JP2007162790A - ナット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ナット1は、内周側にねじ溝部15、16が刻設された略円弧状の複数の分割ナット片10、11からなり、各分割ナット片10、11は、弾性変形可能な係止片12の係合手段とヒンジ部2が形成されることにより、連結自在とされる。
前記ヒンジ部2は、当接部24が形成されたヒンジ軸部21と、前記当接部24とは圧接するが、ヒンジ軸部21の周面とは隙間ができる径に形成されたヒンジ受け部25よりなる。前記ナット1は、成形時、前記隙間により型抜きの空間が確保されることから、各分割ナット片10、11は同時に成形でき、締め付け時、当接部24とヒンジ受け部25との圧接によりがたつきがないヒンジ部2と、分割ナット片11内で係合する係合手段により、一体に連結される。
【選択図】 図1
Description
このような分割形ナットは、互いの分割したナット部分同士を薄肉の弾性ヒンジ片にて接続する関係から、長いボルトやねじ棒へ、ナットの取り付け取り外しを幾度も繰り返し行なううちに、薄肉の弾性ヒンジ片は破断する問題があった。
またナットの使用時、一方のヒンジ軸部またはヒンジ受け部には、他方のヒンジ軸部またはヒンジ受け部へ摺接する当接部が設けられるので、互いの分割ナット片を角変位させたり、便座等の取付物を締め付けたりする際、ヒンジ部のヒンジ軸部に設けられた当接部は、ヒンジ受け部の内周面へ摺接するので、互いの分割ナット片はがたつかないので、便座等の取付物を確実に固定することができる。
さらに互いの分割ナット片は、薄肉の弾性ヒンジ片を形成することなく、ヒンジ軸部とヒンジ受け部からなるヒンジ部で連結されるので、繰り返し使用をしても、ナットがへたって破損することはない。
また分割ナット片の他端部に設けられる係合手段は、他の分割ナット片の内側で収まるように係合されるので、ナットへ不測な外力が加わっても、係合が解除することはない。
本発明の実施形態1について図1〜図4を参照しながら説明する。本実施形態のナット1は、一つの金型内で、同時に、かつ、連結状態で組み合わされた状態で成形される、複数種類の部材からなる。そしてナット1は、合成樹脂成形品からなる複数(本実施形態では二つ)の分割ナット片10、11からなり、その分割ナット片10、11は、ヒンジ部2によって連結されており、これらの各分割ナット片10、11は、前記ヒンジ部2によって図1の矢印A,B方向に示すように角変位自在である。
またもう一方の分割ナット片11に形成される係合部13は、断面が外方に開放された略コ字状に形成された分割ナット片10の端部において、その角部に橋渡し状に形成される。そしてその係合部12の径方向の内側は斜面状に形成される。これは分割ナット片10の係止片12を係合させた際、その係合部12の端部を径方向の内側へ案内して撓ませることにより、係止片12との係合を容易にするためである。さらに分割ナット11の両側部は壁状となっており、係合部13へ係合した係止片12の側部を覆うようにされる。これはナット1の側方から、係合部13へ係合した係止片12への工具等の引っ掛かりを防止する。
配置後、各分割ナット片10、11は図1に示すように、そのヒンジ部2から矢印Aへ角変位させ、一つの分割ナット片10の一端部に形成した係止片12と、他の分割ナット片11の一端部に形成した係合部13を係合させて円環状に係合する。この時係止片12は、その撓みの始点は分割ナット片10の端部のやや奥側に設定されているので、全長が長いことから容易に弾性変形可能である。そして係合部13の径方向の内側の斜面と協同することにより、容易に係合が可能である。そして係合部13へ係合した係止片12の先端部は、分割ナット片11の内部に収まっているので、工具や部材がナット1へ不意に当たっても、係止片12に当接することが防止でき、係合解除することがないので高い係合力を維持できる。
これにより各分割ナット片10、11の内周面側に刻設されたねじ溝部15、16と、ボルトBの外周面に刻設された外ねじとが螺合することとなる。このときナット1のヒンジ部2は、前述したようにヒンジ軸部21の当接部24とヒンジ受け部25の基礎円部27の周面に圧接しているので、がた付きが無いことから、前記係合部13と係止片12との係合と協同して、ナット1の剛性は高い状態となる。そのためナット1をボルトBへ配置して螺合させるのみで、高い装着力が得られる。更にロータンクや便座を強固に固定する際のナット1の増し締めにおいても、強く締め込むことができる。
更にナット1には薄肉ヒンジ部は設けられないので、分割ナット片10、11を繰り返し角変位させても、ナット1はへたりや破損することはない。
本発明の実施形態2について図5を参照して説明する。本実施形態は前記実施形態1の一部を変更したものであるから、その変更部分について詳述し、その実施形態1と同一もしくは実質的に均等構成と考えられる部分には同一符号を付して、重複する説明は省略する。
このヒンジ部3は、一方の分割ナット片10の一端部に形成されたヒンジ軸部31と、他方の分割ナット片11の一端部に形成されたヒンジ受け部35とよりなる。一方の分割ナット片11に形成された前記ヒンジ受け部35は、その軸線方向へ支持孔部36が貫通しており、また他の分割ナット片10の一端部には、前記ヒンシ受け部35の内面との間に隙間ができる径に形成され、かつ、前記ヒンジ受け部35の両支持孔部36に差し込まれる一対のヒンジ軸部31が、軸方向へ突出形成される。
ここでヒンジ受け部35の外径部から各当接部34の先端に至るまでの距離は、ヒンジ受け部35とヒンジ軸部31との隙間の距離より僅かに長めにしてある。したがって各当接部34は支持孔部36の周面に対して圧接することとなり、各分割ナット片10、11のがた付きを規制することができる。
そしてナット1を使用するにおいては、分割ナット片10、11を角変位させた際、逃がし部38と整合していた当接部34は、ヒンジ軸部31の周面へ圧接することにより、ナット1は高い剛性が得られるうえ、各分割片10、11を繰り返し角変位させてもへたったり破損したりすることはない。
なお本発明は種々の変更が可能であり、次のような変形例も本発明の技術的範囲に含まれる。
1…ナット
2、3…ヒンジ部
10、11…分割ナット片
12…係止片(係合手段)
13…係合部
15、16…ねじ溝部
21、31…ヒンジ軸部
24、34…当接部
25、35…ヒンジ受け部
28、38…逃がし部
Claims (1)
- 複数の分割ナット片が係合手段およびヒンジ部によって連結され、その内周部にはねじ溝部が形成されるナットにおいて、
前記分割ナット片の一端部には、他の分割ナット片の一端部で収まるように係合する係合手段が形成され、
前記ヒンジ部は、前記複数の分割ナット片のうちの一つの分割ナット片に設けられたヒンジ受け部と、他の分割ナット片に設けられた、前記ヒンジ受け部の内面との間に隙間ができる径に形成されたヒンジ軸部からなり、
前記一方のヒンジ軸部またはヒンジ受け部には、他方のヒンジ軸部またはヒンジ受け部へ摺接する当接部が設けられることを特徴とするナット。
Priority Applications (1)
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Family Applications (1)
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Country Status (1)
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