上げられた給湯水を貯める第2貯湯タンクと、を備え、第1貯湯タンク内の温水および第2貯湯タンク内の給湯水のうち少なくとも一方を出湯するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005‐134077号公報
しかしながら、上記従来の給湯システムおいては、第1貯湯タンクに蓄えられた温水と第2貯湯タンクに蓄えられた給湯水とを混合させるときに、それぞれの流体が流れる配管の長さやタンクの位置などによって、水圧に差が生じて混合後の給湯水の温度調節が困難であったり、圧力の低い方の流体が流れにくかったりするという問題があった。
そこで、本発明の目的は、上記問題点を鑑みてなされたものであり、太陽熱で加熱された温水とヒートポンプサイクルを用いて沸き上げた給湯水とを適切な状態で混合することができる給湯システムを提供することにある。
上記目的を達成するために、以下の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の給湯システムの発明は、太陽熱集熱器(8)によって集熱した太陽熱を使用して温水を蓄える太陽熱温水器システム(11、11A)と、ヒートポンプユニット(1)によって循環させて沸き上げた給湯水を蓄えるヒートポンプ給湯機システム(4)と、太陽熱温水器システム(11、11A)で蓄えた温水とヒートポンプ給湯機システム(4)で蓄えた給湯水を混合させて出湯する温水混合システム(20、20A、20B)と、を備えている。そして、温水混合システム(20、20A、20B)において温水と給湯水を配管内でほぼ圧力差がない状態にしてから混合することを特徴とする。
この請求項1に記載の発明によれば、温水と給湯水を混合した流体の温度調節が容易になり、ハンチングなどでヒートポンプ給湯機システム側からの給湯水が余分に流れ込むことを防止でき、太陽熱による温水を活用した省エネルギー、低ランニングコストの給湯システムを提供できる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の給湯システムにおいて、太陽熱温水器システム(11、11A)で蓄えた温水を温水混合システム(20)に供給するときに温水の圧力を減圧する第1減圧装置(14)と、ヒートポンプ給湯機システム(4)で蓄えた給湯水を温水混合システム(20)に供給するときに給湯水の圧力を減圧する第2減圧装置(7)と、を設けている。そして、第1減圧装置(14)と第2減圧装置(7)は、作動流体をほぼ同一圧力に減圧する減圧装置であることを特徴とする。
この請求項2に記載の発明によれば、同一の圧力条件で作動する減圧装置を備えることにより、簡単な構成で優れた省エネルギー性を有する給湯システムを提供できる。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の給湯システムにおいて、太陽熱温水器システム(11、11A)で蓄えた温水を温水混合システム(20)に供給するときに温水の圧力を加圧する加圧装置(36)と、ヒートポンプ給湯機システム(4)で蓄えた給湯水を温水混合システム(20)に供給するときに給湯水の圧力を減圧する第2減圧装置(7)と、を設けること特徴とする。
この請求項3に記載の発明によれば、ヒートポンプ給湯機システムから供給される給湯水の圧力に比べて、太陽熱温水器システムから供給される温水の圧力が低い場合に、温水の圧力を積極的に上昇させてほぼ圧力差が生じない状態にできる。特に、太陽熱温水器システムが大気開放の水頭圧式の場合で、その設置場所の高低差が低いときに有用である。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の給湯システムにおいて、温水混合システム(20A、20B)において温水と給湯水を混合させる前に、温水の圧力を検出する混合前温水圧力センサ(34)、および給湯水の圧力を検出する混合前給湯水圧力センサ(35)を設けている。そして、温水と給湯水の圧力は、ほぼ圧力差がない状態で混合するように混合前温水圧力センサ(34)と混合前給湯水圧力センサ(35)によって検出された圧力情報を用いて制御されることを特徴とする。
