JP2007159148A - データ伝送方法及びデータ伝送装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】データ受信装置にモノメディアデータを伝送する。
【解決手段】モノメディアデータをDSM−CC方式に基づいてモジュールを生成し、生成したモジュールを固定長を有するブロックに分割し、ブロックに分割されたデータから、DDBメッセージを生成し、モジュールを識別するための情報、当該モジュールの大きさ及びモジュールのバージョンを示す情報を含んでいるDIIメッセージを生成し、DDBメッセージ及びDIIメッセージを、周期的且つ繰り返し送出するカルーセル方式を使って伝送する。
【選択図】 図38

Description

本発明は、例えばデジタル衛星放送によるデータサービスなどの、情報の送信/受信/記録(ダウンロード)を行うシステムに関わり、特に情報の受信を行う情報受信装置にデータを伝送するデータ伝送方法及びデータ伝送装置に関するものである。
近年、デジタル衛星放送の普及が進んでいる。デジタル衛星放送は、例えば既存のアナログ放送と比較してノイズやフェージングに強く、高品質の信号を伝送することが可能である。また、周波数利用効率が向上され、多チャンネル化も図ることが可能になる。具体的には、デジタル衛星放送であれば1つの衛星で数百チャンネルを確保することも可能である。このようなデジタル衛星放送では、スポーツ、映画、音楽、ニュースなどの専門チャンネルが多数用意されており、これらの専門チャンネルでは、それぞれの専門のコンテンツに応じたプログラムが放送されている。
そして、上記のようなデジタル衛星放送システムを利用して、ユーザが楽曲等の音声データをダウンロードできるようにしたり、いわゆるテレビショッピングとして、例えばユーザが放送画面を見ながら何らかの商品についての購買契約を結べるようにしたりすることが提案されている。つまりは、デジタル衛星放送システムとして、通常の放送内容と並行したデータサービス放送を行うものである。
一例として、楽曲データのダウンロードであれば、放送側においては、放送番組と並行して、楽曲データを多重化して放送するようにする。また、この楽曲データのダウンロードに際しては、GUI(Graphical User Interface)画面(即ちダウンロード用の操作画面である)を表示させることでインタラクティブな操作をユーザに行わせるようにされるが、このGUI画面出力のためのデータも多重化して放送するようにされる。
そして、受信装置を所有しているユーザ側では、所望のチャンネルを選局している状態で、受信装置に対する所定の操作によって楽曲データをダウンロードするためのGUI画面を表示出力させるようにする。そして、この表示された操作画面に対してユーザが操作を行うことで、例えば受信装置に接続したデジタルオーディオ機器に対してデータを供給し、これが録音されるようにするものである。
ところで、上記のような楽曲データをダウンロードするためのGUI画面としては、例えばGUI画面を形成するパーツ的な画像データ、テキストデータなどの情報に加え、更には所定操作に応じた音声出力のための音声データなどの単位データ(ファイル)をそれぞれオブジェクトとして扱い、このオブジェクトの出力態様を所定方式によるシナリオ記述によって規定することによって、上記操作画面についての所要の表示形態及び音声等の出力態様を実現するように構成することが考えられる。
なお、ここでは、上記GUI画面のようにして、記述情報によって規定されることで、或る目的に従った機能を実現する表示画面(ここでは音声等の出力も含む)のことを「シーン」というものとする。また、「オブジェクト」とは、記述情報に基づいてその出力態様が規定される画像、音声、テキスト等の単位情報を示しており、伝送時においては、ここでは記述情報自体のデータファイルも「オブジェクト」の1つとして扱われるものとする。
上記シーン表示及びシーン表示上での音声出力等を実現するためのオブジェクトは、放送局側で放送すべきシーンを形成するデータのディレクトリ構造に対して適当にマッピングが施され、所定の伝送方式に従ってエンコードされて送信される。例えば、或る1番組において複数のシーンが必要な場合には、これら複数のシーンに必要されるオブジェクトのデータが適当にマッピングされたうえで送信されることになる。
受信装置側では伝送方式に従ってデコード処理を施して、例えば表示に必要なシーンに必要とされるオブジェクトごとの纏まりとしてのデータを得て、これをシーンとして出力するようにされる。
ところで受信装置で受信されたデータのダウンロードは、接続されたストレージデバイス側で行われることになるが、例えばそのダウンロード動作に要する時間は、データ量(例えば楽曲の長さ)などに応じて異なるものとなる。
一方ユーザーとしては、ダウンロードが行われている際には、現在そのダウンロード動作がどれほど進捗しているかを知りたいという要望があるが、各楽曲等によりダウンロードに要する時間が異なるため、おおよその進捗状況の判断もしにくい状況である。
またダウンロード動作においては圧縮データ(後述するATRACデータなど)を直接ストレージデバイスに供給させることで、短時間でダウンロードを完了させることも提案されている。このような高速ダウンロードの場合は、例えば楽曲データのダウンロードは、その楽曲の通常の演奏時間よりも短い時間(例えば1/4程度の時間)で完了できるため、ユーザーにとっては一層進捗状況が把握しにくいものとなる。
本発明は、データ受信装置にモノメディアデータを伝送する伝送方法において、上記モノメディアデータをDSM−CC方式に基づいてモジュールを生成し、上記モジュールを固定長を有するブロックに分割し、上記ブロックに分割されたデータから、DDBメッセージを生成し、上記モジュールを識別するための情報、当該モジュールの大きさ及びモジュールのバージョンを示す情報を含んでいるDIIメッセージを生成し、上記DDBメッセージ及びDIIメッセージを、周期的且つ繰り返し送出するカルーセル方式を使って伝送する。
以上説明したように本発明では、ダウンロード動作中に情報受信装置は、逐次ストレージデバイス側に記録データの進行位置情報(例えば曲の先頭をゼロとした時間位置情報)を知らせるように要求し、それに応じて送られてきた進行位置情報から、実際の記録動作の進捗状況を把握し、それに応じて進捗情報データを生成して表示に供するようにする。
これによってユーザーに対してダウンロード記録動作の進捗状況を適切に知らせることができる。
また進行位置情報の要求は所定時間毎に行なうこと、及び進行位置情報が取り込まれる毎に、進捗情報データを更新生成し、表示用データとして出力することで、ダウンロード実行中に適切に進捗状況を更新させながら表示できる。特に所定時間という要求動作間隔を短くすれば、進捗状況の表示がよりスムースに変化するものとなり、ユーザーに対してよりわかりやすい表示を行うことができる。
さらに、進捗情報データは、記録データの総量情報に対する進行位置情報のパーセンテージを示すデータとされ、表示上では進捗状況をパーセンテージで示すことで、ユーザーが一目で進捗状況を把握できるような表示が可能となる。
以降、本発明の実施の形態について説明する。
本発明が適用されるシステムとしては、デジタル衛星放送を利用して番組を放送すると共に、受信装置側ではこの番組に関連した楽曲データ(音声データ)等の情報を受信し、番組及び関連した楽曲データを出力できるとともに、その楽曲データを接続したストレージ機器にダウンロードさせることができるようにしたシステムを例に挙げることとする。
そしてこのようなシステムにおける受信装置(後述するIRD)が本発明の実施の形態となる。またストレージ機器としてはMD(ミニディスク)レコーダを例にあげる。
説明は次の順序で行う。
1.デジタル衛星放送システム
1−1.全体構成
1−2.GUI画面に対する操作
1−3.地上局
1−4.送信フォーマット
1−5.ATRACデータの送信フォーマット
1−6.IRD
1−7.MDレコーダ
1−8.MDのエリア構成
2.ダウンロード
2−1.機器接続構成
2−2.機器接続に関する処理
2−3.ダウンロード動作概要
2−4.ダウンロード設定処理
2−5.ダウンロード実行前のチェック処理
2−6.ダウンロードセットアップ
2−7.ATRACダウンロード
2−8.管理/付加情報のダウンロード及び終了処理
2−9.エラー発生時の処理
1.デジタル衛星放送システムの構成
1−1.全体構成
図1は、本例としてのデジタル衛星放送システムの全体構成を示すものである。この図に示すように、デジタル衛星放送の地上局1には、テレビ番組素材サーバ6からのテレビ番組放送のための素材と、楽曲素材サーバ7からの楽曲データの素材と、音声付加情報サーバ8からの音声付加情報と、GUIデータサーバからのGUIデータとが送られる。
テレビ番組素材サーバ6は、通常の放送番組の素材を提供するサーバである。このテレビ番組素材サーバから送られてくる音楽放送の素材は、動画及び音声とされる。例えば、音楽放送番組であれば、上記テレビ番組素材サーバ6の動画及び音声の素材を利用して、例えば新曲のプロモーション用の動画及び音声が放送されたりすることになる。
楽曲素材サーバ7は、オーディオチャンネルを使用して、オーディオ番組を提供するサーバである。このオーディオ番組の素材は音声のみとなる。この楽曲素材サーバ7は、複数のオーディオチャンネルのオーディオ番組の素材を地上局1に伝送する。
各オーディオチャンネルの番組放送ではそれぞれ同一の楽曲が所定の単位時間繰り返して放送される。各オーディオチャンネルは、それぞれ、独立しており、その利用方法としては各種考えられる。例えば、1つのオーディオチャンネルでは最新の日本のポップスの数曲を或る一定時間繰り返し放送し、他のオーディオチャンネルでは最新の外国のポップスの数曲を或る一定時間繰り返し放送するというようにされる。
音声付加情報サーバ8は、楽曲素材サーバ7から出力される楽曲の時間情報等を提供するサーバである。
GUIデータサーバ9は、ユーザが操作に用いるGUI画面を形成するための「GUIデータ」を提供する。例えば後述するような楽曲のダウンロードに関するGUI画面であれば、配信される楽曲のリストページや各楽曲の情報ページを形成するための画像データ、テキストデータ、アルバムジャケットの静止画を形成するためのデータなどを提供する。更には、受信設備3側にていわゆるEPG(Electrical Program Guide)といわれる番組表表示を行うのに利用されるEPGデータもここから提供される。
なお、「GUIデータ」としては、例えばMHEG(Multimedia Hypermedia Information Coding Experts Group)方式が採用される。MHEGとは、マルチメディア情報、手順、操作などのそれぞれと、その組み合わせをオブジェクトとして捉え、それらのオブジェクトを符号化したうえで、タイトル(例えばGUI画面)として制作するためのシナリオ記述の国際標準とされる。また、本例ではMHEG−5を採用するものとする。
地上局1は上記テレビ番組素材サーバ6、楽曲素材サーバ7、音声付加情報サーバ8、及びGUIデータサーバ9から伝送された情報を多重化して送信する。
本例では、テレビ番組素材サーバ6から伝送されたビデオデータはMPEG(Moving Picture Experts Group)2方式により圧縮符号化され、オーディオデータはMPEG2オーディオ方式により圧縮符号化される。また、楽曲素材サーバ7から伝送されたオーディオデータは、オーディオチャンネルごとに対応して、例えばMPEG2オーディオ方式と、ATRAC(Adoptive Tranform Acoustic Coding)方式と何れか一方の方式により圧縮符号化される。
また、これらのデータは多重化の際、キー情報サーバ10からのキー情報を利用して暗号化される。
なお、地上局1の内部構成例については後述する。
地上局1からの信号は衛星2を介して各家庭の受信設備3で受信される。衛星2には複数のトランスポンダが搭載されている。1つのトランスポンダは例えば30Mbpsの伝送能力を有している。各家庭の受信設備3としては、パラボラアンテナ11とIRD(Integrated Receiver Decorder)12と、ストレージデバイス13と、モニタ装置14とが用意される。
また、この場合には、IRD12に対して操作を行うためのリモートコントローラ64が示されている。
パラボラアンテナ11で衛星2を介して放送されてきた信号が受信される。この受信信号がパラボラアンテナ11に取り付けられたLNB(Low Noize Block Down Converter)15で所定の周波数に変換され、IRD12に供給される。
IRD12における概略的な動作としては、受信信号から所定のチャンネルの信号を選局し、その選局された信号から番組としてのビデオデータ及びオーディオデータの復調を行ってビデオ信号、オーディオ信号として出力する。また、IRD12では、番組としてのデータと共に多重化されて送信されてくる、GUIデータに基づいてGUI画面としての出力も行う。このようなIRD12の出力は、例えばモニタ装置14に対して供給される。これにより、モニタ装置14では、IRD12により受信選局した番組の画像表示及び音声出力が行われ、また、後述するようなユーザの操作に従ってGUI画面を表示させることが可能となる。
ストレージデバイス13は、IRD12によりダウンロードされたオーディオデータ(楽曲データ)を保存するためのものである。このストレージデバイス13の種類としては特に限定されるものではなく、MD(Mini Disc)レコーダ/プレーヤ(以下MDレコーダ)、DATレコーダ/プレーヤ、DVDレコーダ/プレーヤ等を用いることができる。また、ストレージデバイス13としてパーソナルコンピュータ装置を用い、ハードディスクのほか、CD−R等をはじめとする記録が可能なメディアにオーディオデータを保存するようにすることも可能とされる。
但し本例においては、後述するダウンロード動作に関しては、IRD12はストレージデバイス13として接続されている機器のうちMDレコーダにダウンロードを実行させるものとして説明する。
また、本例の受信設備3としては、図2に示すように、データ伝送規格としてIEEE1394に対応したデータインターフェイスを備えたMDレコーダ13Aを、図1に示すストレージデバイス13として使用することができるようになっている。
この図に示すIEEE1394対応のMDレコーダ13Aは、IEEE1394バス16によりIRD12と接続される。これによって、本例では、IRD12にて受信された、楽曲としてのオーディオデータ(ダウンロードデータ)を、ATRAC方式により圧縮処理が施されたままの状態で直接取り込んで記録することができる。また、MDレコーダ13AとIRD12とをIEEE1394バス16により接続した場合には、上記オーディオデータの他、そのアルバムのジャケットデータ(静止画データ)及び歌詞などのテキストデータを記録することも可能とされている。
IRD12は、例えば電話回線4を介して課金サーバ5と通信可能とされている。IRD12には、後述するようにして各種情報が記憶されるICカードが挿入される。例えば楽曲のオーディオデータのダウンロードが行われたとすると、これに関する履歴情報がICカードに記憶される。このICカードの情報は、電話回線4を介して所定の機会、タイミングで課金サーバ5に送られる。課金サーバ5は、この送られてきた履歴情報に従って金額を設定して課金を行い、ユーザに請求する。
これまでの説明から分かるように、本発明が適用されたシステムでは、地上局1は、テレビ番組素材サーバ6からの音楽番組放送の素材となるビデオデータ及びオーディオデータと、楽曲素材サーバ7からのオーディオチャンネルの素材となるオーディオデータと、音声付加情報サーバ8からの音声データと、GUIデータサーバ9からのGUIデータとを多重化して送信している。
そして、各家庭の受信設備3でこの放送を受信すると、例えばモニタ装置14により、選局したチャンネルの番組を視聴することができる。また、番組のデータと共に送信されるGUIデータを利用したGUI画面として、第1にはEPG(Electrical Program Guide;電子番組ガイド)画面を表示させ、番組の検索等を行うことができる。また、第2には、例えば通常の番組放送以外の特定のサービス用のGUI画面を利用して所要の操作を行うことで、本例の場合には、放送システムにおいて提供されている通常番組の視聴以外のサービスを享受することができる。
例えば、オーディオ(楽曲)データのダウンロードサービス用のGUI画面を表示させて、このGUI画面を利用して操作を行えば、ユーザが希望した楽曲のオーディオデータをダウンロードしてストレージデバイス13に記録して保存することが可能になる。
なお、本例では、上記したようなGUI画面に対する操作を伴う、通常の番組放送以外の特定のサービスを提供するデータサービス放送については、インタラクティブ性を有することもあり、「インタラクティブ放送」ともいうことにする。
1−2.GUI画面に対する操作
ここで、上述しているインタラクティブ放送の利用例、つまり、GUI画面に対する操作例について、図3及び図4を参照して概略的に説明しておく。ここでは、楽曲データ(オーディオデータ)のダウンロードを行う場合について述べる。
先ず、図3によりIRD12に対してユーザが操作を行うためのリモートコントローラ64の操作キーについて、特に主要なものについて説明しておく。
図3には、リモートコントローラ64において各種キーが配列された操作パネル面が示されている。ここでは、これら各種キーのうち、電源キー201、数字キー202、画面表示切換キー203、インタラクティブ切換キー204、EPGキーパネル部205、チャンネルキー206について説明する。
電源キー201は、IRD12の電源のオン/オフを行うためのキーである。数字キー202は、数字指定によりチャンネル切り換えを行ったり、例えばGUI画面において数値入力操作が必要な場合に操作するためのキーである。
画面表示切換キー203は、例えば通常の放送画面とEPG画面との切り換えを行うキーである。例えば、画面表示切換キー203によりEPG画面を呼び出した状態の下で、EPGキーパネル部205に配置されたキーを操作すれば、電子番組ガイドの表示画面を利用した番組検索が行えることになる。また、EPGキーパネル部205内の矢印キー205aは、後述するサービス用のGUI画面におけるカーソル移動などにも使用することができる。
インタラクティブ切換キー204は、通常の放送画面と、その放送番組に付随したサービスのためのGUI画面との切り換えを行うために設けられる。
チャンネルキー206は、IRD12における選局チャンネルをそのチャンネル番号の昇順、降順に従って順次切り換えていくために設けられるキーである。
なお、本例のリモートコントローラ64としては、例えばモニタ装置14に対する各種操作も可能に構成されているものとされ、これに対応した各種キーも設けられているものであるが、ここでは、モニタ装置14に対応するキー等の説明は省略する。
次に、図4を参照してGUI画面に対する操作の具体例について説明する。
受信設備3により放送を受信して所望のチャンネルを選局すると、モニタ装置14の表示画面には、図4(a)に示すように、テレビ番組素材サーバ6から提供された番組素材に基づく動画像が表示される。つまり、通常の番組内容が表示される。ここでは、例えば音楽番組が表示されているものとする。また、この音楽番組には楽曲のオーディオデータのダウンロードサービス(インタラクティブ放送)が付随されているものとする。
そして、この音楽番組が表示されている状態の下で、例えばユーザがリモートコントローラ64のインタラクティブ切換キー204を操作したとすると、表示画面は図4(b)に示すような、オーディオデータのダウンロードのためのGUI画面に切り替わる。
このGUI画面においては、先ず、画面の左上部のテレビ番組表示エリア21Aに対して、図4(a)にて表示されていたテレビ番組素材サーバ6からのビデオデータによる画像が縮小化されて表示される。
また、画面の右上部には、オーディオチャンネルで放送されている各チャンネルの楽曲のリスト21Bが表示される。また、画面の左下にはテキスト表示エリア21Cとジャケット表示エリア21Dが表示される。さらに、画面の右側には歌詞表示ボタン22、プロフィール表示ボタン23、情報表示ボタン24、予約録音ボタン25、予約済一覧表示ボタン26、録音履歴表示ボタン27、およびダウンロードボタン28が表示される。
ユーザは、このリスト21Bに表示されている楽曲名を見ながら、興味のある楽曲を探していく。そして、興味のある楽曲を見つけたらリモートコントローラ64の矢印キー205a(EPGキーパネル部205内)を操作して、その楽曲が表示されている位置にカーソルを合わせた後、エンター操作を行う(例えば矢印キー205aのセンター位置を押圧操作する)。
これによって、カーソルを合わせた楽曲を試聴することができる。すなわち、各オーディオチャンネルでは、所定の単位時間中、同一の楽曲が繰り返し放送されているので、テレビ番組表示エリア21Aの画面はそのままで、IRD12により上記操作により選択された楽曲のオーディオチャンネルに切り換えて音声出力することで、その楽曲を聞くことができる。この時、ジャケット表示エリア21Dにはその楽曲のMDジャケットの静止画像が表示される
また、例えば上記の状態で歌詞表示ボタン22にカーソルを合わせ、エンター操作を行う(以下、ボタン表示にカーソルを合わせ、エンター操作を行うことを「ボタンを押す」という)と、テキスト表示エリア21Cに楽曲の歌詞がオーディオデータと同期したタイミングで表示される。同様に、プロフィール表示ボタン23あるいは情報表示ボタン24を押すと、楽曲に対応するアーティストのプロフィールあるいはコンサート情報などがテキスト表示エリア21Cに表示される。このように、ユーザは、現在どのような楽曲が配信されているのかを知ることができ、更に各楽曲についての詳細な情報を知ることができる。
