JP2007160838A - インクジェット記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】普通紙記録において、裏移りを防止し、なお且つ印刷時、特にラインプリンタでの混色部の文字品質が高いインクジェット記録方法を提供すること。
【解決手段】少なくとも色材、有機溶媒、水を含有する2色以上のインクを用いて普通紙に印字するインクジェット記録方法であって、各インク中の水の含有量が全インク質量の10質量%以上、50質量%未満であり、有機溶媒の少なくとも1種はSP値((MPa)1/2)が16.5以上、24.6未満の水溶性有機溶媒であって、SP値((MPa)1/2)が16.5以上、24.6未満の水溶性有機溶媒の含有量が全インク質量の30質量%以上であり、且つインク中の色材濃度が低いインクほど印字順序が早いことを特徴とするインクジェット記録方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録方法に関する。
近年、インクジェット記録方式は簡便・安価に画像を作成できるため、写真、各種印刷、マーキング、カラーフィルター等の特殊印刷等、様々な印刷分野に応用されてきている。特に微細なドットを出射、制御するインクジェット記録装置や、色再現域、耐久性、出射適性等を改善したインク及びインクの吸収性、色材の発色性、表面光沢等を飛躍的に向上させた専用紙を用い、銀塩写真に匹敵する画質を得ることも可能となっている。
しかし、専用紙を必要とするインクジェット画像記録システムでは用いることのできる記録媒体が制限されること、記録媒体のコストアップ等が問題となる。
一方、オフィスにおいては、記録媒体(例えば、普通紙、コート紙、アート紙、普通紙両面印刷等)の制約を受けずに高速でフルカラー印字が行えるシステムのニーズがますます高まりつつある。また刷版を必要としないメリットを活かし、所謂POD印刷にも適用されつつある。このようなビジネス分野においては、印刷部数がホーム、オフィスと比べて大量になるため印刷スピードの向上が必須であり、プリンタも従来のインクジェットヘッドが記録材料の搬送方向に交差する方向に移動して走査するシリアルプリント方式ではなく、インクジェットヘッドが記録材料の搬送方向に交差する方向に固定配置されている、ラインヘッドを用いたラインプリント方式が使用される。
インクジェットインクの組成についても、高速で印字でき、普通紙での文字再現性が良く、印字の際の裏抜け(印字したインクが記録媒体を通過し、裏面にその画像が映る現象)、カールの発生がなく、また紙への浸透が速く乾燥が速い等の観点で種々の検討が行われてきた。特に普通紙高速両面印刷では、これらの特性をすべて満足する必要がある。
ところがインクジェットインクとして汎用的に用いられる水が溶媒の主成分である、所謂水系インクでは普通紙でカールを起こしやすい。これは紙のセルロースの水素結合が膨潤後に元の位置とずれるために起こると思われ、種々の改良の検討が行われているが、未だ不十分である(例えば、特許文献1参照。)。
これに対し、非水系のインクではセルロースの水素結合への影響が少なくカールしにくいという特徴があり、非水系のインクを用いたラインプリンタも市販されているが、非水系インクでは裏抜けが大きいという問題がある(例えば、特許文献2参照。)。
更に高速で印刷されるラインプリンタにおいては、同じインクセットを用いてもシリアルプリンタに比べてカラーバランスの悪い低品位な画像になりやすく、また紙が重なったときに上に重ねられた紙の裏面へのインク裏移りを起こしやすいことが分かった。
特開2004−217930号公報 特開2005−193660号公報
本発明の目的は、普通紙記録において、裏移りを防止し、なお且つ印刷時、特にラインプリンタでの混色部の文字品質が高いインクジェット記録方法を提供することである。
本発明の目的は、以下の構成により達成することができる。
1.少なくとも色材、有機溶媒、水を含有する2色以上のインクを用いて普通紙に印字するインクジェット記録方法であって、各インク中の水の含有量が全インク質量の10質量%以上、50質量%未満であり、有機溶媒の少なくとも1種はSP値((MPa)1/2)が16.5以上、24.6未満の水溶性有機溶媒であって、SP値((MPa)1/2)が16.5以上、24.6未満の水溶性有機溶媒の含有量が全インク質量の30質量%以上であり、且つインク中の色材濃度が低いインクほど印字順序が早いことを特徴とするインクジェット記録方法。
