図1は、本発明の第一の実施例のシステムブロック図であり、高精細テレビ1、高精細テレビ1に付属しているテレビリモコン2、およびデジタルカメラ3を含む。高精細テレビ1は、テレビリモコン2によって操作可能であるとともに、デジタルカメラ3からも直接操作可能である。つまり、デジタルカメラ3は、高精細テレビ1のリモコン機能も具備している。
上記リモコン機能について詳述する。テレビリモコン2において、制御部201はユーザによる操作部202の操作を検知し、赤外通信部203から、高精細テレビ1の赤外通信部111にリモコン操作のための赤外線信号を送る。一方、デジタルカメラ3の制御部311は、ユーザによる操作部312の操作を検知し、無線USB通信部313から、高精細テレビ1の無線USB通信部112にリモコン操作のための電波信号を送る。なお、無線USB通信部313と無線USB通信部112は、以上のようなリモコン操作信号だけでなく、後述のように、画像信号のやり取りも行う。
デジタルカメラ3の制御部311は、上記の他、デジタルカメラ3の種々の機能の制御を行う。以下、制御部311によって制御されるデジタルカメラ3の機能を説明する。
デジタルカメラ3の機能は、基本的に記録モードと再生モードに分けられ、その切換えは操作部312によって行われる。まず、記録モードでは、撮像部314で撮像される画像が動画状態で表示部315に表示される。ユーザが表示部315を見て構図を決め、操作部312に含まれるシャッタレリーズボタンを押すと、そのときの撮像部314からの画像が圧縮部316に送られ、圧縮された画像信号が記録部317に圧縮静止画信号として記録される。
一方、再生モードでは、二種類の手順が可能である。まずサムネイル表示による再生画像の選択の場合、記録部317に記録されている情報が読み出され、複数画像分のサムネイルが表示部315に一覧表示される。そして、ユーザがサムネイル表示を見ながら操作部312によりその一つを選択すると、選択されたサムネイルに対応する圧縮静止画信号が記録部317から読み出され、伸張部318により伸張されて表示部315に表示される。次の画像を見たいときには、操作部312を操作すると、次の画像の圧縮静止画信号が記録部317から読み出され、伸張部318により伸張されて表示部315に表示される。また、このように順々に再生する代わりに、操作部312を操作して一度サムネイル表示に戻り、操作部312の操作で再びその一つを選択することもできる。
再生モードでは、サムネイル表示を経ずに再生する手順も可能であり、この場合は、再生モードに設定すると、例えば、最も新しく記録された圧縮静止画信号が自動的に選択されて記録部317から読み出され、伸張部318により伸張されて表示部315に表示される。以下、同様に次の画像を見たいときには、操作部312を操作すると、次に新しい画像の圧縮静止画信号が記録部317から読み出され、伸張部318により伸張されて表示部315に表示される。なお、表示部315には、画像の表示の他、機能選択のためのメニューやデジタルカメラの状態を示す種々のメッセージなども表示することができる。
次に、高精細テレビ1の機能を説明する。高精細テレビ1の電源をオンするには、テレビリモコン2の操作部202を操作すると、制御部201がこれを検知し、赤外通信部203から赤外線信号を送る。高精細テレビ1の赤外通信部111がこの赤外信号を受信したことを制御部113が検知することによって高精細テレビ1の電源がオンになる。なお、高精細テレビ1においては、主要部への給電がオフ状態であっても、主電源がオンされていることによって待機状態となっている。このような待機状態では、微弱な電力が赤外通信部111および無線USB通信部112に常に供給されていて、外部からのリモコン操作に対応することができる。ここに、「高精細テレビの電源がオンになる」とは、この待機状態から主要部機能への給電がオン状態になることを指す。
テレビリモコン2の操作によって高精細テレビ1の電源がオンになると、そのことが制御部113で検知され、主要部への給電が行われるとともに、高精細テレビ1は通常の放送受信状態で立ち上がる。そして、選択されているチャンネルの放送が放送受信部114から録画再生処理部115、表示制御部116を経て、テレビ画面表示部117に表示される。なお、表示制御部116は表示切換え機能を持ち、テレビリモコン2から電源がオンされた上記の状態では録画再生処理部115からの信号がテレビ画面表示部117に表示される状態となっている。テレビリモコン2の操作部202によってチャンネル切換え操作が行われたことを制御部201が検知すると、その旨の赤外線信号が赤外通信部203から赤外通信部111に伝えられ、これが制御部113で検知されて放送受信部114におけるチャンネル切換えを指示する。
内蔵ハードディスク装置118は、画像および音声を記録することが可能となっており、放送録画および後述の静止画録画が可能となっている。ハード的に分かれているわけではないが、図1では、便宜上これをそれぞれ放送記録部119と静止画記録部120に機能分けて図示してある。
テレビリモコン2の操作部202によって放送録画が指示されたことが制御部201によって検知されると、その旨の赤外線信号が赤外通信部203から赤外通信部111に送られる。そして、これが制御部113で検知されると放送受信部114で受信される指定チャンネルの放送が録画再生処理部115を経て放送記録部119に記録される。一方、テレビリモコン2の操作部202によって放送録画の再生が指示されたことが制御部201によって検知されると、その旨の赤外線信号が赤外通信部203から赤外通信部111に送られる。そして、これが制御部113で検知されると放送記録部119の録画が読み出され、録画再生処理部115、表示制御部116を経て、テレビ画面表示部117に表示される。
次に、本発明の第一の実施例に基づき、デジタルカメラ3の画像を高精細テレビ1で表示する場合について説明する。第一の実施例では、デジタルカメラ3が再生モードに設定されていて、ある画像が表示部315に表示されている場合、操作部312を操作することによって、簡単にその画像を高精細テレビ1のテレビ画面表示部117に表示させることを可能とするように構成されている。
以下、上記の構成を具体的に説明すると、ある画像が表示部315に表示されている場合において、操作部312によりテレビ再生を指示すると、対応する圧縮静止画信号が記録部317から読み出され、無線USB通信部313から高精細テレビ1の無線USB通信部112に送信される。
このとき、高精細テレビ1の電源がオフ状態にあると、制御部113は無線USB通信部112への受信開始を検知して高精細テレビ1の電源をオンする。デジタルカメラ3からの信号によって高精細テレビ1の電源がオンされた場合、表示制御部116は録画再生処理部115ではなく、後述する画像保持部121からの信号がテレビ画面表示部117に表示される状態で立ち上がる。なお、高精細テレビ1の電源が既にオンであり、かつ表示制御部116が録画再生処理部115からの信号をテレビ画面表示部117に表示している状態で無線USB通信部112が画像信号を受信したときは、制御部113がこれを検知し、表示制御部116を切換えて画像保持部121からの信号がテレビ画面表示部117に表示される状態とする。
このような構成とすることにより、ユーザが高精細テレビ1又はテレビリモコン2を操作して、テレビ画面表示部117に表示される画像を録画再生処理部115の信号から画像保持部121の信号に切換えなくても、テレビ画面表示部117の表示状態を、デジタルカメラ3から送信された画像を表示可能な状態に切換えることができる。
以上のように、第一の実施例によれば、高精細テレビ1は、テレビリモコン2とデジタルカメラ3のいずれによって電源オンされかを識別し、異なった動作をする。
無線USB通信部112を経た通信が進み、圧縮静止画信号の受信が完了すると、伸張部122がこれを伸張して画像保持部121に保持させる。画像保持部121は、例えばフレームメモリで構成される。表示制御部116は画像保持部121からの信号をテレビ画面表示部117に表示できる状態なので、以上によりデジタルカメラ3の表示部315に再生されている画像が高精細テレビ1のテレビ画面表示部117に表示されることになる。
デジタルカメラ3の操作部312は、テレビ画面表示部117に表示されている画像を高精細テレビ1内に記録するかどうかの選択指示が可能であり、記録の指示がなされる場合には無線USB通信部112からの圧縮静止画信号が内蔵ハードディスク装置118の静止画記録部120に記録される。圧縮静止画信号が静止画記録部120に記録されている場合には、これを読み出して伸張部122により伸張し、画像保持部121に保持させれば、表示制御部116を経てテレビ画面表示部117にこれを表示することができる。この機能の詳細については後述する。
図2は、第一の実施例におけるデジタルカメラ3の制御部311の動作を示す基本フローチャートである。フローがスタートすると、ステップS1では、デジタルカメラ3の電源がオンされているかどうかを見る。オンされていなければ、元に戻り、操作部312よるオン操作を待つ。
既に電源がオンされているか又は操作部312による電源オン操作があった場合は、ステップS2に進み、再生モードかどうかを見る。再生モードであればステップS3に進み、例えば最新画像などの所定の画像を記録部317から読み出して伸張し表示部315に表示する。なお、既に何らかの画像が表示部315で再生されている場合にはステップS3ではその再生を継続する。次にステップS4に進み、高精細テレビ1との間で、信号の送受信を試みて、無線USBによる通信が可能な環境であるかどうかをチェックする。ここに、通信が可能な環境とは、デジタルカメラ3が高精細テレビ1の通信圏内にあり、かつ高精細テレビ1の主電源がオンされていて通信の待機状態にあることを指す。このように、第一の実施例では、デジタルカメラ3が再生モードにあるときに高精細テレビ1への画像送信を可能にする。
なお、デジタルカメラ3の少なくとも無線USB通信部313がバッテリによって駆動される場合、ステップS4において、無線USBによる圧縮静止画信号の送信動作に十分なバッテリ残量があるか否かを判断し、バッテリ残量がないと判断された場合には、ステップS4において、無線USBによる通信が可能な環境にないと判定するようにしてもよい。バッテリの残容量は、例えば制御部311により、バッテリの開放電圧に相当する電圧を測定することによって判断することができる。この際に、表示部315に、バッテリの充電を促す表示を行うように構成すれば、より一層好適である。このような構成とすることにより、圧縮静止画信号の送信中にバッテリ残量が不足し、送信不能になるといったことを未然に防止することができる。
ステップS4において、無線USB通信が可能と判断されたときはステップS5に進む。ステップS5では、表示部315に再生表示されている画像を高精細テレビ1上で再生するためのテレビ再生操作をユーザが操作部312で行ったかどうかをチェックする。テレビ再生操作が行われたときはステップS6に進み、高精細テレビ1との交信によりテレビ再生処理を行う。その詳細については後述する。
一方、ステップS4において、無線USB通信が不能と判断されたときは、ステップS7に移行する。従って、上記のテレビ再生に関するステップS5、ステップS6の処理は行わない。また、ステップS5にてユーザによるテレビ再生操作が検知されなかったときもステップS7に移行する。
