JP2007160436A - 研削盤および研削方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】被削材に対するダメージを与えることなく、砥石の損傷を防止することができる研削盤であって、研削時間を大幅に短縮することが可能な研削盤と、その研削方法を提供する。
【解決手段】送りサーボモータ1によって砥石が研削位置まで送られて研削を行う研削盤において、砥石の切れ味の低下を検出する手段を有し、切れ味の低下が検出されると、砥石を研削位置から離して被削材と研削面との間に間隙を生じさせ、所定の条件を満たしたときに砥石をもとの研削位置に戻す手段を有することを特徴とする研削盤。
【選択図】図1

Description

本発明は、主として定圧研削に用いられる研削盤とその研削方法に関する。
種々の被削材を研削するにあたって、様々な研削盤が使用されているが、その研削方法の多くは、定寸研削と定圧研削に大別される。
このうち定寸研削は、ホイールヘッド(以下、「ヘッド」と略記することがある)を、設定した一定の速度で送って切り込みを制御するものであり、砥石の切れ味が鈍化しても強制的にホイールヘッドを送るため、研削の進行に伴って砥粒が摩耗しながら被削材を加工する。そのため、目替わりサイクルが進行して切れ味が維持されて、所定の切り込み量を確保することができる。また、一定の速度で加工するため、加工時間が一定であるという長所がある。
しかし、この研削方法では、砥石の切れ味が鈍化しても強制的にホイールヘッドを送っているため、研削の進行に伴って砥石の切れ味、すなわち研削応力が変動し、被削材に与えるダメージが大きい。また、このダメージの量をコントロールすることも困難である。
これに対し、定圧研削は、荷重のコントロールによって研削スピードを制御するものであり、切れ味が低下すると、研削スピードが遅くなり研削応力が一定に保たれるため、被削材に与えるダメージが少ない。また、ダメージ量を一定にコントロールすることができるという利点がある。
しかしその一方で、砥石の切れ味が低下すると、ホイールヘッドの送りが遅くなり研削応力が一定に保たれることから、砥粒を脱落させる応力が得られにくく、目替わりサイクルが起きないため、定期的に目立てを行う必要がある。また、定寸研削とちがって、研削時間が一定にならない。
これらの問題点を解決する手段としては、以下のようなものが考えられる。まず、砥石の作用硬さを軟らかくして目替わりサイクルが適正に行われるように調整する方法がある。しかし、この方法では、砥石の摩耗が大きくなるために、砥面の形状崩れが発生しやすく、被削材の加工精度が低下する。
次に、研削盤の周辺機器を改良する方法として、被削材の加工中に、砥石の表面をインプロセスで高圧水流などを用いて洗浄し、砥石の切れ味を一定に保つことが考えられる。しかし、この方法では、研削盤に高圧ポンプを付加することが必要であり、装置が大型化、複雑化するとともに、高圧水流によって被削材が割れるなどの弊害を生じやすい。
さらに、研削盤自体の構造を改良する方法として、主軸モータの回転トルクを検出して、砥石主軸の回転トルクを一定に制御することが考えられる。しかし、この方法では、砥石主軸の回転トルクは研削応力の合力、すなわち、接線方向の応力と法線方向の応力の合力であるのに対して、砥石の切れ味を規定するパラメータは砥石の法線方向の応力であり、この法線方向の応力だけを検出することはできないため、砥石の切れ味を回復することは困難である。
研削性能の向上を目的とした技術の一例が、特許文献1、特許文献2、特許文献3に記載されている。
特開2000−153456号公報 特開2000−343423号公報 特開平6−23665号公報
また、上記の問題点を解決する手段として、荷重制御研削の方法がある。この荷重制御研削について、以下に説明する。
図6に、荷重制御研削の動作を示し、図7に、そのフローチャートを示す。
図6は、縦型両頭平面研削盤における研削の場合を示しており、研削が開始されると、(a)に示すように、送りサーボモータ1が回転し、ボールネジ2を介してホイールヘッド4と、このホイールヘッド4に取り付けられた上砥石5が下降し、予め設定された高さ位置まで早送りされる。その後は、主軸モータ3によって、研削加工送り速度で上砥石5が回転して、被削材10を研削する。
