JP2007162668A - ポンプ装置およびパワーステアリング装置 - Google Patents

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Yasuhito Nakakuki
泰仁 中岫
Masakazu Kurata
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Abstract

【課題】 ポンプ内圧力の上昇によってもポンプの回転抵抗が増大することなく、エネルギロスやポンプハウジングの摩耗を抑制するポンプ装置を提供すること。
【解決手段】 本発明のポンプ装置は、ポンプハウジングと、前記ポンプハウジングに回転自在に支持される駆動軸と、前記駆動軸に遊嵌状態で係合される係合孔を有する第1歯車と、前記第1歯車と噛合い、前記駆動軸の回転に伴って作動液を吸入および吐出する第2歯車と、を備え、前記駆動軸の外周面と前記第1歯車の係合孔の内周面との間の径方向距離は、この係合孔の軸方向中間部よりも両端部の方が大きいこととした。
【選択図】 図6

Description

本発明は、ポンプ装置およびパワーステアリング装置に関する。
従来、特許文献1に開示されるパワーステアリング装置は、電動モータで駆動される可逆式ポンプからの液圧をパワーシリンダの左右のシリンダ室に夫々選択的に供給することにより操舵アシスト力を得ている。この可逆式ポンプは内接歯車式のトロコイドポンプで、外歯を有するインナロータを電動モータに接続された駆動軸で回転駆動することによりポンプの吸入、吐出を行っている。
特開2005−41301号公報
この駆動軸はインナロータに対して遊嵌状態で組付けられ、また、可逆式ポンプの製造誤差によってインナロータに対して若干傾いた状態となっている場合がある。この場合、駆動軸の回転によってポンプの吐出が行われると、ポンプ内圧力の上昇によりインナロータは吐出側圧力室から圧力を受け、傾いた駆動軸に沿ってインナロータが傾き、ポンプハウジングの内側面に押し付けられる。従って、ポンプの回転抵抗が増大し、エネルギロスとなるばかりでなく、インナロータとの摺動により、ポンプハウジングが摩耗する虞があるという問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、ポンプ内圧力の上昇によってもポンプの回転抵抗が増大することなく、エネルギロスやポンプハウジングの摩耗を抑制するポンプ装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明のポンプ装置は、ポンプハウジングと、前記ポンプハウジングに回転自在に支持される駆動軸と、前記駆動軸に遊嵌状態で係合される係合孔を有する第1歯車と、前記第1歯車と噛合い、前記駆動軸の回転に伴って作動液を吸入および吐出する第2歯車と、を備え、前記駆動軸の外周面と前記第1歯車の係合孔の内周面との間の径方向距離は、この係合孔の軸方向中間部よりも両端部の方が大きいこととした。
よって、ポンプ内圧力の上昇によってもインナロータが駆動軸に沿って傾くことを抑制し、エネルギロスやポンプハウジングの摩耗を抑制するポンプ装置を提供することができる。
以下、本発明のポンプ装置およびパワーステアリング装置を実現する最良の形態を、図面に基づき説明する。
[パワーステアリング装置]
図1は、パワーステアリング装置のシステム構成図である。
油圧パワーシリンダ2は、両端が図外の操舵輪と接続されたラック軸2aと、ラック軸2aと一体に移動するピストン2bと、ピストン2bにより仕切られた第1圧力室2c,第2圧力室2dを有している。
ポンプユニット3は、可逆式のポンプ5と、ポンプ5を正逆回転させる電動モータ6とを有している。ポンプユニット3にはモータドライバユニット4aが設置されている。モータドライバユニット4aは電動モータ6を制御する回路であり、ポンプユニット3と別体に設けてもよい。
ポンプ5は、吐出ポート111,211および吸入ポート112,212(図4参照)を有している。吐出ポート111,211は第1配管8aを介して油圧パワーシリンダ2の第1圧力室2cに連通している。同様に、吸入ポート112,212は第2配管8bを介して油圧パワーシリンダ2の第2圧力室2dに連通している(図1参照)。