ここで、以上のステップS4からステップS7までの機能を実現するための具体的な構成を説明する。具体的な構成としてはいくつかのものが可能であるが、まず、第一の構成としては、操作部312によって可能な操作のメニューを表示部315に表示できるようにしておき、そのメニューの中に「テレビ再生」という項目も表示可能としておく。そして、ステップS4において無線USB通信が可能と判断されてステップS5に進んだときは、メニュー表示中に「テレビ再生」という項目も表示されるようにする。従って、ユーザは、ステップS5において操作部312を操作し、メニューの中から「テレビ再生」を選択することができる。一方、ステップS4において無線USB通信が不能と判断されてステップS7に移行したときは、メニュー表示中に「テレビ再生」という項目自体が表示されないようにする。従って、ユーザは、操作部312を操作し「テレビ再生」を選択することができなくなる。
ステップS4からステップS7までの機能を実現するための第二の構成としては、上記と異なり、メニュー表示中には常に「テレビ再生」という項目が表示されるようにしておく。ステップS4において無線USB通信が可能と判断されてステップS5に進んだときに、ユーザが操作部312を操作し、メニューの中から「テレビ再生」を選択することができるのは上記第一の構成と同じである。一方、ステップS4において無線USB通信が不能と判断されてステップS7に移行したときは、メニュー表示中の「テレビ再生」という項目を操作部312で選択したとしてもその操作が無効になるよう構成する。従って、ユーザは「テレビ再生」を選択することができない。この場合、ユーザが「テレビ再生」という項目を操作部312で選択したことに応答して、表示部315に警告表示を出すようにしてもよい。その警告表示の例としては、「USB通信圏外です」や「テレビのメイン電源を入れてください」のようなものが考えられる。
上記第二の構成の場合、「テレビ再生」の指示を表示部315のメニューを操作部312で選択する構成に代えて、「テレビ再生」指示のための操作ボタンを操作部312に設けるようにし、無線USB通信が不能とされてステップS7に移行したときは操作ボタンを押してもその操作が無効となるよう構成してもよい。操作ボタンは無線USB通信が可能であるか否かに拘わらず、常に操作部312に存在するから、このような構成も第二の構成の一種である。
さらに、以上の第二の構成において、もともと通信が不能なときに「テレビ再生」の指示をしても何も起こらないので、デジタルカメラ3の機能遂行上問題がないなら、通信不能状態で行われた「テレビ再生」操作部312の操作を無効にするという上記の構成を省略し、単に警告表示を出すだけの構成としてもよい。
また、第一の構成および第二の構成のいずれでも適用可能であるが、ステップS3である画像が表示された後にステップS5まで進んだとき、「テレビ再生を行いますか?」というメッセージを積極的に表示部315に表示するようにしてもよい。この場合、メッセージに対して操作部312で「No」の操作をした場合の他、表示開始から所定時間経過しても操作部312による何の操作もなかったときはテレビ再生の意思がないものと看做してステップS7に移行するよう構成する。なお、このステップS5に至ってから所定時間経過しても操作部312による何の操作もなかったときにステップS7に移行する構成は、「テレビ再生を行いますか?」というメッセージを積極的に表示部315に表示しない場合でも適用することが出来る。
このように第一の実施例においては、無線USB通信が可能なときにのみ、テレビ再生の指示操作を可能にし、無線USB通信が不可能なときには、テレビ再生を指示する項目を表示しなかったり、指示が実行できない旨の警告を発するなどする。このため、ユーザに、無駄なテレビ再生指示操作を実行させてしまうのを回避することが可能になる。
さて、ステップS7では、表示部315に表示される画像を次の画像に送るための画像送り操作が操作部312で行われたかどうかがチェックされる。そして画像送りがあったときはステップS3に戻り、次の画像を表示部315に表示する。そして、この新しい画像についてもステップS4からステップS7の手順が適用され、新しい画像についてテレビ再生が指示されたときは先の画像に代えて新しい画像がテレビ再生される。以下、ステップS7に来る毎に、画像送りが行われていれば次々に新しい画像をテレビ再生することが可能になる。このように第一の実施例では、ステップS7で操作部312による画像送り操作を検知する毎にステップS3を経由してステップS5に至り、ステップS3で表示された新しい画像を高精細テレビ1で再生表示する操作を可能とする。この場合も、上記と同様、ステップS5に至る毎に、新しい画像について「テレビ再生を行いますか?」というメッセージを表示部315に表示するようにしてもよい。
ステップS7において画像送り操作が検知されなかったときは、ステップS8に進み、操作部312によるサムネイル表示への切換えがあったかどうかがチェックされる。サムネイル表示への切換えがあったことが検知されるとステップS9に進み、一覧表示されているサムネイル中の一つの画像が操作部312によって指定されたかどうかをチェックする。そして、画像指定があれば、ステップS3に戻り、指定された画像を画像表示部315に表示する。以下、その画像についてステップS4からステップS7の手順が適用され、指定された画像についてテレビ再生が指示されたときはその画像がテレビ再生される。ステップS7からステップS9の手順も当然適用され、その間の操作部312の操作に対応できる。このように第一の実施例では、ステップS9で操作部312によるサムネイル一覧表示からの画像指定操作を検知する毎にステップS3を経由してステップS5に至り、ステップS3で表示された新しい画像を高精細テレビ1で再生表示する操作を可能とする。この場合も、上記と同様、ステップS5に至る毎に、新しい画像について「テレビ再生を行いますか?」というメッセージを表示部315に表示するようにしてもよい。
ステップS9において操作部312による画像指定が検知されなかったときは、ステップS10に進み、操作部312によってデジタルカメラ3の電源がオフされたかどうかをチェックする。電源オフ操作が検知されなかったときは、ステップS11に進み、操作部312によるモード切換え操作があったかどうかをチェックする。モード切換えが検知されなかったときは、ステップS3に戻り、その時点で表示部315に表示されている画像の表示を継続するとともに、ステップS4からステップS11までの手順を適用し、その間の操作部312の操作に対応する。
ステップS11においてモード切換えがあったときは、ステップS2に戻る。この場合、デジタルカメラ3の動作モードは記録モードになっているから、ステップS2における判断は「No」となる。以下、ステップS2での判断が記録モードであった場合について説明する。この場合は、ステップS2からステップS12に進み、所定の撮影処理が行われる。撮影処理が終わるとステップS13に進み、操作部312によってデジタルカメラ3の電源がオフされたかどうかをチェックする。電源オフ操作が検知されなかったときは、ステップS14で操作部312によるモード切換え操作が行われたかどうかをチェックする。モード切換えが検知されない場合は、ステップS12の撮影処理に戻り、記録モードが継続される。なお、ステップS13において電源オフが検知されたときはステップS1に戻り、次の電源オン操作が行われるまで待機する。
ステップS10において、操作部312による電源オフ操作が検出されたときは、ステップS15に進み、高精細テレビ1との無線USB交信により、高精細テレビ1の表示制御部116が画像保持部121からの信号を選択していてデジタルカメラ3からの画像を再生する状態(「テレビ再生中」)になっているかどうかをチェックする。テレビ再生中であれば無線USB交信により高精細テレビ1にテレビ再生終了信号を送信する。これによって高精細テレビ1の表示制御部116は、録画再生処理部115からの信号を選択する通常の放送受信状態となる。なお、このとき高精細テレビ1は、電源オン履歴をチェックし、デジタルカメラ3からの操作で高精細テレビ1が立ち上がり、その後一度も通常放送受信状態になっていなかったことを検知できたときは、テレビ再生終了信号の受信に応答してテレビ電源をオフする。
図3は、図2のステップS6におけるテレビ再生処理の詳細を示すフローチャートである。テレビ再生処理がスタートすると、ステップS21で無線USB通信の開始処理が行われ、ステップS22に進んで高精細テレビ1の電源がオンになっているかどうかがチェックされる。高精細テレビ1の電源がオンになっていることが検知されなければステップS23に進み、デジタルカメラ3から高精細テレビ1に向けて、テレビ電源オン信号が送信される。これによって高精細テレビ1の電源がオンになる。次いで、「デジタルカメラ3の操作によって高精細テレビ1の電源オンを行った」という履歴を残すためにステップS24で静止画モード信号が高精細テレビ1に送信され、ステップS25に移行する。一方、ステップS22において既に電源がオンになっていることが検知された場合は直接ステップS25に移行する。
ステップS25では、高精細テレビ1が放送受信モードであるかどうかがチェックされる。放送受信モードであれば、ステップS26で静止画モード切換信号を高精細テレビ1に送信してステップS27に移行する。ステップS26によって、高精細テレビ1の表示制御部116は、録画再生処理部115を選択していた状態から画像保持部121を選択する状態に切換わる。一方、ステップS25において放送受信モードでなかった場合は、既に表示制御部116が画像保持部121を選択している状態なので、直接ステップS27に移行する。
ステップS27では、高精細テレビ1のテレビ画面表示部117で再生しようとしている画像(デジタルカメラ3の表示部315に表示されている画像)が既に高精細テレビ1に送信済みでその静止画記録部120に保存されているかどうかをチェックする。その画像を初めて高精細テレビ1で見る場合は当然送信済みではないので、ステップS28に進み、デジタルカメラ3の記録部317から対応する圧縮静止画信号を読出して、無線USB通信で高精細テレビ1に送信し、それが完了すればステップS29に移行する。
一方、デジタルカメラ3の表示部315に表示されている画像を過去に高精細テレビ1で再生したことがあり、かつその静止画が静止画記録部120に保存されている場合は、改めて送信する必要がない。従って、その代わりに、静止画記録部120から対応する圧縮静止画信号を読出すためにステップS30にて読出し信号を無線USB通信にて高精細テレビ1に送信し、ステップS29に移行する。
このように、ユーザにとってはデジタルカメラ3の表示部315に表示されている画像を高精細テレビ1で再生するという単一の操作であるにもかかわらず、対応する圧縮画像を送信する必要があるかどうかが自動的に判別され、無駄な画像送信が回避される。ユーザも、テレビ再生しようとしている画像が既に送信済みであったかどうか気にすることなく、単一の操作で目的を達することができる。
なお、上記のステップS27によるチェックは無線USB通信によって高精細テレビ1と交信することによって行う。デジタルカメラ3から送信済みの画像で一度、高精細テレビ1の静止画記録部120に記録された画像であっても、その後消去されていた場合には再度の送信が必要だからである。
ステップS29では、無線USB通信部112又は静止画記録部120からの圧縮静止画信号が伸張部122で伸張され、画像保持部121に送られてテレビ側再生がOKとなる状態を待つ。テレビ側再生OKとなれば、所望の静止画がテレビ画面表示部117で観賞可能となる。
この状態でステップS31に移行し、デジタルカメラ3の表示部315又は高精細テレビ1のテレビ画面表示部117に、鑑賞中の画像を高精細テレビ1側に保存するかどうかを問うメッセージを出す。ステップS31では、このメッセージに応えてデジタルカメラ3の操作部312がどのように操作されたかもチェックする。