この請求項4に記載の発明によれば、混合前の温水と混合前の給湯水の圧力を検出して両者を制御することにより、システムの施工現場に固有のさまざまな施工状態に対して、温水と給湯水を適切に混合させることができる給湯システムを構築できる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態の具体的手段との対応関係を示す一例である。
(第1実施形態)
以下に、本実施形態を図1および図2を用いて説明する。図1は、本実施形態における給湯システムの概略構成を示した模式図である。図2は、本実施形態の給湯システムにおける制御構成を示した模式図である。
本実施形態の給湯システムは、太陽熱集熱器8によって集熱した太陽熱を用いて温水を蓄える太陽熱温水器システム11、ヒートポンプユニット1によって循環しながら沸き上げた給湯水を蓄えるヒートポンプ給湯機システム4、および太陽熱温水器システム11で蓄えた温水とヒートポンプ給湯機システム4で蓄えた給湯水とを混合させて出湯する温水混合システム20の大きく3つのシステムから構成されている。
そして、浴槽やシャワーなどへ出湯するときには、状況に応じて、太陽熱温水器システム11からの温水のみを使用したり、ヒートポンプ給湯機システム4からの給湯水のみを使用したり、あるいは当該温水と給湯水を混合した温水を使用したりすることによって、給湯システムは、省エネルギー性を優先しつつ、使用者の要望を満たした出湯が行われるシステムとなっている。
太陽熱温水器システム11は、建物の屋根などに設置される太陽熱集熱器8、太陽熱集熱器8によって集熱された太陽熱で加熱された温水を貯める貯湯容器9、および水道水を太陽熱温水器システム11に供給するための給水装置10から主に構成されている。給水装置10は、ボールタップなどを備え、水道水を給水するための給水配管32が接続されている。太陽熱集熱器8は内部に日射により熱せられる水回路が形成されており、給水装置10によって供給された水道水は水回路に導入されることにより加熱される。
貯湯容器9は、耐食性に優れた金属製、例えばステンレス製の容器であり、外周部に図示しない断熱材が取り付けられ、温水を長時間に渡って保温することができる。貯湯容器9には温水を温水混合システム20に向けて送り出す配管33が接続されている。
温水混合システム20は、太陽熱温水器システム11から送り出された温水が通る配管33と、ヒートポンプ給湯機システム4からの給湯水が流れてくる配管31とを合流させた後、必要に応じて水道水を混合させるための給水配管24が接続される配管系統を構成している。
合流手前の配管33には、太陽熱温水器システム11から送り出された温水の温度を検出する温水センサ18と、太陽熱温水器システム11から送り出された温水の圧力を減圧する第1減圧装置である第1減圧弁14と、が設けられている。温水センサ18と温水混合システム制御装置12は無線または有線によって電気的につながっており、配管33内の温水の温度情報は温水混合システム制御装置12に出力される。
第1減圧弁14は、所定の圧力条件に流体を減圧する減圧弁であり、この圧力条件は、後述する第2減圧弁7の減圧条件とほぼ同じ圧力条件に設定されている。このような仕様の第1減圧弁14と第2減圧弁7を用いることによって、太陽熱温水器システム11から送り出された温水とヒートポンプ給湯機システム4からの給湯水が、ほぼ圧力差がない状態で混合されることになる。
また、合流手前の配管31には、ヒートポンプ給湯機システム4から送り出された給湯水の温度を検出する給湯水センサ17が設けられている。給湯水センサ17と温水混合システム制御装置12は無線または有線によって電気的につながっており、配管31内の給湯水の温度情報は温水混合システム制御装置12に出力される。
配管31と配管33の合流部には三方弁である混合弁15が設けられ、混合弁15は温水と給湯水を混合するか、またはいずれか一方のみを給湯側に導入するかを選択可能に作動する。混合弁15と温水混合システム制御装置12は無線または有線によって電気的につながっており、混合弁15の作動は、温水混合システム制御装置12によって制御される。
