JP2007161549A - プラズマディスプレイ用前面ガラス基板及びプラズマディスプレイ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】プラズマディスプレイ用前面ガラス基板で、ハレーションを抑制するとともに、近赤外線吸収能を有し、かつ可視波長領域の380〜770nm、特に380〜480nmの光透過性能が優れているものが望まれている。
【解決手段】実質的に重量%表示で、SiOが60〜70、Alが0.5〜5、NaOが2〜6、KOが8〜16、NaO+KOが10〜20、MgOが8〜15、CaOが0〜6、SrOが0〜5、BaOが0〜5、MgO+CaO+SrO+BaOが10〜20、ZrOが0.5〜5からなる基礎ガラス組成と、着色成分として、重量%表示で酸化鉄を0.25〜0.80含有し、該酸化鉄において2価の酸化鉄の重量と全酸化鉄の重量比(2価の酸化鉄の重量/全酸化鉄の重量)が0.25〜0.55であることを特徴とするプラズマディスプレイ用前面ガラス基板。
【選択図】 なし

Description

本発明は、近赤外線吸収能を有し、かつ可視波長領域の380〜770nm、特に380〜480nmの光透過性能が優れており、さらに耐熱性及び適切な熱膨張係数を有するプラズマディスプレイ用前面ガラス基板及びそれを用いたプラズマディスプレイ装置に関する。
プラズマディスプレイパネル(以下、PDPとする)は、一対のガラス基板間に形成される放電空間に、例えばヘリウムーキセノン等の放電ガスが封入される構造を有する。各基板上には電極がそれぞれ形成されており、所定の電極間に所定の電圧を印加することにより、所望の放電セルにおける上記封入ガスの放電を発生させる。この放電により生じた紫外線は当該放電セル内に形成される蛍光体を励起し、かかる励起状態にある蛍光体から放射される可視光がPDPの画像表示を構成する。
特にカラー表示のPDPの場合にはそれぞれの放電セル内に赤色、緑色、青色のいずれかの蛍光体層を形成することによりカラー表示を実現している。このとき、赤色、緑色、青色の各蛍光体の発光波長は赤:620nm、緑:550nm、青:460nmである。このように、PDPでは放電セルの放電状態を制御して、放電時に発生する紫外線を蛍光体によって可視光に変換し、その光を前面ガラス基板から透過させることで所望の画像表示をしている。
しかし、放電ガスに例えばネオンーキセノンガス等のガスを使用してプラズマ放電すると、PDPの前方に向かって強力な近赤外線が放射される。この近赤外線は画像表示にはなんら影響を与えないが、今日普及しているリモートコントローラー装置等に用いられている発光ダイオード(以下、LEDとする)の発光スペクトル特性の中心波長に近いため、かかるLEDを用いるリモートコントローラー装置の動作妨害及び当該リモートコントローラー装置の信号を受信する側の装置の誤動作を引き起こす。
上記リモートコントローラー装置及びその受信側の装置は、PDP装置自体の操作に関するものはもちろんであるが、当該PDP装置の周辺に設置されるその他の装置、例えばビデオテープレコーダや空調機器等のリモートコントローラー装置に対しても近赤外線がそれらの動作妨害又は誤作動を生じさせる恐れが十分にありうる。更に、上記LEDを用いる装置以外であっても近赤外線は上述のような悪影響を与えることは必至である。
このようなことから、酸化鉄などを添加して近赤外線の吸収を付与することが提案されている(例えば特許文献1参照)。
さらに、PDP装置においては蛍光体が発光したときにその一部が前面ガラス基板の内表面で散乱し、このガラス基板の内外表面で反射を繰り返すことによって隔壁を越えて隣接する画素に混入し、映像がぼやけるという現象(ハレーション)が発生する。このような現象を抑制するために可視光域で光線吸収能のあるNiO、CoOやNdなどを有し、隣接する画素に光が混入する前に吸収してしまうガラス基板が提案されている(例えば特許文献2及び3参照)。
特開2001−139342号公報 特開平11−1342号公報 特開平11−171587号公報