研削が進行すると、(b)のように上砥石5,下砥石6の切れ味が低下し、研削抵抗が発生するため、加工中の送りモータトルクが徐々に増加する。その後、(c)のように、予め設定されているトルクよりも加工によって発生する実際の送りモータトルクが上回ると、ヘッド位置の下降を停止し、加工中の送りモータトルクが所定の値に低下するまで、その位置を維持して研削を続行する。
この間、(d)のように、目替わりによって砥石の切れ味が回復し、加工中の送りモータトルクが低下すると、(e)のように、ヘッドを下降させて研削を続行する。加工中の送りモータトルクが設定されたトルク値を上回るたびに、上記の工程を繰り返し、(f)のように、所定の寸法までヘッドが下降したところで研削を終了する。
図7に基づいて、荷重制御研削の手順を詳細に説明する。研削開始にあたって、被削材の種類やその他の研削条件にあわせて、加工中の送りモータトルクと比較するために設定されるトルク値であるトルクτg(Nm)、送り速度Vg(μm/sec)、研削量Δg(μm)が設定される(S51)。研削が開始される(S52)と、送り速度Vg(μm/sec)でヘッドが下降し(S53)、予め設定されている研削量Δg(μm)と切り込み量Δ(μm)とを比較する(S54)。その結果、研削量Δg≦切り込み量Δのときは、研削量Δg(μm)で研削を終了する(S55)。
一方、研削量Δg(μm)>切り込み量Δ(μm)のときは、予め設定されているトルクτg(Nm)と加工中の送りモータトルクτ(Nm)とを比較し(S56)、τg>τのときは、さらにヘッドを下降させて、以上の工程を繰り返し、研削量Δg≦切り込み量Δとなったときに研削を終了する(S55)。一方、τg≦τのときは、その位置にてヘッド位置を停止し(S57)、τg>τの条件を満たすようになってから、さらにヘッドを下降させて加工を続行し、研削量Δg≦切り込み量Δとなったときに研削を終了する(S55)。
この方法によると、被削材に適合するトルク値を設定しておくことによって、被削材が脆性材であっても被削材を破壊することがなく、また、砥石の損傷も防止することができる。
このように、荷重制御研削は優れた研削性能を有する研削手法であるが、本発明者は、この荷重制御研削に関して、さらに、時間をかけずに効率よく研削を完了するための知見を見出した。
本発明は、この知見に基づいてなされたもので、被削材に対するダメージを与えることなく、砥石の損傷を防止することができる研削盤であって、研削時間を大幅に短縮することが可能な研削盤と、その研削方法を提供することを目的とする。
以上の課題を解決するために、本発明の研削盤は、送りモータによって砥石が研削位置まで送られて研削を行う研削盤において、砥石の切れ味の低下を検出する手段を有し、切れ味の低下が検出されると、砥石を研削位置から離して被削材と研削面との間に間隙を生じさせ、所定の条件を満たしたときに砥石をもとの研削位置に戻す手段を有することを特徴とする。
切れ味の低下が検出されると、砥石を研削位置から離して被削材と研削面との間に間隙を生じさせることによって、この間隙に研削液が流入できるようになり、切粉を十分に排出することができる。この切粉の排出によって結合材の面が後退しやすくなり、摩滅した砥粒の脱落を促進して、目替わりサイクルが起こりやすくなる。また、被削材と砥石の研削面との間に間隙が生じることで、高温となっていた研削ポイントでの温度が低下し、さらに、研削液の流入によって、温度の低下が助長される。以上のことから、切れ味を良好に持続することが可能となる。
前記切れ味の低下を検出する手段は、砥石の移動量を計測し、この砥石の移動量の計測値が設定された砥石の移動量に満たないときに切れ味が低下したと判断するものであってもよく、また、前記切れ味の低下を検出する手段は、研削荷重を計測し、この研削荷重の計測値が設定された荷重値を超えている時間が、設定された時間を超えるときに切れ味が低下したと判断するものであってもよい。
また、前記所定の条件を満たしたときに砥石をもとの研削位置に戻す手段は、砥石を研削位置から離した位置に維持した時間を計測し、この計測値が設定された時間を超えたときに砥石をもとの研削位置に戻すものとすることができる。