ステップS31で「保存する」旨の操作があったことが検知されると、ステップS32でその画像が既に静止画記録部120に記録済みかどうかがチェックされる。記録済みでなければ、ステップS33で記録信号を無線USB通信で高精細テレビ1に送信し、ステップS34に移行する。高精細テレビ1ではこの記録信号に応答し、無線USB通信部112で受信した圧縮静止画信号を静止画記録部120に記録する。一方、ステップS32でその画像が既に静止画記録部120に記録済みであることが検知された場合は、何もせず(圧縮静止画信号を消去しない)ステップS34に移行する。
一方、ステップS31で「保存しない」旨の操作があったことが検知されると、ステップS35でその画像が既に静止画記録部120に記録済みかどうかがチェックされる。記録済みであれば、ステップS36で消去信号を無線USB通信で高精細テレビ1に送信し、ステップS34に移行する。高精細テレビ1ではこの消去信号に応答し、静止画記録部120から対応する圧縮静止画信号を消去する。一方、ステップS35でその画像が静止画記録部120に記録されていないことが検知された場合は、何もせず(圧縮静止画信号を記録しない)ステップS34に移行する。
以上のように、第一の実施例では、テレビ画面表示部117に表示されている画像が無線USB通信部112で新たにデジタルカメラ3から受信したものであるか又は静止画記録部120から読み出されたものであるかに拘わらず、ユーザに対し、それを高精細テレビ1に保存するのかどうかという単一の質問を行う。換言すれば、新たに画像を保存するのか又は既に保存済みの画像を保存し続けるのかを区別しない。つまり、ユーザは高精細テレビ1に現在表示されている画像の処分について過去何らかの判断をしたか否かを全く気にすることなく、それを今後のために高精細テレビ1に残したいのかどうかの最終結論について最新の単一の意思表示をするだけでよい。
なお、第一の実施例では、ステップS31の検知に応じてステップS32又はステップS35の判断をデジタルカメラ3側で行い、その判断に応じた信号をステップS33又はステップS36でデジタルカメラ3から高精細テレビ1に送信しているが、このような形態に限られるものではなく、デジタルカメラ3から高精細テレビ1へは単にステップS31の検知結果のみを送信するようにし、検知結果に基づくステップS32又はステップS35の判断は高精細テレビ1側で行うようにしてもよい。この場合、ステップS33又はステップS36における信号は当然ながら高精細テレビ1内で発生させられる。
ステップS34では、操作部312によってテレビ再生を終了する旨の操作があったかどうかをチェックし、操作があればステップS37でテレビ再生終了信号を無線USB通信にて高精細テレビ1に送信し、ステップS38でテレビ再生処理を終了して図2のステップS7に移行する。一方、ステップS34で操作テレビ再生終了操作が検知されなければ直接ステップS38に移行する。
以上のように、第一の実施例にかかるデジタルカメラ3は、動作モードが再生モードに設定され、表示部315に画像を表示した状態で、ユーザがテレビ再生操作を実行した場合には、表示部315に表示されている画像を高精細テレビ1に表示することが可能に構成されている。このため、テレビ表示の指示に際し、動作モードの切り換え操作や、表示部315の表示状態の切り換え操作などをユーザに強いることがない。従って、ユーザは、再生モードで再生している画像を見ながら、テレビ再生を希望する画像があったときに、テレビ再生の手動操作を1度だけ実行すれば足り、きわめて簡単な操作で、高精細テレビ1のテレビ画面表示部117に、デジタルカメラ3で生成した画像を表示することが可能になる。
図4は、第一の実施例にかかる高精細テレビ1の制御部113の動作を示す基本フローチャートである。フローがスタートすると、ステップS51では、高精細テレビ1の電源がオンされているかどうかを見る。オンされていなければ、元に戻り、テレビリモコン2又はデジタルカメラ3による電源オン操作を待つ。
既に電源がオンされているか又は電源オン操作があった場合は、ステップS52に進み、電源オンがデジタルカメラ3からの要求であったかどうかチェックする。このチェックは、図3のステップS24でデジタルカメラ3から送信される静止画モード信号の検知により行う。なお、このような静止画モード信号の授受を省略し、無線USB通信部112での電波信号受信で電源オンとしたのか又は赤外通信部111での赤外信号受信で電源オンとしたのかを制御部113において判別するようにしてもよい。
ステップS52で、電源オンがデジタルカメラ3からの要求に基づくものであったときはステップS53に進み、静止画表示のためのDSCモードに移行するためのDSCモード処理を行う。この処理には表示制御部116の切換えやデジタルカメラ3の表示部315に表示されている画像(高精細テレビ1での再生を指定された画像)のID信号の受信などが含まれる。
DSCモード処理が終了するとステップS54に移行し、受信した画像のID信号に基づき、静止画記録部120に指定画像が記録されているかどうかのサーチを行う。次いで、ステップS55において、ステップS54のサーチ結果に基づいて指定画像が記録されているかどうかを判定し、記録されていなければステップS56に進む。ステップS56では無線USB通信によりデジタルカメラ3から対応する圧縮静止画信号の受信を行い、受信が完了すればステップS57に移行する。
一方、ステップS55で指定画像が静止画記録部120に記録されていることが検知されればステップS58に進み、対応する圧縮静止画信号の読出しを行う。読出しが完了すれば、ステップS57に移行する。
ステップS57では無線USB通信部112又は静止画記録部120からの圧縮静止画信号の伸張を行う伸張部121の動作が完了して画像保持部121に保持されたかどうかを見ており、伸張画像の保持が完了すればステップS59に移行する。
以上のステップS53からステップS58までの処理は、図3におけるステップS27からステップS30までの処理と連携して行われる。
ステップS59では画像保持部121に保持されている画像が表示制御部116経由でテレビ画面表示部117に表示される。つまり、図2のステップS3でデジタルカメラ3の表示部315に表示される静止画を見たユーザが、テレビ再生を意図して操作部312を操作したことがステップS5で検知されると、後は自動的に図4のステップS59に至り、高精細テレビ1のテレビ画面表示部117に該当する静止画が表示されることになる。
ステップS59での静止画表示が行われると、ステップS60のテレビ側保存処理に移行する。この処理は、図3のステップS31からステップS33、ステップS35およびステップS36と連携して行われるものであり、その詳細は後述する。このステップS60の処理が完了するとステップS61に移行する。
ステップS61ではデジタルカメラ3による次画像の指定を待ち、指定があればステップS54に戻って次画像についてステップS54からステップS60の手順を適用する。このようにして、ステップS59でテレビ画面表示部117に表示される画像が次画像に置き換わる。以下、ステップS61に来る毎に、次画像の指定が行われていれば次々に新しい画像をテレビ再生することが可能になる。このステップS61に関連する処理は、図2におけるステップS7やステップS9の処理と連携して行われる。
ステップS61において次画像の指定がなかったときはステップS62に進み、デジタルカメラ3からの静止画のテレビ再生が終了したかどうかがチェックされる。図2のステップS11におけるモード切換え、又は図2のステップS16で送信されるテレビ再生終了信号、又は図3のステップS37で送信されるテレビ再生終了信号が制御部113で検知されるとデジタルカメラ3からの静止画のテレビ再生が終了したものと判断される。
ステップS62において、デジタルカメラ3から静止画のテレビ再生の終了を要求する信号を受信したか否か、即ち操作者が静止画テレビ再生を終了してテレビ放送を視聴するために、操作部312を操作したか否か、又は放送受信部114によって津波警報、地震警報などの緊急放送を受信したか否かに応じて、静止画のテレビ再生の終了を判断してもよい。緊急放送の検出は、放送受信部114で受信されたテレビ放送信号の中に緊急情報であることを示すコードが含まれているか否かを判断することによって行うことができる。特に、緊急放送の場合には、緊急を要するので、ステップS62に限らず、全てのステップで常に緊急放送の検出を行うようにし、たとえ圧縮静止画像信号をデジタルカメラ3から受信中であっても、切り換え操作を伴うことなく自動的に緊急放送の表示に切り換える構成とすることが望ましい。この際に、デジタルカメラ3からの圧縮静止画像信号の受信動作は、必ずしも中断させる必要はなく、継続させることもできる。
ステップS62においてデジタルカメラ3からの静止画のテレビ再生が終了したものと判断されるとステップS63に移行し、DSCモード終了処理を行う。この処理には表示制御部116の切換えなどが含まれる。
DSCモード処理が終了するとステップS64に移行し、テレビリモコン2の操作部202による高精細テレビ1の電源オフ操作が行われたかどうかをチェックする。電源オフ操作が行われたときはステップS51に戻り、電源オン操作を待って待機する。
ここでステップS62の説明に戻る。ステップS62においてデジタルカメラ3からの静止画のテレビ再生が終了したことの検知がなかったときはステップS65に進み、操作部312によるデジタルカメラ3の電源オフ操作がなかったかどうかチェックする。そして電源オフ操作があった場合もデジタルカメラ3からの静止画のテレビ再生が終了したことに相当するからステップS63に移行する。一方、デジタルカメラ3の電源オフがなかった場合はステップS59に戻り、テレビ画面表示部117による静止画の表示を継続する。
次に、ステップS52の説明に戻る。ステップS52で、電源オンがデジタルカメラ3からの要求に基づくものでなかったときは、テレビリモコン2の操作部202による高精細テレビ1の通常の電源オンであるからステップS66に移行する。ステップS66では、通常の放送受信を実行すべく放送モードの処理を行い、ステップS67で、操作部202による高精細テレビ1の電源オフ操作が行われたかどうかをチェックする。電源オフ操作が行われたときはステップS51に戻り、電源オン操作を待って待機する。
一方、ステップS67で電源オフ操作を検知しないときは、ステップS68に進み、デジタルカメラ3から静止画再生の要求がないかチェックする。具体的には、図3のステップS26において送信される静止画モード切換信号の受信の有無をチェックする。ステップS68においてデジタルカメラ3からの静止画再生の要求がない場合はステップS66に戻り、以下ステップS66からステップS68を繰り返し、高精細テレビ1の電源オフ操作、又はデジタルカメラ3からの静止画再生の要求に備える。なお、ステップS64において、操作部202による高精細テレビ1の電源オフ操作が検知されなかったときはステップS68に移行し、ステップS66からステップS68の繰り返しループに入る。
ステップS68においてデジタルカメラ3からの静止画再生の要求があった場合は、上記ループを抜け、直ちにステップS53に移行して静止画表示のためのDSCモードに移行するためのDSCモード処理を行い、ステップS54からステップ58の処理を経て、デジタルカメラ3からの静止画をテレビ画面表示部117に表示する。高精細テレビ1の動作モードをDSCモードに切り換え、デジタルカメラ3からの静止画をテレビ画面表示部117に表示するに際しては、実際に、画像をテレビ画面表示部117に表示するまでにある程度の時間を要するため、それまでの間は、放送受信部114で受信される放送番組をテレビ画面表示部117に表示するようにしてもよい。