しかし、酸化鉄はガラス中では2価と3価のものが共存しており、2価の酸化鉄は赤外線を吸収するが可視波長領域の光は吸収しないため問題がないが、3価の酸化鉄は可視波長領域の光を吸収するという問題がある。例えば上記特開2001−139342号公報に記載されている組成においては380〜480nmの光の透過率が低くなる。
380〜480nmの光は前記の蛍光体の青色発光波長460nmを含んでいるため、前面ガラス基板の380〜480nmの光の透過率が低いと蛍光体が発光した青色の輝度が低下し、カラー表示のバランスが悪くなる。特にPDP装置の青色蛍光体は他の蛍光体に比べて発光効率が低いため、青色の発光波長をなるべく良く透過する前面ガラス基板が望ましい。
また、ハレーションを防ぐために、前記特開平11−1342号公報のようにNiOやCoOを含有させた場合、これら成分は可視波長領域全体にわたってほぼ一様に透過率を低下させるため、赤、緑、青の蛍光体から発光する光も吸収させて画像の輝度が低下するという好ましくない結果を生じる恐れがある。
またNdは、可視波長の領域の透過率は良好であるが、非常に高価な原料であるため、多量に添加すると高コストのものとなる。
さらに、PDP用基板は、パネル作製時に加熱工程を含むため、高歪点ガラスである必要がある。歪点が低いと、工程中に反りなどの問題を発生する。
さらに、熱膨張係数も、他の部材と整合性を取る必要がある。
このように、PDP用基板に求められる性質は多種にわたるが、それらを全て満たすようなガラス組成は未だ得られていないのが現状である。
本発明の目的は、上記の問題を解決するため、ハレーションを抑制するとともに、近赤外線吸収能を有し、かつ可視波長領域の380〜770nm、特に380〜480nmの光透過性能が優れており、さらにディスプレイ用基板として適切な耐熱性及び熱膨張係数を有するプラズマディスプレイ用前面ガラス基板及びそれを用いたプラズマディスプレイ装置を提供することにある。
実質的に重量%表示で、SiOが60〜70、Alが0.5〜5、NaOが2〜6、KOが8〜16、NaO+KOが10〜20、MgOが8〜15、CaOが0〜6、SrOが0〜5、BaOが0〜5、MgO+CaO+SrO+BaOが10〜20、ZrOが0.5〜5からなる基礎ガラス組成と、着色成分として、重量%表示で酸化鉄を0.25〜0.80含有し、該酸化鉄において2価の酸化鉄の重量と全酸化鉄の重量比(2価の酸化鉄の重量/全酸化鉄の重量)が0.25〜0.55であることを特徴とするプラズマディスプレイ用前面ガラス基板である。
さらに、前記ガラス基板の厚みが2.8mmであるときの波長850nmの光の透過率T850が60%以下、波長550nmの光の透過率T550が75%以上でかつ波長850nmの光の透過率T850との差(T550―T850)が25%以上、波長480nmの光の透過率T480が75%以上でかつ波長850nmの光の透過率T850との差(T480―T850)が25%以上、波長430nmの光の透過率T430が75%以上でかつ波長850nmの光の透過率T850との差(T430―T850)が25%以上、波長380nmの光透過率T380が50%以上でかつ波長850nmの光の透過率T850との差(T380―T850)が15%以上であることを特徴とする上記のプラズマディスプレイ用前面ガラス基板である。
さらに、着色成分として、CoOを0〜25ppm含有することを特徴とする上記のプラズマディスプレイ用前面ガラス基板である。
さらに、歪点が570℃以上であることを特徴とする上記のプラズマディスプレイ用前面ガラス基板である。
さらに、熱膨張係数が70〜90×10−7/℃であることを特徴とする上記のプラズマディスプレイ用前面ガラス基板である。
さらにまた、前面ガラス基板として上記のプラズマディスプレイ用前面ガラス基板を備えたプラズマディスプレイ装置である。
本発明によれば、ハレーションを抑制するとともに、近赤外線吸収能を有し、かつ可視波長領域の380〜770nm、特に380〜480nmの光透過性能が優れており、さらにディスプレイ用基板として適切な耐熱性及び熱膨張係数を有するプラズマディスプレイ用前面ガラス基板及びそれを用いたプラズマディスプレイ装置を提供できる。
本発明の基礎ガラス組成において、SiOが60〜70、Alが0.5〜5、NaOが2〜6、KOが8〜16、NaO+KOが10〜20、MgOが8〜15、CaOが0〜6、SrOが0〜5、BaOが0〜5、MgO+CaO+SrO+BaOが10〜20、ZrOが0.5〜5であることが望ましい。
