JP2007157497A - 誘導加熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 低磁性材の被加熱物を加熱するにあたり、十分な加熱電力を保ちながら、被加熱物1の浮力を低減させること。
【解決手段】 本発明は、被加熱物1が載置されるトッププレート2の下方に設けられ、被加熱物1を誘導加熱する加熱コイル3と、この加熱コイル3を駆動する高周波回路5とを備えた誘導加熱装置において、加熱コイル3は、トッププレート2に密着して配置され、線径がφ0.3mm以上の素線を巻き回してなることを特徴とするものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、誘導加熱装置に関し、特に、銅やアルミニウムなどの低磁性材からなる被加熱物の浮上を抑制する技術に関する。
一般に、誘導加熱装置は、調理鍋などの被加熱物を載せるトッププレートの下方に加熱コイルを配置して構成され、加熱コイルに高周波電流を流して高周波磁界を発生させることで、被加熱物に渦電流を生じさせ、誘導加熱によって効率的に加熱を行うものである。
従来、誘導加熱装置の被加熱物としては、鉄などの高磁性材が加熱できるだけであったが、近年では、アルミニウムや銅などの低磁性材についても加熱できるようになっている。ここで、低磁性材は、渦電流がジュール熱になりにくいことから、加熱の際は、加熱コイルに流れる電流を増加させ、磁力を大きくすることで、被加熱物を所定の温度に加熱するようにしている。
しかし、コイル電流を増加させると、加熱コイルに生じた高い磁力によって、被加熱物には反発力となる浮力が生じるため、例えば、調理鍋がトッププレートからずれたり振動を生じる場合がある。
このため、例えば、加熱開始時に電源電流と入力電力の変化を連続的に読み取ることにより、被加熱物のずれや浮きを検出し、これに応じて入力電力を低下させるようにした誘導加熱装置が知られている(特許文献1参照)。
特開2001−332375号公報
しかしながら、特許文献1の技術は、被加熱物の浮力自体を低減させるものではなく、被加熱物のずれや浮きを検出してから入力電力を低下させるものであるため、例えば、規定以下の質量の調理鍋を用いると、十分な加熱能力が得られないおそれがある。
本発明は、低磁性材の被加熱物を加熱するにあたり、十分な加熱電力を保ちながら、被加熱物の浮力を低減させることを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、被加熱物が載置されるトッププレートと、このトッププレートの下方に設けられ、被加熱物を誘導加熱する加熱コイルと、この加熱コイルを駆動する高周波回路とを備えた誘導加熱装置において、加熱コイルは、トッププレートに密着して配置され、線径がφ0.3mm以上の素線を巻き回してなることを特徴としている。
このように、先ず、本発明では、表皮効果を利用してコイル抵抗の周波数依存性が高くなるように、加熱コイルの素線の線径を従来のものと比べて大きく設定している。これにより、コイル抵抗は、低磁性材の被加熱物を加熱する高周波数領域(例えば、60〜100kHz)で大きくなる一方、低周波数領域(例えば、20kHz周辺)で小さくなる。このため、高周波数領域では、加熱コイルを流れる電流(以下、コイル電流という。)が減少し、被加熱物に渦電流を誘起する起磁力(巻数×コイル電流)が減少する。そして、加熱コイルは、トッププレートに密着して配置されるため、加熱コイルの発熱分はトッププレートを介して伝導し、被加熱物の加熱に寄与する。よって、このコイル電流の減少分に応じた熱量を被加熱物に付与することができるため、低磁性材の被加熱物を加熱する場合でも、十分な加熱能力を保ちながら、浮力を低減することができる。
また、本発明は、被加熱物を載置するトッププレートと、このトッププレートの下方に設けられ、被加熱物を誘導加熱する加熱コイルと、この加熱コイルを駆動するインバータ回路とを備えた誘導加熱装置において、加熱コイルは、複数段のコイルからなり、上段コイルはトッププレートに密着して配置され、上段コイルのコイル断面積は、他のコイルのコイル断面積よりも大きくなるように構成することを特徴としている。