ユーザは試聴した楽曲を購入したい場合には、ダウンロードボタン28を押す。ダウンロードボタン28が押されると、選択された楽曲のオーディオデータがダウンロードされ、ストレージデバイス13に記憶される。楽曲のオーディオデータと共に、その歌詞データ、アーティストのプロフィール情報、ジャケットの静止画データ等をダウンロードすることもできる。
そして、このようにして楽曲のオーディオデータがダウンロードされる毎に、その履歴情報がIRD12内のICカードに記憶される。ICカードに記憶された情報は、例えば1カ月に一度ずつ課金サーバ5により取り込みが行われ、ユーザに対してデータサービスの使用履歴に応じた課金が行われる。これによって、適切な楽曲データの販売及びダウンロードされる楽曲の著作権を保護することができることにもなる。
また、ユーザは予めダウンロードの予約を行いたい場合には、予約録音ボタン25を押す。このボタンを押すと、GUI画面の表示が切り換わり、予約が可能な楽曲のリストが画面全体に表示される。例えばこのリストは1時間単位、1週間単位、チャンル単位等で検索した楽曲を表示することが可能である。ユーザはこのリストの中からダウンロードの予約を行いたい楽曲を選択すると、その情報がIRD12内に登録される。そして、すでにダウンロードの予約を行った楽曲を碓認したい場合には、予約済一覧表示ボタン26を押すことにより、画面全体に表示させることができる。このようにして予約された楽曲は、予約時刻になるとIRD12によりダウンロードされ、ストレージデバイス13に記憶される。
ユーザはダウンロードを行った楽曲について確認したい場合には、録音履歴ボタン27を押すことにより、既にダウンロードを行った楽曲のリストを画面全体に表示させることができる。
このように、本発明が適用されたシステムの受信設備3では、モニタ装置14のGUI画面上に楽曲のリストが表示される。そして、このGUI画面上の表示にしたがって楽曲を選択するとその楽曲を試聴することができ、その楽曲の歌詞やアーティストのプロフィール等を知ることができる。さらに、楽曲のダウンロードとその予約、ダウンロードの履歴や予約済楽曲リストの表示等を行うことができる。
詳しいことは後述するが、上記図4(b)に示すようなGUI画面の表示と、GUI画面に対するユーザの操作に応答したGUI画面上での表示変更、及び音声出力は、前述したMHEG方式に基づいたシナリオ記述により、オブジェクトの関係を規定することにより実現される。ここでいうオブジェクトとは、図4(b)に示された各ボタンに対応するパーツとしての画像データや各表示エリアに表示される素材データとなる。
そして、本明細書においては、このGUI画面のような、シナリオ記述によってオブジェクト間の関係が規定されることで、或る目的に従った情報の出力態様(画像表示や音声出力等)が実現される環境を「シーン」というものとする。また、1シーンを形成するオブジェクトとしては、シナリオ記述のファイル自体も含まれるものとする。
以上のように、本例のデジタル衛星放送システムでは放送番組が配信されると共に、複数のオーディオチャンネルを使用して楽曲のオーディオデータが配信される。そして、配信されている楽曲のリスト等を使用して所望の楽曲を探し、そのオーディオデータをストレージデバイス13に簡単に保存することができる。
なお、デジタル衛星放送システムにおける番組提供以外のサービスとしては、上記した楽曲データのダウンロードの他にも各種考えられる。例えば、いわゆるテレビショッピングといわれる商品紹介番組を放送した上で、GUI画面としては購買契約が結べるようなものを用意することも考えられる。
1−3.地上局
これまで、本例としてのデジタル衛星放送システムの概要について説明したが、以降、このシステムについてより詳しい説明を行っていくこととする。そこで、先ず地上局1の構成について図5を参照して説明する。
なお、以降の説明にあたっては、次のことを前提とする。
本例では、地上局1から衛星2を介しての受信設備3への送信を行うのにあたり、DSM−CC(デジタル蓄積メディア・コマンド・アンド・コントロール;Digital Strage Media-Command and Control)プロトコルを採用する。
DSM−CC(MPEG−part6)方式は、既に知られているように、例えば、何らかのネットワークを介して、デジタル蓄積メディア(DSM)に蓄積されたMPEG符号化ビットストリームを取り出したり(Retrieve)、或いはDSMに対してストリームを蓄積(Store)するためのコマンドや制御方式を規定したものである。そして本例においては、このDSM−CC方式がデジタル衛星放送システムにおける伝送規格として採用されているものである。
そして、DSM−CC方式によりデータ放送サービス(例えばGUI画面など)のコンテンツ(オブジェクトの集合)を伝送するためには、コンテンツの記述形式を定義しておく必要がある。本例では、この記述形式の定義として先に述べたMHEGが採用されるものである。
図5に示す地上局1の構成において、テレビ番組素材登録システム31は、テレビ番組素材サーバ6から得られた素材データをAVサーバ35に登録する。この素材データはテレビ番組送出システム39に送られ、ここでビデオデータは例えばMPEG2方式で圧縮され、オーディオデータは、例えばMPEG2オーディオ方式によりパケット化される。テレビ番組送出システム39の出力はマルチプレクサ45に送られる。
また、楽曲素材登録システム32では、楽曲素材サーバ7からの素材データ、つまりオーディオデータを、MPEG2オーディオエンコーダ36A、及びATRACエンコーダ36Bに供給する。MPEG2オーディオエンコーダ36A、ATRACエンコーダ36Bでは、それぞれ供給されたオーディオデータについてエンコード処理(圧縮符号化)を行った後、MPEGオーディオサーバ40A及びATRACオーディオサーバ40Bに登録させる。
MPEGオーディオサーバ40Aに登録されたMPEGオーディオデータは、MPEGオーディオ送出システム43Aに伝送されてここでパケット化された後、マルチプレクサ45に伝送される。ATRACオーディオサーバ40Bに登録されたATRACデータは、ATRACオーディオ送出システム43Bに4倍速ATRACデータとして送られ、ここでパケット化されてマルチプレクサ45に送出される。
また、音声付加情報登録システム33では、音声付加情報サーバ8からの素材データである音声付加情報を音声付加情報データベース37に登録する。この音声付加情報データベース37に登録された音声付加情報は、音声付加情報送出システム41に伝送され、同様にして、ここでパケット化されてマルチプレクサ45に伝送される。
また、GUI用素材登録システム34では、GUIデータサーバ9からの素材データであるGUIデータを、GUI素材データベース38に登録する。
GUI素材データベース38に登録されたGUI素材データは、GUIオーサリングシステム42に伝送され、ここで、GUI画面、即ち図4にて述べた「シーン」としての出力が可能なデータ形式となるように処理が施される。
つまり、GUIオーサリングシステム42に伝送されてくるデータとしては、例えば、楽曲のダウンロードのためのGUI画面であれば、アルバムジャケットの静止画像データ、歌詞などのテキストデータ、更には、操作に応じて出力されるべき音声データなどである。
上記した各データはいわゆるモノメディアといわれるが、GUIオーサリングシステム42では、MHEGオーサリングツールを用いて、これらのモノメディアデータを符号化して、これをオブジェクトとして扱うようにする。
そして、例えば図4(b)にて説明したようなシーン(GUI画面)の表示態様と操作に応じた画像音声の出力態様が得られるように上記オブジェクトの関係を規定したシナリオ記述ファイル(スクリプト)と共にMHEG−5のコンテンツを作成する。
また、図4(b)に示したようなGUI画面では、テレビ番組素材サーバ6の素材データを基とする画像・音声データ(MPEGビデオデータ、MPEGオーディオデータ)と、楽曲素材サーバ7の楽曲素材データを基とするMPEGオーディオデータ等も、GUI画面に表示され、操作に応じた出力態様が与えられる。
従って、上記シナリオ記述ファイルとしては、上記GUIオーサリングシステム42では、上記したテレビ番組素材サーバ6の素材データを基とする画像・音声データ、楽曲素材サーバ7の楽曲素材データを基とするMPEGオーディオデータ、更には、音声付加情報サーバ8を基とする音声付加情報も必要に応じてオブジェクトとして扱われて、MHEGのスクリプトによる規定が行われる。
なお、GUIオーサリングシステム42から伝送されるMHEGコンテンツのデータとしては、スクリプトファイル、及びオブジェクトとしての各種静止画データファイルやテキストデータファイルなどとなるが、静止画データは、例えばJPEG(Joint Photograph Experts Group)方式で圧縮された640×480ピクセルのデータとされ、テキストデータは例えば800文字以内のファイルとされる。
GUIオーサリングシステム42にて得られたMHEGコンテンツのデータはDSM−CCエンコーダ44に伝送される。
DSM−CCエンコーダ44では、MPEG2フォーマットに従ったビデオ、オーディオデータのデータストリームに多重できる形式のトランスポートストリーム(以下TS(Transport Stream)とも略す)に変換して、パケット化されてマルチプレクサ45に出力される。
マルチプレクサ45においては、テレビ番組送出システム39からのビデオパケットおよびオーディオパケットと、MPEGオーディオ送出システム43Aからのオーディオパケットと、ATRACオーディオ送出システム43Bからの4倍速オーディオパケットと、音声付加情報送出システム41からの音声付加情報パケットと、GUIオーサリングシステム42からのGUIデータパケットとが時間軸多重化されると共に、キー情報サーバ10(図1)から出力されたキー情報に基づいて暗号化される。
マルチプレクサ45の出力は電波送出システム46に伝送され、ここで例えば誤り訂正符号の付加、変調、及び周波数変換などの処理を施された後、アンテナから衛星2に向けて送信出力するようにされる。
1−4.送信フォーマット
次に、DSM−CC方式に基づいて規定された本例の送信フォーマットについて説明する。
図6は、地上局1から衛星2に送信出力される際のデータの一例を示している。なお、前述したように、この図に示す各データは実際には時間軸多重化されているものである。また、この図では、図6に示すように、時刻t1から時刻t2の間が1つのイベントとされ、時刻t2から次のイベントとされる。ここでいうイベントとは、例えば音楽番組のチャンネルであれば、複数楽曲のラインナップの組を変更する単位であり、時間的には30分或いは1時間程度となる。
図6に示すように、時刻t1から時刻t2のイベントでは、通常の動画の番組放送で、所定の内容A1を有する番組が放送されている。また、時刻t2から始めるイベントでは、内容A2としての番組が放送されている。この通常の番組で放送されているのは動画と音声である。
MPEGオーディオチャンネル(1)〜(10)は、例えば、チャンネルCH1からCH10の10チャンネル分用意される。このとき、各オーディオチャンネルCH1,CH2,CH3・・・・CH10では、1つのイベントが放送されている間は同一楽曲が繰り返し送信される。つまり、時刻t1〜t2のイベントの期間においては、オーディオチャンネルCH1では楽曲B1が繰り返し送信され、オーディオチャンネルCH2では楽曲C1が繰り返し送信され、以下同様に、オーディオチャンネルCH10では楽曲K1が繰り返し送信されることになる。これは、その下に示されている4倍速ATRACオーディオチャンネル(1)〜(10)についても共通である。
つまり、図6において、MPEGオーディオチャンネルと4倍速ATRACオーディオチャンネルのチャンネル番号である( )内の数字が同じものは同じ楽曲となる。また、音声付加情報のチャンネル番号である( )内の数字は、同じチャンネル番号を有するオーディオデータに付加されている音声付加情報である。更に、GUIデータとして伝送される静止画データやテキストデータも各チャンネルごとに形成されるものである。これらのデータは、図7(a)〜(d)に示すようにMPEG2のトランスポートパケット内で時分割多重されて送信され、図7(e)〜(h)に示すようにしてIRD12内では各データパケットのヘッダ情報を用いて再構築される。
また、上記図6及び図7に示した送信データのうち、少なくとも、データサービス(インタラクティブ放送)に利用されるGUIデータは、DSM−CC方式に則って論理的には次のようにして形成されるものである。ここでは、DSM−CCエンコーダ44から出力されるトランスポートストリームのデータに限定して説明する。
図8(a)に示すように、DSM−CC方式によって伝送される本例のデータ放送サービスは、Service Gatewayという名称のルートディレクトリの中に全て含まれる。Service Gatewayに含まれるオブジェクトとしては、ディレクトリ(Directory),ファイル(File),ストリーム(Stream),ストリームイベント(Stream Event)などの種類が存在する。
これらのうち、ファイルは静止画像、音声、テキスト、更にはMHEGにより記述されたスクリプトなどの個々のデータファイルとされる。
ストリームは例えば、他のデータサービスやAVストリーム(TV番組素材としてのMPEGビデオデータ、オーディオデータ、楽曲素材としてのMPEGオーディオデータ、ATRACオーディオデータ等)にリンクする情報が含まれる。
また、ストリームイベントは、同じくリンクの情報と時刻情報が含まれる。
ディレクトリは相互に関連するデータをまとめるフォルダである。
そして、DSM−CC方式では、図8(b)に示すようにして、これらの単位情報とService Gatewayをそれぞれオブジェクトという単位と捉え、それぞれをBIOPメッセージという形式に変換する。
なお、本発明に関わる説明では、ファイル,ストリーム,ストリームイベントの3つのオブジェクトの区別は本質的なものではないので、以下の説明ではこれらをファイルとしてのオブジェクトに代表させて説明する。
そして、DSM−CC方式では、図8(c)に示すモジュールといわれるデータ単位を生成する。このモジュールは、図8(b)に示したBIOPメッセージ化されたオブジェクトを1つ以上含むようにされたうえで、BIOPヘッダが付加されて形成される可変長のデータ単位であり、後述する受信側における受信データのバッファリング単位となる。
また、DSM−CC方式としては、1モジュールを複数のオブジェクトにより形成する場合の、オブジェクト間の関係については特に規定、制限はされていない。つまり、極端なことをいえば、全く関係の無いシーン間における2以上のオブジェクトにより1モジュールを形成したとしても、DSM−CC方式のもとでの規定に何ら違反するものではない。
このモジュールは、MPEG2フォーマットにより規定されるセクションといわれる形式で伝送するために、図8(d)に示すように、機械的に「ブロック」といわれる原則固定長のデータ単位に分割される。但し、モジュールにおける最後のブロックについては規定の固定長である必要はないものとされている。このように、ブロック分割を行うのはMPEG2フォーマットにおいて、1セクションが4KBを越えてはならないという規定があることに起因する。
また、この場合には上記ブロックとしてのデータ単位と、セクションとは同義なものとなる。
このようにしてモジュールを分割して得たブロックは、図8(e)に示すようにしてヘッダが付加されてDDB(Download Data Block)というメッセージの形式に変換される。
また、上記DDBへの変換と並行して、DSI(Download Server Initiate)及びDII(Download Indication Information)という制御メッセージが生成される。
上記DSI及びDIIは、受信側(IRD12)で受信データからモジュールを取得する際に必要となる情報であり、DSIは主として、次に説明するカルーセル(モジュール)の識別子、カルーセル全体に関連する情報(カルーセルが1回転する時間、カルーセル回転のタイムアウト値)等の情報を有する。また、データサービスのルートディレクトリ(Service Gateway)の所在を知るための情報も有する(オブジェクトカルーセル方式の場合)。
DIIは、カルーセルに含まれるモジュールごとに対応する情報であり、モジュールごとのサイズ、バージョン、そのモジュールのタイムアウト値などの情報を有する。
そして、図8(f)に示すように、上記DDB、DSI、DIIの3種類のメッセージをセクションのデータ単位に対応させて周期的に、かつ、繰り返し送出するようにされる。これにより、受信機側では例えば目的のGUI画面(シーン)を得るのに必要なオブジェクトが含まれているモジュールをいつでも受信できるようにされる。
本明細書では、このような伝送方式を回転木馬に例えて「カルーセル方式」といい、図8(f)に示すようにして模式的に表されるデータ伝送形態をカルーセルというものとする。
また、「カルーセル方式」としては、「データカルーセル方式」のレベルと「オブジェクトカルーセル方式」のレベルとに分けられる。特にオブジェクトカルーセル方式では、ファイル、ディレクトリ、ストリーム、サービスゲートウェイなどの属性を持つオブジェクトをデータとしてカルーセルを用いて転送する方式で、ディレクトリ構造を扱えることがデータカルーセル方式と大きく異なる。本例のシステムでは、オブジェクトカルーセル方式を採用するものとされる。
また、上記のようにしてカルーセルにより送信されるGUIデータ、つまり、図5のDSM−CCエンコーダ44から出力されるデータとしては、トランスポートストリームの形態により出力される。このトランスポートストリームは例えば図9に示す構造を有する。
図9(a)には、トランスポートストリームが示されている。このトランスポートストリームとはMPEGシステムで定義されているビット列であり、図のように188バイトの固定長パケット(トランスポートパケット)の連結により形成される。
そして、各トランスポートパケットは、図9(b)に示すようにヘッダと特定の個別パケットに付加情報を含めるためのアダプテーションフィールドとパケットの内容(ビデオ/オーディオデータ等)を表すペイロード(データ領域)とからなる。
ヘッダは、例えば実際には4バイトとされ、図9(c)に示すように、先頭には必ず同期バイトがあるようにされ、これより後ろの所定位置にそのパケットの識別情報であるPID(Packet_ID)、スクランブルの有無を示すスクランブル制御情報、後続するアダプテーションフィールドやペイロードの有無等を示すアダプテーションフィールド制御情報が格納されている。
これらの制御情報に基づいて、受信装置側ではパケット単位でデスクランブルを行い、また、デマルチプレクサによりビデオ/オーディオ/データ等の必要パケットの分離・抽出を行うことができる。また、ビデオ/オーディオの同期再生の基準となる時刻情報を再生することもここで行うことができる。
また、これまでの説明から分かるように、1つのトランスポートストリームには複数チャンネル分の映像/音声/データのパケットが多重されているが、それ以外にPSI(Program Specific Information)といわれる選局を司るための信号や、限定受信(個人の契約状況により有料チャンネルの受信可不可を決定する受信機能)に必要な情報(EMM/ECM)、EPGなどのサービスを実現するためのSI(Service Information)が同時に多重されている。ここでは、PSIについて説明する。
PSIは、図10に示すようにして、4つのテーブルで構成されている。それぞれのテーブルは、セクション形式というMPEG Systemに準拠した形式で表されている。
図10(a)には、NIT(Network Informataion Table)及びCAT(Conditional Access Table)のテーブルが示されている。
NITは、全キャリアに同一内容が多重されている。キャリアごとの伝送諸元(偏波面、キャリア周波数、畳み込みレート等)と、そこに多重されているチャンネルのリストが記述されている。NITのPIDとしては、PID=0x0010とされている。
CATもまた、全キャリアに同一内容が多重される。限定受信方式の識別と契約情報等の個別情報であるEMM(Entitlement Management Message)パケットのPIDが記述されている。PIDとしては、PID=0x0001により示される。
図10(b)には、キャリアごとに固有の内容を有する情報として、PATが示される。PATには、そのキャリア内のチャンネル情報と、各チャンネルの内容を表すPMTのPIDが記述されている。PIDとしては、PID=0x0000により示される。
また、キャリアにおけるチャンネルごとの情報として、図10(c)に示すPMT(Program Map Table)のテーブルを有する。
PMTは、チャンネル別の内容が多重されている。例えば、図10(d)に示すような、各チャンネルを構成するコンポーネント(ビデオ/オーディオ等)と、デスクランブルに必要なECM(Encryption Control Message)パケットのPIDが記述されているPMTのPIDは、PATにより指定される。
1−5.ATRACデータの送信フォーマット
ここでATRAC(Adaptive Tranform Acoustic Coding )データの送信フォーマットについて説明する。図6に示したように1イベント内の送信データとしては10単位の4倍速ATRACオーディオチャンネル(1)〜(10)が含まれている。