フェールセーフ弁7は、配管9上に設けられている。配管9はポンプ5を介さずに第1配管8aと第2配管8bとを連通している。フェールセーフ弁7は、ECU4からの指令信号により電圧が供給されると閉弁し、電圧の供給がない状態で開弁する常開弁である。これにより、ステアリング系に何らかの異常が発生し電源の供給がシャットダウンした場合であっても、第1圧力室2cと第2圧力室2dを連通状態とし、マニュアルステアを確保する。
ラック&ピニオンギア1には、運転者の操舵トルクを検出するトルクセンサ10が設けられている。このトルクセンサ10により検出された運転者の操舵トルクは、操舵トルク信号としてECU4へ出力される。
ECU4はフェールセーフ弁7およびモータドライバユニット4aと接続し、指令信号を出力する。なお、ECU4をポンプユニット3と一体に設けてもよい。
パワーステアリング装置は、運転者がステアリングを操作すると、操舵トルクと操作方向に応じて電動モータ5の回転方向を切り換え、油圧パワーシリンダ2の第1圧力室2cと第2圧力室2dの油を給排する。これにより運転者の操舵力をアシストする。なお、ステアリングの操作方向は、操舵トルクの増減から判断可能であるが、別途操作方向を検出する手段を設けてもよい。
[ポンプの構造]
次に、ポンプ5の構造について図2〜図5に基づき説明する。図2はポンプ5の分解斜視図である。ポンプ5は、ポンプハウジング11、カムリング12、ポンプカバー13、駆動軸14、アウタロータ15、及びインナロータ16を有している。ポンプハウジング11には係合孔11aが形成され、インナロータ16には係合孔16aが形成されている。インナロータ16、アウタロータ15は、それぞれ特許請求の範囲に記載の第1歯車、第2歯車に相当する。
図3は図2の部品を組み立てたポンプ5の斜視図である。カムリング12とポンプカバー13のみ断面を示す。ポンプハウジング11とカムリング12およびポンプカバー13は、図示しないボルト等によって締結固定されている。ポンプハウジング11とカムリング12およびポンプカバー13により形成されるハウジング内に駆動軸14、アウタロータ15、インナロータ16が収装されている。
カムリング12は円環状部材であり、円環内部にアウタロータ15およびインナロータ16が収装され、アウタロータ15の内部にはインナロータ16が収装されている。なお、ポンプハウジング11とポンプカバー13は、特許請求の範囲に記載のポンプハウジングに相当する。
(軸方向断面図)
図4はポンプ5の軸方向断面図である。なお、説明のためポンプ5の軸方向をz軸、z軸に垂直な平面内であって吐出ポート111,211から吸入ポート112,212へ向かう方向をx軸と定義する。
ポンプハウジング11の係合孔11a内にはシール材11bおよびブシュ11cを介して駆動軸14が回転自在に支持されている。駆動軸14のポンプハウジング11側の第1端部14aは、電動モータ6の出力軸6aと連結されている。一方、駆動軸14のポンプカバー13側の第2端部14bは、ポンプカバー13にブシュ13bを介して回転自在に支持されている。駆動軸14はキー14aによりインナロータ16と係合されている。
ポンプハウジング11のz軸正方向側面110であって図中I-I直線よりもx軸負方向の領域には吐出ポート111が設けられ、x軸正方向の領域には吸入ポート112が設けられている。ポンプカバー13のz軸負方向側面130であって吐出ポート111、吸入ポート112とz軸方向で対応する領域に、それぞれ吐出ポート211、吸入ポート212が設けられている。
ポンプハウジング11の側面110とカムリング12のz軸負方向側面120、アウタロータ15のz軸負方向側面150、インナロータ16のz軸負方向側面160との間には、クリアランスt1が設定されている(図6参照)。また、カムリング12のz軸正方向側面121、アウタロータ15のz軸正方向側面151、インナロータ16のz軸正方向側面161とポンプカバー13のz軸負方向側面130との間には、クリアランスt2が設定されている(図6参照)。