2.前記印字に用いるヘッドがラインヘッドであることを特徴とする前記1に記載のインクジェット記録方法。
3.前記ラインヘッドの解像度が360dpi以上、駆動周波数が7kHz以上であることを特徴とする前記2に記載のインクジェット記録方法。
本発明により、特にラインプリンタでの普通紙記録において、裏写りを防止し、なお且つ印刷時に混色部の文字品質が高い画像濃度がインクジェット記録方法を提供することができる。
本発明者は、インク中の水の含有量が全インク質量の10質量%以上、50質量%未満であり、有機溶媒の少なくとも1種はSP値((MPa)1/2)が16.5以上、24.6未満の水溶性有機溶媒であり、またSP値((MPa)1/2)が16.5以上、24.6未満の水溶性有機溶媒の含有量が全インク質量の30質量%以上にすることでカールと裏抜けの両方の課題を解決できることを見出した。ところがこのインクをラインプリンタに適用する検討において、新たな課題が発生することがわかった。
それはラインプリンタでシリアルプリンタに比べ、混色部で不定形な輪郭の低品位な画像になりやすく、また紙が重なったときに上に重ねられた紙の裏面へのインク裏移りを起こしやすいことである。
この課題に対して、鋭意検討の結果、インク中の色材濃度が低いインクほど印字順序を早くすることで解決されることがわかった。
本発明者はその理由を次のように考えた。シリアルプリント方式では複数操作で印字領域を埋めていくため、隣接するドットが印字されるまでにインク中の溶媒が乾燥されやすい。それに対し、ラインプリント方式ではワンパスで全ドットが印字される。通常、ラインヘッドは色毎に分けられて印字されるが、装置のコンパクト化のため各ラインヘッドの間隔は狭いほうが望ましく、更に印刷の高速化のためには異なる色のインクの印字の時間間隔はより短い方が望ましいため、溶剤の乾燥が少ない段階で次のインクが印字されるが、インクの色材濃度が高いと顔料のセルロース繊維への凝集が起こりやすい。
そして色材濃度の高いインクを先に印字すると、色材が紙表面に凝集して多く固着され、次に印字されたインクは紙内部に浸透しにくくなる。そのためにインクが紙表面からあふれた状態になってしまう。その結果、混色で形成された画像の輪郭は不定形になりやすい。また印刷速度が速いこともあり、複数枚印刷したとき、上に乗った紙の裏面にインクが移りやすい。
これに対し、色材濃度の低いインクを先に印字すれば、このような現象は起きにくいので、混色部でも不定形な輪郭の発生しない高品位な画像となり、インク裏移りを起こすこともなくなる。
なお、本発明はインクセットの組み合わせの中で、全てであるのが最も望ましいが、一部分の順であっても効果を示す。
本発明において、印字に用いるヘッドはラインヘッドであることが好ましい。特に高速の印字、即ちラインヘッドで解像度360dpi以上、駆動周波数7kHz以上、あるいはこれ以上の印字速度を要する場合に、本発明はインク中の色材を紙表面に固着しやすくすることができその効果を発揮する。なお、本発明において、dpiとは解像度を表し、具体的には2.54cm当たりのドット数を表す。
《溶媒》
本発明に係るインクにおける溶媒組成としては、少なくとも水及び有機溶媒を含有し、水の含有量が全インク質量の10質量%以上、50質量%未満であり、該有機溶媒の少なくとも1種はSP値((MPa)1/2)が16.5以上、24.6未満の水溶性有機溶媒であり、該SP値((MPa)1/2)が16.5以上、24.6未満の水溶性有機溶媒の含有量が全インク質量の30質量%以上であることを特徴とし、この溶媒組成とすることにより出射安定性、デキャップ耐性に優れ、且つ形成画像の文字品質、裏抜け耐性が良好で、且つ印字した記録材料のカール特性を良好にすることが可能となる。
全インク質量中の水の含有量が50質量%未満であれば、カールやコックリングの発生を抑制される。また、10質量%以上であれば良好な顔料の分散安定性を得ることができる。全インク質量中の水の含有量としては、更には20質量%以上、40質量%未満であることが好ましい。
本発明に係るインクでは、少なくともSP値((MPa)1/2)が16.5以上、24.6未満水溶性有機溶媒を全インク質量の30質量%以上含有するが、30質量%以上であれば普通紙記録時のカール、コックリングの発生を飛躍的に抑制することができ、好ましくはSP値((MPa)1/2)が16.5以上、24.6未満の水溶性有機溶媒を全インク質量の50質量%以上、80質量%以下含有することが好ましい。
