JP2007157680A - 同軸型自己温度制御ヒータ - Google Patents

同軸型自己温度制御ヒータ Download PDF

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Abstract

【課題】PTC特性を有する導電性ポリマー組成物を利用した自己温度制御型のヒータであって、その巻付け方向が変わることによって捻られた部分があっても発熱特性が低下することがなく、ヒータ寿命が長いと共に発熱不良を生じることがない内部導体と外部導体間に通電する同軸構造の自己温度制御型のヒータを提供することにある。また電圧を一定にした場合、長さに関係なく出力が常に一定となるような同軸型自己温度制御ヒータを提供することにある。
【解決手段】金属撚り線からなる内部導体と金属編組からなる外部導体間に、PTC特性を有する導電性ポリマー組成物の発熱体層を配置し、前記内部導体と前記外部導体間に通電できるようにした同軸型自己温度制御ヒータとすることによって、解決される。
【選択図】図1

Description

本発明は、同軸型の自己温度制御ヒータに関するものである。
正の温度係数特性(以下PTC)を有する導電性ポリマー組成物を利用した自己温度制御型のヒータは種々の用途に使用されているが、その殆どが2芯平型のもので平型形状のヒータである。具体的には、融雪等のロードヒーティング、水道凍結防止、プラント等の配管保温、霜付着防止等に応用されている。例えば、特許文献1に記載される舗装道路用のヒータとして、金属導体上にPTC導電性ポリマーからなる層を形成し、その上にポリマーの絶縁被覆、金属編組およびポリマーの外層被覆を形成したものを平行に2本配置した平型形状とした自己温度制御型ヒータである。このような平型形状の自己温度制御型のヒータは、柔軟性を有するので種々の装置に簡単に装着できる。すなわち、種々の装置等に簡単に巻付けることができ、また安全性、信頼性やコスト等の点からも好ましいためである。しかしながら、このような平型形状の自己温度制御型のヒータは、巻付け方向が一方向に一定である場合には問題がないが、装置によってはバルブやフランジ等の部分があり、捻って施工しなければならない場所等があるため捻られた部分の発熱特性が低下し、ヒータ寿命が短くなったり、発熱不良を生じる等の問題があった。また特許文献2には、同軸型の自己制御型コードヒータが記載されているが、このような構造のヒータは電圧が一定でもヒータの長さが変わると出力が変わるので、設計上不便である。またここで用いられる発熱線はニッケル、鉄の合金であり、コスト的な問題もある。
特開平7−42127号公報 特開平10−321356号公報
よって本発明が解決しようとする課題は、PTC特性を有する導電性ポリマー組成物を利用した自己温度制御型のヒータであって、その巻付け方向が変わることによって捻られた部分があっても発熱特性が低下することがなく、ヒータ寿命が長いと共に発熱不良を生じることがない内部導体と外部導体間に通電する同軸構造の自己温度制御型のヒータを提供することにある。また電圧を一定にした場合、長さに関係なく出力が常に一定となるような同軸型自己温度制御ヒータを提供することにある。
前記解決しようとする課題は、請求項1に記載されるように、金属撚り線からなる内部導体と金属編組からなる外部導体間に、PTC特性を有する導電性ポリマー組成物の発熱体層を配置し、前記内部導体と前記外部導体間に通電できるようにした同軸型自己温度制御ヒータとすることによって、解決される。
また請求項2に記載されるように、金属撚り線からなる内部導体上に、PTC特性を有する導電性ポリマー組成物の発熱体層、その上に金属編組からなる外部導体、絶縁被覆層が順次形成され、前記内部導体と前記外部導体間に通電できるようにした請求項1に記載の同軸型自己温度制御ヒータとすることによって、解決される。