このような構成によれば、上段コイルとその下方に配置される他のコイルには共振電流が通流し、両コイルから発生した磁力線は被加熱物に鎖交して渦電流を誘起する。ここで、上段コイルは、他のコイルと比べてコイル断面積が大きく形成されるため、他のコイルから発生した磁力線は上段コイルに鎖交し、上段コイル中に渦電流が生じやすくなる。また、上段コイルには、共振電流による導通損、自己電流による渦電流損が生じることから、発熱が促進されて他のコイルよりも発熱量が大きくなり、その発熱分は上段コイルからトッププレートを介して被加熱物に伝導される。すなわち、上段コイルの発熱量が大きくなる分、コイル電流を少なくできるため、十分な加熱能力を保ちながら、効率的に浮力を低減することができる。
この場合において、上段コイルは、例えば、素線の線径がφ0.3mm以上であることが好ましい。このように線径を所定以上の大きさに設定することで、表皮効果による発熱量が大きくなり、コイル電流を低下させ、より効果的に浮力を低減することができる。
また、上段コイルは、銅又はアルミニウムで形成され、素線を太くするだけでなく、例えば、コイル断面が矩形に形成されていることが好ましい。この構造によれば、上段コイルはトッププレートとの密着性が良くなるため、熱伝達率が高くなり、加えて、他のコイルの磁束による渦電流がより生じやすくなる。
また、トッププレートに密着された加熱コイルとトッププレートとの間に静電シールド板を設けるようにしてもよい。これによれば、例えば、加熱時にユーザーが被加熱体に触れることがあっても、人体に漏洩電流が流れることを抑制できる。
また、加熱コイルは、同心状に配置される複数のコイルにより構成されることが好ましい。これによれば、被加熱物が高磁性材料であるか、又は低磁性材料であるかによって、複数のコイルのうち稼動するコイルの位置や数を適宜切り換えることができるため、加熱効率を向上できる。
本発明によれば、低磁性材の被加熱物を加熱するにあたり、十分な加熱電力を保ちながら、被加熱物の浮力を低減させることができる。
以下、本発明の誘導加熱装置の第1の実施の形態について図を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態の誘導加熱装置の断面図である。
本実施形態の誘導加熱装置は、被加熱物となる調理鍋1と、調理鍋1の台板となるトッププレート2と、調理鍋1を誘導加熱する加熱コイル3と、加熱コイル3の磁力を調理鍋1へ磁気誘導する複数の断面U型あるいはL型のコア4と、加熱コイル3を駆動させる電力変換器5とを備えて構成される。
加熱コイル3は、複数の素線を束ねた線材(以下、コイル線ともいう)を巻き回して構成され、コイル抵抗に大きな周波数依存性をもたせるため、後述するように素線の線径を従来よりも大きくし、電流の周波数により生じる表皮効果を逆に利用するようにしている。ここで、加熱コイル3は、そのコイル線がトッププレート2に密着して配置されている。
上記構成において、例えば、調理鍋1がアルミニウムや銅と同程度以上の電気導電率をもつ低磁性材からなる場合、高周波数領域(例えば、60〜100kHz)で駆動する加熱コイル3の磁力を調理鍋1へ印加して誘導加熱するとともに、加熱コイル3から発熱した熱を密着構造によりトッププレート2を介して調理鍋1へ伝導させる。
ここで、調理鍋1と加熱コイル3との合成抵抗となる等価直列抵抗は、加熱コイル3の抵抗が表皮効果により大きくなる分、加熱コイル3を流れる電流は少なくなるため、それに伴い、調理鍋1への渦電流を誘起する起磁力(巻数×コイル電流)が減少する。しかし、加熱コイル3の発熱量を調理鍋1へ伝導し、加熱することができるため、その分、コイル電流を低減することができ、十分な加熱能力を保ちながら、浮力を低減させることができる。
一方、調理鍋1が鉄などの高磁性材からなる場合、低い周波数(例えば、20kHz周辺)で駆動させるため、加熱コイル3の抵抗が小さく、損失も小さくなり、加熱コイル3の磁力は調理鍋1へほぼ印加される。このため、必要な加熱能力が得られるとともに、浮きやずれが生じない。
このように、本実施形態では、加熱コイル3において、コイル抵抗の周波数依存性による表皮効果を利用することで、低磁性材の被加熱物の浮力低減を図るとともに、加熱コイル3の熱損失を被加熱物によって回収することができる。
図2は、本実施形態の加熱コイル3の素線を束ねたコイル線の一例を示す断面図であり、素線の線径を太くして素線数を少なくした状態を示している。図3は、従来の加熱コイル3´の素線を束ねたコイル線の一例を示す断面図であり、素線の線径が図2よりも細く、素線数が多い状態を示している。