上記のように、衛星放送で音楽データの配信を行うようした場合、オーディオデータをそのまま伝送したのでは、データ量が膨大となり、転送時間が長くなる。そこで、オーディオデータを圧縮して伝送することが考えられ、その圧縮方式としては、例えば、ATRACを用いることが考えられている。なおATRACは、既に、MD(Mini Disc )でオーディオデータを圧縮して記録するのに採用されている圧縮方式である。
ATRACでオーディオデータの圧縮を行えば、配信する音楽データのデータレートを下げられると共に、配信されてきたオーディオデータをMDに直接記録することができるという利点がある。
ところで、ATRACでは、424バイトがサウンドグループと称され、1つの記録単位となっている。このため、ATRACのデータを衛星放送で配信する場合、このサウンドグループが崩れないように、データを伝送することが望まれる。
ATRACでは、サンプリング周波数が44.1kHz、量子化ビット数16ビットで、オーディオデータがディジタル化される。そして、このオーディオデータが11.61m秒の時間窓で切り出され、変形DCT(Discrete Cosine Transform )により、約1/5のデータ量に圧縮される。
このように、サンプリング周波数が44.1kHz、量子化ビット数が16ビットでディジタル化されたオーディオデータを11.61m秒の時間窓で切り出すと、そのサンプル数は、512サンプルとなる。したがって、11.61m秒の時間窓でのオーディオデータのデータ量は、512×2=1024バイトとなり、左右の2チャンネルで、1024×2=2048バイトとなる。
ATRACでは、変形DCTデータにより、この2048バイトのデータが424バイトに圧縮される。この424バイトのATRACデータがサウンドグループと称され、ATRAC方式で圧縮された音声データを伝送するときの1つの単位となる。2048のデータが424バイトに圧縮されるので、ATRAC方式の圧縮率は約1/5となる。
このように、ATRACでは、11.61m秒の期間の音声圧縮データに相当する424バイトのサウンドグループが音声圧縮データの1単位となっており、ATRACのオーディオデータを伝送する場合には、このサウンドグループ単位を保持していくことが望まれる。
なお、サウンドグループを単位とするMDシステムのデータ構造は図18で後述する。
一方、上記したMPEG2方式では、ビデオデータ、オーディオデータ、その他のデータが図9に示したトランスポートパケット(TSパケット)と呼ばれる188バイトの固定長のパケットに載せられ、同一ストリームで多重化されて伝送されている。したがって、ATRACで圧縮されたオーディオデータをMPEG2のストリームで転送する場合には、ATRACで圧縮されたオーディオデータを188バイトのTSパケットに載せなければならない。
ところが、ATRACのサウンドグループである424バイトと、TSパケットのサイズである188バイトとの間は、無関係である。このため、ATRACのデータを単にTSパケットに割り当てて伝送すると、サウンドグループが崩れてしまい、ATRACの復調処理やATRACでの記録処理が困難になる。
そこで本例では次のようにして、ATRACデータをMPEG2のストリームで伝送する場合に、そのATRACデータの基本単位を保持しつつ、PES(Packetized Elementary Stream)パケットで効率的に伝送できるようにしている。
MPEG2方式では、TSパケットと呼ばれる伝送単位で、複数のプログラムが多重化されて伝送されるが、このTSパケットは、188バイトの固定長に定められている。一方、ATRACで圧縮されたオーディオデータを伝送する場合には、424バイトのATRACの1サウンドグループのデータを保持する必要がある。
そこで、図11(a)に示すように、1つのTSパケットTSP1〜TSP8に、夫々、159バイトのATRACの圧縮オーディオデータを配置し、8つのTSパケットTSP1〜TSP8でPESパケットを構成するようにしている。
このように、1つのTSパケットで159バイトのATRACのデータを配置し、8つのTSパケットでPESパケットを構成すると、PESパケットの大きさは、159バイト×8=1272バイトとなる。サウンドグループの大きさは424バイトであるから、このPESパケットで送られる1272バイトのデータは、図11(b)に示すように、3つのサウンドグループSGP1〜SGP3のデータに相当する。
424バイト×3=1272バイト
1つのTSパケットに159バイトのATRACのデータを配置し、8つのTSパケットでPESパケットを構成すると、PESパケットで3サウンドグループのデータが伝送できる。このように、PESパケットで整数個のサウンドグループのデータが伝送されるため、ATRACのデータとPESパケットとの整合性が良好となる。
このように、ATRACのデータを伝送する場合には、188バイトの固定長のTSパケットのうち、159バイトがATRACデータの伝送に使用される。
そしてTSパケットの残りの29バイトは、TSパケットヘッダ、PESヘッダ、データヘッダ等が設けられる。データヘッダには、伝送するデータのタイプ、衛星放送や地上波放送等のデータの伝送路のタイプ等が設けられる。更に、ATRACデータの固有情報を定義するFDF(Field Dependnet Field )設けられる。
以上のように本例の伝送方法では、ATRACのデータを伝送する場合に、1つのTSパケットに159バイトのATRACのデータが配置され、更に、データヘッダとFDFが設けられ、8つのTSパケットでPESパケットが構成され、PESパケットで3つのサウンドグループのデータが伝送される。
このようにして、ATRACのデータをPESパケットで伝送する場合の具体例について以下に説明する。
図12は、PTS(Presentation Time Stamp )を利用して同期伝送を可能にする方式の場合のTSパケットの構成を示すものである。図12に示すように、TSパケットは188バイトの固定長からなる。このTSパケットの先頭の1バイト目から4バイト目は、トランスポートパケットヘッダとされ、5バイト目から18バイト目はPESパケットヘッダとされ、19バイト目から20バイト目はデータヘッダとされ、21バイト目から188バイト目はデータボディとされている。データボディの構成は、図13に示されている。なお図12、図13は図9で説明したTSパケットとして、ATRACデータを伝送するTSパケットの場合を詳しく示したものである。
トランスポートパケットヘッダの先頭には、1バイトのシンクバイトが設けられる。このシンクバイトに続いて、このパケット中のエラーの有無を示すトランスポートエラーインディケータと、新たなPESパケットがこのトランスポートパケットのペイロードから始まることを示すペイロードユニットスタートインディケータと、このパケットの重要度を示すトランスポートプライオリティが、夫々、1ビット設けられる。
トランスポートエラーインディケータは伝送上のエラーが発生した時にIRD12側で「1」とされるデータである。そしてトランスポートエラーインディケータ=「1」とされたTSパケットは、データ信頼性が確実でないものとして扱われることになる。
トランスポートパケットヘッダにはさらに、該当パケットの個別ストリームの属性を示す13ビットのストリーム識別情報(PID)が設けられる。続いてパケットのペイロードのスクランブルの有無や種別を示すトランスポートスクランブリングコントロールと、アダプテーションフィールドの有無を示すアダプテーションフィールドコントロールと、同じPIDを持つパケットが途中で一部破棄されたかどうかを検出するためのコンティニュイティカウンタが設けられる。
5バイト目から18バイト目のPESパケットヘッダの先頭には、24ビットの固定値のパケットスタートコードプリフィックスが設けられ、これに続いて、ストリームを識別する8ビットのストリームIDや、PESパケットの長さを示すPESパケットレングスが設けられる。さらに続いて、「10」の固定パターン、2ビットのPESスクランブルコントロール、1ビットのPESプライオリティ、1ビットのデータアライメントインディケータ、1ビットのコピーライト、1ビットのオリジナル/コピーかの識別情報、2ビットのPTS及びDTSフラグ、1ビットのESCRフラグ、1ビットのESレートフラグ、1ビットのDMSトリックモードフラグ、1ビットのアディショナルコピーインフォメーションフラグ、1ビットのPESのCRCフラグ、1ビットのPESエクステーションフラグが設けられる。
これらに続いて、8ビットのPESヘッダデータレングスが設けられる。
さらに「1101」の固定パターンの後に、タイムスタンプであるPTSの32から30が設けられ、これに続いて1ビットのマーケットビットが設けられる。そして、これに続く15ビットにタイムスタンプであるPTSの29から15が設けられ、これに、1ビットのマーケットビットが付加される。更にこれに続く15ビットにPTSの14から0が設けられ、これに、1ビットのマーケットビットが付加される。
19バイト目から20バイト目のデータヘッダには、8ビットのデータタイプと、6ビットのデータトランスミッションタイプと、2ビットのタグが設けられる。データタイプには、伝送するデータのタイプが記述される。データトランスミッションタイプには、データの伝送路のタイプ、例えば衛星放送、地上波放送等が記述される。タグには、データヘッダの後に、アディショナルヘッダがあるか否かが記述される。例えば、タグが「00」ならデータヘッダの後にデータが続き、「01」ならデータヘッダの後にアディショナルヘッタが続くことが示され、「10」ならアディショナルヘッダがPESパケットの中で複数回数あることが示される。
21バイト目から188バイト目は、データボディとされ、ここに、ATRACのデータが配置される。ATRACデータの配置は、図13に示すようになっている。
図13に示すように、データボディの21バイト目の最初の4ビットには、FDFフィールドレングスが設けられ、次の4ビットにはオーディオデータタイプ1が設けられる。FDFフィールドレングスはFDFフィールドの長さを示すものである。オーディオデータタイプ1は、オーディオタイプを定義(例えばATRAC)するためのものである。これに続いて、オーディオデータタイプ2が設けられる。このオーディオデータタイプ2は、データタイプの中での分類が定義される(例えば、ATRAC1、ATRAC2)。次に、1ビットのコピーライト、1ビットのオリジナル/コピー、1ビットのステレオ/モノ、1ビットのエンファシスが設けられる。
これに続いて、1ビットのデータスタートインディケータと、1ビットのデータエンドインディケータと、3ビットのPESデータカウンタが設けられる。
データスタートインディケータは、伝送中のデータが楽曲データの最初のPESパケットであることを示している。つまり楽曲の先頭となるATRACデータが含まれているPESにおける8個のTSパケットにおいては、データスタートインディケータ=「1」とされる。
データエンドインディケータは、伝送中のデータが楽曲の最後のPESパケットであることを示している。つまり楽曲の終端となるATRACデータが含まれているPESにおける8個のTSパケットにおいては、データエンドインディケータ=「1」とされる。
PESデータカウンタは、PESを伝送する8つのTSパケットの中で何番目かを示している。
これに続く3ビットはリザーブとされているが、次の24ビットは、プレゼントPESナンバとされている。このプレゼントPESナンバには、伝送中のデータが何番目のPESパケットであるかが示される。
従って、プレゼントPESナンバと、PESデータカウンタにより、TSパケット単位での連続性が判断できる。これはTSパケットにのせられるATRACデータの連続性が判断できることを意味する。
27バイト目から28バイト目は、リザーブとされて、その次の29バイト目にはATRACデータに対するチェックサム(CRCエラー検出コード)が設けられる。
そして、30バイト目から188バイト目には、159バイト分のATRACデータが配列される。
29バイト目のATRACデータチェックサムとATRACデータの関係を図14に示す。ATRACデータチェックサムによる計算の仕方は次のようになる。
図示するようにATRACデータチェックサムの各ビットの値をCS[0]〜CS[7]とし、また159バイトのATRACデータの最初のバイトの値をAT[0][0]、最初のバイトの値をAT[158][7]とすると、
CS[0]^AT[0][0]^AT[1][0]^・・・^AT[158][0]=SUM[0]
CS[1]^AT[0][1]^AT[1][1]^・・・^AT[158][1]=SUM[1]
・・・・
CS[7]^AT[0][7]^AT[1][7]^・・・^AT[158][7]=SUM[7]
としたときに、
SUM[0]〜SUM[7]=0x00
となるようにCS[0]〜CS[7]の値を設定するものである。
このようにATRACデータに対するチャックサムを設けることで、IRE12側やストレージデバイス13側においてダウンロードするATRACデータの信頼性をチェックできる。
以上のようにTSパケットには、159バイトのATRACのデータが配置されると共に、固有情報が定義されて、FDFに挿入される。FDFの領域は、アディショナルデータヘッダ、ATRACデータ、FDFのデータを受信する際に、機器の信号処理をしやすくするために、TSパケットの固定の位置に配置される。
そしてFDFを解析することにより、1つのTSパケット中のデータが伝送しようとしている楽曲中のどのデータであるかを解析することがてきる。これにより、伝送中何等かの理由によりエラーが発生し、あるパケットが正しく受信できなかった場合も、どのデータが抜けたかを検出することが可能となる。また、データスタートインディケータ、データエンドインディケータを検出するとで、そのデータが楽曲の最初又は最後であることが検出できる。このデータを利用して、ストレージデバイス13でダウンロードを行う時に、記録開始位置又は記録終了位置を簡単に検出することができる。
1−6.IRD
続いて、受信設備3に備えられるIRD12の一構成例について図15を参照して説明する。
この図に示すIRD12において、入力端子T1には、パラボラアンテナ11のLNB15により所定の周波数に変換された受信信号を入力してチューナ/フロントエンド部51に供給する。
チューナ/フロントエンド部51では、CPU(Central Processing Unit)80からの伝送諸元等を設定した設定信号に基づいて、この設定信号により決定されるキャリア(受信周波数)を受信して、例えばビタビ復調処理や誤り訂正処理等を施すことで、トランスポートストリームを得るようにされる。
チューナ/フロントエンド部51にて得られたトランスポートストリームは、デスクランブラ52に対して供給される。また、チューナ/フロントエンド部51では、トランスポートストリームからPSIのパケットを取得し、その選局情報を更新すると共に、トランスポートストリームにおける各チャンネルのコンポーネントPIDを得て、例えばCPU80に伝送する。CPU80では、取得したPIDを受信信号処理に利用することになる。
デスクランブラ52では、ICカード65に記憶されているデスクランブルキーデータをCPU80を介して受け取ると共に、CPU80によりPIDが設定される。そして、このデスクランブルキーデータとPIDとに基づいてデスクランブル処理を実行し、トランスポート部53に対して伝送する。
トランスポート部53は、デマルチプレクサ70と、例えばDRAM等により構成されるキュー(Queue)71とからなる。キュー(Queue)71は、モジュール単位に対応した複数のメモリ領域が列となるようにして形成されているものとされ、例えば本例では、32列のメモリ領域が備えられる。つまり、最大で32モジュールの情報を同時に格納することができる。
デマルチプレクサ70の概略的動作としては、CPU80のDeMUXドライバ82により設定されたフィルタ条件に従って、デスクランブラ52から供給されたトランスポートストリームから必要なトランスポートパケットを分離し、必要があればキュー71を作業領域として利用して、先に図7(e)〜(h)により示したような形式のデータを得て、それぞれ必要な機能回路部に対して供給する。
デマルチプレクサ70にて分離されたMPEGビデオデータは、MPEG2ビデオデコーダ55に対して入力され、MPEGオーディオデータは、MPEGオーディオデコーダ54に対して入力される。これらデマルチプレクサ70により分離されたMPEGビデオ/オーディオデータの個別パケットは、上述したPES(Packetized Elementary Stream)と呼ばれる形式でそれぞれのデコーダに入力される。
また、トランスポートストリームにおけるMHEGコンテンツのデータについては、デマルチプレクサ70によりトランスポートストリームからトランスポートパケット単位で分離抽出されながらキュー71の所要のメモリ領域に書き込まれていくことで、モジュール単位にまとめられるようにして形成される。そして、このモジュール単位にまとめられたMHEGコンテンツのデータは、CPU80の制御によってデータバスを介して、メインメモリ90内のDSM−CCバッファ91に書き込まれて保持される。
また、トランスポートストリームにおける4倍速ATRACデータ(圧縮オーディオデータ)も、例えばトランスポートパケット単位で必要なデータがデマルチプレクサ70により分離抽出されてIEEE1394インターフェイス60に対して出力される。また、IEEE1394インターフェイス60を介した場合には、オーディオディオデータの他、ビデオデータ及び各種コマンド信号等を送出することも可能とされる。
なお、図6で説明したように4倍速ATRACデータとして4倍速ATRAC(1)〜(10)というように例えば10曲分のデータが同時的に受信されるわけであるが、例えばその中の特定の楽曲をストレージデバイス13においてダウンロードさせる場合には、そのダウンロード対象の曲としてのATRACデータのみがIEEE1394インターフェイス60からストレージデバイス13に出力されることになる。
即ち或る曲のダウンロードが実行される際には、CPU80はその楽曲のATRACデータのみを抽出して出力するようにIEEE1394インターフェイス60に指示制御を行うことになる。
PESとしての形式によるMPEGビデオデータが入力されたMPEG2ビデオデコーダ55では、メモリ55Aを作業領域として利用しながらMPEG2フォーマットに従って復号化処理を施す。復号化されたビデオデータは、表示処理部58に供給される。
表示処理部58には、上記MPEG2ビデオデコーダ55から入力されたビデオデータと、後述するようにしてメインメモリ90のMHEGバッファ92にて得られるデータサービス用のGUI画面等のビデオデータが入力される。表示処理部58では、このようにして入力されたビデオデータについて所要の信号処理を施して、所定のテレビジョン方式によるアナログオーディオ信号に変換してアナログビデオ出力端子T2に対して出力する。
これにより、アナログビデオ出力端子T2とモニタ装置14のビデオ入力端子とを接続することで、例えば先に図4に示したような表示が行われる。
また、PESによるMPEGオーディオデータが入力されるMPEG2オーディオデコーダ54では、メモリ54Aを作業領域として利用しながらMPEG2フォーマットに従って復号化処理を施す。復号化されたオーディオデータは、D/Aコンバータ56及び光デジタル出力インターフェイス59に対して供給される。
D/Aコンバータ56では、入力されたオーディオデータについてアナログ音声信号に変換してスイッチ回路57に出力する。スイッチ回路57では、アナログオーディオ出力端子T3又はT4の何れか一方に対してアナログ音声信号を出力するように信号経路の切換を行う。
ここでは、アナログオーディオ出力端子T3はモニタ装置14の音声入力端子と接続されるために設けられているものとされる。また、アナログオーディオ出力端子T4はダウンロードした楽曲をアナログ信号により出力するための端子とされる。
また、光デジタル出力インターフェイス59では、入力されたデジタルオーディオデータを光デジタル信号に変換して出力する。この場合、光デジタル出力インターフェイス59は、例えばIEC958に準拠する。
メインメモリ90は、CPU80が各種制御処理を行う際の作業領域として利用されるものである。そして、本例では、このメインメモリ90において、前述したDSM−CCバッファ91と、MHEGバッファ92としての領域が割り当てられるようになっている。
MHEGバッファ92には、MHEG方式によるスクリプトの記述に従って生成された画像データ(例えばGUI画面の画像データ)を生成するための作業領域とされ、ここで生成された画像データはバスラインを介して表示処理部58に供給される。
CPU80は、IRD12における全体制御を実行する。このなかには、デマルチプレクサ70におけるデータ分離抽出についての制御も含まれる。
また、獲得したMHEGコンテンツのデータについてデコード処理を施すことで、スクリプトの記述内容に従ってGUI画面(シーン)を構成して出力するための処理も実行する。
このため、本例のCPU80としては、集中的に主たる制御処理を実行する制御処理部81に加え、例えば少なくとも、DeMUXドライバ82、DSM−CCデコーダブロック83、及びMHEGデコーダブロック84が備えられる。本例では、このうち、少なくともDSM−CCデコーダブロック83及びMHEGデコーダブロック84については、ソフトウェアにより構成される。