(軸方向正面図)
図5はポンプカバー13を取り去ったポンプ5の軸方向正面図である。x軸及びz軸(図2参照)に対し直交するy軸を定義し、このy軸はアウタロータ15とインナロータ16との噛合い部A方向を正とする。
アウタロータ15は外周面15aにおいてカムリング12に回転自在に収装されるとともに、内周に内歯歯車150を有し、内歯歯車150においてインナロータ16の外歯歯車160と噛み合う。
この内歯歯車150と外歯歯車160は同ピッチで設けられ、また内歯歯車150の歯数は外歯歯車160の歯数よりも1つ多く設けられている。なお、内歯歯車150の歯数は外歯歯車160の歯数に対し2つ以上であってもよく特に限定しない。
内歯歯車150の歯数は外歯歯車160の歯数よりも1つ多いため、内歯歯車150と外歯歯車160が噛合う際互いに偏心して噛合い、アウタロータ15の中心O'に対しインナロータ16の中心Oがy軸正方向側にずれることとなる。偏心により内歯歯車150と外歯歯車160により隔成されたポンプ室50が形成される。
ポンプハウジング11であってポンプ室50に対応する位置には、吐出ポート111及び吸入ポート112が設けられている。この吸入、吐出ポート111,112はそれぞれII-II直線に対し対称な三日月型凹部であり、それぞれ第1、第2配管8a,8bと連通してポンプ室50へオイルの給排を行う。
アウタロータ15とインナロータ16の偏心により、内歯歯車150と外歯歯車160はそれぞれy軸正方向へ向かうほど密に噛合い、y軸正方向端部Aにおいて完全に噛合ってポンプ室50は最小容積となる。また、y軸負方向へ向かうほど噛合を解かれ、y軸負方向端部Bにおいて完全に噛合を解かれて最大ポンプ容積となる。なお、y軸負方向端部Bにおける内歯歯車150と外歯歯車160のクリアランスは、接触を回避しつつ略ゼロとなるよう設けられている。
インナロータ16及びアウタロータ15が時計回りに回転されると、ポンプ室50におけるIII-III直線に対しx軸負方向側領域(吐出ポート111に対応)では回転に伴って容積が減少する吐出領域51となり、x軸正方向側領域(吸入ポート112に対応)では回転に伴って容積が増加する吸入領域52となる。反時計回りに回転する場合は、吸入及び吐出が逆となる。
z軸と平行に設けられた駆動軸14は、モータ6(図1参照)に接続されてインナロータ16を駆動する。インナロータ16とアウタロータ15の噛み合いにより、駆動軸14の回転に伴ってインナロータ16及びアウタロータ15は回転駆動される。この駆動軸14が正逆回転を行うことでポンプ5は双方向ポンプとして機能する。
図6はポンプ5の軸方向部分断面図である。図5のIII-III直線で切った断面を示す。なお、説明のため、組立誤差発生の場合の例を示す。
図6に示すように、ポンプハウジング11の係合孔11aのブシュ11cと駆動軸14との間のx軸正方向側のクリアランスをc1とし、ポンプカバー13の係合孔13aのブシュ13bと駆動軸14との間のx軸正方向側のクリアランスをc2とする。ポンプ5の組立誤差によりポンプカバー13の軸はポンプハウジング11の軸に対してx軸正方向に所定量vずれている。よって、c2はc1よりvだけ大きい。
駆動軸14は、図外のキーによりインナロータ16の係合孔16a内周面に係合されている。係合孔16a内周面は円筒形状である。
一方、駆動軸14の係合部14cの軸方向中間点をMとし、軸方向両端をD,Eとする。駆動軸14の係合部14cは、軸径rがD,EからMに向かって徐々に大きくなりMで最大値rmaxをとる。よって、駆動軸14とインナロータ16の係合孔16a内周面との間の径方向距離はMよりもD,Eの方が大きい。係合部14cはインナロータ16の係合孔16a内周面に向かって軸対称に一定の曲率で膨らみ、y軸正方向から見ると駆動軸14の外径方向に凸の滑らかな曲面を形成している。
インナロータ16の係合孔16a内周面と駆動軸14との間のクリアランスをt3とする。t3で許容される、インナロータ16の駆動軸14に対する最大傾角をαとする(図7参照)。インナロータ16とポンプハウジング11の間のクリアランスt1、およびインナロータ16とポンプカバー13と間のクリアランスt2で許容される、x軸に対するインナロータ16の最大傾角をβとする(図7参照)。βは、駆動軸14がz軸に対して傾いていない状態におけるインナロータ16の傾き量である。