このように第一の実施例では、高精細テレビ1は、テレビリモコン2からの指示によって高精細テレビ1が起動されたときには、放送番組を表示可能な放送モードに設定され、デジタルカメラ3からの要求によって高精細テレビ1が起動されたときには、静止画像を表示可能なDSCモードに設定されるように構成されている。このため、ユーザの要望に応じた動作モードに設定された状態で高精細テレビ1を起動することができ、高精細テレビ1を起動した後に、ユーザ自らが高精細テレビ1の動作モードを切換えなくても、高精細テレビ1の起動後、速やかに、テレビ画面表示部117にユーザが要求する画像を表示することが可能になる。
図5は、図2のステップS6におけるテレビ再生処理の詳細の他の実施例を示すフローチャートである。図3では、一つの画像について、送信又は読出し、そして記録又は消去という一連の処分が完了しないと次画像のテレビ再生に移行しないフローとなっている。これに対し、図5は、一つの画像信号の処分と他の画像信号の送信が併行して行われるフローとなっている。図3のフローと図5のフローを実行するための機能は、両方とも一つのデジタルカメラに搭載され、どちらのフローで処理を行うかのモード選択が可能なように構成することができる。
図5は、ステップS72のバックグラウンド処理開始が挿入されていることを除き、図3と同じである。具体的に述べると、図5のステップ71は図3のステップS21からステップS26と同一であり、これらを準備処理としてまとめたものである。ステップS72はこれらの処理の後におかれるもので、ステップS27以降の処理のバックグラウンドで併行して実行されるバックグラウンド処理の開始を指示するものである。
以下のステップS27からステップS30は図3と同一のものであって同一のステップ番号を付している。その説明は省略する。またステップS73は図3のステップS31からステップS33およびステップS35、ステップS36と同一であり、これらを保存処理としてまとめたものである。さらに以下のステップS34、ステップS37およびステップS38は図3と同一のものであって同一のステップ番号を付している。その説明は省略する。
図6は、図5のステップS72で開始が指示されたバックグラウンド処理の内容を示すフローチャートである。バックグラウンド処理がスタートすると、ステップS81で無線USB通信が可能かどうかがチェックされる。可能であれば、ステップS82に進み、デジタルカメラ3の記録部317の記録内容と高精細テレビ1の静止画記録部120の記録内容とが比較されて、記録部317にあって静止画記録部120にない圧縮静止画信号が未送信画像として検出される。このとき、一度送信したが静止画記録部120に保存されなかったもの、および一度静止画記録部120に記録されたがその後消去されたものは未送信画像から除かれる。なお、消去されたものを未送信画像から除く代わりにこれらの画像の優先度を低くし、送信順序を後回しにするようにしてもよい。また、そのいずれにするかを予め設定可能としておいてもよい。
未送信画像が一つ検出されるとステップS83に進み、対応する圧縮静止画信号がデジタルカメラ3の記録部317から読み出されて、無線USB通信によって高精細テレビ1に送信され、高精細テレビ1の静止画記録部120に記録される。一つの画像の送信が終わるとステップS84に進み、図2のステップS16や図3のステップS37のテレビ再生終了信号が送信されたかどうかをチェックする。送信がなければ、ステップS85に進み、図2のステップS11で記録モードへのモード切換えが検知されたかどうかをチェックする。検知がなければ、ステップS81に戻り、無線USB通信が可能かどうかをチェックした後、ステップS82で未送信画像が他にないかチェックする。以下このループが繰り返される。
ステップS82で未送信画像がなくなればステップS86に移行してバックグラウンド処理を終了する。また、仮に未送信画像がまだあったとしても、ステップS81で無線USB通信が不能になった場合、又はステップS84でテレビ再生終了信号の送信が検知された場合、又はステップS85で記録モードへのモード切換えが検知された場合は、ステップS86に移行して直ちにバックグラウンド処理を終了する。
このようなバックグラウンド処理がなければ、図2のステップS7又はステップS9でテレビ再生すべき新たな静止画像を指定したとき、対応する圧縮静止画信号が未送信であればその送信完了まで高精細テレビ1での表示を待たなければならない。バックグラウンド処理は、図2のステップS5でひとたび何らかの画像のテレビ再生が指示されたときは、他の画像のテレビ再生も行われる可能性が高いと見做して、未送信画像については指定を待たずに次々に高精細テレビ1に圧縮静止画信号を送信しておくものである。これによって、指定があったときには直ちに画像信号を静止画記録部120から読出すことができ、指定された画像を速やかにテレビ画面表示部117に表示することが可能になる。
図5のステップS72におけるバックグラウンド処理の開始を指示するステップは、さらに図2のステップS2とステップS3の間に挿入することもできる。これによって、図2のステップS2において再生モード設定が検知されたときは直ちに図6のバックグラウンド処理が開始される。つまり、デジタルカメラ3が高精細テレビ1の無線USB通信圏内において再生モードに設定されたときはテレビ再生が行われる可能性があると想定し、未送信画像についてはテレビ再生の指定を待たずに次々に高精細テレビ1に圧縮静止画信号を送信しておくものである。これによって、テレビ再生の指定があったときには直ちに画像信号を静止画記録部120から読出すことができ、指定された画像を速やかにテレビ画面表示部117に表示することが可能になる。また、送信直後にテレビ再生の指示がなかったとしても、後日のテレビ再生指示に備えることができる。
図7は、図4のステップS68の前後に挿入することができる処理のフローチャートである。このフローチャートは、放送モード中にデジタルカメラ3から静止画の再生要求があった場合、図4のステップS68からステップS53に移行する前に行うことができる処理に関する。また、図4のステップS63のDSCモード終了処理からステップS64を経てステップS68に至り、ステップS66からステップS68の放送モードの繰り返しループに移行する際に行うことができる処理に関する。
図7において、図4と同じステップには同じステップ番号を付し、説明は省略する。またステップS91は、図4のステップS54からステップS62およびステップS65と同じで、これらを静止画表示処理としてまとめたものである。
図7が図4と異なる第一点は、ステップS68において放送モード中にデジタルカメラ3から静止画の再生要求があってステップS53に移行する前にステップS92からステップS94の処理が挿入されていることである。
ステップS92は、ステップS68においてデジタルカメラ3から静止画の再生要求があったときに直ちに放送表示を中断してよいかどうかをチェックする。具体的には、コマーシャルの時間帯や番組の切れ目など放送表示を中断しても差し支えない時間帯かどうかをチェックし、中断可能な時間帯でなければステップS93に移行し、テレビ画面表示部117に、放送番組の表示を中断してもよいかどうかを問い合わせる確認メッセージを出す。次いでステップS94に移行し、所定時間内にユーザが中断許可操作をしたかどうかをチェックする。
ここで、番組の切れ目についての情報は、例えばテレビ画面表示部117で表示されている番組が終了する時間情報(放送時間情報)である。この情報は、電子番組情報(EPG)から得ることができる。また、視聴しようとする番組が試聴予約されている場合には、視聴予約された番組の予約時間情報から番組の切れ目(中断可能な時間帯)の情報を得ることができる。
ステップS94において、デジタルカメラ3の操作部312を用いて中断しない旨の指示が出された場合、あるいは、確認メッセージを表示してから所定時間が経過しても何らの応答がなかった場合には、ステップS66に戻り放送モードを継続する。逆に、所定時間内にデジタルカメラ3の操作部312を操作して、中断を許可する指示がステップS94で検出された場合は、ステップS95に進む。
ここで、ステップS92において、前述の緊急放送の検出を行い、テレビ画面表示部117で、緊急放送を表示している場合には、即座に放送中断を不可と判断し、ステップS93、S94をとばしてステップS66に戻る構成としてもよい。
これに対して、ステップS92において、中断可能な時間帯であるか又は確認メッセージに応えて操作部312から中断してよい旨の指示が出された場合には、ステップS95に移行する。
ステップS95では、放送表示を中断するにあたり中断中の番組を録画しておく必要があるかどうかの問い合わせメッセージをテレビ画面表示部117に出す。問い合わせメッセージに応えて操作部312から録画が必要である旨の指示が出されると、ステップS96に移行し、バックグラウンドで追っかけ再生に必要な録画を開始する処理をした後、ステップS53に移行する。問い合わせメッセージを出してから所定時間が経過しても何らの応答がなければ、録画不要と判断して直接ステップS53に移行する。ここで、追っかけ再生処理とは、受信している放送番組を録画しながら、通常の再生速度よりも早い速度で、録画した放送番組を再生する処理である。
なお、ステップS68において、デジタルカメラ3からの静止画の再生要求があったときに、ステップS92、S95の判断処理を実行することなく、自動的にステップS96の録画処理を開始し、ステップS53の処理に移行するように構成することもできる。
図7が図4と異なる第二点は、ステップS63のDSCモード終了処理からステップS64を経てステップS68に移行する前にステップS97およびステップS98の処理が挿入されていることである。
ステップS97では、前回の放送モード時にステップS96で開始された録画が存在するかどうかのチェックを行う。録画がなければ、直接ステップS68に移行する。そして、ステップS68でのデジタルカメラ3からの静止画の再生要求がない限りステップS66に移行し、以下通常放送受信のループが繰り返される。一方、ステップS97で録画があればステップS98に移行して録画に基づく追っかけ再生を開始する。追っかけ再生の結果、再生内容がリアルタイムの放送番組に追いつけば、再生を完了してステップS68に移行する。そして、ステップS68でのデジタルカメラ3からの静止画の再生要求がない限り、ステップS66に移行し、以下通常放送受信のループが繰り返される。
以上のように、図7は、放送番組鑑賞中の静止画表示要求に配慮したフローとなっており、不用意な静止画表示が番組中に割り込むことがないようにするとともに、緊急に静止画を見たいときには放送番組の情報が失われないようにしている。
ここで、例えば、放送受信部114で受信される信号の視聴と録画動作とが同時に行われるような場合には、図7のステップS68で、デジタルカメラ3からの静止画再生要求があった際に、即座にステップS53のDSCモード処理に移行するように構成することも可能である。
この動作を実現するためには、図7のステップS68とステップS92との間に、放送受信部114で受信されている信号を、テレビ画面表示部117に表示させる動作と、放送受信部114で受信されている信号の放送記録部119への録画動作とが並行して行われているか否かを判定するステップを挿入する。
この判定ステップで、放送受信部114で受信されている信号を、テレビ画面表示部117に表示させる動作と、上述の録画動作とが並行して行われていないと判定された場合には、ステップS92に移行し、放送受信部114で受信されている信号を、テレビ画面表示部117に表示させる動作と、上述の録画動作とが並行して行われていると判定(肯定判定)された場合には、ステップS95、S96をスキップして、ステップS53に移行する。