配管31と配管33の合流部の下流には三方弁である混合弁16が設けられ、混合弁16のさらに下流には出湯される給湯水の温度を検出する出湯温度センサ19が設けられている。混合弁16は、合流部から流れてきた流体と給水配管24を流れてきた水道水を混合するか、または水道水の流入を遮断するかを選択可能に作動する。
混合弁16および出湯温度センサ19と、温水混合システム制御装置12は、無線または有線によって電気的につながっている。混合弁16の作動は、温水混合システム制御装置12によって制御され、出湯される給湯水の温度情報は温水混合システム制御装置12に出力される。混合弁16に流入する水道水は、混合弁16の手前の給水配管24に設けられた給水減圧弁13によってその圧力が調整されて流入量が調整されることになる。
温水混合システム制御装置12は、本実施形態における制御手段であり、前述の給湯水センサ17、温水センサ18、および出湯温度センサ19からの温度情報、使用者が操作するリモコン21からの信号等に基づいて、混合弁15および混合弁16を制御するとともに、後述する貯湯タンク制御装置3と送受信を行うように構成されている。
ヒートポンプ給湯機システム4は、ヒートポンプユニット1と、ヒートポンプユニット1により循環されて沸き上げられた給湯水を貯える第1貯湯タンク2と、第1貯湯タンク2に貯えられた給湯水を温水混合システム20へ送るために配設された配管31などからなる配管系統と、から主に構成されている。
貯湯タンク2は耐食性に優れた金属製のタンクであり、その外周部に図示しない断熱材が配置されており、高温の給湯用水を長時間に渡って保温することができる。貯湯タンク2は縦長の形状であり、その底面には導入口26が設けられ、この導入口26は給水配管24と連通している。導入口26の上流側には、給水サーミスタ(図示せず)と流量カウンタ(図示せず)が設けられ、この温度情報および流量情報は後述する貯湯タンク制御装置3に出力される。
また、導入口26の上流側には、給水配管24を流れてくる水道水の水圧を減圧する第2減圧装置である第2減圧弁7が設けられている。この第2減圧弁7は、温水混合システム20において太陽熱温水器システム11から温水と合流するときの給湯水の圧力を設定する減圧弁でもある。例えば、第2減圧弁7は、給水配管24を流れる水道水の水道圧力約400KPaを約80KPaに減圧する。なお、第2減圧弁7により減圧される給湯水の圧力は、第1減圧弁14の減圧条件とほぼ同じ圧力に設定されている。
一方、第1貯湯タンク2の最上部には導出口28が設けられ、導出口28には第1貯湯タンク2内の高温の湯を導出するための配管31が接続されている。第1貯湯タンク2の上下方向中ほどには、第1貯湯タンク2内に蓄えられた給湯水のうち、高温の給湯水よりも湯温の低い中温の給湯水を取り出すための中温水取出し配管29が接続されている。この中温水取出し配管35と配管31との合流点には、三方弁である中温水混合弁5が設けられている。中温水混合弁5は、貯湯タンク制御装置3と無線または有線によって電気的につながっており、その作動は制御される。
中温水混合弁5の下流側には、第2減圧弁7で減圧された水道水が合流するように配管30が接続され、この合流部に三方弁である混合弁6が設けられている。混合弁6は、貯湯タンク制御装置3と無線または有線によって電気的につながっており、その作動は制御される。
貯湯タンク制御装置3が中温水混合弁5を制御して中温水取出し管29から配管31に通じる流路を確保すると、第1貯湯タンク2内の比較的低い温度の湯と高温の湯が混合されて温水混合システム20へ送られる。温水混合システム20へ送る湯をさらに低温にする必要がある場合は、貯湯タンク制御装置3が混合弁6を制御して配管30から配管31に通じる流路を確保することになる。
混合弁6の出口側は、配管31と配管33の合流部に位置する混合弁15とつながっている。混合弁15よりも上流側の配管31には、前述の給湯水センサ17に加えて図示しない流量カウンタが設けられており、配管31内の温度情報および流量情報は貯湯タンク制御装置3に出力される。