図7に示すように、インナロータ16とポンプハウジング11の接触、およびインナロータ16とポンプカバー13の接触を抑制するため、αはβよりも小さく設けられている。
[実施例1の作用]
次に、本実施例1のポンプ5の作用について述べる。図8~図10、図12はポンプ5の軸方向部分断面図である。
(インナロータの移動)
ポンプ5作動時、例えば図5において時計回りにインナロータ16が回転している時にはポンプ室50内の吐出領域51と吸入領域52との間で圧力差が生じる。図6に示すように、この圧力差によりインナロータ16にはx軸正方向に荷重Fが作用し、インナロータ16はx軸正方向に移動する。
(インナロータと駆動軸の接触)
駆動軸14とインナロータ16の係合孔16a内周面との間の径方向距離はMよりもD,Eの方が大きい。すなわち、インナロータ16の係合孔16a内周面は円筒形状である一方、駆動軸14の係合部14cは、軸径rが軸方向両端D,Eから軸方向中間点Mに向かって徐々に大きくなりMで最大値rmaxをとる。そのため、x軸正方向に移動するインナロータ16の係合孔16a内周面は、駆動軸14の係合部14cと点接触する。この点をPとする(図8参照)。
(駆動軸の移動)
図8に示すように、インナロータ16に加えられる荷重Fは点Pを介して駆動軸14に伝達され、荷重Fにより駆動軸14はインナロータ16と共にx軸正方向に移動する。駆動軸14はクリアランスc1分の距離をx軸正方向に移動する。
(駆動軸とブシュとの当接)
c2はc1より大きい。よって、図9に示すように、駆動軸14のx軸正方向側はまずポンプハウジング11の係合孔11aのブシュ11cと当接する。当接部のz軸負方向端をGとする。このとき、ポンプカバー13の軸とポンプハウジング11の軸との間の大きさvのずれにより、駆動軸14のx軸正方向側とポンプカバー13の係合孔13aのブシュ13bとの間には大きさvのクリアランスc3が存在する。
(駆動軸の傾き)
インナロータ16に加えられる荷重Fは点Pを介して駆動軸14に伝達され、駆動軸14にはx軸正方向の力が作用する。一方、駆動軸14はz軸正方向側ではポンプハウジング11と当接し、z軸負方向側ではポンプカバー13との間にクリアランスc3を有する。よって、図10に示すように、駆動軸14はx-z平面上でGを中心に反時計回り方向に回転してz軸に対して傾く。クリアランスc3の分を駆動軸14が傾くと、それ以上駆動軸14は傾かない。このときの駆動軸14とz軸との間の角度をγとする。
(インナロータとポンプハウジングの接触)
インナロータ16のポンプハウジング11側の側面160のx軸正方向端をHとする。インナロータ16の回転軸が駆動軸14と平行である場合、クリアランスt1、t2で許容されるx軸に対するインナロータ16の最大傾角β(図7参照)がγより小さいときHはポンプハウジング11の側面110と接する。βがγより大きいときHは側面110と接しない。
(干渉抑制作用1)
インナロータ16の係合孔16a内周面は、駆動軸14の係合部14cとPで点接触する。よって、インナロータ16のHとポンプハウジング11の側面110が接触するときでも、点Pは係合部14c外周面上を連続的に移動しうる。
このため、インナロータ16はポンプハウジング11に対して連続的に傾きうる。したがって、インナロータ16とポンプハウジング11が固定的に接触することはなく、インナロータ16とポンプハウジング11との間の摩擦力が軽減され、両者の干渉が抑制される。
言い換えると、ポンプ5は、インナロータ16が駆動軸14の傾きに対して自由度を持ち、駆動軸14に対して大きさα(図7参照)までの傾きが許容される構造である。このため、ポンプ5は、駆動軸14がz軸に対して傾いた状態でインナロータ16がポンプ室50の吐出領域51から圧力を受けた場合であっても、インナロータ16がポンプハウジング11に押し付けられるのを抑制する。
(干渉抑制作用2)