本発明の研削方法は、砥石の切れ味の低下を検出し、切れ味の低下が検出されると、砥石を研削位置から離して被削材と研削面との間に間隙を生じさせ、所定時間経過後に砥石をもとの研削位置に戻して研削を行うことを特徴とする。
この研削方法によれば、切れ味の低下が検出されると、砥石を研削位置から離して被削材と研削面との間に間隙を生じさせることによって、この間隙に研削液が流入できるようになり、切粉を十分に排出することができる。この切粉の排出によって、結合材の面が後退しやすくなり、摩滅した砥粒の脱落を促進して、目替わりサイクルが起こりやすくなる。また、被削材と砥石の研削面との間に間隙が生じることで、高温となっていた研削ポイントでの温度が低下し、さらに、研削液の流入によって、温度の低下が助長される。そのため、切れ味が長時間に亘って良好な状態で持続され、ドッレシングを行う間隔を飛躍的に長くすることができる。
本発明によると、切れ味が長時間に亘って持続し、ドッレシングを行う間隔を飛躍的に長くすることが可能な研削盤とその研削方法を実現することができる。
以下、本発明の研削盤と研削方法を、その実施形態に基づいて説明する。
図1に、本発明の実施形態に係る研削盤の基本構成を示す。
図1は、縦型両頭平面研削盤における研削の場合を示しており、この縦型両頭平面研削盤は、送りサーボモータ1、ボールネジ2、主軸モータ3、ホイールヘッド4、上砥石5、下砥石6、ベース7によって主として構成されている。
図2に基づいて、本発明の第一実施形態について説明する。以下の説明においては、荷重制御研削の一例として、トルク制御、すなわち、サーボモータとボールネジによってヘッドを送る制御方法に基づいているが、ヘッドを送る手段としては、リニアモータによる送りを用いることもできる。
研削が開始されると、(a)に示すように、送りサーボモータ1が回転し、ボールネジ2を介してホイールヘッド4と、このホイールヘッド4に取り付けられた上砥石5が下降し、予め設定された高さ位置まで早送りされる。その後は、主軸モータ3によって、研削加工送り速度で上砥石5が回転して、被削材10を研削する。
研削が進行すると、(b)のように、砥石の目詰まり等によって加工速度が低下して、ヘッドが下降しなくなるため、ヘッド下降量を計測して、ヘッド下降量の計測値がヘッド下降量の設定値以下である場合には、(c)のように、予め設定された位置までヘッドを上昇させて、所定の時間だけヘッドをこの位置で維持する。
この間に、砥面に研削液が流入して切粉が排出されるとともに、砥石と被削材との間隔が広がることと、研削液の流入によって、研削ポイントにおいて高温となっていた砥粒の温度が低下して、砥石の切れ味が早急に回復する。
所定の時間が経過すると、(d)のようにヘッドが再び元の位置まで下降して研削を続行する。砥石の目詰まり等によって加工速度が低下して、ヘッドが下降しなくなるたびに、(e)のように上述したヘッドの上昇下降を繰り返す。ヘッドの下降量が下降量の設定値に達したところで、(f)のように研削を終了する。
このように、ヘッドの下降と上昇とを繰り返して間歇的に研削する方法を、ここでは間歇研削と呼ぶ。
図3に基づいて、本発明の第二実施形態について説明する。
研削が開始されると、(a)に示すように、送りサーボモータ1が回転し、ボールネジ2を介してホイールヘッド4と、このホイールヘッド4に取り付けられた上砥石5が下降し、予め設定された高さ位置まで早送りされる。その後は、主軸モータ3によって、研削加工送り速度で上砥石5が回転して、被削材10を研削する。
研削が進行すると、(b)のように、砥石の目詰まり等によって加工中の送りモータトルクが増大するため、加工中の送りモータトルクが予め設定されているトルク値を超えた時間を計測して、この時間が設定時間を超えた場合には、(c)のように、予め設定された位置までヘッドを上昇させて、所定の時間だけヘッドをこの位置で維持する。
この間に、砥面に研削液が流入して切粉が排出されるとともに、砥石と被削材との間隔が広がることと、研削液の流入によって、研削ポイントにおいて高温となっていた砥粒の温度が低下して、砥石の切れ味が早急に回復する。
所定の時間が経過すると、(d)のようにヘッドが再び元の位置まで下降して研削を続行する。砥石の目詰まり等によって加工トルクが増大すると、加工トルクが予め設定されているトルク値を超えた時間を計測して、この時間が設定時間を超えるたびに、(e)のように上述したヘッドの上昇下降を繰り返す。ヘッドの下降量が下降量の設定値に達したところで、(f)のように研削を終了する。