さらに請求項3に記載されるように、金属撚り線からなる内部導体上に、PTC特性を有する導電性ポリマー組成物からなる2本以上の紐状体が発熱体層として螺旋状に形成され、その上に金属編組からなる外部導体、絶縁被覆層が順次形成され、前記内部導体と前記外部導体間に通電できるようにした請求項1に記載の同軸型自己温度制御ヒータとすることによって、解決される。
さらにまた、請求項4に記載されるように、金属撚り線からなる内部導体上に、PTC特性を有する導電性ポリマー組成物からなる2〜4本の紐状体を網目状になるように配置した発熱体層が設けられ、その上に金属編組からなる外部導体、絶縁被覆層が順次形成され、前記内部導体と前記外部導体間に通電できるようにした請求項1に記載の同軸型自己温度制御ヒータとすることによって、解決される。
金属撚り線からなる内部導体と金属編組からなる外部導体間に、PTC特性を有する導電性ポリマー組成物(以下PTCポリマー組成物)の発熱体層を配置し、前記内部導体と前記外部導体間に通電できるようにした同軸型自己温度制御ヒータとしたので、巻付け方向が変わることによって捻られた部分があっても発熱特性が低下することがなく、ヒータ寿命が長いと共に発熱不良を生じることのない、同軸構造の自己温度制御型のヒータが得られる。また電圧を一定にした場合、長さに関係なく出力が常に一定の同軸型自己温度制御ヒータが得られる。
また、金属撚り線からなる内部導体上に、PTCポリマー組成物の発熱体層、その上に金属編組からなる外部導体、絶縁被覆層が順次形成され、前記内部導体と前記外部導体間に通電できるようにした同軸型自己温度制御ヒータとすることによって、可とう性(柔軟性)に優れ、巻付け方向が変わることによって捻られた部分があっても発熱特性が低下することがなく、またヒータ寿命が長いと共に発熱不良を生じることのない、同軸構造の自己温度制御型のヒータが得られる。さらに電圧を一定にした場合、長さに関係なく出力が常に一定の同軸型自己温度制御ヒータが得られる。
さらに、金属撚り線からなる内部導体上に、PTCポリマー組成物からなる2本以上の紐状体が発熱体層として螺旋状に形成され、その上に金属編組からなる外部導体、絶縁被覆層が順次形成され、前記内部導体と前記外部導体間に通電できるようにした同軸型自己温度制御ヒータとすることによって、可とう性(柔軟性)に優れ、巻付け方向が変わることによって捻られた部分があっても発熱特性が低下することがなく、またヒータ寿命が長いと共に発熱不良を生じることのない、同軸構造の自己温度制御型のヒータが得られる。さらにまた電圧を一定にした場合、長さに関係なく出力が常に一定の同軸型自己温度制御ヒータが得られる。
さらにまた、金属撚り線からなる内部導体上に、PTC特性を有する導電性ポリマー組成物からなる2〜4本の紐状体を網目状になるように配置した発熱体層が設けられ、その上に金属編組からなる外部導体、絶縁被覆層が順次形成され、前記内部導体と前記外部導体間に通電できるようにした同軸型自己温度制御ヒータとしたので、ヒータのねじれに対する耐久性がより向上し、また可とう性(柔軟性)に優れ、巻付け方向が変わることによって捻られた部分があっても発熱特性が低下することがないヒータ寿命の長い同軸構造の自己温度制御型のヒータが得られる。さらにまた電圧を一定にした場合、長さに関係なく出力が常に一定の同軸型自己温度制御ヒータが得られる。
以下に本発明を詳細に説明する。請求項1に記載される本発明は、金属撚り線からなる内部導体と金属編組からなる外部導体間にPTCポリマー組成物の発熱体層を配置し、前記内部導体と前記外部導体間に通電できるようにした同軸型自己温度制御ヒータである。このような構造の同軸型自己温度制御ヒータは、通電を内部導体と外部導体間で行なうので、従来の通電方式と比較して電圧を一定にした場合に、長さに関係なく出力が常に一定の同軸型自己温度制御ヒータとすることができる。