DeMUXドライバ82は、入力されたトランスポートストリームのPIDに基づいてデマルチプレクサ70におけるフィルタ条件を設定する。
DSM−CCデコーダブロック83では、DSM−CCバッファ91に格納されているモジュール単位のデータについて、MHEGコンテンツのデータに再構築する。
MHEGデコーダブロック84は、DSM−CCデコーダブロック83により得られたMHEGコンテンツのデータに基づいてデコード処理を行う。つまり、そのMHEGコンテンツのスクリプトファイルにより規定されているオブジェクト間の関係を実現していくことで、シーンを形成するものである。この際、シーンとしてGUI画面を形成するのにあたっては、MHEGバッファ92を利用して、ここで、スクリプトファイルの内容に従ってGUI画面の画像データを生成するようにされる。
DSM−CCデコーダブロック83及びMHEGデコーダブロック84間のインターフェイスには、U−U APIが採用される。
U−U APIは、DSM Managerオブジェクト(DSMの機能を実現するサーバオブジェクト)にアクセスするためのインターフェイスであり、これにより、Service Gateway,Directory,File,Stream,Stream Eventなどのオブジェクトに対する操作を行う。
クライアントオブジェクトは、このAPIを使用することによって、これらのオブジェクトに対して操作を行うことができる。
ここで、CPU80の制御によりトランスポートストリームから1シーンを形成するのに必要な目的のオブジェクトを抽出するための動作例について説明しておく。
DSM−CCでは、トランスポートストリーム中のオブジェクトの所在を示すのにIOR(Interoperable Object Reference)が使用される。IORには、オブジェクトを見つけ出すための力ルーセルに対応する識別子、オブジェクトの含まれるモジュールの識別子(以下module_idと表記)、1つのモジュール中でオブジェクトを特定する識別子(以下object_keyと表記)のほかに、オブジェクトの含まれるモジュールの情報を持つDIIを識別するためのタグ(association_tag)情報を含んでいる。
また、モジュール情報を持つDIIには、1つ以上のモジュールそれぞれについてのmodule_id、モジュールの大きさ、バージョンといった情報と、そのモジュールを識別するためのタグ(association_tag)情報を含んでいる。
トランスポートストリームから抜き出されたIORがCPU80において識別された場合に、そのIORで示されたオブジェクトを受信、分離して得るプロセスは、例えば次のようになる。
(Pr1) CPU80のDeMUXドライバ82では、IORのassociation_tagと同じ値を持つエレメンタリーストリーム(以下ESと表記)を、カルーセルにおけるPMTのESループから探し出してPIDを得る。このPIDを持つESにDIIが含まれていることになる。
(Pr2) このPIDとtable_id_extensionとをフィルタ条件としてデマルチプレクサ70に対して設定する。これにより、デマルチプレクサ70では、DIIを分離してCPU80に対して出力する。
(Pr3) DIIの中で、先のIORに含まれていたmodule_idに相当するモジュールのassociation_tagを得る。
(Pr4) 上記association_tagと同じ値を有するESを、PMTのESループ(カルーセル)から探し出し、PIDを得る。このPIDを有するESに目的とするモジュールが含まれる。
(Pr5) 上記PIDとmodule_idとをフィルタ条件として設定して、デマルチプレクサ70によるフィルタリングを行う。このフィルタ条件に適合して分離抽出されたトランスポートパケットがキュー71の所要のメモリ領域(列)に格納されていくことで、最終的には、目的のモジュールが形成される。
(Pr6) 先のIORに含まれていたobject_keyに相当するオブジェクトをこのモジュールから抜き出す。これが目的とするオブジェクトになる。このモジュールから抜き出されたオブジェクトは、例えば、DSM−CCバッファ91の所定の領域に書き込みが行われる。
例えば、上記動作を繰り返し、目的とするオブジェクトを集めてDSM−CCバッファ91に格納していくことで、必要とされるシーンを形成するMHEGコンテンツが得られることになる。
マンマシンインターフェイス61では、リモートコントローラ64から送信されてきたコマンド信号を受信してCPU80に対して伝送する。CPU80では、受信したコマンド信号に応じた機器の動作が得られるように、所要の制御処理を実行する。
ICカードスロット62にはICカード65が挿入される。そして、この挿入されたICカード65に対してCPU80によって情報の書き込み及び読み出しが行われる。
モデム63は、電話回線4を介して課金サーバ5と接続されており、CPU80の制御によってIRD12と課金サーバ5との通信が行われるように制御される。
またCPU80が必要な情報を或る程度長期間保持しておくために、不揮発性メモリ68が設けられる。この不揮発性メモリ68には、電源オフにより消失されることが適切でない情報が記憶される。例えば各種制御係数の初期値、設定値などが記憶される。また本例の場合は接続される機器の情報を保持する接続機器IDテーブルが、この不揮発性メモリ68に保持されることになる。
タイマ69は、いわゆる時計としての機能であり、現在日時としての年月日時分秒を計数する。例えばダウンロードの予約動作のためなどに用いられる。
また、ストレージデバイス13に対する接続に関して、制御データやコマンドの授受については上記IEEE1394インターフェース60を介して実行できるが、もちろんそれはストレージデバイス13側がIEEE1394に対応している機器である場合である。
もちろんIEEE1394に対応してないストレージデバイス13も存在し、そのような機器が接続される場合もあるが、そのような場合には外部バスライン等を構成するコントロールラインインターフェース67や、赤外線インターフェース66により、コマンド等の通信を行うことができるようにしている。
コントロールラインインターフェース67により、IRD12とストレージデバイス13の間の双方向コマンド通信を可能とできる。また、例えば接続される機器が赤外線リモートコマンダーに対応している場合は、その機器に応じたデータ形態の赤外線コマンドを赤外線インターフェース66から出力することで、接続機器の制御を行うことができる。この赤外線インターフェイスの場合にも、ストレージデバイス13側が赤外線出力可能とされることで双方向通信を実行することもできる。
なお、IEEE1394に対応してないストレージデバイス13に対するオーディオデータの出力は、ATRAC形態ではなく、ベースバンド信号として、光デジタル出力インターフェイス59もしくはアナログオーディオ出力端子T4から行われることになる。
ここで、上記構成によるIRD12におけるビデオ/オーディオソースの信号の流れを、図4により説明した表示形態に照らし合わせながら補足的に説明する。
図4(a)に示すようにして、通常の番組を出力する場合には、入力されたトランスポートストリームから必要な番組のMPEGビデオデータとMPEGオーディオデータとが抽出されて、それぞれ復号化処理が施される。そして、このビデオデータとMPEGオーディオデータが、それぞれアナログビデオ出力端子T2と、アナログオーディオ出力端子T3に出力されることで、モニタ装置14では、放送番組の画像表示と音声出力が行われる。
また、図4(b)に示したGUI画面を出力する場合には、入力されたトランスポートストリームから、このGUI画面(シーン)に必要なMHEGコンテンツのデータをトランスポート部53により分離抽出してDSM−CCバッファ91に取り込む。そして、このデータを利用して、前述したようにDSM−CCデコーダブロック83及びMHEGデコーダブロック84が機能することで、MHEGバッファ92にてシーン(GUI画面)の画像データが作成される。そして、この画像データが表示処理部58を介してアナログビデオ出力端子T2に供給されることで、モニタ装置14にはGUI画面の表示が行われる。
また、図4(b)に示したGUI画面上で楽曲のリスト21Bにより楽曲が選択され、その楽曲のオーディオデータを試聴する場合には、この楽曲のMPEGオーディオデータがデマルチプレクサ70により得られる。そして、このMPEGオーディオデータが、MPEGオーディオデコーダ54、D/Aコンバータ、スイッチ回路57、アナログオーディオ出力端子T3を介してアナログ音声信号とされてモニタ装置14に対して出力される。
また、図4(b)に示したGUI画面上でダウンロードボタン28が押されてオーディオデータをダウンロードする場合には、ダウンロードすべき楽曲のオーディオデータがデマルチプレクサ70により抽出されてアナログオーディオ出力端子T4、光デジタル出力インターフェイス59、またはIEEE1394インターフェイス60に出力される。
ここで、特にIEEE1394インターフェイス60に対して、図2に示したIEEE1394対応のMDレコーダ13Aが接続されている場合には、デマルチプレクサ70ではダウンロード楽曲の4倍速ATRACデータが抽出され、IEEE1394インターフェイス60を介してMDレコーダ13Aに装填されているディスクに対して記録が行われる。また、この際には、例えばJPEG方式で圧縮されたアルバムジャケットの静止画データ、歌詞やアーティストのプロフィールなどのテキストデータもデマルチプレクサ70においてトランスポートストリームから抽出され、IEEE1394インターフェイス60を介してMDレコーダ13Aに転送される。MDレコーダ13Aでは、装填されているディスクの所定の領域に対して、これら静止画データ、テキストデータを記録することができるようになっている。
ところで、以上のようにDSM−CC方式を伝送規格として採用した本例のデジタル衛星放送システムでは、受信装置、つまりIRD12のタイプとして、受信バッファの構成の点から2種類に分けることができる。
1つは、IRD12が、データサービス(GUI画面表示出力)対応のフラッシュメモリやハードディスクドライバなどの大容量の受信バッファを有する構成のものである。このような構成では、放送されているデータサービス(MHEGコンテンツ)全体を一度に受信して、受信バッファに保持させる。これにより、一旦データサービスを受信して取り込んだ後は、MHEGによるどのシーン(GUI画面)についても、メモリアクセスの待ち時間のみ待機するだけで即座に表示出力させることが可能になる。つまり、GUI画面(シーン)の切換のための操作をユーザが行ったような場合にも、次のシーンがほぼ直ぐさま表示されることになる。
このような場合、デマルチプレクサのフィルタ条件の切り換えによる多少のオーバーヘッドは、GUI画面の表示に関しては特に問題となるものではない。
もう1つは、IRDのコストを下げるなどの理由から、上記のような大容量の受信バッファを持たないものである。先に説明した本例のIRD12がこれに相当する。この場合、データ放送サービス全体のデータをバッファリングすることができず、データ放送のデータを受信する受信単位であるモジュールのいくつかがバッファリングできるだけの受信バッファしか持たない。図15に示したIRD12では、この受信バッファはキュー71に相当し、前述のようにモジュールがバッファリングできるメモリ領域が32列設けられているのみである。
このようなIRDでは、逆に言えば、モジュ−ルの大きさは受信機のバッファメモリーサイズを上回ることはできない。このため、データサービス全体がいくつかのモジュールの集合で構成されることになり、その時々で表示に必要なモジュールだけを受信するなどの手順が必要になってくる。
前述したオブジェクトを抽出するための手順(Pr1)〜(Pr6)は、このような大容量の受信バッファを有さないIRDの構成に対応したものである。
ここで、図16に、MHEG方式に則ったデータサービスとしてのファイル(MHEG application file)のディレクトリ構造例を示す。前述したようにオブジェクトカルーセル方式は、このディレクトリ構造を扱えることに特徴を有する。
通常、Service Domainの入り口となる(MHEG application file)は、必ず、Service Gatewayの直下にある、app0/startupというファイルとなる。
基本的には、Service Domain(Service Gateway)の下にapplication directory(app0,app1・・・appN)があり、その下にstartupといわれるアプリケーション・ファイルと、applicationを構成する各sceneのdirectory(scene0,scene1・・・)があるようにされる。更にscene directoryの下には、MHEG scene fileとsceneを構成する各content fileがおかれることとしている。
上記図16のディレクトリ構造を前提として、例えば或るデータサービスにおいて、データサービスの最初にアクセスすべきアプリケーションがService Gateway/app0/startupというファイルで、最初のシーンがscenedir0に含まれる静止画やテキストのファイルで構成されているとする。
そして、このようなデータサービスについてIRDにより受信を開始したとすれば、次のような手順となる。
(Pr11) PMTを参照して所望のデータサービスのPIDを取得し、そのPIDとtable_idとtable_id_extensionをフイルタ条件としてデマルチプレクサでフィルタリングを行い、DSIを得る。このDSIにはService GatewayオブジェクトのIORが書かれている。
(Pr12) このIORから、先に説明したオブジェクト抽出手順(Pr1)〜(Pr6)でService Gatewayオブジェクトを得る。
Service Gatewayオブジェクトとディレクトリ・オブジェクトの2種類のBIOPメッセージの中には、そのディレクトリ直下のオブジェクトの名称、所在(lOR)、オブジェクトの種類といった情報が、bindingという属性情報として入っている。従ってオブジェクトの名称が与えられると、Service Gatewayから始まってディレクトリをーつづつ下にたどりながら、その名称のオブジェクトに行き着くことができる(同じ名称のオブジェクトが存在する場合は、違うところまで上位のバス名が必要になる)。そして、さらに次に示す手順に進む。
(Pr13) Service Gatewayオブジェクトのbinding情報からapp0オブジェクトのIORを得て、オブジェクト抽出手順(Pr1)〜(Pr6)によりapp0オブジェクトを得る。
(Pr14) app0オブジェクトのbinding情報からstartupオブジェクトのIORを得て、オブジェクト抽出手順(Pr1)〜(Pr6)でstartupオブジェクトを得る。以下同様に最初のシーンであるscenedir0オブジェクトなどを得る。
1−7.MDレコーダ
図17はストレージデバイス13となるMDレコーダの構成例を示している。
ディスク101は、例えば、カートリッジに収納された直径64mmの光磁気ディスクからなるMDである。装填されたディスク101はスピントルモータ102により所定CLV速度の状態で回転される。またディスク101に対しては、光学ヘッド103と磁気ヘッド121が記録面に対してそれぞれ両側から対向した状態に配される。光学ヘッド103には、レーザ光を出力するためのレーザダイオード、偏光ビームスプリッタや対物レンズからなる光学系、反射光を検出するためのディテクタなどが搭載されている。対物レンズ103aは、2軸デバイス104によりディスクの半径方向及びディスクに接離する方向に変位可能に保持されている。光学ヘッド103及び磁気ヘッド121全体は、スレッド機構105によりディスクの半径方向に移動可能とされている。
光学ヘッド103によりディスク101から検出された情報は、RFアンプ107に供給される。RFアンプ107からは、光学ヘッド103の各ディテクタの出力を演算処理することにより、再生RF信号、トラッキングエラー信号、フォーカスエラー信号、ウォブル記録されている絶対位置情報等が抽出される。このうちで、再生RF信号は、EFM(Eight To Fourteen Modulation)及びACICR(Advanced Cross Interleave Reed-Solomon Code )エンコーダ/デコーダ部108に供給される。また、RFアンプ107からのトラッキングエラー信号、フォーカスエラー信号は、サーボ回路109に供給され、絶対位置情報は、アドレスデコーダ110に供給されてデコードされ、絶対位置アドレスとして出力される。
サーボ回路109は、トラッキングエラー信号、フォーカスエラー信号や、システムコントローラ111からのトラックジャンプ指令、アクセス指令、スピンドルモータ102の回転速度検出情報等により各種のサーボ駆動信号を発生させ、2軸デバイス104及びスレッド機構105を制御して、フォーカス及びトラッキング制御を行う。
全体動作は、システムコントローラ111により管理されている。システムコントローラ111には、操作部119から入力が与えられる。
入力端子122から入力されるオーディオ信号(アナログオーディオ信号)を記録する場合には、そのアナログオーディオ信号がA/Dコンバータ123に供給される。そしてA/Dコンバータ123で、このオーディオ信号がディジタル化された後、音声圧縮エンコーダ/デコータ114に供給される。そして音声圧縮エンコーダ/デコータ114で、このオーディオデータがATRAC方式で圧縮される。
なお、入力端子122はいわゆるアナログライン入力用であり、例えば上記IRD12の端子T4と接続されることで、IRD12からのオーディオ信号を入力できる。
音声圧縮エンコーダ/デコーダ114でATRAC圧縮されたデータは、メモリコントローラ112の制御の基に、一旦、RAM13に書き込まれ、そして、EFM及びACIRCエンコーダ/デコーダ108に供給される。EFM及びACIRCエンコーダ/デコーダ108で、このオーディオデータにエラー訂正符号が付加され、更に、このデータがEFM変調される。EFM及びACIRCエンコーダ/デコーダ108の出力がヘッド駆動回路124を介して、磁気ヘッド121に供給される。このとき、光学ヘッド103からは、ディスクにデータを書き込むために、高レベルのレーザビームが照射される。これにより、ディスク101に、ATRACで圧縮されるたオーディオデータが記録される。
また、このMDレコーダでは、ATRAC方式のデータを直接入力して記録することが可能である。ATRACのデータは、例えば、IEEE1394インターフェース125を介して入力される。
即ち上述したIRD12のIEEE1394インターフェース60と、このIEEE1394インターフェース125が接続されている場合、ダウンロードのために4倍速ATRACデータが供給されることになる。
IEEE1394インターフェース125からのATRACのデータは、EFM及びACIRCエンコーダ/デコーダ108に供給される。EFM及びACIRCエンコーダ/デコーダ108で、このオーディオデータにエラー訂正符号の付加、EFM変調が施される。そしてEFM及びACIRCエンコーダ/デコーダ108の出力がヘッド駆動回路124を介して、磁気ヘッド121に供給される。そしてこのとき同様に、光学ヘッド103からは、ディスクにデータを書き込むために高レベルのレーザビームが照射され、これにより、ディスク101に、ATRACで圧縮されたオーディオデータが記録される。
また光デジタル入力インターフェース128が設けられる。
例えばIEC958による光デジタル入力インターフェース128が設けられる場合は、上記IRD12の光デジタル出力インターフェース59や、他の機器の光デジタル出力インターフェースと接続されることで、デジタルオーディオデータの入力が行われる。
なおその場合は、いわゆるATRACデータ形態ではないので、入力されたデジタルオーディオデータは音声圧縮エンコーダ/デコーダ114でATRAC形式で圧縮処理された後、RAM113,EFM及びACIRCエンコーダ/デコーダ108を介して記録データとされる。
ディスク101からの再生時には、光学ヘッド103により、ディスク101の記録信号が読み出される。この光学ヘッド103の出力は、RFアンプ107に供給され、RFアンプ107からは、再生RF信号が得られる。この再生RF信号は、2値化回路106を介して、EFM及びACIRCデコーダ108に供給される。そしてEFM及びACIRCデコーダ108で、再生RF信号に対して、EFM復調処理、ACIRCによるエラー訂正処理が行われる。
EFM及びACIRCデコーダ108の出力は、メモリコントローラ112の制御のもとに、一旦、RAM113に書き込まれる。なお、光学ヘッド103による光磁気ディスク101からのデータの読み取り及び光学ヘッド103からRAM113までの系における再生データの転送は、1.41Mbit/secで、しかも、間欠的に行われる。
RAM113に書き込まれたデータは、再生データの転送が0.3Mbit/secとなるタイミングで読み出され、音声圧縮エンコーダ/デコータ114に供給される。そしてATRAC方式の圧縮に対する音声データの伸長処理が行われる。
音声圧縮に対するデコードが行われたデータ、即ち量子化16ビット、サンプリング周波数44.1KHzの形態のデジタルオーディオデータは、D/Aコンバータ115に供給され、アナログオーディオ信号に変換される。このアナログオーディオ信号が出力端子117から外部機器もしくはアンプ・スピーカ等の再生系に出力される。