なお、上記のステップS68とステップS92との間に挿入された判定ステップが肯定判定された場合には、DSCモードから放送モードへの次回移行時のステップS98において、録画された放送番組を再生させる。
この際に、次回のDSCモードから放送モードへの移行時に、前回の放送モードで開始された録画動作が継続されている場合には、録画動作を継続しつつ、ステップS98で、前述の追っかけ再生と同様の再生動作を行う。
上記のような構成とすることにより、例えば、放送受信部114で受信される信号の視聴と録画が予め予約されるなどして、視聴と録画動作が同時に行われている際に、デジタルカメラ3からの静止画再生要求があった場合には、ユーザの判断処理を伴うことなく即座にDSCモード処理に移行することができる。
さらに、図7のステップS97、S98の判断は、放送記録部119への記録が許可されている放送番組であるか否かを判断するステップに置き換えることができる。
放送番組は、著作権の関係から記録(録画)の回数が制限されることがある。放送受信部114で受信された放送番組が、既に所定回数の記録(複写)処理が行われたコンテンツであった場合には、放送記録部119への記録を行わない。従って、このような場合には、ステップS68でデジタルカメラ3からの静止画の再生要求があった場合でも、ステップS92の放送中断可否判断を否定判定して、放送受信部114で受信している放送番組をテレビ画面表示部117で表示し続け、当該放送番組の終了後に、ステップS92の肯定判定を許容する構成とすることが好ましい。
図8は、本発明の第二の実施例のシステムブロック図であり、高精細テレビ1、高精細テレビ1に付属しているテレビリモコン2、およびデジタルカメラ3を含む点では、第一の実施例と共通である。さらに、デジタルカメラ3がテレビリモコン1とともに高精細テレビ1のリモコン機能を有している点も共通である。従って、図8においては、第一の実施例と共通のブロックには同じ番号を付し、その説明を省略する。
図8の第二の実施例が図1の第一実施例と異なるのは、リモコン信号の通信システムである。第一の実施例では、テレビリモコン2と高精細テレビ1の間のリモコン信号は赤外線通信によって行われ、デジタルカメラ3と高精細テレビ1の間のリモコン信号は無線USB通信で行われていて、リモコン通信に関する限り両者の通信システムは異なっている。これに対し、第二の実施例では、テレビリモコン2およびデジタルカメラ3からのリモコン信号は共通の通信システムによって行われている。具体的には、ZigBeeなどの電波を用いた双方向低速デジタル通信システムが利用されている。
図8において、ユーザによるテレビリモコン2の操作部202の操作が制御部201で検知されると、双方向低速デジタル通信部250から高精細テレビ1の双方向低速デジタル通信部150に、リモコン操作のための電波信号が送られる。一方、デジタルカメラ3にも双方向低速デジタル通信部350が設けられており、ユーザによる操作部312の操作を制御部311が検知すると、双方向低速デジタル通信部350から高精細テレビ1の双方向デジタル通信部150に、リモコン操作のための電波信号が送られる。このように、第二の実施例においては、テレビリモコン2からの指示を受ける無線通信部と、デジタルカメラ3からの指示を受ける無線通信部が共通の双方向低速デジタル通信部150として構成されている。なお、第二の実施例の画像信号のやり取りは、より高速の通信が可能な無線USB通信部313と無線USB通信部112の間で行われる。
双方向低速デジタル通信部150等は、それぞれどの相手とどのような信号をやり取りしたかが識別可能であり、第二の実施例においても、図2から図7の各フローチャートの機能を実行可能である。例えば、制御部113は、図4のステップS52において、電源オンがデジタルカメラ3又はテレビリモコン2のいずれからの要求であったか識別できる。
図9は、図4又は、図7のステップS62におけるDSCモード終了処理の詳細を示すフローチャートであり、第一、第二の実施例のいずれにも適用可能なものである。DSCモード終了処理がスタートすると、ステップS101にて表示制御部切換え信号を発生する。これによって、表示制御部116は、画像保持部121を選択している状態から録画再生処理部115を選択している状態に切換わる。
次に、ステップS102に進み、図3のステップS24によって発生される静止画モード信号を受信した履歴があるかどうかをチェックする。履歴があれば高精細テレビ1はデジタルカメラ3の要求に従って電源オンされたわけであるからステップS103に進む。
ステップS103では、ステップS101の処理が実行されて表示制御部116の表示状態が切り換えられた場合を除き、デジタルカメラ3が電源オンされた後に、表示制御部116の表示状態が切換えられた履歴があるかどうかをチェックする。履歴がなければ、ステップS104に進み、テレビ電源をオフする。その理由としては、高精細テレビ1はデジタルカメラ3の要求に従って電源オンされたまま一度も放送鑑賞状態になっていないわけであるから、DSCモード終了に伴ってテレビ電源も自動的にオフすることが適当だからである。ステップS104でテレビ電源がオフされれば、図4のステップS51に戻ってテレビ電源のオン操作に備える。
一方、ステップS102で静止画モード信号を受信した履歴がなければ、高精細テレビ1は当初テレビリモコン2の要求に従って放送番組を鑑賞すべく電源オンされていたわけであるから、高精細テレビ1の動作モードを放送モードに切換え、図4又は図7のステップS64に移行し、テレビリモコン2の操作部202による高精細テレビ1の電源オフ操作が行われたかどうかのチェックに入る。
また、ステップS103において、デジタルカメラ3が電源オンされた後に表示制御部116を切換えた履歴があった場合、静止画表示の前に放送番組を鑑賞していたことを意味するから、この場合も、高精細テレビ1の動作モードを放送モードに切換えた後に、ステップS64に移行し、テレビリモコン2の操作部202による高精細テレビ1の電源オフ操作が行われたかどうかのチェックに入る。
このように本実施例では、高精細テレビ1は、デジタルカメラ3から静止画表示を終了する旨の指示を受けたときに、デジタルカメラ3からの要求によって高精細テレビ1が起動された履歴があるか否かを判定し、履歴がない場合には、動作モードを放送モードに切り換えるように構成されている。このため、ユーザ自らが高精細テレビ1の動作モードを切換えなくても、デジタルカメラ3で撮影された静止画の表示が終了した後には、直ちに、放送番組を表示することが可能になる。
また、本実施例にかかる高精細テレビ1は、デジタルカメラ3からの要求によって高精細テレビ1が起動された履歴があるときには、さらに、高精細テレビ1が起動された後に、放送番組を表示した履歴があるか否かを判定し、履歴がない場合には、自動的に自らの電源をオフするように構成されている。このため、ユーザに求める操作を少なくすることができると同時に、高精細テレビ1の消し忘れを防止することが可能になる。
図10は、図4のステップS60におけるテレビ側保存処理の詳細を示すフローチャートであり、第一の実施例および第二の実施例のいずれにも適用可能なものである。テレビ側保存処理がスタートすると、ステップS111において、図3のステップS33でデジタルカメラ3から送信される記録信号が高精細テレビ1で受信されていないかどうかチェックする。受信されていればステップS112に進み、図3のステップS28で受信された圧縮画像信号を静止画記録部120に記録し、テレビ側保存処理を終了する。
一方、ステップS111において記録信号が受信されていなければ、ステップS113に進み、図3のステップS36でデジタルカメラ3から送信される消去信号が高精細テレビ1で受信されていないかどうかチェックする。受信されていればステップS114に進み、図3のステップS30で読み出された圧縮画像信号を静止画記録部120から消去し、テレビ側保存処理を終了する。ステップS113において消去信号が受信されていなければ何もせず、テレビ側保存処理を終了する。
図11は、図2のフローチャートに一部機能を追加したフローチャートであり、第一、第二の実施例のいずれにも適用可能なものである。図2と共通のステップには同一のステップ番号を付し、その説明は省略する。また、図11のステップS121は、図2のステップS3からステップS9と同一のフローであり、一画像表示処理としてまとめている。
図11に追加されている機能は、画像の一括送信モードであり、このモードを選ぶためのステップS122が図2のステップS2とステップS3の間に挿入されている。デジタルカメラ3の操作部312による一括送信モードの選択が検知されない場合は、一画像表示モードなのでステップS121(図2のステップ3)に移行し、以下、図2と全く同様の機能を実行する。
一方、デジタルカメラ3の操作部312によって一括送信モードが選択されたことが検知されたときには、ステップS123に移行し、高精細テレビ1との交信を試みて、無線USBによる通信が可能な環境であるかどうかをチェックする。ステップS123において無線USB通信が不能と判断されたときは、ステップS10に移行し、この場合は結果的に図2と同様の機能の実行しかできない。
これに対し、ステップS123において無線USB通信が可能と判断されたときはステップS124の表示対象選択操作に進む。ステップS124では、表示部315に再生表示される画像を見ながらテレビ再生すべき画像を操作部312で選択していく。この選択は、表示部315にサムネイルを一覧表示し、操作部312の操作でカーソルを移動させながら、テレビ再生すべき画像のサムネイルに一つずつマークを付けていくことによって行う。なお、マークを付ける際、サムネイルをクリックして対応する画像を一画像再生状態にして拡大確認することも可能である。また、サムネイル一覧表示によらず、一画像再生状態で順に画像送りしながらテレビ再生すべき画像を選択していくことも可能である。
表示対象選択操作が終わると、ステップS125に移行し、表示対象サムネイルを表示部315に表示し、ステップS126に進む。ステップS126では、表示部315に再生表示されているサムネイルに対応する画像を高精細テレビ1上で再生するための一括送信開始操作が操作部312で行われたかチェックする。操作が行われたときはステップS127に進み高精細テレビ1との交信によりテレビ再生処理を行う。その詳細については後述する。一方、ステップS126において一括送信開始操作が検出されなかったときは、ユーザによる表示対象選択操作続行中と判断して、ステップS124に戻る。そしてステップS126において一括送信開始操作が検出されるまでステップS124からステップS126までのループを繰り返す。
図12は、図11のステップS127におけるテレビ再生処理の詳細を示すフローチャートである。図12は基本的には図3のフローチャートと共通なので、同じステップには同じステップ番号を付し、その説明は省略する。
テレビ再生処理がスタートすると、ステップS131で前処理を行う。この前処理は、図3のステップS21からステップS26と同じものでこれらをまとめたものである。ステップS131を終了する(図3では、ステップS26までの実行完了する)とステップS132に移行し、図11のステップS126における一括送信開始指示の対象となり、ステップS125で表示部315に表示されたサムネイルの中から一つの画像を自動選択する。そして、この自動選択された一つの画像についてステップS133のチェックを行う。これは図3のステップS27と同様の処理であり、その画像が既に高精細テレビ1に送信済みでその静止画記録部120に保存されているかどうかをチェックするものである。このチェック結果に基づく処理は、図3と同様であり、ステップS28又はステップS30を実行してステップS134に至る。