このように、従来の2芯平型のヒータのように平行に配置した2芯の導体に通電するものと異なり、金属撚り線からなる内部導体と金属編組からなる外部導体間にPTCポリマー組成物の発熱体層を配置し、内部導体と外部導体間に通電することによって温度制御を行なう同軸型のため、電圧を一定にした場合に長さに関係なく出力が常に一定の同軸型自己温度制御ヒータであり、またヒータの形状を円形とすることが可能となり、可とう性(柔軟性)に優れていると共に施工時に捻って配置しても円形のために応力がヒータ全体に均等にかかることになるため、発熱特性を低下させることがない。また巻付け方向が一方向に一定の場合のみならずバルブやフランジ等の部分で捻って施工しても、捻られた部分の発熱特性が低下しヒータ寿命が短くなったり、発熱不良を生じる等の問題がない。さらに、従来の同軸型自己制御型コードヒータの発熱体がニッケル、鉄の合金であるのと比較して、製品コスト等からも有利である。
そして前記内部導体としては、銅線、ニッケルメッキ銅線、錫メッキ銅線等の単線を用いた撚り線導体とする。これはヒータの可とう性(柔軟性)等からも有利となる。通常、2本撚りから17本撚り程度までの撚り線導体で、線径としては1.0〜3.0mm程度のものが使用される。また外部導体としては、前記した銅線、ニッケルメッキ銅線、錫メッキ銅線等を用いた編組導体であって、隠蔽率として50〜80%程度に編まれたものである。なお場合によっては、この編組上には導電性の塗料等を塗布しても良い。また、発熱体を構成するPTCポリマー組成物は、ポリマー成分と粒状導電性物質とからなる組成物が使用される。前記ポリマー成分としては、1種以上の結晶性ポリマーを含むことが好ましく、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレンプロピレンジエン共重合体(EPDM)等のオレフィン系ポリマー、ETFE(エチレン・テトラフルオロエチレン)、PFA(ポリフロロアルコキシ樹脂)やFEP(パーフロロエチレン・プロピレン樹脂)等のオレフィンとフッ素化モノマーとの共重合体であるフッ素系ポリマー、エチレン・酢酸ビニル共重合体(以下EVA)、エチレン・エチルアクリレート共重合体(以下EEA)等のオレフィンとカルボキシルとの共重合体等が使用できる。また粒状導電性物質としては、カーボンブラックが一般的である。さらに、非導電性の充填剤、酸化防止剤、各種の難燃剤等を含むことができる。なおこの導電性ポリマー組成物は、架橋処理されることが好ましい。また、外部導体上には通常、耐熱性や機械的特性の良いポリマーの保護被覆層が設けられ、オレフィン系ポリマーやフッ素系ポリマーが使用される。
つぎに、請求項2に記載される構造の同軸自己温度制御ヒータについて説明する。すなわち、金属撚り線からなる内部導体上にPTCポリマー組成物の発熱体層、その上に金属編組からなる外部導体、絶縁被覆層が順次形成され、前記内部導体と前記外部導体間に通電できるようにした同軸型自己温度制御ヒータである。このようなヒータは、電圧を一定にした場合に長さに関係なく出力が常に一定の同軸型自己温度制御ヒータであると共に、ヒータの形状が円形であり可とう性(柔軟性)に優れているため、施工時に捻って配置しても円形のために応力がヒータ全体に均等にかかることになるため発熱特性を低下させることがない。このため、巻付け方向が一方向に一定の場合のみならずバルブやフランジ等の部分で捻って施工してもヒータ寿命が短くなったり、発熱不良を生じる等の問題がない。さらに、従来の同軸型自己制御型コードヒータの発熱体がニッケル、鉄の合金であるのと比較して、製品コスト等からも有利である。