ここで、RAM113へのデータの書込み/読出しは、メモリコントローラ112によって書込みポインタと読出しポインタの制御によりアドレス指定して行われるが、書込みポインタは1.41Mbit/secのタイミングでインクリメントされ、一方、読出しポインタは0.3Mbit/secのタイミングでインクリメントされていく。この書込みと読出しのビットレートの差により、RAM113内にある程度データが蓄積された状態となる。RAM113内にフル容量のデータが蓄積された時点で、書込みポインタのインクリンメトは停止され、光学ヘッド103によるディスク101からのデータの読出し動作も停止される。但し、読出しポインタのインクリメントは継続して実行されているため、再生音声出力はとぎれることがない。
その後、RAM113から読出し動作のみが継続されていき、ある時点でRAM113内のデータ蓄積量が所定量以下となったとすると、再び光学ヘッド113によるデータ読出し動作及び書込みポインタのインクリメントが再開され、再びRAM13のデータ蓄積がなされていく。
このようにRAM113を介して再生オーディオ信号を出力することにより、例えば外乱等でトラッキングが外れた場合などでも、再生音声出力が中断してしまうことがなく、データ蓄積が残っているうちに例えば正しいトラッキング位置までアクセスしてデータ読出しを再開することで、再生出力に影響を与えずに、動作を続行できる。
また記録時には、リアルタイムに入力されるデジタルオーディオ信号又はアナログオーディオ信号は、ATRAC方式で圧縮された後、RAM113に一旦蓄積され、その後所定タイミングで記録データとして処理されるべく読み出されていく。たとえば後述するクラスタという単位で読み出され、記録データとして処理される。そして、その処理過程(ACIRC処理やEFM処理)では高速レートで処理することは可能である。ところがあくまでも入力は音楽に応じたリアルタイムであるため、例えば楽曲等のディスク101への記録にはその楽曲の演奏時間と同じだけの時間がかかることになる。
一方、IRD12から4倍速ATRAC形式で楽曲データが供給される場合、例えば1つの楽曲としての入力自体が高速で完了することになり、当然その入力レートに応じて処理していけばよいため、ディスク101への記録(つまり楽曲等のダウンロード)は非常に短時間に完了できる。例えば演奏時間4分の楽曲であれば1分程度でダウンロードが完了できる。
全体動作を制御するシステムコントローラ111に対する操作指示の入力部位としては、操作部119、赤外線インターフェース127が設けられる。
操作部119は各種操作キーやダイヤルとしての操作子が設けられる。操作子としては例えば、再生、録音、一時停止、停止、FF(早送り)、REW(早戻し)、AMS(頭出しサーチ)などの記録再生動作にかかる操作子や、通常再生、プログラム再生、シャッフル再生などのプレイモードにかかるモード操作子、さらには表示部129における表示状態を切り換える表示モード操作のための操作子、トラック(プログラム)分割、トラック連結、トラック消去、トラックネーム入力、ディスクネーム入力などの編集操作のための操作子など設けられている。
これらの操作キーやダイヤルによる操作情報はシステムコントローラ11に供給され、システムコントローラ11は操作情報に応じた動作制御を実行することになる。
また赤外線インターフェース127は、例えば専用の赤外線リモートコマンダーから出力された赤外線コマンド信号を受信/デコードし、システムコントローラ111に供給する。リモートコマンダーに操作部119と同様の操作キー等が設けられていることで、ユーザーはリモートコマンダーを使用して所要の操作を行うことができる。
また、上記のようにIRD12が赤外線インターフェース66から、当該MDレコーダに対応するコマンド信号形態で赤外線コマンド信号を出力することで、IRD12がMDレコーダに対して、各種指示(例えば録音開始/停止、再生など)を行うことができる。
さらに、コントロールラインインターフェース126が設けられる場合、IRD12のコントロールラインインターフェース67と接続されることで、システムコントローラ111はCPU80との間で各種データ通信を行うことができる。これによってIRD12がMDレコーダに対して、各種指示(例えば録音開始/停止、再生など)を行うことができる。
なお、上述したようにIEEE1394インターフェース接続される場合は、IEEE1394上でATRACデータだけでなく各種制御コマンドも送受信できる。従って、コントロールラインインターフェース126や赤外線インターフェース127を介してIRD12がMDレコーダを制御するのは、例えばMDレコーダがIEEE1394に対応していない機種の場合に好適なものとなる。
表示部129の表示動作はシステムコントローラ111によって制御される。
即ちシステムコントローラ111は表示動作を実行させる際に表示すべきデータを表示部129内の表示ドライバに送信する。表示ドライバは供給されたデータに基づいて液晶パネルなどによるディスプレイの表示動作を駆動し、所要の数字、文字、記号などの表示を実行させる。例えば記録/再生しているディスクの動作モード状態、トラックナンバ、記録時間/再生時間、編集動作状態等が示される。またディスク101には主データたるトラック(ATRACデータとしての楽曲)に付随して管理される文字情報(トラックネーム等)が記録できるが、その文字情報の入力の際の入力文字の表示や、ディスクから読み出した文字情報の表示などが実行される。
また後述するAUXファイルとしてのテキストデータやイメージデータをディスク101から読み出した場合は、その表示出力を表示部129において実行することができる。
ところで、ディスク101に対して記録/再生動作を行なう際には、ディスク101に記録されている管理情報、即ちP−TOC(プリマスタードTOC)、U−TOC(ユーザーTOC)を読み出す必要がある。システムコントローラ111はこれらの管理情報に応じてディスク101上の記録すべきエリアのアドレスや、再生すべきエリアのアドレスを判別することとなる。この管理情報はRAM113に保持される。
そして、システムコントローラ111はこれらの管理情報を、ディスク101が装填された際に管理情報の記録されたディスクの最内周側の再生動作を実行させることによって読み出し、RAM113に記憶しておき、以後そのディスク101に対する記録/再生/編集動作の際に参照できるようにしている。
また、U−TOCはデータの記録や各種編集処理に応じて書き換えられるものであるが、システムコントローラ111は記録/編集動作のたびに、U−TOC更新処理をRAM113に記憶されたU−TOC情報に対して行ない、その書換動作に応じて所定のタイミングでディスク101のU−TOCエリアについても書き換えるようにしている。
またディスク101にはATRACデータとしてのトラックとは別にAUXデータファイルを記録することができる。そのAUXデータファイルの管理のためにディスク101上にはAUX−TOCが形成される。
システムコントローラ111はU−TOCの読出の際にAUX−TOCの読出も行い、RAM113に格納して必要時にAUXデータ管理状態を参照できるようにしている。
詳しくは後述するが、IRD12から供給されるATRACデータをディスク101にダウンロードする際には、ATRACデータに続いて必要なU−TOCデータやその他のテキストデータ、イメージデータなど、ATRACデータとしての楽曲に付随する情報(付加情報ともいう)も提供される。一連のダウンロード動作としては、ATRACデータだけでなく、それらの管理/付加情報もU−TOCデータや、AUXデータファイルとしてディスク101に記録されるものである。
1−8.MDのエリア構成
ここで、MD(ディスク101)での記録データの構造及びエリア構成を説明しておく。
ミニディスクシステムでの記録トラックとしては図18のようにクラスタCLが連続して形成されており、1クラスタが記録時の最小単位とされる。1クラスタは2〜3周回トラック分に相当する。
そして1つのクラスタCLは、セクターSFC〜SFFとされる4セクターのリンキング領域と、セクターS00〜S1Fとして示す32セクターのメインデータ領域から形成されている。1セクタは2352バイトで形成されるデータ単位である。
4セクターのサブデータ領域のうち、セクターSFFはサブデータセクタとされ、サブデータとしての情報記録に使用できるが、セクターSFC〜SFEの3セクターはデータ記録には用いられない。
一方、TOCデータ、オーディオデータ、AUXデータ等の記録は32セクター分のメインデータ領域に行なわれる。
なお、アドレスは1セクター毎に記録される。
また、セクターはさらにサウンドグループという単位に細分化され、2セクターが11サウンドグループに分けられている。
つまり図示するように、セクターS00などの偶数セクターと、セクターS01などの奇数セクターの連続する2つのセクターに、サウンドグループSG00〜SG0Aが含まれる状態となっている。1つのサウンドグループは424バイトで形成されており、11.61msec の時間に相当する音声データ量となる。
1つのサウンドグループSG内にはデータがLチャンネルとRチャンネルに分けられて記録される。例えばサウンドグループSG00はLチャンネルデータL0とRチャンネルデータR0で構成され、またサウンドグループSG01はLチャンネルデータL1とRチャンネルデータR1で構成される。
なお、Lチャンネル又はRチャンネルのデータ領域となる212バイトをサウンドフレームとよんでいる。
ディスク101のエリア構造を図19に示す。
図19(a)はディスク最内周側から最外周側までのエリアを示している。
光磁気ディスクとしてのディスク90は、最内周側はエンボスピットにより再生専用のデータが形成されるピット領域とされており、ここにP−TOCが記録されている。
ピット領域より外周は、光磁気領域とされ、記録トラックの案内溝としてのグルーブが形成された記録再生可能領域となっている。
この光磁気領域の最内周側のクラスタ0〜クラスタ49までの区間が管理エリアとされ、実際の楽曲等のプログラムが記録されるのは、クラスタ50〜クラスタ2251までのプログラムエリアとなる。プログラムエリアより外周はリードアウトエリアとされている。
管理エリア内を詳しく示したものが図19(b)である。図19(b)は横方向にセクター(リンキングセクターは省略)、縦方向にクラスタを示している。
管理エリアにおいてクラスタ0,1はピット領域との緩衝エリアとされている。クラスタ2はパワーキャリブレーションエリアPCAとされ、レーザー光の出力パワー調整等のために用いられる。
クラスタ3,4,5はU−TOCが記録される。U−TOCとしては、1つのクラスタ内の各セクターにおいてデータフォーマットが規定され、それぞれ所定の管理情報が記録されるが、このようなU−TOCデータとなるセクターを有するクラスタが、クラスタ3,4,5に3回繰り返し記録される。
1クラスタにはメインセクター領域として32セクター存在するため、U−TOCセクターとしては最高32種類(U−TOCセクター0〜セクター31)の管理情報記録が設定できる。
実際上、主に用いられているU−TOCセクターは、セクター0,1,2,4であり、U−TOCセクター0においては、記録されたトラックの記録位置アドレス、トラックモードなどが管理される。
またU−TOCセクター1,セクター4は、記録されたトラックに対応するトラックネームとなる文字情報の記録に用いられ、さらにU−TOCセクター2は記録されたトラックの録音日時を記録するエリアとされている。
クラスタ6,7,8はAUX−TOCが記録される。AUX−TOCとしてのデータにより、AUXデータファイルの管理が行われる。即ち、テキスト、イメージ等のデータファイルに対するアロケーションテーブルなどのファイル管理情報が記録される。
詳述は避けるが、1つのクラスタ内の各セクターにおいてデータフォーマットが規定され、それぞれ所定のファイル管理情報が記録される。このようなAUX−TOCデータとなるセクターを有するクラスタが、クラスタ6,7,8に3回繰り返して記録される。
クラスタ9からクラスタ46までの領域は、AUXデータが記録される領域となる。AUXデータとしてのデータファイルはセクター単位で形成され、後述する静止画ファイルとしてのピクチャーファイルセクタ、文字情報ファイルとしてのテキストファイルセクター、プログラムに同期した文字情報ファイルとしてのカラオケテキストファイルセクター等が形成される。
そしてこのAUXデータとしてのデータファイルや、AUXデータエリア内でAUXデータファイルを記録可能な領域などは、AUX−TOCによって管理されることになる。
なおAUXデータエリアでのデータファイルの記録容量は、エラー訂正方式モード2として考えた場合に2.8Mバイトとなる。
また、例えばプログラムエリアの後半部分やプログラムエリアより外周側の領域(例えばリードアウト部分)に、第2のAUXデータエリアを形成して、データファイルの記録容量を拡大することも考えられる。
クラスタ47,48,49は、プログラムエリアとの緩衝エリアとされる。
クラスタ50(=32h)以降のプログラムエリアには、1又は複数の楽曲等の音声データがATRAC形式で記録される。
記録される各プログラムや記録可能な領域は、U−TOCによって管理される。
なお、プログラム領域における各クラスタにおいて、セクターFFhは、前述したようにサブデータとしての何らかの情報の記録に用いることができる。
2.ダウンロード
2−1.機器接続構成
以上、衛星通信による放送の送信、受信、及びダウンロードを実行するためのシステムについて説明してきたが、以下、IRD12に接続されたストレージデバイス13に対するダウンロード動作について説明していく。
例えば家庭等で構築される受信設備としては図2で簡単に述べたが、実際にはIRD12に対して複数のストレージデバイス13が接続される場合が考えられる。
複数のストレージデバイス13が接続される構成例を図20に示す。
この図20では、IRD12に対して5つのIEEE1394対応機器が接続されている例を示している。即ちMDレコーダ13A、13B、13E、VCR13C、DVDプレーヤ13Dである。
これらの機器は。IRD12との間で、IEEE1394方式で、各種の制御データやコマンドの通信が可能とされる。
なお、ここではMDレコーダ13A、13Bについては、IEEE1394バス16により送信されてきたATRACデータの記録にも対応できるものとする。一方、MDレコーダ13Eについては、IEEE1394インターフェースにより送信されてきたATRACデータをそのまま記録できる機能は備えていないものとする。即ちこの場合は、例えばIEEE1394バス16、もしくは光デジタルラインなどでデジタルオーディオデータを入力し、MDレコーダ13E内部でATRAC処理を行って記録を行うものとする。
また、IEEE1394に対応していない機器として、MDレコーダ13F、13Gを示している。
これらは例えば光デジタルラインやアナログラインによりIRD12と接続されることで、IRE12からオーディオデータを入力することができる。また、赤外線インターフェースやコントロールライン接続されることで、IRD12による動作制御を受けることも可能となる。
なお、後述するダウンロード動作は、MDレコーダ13A又は13Bをストレージ機器として用いる例で説明する。即ちIRD12はIEEE1394バス16によりATRACデータや各種コマンドをMDレコーダ13A又は13Bに供給し、4倍速ATRACデータによる高速ダウンロードを実行させるものとする。
但し、高速ではないリアルタイムのダウンロードを行うことを考えれば、後述するダウンロード動作時の処理と同様のダウンロード処理は、他の機器(13C〜13G)を用いる場合でも可能となる。
2−2.機器接続に関する処理
まずIRD12にストレージデバイス13としての機器が接続された際のIRD12の処理を説明していく。
或るストレージデバイスが接続される毎に、IRD12のCPU80は、図24のような接続機器IDテーブルにおいて、その接続機器に関するデータを追加生成していくことになる。なお、この接続機器IDテーブル(以下、IDテーブルという)は不揮発性メモリ68に保持される。
また接続された機器とIRD12との間の通信には、IEEE1394で規定されるコマンドが用いられる。
接続の際のCPU80の処理を図21に示す。
IRD12からIEEE1394バス16により或るストレージデバイス13が接続された際には、CPU80の処理は図21のステップF101からF102に進み、IDテーブルへのデータ追加のための処理を開始する。
まずステップF102では、接続された機器に対してその機器に与えられているIDを報せるべくリクエストを行う。ここでいうIDとは、いわゆるノードユニークIDといわれているもので、機器個体に固有のナンバ(又は文字)として与えられているIDコードである。
接続された機器では、IDのリクエストに応じて、その機器固有のIDコードをIRD12に送信する。
CPU80はIDコードの受信をステップF103で待機しており、IDコードが受信されたらステップF104に進む。
まずここで受信され取り込まれたIDコードと同一のIDコードが図24のようなIDテーブル上に存在するか否かを検索する。
新規に或る機器をIRD12に接続する場合は、IDテーブルに同一のIDコードが登録されていることはない。従って新規接続の場合はステップF105からF106に進み、その接続された機器についてCPU80がナンバリングを行う。
例えば接続される機器毎に「1」から順にナンバリングを行うとすると、それまで3台の機器が接続されている時点に新たに機器が接続されたら、その機器のナンバは「4」となる。
続いてステップF107で、接続された機器に対して、機器タイプ、詳細タイプ、ATRAC入力対応機器であるか否かなど必要な情報を知らせるように順次要求する。
接続された機器では、それらの情報のリクエストに応じて、その機器タイプ、詳細タイプ、ATRAC入力可否などの情報を送信してくる。
なお、機器タイプとは、「VCR機器」と「ディスク機器」を区別するタイプ情報である。例えばアナログVCR、DV機器、DV−HS機器などがVCR機器に相当する。一方MDレコーダ、CDプレーヤ、DVDレコーダ、ハードディスクドライブなどがディスク機器に相当する。
また詳細タイプとは、実際の機器種別の情報となる。例えば「MDレコーダ」「アナログVCR」「DVDプレーヤ」などの情報である。
ステップF108で、これらリクエストした必要な情報が受信されたら、CPU80はステップF109に進み、その接続された機器に対するニックネームを自動設定する。
後述するが本例では接続機器に対してユーザーが任意のニックネームを設定することができるが、接続時にはまずCPU80がデフォルトニックネームを自動設定することになる。例えばMDレコーダの場合は「MD−1」など仮の名称を付与する。
続いてステップF110では、IDテーブルに、接続機器の情報を追加記憶する。
1つの機器に対応するIDテーブル上の情報としては、ステップF106でナンバリングされた接続機器ナンバ、ステップF103で受信されたID、ステップF108で受信された機器タイプ、詳細タイプ、ATRAC入力可否、ステップF109で設定されたデフォルトニックネームとなる。
そしてこれらの情報が図24のようにIDテーブルに書き込まれる。
例えば図20のうちでMDレコーダ13A、13Bのみが接続されている時点で、新規接続機器としてVCR13Cが接続されたとすると、図21の処理により、図24の3行目として示すデータ、即ち機器ナンバ「3」、VCR13CのID「id3」、機器タイプ「VCR」、詳細タイプ「アナログVCR」、デフォルトニックネーム「VCR−1」、ATRAC入力「不可」という各データが記憶される。また、このとき接続状況データが「オン」とされる。
なおこの図24は、図20のように5つの機器がIEEE1394バス16に接続されており、さらにMDレコーダ13A、13B、13Eには既にユーザーがニックネーム登録した後の状態としての例を示している。
このニックネーム登録は、ユーザーが任意に行うものであり、その場合ユーザーはIRD12に対して例えばリモートコマンダー64により、ニックネーム入力モードとしての操作を行う。
いま仮に、5つの機器が接続され、IDテーブルでは全機器がデフォルトニックネームで登録されていたとする。例えば図20の各機器13A〜13Eのニックネームが、「MD−1」「MD−2」「VCR−1」「DVD−1」「MD−3」としてIDテーブルに登録されていたとする。
後述するが、ダウンロードを行う時には、ユーザーは予めダウンロードを行う機器を選択する必要がある。この機器選択にはIRD12がモニタ装置14に各接続機器のニックネームを表示してユーザーに選択を促すようにしている。
ここで3台のMDレコーダにつきデフォルトニックネームがIDテーブルに登録されていると、それぞれ「MD−1」「MD−2」「MD−3」と表示される。この場合、単なる機種名で表示されるよりもユーザーとしては各表示名がどのMDレコーダに対応しているか区別がつきやすい。ところが、ユーザーがそのデフォルトニックネームを気に入らなかったり、もしくはより明確に区別できるようにしたいというようなこともある。
そこで、ユーザーが例えば3台のMDレコーダ13A、13B、13Eをより区別しやすくするために、各々任意のニックネームをつけるようにし、その場合は、ニックネーム入力モードとする操作を行う。また、過去に登録したニックネームを変更したい場合も同様である。
ニックネーム入力モードとしての操作が行われると、CPU80の処理は図23のステップF151からF152に進み、まずユーザーにニックネーム登録を行う機器の選択要求を行う。例えばモニタ装置14に、その時点での各機器のニックネーム(デフォルトニックネーム又は過去に登録されたニックネーム)や、必要なき機器種別などを提示して、ユーザーに特定の機器を選択させる。