SiOはガラスの主成分であり、重量%において60%未満ではガラスの耐熱性または化学耐久性を悪化させる。他方、70%を超えるとガラス融液の高温粘度が高くなり、ガラス成形が困難となる。また、ガラスの線膨張係数が小さくなり過ぎる。従って60〜70%、好ましくは62〜68%の範囲とする。
Alは、歪点を高くする成分であり、重量%において0.5未満だとその効果が得られない。他方、5%を超えるとガラス融液の高温粘度が高くなる上に、失透傾向が増大する。従って0.5〜5%、好ましくは0.5〜4、より好ましくは0.5〜3%の範囲がよい。
NaOは、KOとともにガラス溶解時の融剤として作用する必須成分である。2%未満であるとそれらの作用が不十分であり、6%を超えると歪点が低下し過ぎる。従って2〜6%、好ましくは2〜5%の範囲とする。
Oは、NaOと同様の作用効果を示すと共に、NaOとの混合アルカリ効果によりアルカリイオンの移動を抑制し、ガラスの体積抵抗率を高める必須成分である。8%未満であるとそれらの作用が不十分であり、16%を超えると線膨張係数が過大となり、また歪点も低下し過ぎるため、8〜16%、好ましくは9〜15%、より好ましくは10〜14の範囲とする。
前記アルカリ成分RO(NaO、KO)の量に関して、その合量を10〜20%にすることにより、歪点、線熱膨張係数、高温粘度および失透温度を適切な範囲に維持することができる。アルカリ成分の合量が10%未満では線熱膨張係数が低下し過ぎる上に、ヤング率が上昇し所望のヤング率が維持できなくなる。またガラスの失透傾向が増大する。20%を超えると歪点が低下し過ぎるうえに、体積抵抗率が低下する。従って、10〜20%、好ましくは12〜20%、より好ましくは12〜19%の範囲とするものである。
MgOは、ガラス溶解時の溶融ガラスの粘度を下げる作用を有すると共に、歪点も上昇させる作用を有する。8%未満であるとそれらの作用が不十分であり、15%を超えるとガラスの失透傾向が増大し溶融ガラスの成形が困難になる。従って8〜15%、好ましくは8〜14%、より好ましくは8〜13%の範囲とする。
CaOは、ガラス溶解時の溶融ガラスの粘度を下げる作用を有すると共に、ガラスの歪点を上昇させる作用を有するが、6%を超えると失透傾向が大きくなる。従って0〜6%、好ましくは0.5〜5%、さらに好ましくは1〜4%の範囲とする。
SrOは、必須成分ではないが、CaOとの共存下でガラス融液の高温粘度を下げて失透の発生を抑制する作用を有する。5%を超えると密度が高くなり過ぎるので、5%以下、好ましくは3%以下の範囲が望ましい。
BaOは、必須成分ではないが、ガラス融液の失透傾向を抑制する作用を有すると共にヤング率を下げる効果があるが、5%を超えると密度が上昇するので、5%以下、好ましくは3%以下の範囲が望ましい。
さらに、上記組成範囲内において、二価の金属酸化物RO(Rは、Mg、Ca、Sr、Ba)の合計量を10〜20%の範囲とすることによって、ガラスの溶融性を良好な範囲に維持しつつ、粘度―温度勾配を適度としてガラスの成形性を良好とし、耐熱性、化学的耐久性等に優れ、適切な範囲の熱膨張係数を有するガラスを得ることができる。ROの合計が10%未満では、高温粘度が上昇してガラスの溶融と成形が困難となる。また、歪点が下がり過ぎる上に、熱膨張係数が低下する。一方、20%を超えると、特に密度が上昇するとともに失透傾向が増大し、化学的耐久性が低下する。従って10〜20%、好ましくは11〜19、より好ましくは12〜18%である。
そして、ガラスに十分に近赤外線吸収性能と可視光透過性能との併有させるために、RO/(RO+R0)の比は0.40以上が好ましい。0.4未満だと3価の酸化鉄による可視波長領域の光吸収の抑制効果が不十分となるため、可視光、特に380〜480nmの光の透過率が低くなり過ぎる。従って、RO/(RO+R0)の比は0.40以上、好ましくは0.45以上、より好ましくは0.50以上とする。