図1によって詳細に説明する。符号1は、本発明の同軸型自己制御型コードヒータの一例を示すもので、2は内部導体である。前述したように銅線、ニッケルメッキ銅線、錫メッキ銅線等の単線を用いた撚り線導体で、通常2本撚りから17本程度までの撚り線導体として、線径が1.0〜3.0mm程度のものが使用される。3は内部導体2の上に円形に被覆された発熱体層である。この例では、前述したオレフィン系ポリマーやフッ素系ポリマー、EVA、EEA等のオレフィンとカルボキシルとの共重合体等に、カーボンブラックが混合されたPTCポリマー組成物が、通常0.5〜5.0mm程度の厚さに被覆される。4は外部導体で、前述した銅線、ニッケルメッキ銅線、錫メッキ銅線等からなる編組導体である。通常隠蔽率として50〜80%程度に編まれたものである。また、5はオレフィン系ポリマーやフッ素系ポリマーからなる保護被覆層である。通常、0.5〜1.5mm程度の厚さに施される。このような同軸自己温度制御ヒータが、比較的簡単に製造できるので最も基本的な構造のものである。そして、内部導体2と外部導体3の間に一定電圧で通電することにより、発熱体層3が電流を自己制御し目的とする温度にヒータをコントロールすることができる。
さらに、本発明の他の構造を有する同軸型自己温度制御ヒータについて説明する。すなわち、請求項3に記載するように、金属撚り線からなる内部導体上に、PTCポリマー組成物からなる2本以上の紐状体が発熱体層として螺旋状に形成され、その上に金属編組からなる外部導体、絶縁被覆層が順次形成され、前記内部導体と前記外部導体間に通電できるようにした同軸型自己温度制御ヒータである。このヒータも電圧を一定にした場合に、長さに関係なく出力が常に一定にできる同軸型自己温度制御ヒータであると共に、より可とう性(柔軟性)に優れ、またヒータの形状はほぼ円形であり施工時に捻って配置しても、応力がヒータ全体に均等にかかることになるため発熱特性を低下させることがない。このため、巻付け方向が一方向に一定の場合のみならずバルブやフランジ等の部分で捻って施工してもヒータ寿命が短くなったり、発熱不良を生じる等の問題がない。さらに、従来の同軸型自己制御型コードヒータの発熱体がニッケル、鉄の合金の場合と比較して、製品コスト等からも有利である。
図2によって詳細に説明する。符号1´は、本発明の同軸型自己制御型コードヒータの一例を示すもので、2´は内部導体である。前述したように銅線、ニッケルメッキ銅線、錫メッキ銅線等の撚り線導体で、通常2本撚りから17本程度までが用いられる。またその線径は1.0〜3.0mm程度のものが使用される。3´は内部導体2´の上に円形に被覆された発熱体層である。この例も、前述したオレフィン系ポリマー、フッ素系ポリマー、EVA、EEA等のオレフィンとカルボキシルとの共重合体等に、カーボンブラックが混合されたPTCポリマー組成物を、紐状に成形した発熱体を用いたもので少なくとも2本以上を内部導体2´の上に均等間隔で螺旋状に巻付けて、発熱体層3´とするものである。このような構造とすることによって、ヒータ1´の可とう性(柔軟性)をより向上させると共に、捻られた部分の発熱特性が低下し、ヒータ寿命が短くなったり、発熱不良を生じる等の問題が少ない。前記紐状の発熱体は、通常厚さが0.5〜3.0mm程度の大きさの楕円形に成形するのが好ましい。これは内部導体2´上に巻付ける際に安定して螺旋状に配置できるためである。もちろん、この形状に限定されるものではなく丸型、矩形等でもかまわない。また、巻付けは余り粗くするとヒータの温度コントロールが正確に行ない難くなる。さらにこの紐状の発熱体は、好ましくは3本以上用いて発熱体層を形成させるのが良い。このような同軸型自己温度制御ヒータ1´は、特に可とう性(柔軟性)に優れたものである。4´は外部導体で、前述した銅線、ニッケルメッキ銅線、錫メッキ銅線等からなる編組導体である。また、5´はオレフィン系ポリマーやフッ素系ポリマーからなる保護被覆層である。通常、0.5〜1.5mm程度の厚さに施される。そして、内部導体2´と外部導体4´の間に一定電圧を通電することにより、ヒータの長さに関係なく出力が常に一定に自己温度制御し、目的とする温度にヒータをコントロールできることになる。