図4に、上述した第一実施形態および第二実施形態のフローチャートを示す。
研削開始にあたって、被削材の種類やその他の研削条件にあわせて、送りモータトルクτg(Nm)、送り速度Vg(μm/sec)、研削量Δg(μm)が設定される(S1)とともに、間歇研削を行うための設定値である、間歇時間Ti(sec)、戻り速度Vi(μm/sec)、戻り量Li(μm)、計測時間Si(sec)、加工変化量Δi(μm)、送りモータトルク検出τi(Nm)、送りモータトルク検出時間Tτi(sec)を設定する(S2)。
間歇時間Ti(sec)は、ヘッドの位置を一端上昇させて、その引き戻し位置で待機する時間であり、戻り速度Vi(μm/sec)は、加工位置から戻り位置までヘッドが移動する速度であり、戻り量Li(μm)は、加工位置から戻り位置までヘッドが移動する移動量である。
また、加工変化量Δi(μm)は、砥石の目詰まり等によって加工速度が低下して、所定の計測時間Si(sec)内になされた加工量が、設定された加工量に満たない状態であることが検出されたときに、間歇研削を開始する際の閾値となる加工量を意味する。
また、送りモータトルク検出τi(Nm)は加工中の送りモータトルクの検出値であり、送りモータトルク検出時間Tτi(sec)は、送りモータトルク検出τi(Nm)で設定されたトルクが持続する時間であって、位置制御モードでは、砥石の目詰まり等によって加工速度が低下して、送りモータトルク検出τi(Nm)で設定されたトルクが、この送りモータトルク検出時間Tτi(sec)の間持続して検出されたときに、間歇研削を行う。
間歇研削を行うにあたっては、研削モードを選択することができ、そのモード設定によって、第一実施形態である荷重制御モードと第二実施形態である位置制御モードのいずれかを選択する(S3)。
荷重制御モードを選択したときは、研削が開始される(S4)と、送り速度Vg(μm/sec)でヘッドが下降し(S5)、予め設定されている研削量Δg(μm)と切り込み量Δ(μm)とを比較する(S6)。その結果、研削量Δg≦切り込み量Δのときは、研削量Δg(μm)で研削を終了する(S7)。
一方、研削量Δg(μm)>切り込み量Δ(μm)のときは、計測時間Si(sec)毎に加工変化量Δi(μm)を計測し(S8)、予め設定された加工変化量Δi(μm)と切り込み量の実測値Δ(μm)とを比較する(S9)。その結果、Δi≦Δのときは、予め設定された送りモータトルクτg(Nm)と加工中の送りモータトルクτ(Nm)とを比較し(S10)、τg>τのときは、さらにヘッドを下降させて、以上の工程を繰り返し、研削量Δg≦切り込み量Δとなったときに研削を終了する(S7)。一方、τg≦τのときは、その位置にてヘッド位置を停止し(S11)、τg>τの条件を満たすようになってから、さらにヘッドを下降させて、加工を続行し、研削量Δg≦切り込み量Δとなったときに研削を終了する(S7)。
また、Δi>Δのときは、戻り速度Vi(μm/sec)で戻り量Li(μm)の分だけヘッドが上昇し(S12)、その位置で間歇時間Ti(sec)の間待機する(S13)。その後、戻り速度Vi(μm/sec)でヘッドがもとの位置に下降して、研削を続行し(S14)、研削量Δg≦切り込み量Δとなったときに研削を終了する(S7)。
位置制御モードを選択したときは、研削が開始されると(S24)、送り速度Vg(μm/c)でヘッドが下降し(S25)、予め設定されている研削量Δg(μm)と切り込み量Δ(μm)とを比較する(S26)。その結果、研削量Δg≦切り込み量Δのときは、研削量Δg(μm)で研削を終了する(S27)。
一方、研削量Δg(μm)>切り込み量Δ(μm)のときは、加工中の送りモータトルクが送りモータトルク検出τ(Nm)を超える時間Tτ(sec)を計測し(S28)、予め設定されたトルク検出時間Tτi(sec)と実測値Tτ(sec)とを比較する(S29)。Tτi≧Tτのときは、設定した送りモータトルクτg(Nm)と加工中の送りモータトルクτ(Nm)とを比較し(S30)、τg>τのときは、さらにヘッドを下降させて、以上の工程を繰り返し、研削量Δg≦切り込み量Δとなったときに研削を終了する(S27)。一方、τg≦τのときは、その位置にてヘッド位置を停止し(S31)、τg>τの条件を満たすようになってから、さらにヘッドを下降させて、加工を続行し、研削量Δg≦切り込み量Δとなったときに研削を終了する(S27)。