そしてさらに、近赤外線吸収性能と可視光透過性能との併有させるとともにガラスの歪点を高くするために、MgO/RO(Rは、Mg、Ca、Sr、Ba)の比は0.5以上が望ましい。0.5未満であると3価の酸化鉄による可視波長領域の光吸収の抑制効果が不十分となる上に、所望の歪点が得られない。従って、MgO/ROの比は0.5以上、好ましくは0.60以上とする。
ZrOは、ガラスの歪点を上昇させ、またガラスの化学的耐久性を向上させる効果を有する。0.5%未満であるとそれらの作用が不十分であり、5%を超えると密度が上昇し、いずれも所望の値が維持できなくなる。従って0.5〜5%、好ましくは1〜3.5%の範囲とする。
酸化鉄はガラスに近赤外線吸収性能を付与するために必須であり、0.25〜0.80%が望ましい。0.25未満だと十分に近赤外線吸収性能付与することができず、他方、0.80を越えると可視光透過率が著しく低下するため好ましくない。また該酸化鉄において2価の酸化鉄の重量と全酸化鉄の重量比(2価の酸化鉄の重量/全酸化鉄の重量)は近赤外線吸収性能と可視光透過性能のバランスを決定する重要な値で、この値が0.25未満だと近赤外線吸収性能が十分に得られないのに加えて、可視光透過率が低下し過ぎる。他方、0.55を超えると近赤外線吸収性能が十分となるが、近赤外線の吸収が可視光透過にも影響を及ぼすため好ましくない。
また、近赤外線吸収性能を付与するあるいはハレーションを抑制するために、その他の着色成分として、CoOは25ppm以下の範囲まで含有しても構わないが、CoOが25ppmを超えると可視光透過性能が低下し過ぎるためCoOは25ppm以下、好ましくは20ppm以下、より好ましくは10ppm以下とする。またガラスの色調を所望の色調に調整するために、その他着色成分としてNiOは80ppm以下、さらにMnOは150ppm以下、そしてさらにSeは10ppm以下の範囲まで含有しても構わないが、NiOが80ppmを超えると青色蛍光体の発光波長の吸収が著しくなるため、さらにMnOが150ppmを超えると可視光透過性能が低下し過ぎるため、そしてさらにSeが10ppmを超えると可視光透過性能が低下し過ぎ、またその有毒性の観点から好ましくない。
本発明の好ましい態様のガラスは実質的に上記成分からなるが、本発明の目的を損なわない範囲で他の成分を合量で3%まで含有してもよい。たとえば、ガラスの溶解、清澄、成形性の改善のためにSO、Cl、F、As等を合量で1%まで含有してもよい。また、PDPにおける電子線ブラウニング防止等のためにTiOおよびCeOをそれぞれ1%まで、合量で1%まで含有してもよい。
本発明のガラス基板は、このような基礎ガラス組成および着色成分とすることにより、厚みが2.8mmであるときの波長850nmの光の透過率T850が60%以下と優れた近赤外線吸収性能を有し、かつ波長550nmの光の透過率T550が75%以上で波長850nmの光の透過率T850との差(T550―T850)が25%以上、波長480nmの光の透過率T480が75%以上で波長850nmの光の透過率T850との差(T480―T850)が25%以上、波長430nmの光の透過率T430が75%以上で波長850nmの光の透過率T850との差(T430―T850)が25%以上、波長380nmの光透過率T380が50%以上で波長850nmの光の透過率T850との差(T380―T850)が15%以上と可視光、特に380〜480nmにおける透過率が高いため、近赤外吸収性能と可視光高透過性能を併有することができる。なお、波長850nmの光の透過率T850は、好ましくは50%以下、より好ましくは45%以下とする。
また本発明のガラス基板は、プラズマディスプレイパネル製造時における他部材との整合性の点から熱膨張係数は70〜90×10−7/℃であること、また熱処理における熱変形の点から歪点は570℃以上であることが望ましい。
以下、実施例に基づき、説明する。
(ガラスの作成)
珪砂、酸化アルミニウム、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、炭酸カリウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム、珪酸ジルコニウムおよび酸化第二鉄、さらに2価の酸化鉄の重量と全酸化鉄の重量比を調整するために還元剤としてセルロースパウダー、そしてその他着色成分として酸化コバルトよりなる調合原料を白金ルツボに充填し、電気炉内で1400〜1600℃、約6時間加熱溶融した。加熱溶融の途中で白金棒によりガラス融液を攪拌してガラスを均質化させた。