従来の加熱コイルで3´は、例えば、素線の線径がφ1.0以下、素線数が1000本以上であるのに対し、本実施形態の加熱コイル3では、例えば、素線の線径がφ0.5、素線数が約30本となっている。なお、加熱コイル3の素線は線径を太くして素線数を少なくした方が安価となる。
図4は、本実施形態の誘導加熱装置において、加熱コイル3の周波数(kHz)に対するコイル抵抗の特性を示す線図である。本実施形態の加熱コイル3は、上記のように表皮効果による損失を抑えた従来の細線多数のものではなく、コイル抵抗の周波数依存性が高い、つまり表皮効果の損失の大きい太線少数の線材を用いている。図の周波数特性の傾き特性については、浮力の低減値、加熱コイル3の損失分の熱伝導、及びトッププレート2の温度上昇値などから適宜選択する。
調理鍋1への渦電流による銅線の浸透深さδは、例えば、周波数20,60,100kHzのとき、それぞれ0.67,0.27,0.21mm、電流密度が37%となるため、素線の半径は、浸透深さδ、一束径における素線数、及び必要なコイル抵抗値などから適宜選択する。
図5は、加熱コイル3の誘導加熱における一般的な等価回路モデルの一例を示す図である。図において、Rcは加熱コイル3の抵抗、Lcは加熱コイル3のインダクタンス、Rnは調理鍋1の抵抗、Lnは調理鍋のインダクタンス、Vin(f)は高周波電圧源、Cは共振コンデンサ、Raは等価直接抵抗、Laはその等価インダクタンスである。
図から明らかなように、Ra等価抵抗内のコイル抵抗Rc分を表皮効果により大きくすることで、等価インダクタンスLaを流れる電流が低減されるため、これに伴い、加熱コイル3に流れる電流を少なくできる。これにより、調理鍋1に印加する加熱コイル3の磁力が低減されるため、調理鍋1の浮力低減が可能になる。ここで、コイル抵抗Rcによる熱損失分は熱伝導により回収される。
次に、本実施形態の加熱コイル3の素線の線径について具体的に説明する。
図6は、加熱コイル3の素線の線径と浮力との関係を示す線図である。図において、横軸は線径φ(mm)、縦軸は浮力Fをそれぞれ示しており、縦軸は、線径がφ0.1のときを1として表している。
図に示すように、線径を0.1φ(mm)から徐々に大きくしていくと、φ0.3付近を超えたあたりから、浮力Fが大きく減少していくことが判る。このことから、本実施形態の加熱コイル3の素線は、φ0.3以上、好ましくは、φ0.4以上、より好ましくは、φ0.7以上の線径に設定するものとする。但し、φ0.9程度以上に設定すると、例えば、鉄鍋の使用時に20kHzとしても、銅表皮深さδが0.469mm(φ<2δ)となり表皮効果による表皮抵抗が影響し加熱コイル損失が増大することから、この点を考慮して線径の上限を適宜設定する。
このように、本実施形態の誘導加熱装置によれば、簡単かつ安価な構成により、アルミニウムや銅と同程度以上の電気伝導率をもつ低磁性材の軽量被加熱物の浮上力を低減することができる。また、本実施形態では、加熱コイル3をトッププレート2に密着させて、被加熱物1にて熱回収させる構成のため、十分な加熱能力を保持するとともに、加熱コイル3の冷却が不要となり、装置をコンパクトな構成とすることができる。
図7は、本発明の誘導加熱装置の第2の実施形態を示す側断面図である。図において、図1と同一部分については同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態では、加熱コイル3は、静電シールド板6を介してトッププレート2と密着して構成される。例えば、低磁性材料の調理鍋1を加熱するとき、加熱コイル3に印加される電圧が所定以上となり、調理鍋1と加熱コイル3との間に電位差が生じた状態でユーザーが調理鍋1に触れると、所定以上の電流が人体に漏洩するおそれがある。このため、本実施形態では、加熱コイル3とトッププレート2との間に導電性の静電シールド板6を介在させている。これによれば、両者の間に設置した静電シールド板6の低電位化により加熱中に調理鍋1に人体が触れても漏洩がなく安全となる。ここで、加熱コイル3、静電シールド板6、トッププレート2は互いに密着して配置される。
なお、加熱コイル3の素線は、裸構成でもよく、絶縁や耐熱用としての被覆を施したものであってもよい。