つぎに、より捻じれに対して耐久性を有する同軸型自己温度制御ヒータについて説明する。すなわち、請求項4に記載されるように、金属撚り線からなる内部導体上に、PTC特性を有する導電性ポリマー組成物からなる2〜4本の紐状体を網目状になるように配置した発熱体層が設けられ、その上に金属編組からなる外部導体、絶縁被覆層が順次形成され、前記内部導体と前記外部導体間に通電できるようにした同軸型自己温度制御ヒータとすることにより、ヒータの捻れに対する耐久性がより向上し、また可とう性(柔軟性)に優れ、巻付け方向が変わることによって捻られた部分があっても発熱特性が低下することがないヒータ寿命の長い同軸構造の自己温度制御型のヒータが得られる。さらにまた電圧を一定にした場合、長さに関係なく出力が常に一定の同軸型自己温度制御ヒータが得られる。
図3によって説明する。符号1´´が、本発明の同軸型自己制御型コードヒータの一例を示すもので、2´´は内部導体である。この内部導体前2´´は、通常銅線、ニッケルメッキ銅線、錫メッキ銅線等の撚り線導体で、可とう性等から通常2本撚りから17本程度までが用いられる。またその径は1.0〜3.0mm程度のものが使用される。もちろん、単線を用いることもできる。3´´は内部導体2´´の上に2〜4本のPTCポリマー組成物の紐状体を網目状に配置した発熱体層である。前述したオレフィン系ポリマー、フッ素系ポリマー、EVA、EEA等のオレフィンとカルボキシルとの共重合体等に、カーボンブラックが混合されたPTCポリマー組成物を紐状に成形し、これを2本〜4本用いて網目状に配置するものである。また、その網目は余り粗くするとヒータの温度コントロールが正確に行ない難くなるので、目的とする同軸型自己温度制御ヒータに併せて選択する。例えば、図3のように図2に示したような形状の2本の紐状体を網目ができるように互いに接合しこれの2組を、内部導体2´´上に螺旋状に配置することによって行われる。螺旋状に配置することによって、全体に均一に配置することができる。また、形成する網目状は、4本までのPTCポリマー組成物の紐状体によるものとするのは、比較的製造がし易いためであり、4本以上であってもかまわない。このような構造とすることによって、ヒータ1´が捻れた場合に対する耐久性が向上する。また可とう性(柔軟性)をより向上させると共に、捻られた部分の発熱特性が低下してヒータ寿命が短くなったり、発熱不良を生じる等の問題が少ない。前記網目状に配置した発熱体層は、通常厚さが0.5〜3.0mm程度に設けられる。このような同軸型自己温度制御ヒータ1´´は、捻じれに対する耐久性優れ、また可とう性(柔軟性)に優れたものである。4´´は外部導体で、前述した銅線、ニッケルメッキ銅線、錫メッキ銅線等からなる編組導体である。また、5´´はオレフィン系ポリマーやフッ素系ポリマーからなる保護被覆層である。通常、0.5〜1.5mm程度の厚さに施される。そして、内部導体2´´と外部導体4´´の間に一定電圧を通電することにより、ヒータの長さに関係なく出力が常に一定に自己温度制御し、目的とする温度にヒータをコントロールできることになる。