次に、第1貯湯タンク2の下面にはタンク内の水を吸い出すための流出口25が設けられ、第1貯湯タンク2の上面にはタンク内に湯を流入させる流入口27が設けられている。流出口25と流入口27とは循環回路23で連通されており、循環回路23の一部はヒートポンプユニット1内に配置されている。循環回路23における流入口27寄りにはタンク保護のための図示しないサーモスタットが設けられている。
循環回路23のヒートポンプユニット1内に配置された部分には、図示しない熱交換器が設けられており、流出口25から吸入した第1貯湯タンク2内の水を高温冷媒との熱交換により加熱し、流入口27からタンク内に戻すことにより第1貯湯タンク2内の水を沸き上げることができる構成となっている。
ヒートポンプユニット1は、ヒートポンプサイクルを構成する本実施形態における加熱手段であり、ヒートポンプユニット1は貯湯タンク制御装置3からの制御信号により作動するとともに、その作動状態を貯湯タンク制御装置3に出力するように構成されている。
また、第1貯湯タンク2の下部の外壁面には、タンク内下部の水温を検出する図示しない入水サーミスタが設けられており、導入口26から導入された水道水の温度情報を貯湯タンク制御装置3に出力するようになっている。また、第1貯湯タンク2の上部外壁面には、タンク内上部の水温を検出する図示しない出湯サーミスタが設けられており、導出口28から導出される湯の温度情報を貯湯タンク制御装置3に出力するように構成されている。
また、第1貯湯タンク2の外壁面には、図示しない複数の水位サーミスタが縦方向にほぼ等間隔に配置され、タンク内に満たされた水の各水位レベルでの温度情報を貯湯タンク制御装置3に出力するように構成されている。この水位サーミスタからの温度情報に基づいて、第1貯湯タンク2内上方の沸き上げられた給湯水とタンク内下方の沸き上げられる前の水との温度境界位置を検出できるように構成されている。
なお、ヒートポンプユニット1が循環回路23に設けられた図示しない熱交換器により循環回路23内の水を加熱するときには、貯湯タンク制御装置3は、入水サーミスタからの温度情報に基づいてヒートポンプユニット1を作動制御するように構成されている。
貯湯タンク制御装置3は、本実施形態における制御手段であり、各種センサ類からの温度情報、流量カウンタからの流量情報、圧力情報、ヒートポンプユニット1からの信号、および温水混合システム制御装置12からの信号に基づいて、ヒートポンプユニット1、中温水混合弁5、混合弁6、温水混合システム制御装置12、およびリモコン21の表示を制御するように構成されている。
上記構成の給湯システムにおける作動について説明する。リモコン21の電源スイッチがオンされると、まず、貯湯タンク制御装置3は、ヒートポンプユニット1を制御し、通常の温調給湯制御を行う。この温調給湯制御は、深夜時間帯になると各種センサ類からの温度情報に基づいてヒートポンプユニット1を作動し、第1貯湯タンク2内の水道水を加熱して高温、例えば85℃の湯の給湯水を蓄える。そして、深夜時間帯終了後には、一日に使用する給湯使用量に応じた貯湯量が第1貯湯タンク2内に蓄えられることになる。
一方、太陽熱温水器システム11は、例えば天気の良い日に給水装置10から供給された水道水が太陽熱集熱器8で集熱された太陽熱により加熱されて温水として貯湯容器9内に蓄えられることになる。なお、天気の悪い曇天および雨天などのときは、太陽熱集熱器8で水道水は加熱されないので、貯湯容器9内の温水の温度は上昇しない。
そして、貯湯タンク制御装置3および温水混合システム制御装置12が、リモコン21の操作による使用者の運転設定を満足する出湯条件が太陽熱温水器システム11からの温水のみで対応できないと判断した場合には、貯湯タンク制御装置3は、太陽熱温水器システム11からの温水に加えて第1貯湯タンク2内に蓄えたヒートポンプ給湯機システム4からの給湯水を供給する制御を行う。このとき、温水混合システム制御装置12は、配管31と配管33の内部を流れる流体が合流するように混合弁15を作動する。