選択操作が行われたらステップF153からF154に進み、モニタ装置14に、ニックネームの入力要求を行う。
ユーザーはそれに応じてニックネームとなる文字や数字を入力する。そして入力が確定されたら、ステップF155からF156に進み、IDテーブルを更新する。即ち選択された機器についてのニックネームデータを、今回入力された文字又は数字に書き換える。例えば図24のように機器ナンバ「1」のMDレコーダ13Aに対して、「Jimmy」というニックネームが登録される。なお、ユーザーによる文字等の入力は、GUI画面とリモートコマンダー64の操作により実行されるようにすればよい。
このような処理により、図24に示すように、各機器に対して任意にニックネームを付加することができる。そしてCPU80は、何らかの事情でユーザーに対して機器の選択を求める場合には、このIDテーブルに登録されたニックネームを表示させて選択させることで、ユーザーにとって機器選択操作をわかりやすいものとすることができる。
ところで、図24のIDテーブルにおける接続状況とは、現在その機器が実際に接続されているか否かを示すデータとなる。
従って一旦接続された機器が、その後接続を外された場合には、接続状況データが更新される。
即ち図22に示すように、或る機器がIEEE1394バス16から外された際には、処理をステップF121からF122に進め、その機器に対応するIDテーブル上のデータを更新する。具体的には接続状況データを「オフ」に書き換える。
このようにすることで、一旦接続された機器の情報はその後保持できるとともに、実際の接続状況をIRD12側から容易に把握できる。
ここで、一旦接続が解かれた機器が、後に再度接続された場合を考える。
機器接続が発生すると、上記図21の処理が行われるわけであるが、その場合はステップF104でIDテーブルを検索すると、受信IDと同一のIDが発見されることになる。その場合は、その接続機器に関してIDテーブルに必要な情報は、前回(もしくはそれ以前)の接続時に取り込んでIDテーブルに書込済であることになるため、処理をステップF111に進め、接続状況データを再び「オン」に書き換えるのみでよいことになる。
即ち一旦接続された後、取り外された機器が再度接続された場合には、その機器の機器タイプなどの情報は既に記憶済であるので再度取り込む必要はなく、接続時の処理は簡略化される。
また、ユーザーが過去に、その機器についてニックネーム登録をしていた場合には、その登録されたニックネームも有効データとして扱うことができる(つまり再度の登録操作を必要としない)。
特にこのように接続解除の際もIDテーブルのデータ自体は残しておくことで、何度も接続、接続解除が繰り返されるような機器(例えばユーザーが携帯用MDレコーダを用いる場合など)が存在する場合は、非常に有効となる。
以上のようにストレージ機器13が接続された際(及び接続解除の際)の処理が行われることで、IRE12側では、接続されたストレージ機器13の機種や状況を的確に判別でき、ダウンロード動作時に適切な処理を行うことができる。
また接続機器に関してユーザーがニックネーム登録を実行できることで、機器選択などの際の操作がわかりやすくなり、またユーザーフレンドリーな楽しみを与えることにもなる。
なお以上の処理はIEEE1394バス16に接続される機器について述べたが、図20のように他のコントロールラインを介してMDレコーダ13Gが接続された際などにも適用することができる。
2−3.ダウンロード動作概要
例えば以上のようにIRD12に対して各種ストレージデバイス13が接続されるわけであるが、以下、IRD12が実際にあるストレージデバイス13に対してダウンロードを実行させる場合の一連の動作概要を図25、図26で説明する。なお各手順における詳細な処理については後述する。
またここでダウンロードを実行するストレージデバイス13としてはIEEE1394対応でかつATRAC入力対応のMDレコーダ13A又は13Bとする。
ダウンロードの際にIRD12で実行される手順を、図25、図26において手順S10〜S16で示し、またダウンロードの際にストレージデバイス13(MDレコーダ13A)で実行される手順を、手順S21〜S22で示す。
以下、各手順の概略的な内容を説明していく。
[S10]
ユーザーがある楽曲のダウンロードを求める場合は、IRD12に対して設定操作を行うことになる。手順S10のダウンロード設定処理は、ユーザーの要求するダウンロード動作を設定する処理となり、大まかにいえば、ダウンロードを実行させる機器(ストレージデバイス)の選択、及びダウンロードするコンテンツ(楽曲)の選択を行う。
[S11、S21]
IRD12が実行する手順S11は、ダウンロード実行のためのチェック/指示処理であり、これは手順S10で設定されたダウンロード動作を、選択されたストレージデバイス13側で実行可能な状態にさせる指示、及び実行可能な状態か否かをチェックする処理となる。
このチェック/指示のためにIRD12はストレージデバイス13にコマンドを送り、所定の動作を実行させ、もしくは所要の応答を受ける。
このときストレージデバイス13側で実行される手順S21はチェック/指示に対する設定、応答処理であり、つまりIRD12から送られてくるコマンドに応じた設定動作もしくは応答を実行する。
[S12、S22]
IRD12は上記手順S11でダウンロード実行可能を確認したら、手順S12としてダウンロードセットアップ指示を行う。ここではまず、ストレージデバイス13に対して、ダウンロードモードへの移行を要求する。
詳しくは後述するが、ここでダウンロードモードの指示とは、ストレージデバイス13が動作状態が変化した際にIRD12にそれを伝えるべく要求と、実際のセットアップ状態とする指示となる。
このような指示に応じてストレージデバイス13側では手順S22としてダウンロードセットアップ処理を行う。例えばセットアップとして録音待機状態(例えばディスク101に対して録音開始する位置での録音ポーズ)とするとともに、その後状態(ステイタス)変化が発生したときにはIRD12に報告するモードとする。
さらにこのダウンロードモード下では、ストレージデバイス13は自分でATRACデータの開始と終了を判断することになる。
[S13、S23]
IRD12はダウンロードの際には、ATRACデータに関しては、単にダウンロードすべく選択された楽曲としてのATRACデータをIEEE1394インターフェース60で選択させて出力させるのみである。つまり図6に示したような受信データの中から該当するチャンネルの4倍速ATRACデータを出力させる。
これに対して、ATRACデータが入力されるストレージデバイス13側では、ATRACデータの先頭となるTSパケットを検出すると、実際の記録動作(ダウンロード)を開始する。
またダウンロード実行中はそのATRACデータの終端となるTSパケットを監視しており、終端となったら記録を終了する。
このようにストレージデバイス13では手順S23として実際のATRAC記録処理を行う。その開始/終了はTSパケットの監視に基づいて行うものとなる。
一方、このときIRD12側では、記録動作にステイタス変化したことの報告(RECスタート報告)を受けることで、ダウンロードが開始されたことを認識する。
また、停止状態にステイタス変化したことの報告(RECエンド報告)を受けることで、ATRACデータのダウンロードが終了されたことを認識する。
この間、図示していないが、後述するようにダウンロード進捗状況の表示及びそのためのデータ要求などを行うことになる。この間の処理が手順S13(ATRAC記録対応処理)となる。
[S14、S24]
IRD12は、RECエンド報告を受けることで、ATRACデータのダウンロードが終了されたことを認識したら、手順S14の管理/付加情報の記録指示処理を行う。ここでは、ストレージデバイス13側に管理情報や付加情報の記録を指示するとともに、必要なデータを提供する。MDレコーダ13Aの場合は、U−TOCデータ、AUX−TOCデータ、AUXデータの記録指示及び必要なデータを送信することになる。
これに応じてストレージデバイス13では手順S24で、指示に応じた管理情報や付加情報の記録を実行する。
[S15、S25]
管理情報/付加情報の記録が完了したら、一連のダウンロードは終了される。このためIRD12は手順S15としてダウンロードの終了を指示し、一方ストレージデバイス13ではそれを受けてダウンロードモードから抜ける。
[S16、S26]
以上が通常のダウンロードのための処理手順であるが、ダウンロード実行中、即ちストレージデバイス13が手順S23を実行しているときに、ストレージデバイス13が記録しているATRACデータに関するエラーを検出することがある。もちろんストレージデバイス13に何らかの障害が発生し、記録動作が良好に実行できなくなることもあり得る。
このように何らかのエラーが発生した場合は、そのままエラーを見過ごしてダウンロードを続行することは適切ではない。特にユーザーに有償で楽曲をダウンロードさせる(つまり楽曲の販売)ことを考えれば、エラーが発生した場合は何らかの適切な処置が必要になる。
そこで図26に示すように、何らかのエラーが発生した場合は、ストレージデバイス13は手順S23においてエラーが発生した旨をIRD12に報告する。
そして、これを受けてIRD12は手順S16のエラー処理を行う。この処理は、リトライが可能かどうかの判別、可能な場合のリトライへの移行、不能の場合のダウンロード中止という処理となる。
一方、ストレージデバイス13側では手順S26としてリトライ準備処理を行っておく。
そしてリトライが可能な場合は、IRD12及びストレージデバイス13は、それぞれ手順S12、手順S22に戻り、以降、ダウンロードのリトライを実行する。
以上図25、図26のようにダウンロードとしての一連の動作がIRD12とストレージデバイス13の間で所要の通信が行われながら実行されていく。
以下、各手順での詳細な処理例を説明していく。なお、以下説明していく処理における各種通信には、IEEE1394方式のAV/Cコマンドなどが利用されればよい。但し、本例の通信のために新規設定されるコマンドも含まれる。新規設定されるコマンドとは、例えば後述するダウンロードセットアップコマンド、ダウンロードモードへの移行指示のコマンド、ダウンロード終了指示のコマンドなどである。
また、説明する処理はあくまでも一例であり、具体的な処理方式は多様に考えられることはいうまでもない。
2−4.ダウンロード設定処理
手順S10としてのダウンロード設定処理を図27で説明する。
ユーザーがある楽曲のダウンロードを求める場合は、まずIRD12に対して設定操作を行うことになるが、この場合、例えば図4(b)で説明したような画面を表示させた状態で操作を行う。
なお、ダウンロードとしては設定直後にダウンロードを開始する場合と、設定操作として後の時点でのダウンロードを実行させる予約録音操作とがある。いづれの場合も設定処理としては概略同様となる。
設定開始のための何らかの操作をユーザーが行うと、CPU80は図27のステップF201からF202に進み、ダウンロード設定処理を開始する。ここで何らかの操作とは、例えば図4(b)におけるダウンロードボタン28もしくは予約録音ボタン25を押す操作としてもよいし、GUI画面として設定のための専用ボタンを用意し、それを押すようにしてもよい。
まずステップF202では、CPU80はIEEE1394接続機器の中からダウンロード対象となる機器をリストアップする。
本例では、ダウンロード対象機器をMDレコーダに限定するものとする。
ここでのリストアップは図24に示したIDテーブルを利用する。即ちIDテーブルからダウンロード対象機器となり得る機器をリストアップする。リストアップ条件は各種考えられるが、例えば本例のようにダウンロード対象機器をMDレコーダに限定する場合は「MDレコーダ」という条件とする。すると例えば、図20のMDレコーダ13A(Jimmy)、MDレコーダ13B(Eric)、MDレコーダ13E(Jeff)がリストアップされる。
続いてステップF203では、もしIEEE1394バス以外のコントロールラインで接続された機器が存在する場合は、その中で同様にダウンロード対象機器となり得る機器をリストアップする。この場合、コントロールライン接続機器についても、接続時に図24のようなIDテーブルが作成されていれば、それを利用する。IDテーブルが作成されていないものである場合は、接続機器に対して機器種別(詳細タイプ)を尋ねて、該当機器をリストアップする。例えば図20におけるMDレコーダ13Gがリストアップされる。
続くステップF204では、IRD12が赤外線コマンドにより制御可能な機器出会って、ダウンロード対象機器となり得る機器をリストアップする。この場合はCPU80は接続機器を判別できないため、例えばユーザーに入力を求めることとなる。もしくはあらかじめユーザーに赤外線制御可能機器の登録を要求するものとし、その登録データにより判別する。
少なくともステップF202のリストアップが行われ、また必要に応じてステップF203,F204のリストアップが行われることで、ダウンロード対象機器としての例えば全MDレコーダがリストアップされる。そこでステップF205で、リストアップされた機器(MDレコーダ)をモニタ装置14に表示し、どの機器にダウンロードを実行させるかをユーザーに選択させる。例えば図28のように機器リスト21Eを表示して選択を促す。
ここで、機器の表示では、上述したニックネームを用いるようにすることで、ユーザーにとって非常に選択操作がわかりやすいものとなる。もちろんニックネームだけでなく、実際の機種名、型番などを同時に表示させてもよい。
なお、ステップF205までのリストアップ処理及び機器リスト21Eの表示態様は、多様な例が考えられる。
まずリストアップについては、MDレコーダであることを前提とすると、実際にその時点で接続されているMDレコーダのみとしてもよい。即ち図24のIDテーブルから、詳細タイプが「MD」であって接続状況が「オン」の機器を抽出する。
さらに、ATRAC入力対応機器のみというような条件を付けてもよい。
またIEEE1394接続機器に限定してステップF203、F204は実行しなくてもよい。
また、リストアップ条件にもよるが、機器リスト21Eの表示例としては、図29のように接続中の機器と非接続の機器を分けて表示してもよい。例えばこの図の場合は、MDレコーダ13E(Jeff)、MDレコーダ13F(MD−4)、MDレコーダ13G(MD−5)が、その時点では接続されていなかった場合である。
図30は、リストアップ条件としてはATRAC入力対応を問わないが、表示する際にはATRAC入力対応であるか否かによる動作の違いをユーザーに認識させるようにしている例である。
即ちATRAC入力対応の場合は、IEEE1394インターフェースを介して4倍速ATRACデータが入力されるため、ダウンロードの所要時間は通常のリアルタイム録音より短時間となる。従ってユーザーにとっては、ATRAC入力対応であるか否かはダウンロード時間の長短という影響があらわれるため、図示するようにATRAC入力対応機器の場合は例えば高速でダウンロードが完了できることを示す表示を行う。
図31は、機器リスト21Eの表示としては、接続された全機器が一応表示されるようにした例である。ただし選択可能なのはリストアップされたMDレコーダのみとするため、VCR−1、DVD−1など他の機種の表示については、選択不能な非アクティブ状態で表示するようにしている。
もちろんさらに多様なリストアップ方式や表示態様が考えられるが、いずれにしてもユーザーの機器選択操作に好適な方式が採用されればよい。
以上のような機器リスト21Eの表示に対して、ユーザーはダウンロードさせたい機器にカーソルを合わせて決定操作を行う。
するとCPU80の処理はステップF206からF207に進み、選択された機器をダウンロード実行機器として決定する。
続いて、ステップF208で、ダウンロードするコンテンツをリスト表示し、ユーザーに選択を要求する。例えば図4(b)のようにその時点でダウンロード可能な曲目を表示する。
またユーザーが予約録音としての設定を行っているのであれば、それ以降の時点でダウンロード可能な曲目を、ユーザーの操作に応じて表示していく。
なお、図4の説明において述べたように、ユーザーは或る曲目を選択して試聴した後に、それをダウンロードするべく操作を行うことがある。その場合は既にダウンロードするコンテンツが決定されているため、ステップF208、F209の処理は不要となる。
ユーザーがコンテンツを選択する操作を行ったら、処理はステップF209からF210に進み、選択されたコンテンツをダウンロードするコンテンツとして決定する。
そしてユーザーが実行操作(例えばダウンロードボタン28もしくは予約録音ボタン25を押す操作)が行われたら、ステップF211から手順S11に進むことになる。
以上の図27の処理で、手順S10としての設定処理、即ちダウンロードする機器とダウンロードするコンテンツの設定が完了されたことになる。なお以下、ダウンロードする機器としてMDレコーダ13Aが選択されたとして説明を続ける。
2−5.ダウンロード実行前のチェック処理
IRD12の手順S11としてのダウンロード実行のためのチェック/指示処理の例を図32〜図35に示す。
ここでIRD12は、手順S10で選択されたMDレコーダ13Aが、ダウンロード動作可能な状態であるかのチェックを行うことになる。
まず図32のステップF301では選択された機器、即ちMDレコーダ13Aが電源オフの状態であるか否かを判別する。
そして電源オフであったのならステップF302に進んで、電源をオンとする指示としてのコマンドをMDレコーダ13Aに送信する。これに応じてMDレコーダ13Aのシステムコントローラ111は、パワーオン制御を行う。
電源オンであった場合は、ステップF301からF303に進む。
続いてステップF303では、MDレコーダ13A(システムコントローラ111)に対して入力切換を指示するコマンドを発行する。MDレコーダ13Aには、図17からわかるように複数のオーディオ入力系を備えている。そこで、ATRACデータのダウンロードのために、MDレコーダ13Aに対して、IEEE1394インターフェース125を介して入力されるATRACデータについての入力処理を行うべく、入力系統の指示を行うものである。
続いてステップF304以降は、ダウンロード記録を行うメディア自体(ディスク101)のチェックを行うことになる。
まずステップF304では、MDレコーダ125に対してディスク101が装填されているか否かを尋ねるコマンドを発行する。
これに対してシステムコントローラ111は、ディスク装填状況をチェックし、ディスク101の有無の情報を送信してくるが、CPU80はその情報の受信があったら、ステップF305からF306に進み、応答内容を判別する。そして応答内容が「ディスク装填」であればステップF306に進むが、「ディスク未装填」であったのなら、1で示すように図33のステップF321に進んで、表示処理部58によりユーザーへのメッセージ及び必要な動作要求をモニタ装置14に実行させる。
例えばモニタ装置14に「MDレコーダ「Jimmy」にディスクが装填されていません。ディスクを入れてください」などというようなメッセージを表示させる。そしてステップF322で変数n=1にセットして、ステップF323〜F327のループに移る。
ここでは、ステップF323でMDレコーダ125に対してディスク101が装填されているか否かを尋ねるコマンドを発行し、ステップF324で受信待機、ステップF325で受信内容の判別を行っていく。
そしてこのような処理をステップF327で変数nをインクリメントしながら、ステップF326で変数nが或る設定値M1を越えたと判断されるまで繰り返し実行する。
即ち、ユーザーはステップF321で表示されるメッセージを読んだら、ディスク101をMDレコーダ13Aに装填することになるが、装填された後の時点では、ステップF324で受信されるシステムコントローラ111からの応答は「ディスク装填」の情報となる。その場合はディスク101の装填が確認されたことになり、ステップF325から2で示すように次のチェック処理である図32のステップF307に進む。
ところが、その場にユーザーがいなかったり、もしくはディスク101を装填しなかったなど、何の対応もとらなかった場合は、或る時点で図33のステップF326で肯定結果が出る。CPU80はこれをタイムオーバとし、ステップF328でダウンロード禁止処理を行う。つまり上記手順10で設定されたダウンロード動作の実行の保留又はキャンセルを行う。
そしてステップF329で、ユーザー宛てのメッセージをモニタ装置14に表示させ、ディスク未装填によりダウンロード動作が禁止されたことを伝えるようにする。
一方、ディスク装填状態であって図32のステップF307に進むと、CPU80は装填されているディスク101がライトプロテクト状態でないか否かのチェックを行う。即ちミニディスクカートリッジ上のライトプロテクト用のスライドレバーがプロテクト位置とされていないかどうかのチェックである。
このためステップF307では、MDレコーダ125に対してディスク101のプロテクト状況を尋ねるコマンドを発行する。
これに対してシステムコントローラ111は、ディスク101のプロテクト状況をチェックし、プロテクト状況の情報を送信してくるが、CPU80はその情報の受信があったら、ステップF308からF309に進み、応答内容が「非プロテクト(記録可能)」であればチェックOKとしてステップF310に進む。ところが、応答内容が「プロテクト」であったのなら、3で示すように図34のステップF341に進んで、表示処理部58によりユーザーへのメッセージ及び必要な動作要求をモニタ装置14に実行させる。