ステップS134では、一括送信開始指示の対象となったサムネイルに対応する画像の中で、ステップS132からステップS133を経て、ステップS28又はステップS30の処理を未だ行っていない画像があるかどうかをチェックする。そしてこのような未処理画像があれば、ステップS132に戻り、一括送信開始指示の対象となったサムネイルの中から他の一つの画像を自動選択する。そして、未処理画像がある限り、ステップS132からステップS133を経て、ステップS28又はステップS30の処理に至るループを繰り返す。このようにして、一括送信開始指示の対象となったサムネイルに対応する画像の全てについて、個別にステップS28又はステップS30の処理を実行する。
ステップS134で未処理画像がなくなれば、ステップS135に至り、再生対象サムネイルをテレビ画面表示部117に表示してステップS136に移行する。このようにして、ステップS135では、デジタルカメラ3の表示部315に表示されて一括送信開始指示の対象となったサムネイルと同じサムネイルがテレビ画面表示部117に表示されることになる。
ステップS136では、テレビ画面表示部117に表示されているサムネイル中の一つの画像を選択する操作がデジタルカメラ3の操作部312で行われたかどうかをチェックする。そして、画像の選択があればステップS29に移行する。一つの画像が選択された後の処理、すなわちステップS29以降、ステップS31からステップS33、ステップS35およびステップS36の処理は図3と共通なので説明は省略する。
ステップS137は、図3と共通のステップS34の前に挿入されているステップである。その目的は、一括送信開始指示の対象となったサムネイルに対応する画像の中で、ステップS136からステップS29、ステップS31を経て、ステップS32、ステップS33、又はステップS35、ステップS36の処理を行っていない再生対象画像がまだ残っているかどうかをチェックすることにある。そして、これらの処理を行っていない再生対象画像が残っていればステップS136に戻り、未処理画像が残っている限り、これらの処理のループを繰り返す。このようにして、一括送信開始指示の対象となったサムネイルに対応する画像の全てについて、個別にステップS31を経てステップS32、ステップS33又はステップS35、ステップS36の処理を実行する。ステップS137で未処理画像が残っていなければ、ステップS34に至り、以下、図3と同様の処理となる。
このように、第二の実施例においては、デジタルカメラ2は、ユーザによって選択された複数の画像をサムネイル表示し、サムネイル表示した全ての画像の圧縮画像信号を一括的に高精細テレビ1に送信するように構成されている。このため、ユーザは、選択した複数の画像のそれぞれについて、送信処理を実行する必要がなく、選択した画像がサムネイル表示された時点で、送信する旨の手動操作を1度だけ実行するのみで、高精細テレビ1での表示を希望した複数の画像をまとめて送信することができる。従って、送信操作を簡素化することが可能になり、また、テレビ画面表示部117の表示画像を切換える際の待ち時間を短縮することも可能になる。
図13は、本発明の第三の実施例のシステムブロック図であり、高精細テレビ1、およびデジタルカメラ3を含む点では、第一の実施例又は第二の実施例と共通である。但し、リモコンについては、高精細テレビ1およびデジタルカメラ3の双方を制御する統括リモコン4となっている。また、リモコンの通信システムは図8の第二の実施例と同様、電波を用いた双方向低速デジタル通信システムが利用されている。その他の点については共通なので、図13においては、第一の実施例又は第二の実施例と共通のブロックには同じ番号を付し、その説明を省略する。
図13の第三の実施例が第一の実施例や第二の実施例と異なるのは、デジタルカメラ3が、基本的には高精細テレビ1のリモコン機能を持たず、デジタルカメラ3の静止画を高精細テレビ1で表示する際のリモコン操作が統括リモコン4で行われる点である。統括リモコン4の操作部402で行われた指示は制御部401で検知され、その指示が双方向低速デジタル通信部460から高精細テレビ1の双方向低速デジタル通信部160に伝えられる。統括リモコン4からデジタルカメラ3への指示は、通常、双方向デジタル通信部460から高精細テレビ1の双方向デジタル通信部160経由でデジタルカメラ3の双方向低速デジタル通信部360に伝えられる。その際、双方向デジタル通信部460からの指示そのままの中継だけでなく、双方向デジタル通信部160が検知したデジタルカメラ3への指示に対して高精細テレビ1の制御部170が判断や加工を付加し、その上で双方向低速デジタル通信部160からデジタルカメラ3の双方向低速デジタル通信部360に伝える場合もある。また、双方向デジタル通信部160が検知したデジタルカメラ3への指示を高精細テレビ1の制御部170が判断し、高精細テレビ1の無線USB通信部112とデジタルカメラ3の無線USB通信部313の間で交信を行う場合もある。なお、統括リモコン4からデジタルカメラ3への指示は、上記のように高精細テレビ1が中継する場合の他、その必要がない場合には、双方向低速デジタル通信部460と双方向低速デジタル通信部360との間で直接行うことも可能である。
第三の実施例における画像信号のやり取りについては、第一の実施例や第二の実施例と同様、デジタルカメラ3の無線USB通信部313と高精細テレビ1の無線USB通信部112の間で行われる。しかしながら、画像通信の実行は第一の実施例や第二の実施例のようにデジタルカメラ3の操作部312の指示によるものではない。第三の実施例では、これに代えて、画像通信の実行は、高精細テレビ1の主電源がオンされている条件下でデジタルカメラ3が高精細テレビ1の通信圏内に入り、通信が可能な状況になったとき自動的に開始されるか、又は、統括リモコン4からの指示があったときに開始される。いずれにしても、例えばユーザが帰宅してデジタルカメラ3を高精細テレビ1の通信圏内に置けば、たとえデジタルカメラ3がユーザのバッグの中に入ったままで、デジタルカメラ3に対し何らの操作を行わない場合あっても、その画像をテレビ画面で鑑賞することができる。
なお、デジタルカメラ3と高精細テレビ1の通信は直接行われる場合に限らず、家庭内が無線LAN等の無線通信可能な環境にあれば、無線LANを統括するサーバを介して通信を行うようにしてもよい。このことは第一の実施例や第二の実施例でも同様であり、これらの実施例においても、デジタルカメラ3と高精細テレビ1の通信は無線USBに限らず、無線LANであってもよく、また、直接通信に限らず、サーバ等の他の機器を経由するものであってよい。
図14は、第三の実施例において、デジタルカメラが複数ある場合のシステムブロック図である。統括リモコン4は図13と同じものであり、図示も共通である。また、高精細テレビ1は、ブロックの一部の図示を省略しているが、図13の高精細テレビ1と全く同じ構成である。さらに、デジタルカメラ3も、図13のデジタルカメラ3と全く同じ構成であり、ブロックの一部の図示を省略している。但し、複数のデジタルカメラを区別するため、図14のデジタルカメラ3のブロックには「DSC1」という名称を付している。「DSC2」という名称を付したデジタルカメラ5は、構成的にはデジタルカメラ3と同じものであり、ブロックの一部の図示を省略している。以下、図示は省略したが、図14には、「DSC3」、「DSC4」等、さらに他のデジタルカメラが存在してもよい。
統括リモコン4の双方向低速デジタル通信部460は、高精細テレビ1の双方向低速デジタル通信部160と交信可能である他、デジタルカメラ3の双方向低速デジタル通信部360、デジタルカメラ5の双方向低速デジタル通信部560、および他のデジタルカメラの双方向低速デジタル通信部と交信可能である。また、高精細テレビ1の無線USB通信部112は、デジタルカメラ3の無線USB通信部313と交信可能である他、デジタルカメラ5の無線USB通信部513、および他のデジタルカメラの無線USB通信部と交信可能である。
以上のようにして、図14のシステムのごとく高精細テレビ1の通信圏内に複数のデジタルカメラが存在する場合には、統括リモコン4の操作によりこれら複数のデジタルカメラの画像を種々の形で高精細テレビ1にて再生することが可能となる。
図15は、図13の第三の実施例におけるデジタルカメラ3の制御部370の機能を示す基本フローチャートである。このフローチャートは図14に示したデジタルカメラ5の制御部570の機能、さらには、その他のデジタルカメラの制御部の機能にも適用される。
図15のフローがスタートすると、ステップS141では、デジタルカメラ3の電源が操作部380の操作によってオンされているかどうかをチェックする。オンされたことが検知されればステップS142に移行し、操作部380の操作に従って通常DSC機能を実行する。そしてステップS143にて操作部380による電源オフ操作が検知されない限り、ステップS142とステップS143のループを繰り返す。また、ステップS143で電源オフ操作が検知されるとステップS141に戻る。
ステップS141で操作部380の操作による電源オン操作が検知されない場合はステップS144に進む。デジタルカメラ3は、テレビ表示について予め自動モード又はリモコン起動モードのいずれかに設定されている。この設定は、操作部380によって行われる。ステップS144ではこの設定が自動モードかどうかがチェックされており、自動モードでなければリモコン起動モードなのでステップS145に進む。ステップS145では、統括リモコン4の双方向低速デジタル通信部460からのリモコン起動信号がデジタルカメラ3の双方向低速デジタル通信部360に受信されたかどうかをチェックする。なお、統括リモコン4の制御部401は、高精細テレビ1とデジタルカメラ3との間の無線USB通信が可能かどうかをチェックしており、無線USB通信可能な条件下でデジタルカメラ3の画像を高精細テレビ1で再生する旨の操作が操作部402で行われたことを検知すると、双方向低速デジタル通信部からデジタルカメラ3にリモコン起動信号を発信する。ステップS145ではこのようなリモコン起動信号の受信の有無をチェックするわけである。なお、無線USB通信が不可能な条件下でデジタルカメラ3からの画像送信を要求するような操作が、統括リモコン4の操作部402で行われた場合は、その旨の警告が高精細テレビ1のテレビ画面表示部117に表示される。これについては高精細テレビ1の制御部170の機能として後述する。
ステップS145でリモコン起動信号の受信が検知されない場合はステップS141に戻るが、リモコン起動信号の受信が検知された場合は、ステップS146に移行してデジタルカメラ3の電源をオンする。次にステップS147で、以後デジタルカメラ3の操作部380の操作があってもこれを無効化する処理をする。これは、デジタルカメラ3が統括リモコン4の指示によって電源オンされている状態において、デジタルカメラ3の操作部380によって統括リモコン4の指示に矛盾するか又はこれを阻害する操作が行われないようにするためである。
なお、上記では、リモコン起動信号による電源オンであることをデジタルカメラ3自身の制御部370で判断してステップS147で無効化処理を行っているが、本発明の実施の形態はこれに限られるものではない。例えば、上記に代えて、高精細テレビ1側でDSC操作部無効化信号を作り、これをリモコン起動信号に続けてデジタルカメラ3に送信し、ステップS147ではこのような高精細テレビ1からの信号に応答してDSC操作部操作無効化の処理を行うよう構成してもよい。