さらに、第1減圧弁14と第2減圧弁7のそれぞれは、それぞれが有するほぼ同一の設定圧力に流体を減圧するように作動することになる。このようにして、太陽熱温水器システム11からの温水とヒートポンプ給湯機システム4からの給湯水は、ほぼ同一の圧力の状態で混合弁15に流入して混合されるので、出湯される温水の温度調節は容易になり、また一定の温度に設定しやすくなる。
また、温水混合システム制御装置12は、温水センサ18および給湯水センサ17による温度情報により、混合された後の温水の温度を推定する。さらに、温水混合システム制御装置12は、出湯温度センサ19による温度情報により、出湯される温水が使用者による設定温度を満たしているかを判断し、設定温度よりも高い場合には、給水配管24、配管30、または中温水取出し配管29から水道水または温水を取り込むようにして設定温度を満たすように制御を行う。
このように本実施形態の給湯システムは、太陽熱集熱器8によって集熱した太陽熱を使用して温水を蓄える太陽熱温水器システム11と、ヒートポンプユニット1によって循環させて沸き上げた給湯水を蓄えるヒートポンプ給湯機システム4と、太陽熱温水器システム11で蓄えた温水とヒートポンプ給湯機システム4で蓄えた給湯水を混合させて出湯する温水混合システム20と、を備えている。そして、この温水混合システム20において温水と給湯水を配管内でほぼ圧力差がない状態にしてから混合する構成としている。
この構成によれば、温水と給湯水を混合した流体の温度調節が容易になり、ハンチングなどでヒートポンプ給湯機システム4側からの給湯水が余分に流れ込むことを防止でき、太陽熱温水器システム11からの温水を最大限に活用して出湯することができる。したがって、省エネルギー、低ランニングコストの給湯システムが得られる。
また、給湯システムは、太陽熱温水器システム11で蓄えた温水を温水混合システム20に供給するときに温水の圧力を減圧する第1減圧弁14と、ヒートポンプ給湯機システム4で蓄えた給湯水を温水混合システム20に供給するときに給湯水の圧力を減圧する第2減圧弁7と、を備え、この第1減圧弁14と第2減圧弁7は、作動流体をほぼ同一圧力に減圧する減圧弁で構成されている。この構成を採用した場合には、優れた省エネルギー性を有する給湯システムを簡単な構成で実現することができる。
(第2実施形態)
本実施形態の給湯システムを図3および図4を用いて説明する。図3は、本実施形態における給湯システムの概略構成を示した模式図である。図4は、本実施形態の給湯システムにおける制御構成を示した模式図である。本実施形態の給湯システムは、前述の第1実施形態の給湯システムに対して、混合される二つの作動流体の圧力をそれぞれ検出し、この圧力情報を用いて第1減圧弁14A、第2減圧弁7Aのそれぞれが作動流体の圧力を制御する点が異なっているが、その他の構成は第1実施形態と同様である。
本実施形態の給湯システムは、太陽熱温水器システム11から供給される温水とヒートポンプ給湯機システム4から供給される給湯水を混合させる手前に、温水の圧力を検出する混合前温水圧力センサ34と、給湯水の圧力を検出する混合前給湯水圧力センサ35とを備えている。混合前温水圧力センサ34および混合前給湯水圧力センサ35が検出する圧力情報は、温水混合システム制御装置12Aに出力される。
第1減圧弁14Aおよび第2減圧弁7Aは、絞り量を変化させることができる絞り弁であり、第1減圧弁14Aは温水混合システム制御装置12Aにより制御され、第2減圧弁7Aは貯湯タンク制御装置3Aにより制御される。
上記構成の給湯システムにおける作動について説明する。貯湯タンク制御装置3Aは、ヒートポンプユニット1を制御し、通常の温調給湯制御を行い、温水混合システム制御装置12Aは、太陽熱集熱器8で集熱された太陽熱を用いて温水を貯湯容器9内に蓄える。
貯湯タンク制御装置3Aおよび温水混合システム制御装置12Aが、リモコン21の操作による使用者の運転設定を満足する出湯条件が太陽熱温水器システム11からの温水のみで対応できないと判断した場合には、貯湯タンク制御装置3Aは、太陽熱温水器システム11からの温水に加えて第1貯湯タンク2内に蓄えたヒートポンプ給湯機システム4からの給湯水を供給する制御を行う。