実施例および比較例によって、本発明の効果を示す。表1の実施例は、図1に示した本発明の構造の同軸型自己温度制御ヒータを用いた場合であり、表2の比較例は図4に示した従来の2芯平型の自己温度制御ヒータである。同軸型自己温度制御ヒータは、撚り線導体(AWG14サイズ)2上にそれぞれ0.5〜2.5mmの厚さの発熱体層3を形成し、外部導体4となる編組(0.16TA7本を24打ち)を施し、ついでフッ素系樹脂としてETFEを0.8mm厚さに被覆して絶縁体層5とし、ついで、130〜160℃で24時間エージングした後徐冷することによって作製した。また従来例とした図4の2芯平型のヒータは、2組の銅撚り線(AWG14サイズ)からなる内部導体2´´´を前記のPTCポリマー組成物を用いて、厚さ1.5mmに平型に被覆して発熱体層3´´´を形成し、その上にフッ素樹脂であるETFEを厚さ0.8mmに被覆して絶縁被覆層5´´´を形成した構造のものである。なお、前記発熱体層を形成するPTCポリマー組成物は、PE(三井化学社のミラソンC260−4P)75質量%とEEA(日本ユニカー社のDPDJ6169)25質量%のベースポリマー100質量部に、カーボンブラックとして、バルカンXC72(キャボット社)12.5質量部、旭サーマルFT(旭カーボン社)11質量部、老化防止剤としてイルガノックス#101(チバスペシャリティケミカルズ社)0.2質量部からなるものである。
このようにして得られた前記ヒータについて、23℃における抵抗値(Ω・m)を測定した。また、巻付け方向による特性(図4に示すY軸方向およびX軸方向の特性)の変化を測定した。すなわち、半径20Φのマンドレルに巻回し、通電状態で80℃雰囲気に1000時間放置した後、これをY軸屈曲性として抵抗値(Ω・m)を測定した。さらに、前記Y軸と直交方向で巻回し、通電状態で80℃雰囲気に1000時間放置した後、これをX軸屈曲性として抵抗値(Ω・m)を測定した。なお、図4に示す2芯平型ヒータではX軸方向には曲げられないので、捻ることによって模擬してX軸屈曲性とした。表1に実施例の結果を、表2に比較例1の結果を示した。
Figure 2007157680
Figure 2007157680
表1に記載する実施例1〜5から明らかなように、本発明の金属撚り線からなる内部導体上に、PTC特性を有する導電性ポリマー組成物の発熱体層、その上に金属編組からなる外部導体、絶縁被覆層が順次形成され、前記内部導体と前記外部導体間に通電できるようにした請求項1に記載の同軸型自己温度制御ヒータは、発熱体層の厚さを0.5〜2.0mmと変えても抵抗値が150〜350Ω・m、Y軸屈曲性が165〜380Ω・m並びにX軸屈曲性が173〜410Ω・mと共に良好な特性を示した。これは同軸型自己温度制御ヒータに捻りが加わっても発熱特性が低下しないことを示している。また、表2に示した比較例1の2芯平型ヒータでは、特にX軸屈曲性が非常に大きく変化して発熱特性を低下させることが判る。
つぎに、図2に示した本発明の構造の同軸型自己温度制御ヒータを用いた場合と、図4に示した従来の2芯平型の自己温度制御ヒータについて、比較検討した。表3に示したものが、本発明の実施例の結果であり、表4が、図4に示した従来の2芯平型自己温度制御ヒータの結果である。(比較例1と同様の構造であるが、アニーリング条件を変えて抵抗値を変えた)本発明の同軸型自己温度制御ヒータは、撚り線導体(AWG14サイズ)2´上に、それぞれ0.5〜2.5mmの厚さになるように紐状の発熱体2本を30〜50mmピッチで螺旋状に巻付けて厚さの異なる発熱体層3´とし、その上に外部導体4´となる編組(0.16TA7本を24打ち)を施し、ついでフッ素系樹脂であるETFEを0.8mm厚さに被覆して絶縁体層5´とし、130〜160℃で24時間エージングした後、徐冷することによって作製した。なお従来例とした図3の2芯平型のヒータは、前述したものと同様の構造である。また、前記発熱体層を形成するPTCポリマー組成物も前述したものと同様のものである。