本発明に係るインクでは、主となる有機溶媒のSP値((MPa)1/2)は16.5以上、24.6未満であるが、16.5以上であれば水との相溶性が良好となり、水との分離を起こさなくなり、顔料粒子の高い分散安定性を維持することができる。またSP値((MPa)1/2)が24.6未満であれば、有機溶媒に起因するカールに対する抑制効果を得ることができる。本発明においては、有機溶媒のSP値((MPa)1/2)の範囲としては、16.5以上、22.5未満であることが更に好ましい。
本発明でいう溶媒の溶解度パラメーター(SP値((MPa)1/2))とは、分子凝集エネルギーの平方根で表される値で、Polymer Handbook(Second Edition)第IV章 Solubility Parameter Valuesに記載があり、その値を用いた。単位は(MPa)1/2であり、25℃における値を指す。なお、データの記載がないものについては、R.F.Fedors,Polymer Engineering Science,14,p147(1967)に記載の方法で計算することができる。以下、SP値((MPa)1/2)が16.5以上、24.6未満に該当する水溶性有機溶媒の例をSP値((MPa)1/2)と共に示す。言うまでもなく本発明はこれに限定されるものではない。
エチレングリコールモノメチルエーテル(SP値((MPa)1/2):24.5)
エチレングリコールモノエチルエーテル(23.5)
エチレングリコールモノブチルエーテル(22.1)
エチレングリコールモノイソプロピルエーテル(22.3)
ジエチレングリコールモノメチルエーテル(23.0)
ジエチレングリコールモノエチルエーテル(22.4)
ジエチレングリコールモノブチルエーテル(21.5)
ジエチレングリコールジエチルエーテル(16.8)
トリエチレングリコールモノメチルエーテル(22.1)
トリエチレングリコールモノエチルエーテル(21.7)
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(21.1)
プロピレングリコールモノメチルエーテル(23.0)
プロピレングリコールモノフェニルエーテル(24.2)
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(21.3)
トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(20.4)
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(21.8)
本発明に係るインクでは、SP値((MPa)1/2)が16.5以上、24.6未満の水溶性有機溶媒に加えて、従来公知の各種水溶性有機溶媒を併用することができるが、中でも炭酸エチレン、炭酸プロピレン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンは顔料の分散性に悪影響を与えず、インク粘度を下げる効果を備えているため好ましい。
《色材》
本発明に係るインクには色材が含有されており、用いられる色材の色相としては、例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、ブルー、グリーン、レッドのインクを形成する色材が好ましく用いられ、特に好ましくはイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色材である。
本発明に係るインクは、色材が染料である染料インク、あるいは色材がインクジェットインクを構成する溶媒に不溶で微細な顔料粒子を含む分散系を形成する顔料インク、あるいは色材が着色した高分子ポリマーの分散体からなる分散インク等の種々のインクジェット用インクに適用できる。
本発明で用いることのできる染料としては、アゾ染料、メチン染料、アゾメチン染料、キサンテン染料、キノン染料、フタロシアニン染料、トリフェニルメタン染料、ジフェニルメタン染料等を挙げることができ、その具体的化合物としては、例えば、特開2002−264490号公報に例示した染料を挙げることができる。
また、ポリマー等と共に着色微粒子を形成し着色材となる油溶性染料については、通常カルボン酸やスルホン酸等の水溶性基を有さない有機溶剤に可溶で水に不溶な染料、例えば、分散染料等が選ばれる。また、水溶性染料を長鎖の塩基と造塩することにより油溶性を示す染料も含まれ、例えば、酸性染料、直接染料、反応性染料と長鎖アミンとの造塩染料が知られている。