例えばモニタ装置14に「ディスクがライトプロテクトされています。プロテクトを解除してください」などというようなメッセージを表示させる。
そしてステップF342で変数n=1にセットして、ステップF343〜F347のループに移る。
ライトプロテクトを解除するには、ユーザーは一旦ディスク101を取り出してカートリッジ上のスライドレバーを移動させ、再度装填するか、もしくは他のディスク101を装填することになる。即ちいづれにしてもまずユーザーは現在装填されているディスク101をイジェクトする必要がある。
そこで、ユーザーが対応処理を行うか否かの確認のために、ステップF343でMDレコーダ125に対してディスク101が装填されているか否かを尋ねるコマンドを発行し、ステップF344で受信待機、ステップF345で受信内容の判別を行っていく。
この処理をステップF347で変数nをインクリメントしながら、ステップF346で変数nが或る設定値M2を越えたと判断されるまで繰り返し実行する。
ユーザーはステップF341で表示されるメッセージを読んだら、まずディスク101をMDレコーダ13Aから取り出すため、その時点でステップF345でディスクが排出されたことが検出される。
このときは、ディスク101が装填されていない状態になるため、上記の図33のステップF321に進むことになる。
そしてディスク装填が確認されたら、再度図32のステップF307に進んで、ライトプロテクト状態のチェックを行う。
なお、図34の処理中にユーザーが何の対応もとらなかった場合(ディスクがイジェクトされなかった場合)は、或る時点でステップF346で肯定結果が出る。CPU80はこれをタイムオーバとし、ステップF348でダウンロード禁止処理を行う。つまり上記手順10で設定されたダウンロード動作の実行の保留又はキャンセルを行う。
そしてステップF349で、ユーザー宛てのメッセージをモニタ装置14に表示させ、ディスクがライトプロテクトされているためダウンロード動作が禁止されたことを伝えるようにする。
なお、ユーザーが一旦ディスクを取り出したが、その後、或る時間を経過しても再度ディスクを装填しなかった場合は、上記図33のステップF328,F329に進み、ダウンロードが中止されることになる。
ディスク101のライトプロテクトのチェックがOKとなると、続いて図32のステップF310から、ディスク101の記録容量のチェックが行われる。
これは、ダウンロードするコンテンツに対して十分な記録容量がディスク101に残されているか否かのチェックとなる。
このためステップF310では、MDレコーダ125に対してディスク101の残容量を尋ねるコマンドを発行する。
これに対してシステムコントローラ111は、ディスク101のU−TOCデータから記録可能な残り容量をチェックし、その情報を送信してくるが、CPU80はその情報の受信があったら、ステップF311からF312に進む。そして、上記手順S10で選択されたコンテンツに必要な容量と、受信された残り容量を比較し、コンテンツのダウンロードのために十分な容量が残っているか否かを判断する。
そして残っていればチェックOKとして、手順S11としての一連のチェック処理を終える。
ところが、十分な容量が残っていないと判断されたのであれば、4で示すように図35のステップF361に進んで、表示処理部58によりユーザーへのメッセージ及び必要な動作要求をモニタ装置14に実行させる。
例えばモニタ装置14に「ディスクに十分な容量がありません。ディスクを入れ換えるか、不要なトラックを消去してください」というようなメッセージを表示させる。
そしてステップF362で変数n=1にセットして、ステップF363〜F370のループに移る。
この場合のユーザーの対応としては、ディスクを入れ換えるか、もしくはMDレコーダ13A側の操作での編集処理により、不要なトラックを消去することになる。
そこで、まずユーザーがディスク入れ換えを行う可能性を考えて、ステップF363でMDレコーダ125に対してディスク101が装填されているか否かを尋ねるコマンドを発行し、ステップF364で受信待機、ステップF365で受信内容の判別を行っていく。
もしユーザーがディスク101を入れ換える場合は、まずディスク101をMDレコーダ13Aから取り出すため、その時点でステップF365でディスクが排出されたことが検出される。
このときは、ディスク101が装填されていない状態になるため、上記の図33のステップF321に進むことになる。
そしてディスク装填が確認されたら、再度図32のステップF307に進んで、ライトプロテクト状態のチェックからチェックをやり直す。
一方、ユーザーがトラック消去を行う場合も考えられるため、ステップF366でMDレコーダ125に対してディスク101の記録可能容量を尋ねるコマンドを発行し、ステップF367で受信待機、ステップF368で上記ステップF312と同様の判別(ダウンロードするコンテンツに十分な容量が確保されたか否かの判別)を行っていく。
ユーザーがMDレコーダ13Aで編集操作を行ってトラックを消去していくことで、或る時点でステップF368で十分な容量が確保されてたことが判別される。その場合は容量チェックOKとなり、5として示すように図32に戻り、手順S11としての一連のチェック処理を終えることになる。
この図35のステップF363〜F370の処理は、ステップF370で変数nをインクリメントしながら、ステップF369で変数nが或る設定値M3を越えたと判断されるまで繰り返し実行する。
従ってユーザーが何の対応もとらなかった場合(ディスク入換もしくはトラック消去を行わなかった場合)は、或る時点でステップF369で肯定結果が出る。CPU80はこれをタイムオーバとし、ステップF371でダウンロード禁止処理を行う。つまり上記手順10で設定されたダウンロード動作の実行の保留又はキャンセルを行う。
そしてステップF372で、ユーザー宛てのメッセージをモニタ装置14に表示させ、ディスクが容量不足のためダウンロード動作が禁止されたことを伝えるようにする。
なお、ユーザーが交換のために一旦ディスクを取り出したが、その後、或る時間を経過しても再度ディスクを装填しなかった場合は、上記図33のステップF328,F329に進み、ダウンロードが中止されることになる。
以上の図32〜図35の処理により、ダウンロードの実行にあたって、確実にダウンロードが実行できるか否かのチェックが行われる。従ってユーザーのディスクの入れ忘れや、ライトプロテクトの状況、残り容量などが原因となってダウンロードに失敗するという事態は防止される。
また、例えばユーザーがその場にいない場合などであって、対応処置がとれない場合にはダウンロードが実行されないことになる。
特にこれらのチェックは、ダウンロード開始前に絶対にダウンロードが失敗する状況をチェックするという意味になり、失敗となるダウンロードが開始されることを防止するものであるため、ユーザーが対応できない際のダウンロード中止は非常に適切な処理となる。また特にダウンロードに対しては課金が発生するものであるため、失敗がわかっているダウンロードを防止することは非常に重要となる。
ところで、各チェックによりOKとならなかった場合の対応処理としては、ユーザーに所要の処置を求めることとしたが、さらに必要な制御を自動的に行うことも考えられる。
例えば、MDレコーダ13Aがディスクチェンジャーシステムを装備しているような場合は、ディスクの装填や交換をIRD12が指示して自動的に実行させるようにしてもよい。
また、ディスク101の記録可能容量が十分でない場合は、IRD12が自動的にトラック消去をMDレコーダ13A側に指示し、消去を実行させるようにしてもよい。但しこの場合は、モニタ装置14上にメッセージを出し、ユーザーに消去を行ってもよいか否かを尋ねるようにすることが適切である。
また、チェック内容としては、上記の例以外に、例えばMDレコーダ13Aが他の動作状態であるか否かのチェックなども考えられる。
例えばMDレコーダ13Aが録音動作や再生動作を行っている場合には、今回実行しようとするダウンロードとどっちを優先させるかを判断しなければならない。
そこでIRD12はMDレコーダ13Aの動作状況をチェックし、録音/再生などの動作中であれば、ユーザーにどちらを優先させるかの判断を求めるようにする。
なお、MDレコーダ13A側のシステムコントローラ111による手順S21については詳述を避けるが、上記図32〜図35におけるCPU80の処理におけるコマンドに対応した制御や通信処理を行うものとなるものであって、上記説明中に述べたとおりである。
2−6.ダウンロードセットアップ
続いて手順S12としてのIRD12のCPU80のダウンロードセットアップ指示処理、及び手順S22としてのMDレコーダ13Aのシステムコントローラ111のダウンロードセットアップ処理について、図36で説明する。
上記手順S11までが完了すると、CPU80の処理は図36のステップF401に進む。ここで、例えば上記図27のダウンロード設定処理において、ステップF211の実行操作が図4のダウンロードボタン28を押す操作であった場合は、そのまますぐにダウンロードを実行することになる。一方、ステップF211の実行操作が予約録音ボタン25を押したものであった場合は、予約されたコンテンツの放送のある時間まで待機してからダウンロードを実行することになる。
従って、予約設定であった場合は、図36のステップF401からF402に進み、タイマ69による現在日時の監視処理に入る。そして、予約時刻(予約設定されたコンテンツとしての楽曲が放送される日時)となったら、ステップF403からF404に進み、ダウンロードセットアップ指示に移る。
一方、予約設定ではない場合はステップF401からすぐにF404に進む。
ステップF404からは実際にダウンロードを実行すべく、MDレコーダ13Aに対するセットアップ指示を開始する。
まずステップF404で、CPU80はMDレコーダ13Aに対してステイタス変化報告要求を行う。
この要求は、MDレコーダ13Aのシステムコントローラ111に対して、ダウンロードモードに入っている期間には、MDレコーダ13Aにおいて何らかの状態変化(例えば録音ポーズから録音状態への変化など)があった場合には、その都度、そのステイタス変化を報告するように要求するものである。
このようなステイタス変化報告要求があったら、システムコントローラ111側では処理をステップF451からF452に進め、ダウンロードモード期間中はステイタス変化を報告するように通信モードをセットする。そしてその動作を行ったら、ステップF453でステイタス変化報告要求を了承した旨の報告をCPU80に対して行う。
CPU80は、ステップF405で了承報告を受けたら、続いてステップF406でシステムコントローラ111に対してダウンロードセットアップ指示を行う。
このセットアップ指示は、システムコントローラ111がダウンロードの開始準備として、ダウンロードモードに移行すること、ディスク101上での記録を開始する位置にアクセスしてそこで録音ポーズ状態で待機すること、及び、それ以降は、システムコントローラ111側で入力されてくるATRACデータを監視し、その監視結果に応じてダウンロード記録動作の開始、終了を実行すべきこと、を求めるコマンドとなる。
またセットアップ指示を行ったら、ステップF407で、IEEE1394インターフェース60から、ダウンロードするコンテンツとしてのATRACデータの出力を開始させる。つまり、例えば受信される10チャンネルのATRACデータのうちから選択されたチャンネルのATRACデータのみを出力させるようにする。
CPU80のステップF406によるセットアップ指示があると、システムコントローラ111では、処理をステップF454からF455に進め、まずダウンロードモード状態にセットするとともに、記録開始位置にヘッド(光学ヘッド103及び磁気ヘッド121)をアクセスさせ、その位置で録音ポーズ状態とする制御を行う。
続いてステップF456で、IEEE1394インターフェース125を介して入力されてくるATRACデータの監視処理を開始する。
ダウンロードモード中にシステムコントローラ111が行うATRACデータの監視処理としては、図12、図13に示したTSパケット単位での監視処理であり、具体的には、図13に示したデータスタートインジケータ、データエンドインジケータ、PESデータカウンタ、プレゼントPESナンバの監視、及び図12のトランスポートパケットヘッダにおけるトランスポートエラーインジケータの監視となる。
また、IEEE1394インターフェース125においては入力されるATRACデータに関して、図13、図14で説明したチェックサムデータによるエラー検出も行うことになる。
システムコントローラ111は以上のセットアップ処理が完了したら、ステップF457でセットアップ完了報告を行う。そして手順S23に進む。
またIRD12のCPU80は、このセットアップ完了報告を受けたら、ステップF408から手順S13に進むことになる。
以上のように本例のダウンロードセットアップは、IRD12がMDレコーダ13Aに対してダウンロード実行の指示を行うものであり、しかもそれはMDレコーダ13A側で自主的にダウンロード記録の開始、終了等を制御することを要求するものとなる。
また、ステイタス変化を報告させるようにすることで、以降開始されるダウンロード動作中に、IRD12側でMDレコーダ13Aの動作状況を把握できるようにするものとなる。
2−7.ATRACダウンロード
続いて実際のATRACデータのダウンロードが行われる手順S13、手順S23を図37で説明する。
このダウンロード動作は、上記セットアップ処理により、MDレコーダ13A側で開始/終了等が制御されることになる。そしてIRD12側では、単にダウンロードすべきATRACデータをIEEE1394インターフェース60で選択させて出力させるのみとなる。但し、ダウンロードの進捗状況をユーザーに伝えるための所要の処理を行う。
上記図36のステップF456で監視処理を開始した後、MDレコーダ13Aのシステムコントローラ111は、図37のステップF551で、入力されるATRACデータについてダウンロードする楽曲の開始タイミングを待機している。つまりTSパケットにおけるデータスタートインジケータ=「1」が検出されることを待機する。
そしてその開始タイミングを検出したら、ステップF552に進み、そのTSパケットにおけるATRACデータからディスク101への記録を開始する。そしてこれによってステイタス変化が生じたことになるため、ステップF553で、そのステイタス変化、つまり録音状態への移行をCPU80に報告する。
録音が開始された以降は、システムコントローラ111は、ステップF554でのATRACデータの終了の監視、ステップF555でのCPU80からの時間データ要求、ステップF556でのエラー発生状況の監視を継続的に実行することになる。
ステップF553でのステイタス変化、つまり録音状態への移行が報告されたら、CPU80は、ダウンロードが開始されたことをモニタ装置14に表示させるとともに、処理をステップF501からF502に進め、内部タイマをリセットし、タイムカウントをスタートさせる。これはダウンロード進捗状況表示のための時間データ要求を一定時間毎に実行するためのタイムカウント動作である。
その後、ステップF503でシステムコントローラ111から録音を終了したことを示すステイタス変化の報告の有無の監視、ステップF504でエラー発生報告の監視、ステップF505でタイムカウントにより所定時間経過したか否かの監視を行う。
MDレコーダ13A側で適正にダウンロードが継続されている期間は、その進捗状況をIRD12側(モニタ装置14)で表示する処理を行うが、まずこの処理について説明する。
タイムカウントにより所定時間が経過したことを検出したら、CPU80の処理はステップF505からF506に進み、システムコントローラ111に対して、現在ダウンロード中のATRACデータに関する時間データ(HMS(時分秒):楽曲の先頭を0分0秒とした時間データ)を要求する。
システムコントローラ111はこの要求があったら、ステップF555からF559に進み、現在録音しているATRACデータの時間位置としての時分秒を確認して、その時間データをCPU80に伝える。なお、ATRACデータは実時間の約4倍速のデータであり、その4倍速ATRACデータをそのまま録音していくものであるため、報告する時間データは、ダウンロード実行中の実時間ではなく、ATRACデータを実際に再生演奏する際の実時間に相当する値である。
この時間データは、録音しているディスク上のアドレスや、もしくはATRACデータに含まれているデータアドレスなどから判別できる。
時間データ(HMS)が報告されたら、CPU80はステップF507からF508に進み、その時間データに基づいて、モニタ装置14にダウンロード進捗状況の表示を実行させる。この表示は、例えばそのATRACデータ(楽曲)の総演奏時間を100%として、現在の記録時間位置を提示するものである。
表示例を図38に示す。図38(a)は、例えば図4(a)のような表示状態に重ねて、パーセンテージとしてのダウンロード進捗状況表示21Fを実行している例である。
また図38(b)は、図4(b)のような表示状態において、例えばバーグラフ形態でダウンロード進捗状況表示21Fを実行している例である。
もちろん表示態様は、これら以外に多様に考えられ、いづれにしてもユーザーがその楽曲のダウンロードの完了までの経過状態を把握できるような表示を行うものとすればよい。
ステップF508で表示制御処理を行ったら、ステップF502に戻ってタイマのリセット/スタートを行う。そして再び所定時間を経過したら、ステップF505からF506、F507、F508の処理を行うことになる。
従って例えば所定時間を1分とすると、表示画面上では1分ごとに進捗状況としてのパーセンテージが上がっていくような表示が行われ、ユーザーにとって、あとどれくらいでダウンロードが完了するかが大まかに把握できることになる。
もちろん表示更新のための所定期間を、例えば30秒毎、10秒毎、5秒ごとなど、より短い期間としてもよい。短くするほど、パーセンテージ表示の変化がよりスムースなものとなる。
次にダウンロード記録実行中におけるシステムコントローラ111によるエラー監視について説明する。
システムコントローラ111は、供給されるATRACデータのTSパケット毎について、図13に示したPESデータカウンタとプレゼントPESナンバを確認している。
この2つの値により、TSパケットの連続性が確認できるため、もし何らかの事情で或るTSパケットが入力されなかったような場合は、そのTSパケットのATRACデータの欠落を認識できる。
そこで、そのような連続性エラーが確認された場合は、システムコントローラ111の処理はステップF556からF560に進み、CPU80に対してエラー発生報告を行う。そして、そのようにエラーが発生したままでダウンロードを続行することは適切でないため、後述する手順S26に進むことになる。
一方、エラー発生報告を受けたCPU80側では、ステップF504から後述する手順S16に進む。
なお、システムコントローラ111が監視するエラーとしては、このようなデータ連続性のチェック以外にも同時に行うようにしてもよい。
例えばTSパケットヘッダのトランスポートエラーインジケータを監視していれば、そのTSパケットのATRACデータの信頼性を判断できる。従って信頼性のないATRACデータが入力された際には、エラー発生と判断するようにしてもよい。
また、TSパケットに含まれるチェックサムデータによるエラー検出も行うため、それによるエラー検出があった場合は、エラー発生とする。
さらに、このように入力されるATRACデータ上のエラーのみならず、当然ながらMDレコーダ13A側の動作エラー(記録データに影響を与える動作エラー)があった場合も、エラー発生として処理を行うことも考えられる。
ATRACデータのダウンロードがエラーなく継続されると、或る時点でシステムコントローラ111は、TSパケット内のデータエンドインジケータ=「1」という状態を検出することになる。
それは、そのTSパケットが楽曲の最後のPESパケット内のものであることを意味するため、そのPESパケットの最後のTSパケットを受信した時点で、処理をステップF554からF557に進め、その最後のTSパケットのATRACデータを最後としてディスク101への記録動作を終了させる。
そしてそれはステイタス変化が生じたことになるため、ステップF558へ、録音状態から停止状態へステイタス変化が起こった旨の報告を行う。そして手順S24に進む。
CPU80では、録音が終了したことを示すステイタス変化報告を受けたら、処理をステップF503から手順S14に進めることになる。
以上のように、手順S13、手順S23としてダウンロード実行中の処理が行われる。
そしてこのようなダウンロード記録は、開始・終了がMDレコーダ13A側で制御されるため、IRD12側の処理負担は小さいものとなる。つまり、ダウンロード動作に関しては、単にダウンロード対象となったATRACデータを供給するのみで、後は開始/終了の報告を待っていればよい。
また、記録実行中には、ダウンロード進捗状況をモニタ装置14で表示させることにより、ユーザーに適切に進捗状況を提示でき、ユーザーにとってダウンロード動作をわかりやすいものとすることができる。
なお、進捗状況の表示に関しては、例えばダウンロード実行中の実経過時間(実際のダウンロード動の経過時間)や、ATRACデータとしての時間位置(楽曲内での経過時間位置)の一方又は両方を同時に表示するようにしてもよい。
またこの例では4倍速ATRACデータのダウンロードに関して述べたが、ATRAC入力非対応の機器(例えば図20のMDレコーダ13E、13F、13Gなど)で、実時間で供給されるオーディオデータをダウンロードしていく場合にも、当然同様の進捗状況表示を行うことができる。もちろんオーディオデータをストレージデバイス13に対して低速で供給したり、バースト的に供給するような場合でも、進捗状況表示は可能である。