図8は、本発明の誘導加熱装置の第3の実施形態を示す側断面図である。図において、図1と同一部分については同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態では、加熱コイル3は、同心状に配置された3連のコイルから構成され、加熱コイル30の内周側には加熱コイル31、外周側には加熱コイル32が配置されている。そして、例えば、低磁性材の被加熱物を加熱する場合は、加熱コイル30、又はすべての加熱コイル30,31,32を稼動させ、高磁性材の被加熱物を加熱する場合は、加熱コイル31,32を稼動させるようにする。そして、加熱コイル30又はすべての加熱コイル30,31,32をトッププレート2の裏面に密着させる構成とする。
これによれば、調理鍋1が高磁性材料であるか、又は低磁性材料であるかによって、複数のコイルのうち稼動するコイルの位置や数を適宜切り換えることができ、加熱効率を向上できる。また、調理鍋1の浮力を検知し、加熱電力を制御する従来の機能を付加させるようにしてもよい。
図9は、本発明の誘導加熱装置の第4の実施形態を示す斜視図である。
図に示すように、本実施形態の誘導加熱装置は、トッププレート2、上段コイル11、下段コイル12、交流電源13、整流回路14、インバータ15、共振コンデンサ16を備えて構成される。図において、図1と同一部分については同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態の加熱コイルは、上段コイル11とその下方の下段コイル12が直列に接続されており、上段コイル11はトッププレート2に密着させて配置されている。上段コイル11は、銅やアルミニウムなどで形成される。下段コイル12は、例えば、断面円形のリッツ線が用いられる。上段コイル11のコイル線は、下段コイル12のコイル線よりも断面積が大きくなるように形成されている。
インバータ15は、上段コイル11と下段コイル12の直列体の両端に接続され、下段コイル12との間には共振コンデンサ16が接続されている。交流電源13は、整流回路14を経てインバータ15に接続されている。
このような構成において、トッププレート2上に調理鍋1を置き、インバータ15を上段コイル11、下段コイル12、調理鍋1、及び共振コンデンサ16によって定まる共振周波数よりも高いスイッチング周波数で動作させると、上段コイル11及び下段コイル12に共振電流が流れる。これにより、上段コイル11及び下段コイル12から磁力が発生し、この磁力線がトッププレート2上に設置された調理鍋1に鎖交すると、鍋底に渦電流が誘起され、この渦電流によって調理鍋1が誘導加熱される。
このとき、下段コイル12から発生した磁力線は、調理鍋1に鎖交する他、上段コイル11にも鎖交し、上段コイル11の中にも渦電流が流れる。また、上段コイル11には共振電流による導通損及び自己電流による渦電流損も発生する。このため、上段コイル11から発生した熱量は、下段コイル12の熱量よりも大きくなり、その分温度上昇が大きくなる。この上段コイル11から発生した熱は、密着したトッププレート2を介して調理鍋1に伝導し、調理鍋1の加熱に寄与する。
本実施形態では、上段コイル11として断面矩形のコイル線を用いているが、これは、トッププレート2への密着性を向上させて熱伝達を向上させるためのものである。そして、このような形状において断面積を大きくすることで、熱伝達率が高くなり、加えて、下段コイル12の磁束による渦電流損が生じやすくなる。
また、上段コイル11のコイル線を構成する素線の線径は、下段コイル12の素線よりも大きく形成され、例えば、線径がφ0.3mm以上に設定される。つまり、素線の線径を大きくすることで、表皮効果によるコイル抵抗の周波数依存性が高くなり、発熱量が大きくなる。
このように、共振電流による導通損及び自己電流による渦電流損に加えて、下段コイル12の磁束による影響、及び素線の径大化による表皮効果の作用により、上段コイル11の発熱は促進されるため、その発熱分を調理鍋1に付与するためのコイル電流を低減することができ、これにより、調理鍋1の浮力をより効果的に低減することができる。そして、本実施形態によれば、回路電流を小さくすることができるため、例えば、スイッチング素子の容量、容積、損失のいずれも小さくすることができる。
本実施形態では、上段コイル11と下段コイル12の二つのコイルを上下方向に配置しているが、このような構成に限定されず、例えば、さらに多くのコイルを上下方向に配置するようにしてもよい。また、本実施形態では、上段コイル11と下段コイル12を直列に接続し、その直列体にインバータを接続するようにしているが、この構成に限定されず、例えば、上段コイル11と下段コイル12を独立させて、それぞれ異なるインバータに接続するようにしてもよい。