しかしながら、本発明に係るインクにおいては、色材としては顔料を用いることが好ましく、本発明に係る溶媒系に溶解度を有しない顔料が、本発明の目的効果をいかんなく発揮させる観点から好ましい。
本発明において使用できる顔料としては、従来公知のものを特に制限なく使用でき、水分散性顔料、溶剤分散性顔料等いずれも使用可能であり、例えば、不溶性顔料、レーキ顔料等の有機顔料及び、カーボンブラック等の無機顔料を好ましく用いることができる。この顔料は水性インクの中で分散された状態で存在させ、この分散の方式としては、自己分散、活性剤分散、ポリマー分散、マイクロカプセル分散のいずれでもよいが、ポリマー分散、マイクロカプセル分散が定着性の点から好ましい。
不溶性顔料としては特に限定するものではないが、例えば、アゾ、アゾメチン、メチン、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、キナクリドン、アントラキノン、ペリレン、インジゴ、キノフタロン、イソインドリノン、イソインドリン、アジン、オキサジン、チアジン、ジオキサジン、チアゾール、フタロシアニン、ジケトピロロピロール等が好ましい。
好ましく用いることのできる具体的顔料としては、以下の顔料が挙げられる。
マゼンタまたはレッド用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
オレンジまたはイエロー用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー15:3、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138等が挙げられる。
グリーンまたはシアン用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
以上の顔料の他に、レッド、グリーン、ブルー、中間色が必要とされる場合には、以下の顔料を単独あるいは併用して用いることが好ましく、例えば、C.I.Pigment Red;209、224、177、194、C.I.Pigment Orange;43、C.I.Vat Violet;3、C.I.Pigment Violet;19、23、37、C.I.Pigment Green;36、7、C.I.Pigment Blue;15:6等が用いられる。
またブラック用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック6、C.I.ピグメントブラック7等が挙げられる。
本発明に係るインクに使用する顔料分散体の平均粒子径は、50nm以上、200nm未満であることが好ましい。顔料分散体の平均粒子径が50nm未満、あるいは200nm以上では顔料分散体の安定性が悪くなりやすく、インクの保存安定性が劣化しやすくなる。
顔料分散体の粒子径測定は、動的光散乱法、電気泳動法等を用いた市販の粒径測定機器により求めることができるが、動的光散乱法による測定が簡便でこの粒子径領域の精度が良く多用される。
本発明で用いられる顔料は、分散剤及びその他所望する諸目的に応じて必要な添加物と共に分散機により分散して用いることが好ましい。分散機としては従来公知のボールミル、サンドミル、ラインミル、高圧ホモジナイザー等が使用できる。中でも、サンドミルによる分散が100nm前後の平均粒子径を狙った分散を行った時の粒度分布がシャープであり好ましい。また、サンドミル分散に使用するビーズの材質はビーズ破片やイオン成分のコンタミネーションの点から、ジルコニアまたはジルコンが好ましい。更に、このビーズ径としては0.1mm以上、0.5mmが好ましい。
《顔料分散剤》
本発明に係る顔料を分散する高分子分散剤としては、例えば、高級脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド等の活性剤、あるいは、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマル酸、フマル酸誘導体から選ばれた2種以上の単量体からなるブロック共重合体、ランダム共重合体及びこれらの塩を挙げることができる。
本発明において、顔料分散剤の添加量としては、顔料に対し10〜100質量%であることが好ましい。
《界面活性剤》