また、Tτi<Tτのとは、戻り速度Vi(μm/sec)で戻り量Li(μm)の分だけヘッドが上昇し(S32)、その位置で間歇時間Ti(sec)の間待機する(S33)。その後、戻り速度Vi(μm/sec)でヘッドがもとの位置に下降して、研削を続行し(S34)、研削量Δg≦切り込み量Δとなったときに研削を終了する(S27)。
図5に基づいて、本発明の間歇研削における砥石の研削面の状況を説明する。
砥石の砥粒層20は、ダイヤモンドやcBN等からなる砥粒21を、レジンボンドやメタルボンド等の結合材22で結合して形成されている。(a)のように、砥粒21がシャープな先端形状を有しているときは砥石の切れ味は良いが、(b)のように砥粒21が摩耗して先端形状が鈍化すると、砥石の切れ味が低下する。しかし、研削が進行すると、(c)のように結合材22が切粉24によって摩耗して結合材の面23が後退し、摩滅した砥粒21が脱落してシャープな先端形状を有する砥粒21が研削に作用するようになる。このような目替わりサイクルは、強制的に所定の寸法だけホイールを送る定寸研削の場合には起こりやすいが、定圧研削の場合には、(d)のように、結合材22が切粉によって十分に摩耗せず、切粉は結合材の面23に付着するようになって、結合材の面23が後退しにくい。そのため、目替わりサイクルが起こりにくく、砥石の切れ味が回復しにくい。
しかし、本発明の間歇研削では、この切れ味の低下が検出されると、(e)のように、ホイールのヘッドを一旦上昇させ、被削材25と砥石の研削面との距離を広げて、この間隙に研削液が流入できるようにし、切粉24を十分に排出できるようにしている。切粉24が排出されると、結合材の面23が後退しやすくなり、摩滅した砥粒21の脱落を促進して、目替わりサイクルが起こりやすくなる。
また、被削材と砥石の研削面との間に間隙が生じることで、高温となっていた研削ポイントでの温度が低下し、さらに、研削液の流入によって、温度の低下が助長される。特に、レジンボンドのように耐熱性の弱い結合材の場合には、研削中に熱的ダメージを受けて砥粒を結合する力が弱まり、砥粒の姿勢が揺らぐことが考えられるが、間歇研削を行うとレジンボンドの結合力が回復して、研削能力が回復すると考えられる。
以下に、具体的な実施例を示す。
上述した間歇研削の効果を確認するために、間歇研削を行ったものと、間歇研削を行わないものとについて、研削性能の比較試験を行った。
試験条件を以下に示す。
1.使用したホイール
表示 SD 500 − 40
寸法 250D×34T×105H×70W×2X(mm)
2.被削材
Figure 2007160436
3.研削条件と加工時間
Figure 2007160436
4.間歇研削条件
Figure 2007160436
以上の試験条件で、垂直に対向する主軸に、直径250mmのダイヤモンドホイールを対向して配置し、研削を実施した。ダイヤモンドホイールは、粒度が#500のダイヤモンド砥粒を容積比10%で配合し、銅錫合金のメタルボンドで砥粒を固定して形成されたものである。ダイヤモンドホイールの外側に、PCD274mmのインターナルギア(ドライブギア)を設けるとともに、ダイヤモンドホイールの内側に、PCD86mmのサンギア(ロータリーギア)を設け、その間にPCD94mmの遊星ギア(キャリアギア)5枚を等間隔に配置した。
上側のダイヤモンドホイールを18rpmで右回転させ、下側のダイヤモンドホイールを30rpmで右回転させ、サンギアを25rpmで右回転させて、被削材を遊星運動させた。対向して配置された2つのダイヤモンドホイールのうち、上側のダイヤモンドホイール(上部ヘッド)を下降させ、被削材を遊星運動させて研削を実施した。
比較例1では、遊星ギアに設けられた4つのポケットに、寸法20×20×1.1Tmmのアルミナセラミックを挿入し、1テーブルで20個の被削材を研削した。