図10は、本発明の誘導加熱装置の第5の実施形態を示す回路図である。なお、図において、図9と同一構成については、同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態は、整流回路14とインバータ15との間に昇圧コンバータ21、降圧コンバータ22を備えている点で、第4の実施形態と相違する。
昇圧コンバータ21は入力電流を交流電源13の正弦波と同じ位相にし、力率を改善する力率改善回路(PFC)として動作する。この回路により、交流電源13の持つ基本周波数(50Hz又は60Hz)がなくなり、直流電力に変換される。また、この回路により、例えば、低磁性材の調理鍋1の加熱時に発生するうなり音を抑制することができる。
昇圧コンバータ21の後段に配置される降圧コンバータ22は、例えば、アルミニウム製や銅製の調理鍋1を加熱する際の入力電力制御に用いられる。すなわち、これらの調理鍋1をハイパワーで加熱する際には、降圧コンバータ22の出力電圧を高く制御する一方、パワーを絞る場合には、降圧コンバータ22の出力電圧を低く制御する。一般に低磁性材の調理鍋1は共振のQ値が高いため、周波数制御による出力コントロールが困難であるが、この降圧コンバータ22の制御によれば、スイッチング周波数は共振周波数に追尾させた状態でパワーを制御することができる。
本発明の第1の実施の形態の誘導加熱装置の断面図である。 本発明の第1の実施の形態のコイル線の一例を示す断面図である。 従来のコイル線の一例を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態の加熱コイルの周波数に対するコイル抵抗特性を示す線図である。 加熱コイルの誘導加熱における一般的な等価回路モデルの一例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態の加熱コイルの素線の線径φと浮力Fとの関係を示す線図である。 本発明の誘導加熱装置の第2の実施の形態の側断面図である。 本発明の誘導加熱装置の第3の実施の形態の側断面図である。 本発明の誘導加熱装置の第4の実施の形態の斜視図である。 本発明の誘導加熱装置の第5の実施の形態を示す回路図である。
符号の説明
1 調理鍋
2 トッププレート
3 加熱コイル
4 コア
5 電力変換器
6 静電シールド板
11 上段コイル
12 下段コイル
13 交流電源
15 インバータ
16 共振コンデンサ

Claims (6)

  1. 被加熱物が載置されるトッププレートと、該トッププレートの下方に設けられ、前記被加熱物を誘導加熱する加熱コイルと、該加熱コイルを駆動する高周波回路とを備えた誘導加熱装置において、
    前記加熱コイルは、前記トッププレートに密着して配置され、線径がφ0.3mm以上の素線を巻き回してなることを特徴とする誘導加熱装置。
  2. 被加熱物を載置するトッププレートと、該トッププレートの下方に設けられ、前記被加熱物を誘導加熱する加熱コイルと、該加熱コイルを駆動するインバータ回路とを備えた誘導加熱装置において、
    前記加熱コイルは、複数段のコイルからなり、上段コイルは前記トッププレートに密着して配置され、前記上段コイルのコイル断面積は、他のコイルのコイル断面積よりも大きく形成されてなることを特徴とする誘導加熱装置。
  3. 前記上段コイルは、素線の線径がφ0.3mm以上であることを特徴とする請求項2に記載の誘導加熱装置。
  4. 前記上段コイルは、コイル断面が矩形に形成されてなることを特徴とする請求項2に記載の誘導加熱装置。
  5. 前記トッププレートに密着された前記加熱コイルと前記トッププレートとの間に静電シールド板が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の誘導加熱装置。
  6. 前記加熱コイルは、同心状に配置される複数のコイルから構成されてなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の誘導加熱装置。
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