ポンプ5において、係合孔16a内周面に対する駆動軸14の最大傾角αはx軸に対するインナロータ16の最大傾角βよりも小さく設けられている(図7参照)。言い換えると、インナロータ16とポンプハウジング11及びポンプカバー13との軸方向距離、すなわちクリアランスt1、t2を充分に確保している。このため、インナロータ16が駆動軸14に沿って最大限傾いた状態であっても、インナロータ16とポンプハウジング11、ポンプカバー13との摺動抵抗、すなわち干渉を抑制する。
(ポンプ振動抑制作用)
またポンプ5において、駆動軸14の係合部14cは軸対称に一定の曲率で膨らみ、y軸正方向から見ると駆動軸14の外径方向に凸の滑らかな曲面を形成している。このように駆動軸14の係合部14cの直径が徐々に変化するように形成することにより、駆動軸14に対するインナロータ16の傾きの変化が滑らかとなり、ポンプ5の振動が抑制される。
[従来例との対比における実施例1の効果]
従来の内接歯車式のトロコイドポンプでは、駆動軸はインナロータに対して遊嵌状態で組付けられ、駆動軸のインナロータとの係合部は係合部以外の駆動軸と同じ円柱形状であり、直径も同一である。また、インナロータの係合孔内周面は円筒形状である。よって、駆動軸の回転によってポンプの吐出が行われると、ポンプ内圧力の上昇によりインナロータは吐出側圧力室から圧力を受け、インナロータの係合孔内周面は駆動軸の係合部外周面と、点接触ではなく線接触する。
一方、駆動軸は、ポンプの製造誤差によってインナロータに対して若干傾いた状態となっている。そのため、インナロータはポンプハウジングの内側面に押し付けられる(図11参照)。インナロータと駆動軸は線接触するため、インナロータとポンプハウジングとの接触は非連続的かつ固定的となる。従って、ポンプの回転抵抗が増大し、エネルギロスとなるばかりでなく、インナロータとの摺動により、ポンプハウジングが摩耗する虞があるという問題があった。
また、ポンプ内圧力に由来する荷重Fにより、インナロータはI'を支点として反時計回り方向に回転する(傾く)。Fのインナロータ径方向の分力F'、 インナロータ回転軸方向の分力F''のうち、インナロータを傾かせるように作用するF''の作用点は、支点I'を含むインナロータのz軸正方向側面上にある。よって、インナロータの重心から上記作用点までの距離(モーメントアーム)はlとなり、大きい。言い換えると、インナロータを傾かせるように作用する力のモーメントは大きい。したがって、インナロータとポンプハウジングとの摩擦力は大きい。
これに対し、本願実施例1のポンプ5は、駆動軸14とインナロータ16の係合孔16a内周面との間の径方向距離は、係合孔16aの軸方向中間点Mよりも両端D,Eの方が大きいこととした(図6参照)。
また、図12に示すように、駆動軸14とインナロータ16との接点Pに作用する上記F''の作用点は、Pを含むインナロータ16径方向平面上にある。よって、インナロータの重心から上記作用点までの距離(モーメントアーム)はl'となり、小さい。言い換えると、インナロータを傾かせるように作用する力のモーメントは小さい。したがって、インナロータとポンプハウジングとの摩擦力は小さい。
従って、本願実施例1のポンプ5は、ポンプフリクションを削減し、ポンプ吐出圧を安定させることができる。また、ポンプフリクションを削減しつつポンプの容積効率を向上させることができる、という効果を有する。
また、本願実施例1のポンプ5を搭載するパワーステアリング装置は、ポンプフリクションが低減されるため、モータ消費電力を削減することが可能である。またポンプ吐出圧を安定させることによりステアリングの振動を抑制し、操舵フィーリングを向上させることができる、という効果を有する。
図13〜図15は、実施例2のポンプ5の部分断面図である。
[実施例2の構成]
図13に示すように、ポンプ5の駆動軸14の係合部14cは、係合部14c以外の軸部と同じ円柱形状であり、直径も同一である。一方、インナロータ16の係合孔16a内周面は、z軸方向中間部の径よりもz軸方向両端部の径の方が大きくなるように形成されている。