被削材に研削圧力0.38(kg/cm2)を与えるために、ヘッドの荷重を30(kgf)に調整した。即ち、送りモータにトルクτg(Nm)[モータ出力11%]で制限がかかるように荷重制御の設定を行った。また、送り速度0.2μm/sで上部ヘッドが下降し、研削量が100μmとなるまでヘッドが下降したときに研削が終了するように設定した。
荷重制御では、送りモータの実際の加工トルクτ(Nm)が、設定されたリミットのトルクτg(Nm)より大きくなると、ヘッドはその位置を維持して研削を続ける。この状態で研削を続けると、時間の経過と共に、被削材が徐々に除去され、砥石の目替わりが進んで切れ味が回復する。そうすると、送りモータの加工トルクτ(Nm)が減少して、再びヘッドの下降が開始される。このようにしてヘッドの下降と現位置停止を繰り返して、設定した研削量である100μmまで上部ヘッドが下降すると、研削終了となる。
比較例1の条件では、ダイヤモンドホイールの切れ味が徐々に低下し、ヘッドの下降上昇を繰り返して研削が進行するが、研削開始位置から57μmヘッドが下降したときに、ダイヤモンドホイールの切れ味が悪くなって、切れ残りが除去することができなくなり、ヘッドの下降が停止して、研削が終了しない状態となったため、3000secで研削を中断した。
実施例1では、比較例1の条件に加えて、表3の荷重制御Aに示す間歇研削条件で研削を行った。設定した送り速度は0.2μm/sであるので、切れ味が持続していれば計測時間5secの間に、ヘッドが切り込み量1μm下降することとなる。しかし、研削の進行に伴って切れ味が低下し、ヘッドの下降と現位置停止を繰り返して研削が進行し、ヘッドの切り込み量Δがヘッドの加工変化量Δi=1(μm)以下になった。
この条件になると、ヘッドは間歇時間T=5(sec)をかけて、戻り速度Vi=100(μm/s)で戻り量Li=5(μm)だけ上昇した後に、戻り速度Vi=100(μm/s)で元の位置に戻り、再び研削を開始した。その結果、ダイヤモンドホイールの切れ味が持続して、研削開始から2513secで研削が終了した。
比較例2では、比較例1と同一の研削盤とダイヤモンドホイールを用いて、比較例1と同一のアルミナセラミックを研削した。被削材に研削圧力0.56(kg/cm2)を与えるために、ヘッドの荷重を45(kgf)に調整した。即ち、送りモータにトルクτg(Nm)[モータ出力13%]で制限がかかるように荷重制御の設定を行った。また、それ以外の条件は比較例1と同様とした。
比較例2の条件では、ダイヤモンドホイールの切れ味が徐々に低下し、ヘッドの下降と現位置停止を繰り返して研削が進行するが、研削開始位置から88μmヘッドが下降したときに、ダイヤモンドホイールの切れ味が悪くなって、切れ残りが除去することができなくなり、ヘッドの下降が停止して、研削が終了しない状態となったため、3000secで研削を中断した。
実施例2では、比較例2の条件に加えて、実施例1と同様の間歇研削条件で研削を行った。その結果、ダイヤモンドホイールの切れ味が持続して、研削開始から1586secで研削が終了した。
比較例3では、比較例1と同一の研削盤とダイヤモンドホイールを用いて、遊星ギアに設けられた1つのポケットに、寸法50.8×50.8×1.5Tmmの単結晶サファイアを挿入し、1テーブルで5個の被削材を研削した。被削材に研削圧力0.42(kg/cm2)を与えるために、ヘッドの荷重を53(kgf)に調整した。即ち、送りモータにトルクτg(Nm)[モータ出力14%]で制限がかかるように荷重制御の設定を行った。また、送り速度0.2μm/sで上部ヘッドが下降し、研削量が30μmとなるまでヘッドが下降したときに研削が終了するように設定した。
この条件で研削すると、ダイヤモンドホイールの切れ味が徐々に低下し、ヘッドの下降と現位置停止を繰り返して研削が進行するが、研削開始から1775secで研削が終了した。
実施例3では、比較例3の条件に加えて、表3の位置制御Bに示す間歇研削条件で研削を行った。研削の進行に伴って切れ味が低下し、実際の加工中の送りモータトルクτ(Nm)が徐々に大きくなった。実際の加工中の送りモータトルクτ(Nm)がトルク検出値τi(Nm)[モータ出力14%]より大きくなる時間Tτ(sec)が継続し、トルク検出時間Tτi=20(sec)より長くなった。