次に、溶融ガラスを鋳型に流し込み、ガラスブロックとし、450〜650℃に保持した電気炉に移入して該炉内で徐冷した。得られたガラスは泡や脈理の無い均質なものであった。このガラスを切断・加工し、厚さ2.8mmに研磨することによって試料を作製した。
このようにして作製したガラス試料について、可視光域及び近赤外線域において透過率を測定するとともに、2価の酸化鉄の重量と全酸化鉄の重量比(2価の酸化鉄の重量/全酸化鉄の重量)、歪点及び熱膨張係数を測定した。結果を表1及び表2に示す。
なお、2価の酸化鉄の重量と全酸化鉄の重量比(2価の酸化鉄の重量/全酸化鉄の重量)は化学分析によって測定した。歪点は、JIS R3103−2の規定に基づくビーム曲げ法により測定した。膨張係数は、熱機械分析装置TMA8310(理学電機(株)製)を用いて30〜300℃における平均線膨張係数を測定した。
Figure 2007161549
Figure 2007161549
表1中の実施例1〜10は本発明におけるガラスであり、表2中の比較例は従来の高歪点ガラスである。表1から明らかなように、本発明のガラス基板はいずれも可視光、特に380〜480nmの透過率が高く、また近赤外線の吸収性能に優れている。さらに、歪点及び熱膨張係数はプラズマディスプレイ用前面ガラス基板に適した値である。
これに対し、比較例1〜5のガラスは近赤外線の吸収性能を有するが可視光、特に380〜480nmの光の透過性能が劣る。比較例5のガラスは可視光透過率が高いが、近赤外線の吸収性能が著しく劣る。
図1に実施例1のガラスと比較例1のガラスの透過率曲線を示す。図1からも、本実施例のガラスは、比較例のガラスと同じ酸化鉄量及び2価の酸化鉄/全酸化鉄の比であるにも関わらず、比較例のガラスと同程度の近赤外線吸収性能を有し、かつ可視光、特に380〜480nmの光透過性能が優れていることが明白である。
実施例1及び比較例1で示した透過率曲線である。

Claims (6)

  1. 実質的に重量%表示で、SiOが60〜70、Alが0.5〜5、NaOが2〜6、KOが8〜16、NaO+KOが10〜20、MgOが8〜15、CaOが0〜6、SrOが0〜5、BaOが0〜5、MgO+CaO+SrO+BaOが10〜20、ZrOが0.5〜5からなる基礎ガラス組成と、着色成分として、重量%表示で酸化鉄を0.25〜0.80含有し、該酸化鉄において2価の酸化鉄の重量と全酸化鉄の重量比(2価の酸化鉄の重量/全酸化鉄の重量)が0.25〜0.55であることを特徴とするプラズマディスプレイ用前面ガラス基板。
  2. 前記ガラス基板の厚みが2.8mmであるときの波長850nmの光の透過率T850が60%以下、波長550nmの光の透過率T550が75%以上でかつ波長850nmの光の透過率T850との差(T550―T850)が25%以上、波長480nmの光の透過率T480が75%以上でかつ波長850nmの光の透過率T850との差(T480―T850)が25%以上、波長430nmの光の透過率T430が75%以上でかつ波長850nmの光の透過率T850との差(T430―T850)が25%以上、波長380nmの光透過率T380が50%以上でかつ波長850nmの光の透過率T850との差(T380―T850)が15%以上であることを特徴とするプラズマディスプレイ用前面ガラス基板。
  3. 着色成分として、CoOを0〜25ppm含有することを特徴とする請求項1または2に記載のプラズマディスプレイ用前面ガラス基板。
  4. 歪点が570℃以上であることを特徴とする請求項1乃至5に記載のプラズマディスプレイ用前面ガラス基板。
  5. 熱膨張係数が70〜90×10−7/℃であることを特徴とする請求項1乃至6に記載のプラズマディスプレイ用前面ガラス基板。
  6. 前面ガラス基板として請求項1乃至7に記載のいずれかのプラズマディスプレイ用前面ガラス基板を備えたプラズマディスプレイ装置。
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