さらに温水混合システム制御装置12Aは、混合される前の温水の圧力情報を混合前温水圧力センサ34から取得するとともに、混合される前の給湯水の圧力情報を混合前給湯水圧力センサ35から取得する。これらの圧力情報は、貯湯タンク制御装置3Aに出力され、混合される手前で温水の圧力と給湯水の圧力にほぼ差がなくなるように、貯湯タンク制御装置3Aは第2減圧弁7Aの絞り量を制御し、温水混合システム制御装置12Aは第1減圧弁14Aの絞り量を制御する。
このようにして、太陽熱温水器システム11からの温水とヒートポンプ給湯機システム4からの給湯水は、ほぼ同一の圧力の状態で混合弁15に流入して混合されるので、出湯される温水の温度調節は容易になり、また、一定の温度に設定しやすくなる。
本実施形態の給湯システムは、温水混合システム20Aにおいて温水と給湯水を混合させる前に、温水の圧力を検出する混合前温水圧力センサ34、および給湯水の圧力を検出する混合前給湯水圧力センサ35を設けている。そして、ほぼ圧力差がない状態で温水と給湯水が混合するように、混合前温水圧力センサ34と混合前給湯水圧力センサ35によって検出された圧力情報を用いて第2減圧弁7Aの絞り量と第1減圧弁14Aの絞り量を制御している。
この構成を採用した場合には、給湯システムの施工現場によって固有のさまざまな施工状態においても、温水と給湯水を適切に混合させることができる。特に、配管31と配管33の長さにかなりの差がある場合や、太陽熱温水器システム11の貯湯容器9の設置高さがかなり高い場合には、あらかじめ用意した減圧弁では、対応することができず、本実施形態のような圧力制御が有用である。
(第3実施形態)
本実施形態の給湯システムを図5および図2を用いて説明する。図5は、本実施形態における給湯システムの概略構成を示した模式図である。図2は、本実施形態の給湯システムにおける制御構成を示した模式図である。本実施形態の給湯システムは、前述の第1実施形態の給湯システムに対して、第2減圧弁7の代わりに加圧装置である加圧ポンプ36を備えた点が異なっているが、その他の構成は第1実施形態と同様である。
本実施形態の給湯システムは、太陽熱温水器システム11から供給される温水をヒートポンプ給湯機システム4から供給される給湯水と混合させる手前で、温水の圧力を加圧することに特徴がある。加圧ポンプ36が温水を加圧する圧力設定値は、第2減圧弁7の減圧設定値とほぼ同じ圧力に設定されている。
上記構成の給湯システムにおける作動について説明する。貯湯タンク制御装置3は、ヒートポンプユニット1を制御し、通常の温調給湯制御を行い、温水混合システム制御装置12は、太陽熱集熱器8で集熱された太陽熱を用いて温水を貯湯容器9内に蓄える。
貯湯タンク制御装置3および温水混合システム制御装置12が、リモコン21の操作による使用者の運転設定を満足する出湯条件が太陽熱温水器システム11からの温水のみで対応できないと判断した場合には、貯湯タンク制御装置3は、太陽熱温水器システム11からの温水に加えて第1貯湯タンク2内に蓄えたヒートポンプ給湯機システム4からの給湯水を供給する制御を行う。
さらに、第2減圧弁7は混合前の給湯水を設定された圧力に減圧し、加圧ポンプ36は第2減圧弁7による減圧値とほぼ同じ圧力に温水を加圧するように作動することになる。このようにして、太陽熱温水器システム11からの温水とヒートポンプ給湯機システム4からの給湯水は、ほぼ同一の圧力の状態で混合弁15に流入して混合されるので、出湯される温水の温度調節は容易になり、また一定の温度に設定しやすくなる。
本実施形態の給湯システムは、太陽熱温水器システム11で蓄えた温水を温水混合システム20Bに供給するときに温水の圧力を加圧する加圧ポンプ36と、ヒートポンプ給湯機システム4で蓄えた給湯水を温水混合システム20Bに供給するときに給湯水の圧力を減圧する第2減圧弁7と、を設けている。そして、温水と給湯水を混合する前に、加圧ポンプ36と第2減圧弁7は、配管内で両者の圧力差がほぼない状態にしている。
この構成を採用した場合は、ヒートポンプ給湯機システム4から供給される給湯水の圧力に比べて、太陽熱温水器システム11から供給される温水の圧力が低い場合に、温水の圧力を積極的に上昇させてほぼ圧力差が生じない状態にすることができる。特に、太陽熱温水器システム11から供給される温水が貯湯されているタンクの配置場所が低いときには、温水の水圧が低いので有用である。