この条件になると、ヘッドは間歇時間T=5(sec)をかけて、戻り速度Vi=2(μm/s)で戻り量Li=5(μm)だけ上昇した後に、戻り速度Vi=2(μm/s)で元の位置に戻り、再び研削を開始した。その結果、ダイヤモンドホイールの切れ味が持続して、研削開始から705secで研削が終了した。即ち、間歇研削を実施することにより、比較例3の40%の所用時間で研削が終了した。
比較例4では、比較例1と同一の研削盤とダイヤモンドホイールを用いて、比較例3と同一の単結晶サファイアを研削した。被削材に研削圧力0.54(kg/cm2)を与えるために、ヘッドの荷重を68(kgf)に調整した。即ち、送りモータにトルクτg(Nm)[モータ出力16%]で制限がかかるように荷重制御の設定を行った。また、それ以外の条件は比較例3と同様とした。
この条件で研削すると、ダイヤモンドホイールの切れ味が徐々に低下し、ヘッドの下降と現位置停止を繰り返して研削が進行するが、研削開始から1524secで研削が終了した。
実施例4では、比較例4の条件に加えて、表3の位置制御Cに示す間歇研削条件で研削を行った。その結果、ダイヤモンドホイールの切れ味が持続して、研削開始から653secで研削が終了した。即ち、間歇研削を実施することにより、比較例4の43%の所用時間で研削が終了した。
以上説明したように、研削を中断せざるを得なかった研削例に対して、本発明の間歇研削を行うことにより、研削を所定の時間内に終了させることができ、また、研削所用時間を大幅に短縮することができた。研削を中断したものでは、研削を続行するためには、ドレッサを用いてホイールの切れ味を回復する工程が必要となり、研削終了までに更なる時間を要することとなるが、本発明の間歇研削を実施すると、切れ味が長時間に亘って持続し、ドッレシングを行う間隔を飛躍的に長くすることが可能となり、研削作業の利便性が大幅に改善する。
本発明は、切れ味が長時間に亘って持続し、ドッレシングを行う間隔を飛躍的に長くすることが可能な研削盤とその研削方法として利用することができる。
本発明の実施形態に係る研削盤の基本構成を示す図である。 本発明の第一実施形態について説明するための図である。 本発明の第二実施形態について説明するための図である。 本発明の第一実施形態および第二実施形態のフローチャートを示す図である。 本発明の間歇研削における砥石の研削面の状況を説明するための図である。 荷重制御研削の動作を示す図である。 荷重制御研削のフローチャートを示す図である。
符号の説明
1 送りサーボモータ
2 ボールネジ
3 主軸モータ
4 ホイールヘッド
5 上砥石
6 下砥石
7 ベース
10 被削材
20 砥粒層
21 砥粒
22 結合材
23 結合材の面
24 切粉
25 被削材

Claims (5)

  1. 送りモータによって砥石が研削位置まで送られて研削を行う研削盤において、砥石の切れ味の低下を検出する手段を有し、切れ味の低下が検出されると、砥石を研削位置から離して被削材と研削面との間に間隙を生じさせ、所定の条件を満たしたときに砥石をもとの研削位置に戻す手段を有することを特徴とする研削盤。
  2. 前記切れ味の低下を検出する手段は、砥石の移動量を計測し、この砥石の移動量の計測値が設定された砥石の移動量に満たないときに切れ味が低下したと判断するものであることを特徴とする請求項1記載の研削盤。
  3. 前記切れ味の低下を検出する手段は、研削荷重を計測し、この研削荷重の計測値が設定された荷重値を超えている時間が、設定された時間を超えるときに切れ味が低下したと判断するものであることを特徴とする請求項1記載の研削盤。
  4. 前記所定の条件を満たしたときに砥石をもとの研削位置に戻す手段は、砥石を研削位置から離した位置に維持した時間を計測し、この計測値が設定された時間を超えたときに砥石をもとの研削位置に戻すものであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の研削盤。
  5. 砥石の切れ味の低下を検出し、切れ味の低下が検出されると、砥石を研削位置から離して被削材と研削面との間に間隙を生じさせ、所定時間経過後に砥石をもとの研削位置に戻して研削を行うことを特徴とする研削方法。
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