ステップS147の処理が済むとステップS148に進み、デジタルカメラ3の記録部317に高精細テレビ1で再生表示してよい画像が記録されているかどうかチェックする。デジタルカメラ3は操作部380の操作によって、そのデジタルカメラによって撮影された全画像についてテレビでの表示を禁止するよう予め設定しておくことができる。また、画像毎にテレビでの表示を禁止するよう設定しておくこともできる。これは、統括リモコン4の操作によってデジタルカメラ3のユーザのプライバシーが侵害されるのを防止するためである。ステップS148でデジタルカメラの全画像のテレビ表示が禁止されているか、又は個別の設定においてテレビ表示してよい画像が存在しないことを検知した場合は、直ちにステップS149に移行してデジタルカメラ3の電源を自動的にオフし、ステップS141に戻る。
一方、ステップS148においてテレビ表示してよい画像があった場合はステップS150で表示可能な画像のサムネイル表示が統括リモコン4で要求されたかどうかをチェックする。そして、その旨の要求があればステップS151でサムネイル情報を送信し、ステップS152に移行する。サムネイル要求がなければ直接ステップS152に進む。
ステップS152では、表示可能な画像のいずれかが統括リモコン4で指定されたかどうかをチェックする。そして、指定があればステップS153で指定画像の圧縮静止画信号を送信し、ステップS154に移行する。画像の指定がなければ直接ステップS154に進む。
ステップS154では、統括リモコン4からのデジタルカメラ3の電源をオフする指示が受信されたかどうかをチェックする。電源オフの指示があればステップS149でデジタルカメラ3の電源をオフした後、ステップS141に戻る。電源オフの指示がなければ、ステップS150に戻り、以下、ステップS150からステップS154のループを繰り返す。
以上がリモコン起動モードの動作であるが、次に自動モードの動作について説明する。ステップS144においてデジタルカメラ3が自動モードに設定されていることが検知されたときは、ステップS155において、デジタルカメラ3が、無線USB通信可能な環境下にあるかどうかをチェックする。通信可能な環境下にない場合はステップS141に戻るが、通信可能な環境下にある場合はステップS156に進み、圏外履歴がデジタルカメラ3の制御部370に記録されているかどうかをチェックする。
圏外履歴とは、デジタルカメラ3が一度通信可能な環境下におかれた後に通信不能な状態となった履歴を指す。具体的にはデジタルカメラ3が室外に持ち出されて高精細テレビ1の通信圏外に出た場合や、位置的には通信圏内にあってもデジタルカメラ3又は高精細テレビ1の主電源がオフされて通信待機状態でなくなった場合、又は電波が何かによって遮蔽された場合、デジタルカメラ3の電池が消耗して通信が不能になった場合などが考えられる。デジタルカメラ3は、後述のように、デジタルカメラ3と高精細テレビ1との間で必要な画像交信が完了した後、上記のような圏外状態が新たに生じた場合にこれを圏外履歴として記録できるよう、圏外状態検知機能にリセットスタートをかけるようにしている。従って、圏外履歴がないということは、デジタルカメラ3と高精細テレビ1との間で必要な画像交信が完了した後に圏外状態が生じることなく無線USB通信可能な状態が継続していることを意味する。このような状態において新たな画像がデジタルカメラ3によって撮影される可能性は極めて低い。
圏外履歴の有無は上記のような意義を有するので、ステップS156において圏外履歴がデジタルカメラ3の制御部370にないときは、さらに画像交信をする必要性が極めて低い。従って、この場合はステップS141に戻る。稀に、必要な画像交信が完了した後に圏外状態が生じることなく無線USB通信可能な状態が継続している状態においてデジタルカメラ3によって新たな画像が撮影されたとしても、次の送信機会を待てば充分だからである。これに対し、ステップS156において圏外履歴があることが検知されたときは、ステップS157に移行し、画像の自動交信のためにデジタルカメラ3の電源を自動的にオンする。圏外にあったデジタルカメラ3がステップS155で圏内に入った場合、新たな未送信画像が存在する可能性が高いからである。
電源のオンが行われると、ステップS158に移行してデジタルカメラ3の記録部317をサーチし、高精細テレビ1で再生表示してよい画像を抽出してステップS159に移行する。該当する画像がない場合でもその旨のサーチ結果を記録してステップS159に移行する。なお、高精細テレビ1で再生表示してよい画像の意義は、ステップS148で説明したものと同じであり、デジタルカメラ3のユーザのプライバシー侵害防止が配慮されている。
ステップS159では、まず最優先で送信すべき画像として、抽出した画像の中に当日記録された画像がないかどうかチェックする。該当する画像があれば、ステップS160に進み、無線USB通信によるそれらの画像の圧縮画像信号とともに、サムネイル情報を高精細テレビ1に送信する指示をした後、ステップS161に移行する。該当する画像がなければ、直接ステップS161に移行する。
ステップS161では、次に優先すべき画像として、抽出した画像の中にまだ一度も高精細テレビ1に送信されたことのない画像がないかどうかをチェックする。該当する画像があれば、ステップS162に進み、無線USB通信によるそれらの画像の圧縮画像信号およびサムネイル情報の高精細テレビ1への送信を指示した後、ステップS163に移行する。該当する画像がなければ、直接ステップS163に移行する。
ステップS163では、高精細テレビ1に保存されていないその他の画像がないかどうかをチェックする。これに該当するのは、一度高精細テレビ1に送信したがユーザがその画像を高精細テレビ1に保存する指示をしなかったものであり、ユーザが高精細テレビ1での再生を希望する可能性が最も低く、送信の優先度が低いものである。しかし、このような画像についても再生が希望される可能性はあるので、該当するものがあればステップS164に進み、無線USB通信によるそれらの画像の高精細テレビ1への送信を指示した後、ステップS165に移行する。該当する画像がなければ、直接ステップS165に移行する。
上記のように画像の送信順に優先度を付ける理由は次の通りである。まず、画像の自動送信中にユーザが統括リモコン4を操作してある画像のテレビ表示を要求することを考えたとき、ユーザがテレビ表示を希望する可能性の高い画像が予め送信済みであれば送信に要する時間をセーブでき、テレビ表示が速やかに実行できるからである。また、一連の画像送信動作中に送信環境が阻害されて送信が中断される場合も考えられるが、この場合もユーザがテレビ表示を希望する可能性の高い画像ほど優先度を高くして、早い段階で画像信号が送信されるようにしておけば、中断前に送信済みとなっている可能性が高くなり、再生の要求に速やかに対応し得るからである。
ステップS165では、テレビ送信を指示された画像の送信が完了したかどうかを待ち、完了次第、ステップS166に移行して圏外履歴検知にリセットスタートをかける。そしてステップS149に進み、デジタルカメラ3の電源を自動的にオフする。
図16は、第三の実施例に高精細テレビ1の制御部170の動作を示すフローチャートである。フローがスタートすると、ステップS171では、高精細テレビ1の電源がオンされているかどうかを見る。電源がオンされていない場合は、ステップS172に進み、図15の自動モードに基づくデジタルカメラ3又はデジタルカメラ5からの画像送信要求がないかどうかチェックする。画像送信要求がなければ、ステップS171に戻り、以下、ステップS171およびステップS172を繰り返す。
一方、ステップS172においてデジタルカメラ3又はデジタルカメラ5からの画像送信要求があればステップS173に進んで高精細テレビ1の電源をオンし、画像の受信に入る。ステップS174では要求のあった全てのデジタルカメラからの画像受信が完了したかどうかを見ており、完了すればステップS175に進んで高精細テレビ1の電源をオフし、ステップS171に戻る。
また、ステップS171において、高精細テレビ1の電源がオンされていれば、ステップS176に進み、高精細テレビ1の動作モードがDSC画像再生モードかどうかをチェックする。DSC画像再生モードであれば、ステップS177においてデジタルカメラ3又はデジタルカメラ5(この他に第三、第四等のデジタルカメラがあってよいが、以下、デジタルカメラ3およびデジタルカメラ5で複数ある可能性があるデジタルカメラを代表させる)の指定が行われたかどうかをチェックする。この指定は、高精細テレビ1に予め登録されている全てのデジタルカメラをテレビ表示部117にアイコン表示するとともに統括リモコン4の操作部402によってそのうちの任意のものを選択することによって行われる。デジタルカメラの指定があればステップS178でデジタルカメラの選別を行い、指定されていないデジタルカメラの画像が高精細テレビ1に受信されないようにして、ステップS179に進む。一方、ステップS177におけるデジタルカメラの指定がなければ、登録されている全てのデジタルカメラが指定されたものとみなしてステップS179に進む。
ステップS179では、指定されたデジタルカメラの電源をオンする信号を双方向低速デジタル通信によってそれぞれのデジタルカメラに送るとともに、高精細テレビ1と無線USB通信不可能なデジタルカメラがないかどうかチェックする。ステップS179において無線USB通信不可のデジタルカメラがあることが検知されると、ステップS180でその旨を警告表示してステップS181に進む。この警告表示はテレビ画面表示部117で行う。また、この警告表示は統括リモコン4に表示部を設けてそこに表示するようにしてもよい。この場合、ステップS180では、ステップS179の判断に基づいて双方向低速デジタル通信により警告表示を出す旨の指示信号を高精細テレビ1から統括リモコン4に送信する。なお、ステップS179で無線USB通信不可のデジタルカメラが検出されなければ、直接ステップS181に進む。
ステップS181では、指定されかつ無線USB通信可能な個々のデジタルカメラについて、パスワード入力の要求をテレビ画面表示部117上で行うとともに、これに応じて統括リモコン4の操作部402の操作で入力されたパスワードが予め登録されているものと合致するかどうかチェックする。ここで、かかるパスワードは、デジタルカメラ側で設定された全画像についてのテレビ表示の禁止又は画像毎のテレビ表示の禁止設定を解除するためのものである。
ステップS181において、入力されたパスワードと予め登録されたパスワードとが合致した場合は、デジタルカメラ側で設定された全画像についてのテレビ表示の禁止又は画像毎のテレビ表示の禁止設定を解除した上で、ステップS183に進む。逆に、パスワードが入力されないか又は予め登録されたパスワードと異なっていた場合は、ステップS182において、デジタルカメラ側でテレビ表示を禁止する設定がなされていることを通知した後に、ステップS183に進む。なお、かかる通知はテレビ画面表示部117に、テレビ表示を禁止する設定がなされている旨を示すメッセージを表示することによって実行され、また、この禁止設定表示は、上記の警告表示の場合と同様、統括リモコン4に表示部を設けてそこに表示するようにしてもよい。
ステップS183では、以上の処理の結果、テレビ再生の対象となる画像があるかどうかをチェックして抽出し、ステップS184に進む。再生すべき画像がない場合(デジタルカメラから受信すべき画像がない場合等)は、ステップS190に進む。
ステップS184では、指定されたデジタルカメラからサムネイル情報を受信する。このステップS184では、先のステップS181において、デジタルカメラ側のテレビ表示の禁止設定が解除されている場合には、全ての画像のサムネイル情報がデジタルカメラから送信され、これに対して、デジタルカメラ側のテレビ表示の禁止設定が解除されていない場合には、テレビ再生が許可されている画像のみのサムネイル情報がデジタルカメラから送信される。