(第4実施形態)
本実施形態の給湯システムを図6および図7を用いて説明する。図6は、本実施形態における給湯システムの概略構成を示した模式図である。図7は、本実施形態の給湯システムにおける制御構成を示した模式図である。本実施形態の給湯システムは、前述の第3実施形態の給湯システムに対して、混合される二つの作動流体の圧力をそれぞれ検出し、この圧力情報を用いて加圧装置である加圧ポンプ36A、第2減圧弁7Aのそれぞれが作動流体の圧力を制御する点が異なっているが、その他の構成は第3実施形態と同様である。
また、本実施形態の給湯システムは、第2実施形態の給湯システムと同様に、温水と給湯水を混合させる手前に、温水の圧力を検出する混合前温水圧力センサ34と、給湯水の圧力を検出する混合前給湯水圧力センサ35とを備えている。混合前温水圧力センサ34および混合前給湯水圧力センサ35が検出する圧力情報は、温水混合システム制御装置12Bに出力される。
加圧ポンプ36Aは作動流体の圧力を可変的に加圧できるポンプであり、第2減圧弁7Aは、絞り量を変化させることができる絞り弁である。加圧ポンプ36Aは温水混合システム制御装置12Bにより制御され、第2減圧弁7Aは貯湯タンク制御装置3Aにより制御される。
上記構成の給湯システムにおける作動について説明する。リモコン21の電源スイッチがオンされると、貯湯タンク制御装置3Aは、ヒートポンプユニット1を制御し、通常の温調給湯制御を行い、温水混合システム制御装置12Bは、太陽熱集熱器8で集熱された太陽熱を用いて温水を貯湯容器9内に蓄える。
貯湯タンク制御装置3Aおよび温水混合システム制御装置12Bが、リモコン21の操作による使用者の運転設定を満足する出湯条件が太陽熱温水器システム11からの温水のみで対応できないと判断した場合には、貯湯タンク制御装置3Aは、太陽熱温水器システム11からの温水に加えて第1貯湯タンク2内に蓄えたヒートポンプ給湯機システム4からの給湯水を供給する制御を行う。
さらに温水混合システム制御装置12Bは、混合される前の温水の圧力情報を混合前温水圧力センサ34から取得するとともに、混合される前の給湯水の圧力情報を混合前給湯水圧力センサ35から取得する。これらの圧力情報は、貯湯タンク制御装置3Aに出力され、混合される手前で温水の圧力と給湯水の圧力にほぼ差がなくなるように、貯湯タンク制御装置3Aは第2減圧弁7Aの絞り量を制御し、温水混合システム制御装置12Bは加圧ポンプ36Aによる加圧量を制御する。
このようにして、太陽熱温水器システム11からの温水とヒートポンプ給湯機システム4からの給湯水は、ほぼ同一の圧力の状態で混合弁15に流入して混合されるので、出湯される温水の温度調節は容易になり、また、一定の温度に設定しやすくなる。
本実施形態の給湯システムは、温水混合システム20Bにおいて温水と給湯水を混合させる前に、温水の圧力を検出する混合前温水圧力センサ34、および給湯水の圧力を検出する混合前給湯水圧力センサ35を設けている。そして、ほぼ圧力差がない状態で温水と給湯水が混合するように、混合前温水圧力センサ34と混合前給湯水圧力センサ35によって検出された圧力情報を用いて第2減圧弁7Aの絞り量と加圧ポンプ36Aによる加圧量を制御している。
この構成を採用した場合には、給湯システムの施工現場によって固有のさまざまな施工状態においても、温水と給湯水を適切に混合させることができる。特に、配管31と配管33の長さにかなりの差がある場合や、太陽熱温水器システム11の貯湯容器9の設置高さがかなり低い場合には、あらかじめ用意した加圧装置では、対応することができず、本実施形態のような加圧力の制御が有用である。
(その他の実施形態)
本発明の給湯システムは、太陽熱温水器システムが上記第1実施形態から第4実施形態に記載のように比較的高い場所に貯湯容器を有するもの、つまり自然循環式や開放式に限定されるものではなく、図8に示すように、第2貯湯タンク9Aを備えた強制循環式の太陽熱温水器システム11Aにも適用することができる。