本発明に係る顔料の分散において、添加剤として界面活性剤を用いることができる。本発明に用いられる界面活性剤としては、カチオン性、アニオン性、両性、ノニオン性のいずれも用いることができるが、分散安定性の点からノニオン性界面活性剤を使用することが特に好ましい。
ノニオン性活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン2級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアミンオキサイド、アセチレングリコール、アセチレンアルコール等が挙げられる。
また、インク吐出後のインク液滴の普通紙中への浸透を加速するために界面活性剤を使用することが好ましく、そのような界面活性剤としては、インクに対して保存安定性等の悪影響を及ぼさないものであれば限られるものではなく、上記の分散時の添加剤として使用する界面活性剤と同様のものが用いることができる。
《多価金属イオン》
また本発明に係るインク中には、多価金属イオンであるカルシウムイオン、マグネシウムイオン及び鉄イオンの総含有量が10ppm以下含ませることが好ましく、より好ましくは0.1〜5ppm、特に好ましくは0.1〜1ppmである。
インクジェットインク中の多価金属イオンの含有量を上記で規定した量とすることにより、高い分散安定性を有するインクを得ることができる。本発明に係る多価金属イオンは、硫酸塩、塩化物、硝酸塩、酢酸塩、有機アンモニウム塩、EDTA塩等に含有されている。
《その他の添加剤》
本発明に係るインクでは、上記説明した以外に必要に応じて、出射安定性、プリントヘッドやインクカートリッジ適合性、保存安定性、画像保存性、その他の諸性能向上の目的に応じて、公知の各種添加剤、例えば、多糖類、粘度調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形成剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防ばい剤、防錆剤等を適宜選択して用いることができ、例えば、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シリコンオイル等の油滴微粒子、特開昭57−74193号、同57−87988号及び同62−261476号の各公報に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号、同60−72785号、同61−146591号、特開平1−95091号及び同3−13376号の各公報に記載されている退色防止剤、特開昭59−42993号、同59−52689号、同62−280069号、同61−242871号及び特開平4−219266号の各公報に記載されている蛍光増白剤等を挙げることができる。
また、本発明に係るインク中の溶存酸素濃度は、25℃で2ppm以下であることが好ましく、この溶存酸素濃度条件とすることにより気泡の形成を抑制することができ、高速印字においても出射安定性に優れたインクジェット記録方法を実現することができる。インク中に溶存している溶存酸素を測定する方法としては、例えば、溶存酸素測定装置DO−14P(東亜電波(株)製)を用いて測定することができる。
《記録方法》
本発明に係るインクを用いた画像記録方法においては、例えば、インクジェットインクを装填したプリンタ等により、デジタル信号に基づきインクジェットヘッドよりインクを液滴として吐出させ普通紙に付着させることでインクジェットプリントが得られる。
本発明に係るインクを吐出して画像形成を行う際に、使用するインクジェットヘッドはオンデマンド方式でもコンティニュアス方式でも構わない。また吐出方式としては、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(登録商標)型等)等などいずれの吐出方式を用いても構わない。
その中でも、本発明のインクジェット記録方法においては、本発明に係るインクを30μm以下のノズル径を有するピエゾ型インクジェット記録ヘッドから吐出させて、普通紙に記録を行うこと、更に30μm以下のノズル径を有するラインヘッド方式のピエゾ型インクジェット記録ヘッドから吐出させて、普通紙に記録を行うことが好ましい。
インクジェットプリンターの印字方式として、シャトルヘッド方式の記録ヘッドに対し、ラインヘッド方式の記録ヘッドを用いて印字することにより、本発明に係るインクの印字特性を十分に引き出すことができ、その結果インク液滴の普通紙への着弾時の極めて良好なドット形状(真円性)や印字精度を達成することができる。