具体的には、係合孔16a内周面は、z軸負方向側から順に円筒形状の第1内周面16b、第2内周面16c、第3内周面16dを有している。第1、第3内周面16b、16dの直径は共にR1であり、第2内周面16cの直径はR2である。R1はR2より大きい。
ポンプ5のその他の構成は実施例1と同様である。
[実施例2の作用]
図14、図15はポンプ5内圧力の上昇に由来する荷重Fによりインナロータ16がx軸正方向に移動し、かつ駆動軸14がz軸に対して反時計回り方向に角度γ傾いている状態を示す。
(インナロータとポンプハウジングの接触)
クリアランスt1、t2で許容されるx軸に対するインナロータ16の径の最大傾角β(図7参照)がγより大きい場合、図14に示すようにインナロータ16の側面160のx軸正方向端Hはポンプハウジング11の側面110と接しない。
一方、β(図7参照)がγより小さい場合、図15に示すようにインナロータ16のHはポンプハウジング11の側面110と接する。
(インナロータと駆動軸との接点)
図15において、インナロータ16のx軸負方向側の第2内周面16cのうち、z軸正方向側の端をIとし、インナロータ16軸方向中間点をJとする。IとJの距離をl1とすると、l1は、Jとインナロータ16の側面160との距離lより小さい。
駆動軸14のz軸に対する角γは、クリアランスt1、t2で許容されるインナロータ16軸のz軸に対する最大傾角β(図7参照)より大きい。一方、インナロータ16の係合孔16aは、z軸方向中間部の径よりもz軸方向両端部の径の方が大きく形成されている。よって、インナロータ16の第2内周面16cは駆動軸14の係合部14cと点Iで接する。
(干渉抑制作用1)
インナロータ16と駆動軸14との接点を支点とし、かつJを作用点として、x-z平面上でインナロータ16を時計回り方向に回転させるための力をfとする。
本実施例2のポンプ5は、支点Iと作用点Jとの距離がl1であるため、支点I'と作用点Jとの距離がl2である従来のポンプ(図11参照)に比べ、fが小さくてすむ。すなわちインナロータ16は、係合孔16aが上記形状に形成されていない従来のポンプに比べて容易にx-z平面上でIを中心として時計回り方向に傾きうる。
よって、インナロータ16がポンプハウジング11の側面110と接触する場合でも、インナロータ16は比較的容易に側面110から離れ、上記接触は固定的とならないため、インナロータ16とポンプハウジング11との干渉が抑制される。
また、Fの接点Iに作用する分力のうち、インナロータ16を傾かせるように作用するF''の作用点は、Iを含むインナロータ16径方向平面上にある。よって、インナロータの重心から上記作用点までの距離(モーメントアーム)はl1となり、小さい。言い換えると、インナロータを傾かせるように作用する力のモーメントは小さい。したがって、インナロータとポンプハウジングとの摩擦力は小さい。
(干渉抑制作用2)
インナロータ16に作用する荷重Fは接点Iを介して駆動軸14に伝達される。一方、駆動軸14がz軸に対して最大角度γ傾いている状態では、駆動軸14は、ポンプハウジング11のブシュ11cとポンプカバー13のブシュ13bとに妨げられ、それ以上x軸正方向側に移動することはできない。よって、伝達された荷重Fに対する駆動軸14からの反力がインナロータ16の第2内周面形成部16c'に作用する。
本実施例2のポンプ5ではl1がl2より小さい。すなわちインナロータ16の第2内周面形成部16c'はインナロータ16軸方向の肉厚が薄いため、駆動軸14からの上記反力によって弾性変形する。この弾性変形により、インナロータ16のz軸に対する傾きが吸収され、インナロータ16とポンプハウジング11との干渉が抑制される。
[実施例2の効果]
本実施例2では、駆動軸14の係合部14cは係合部14c以外の軸部と同じ円柱形状であり、直径も同一である。この点、係合部14cが駆動軸14の外径方向に凸の滑らかな曲面を形成している実施例1と異なる。一方、インナロータ16の係合孔16aを、インナロータ16の回転軸方向中間部(第2内周面16c)の径よりも軸方向両端部(第1、第3内周面16b、16d)の径のほうが大きくなるように形成した。この点、係合孔16a内周面が円筒形状である実施例1と異なる。