さらに、MDレコーダ13A側の表示部129など、ストレージデバイス13側に表示機能がある場合は、その表示機能により同様の進捗状況表示を行うようにしてもよい。その場合は、現在記録しているATRACデータが何%の時間位置であるかをシステムコントローラ111が把握できるようにするため、CPU80がシステムコントローラ111に、その楽曲の総演奏時間情報を伝えておく必要がある。
また本例では、何らかのエラーが発生して適正にダウンロードが実行できなくなった場合には、システムコントローラ111がCPU80にエラー報告するとともに、処理を後述する手順S16、S26に進めるようにすることで、適切な対応がとれる。
2−8.管理/付加情報のダウンロード及び終了処理
手順S14、手順S24としての処理例を図39、図40で説明する。
上記手順S13、手順S23により、ATRACデータのディスク101への記録が正常に終了された場合は、続いてそのATRACデータに関する管理情報や、付加情報をディスク101に記録する処理に移る。
通常、MDレコーダ13Aでは、ATRACデータの記録に関するU−TOCセクター0の管理情報、即ちトラックナンバに応じた記録位置としてのスタートアドレス、エンドアドレス、トラックモード等は、記録終了時にそのデータを生成して、U−TOCセクター0の更新を行うものであるが、このIRD12からの指示によるダウンロードモードの場合は、トラックモードのデータをIRD12から受け取ることになる。
即ち図39のステップF601で、IRD12のCPU80は、ダウンロードしたATRACデータに関するトラックモードデータをシステムコントローラ111に送信する。例えば図13に示したFDFに記述されたコピーライト、オリジナル/コピー、ステレオ/モノ、エンファシスなどに応じて、8ビットのトラックモードデータ(ミニディスクシステムにおけるU−TOCフォーマットに即したトラックモードデータ)を生成し、送信する。またそれを用いてのU−TOCセクター0の更新の指示を行う。
システムコントローラ111では、このようなトラックモードデータ及びコマンドが受信されたら、ステップF651からF652に進んで、例えばRAM113に保持している、ディスク101に関するU−TOCセクター0の更新を行う。つまり供給されたトラックモードとともに、記録動作にかかるスタートアドレス、エンドアドレスを、今回記録したATRACデータのトラックナンバに対応させて記述する。
なお実際にディスク101上でのU−TOCセクターの書換は、例えばディスク101がイジェクトされる際や、MDレコーダ13Aの電源がオフとされる際などでよいが、この時点で、実際にディスク101上でのU−TOC更新を行うようにしてもよい。以下説明する他のU−TOCセクターデータやAUX−TOC,AUXデータなども同様である。但し、AUXデータに関してはRAM113の容量に鑑みて、IRD12から供給された時点でディスク101に書き込むことが適切な場合がある。
システムコントローラ111はU−TOCセクター0に関する処理を終えたら、ステップF653でCPU80に対して完了報告を行う。
この完了報告を受けたら、CPU80は処理をステップF602からF603に進め、続いてU−TOCセクター1又はセクター4に記述すべきトラックネームデータ(つまり曲名)を送信するとともに、これらU−TOCセクター1以降の処理をシステムコントローラ111に指示する。
システムコントローラ111では、このようなトラックネームデータ及びコマンドが受信されたら、ステップF654からF655に進んで、RAM113に保持している、ディスク101に関するU−TOCセクター1,2,4の更新を行う。つまり供給されたトラックネームデータや、システムコントローラ111が把握している現在日時データにより、今回記録したATRACデータのトラックナンバに対応させてトラックネーム、録音日時等を記述する。
そしてシステムコントローラ111はU−TOCセクター1以降のU−TOCセクターに関する処理を終えたら、ステップF656でCPU80に対して完了報告を行う。そして8で示すように図40のステップF657以降に進む。
ステップF657以降ではシステムコントローラ111は、ステップF657でテキストデータ及び記録指示コマンドの受信の監視、ステップF660でのイメージデータ及び記録指示コマンドの監視、ステップF663でのダウンロード終了指示の監視を行うことになる。
ステップF656でシステムコントローラ111が発する完了報告を受けたら、CPU80は処理を図39のステップF604から7で示すように図40のステップF605に進める。
まずステップF605では、今回ダウンロードしたATRACデータに付随する付加情報として放送されてきたテキストデータが存在するか否かを確認する。例えば楽曲の歌詞データやアーティストのプロフィール、アルバムのライナーノートのようなテキストデータである。これらのデータは図6に示したように音声付加情報として放送されている。
今回ダウンロードしたATRACデータに付随するテキストデータが存在しなければステップF608に進むが、存在すれば、ステップF606に進んで、システムコントローラ111に対してそのテキストデータを送信するとともに記録指示コマンドを発行する。
このようにステップF606によるテキストデータ及びコマンドが発行された場合は、システムコントローラ111はステップF657からF658に進み、そのテキストデータを、今回のダウンロードデータとしてディスク101に記録されたトラックに対応するAUXテキストファイルのデータとしてディスク101のAUXエリアに記録する。もちろんこれに応じて、そのファイルの管理情報となるデータを、AUX−TOCに記述する。
そのような処理が完了したら、ステップF659でCPU80に対して完了報告を行う。CPU80は、ステップF607で、この完了報告を待ってから、処理をステップF608に進める。
CPU80はステップF608では、今回ダウンロードしたATRACデータに付随する付加情報として放送されてきたイメージデータが存在するか否かを確認する。例えば楽曲のアルバムジャケットやアーティストの写真画像のようなイメージデータである。これらのデータも図6に示した音声付加情報として放送されている。
今回ダウンロードしたATRACデータに付随するテキストデータが存在しなければステップF611に進むが、存在すれば、ステップF609に進んで、システムコントローラ111に対してそのイメージデータを送信するとともに記録指示コマンドを発行する。
このようにステップF609によるイメージデータ及びコマンドが発行された場合は、システムコントローラ111はステップF660からF661に進み、そのイメージデータを、今回のダウンロードデータとしてディスク101に記録されたトラックに対応するAUXイメージファイルのデータとして、ディスク101のAUXエリアに記録する。もちろんこれに応じて、そのファイルの管理情報となるデータを、AUX−TOCに記述する。
そのような処理が完了したら、ステップF662でCPU80に対して完了報告を行う。CPU80は、ステップF610でこの完了報告を待って、処理をステップF611に進める。
ステップF611に進む時点で、CPU80での手順S14としての処理が終了され、続いて手順S15としてのダウンロード終了処理に移る。
即ちステップF611でダウンロード終了指示のコマンドをシステムコントローラ111に送る。
このダウンロード終了指示が受信されると、システムコントローラ111でも手順S24としての処理が終了され、手順S25のダウンロード終了処理として、ステップF663からF664に進む。そして一連のダウンロード動作が完了されたとして、ダウンロードモードを終了させる処理を行う。さらに終了処理に伴いステップF665で、CPU80に対して終了報告を行う。以上によりシステムコントローラ111側でのダウンロードモード処理が終了される。
一方CPU80では、ステップF612で終了報告を待機しており、システムコントローラ111からの終了報告があったら、一連のダウンロード処理を終了する。このときモニタ装置14にダウンロード終了の旨を表示する。
以上の処理からわかるように、本例のダウンロード動作としては、ATRACデータのダウンロードに付随して、トラックモード、トラックネーム、テキストデータ、イメージデータも、IRD12からMDレコーダ13Aに供給され、ATRACデータに関連づけられてディスク101に記録されることになる。
即ちダウンロードを楽曲の販売として考えたときに、単なる音声データだけでなく付随する文字や画像データも提供されることで、ユーザーに対するサービスを充実したものとすることができる。
また、特にトラックモードとして放送に重畳されたデータ、例えばコピーライト情報など放送局側(コンテンツ提供側)が付与した情報を記録させることで、著作権保護や好適な再生条件の設定などにも好適である。
2−9.エラー発生時の処理
次に上述したように手順S13、手順S23においてエラー発生が確認され、手順S16、手順S26に進んだ場合の処理をず41で説明する。
まずIRD12側では、図37のステップF504から手順S16に進んだ時には、図41のステップF701として、エラーメッセージを表示する制御を行う。即ちモニタ装置14においてユーザーに対して例えば「ダウンロード中にエラーが発生しました。ダウンロードをやり直します」というようなメッセージを表示させる。
そしてステップF702で、実際にダウンロードのリトライが可能であるか否かを判別する。
例えばATRACデータの放送は、図6で説明したように1イベントとしての放送期間内に繰り返し放送されてくるため、ダウンロードが失敗しても、そのイベント期間内であれば、また同じATRACデータが放送されてくる。従って次にくる同一楽曲の先頭位置となるタイミングからダウンロードリトライが可能である。
ところが、その楽曲についてのイベント内の最後のATRACデータのダウンロード中にエラーが生じた場合は、リトライ不能となる。
また、発生したエラーが単にデータ上のエラーであればリトライ可能であるが、MDレコーダ13A側の故障などの場合は、リトライ不能となる場合がある。
CPU80はこれらの事情を判別して、リトライ可能であればステップF703から手順S12に進む。即ち再度ダウンロードセットアップからやり直すようにする。
一方、システムコントローラ111側では、エラー発生を検出してステップF751に進んだ場合は、まずATRACデータのディスク101への記録動作を中止させる。
そしてステップF752で、途中まで記録されていたATRACデータを消去された状態とする。なお、実際にはU−TOCセクター0が更新されない限りはディスク101に記録が行われたとみなされないため、ここでの処理は現在の記録位置として把握しているアドレスをシステムコントローラ111が内部的にクリアするのみでよい。
そして特にCPU80からダウンロード中止指示がなければ手順S22に進み、手順S12としてのCPU80からの指示に応じて上述したセットアップ動作を再度行う。
即ちこのような場合は、エラー発生の場合に、一旦ダウンロードが中断されるが、その後リトライが実行されることになる。
ところが上記したような何らかの事情でリトライが不可能である場合は、CPU80は処理をステップF704に進めて、まずユーザーに対してダウンロード不能のメッセージを提示する。即ちモニタ装置14に例えば「ダウンロードのやり直しができません。ダウンロードを中止します」というようなメッセージ表示を行う。
そしてステップF705でシステムコントローラ111に対してダウンロードの中止の指示を行う。
このような場合システムコントローラ111では処理はステップF753からF754に進むことになり、ダウンロード動作が中止されたとして、ダウンロードモードを終了させる処理を行う。さらに終了処理に伴いステップF755で、CPU80に対して終了報告を行う。即ちシステムコントローラ111側でのダウンロードモード処理が終了される。
一方CPU80では、ステップF706で終了報告を待機しており、システムコントローラ111からの終了報告があったら、一連のダウンロード処理を中止終了する。
以上の処理からわかるように、たとえダウンロード中にデータエラーが発生しても、多くの場合はダウンロードリトライが行われることになり、ユーザーの要求するダウンロード動作が正確に実現される。また、エラー発生時にそのままダウンロードを続行しないことはダウンロードデータの品質保持につながり、データ販売システムとして好適なものとなる。
さらに、リトライが不可能な場合は、ユーザーにその旨を正しく伝えるとともに、ダウンロードを中止することで、不適切なデータをユーザーに販売してしまうことがないようにできる。
なお、リトライ動作としては、例えばエラー発生時までに録音したATRACデータをそのまま有効データとして用いる例も考えられる。
即ちステップF752の処理では、システムコントローラ111はエラー発生直前のアドレス(例えばTSパケット又はPESパケットのナンバー)を記憶しておくようにし、またディスク101上の記録位置もそのポイントでホールドしておく。そしてリトライ時には、そのアドレス(TSパケット又はPESパケット)までのATRACデータの入力が確認されたら、その次のパケットのデータを起点として、ディスク101上の次のアドレス位置から記録を再開するようにする方式である。
また、リトライが不能と判断されることを少なくするための処理として次のような動作も考えられる。
例えばMDレコーダ13A側の故障などによりエラーとなった場合は、他の機器(例えばMDレコーダ13B)に対してリトライ動作としてのダウンロードを実行するようにする。
また、イベント内の最後のATRACデータの放送でエラーが生じ、リトライ不能となった場合は、そのダウンロード動作を予約登録として、後日同一の楽曲が放送される際に自動的にダウンロードさせるような処理も考えられる。
以上、実施の形態としての構成及び処理例を詳述してきたが、具体的な処理例は上記例に限らず多様に考えられることはいうまでもない。
また機器間の通信方式、通信コマンドも上記例に限定されるものではない。
さらにIRD12とストレージデバイス13が別体である例で説明したが、これらが一体的な機器とされる場合もありうる。
また、放送の送信/受信システムとしてはDSM−CC方式を採用した場合に限定されるものではなく、実施の形態において説明した送信フォーマットに準ずる伝送方式であれば本発明の適用が可能とされる。また、本発明が適用されるシステムとしてもデジタル衛星放送システムに限定されるものではなく、例えばケーブルテレビジョンなどの放送や、インターネット等において適用することも可能である。
本発明の実施の形態のデジタル衛星放送受信システムの構成例を示すブロック図である。 実施の形態における受信設備の構築例を示すブロック図である。 実施の形態のIRDのためのリモートコントローラの外観を示す正面図である。 放送画面とGUI画面との切り換えを示す説明図である。 地上局の構成例を示すブロック図である。 地上局から送信されるデータを示すチャート図である。 送信データの時分割多重化構造を示す説明図である。 DSM−CCによる送信フォーマットを示す説明図である。 トランスポートストリームのデータ構造図である。 PSIのテーブル構造を示す説明図である。 PESパケットの説明図である。 TSパケットの説明図である。 TSパケットのデータボディの説明図である。 TSパケットのデータボディのチェックサムデータの説明図である。 実施の形態のIRDの構成を示すブロック図である。 データサービスのディレクトリ構造の一例を示す説明図である。 実施の形態のIRDに接続されるMDレコーダのブロック図である。 ミニディスクのクラスタフォーマットの説明図である。 ミニディスクのエリア構造の説明図である。 実施の形態における受信設備の構築例を示すブロック図である。 実施の形態のIRDの機器接続時の処理のフローチャートである。 実施の形態のIRDの機器接続解消時の処理のフローチャートである。 実施の形態のIRDのニックネーム入力モード処理のフローチャートである。 実施の形態のIDテーブルの説明図である。 実施の形態のダウンロード処理手順の説明図である。 実施の形態のダウンロード処理手順の説明図である。 実施の形態のダウンロード設定処理のフローチャートである。 実施の形態の機器リスト表示例の説明図である。 実施の形態の機器リスト表示例の説明図である。 実施の形態の機器リスト表示例の説明図である。 実施の形態の機器リスト表示例の説明図である。 実施の形態のダウンロード実行のためのチェック/指示処理のフローチャートである。 実施の形態のディスク装填チェック処理のフローチャートである。 実施の形態のライトプロテクトチェック処理のフローチャートである。 実施の形態のディスク容量チェック処理のフローチャートである。 実施の形態のダウンロードセットアップ時の処理のフローチャートである。 実施の形態のATRAC記録時の処理のフローチャートである。 実施の形態のダウンロード進捗状況表示例の説明図である。 実施の形態の管理/付加情報記録時の処理のフローチャートである。 実施の形態の管理/付加情報記録時の処理のフローチャートである。 実施の形態のエラー発生時の処理のフローチャートである。
符号の説明
1 地上局、2 衛星、3 受信設備、5 課金サーバ、6 テレビ番組素材サーバ、7 楽曲素材サーバ、8 音声付加情報サーバ、9 GUIデータサーバ、10 キー情報サーバ、11 パラボラアンテナ、12 IRD、13 ストレージデバイス、13A,13B,13E,13F,13G MDレコーダ、14 モニタ装置、16 IEEE1394バス、21A テレビ番組表示エリア、21B リスト、21C テキスト表示エリア、21D ジャケット表示エリア、22 歌詞表示ボタン、23 プロフィール表示ボタン、24 情報表示ボタン、25 予約録音ボタン、26 予約済一覧表示ボタン、27 録音履歴ボタン、28 ダウンロードボタン、31 テレビ番組素材登録システム、32 楽曲素材登録システム、33 音声付加情報登録システム、34 GUI用素材登録システム、35 AVサーバ、36A MPEGオーディオエンコーダ、36B ATRACエンコーダ、37 音声付加情報データベース、38 GUI素材データベース、39 テレビ番組送出システム、40A MPEGオーディオサーバ、40B MPEGオーディオサーバ、41 音声付加情報送出システム、42 GUIオーサリングシステム、43A MPEGオーディオ送出システム、43B ATRACオーディオ送出システム、44 DSM−CCエンコーダ、45 マルチプレクサ、46 電波送出システム、51 チューナ/フロントエンド部、52 デスクランブラ、53 トランスポート部、54 MPEG2オーディオデコーダ、54A メモリ、55 MPEG2ビデオデコーダ、55A メモリ、56 D/Aコンバータ、57 スイッチ回路、58 表示処理部、59 光デジタル出力インターフェイス、60 IEEE1394インターフェイス、61 マンマシンインターフェイス、62 ICカードスロット、63 モデム、64 リモートコントローラ、65 ICカード、66 赤外線インターフェース、67 コントロールラインインターフェース、68 不揮発性メモリ、69 タイマ、70 デマルチプレクサ、71 キュー、81 制御処理部、82 DeMUXドライバ、83 DSM−CCデコーダブロック、84 MHEGデコーダブロック、90 メインメモリ、91 DSM−CCバッファ、101 ディスク、111 システムコントローラ、125 IEEE1394インターフェース、126 コントロールラインインターフェース、127 赤外線インターフェース、128 光デジタル入力インターフェース、129 表示部、201 電源キー、202 数字キー、203 画面表示切換キー、204 インタラクティブ切換キー、205a 矢印キー、205 EPGキーパネル部、206 チャンネルキー、T1 入力端子、T2 アナログビデオ出力端子、T3 アナログオーディオ出力端子、T4 アナログオーディオ出力端子

Claims (2)

  1. データ受信装置にモノメディアデータを伝送する伝送方法において、
    上記モノメディアデータをDSM−CC方式に基づいてモジュールを生成し、
    上記モジュールを固定長を有するブロックに分割し、
    上記ブロックに分割されたデータから、DDBメッセージを生成し、
    上記モジュールを識別するための情報、当該モジュールの大きさ及びモジュールのバージョンを示す情報を含んでいるDIIメッセージを生成し、
    上記DDBメッセージ及びDIIメッセージを、周期的且つ繰り返し送出するカルーセル方式を使って伝送する
    ことを特徴とするデータ伝送方法。
  2. データ受信装置にモノメディアデータを伝送する伝送装置において、
    上記モノメディアデータをDSM−CC方式に基づいてモジュールを生成するモジュール生成手段と、
    上記モジュールを固定長を有するブロックに分割する分割手段と、
    上記ブロックに分割されたデータから、DDBメッセージを生成するDDBメッセージ生成手段と、
    上記モジュールを識別するための情報、当該モジュールの大きさ及びモジュールのバージョンを示す情報を含んでいるDIIメッセージを生成するDIIメッセージ生成手段と、
    上記DDBメッセージ及びDIIメッセージを、周期的且つ繰り返し送出するカルーセル方式を使って伝送する伝送手段と
    を備えたことを特徴とするデータ伝送装置。
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