特に、本発明に係るインクを普通紙の両面に画像印字を行うインクジェット記録方式に適用することが、本発明の目的効果をいかんなく発揮できる観点から好ましい。両面印字は片面に印字した後に普通紙を裏返し、印字面を下にして搬送することが多いが、本発明に係るインクは前記特性を有しているため、両面に印字しても裏抜けや文字の滲みがないため、いずれの面でも高濃度で文字品質に優れ、また搬送不良が生じたり搬送ベルトがインクで汚染されることがない。
《記録媒体》
本発明のインクジェット記録方法で用いる普通紙としては特に制限はないが、非塗工紙、特殊印刷用紙、及び情報用紙の一部に属する80〜200μmの非コート紙が望ましい。本発明に係る普通紙の構成は、LBKP及びNBKPに代表される化学パルプ、サイズ剤及び填料を主体とし、その他の抄紙助剤を必要に応じて用い常法により抄紙される。本発明に係る普通紙に使用されるパルプ材としては、機械パルプや古紙再生パルプを併用してもよいし、またこれらを主材としても何ら問題はない。
本発明に係る普通紙に内添されるサイズ剤としては、例えば、ロジンサイズ、AKD、アルニケル無水コハク酸、石油樹脂系サイズ、エピクロルヒドリン、カチオン澱粉及びアクリルアミド等が挙げられる。また本発明に係る普通紙に内添される填料としては、例えば、微粉珪酸、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、カオリン、カオリナイト、ハロイサイト、ナクライト、ディッカイト、パイロフィライト、セリサイト、二酸化チタン、ベントナイト等が挙げられる。
また本発明に係る普通紙には、本発明に係るインクの裏抜けや顔料の定着性を高める観点から、水溶性多価金属塩を含有していてもよい。
水溶性多価金属塩としては特に制限はないが、例えば、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄、ストロンチウム、バリウム、ニッケル、銅、スカンジウム、ガリウム、インジウム、チタン、ジルコニウム、スズ、鉛などの金属塩、硫酸塩、硝酸塩、ギ酸塩、コハク酸塩、マロン酸塩、クロロ酢酸塩、p−トルエンスルホン酸塩といった塩として添加される。また、水溶性の多価金属イオンの塩として、ポリ塩化アルミニウムのような水溶性無機ポリマーを使用してもよい。水溶性は少なくとも0.1質量%を示すものが好ましく、より好ましくは1質量%を示すものである。中でも、アルミニウム、カルシウム、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛からなる水溶性塩はその金属イオンが無色なため好ましい。特に好ましいのは、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、硝酸カルシウム、酢酸カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、酢酸亜鉛である。
また本発明においては、普通紙の他、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、光沢紙、インクジェット専用紙等が広く用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
実施例1
〔インクの調製〕
《顔料分散液の調製》
(イエロー顔料分散液の調製)
以下の各添加剤を混合し、直径0.5mmのジルコニアビーズ200gと共にポリプロピレン製のポリ瓶に入れて密栓し、ペイントシェーカーを用いて5時間分散し、イエロー顔料の含有量が15%のイエロー顔料分散液を調製した。
C.I.ピグメントイエロー138 15部
ジョンクリル501(ジョンソンポリマー社製)(固形分30%水溶液) 20部
トリプロピレングリコールモノメチルエーテル 56部
水 19部
(マゼンタ顔料分散液、シアン顔料分散液、ブラック顔料分散液の調製)
上記イエロー顔料分散液の調製において、顔料としてC.I.ピグメントイエロー138に代えて、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブラック7にそれぞれ変更した以外は同様にして、マゼンタ顔料分散液、シアン顔料分散液、ブラック顔料分散液を調製した。
〔インクセットa−1〜a−12の調製〕