よって、駆動軸14の形状を特別に加工することなく簡略化することができる。またインナロータ16を例えば焼結金属で形成し、インナロータ16の回転軸方向に型抜きをすることにより、上記加工のほか別途加工を施す必要が無い、という効果を有する。
その他の効果は実施例1と同様である。
[実施例3の構成]
図16は、実施例3のポンプ5の部分断面図である。本実施例3では、駆動軸14の係合部14cは円柱形状である。この点、係合部14cが駆動軸14の外径方向に凸の滑らかな曲面を形成している実施例1と異なる。
一方、本実施例3では、インナロータ16の係合孔16a内周面は、孔径r1が軸方向両端D,Eから軸方向中間点Mに向かって徐々に小さくなりMで最小値をとる。インナロータ16の係合孔16a内周面は係合部14cに向かって軸対称に一定の曲率で膨らみ、y軸正方向から見るとインナロータ16の内径方向に凸の滑らかな曲面を形成している。この点、係合孔16a内周面が円筒形状である実施例1と異なる。
よって、本実施例3のポンプ5は、駆動軸14とインナロータ16の係合孔16a内周面との間の径方向距離は、係合孔16aの軸方向中間点Mよりも両端D,Eの方が大きい。この点、実施例1と同様である。
[実施例3の作用効果]
駆動軸14に対するインナロータ16の傾きの変化が滑らかとなり、ポンプ5の振動を抑制することができる。その他の作用効果は実施例2と同様である。
図17は、実施例4のポンプ5の部分断面図である。本実施例4では、実施例2と同様に、インナロータ16の係合孔16a内周面に円筒形状の第1〜第3内周面16b〜16dを設け、係合孔16aをインナロータ16の回転軸方向中間部(第2内周面16c)の径よりも軸方向両端部(第1、第3内周面16b、16d)の径のほうが大きくなるように形成した。
本実施例4では、さらに第2内周面16cを駆動軸14に向かって一定の曲率で膨らむ曲面に形成し、第2内周面16cの孔径r2が第2内周面16cのz軸両方向端D,Eからz軸方向中間点Mに向かうにつれて徐々に小さくなり、点Mで最小値をとるようにした。
[実施例4の作用効果]
本実施例4の作用効果は実施例3と同様である。
[他の実施例]
以上、本発明を実施するための最良の形態を、実施例1〜4に基づいて説明してきたが、本発明の具体的な構成は実施例1〜4に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
ポンプ5は可逆式であってもよいし、一方向式であってもよい。また、トロコイドポンプのような内接歯車式であっても良いし、外歯を有する歯車同士が噛合うギヤポンプであってもよい。
駆動軸14はスプライン等によりインナロータ16の係合孔16aに係合される構成としてもよい。
さらに、上記実施例1〜4から把握しうる請求項1以外の技術的思想について、以下にその作用効果と共に記載する。
(イ)請求項1に記載のポンプ装置において、前記駆動軸の外周面と前記係合孔との間の隙間で許容される最大傾き量は、前記第1歯車と前記ポンプハウジング内壁面との間の軸方向隙間で許容される最大傾き量よりも小さいことを特徴とするポンプ装置。
第1歯車が駆動軸に沿って最大限傾いた状態であっても、第1歯車とポンプハウジングとの軸方向距離を充分に確保しているため、両者の摺動抵抗を抑制することができる。尚、第1歯車とポンプハウジングとの間にシールリング等を設けた場合には、第1歯車とポンプハウジングとの間の軸方向隙間で許容される最大傾き量はシールリングが介在する分だけ減少するものとする。
(ロ)請求項1に記載のポンプ装置において、前記駆動軸の外周面は、前記係合孔の軸方向中間部から両端部に向かって徐々に直径の小さくなるように形成されることを特徴とするポンプ装置。
駆動軸の外周面を駆動軸の直径が徐々に変化するように形成することにより、駆動軸に対する第1歯車の傾きの変化が滑らかとなり、ポンプの振動を抑制することができる。
(ハ)請求項1に記載のポンプ装置において、前記係合孔は、この係合孔の軸方向中間部の直径よりも両端部の直径の方が大きくなるように形成されることを特徴とするポンプ装置。