このようにして得られた前記ヒータを用いて、23℃における抵抗値(Ω・m)を測定した。また、巻付け方向による特性(図3に示すY軸方向およびX軸方向の特性)の変化を測定した。すなわち、半径20Φのマンドレルに巻回し、通電状態で80℃雰囲気に1000時間放置した後、これをY軸屈曲性として抵抗値(Ω・m)を測定した。さらに、前記Y軸と直交方向で巻回し、通電状態で80℃雰囲気に1000時間放置した後、これをX軸屈曲性として抵抗値(Ω・m)を測定した。なお従来の2芯平型ヒータのX軸屈曲性は、X軸方向には曲げられないので捻ることによって模擬した。これによって、捻った場合の特性を見ることができる。表3に実施例の結果を、表4に比較例2の結果を示した。
Figure 2007157680
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表3に示した実施例6〜10から明らかなとおり、本発明の金属撚り線からなる内部導体上に、PTC特性を有する導電性ポリマー組成物からなる2本以上の紐状体が発熱体層として螺旋状に形成され、その上に金属編組からなる外部導体、絶縁被覆層が順次形成され、前記内部導体と前記外部導体間に通電できるようにした同軸型自己温度制御ヒータは、発熱体層の厚さを0.5〜2.0mmと変えても抵抗値が450〜1150Ω・m、Y軸屈曲性が512〜1200Ω・m並びにX軸屈曲性が556〜1350Ω・mと共に良好な特性を示した。これはヒータに捻りが加わっても発熱特性が低下しないことを示している。これに対して表4に示した比較例2の2芯平型のヒータは、特にX軸屈曲性が非常に大きく変化して発熱特性を低下させることが判る。
また、図3に示した本発明の構造の同軸型自己温度制御ヒータを用いた場合と、図4に示した従来の2芯平型自己温度制御ヒータについて、効果を比較した。表5は本発明の実施例の結果であり、表6が比較例の結果である。(比較例1および2と同様の構造であるが、アニーリング条件を変えて抵抗値を変えたものである)本発明の同軸型自己温度制御ヒータは、撚り線導体(AWG14サイズ)2´´上にそれぞれ1.0mm、1.5mm、2.0mmの厚さになるように、PTCポリマー組成物からなるΦ1.5mmの紐状体2本を用いて網目状に形成した発熱体を2組用意し、回転ダイスを用いて30〜50mmピッチで螺旋状に巻付けて発熱体層3´´とし、その上に銀ペースト(例えば、藤倉化成社のFA353)を塗布する。ついで、その上に外部導体4´´となる編組(0.16TA7本を24打ち)を施し、さらにフッ素系樹脂であるETFEを0.8mm厚さに被覆して絶縁体層5´とし、130〜160℃で24時間エージングした後、徐冷することによって作製した。なお従来例とした図4の2芯平型の自己温度制御ヒータは、前述したものと同様の構造のものである。また、前記発熱体層を形成するPTCポリマー組成物も前述したものと同様のものである。
このようにして得られた前記ヒータを用いて、23℃における抵抗値(Ω・m)を測定した。また、巻付け方向による特性(図4に示すY軸方向およびX軸方向の特性)の変化を測定した。すなわち、半径20mmΦのマンドレルにヒータを整列巻で30cm巻付け、通電状態で80℃雰囲気に1000時間放置した後、これをY軸屈曲性として抵抗値(Ω・m)を測定した。さらに、前記Y軸と直交方向で同様に巻回し、通電状態で80℃雰囲気に1000時間放置した後、これをX軸屈曲性として抵抗値(Ω・m)を測定した。なお従来の2芯平型ヒータのX軸屈曲性は、X軸方向には曲げられないので捻ることによって模擬した。これによって、捻った場合の特性を見ることができる。表5に実施例の結果を、表6に比較例3の結果を示した。
Figure 2007157680