上記調製したイエロー顔料分散液にトリプロピレングリコールモノメチルエーテルと水を、インク中の顔料濃度を表1のように変えて、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル/水=7/3になるように加えて十分に攪拌を行った。次いで、この混合液を#3500メッシュの金属フィルターで濾過し、中空糸膜による脱気を行い、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各インクを調製した。これらの各インクを基に、表1に記載の印字順序とした3色のインクセットa−1〜a−12を調製した。
〔画像記録試料の作製と評価〕
べルトコンベア上に進行方向にノズルの並びが直角になるように1ヘッドあたりのノズル数512、解像度360dpi、液滴量14pl、駆動周波数12.8kHzのピエゾ型ヘッド(コニカミノルタIJ)を隣り合うヘッドのノズル同士の間隔が20mmになるように3個配列し、コニカファーストクラス(コニカミノルタビジネステクノロジーズ(株)社製)をベルトコンベアに置いて、350mm/secの速度で搬送させて、3個のヘッドで3色のインクを表1の印字順に、4ポイント、5ポイント及び6ポイントのMS明朝体で漢字「口、四、日、回、因、困、固、国、目、図、國」の文字を混色で印字し、印字した文字画像を目視観察し、下記の評価基準に従って文字品質の評価を行った。結果を表1に示す。
(文字品質)
A:4ポイントの文字画像全てが、細部まで明瞭に記録されている
B:4ポイントの文字画像が、判読可能である
C:4ポイントの文字画像の判読は難しいが、5ポイントの文字画像の判読可能である
D:6ポイントも文字画像の判読は難しい。
(裏移り)
同様にしてカラーパッチを作製した。パッチはY、M、Cそれぞれの単色及びY、Mの混色R(レッド)、M、Cの混色B(ブルー)、C、Yの混色G(グリーン)の6色で連続的に200枚印字し、排紙トレー上に重ねて排出された印字後の試料について、重なった試料の白地の裏面にインクの転写があるか否かを目視観察して判定して、表1に色と程度を示した。
A:重なった他の試料裏面へのインクの転写が全く認められなかった
B:ややインク転写が認められた
C:弱いインク転写が認められた
D:かなり激しいインク転写が認められた。
表1より、本発明に係るインクセットは裏移り、混色部での文字品質ともに比較より優れていることは明らかである。
実施例2
〔インクセットb−1〜b−9の調製〕
実施例1におけるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の調製と同様にして、ブラック(K)のインクを調製し、イエロー、マゼンタ、シアンの各インクと共にインク中の顔料濃度を表2のように変え、表2に記載の印字順序とした4色のインクセットb−1〜b−9を調製した。
〔画像記録試料の作製と評価〕
実施例1における画像記録試料の作製において、4個のヘッドとインクセットb−1〜b−9における4色のインクを用いた他は同様にして、画像記録試料を作製し、実施例1と同様に評価した。但し、裏移りについては、ブラック(K)についての評価とした。
表2より、本発明に係るインクセットはブラックの裏移りがなく、また混色部での文字品質も比較より優れていることは明らかである。

Claims (3)

  1. 少なくとも色材、有機溶媒、水を含有する2色以上のインクを用いて普通紙に印字するインクジェット記録方法であって、各インク中の水の含有量が全インク質量の10質量%以上、50質量%未満であり、有機溶媒の少なくとも1種はSP値((MPa)1/2)が16.5以上、24.6未満の水溶性有機溶媒であって、SP値((MPa)1/2)が16.5以上、24.6未満の水溶性有機溶媒の含有量が全インク質量の30質量%以上であり、且つインク中の色材濃度が低いインクほど印字順序が早いことを特徴とするインクジェット記録方法。
  2. 前記印字に用いるヘッドがラインヘッドであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記ラインヘッドの解像度が360dpi以上、駆動周波数が7kHz以上であることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録方法。
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