駆動軸側の形状を簡略化することができ、また第1歯車側を例えば焼結金属で形成し、軸方向に型抜きするようにすることにより、別途加工を施す必要が無い。
(ニ)上記(ハ)に記載のポンプ装置において、前記係合孔は、この係合孔の直径が軸方向中間部から両端部に向かって徐々に大きくなるように形成されることを特徴とするポンプ装置。
係合孔の内周面を軸方向中間部から両端部に向かって徐々に変化するように形成することにより、駆動軸に対する第1歯車の傾きの変化が滑らかとなり、ポンプの振動を抑制することができる。
実施例1〜4のパワーステアリング装置のシステム構成図である。 実施例1〜4のポンプの分解斜視図である。 実施例1〜4のポンプの組立斜視図である。 実施例1〜4のポンプの軸方向断面図である。 実施例1〜4のポンプのポンプカバー除去状態の軸方向正面図である。 実施例1のポンプの軸方向部分断面図である。 実施例1のポンプの軸方向部分断面図である。 実施例1のポンプの軸方向部分断面図である。 実施例1のポンプの軸方向部分断面図である。 実施例1のポンプの軸方向部分断面図である。 従来のポンプの軸方向部分断面図である。 実施例1のポンプの軸方向部分断面図である。 実施例2のポンプの軸方向部分断面図である。 実施例2のポンプの軸方向部分断面図である。 実施例2のポンプの軸方向部分断面図である。 実施例3のポンプの軸方向部分断面図である。 実施例4のポンプの軸方向部分断面図である。
符号の説明
1 ラック&ピニオンギア
2 油圧パワーシリンダ
3 ポンプユニット
4 ECU
5 ポンプ
6 電動モータ
11 ポンプハウジング
12 カムリング
13 ポンプカバー
14 駆動軸
14c 係合部
15 アウタロータ
16 インナロータ
16a 係合孔

Claims (3)

  1. ポンプハウジングと、
    前記ポンプハウジングに回転自在に支持される駆動軸と、
    前記駆動軸に遊嵌状態で係合される係合孔を有する第1歯車と、
    前記第1歯車と噛合い、前記駆動軸の回転に伴って作動液を吸入および吐出する第2歯車と、を備え、
    前記駆動軸の外周面と前記第1歯車の係合孔の内周面との間の径方向距離は、この係合孔Fの軸方向中間部よりも両端部の方が大きいこと
    を特徴とするポンプ装置。
  2. ポンプハウジングと、
    前記ポンプハウジングに回転自在に支持される駆動軸と、
    前記駆動軸に遊嵌状態で係合される係合孔を有する第1歯車と、
    前記第1歯車と噛合い、前記駆動軸の回転に伴って作動液を吸入および吐出する第2歯車と、を備え、
    前記第1歯車は、前記駆動軸に対して所定量の傾きが許容されるように設けられること
    を特徴とするポンプ装置。
  3. 操舵輪に連結された操舵機構の操舵力を補助する油圧パワーシリンダと、
    前記油圧パワーシリンダの圧力室に対し液圧を供給するポンプと、
    前記ポンプを駆動する電動モータと、
    前記操舵機構の操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、
    前記操舵トルク検出手段によって検出された操舵トルクに基づき前記電動モータに駆動指令信号を出力するモータ制御回路と、を備え、
    前記ポンプは、ポンプハウジングと、
    前記ポンプハウジングに回転自在に支持される駆動軸と、
    前記駆動軸に遊嵌状態で係合される係合孔を有する第1歯車と、
    前記第1歯車と噛合い、前記駆動軸の回転に伴って作動液を吸入および吐出する第2歯車と、を備え、
    前記駆動軸の外周面と前記第1歯車の係合孔の内周面との間の径方向距離は、この係合孔の軸方向中間部よりも両端部の方が大きいこと
    を特徴とするパワーステアリング装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114270163A (zh) * 2019-10-15 2022-04-01 深圳市大疆创新科技有限公司 内转子组件测试系统以及可移动平台

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