この構成の場合、第2貯湯タンク9Aは、第1貯湯タンク2と同様耐食性に優れた金属製、例えばステンレス製の容器であり、外周部に図示しない断熱材が取り付けられ、温水を長時間に渡って保温することができる。また、第3減圧弁39は、一般的に水道圧力約400KPaを約200KPa前後に減圧している。また、太陽熱集熱器8により加熱された温水は、第2貯湯タンク9A内と太陽熱集熱器8の間を循環する循環回路38を揚水ポンプ37によって循環し、第2貯湯タンク9A内に貯められた水と熱交換して第2貯湯タンク9A内の水を加熱する。第1実施形態のように第1減圧弁14と第2減圧弁7を同一圧力に設定することで、温水を混合することができる。
第1実施形態における給湯システムの概略構成を示した模式図である。 第1および第3実施形態の給湯システムにおける制御構成を示した模式図である。 第2実施形態における給湯システムの概略構成を示した模式図である。 第2実施形態の給湯システムにおける制御構成を示した模式図である。 第3実施形態における給湯システムの概略構成を示した模式図である。 第4実施形態における給湯システムの概略構成を示した模式図である。 第4実施形態の給湯システムにおける制御構成を示した模式図である。 その他の実施形態における給湯システムの概略構成を示した模式図である。
符号の説明
1 ヒートポンプユニット
3、3A 貯湯タンク制御装置
4 ヒートポンプ給湯機システム
7、7A 第2減圧弁(第2減圧装置)
8 太陽熱集熱器
11、11A 太陽熱温水器システム
12、12A、12B 温水混合システム制御装置
14、14A 第1減圧弁(第1減圧装置)
20、20A、20B 温水混合システム
34 混合前温水圧力センサ
35 混合前給湯水圧力センサ
36、36A 加圧ポンプ(加圧装置)

Claims (4)

  1. 太陽熱集熱器(8)によって集熱した太陽熱を使用して温水を蓄える太陽熱温水器システム(11、11A)と、
    ヒートポンプユニット(1)によって循環させて沸き上げた給湯水を蓄えるヒートポンプ給湯機システム(4)と、
    前記太陽熱温水器システム(11、11A)で蓄えた温水と前記ヒートポンプ給湯機システム(4)で蓄えた給湯水を混合させて出湯する温水混合システム(20、20A、20B)と、を備え、
    前記温水混合システム(20、20A、20B)において、前記温水と前記給湯水を配管内でほぼ圧力差がない状態にしてから混合することを特徴とする給湯システム。
  2. 前記太陽熱温水器システム(11、11A)で蓄えた温水を前記温水混合システム(20)に供給するときに前記温水の圧力を減圧する第1減圧装置(14)と、
    前記ヒートポンプ給湯機システム(4)で蓄えた給湯水を前記温水混合システム(20)に供給するときに前記給湯水の圧力を減圧する第2減圧装置(7)と、を設け、
    前記第1減圧装置(14)と前記第2減圧装置(7)は、作動流体をほぼ同一圧力に減圧する減圧装置であることを特徴とする請求項1に記載の給湯システム。
  3. 前記太陽熱温水器システム(11、11A)で蓄えた温水を前記温水混合システム(20B)に供給するときに前記温水の圧力を加圧する加圧装置(36)と、
    前記ヒートポンプ給湯機システム(4)で蓄えた給湯水を前記温水混合システム(20)に供給するときに前記給湯水の圧力を減圧する第2減圧装置(7)と、を設けること特徴とする請求項1に記載の給湯システム。
  4. 前記温水混合システム(20A、20B)において前記温水と前記給湯水を混合させる前に、前記温水の圧力を検出する混合前温水圧力センサ(34)、および前記給湯水の圧力を検出する混合前給湯水圧力センサ(35)を設け、
    前記混合前温水圧力センサ(34)と前記混合前給湯水圧力センサ(35)によって検出された圧力情報を用いて、前記温水と前記給湯水がほぼ圧力差がない状態で混合するように両方の圧力を制御することを特徴とする請求項1に記載の給湯システム。
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