このように本実施例においては、高精細テレビ1は、指定されたデジタルカメラからサムネイル情報を取得するに際し、パスワードが合致しない限りは、デジタルカメラ側で禁止設定された画像のサムネイル情報を取得できないように構成されている。このため、他のユーザに鑑賞されないように指定した画像が誤って表示されてしまうことを防止することができる一方で、禁止設定を行ったユーザ自身が高精細テレビ1を利用して画像を鑑賞する場合には、自らが設定したパスワードを入力すれば、禁止設定を行った画像であっても表示することができる。
サムネイル情報の受信が終了すると、ステップS185に進む。ステップS185では、対象となる画像のサムネイルを、複数のデジタルカメラのいずれで撮影されたものかに拘わらず、日付順に並べて混合表示する。なお、このステップS185においては、予め統括リモコン4の操作部402でモード切換えしておくことにより、このような混合表示に代えてデジタルカメラ毎に区分してサムネイル表示することも可能である。
サムネイル表示が行われるとステップS186でそのいずれかの指定を待つ。統括リモコン4が操作されて、高精細テレビ1に表示すべき画像が指定されると、ステップS187に進み、対応する画像がまだデジタルカメラから送信されていなければその受信を行うとともに、既に受信されていれば静止画記録部120から対応する画像を読み出す。
ステップS187で表示すべき画像の圧縮画像信号を取得すると、次いで、ステップS188において、圧縮画像信号を伸張し、続くステップS189においてこれをテレビ画面表示部117に表示する。ステップS189では、さらに表示されている画像を静止画記録部120で正式に保存するかどうかの指定も行う。統括リモコン4の操作部402の指示を待たずに自動モードでデジタルカメラから送信されてきた画像は静止画記録部120で仮記憶されているが、これらの画像についてもステップS189において正式に保存するかどうかの処分を決める。画像の表示や保存の処理の詳細は既に第一の実施例や、第二の実施例について説明した処理が適用可能である。これらの処理が終わるとステップS190に進む。
ステップS190では、テレビ電源がオフされているかどうかをチェックし、オフされていなければステップS176に戻る。この際、ステップS176にてDSC再生モードの継続が検知されれば、ステップS177に進み、以下ステップS190に至るループを何度でも繰り返す。そして前回と状況が異なっていればそれに対応して異なった処理をする。例えば、ステップS186において、次のサムネイルが指定されれば対応する画像についてステップS187ないしステップS189の処理を行う。
また、ループの繰り返しにおいて、ステップS179とステップS180は、DSC画像再生モード開始当初は無線USB通信が可能であったが、途中で、何らか理由でUSB通信が不可となったときに警告を行う機能を発揮する。このようなステップS179とステップS180の機能により、例えば、必要な画像の受信が完了していないにも拘わらず、デジタルカメラ3が室外に持ち出されて高精細テレビ1の通信圏外に出た場合や、電波が、途中で、何かによって遮蔽された場合、デジタルカメラ3の電池が途中で消耗して通信が不能になった場合などにおいて、その警告をテレビ画面表示部117で行うことが可能である。
さらに、ループの繰り返しにおいて、上記とは逆に、DSC画像再生モード開始当初は無線USB通信が不可と判定されていたデジタルカメラが室内に持ち込まれた等の理由により途中でUSB通信可能となった場合は、ステップS183で抽出される対象画像が増える可能性がある。同様に、途中で指定デジタルカメラを追加した場合や、当初誤って入力したパスワードを正しく入力しなおした場合等も、ステップS183で抽出される対象画像が増える可能性がある。
ステップS190でテレビ電源のオフが検知された場合は、ステップS200に進んで、デジタルカメラの電源をオフする信号を双方向低速デジタル通信にてデジタルカメラに送信し、デジタルカメラの電源をオフする。デジタルカメラの電源をオフした後は、ステップS171に戻り、次のテレビ電源オンのために待機する。なお、デジタルカメラの電源は、必ずしも高精細テレビ1の電源オフを検知したときにオフされる必要はなく、ステップS187の処理を経て、指定された画像の静止画像信号を受信した後であれば、高精細テレビ1の電源オフを検知する前に、デジタルカメラの電源をオフするように構成することもできる。
ステップS176において、DSC画像再生モードが検知されない場合は、高精細テレビ1の動作モードは通常テレビモードなので、ステップS191に進み、通常テレビ機能の実行に入る。そしてステップS192では、テレビ番組鑑賞中に統括リモコン4の操作によりDSC画像再生モードへの変更が行われたかどうかをチェックする。そしてモード変更が検知されたときはステップS177に移行し、以下、既に説明したDSC画像再生モードの動作を行う。
ステップS192でモード変更が検知されなかったときはステップS193に進み、自動モードによるデジタルカメラの画像の圧縮画像信号およびサムネイル情報の着信がないかどうかをチェックする。ここで、自動モードで設定されたデジタルカメラから送信される圧縮画像信号およびサムネイル情報は、そのデジタルカメラで禁止設定がなされていない画像の圧縮画像信号およびサムネイル情報のみである。
着信があったときはステップS194に進み、番組表示に重畳して、着信があった旨の通知をテレビ画面表示部117に表示する。ステップS194の重畳表示としては、まず着信当初から「新画像着信中」のメッセージの表示を開始し、画像データの受信が完了したときに「新着画像表示準備完了」のメッセージに変更する。その後ステップS195に進んで、高精細テレビ1の動作モードがDSC画像再生モードに変更されたかどうかをチェックする。そしてモード変更が検知されたときはステップS188に移行し、以下、既に説明したステップS188ないしS190の動作を行う。
ステップS195にて、高精細テレビ1の動作モードの変更が検知されないときは、ステップS196に進み、重畳表示のメッセージが「新画像着信中」から「新着画像表示準備完了」に変わってから所定時間経過したかどうかをチェックする。そして、所定時間経過していなければ、ステップS194に戻り、ステップS194で「新着画像表示準備完了」のメッセージの重畳表示を続けながらステップS195でモード変更が行われるのを待つ。このようにして、ステップS194からステップS196のループを繰り返す。
ステップS196で、モード変更なしに所定時間が経過したことが検知されたときは、ユーザが新着画像をすぐに見るつもりがないものと判断し、「新着画像表示準備完了」のメッセージの重畳表示を消すとともに新着表示済みの記録を残してステップS197に進む。なお、ステップS193において自動モードに設定されたデジタルカメラからの画像信号の着信が検知されなかった場合は、直接ステップS197に移行する。
ステップS197では、テレビ電源がオフされたかどうかをチェックし、オフされたことが検知されない場合はステップS191に戻る。そして、テレビ電源がオフされない限り、ステップS191からステップS197のループを繰り返し、DSC画像再生へのモード変更に対応する。なお、ループの繰り返しにおいて、ステップS193は新着表示済みの記録がある画像データには反応しないので、新たにDSC画像の着信がない限り、一度着信表示をした後はステップS193からステップS197に移行することを繰り返す。
ステップS197においてテレビ電源のオフが検知されたときはステップS190に進み、テレビ電源はオフであるからステップS190を経由してステップS171に戻る。そして次のテレビ電源オンのために待機する。なお、ステップS197によって既にテレビ電源オフが検知された状態でステップS190に至ったときは、ステップS200におけるデジタルカメラの電源をオフする信号送信は行わない。この場合、デジタルカメラの電源がオンのままであることは考えられないからである。
以上の第三の実施例において、自動モードについては、図15のステップS155にてデジタルカメラ3が高精細テレビ1の無線USB通信圏内に入ったときにデジタルカメラ3が自発的に静止画像信号の送信を開始するものとして説明したが、本発明はこのように自動モードの機能をデジタルカメラ自身が備える形の実施の形態に限られるものではなく、自動モードの機能を高精細テレビ側に持たせてもよい。この場合、高精細テレビ1が自身の無線USB通信圏内にデジタルカメラが入ったことを制御部170が検知すると、そのデジタルカメラに電源オン信号を送るとともに送信可能な静止画像信号の送信を指示して、この指示に応じてデジタルカメラが送ってくる静止画像信号を受信し、その受信を完了すると電源オフ信号をデジタルカメラに送信する。
上記の各実施例においては、デジタルカメラ3で撮影される画像が静止画像であり、高精細テレビ1に送信される画像信号が、撮影された静止画像信号である場合について説明したが、これは動画像信号であってもよい。
この場合、高精細テレビ1に画像信号を送信するに先立って、例えば図2のステップS3で表示部315に表示される画像は、1つの動画像ファイルを代表する1枚の代表静止画像である。操作者が、ステップS5において、テレビ再生操作を行った場合、表示部315に表示された代表静止画像に対応する圧縮動画像信号を、高精細テレビ1に送信することができる。
この際に、静止画像信号を送信する場合と同様に、ステップS27からステップS33の処理、およびステップS35,ステップS36の処理が行われる。一方、高精細テレビ1側においても、圧縮動画像信号に対し、図4のステップS54からステップS59に準じた処理が行われる。但し、ステップS59は、動画の連続再生のステップとなる。つまり、動画のテレビ画面再生の場合、図2のステップS3でデジタルカメラ3の表示部315に表示される動画の代表静止画面を見たユーザが、テレビ再生を意図して操作部312を操作したことがステップS5で検知されると、後は自動的に図4のステップS59に至り、高精細テレビ1のテレビ画面表示部117における該当動画の再生が開始されることになる。
なお、ステップS57は全ての圧縮動画像信号が伸張されるのを待つのではなく、動画像信号を最初のコマから連続して再生できる状態になった時点でステップS59に移行してよい。また、高精細テレビ1に動画像信号を送信する場合には、ステップS56での圧縮画像信号受信やステップS58における記録済み画像呼出しにおいて、1つの動画像ファイルの全ての動画像信号を受信又は呼出しする前にステップS57に移行し、再生開始準備できる状態になったコマからステップS59での動画連続再生に入るように構成してもよい。
また、デジタルカメラ3から高精細テレビ1に送信される信号は、画像信号に限定されず、音声信号を含むものであってもよい。
また、デジタルカメラ3が、テレビリモコン2又は統括リモコン4の機能を含む構成としてもよい。この場合、デジタルカメラ3は、上述した赤外通信部203、制御部201、操作部202、又は、双方向低速デジタル通信部460、制御部401、操作部402を有し、テレビリモコン2又は統括リモコン4の機能も司る。このような構成とすることにより、圧縮画像信号の送信、再生動作のみならず、音量のUP/DOWN、放送番組のチャンネル選択等、一般的なテレビに関する操作を単一の操作機器で、制御することができる。
以上の実施例は、便宜上別々に説明したが、相反する異なったシステムとして存在するわけではなく、各実施例の機能をそれぞれ選択可能なモードとして搭載し、ユーザが必要に応じ選択できるようにすることが可能である。また、各実施例の機能を組み合わせて搭載することも可能である。