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表5に示した実施例11〜13から明らかなとおり、本発明である金属撚り線からなる内部導体上に、PTC特性を有する導電性ポリマー組成物からなる2〜4本の紐状体を網目状になるように配置した発熱体層が設けられ、その上に金属編組からなる外部導体、絶縁被覆層が順次形成され、前記内部導体と前記外部導体間に通電できるようにした同軸型自己温度制御ヒータは、発熱体層の厚さを1.0〜2.0mmの間で変えても抵抗値(23℃)が300〜500Ω・m、Y軸屈曲性が325〜580Ω・m並びにX軸屈曲性が340〜630Ω・mと共に良好な特性を示した。これはヒータに捻りが加わっても発熱特性が低下しないことを示している。これに対して表6に示した比較例3の従来の2芯平型ヒータは、特にX軸屈曲性が6510Ω・mと大きく変化して発熱特性を低下させることが判る。
本発明の同軸型自己温度制御ヒータは、その巻付け方向が変わることによって捻られた部分があっても発熱特性が低下することがなく、ヒータ寿命が長いと共に発熱不良を生じることのないと共に、内部導体と外部導体間に通電する同軸構造の自己温度制御型のヒータであるから、一定電圧とした場合にヒータの長さによって出力が変わることがないので設計上便利であり、またコスト的にも有利な同軸型自己温度制御ヒータとして、融雪等のロードヒーティング、水道凍結防止、プラント等の配管保温、霜付着防止用として有用である。
本発明の同軸型自己温度制御ヒータの概略を示す図面である。 本発明の同軸型自己温度制御ヒータの他の構造を示す概略図面である。 本発明の同軸型自己温度制御ヒータのその他の構造を示す概略面図である。 従来の2芯平型の同軸型自己温度制御ヒータを示す概略断面図である。
符号の説明
1、1´、1´´ 同軸型自己温度制御ヒータ
2、2´、2´´、2´´´ 内部導体
3、3´、3´´、3´´´ 発熱体層
4、4´、4´´ 外部導体
5、5´、5´´、5´´´ 絶縁被覆層

Claims (4)

  1. 金属撚り線からなる内部導体と金属編組からなる外部導体間に、PTC特性を有する導電性ポリマー組成物の発熱体層を配置し、前記内部導体と前記外部導体間に通電できるようにしたことを特徴とする同軸型自己温度制御ヒータ。
  2. 金属撚り線からなる内部導体上に、PTC特性を有する導電性ポリマー組成物の発熱体層、その上に金属編組からなる外部導体、絶縁被覆層が順次形成され、前記内部導体と前記外部導体間に通電できるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の同軸型自己温度制御ヒータ。
  3. 金属撚り線からなる内部導体上に、PTC特性を有する導電性ポリマー組成物からなる2本以上の紐状体が発熱体層として螺旋状に形成され、その上に金属編組からなる外部導体、絶縁被覆層が順次形成され、前記内部導体と前記外部導体間に通電できるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の同軸型自己温度制御ヒータ。
  4. 金属撚り線からなる内部導体上に、PTC特性を有する導電性ポリマー組成物からなる2〜4本の紐状体を網目状になるように配置した発熱体層が設けられ、その上に金属編組からなる外部導体、絶縁被覆層が順次形成され、前記内部導体と前記外部導体間に通電できるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の同軸型自己温度制御ヒータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101516159B1 (ko) * 2014-05-29 2015-05-04 이민수 세라믹과 테프론이 코팅된 히팅케이블
KR101548983B1 (ko) * 2014-11-12 2015-09-01 주식회사 솔고파이로일렉 Ptc 히팅케이블 및 그 제조 방법
WO2019031673A1 (ko) * 2017-08-11 2019-02-14 주식회사 에스에이치테크 발열유닛 및 이를 포함하는 발열모듈

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