JP2007156706A - 歯科治療を支援するシミュレーション方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、患者の希望を反映した治療計画の立案を可能とするための歯科治療を支援するシミュレーション方法を提供することを目的とする。
【解決手段】上記課題は、顎骨へのインプラント体埋入手術を支援するシミュレーション方法において、患者が許容可能な治療費用と治療期間とが患者希望情報として記憶領域に格納され、該患者希望情報の治療費用内の最大本数を処理本数として設定し、処理本数分のインプラント体を顎骨形状を示すモデルに配置し、モデルの顎骨に埋入するように配置されたインプラント体の強度が十分でないと判定した場合、治療期間に基づいて強度を補う治療に関するシミュレーションを行い、処理本数と強度を補う治療とに係る見積費用が患者希望情報の治療費用以下でないと判断される毎に処理本数を減算し、該患者希望情報の治療費用以下となるまで、配置と強度判定と補強補償とを繰り返し実行することにより達成される。
【選択図】図5

Description

本発明は、歯科治療を支援するシミュレーション方法に関し、特に、顎骨へのインプラント体埋入手術につき、患者の希望に添った治療計画立案を支援するためのシミュレーション方法に関する。
近年、歯科治療において、患者の顎骨をCTスキャンした画像を用いて治療方法を支援するためのシミュレーションが普及している。例えば、入れ歯などの土台とするために、顎骨に土台用のネジ型部品を埋め込む治療(インプラント)がある。従来は、レントゲン撮影した顎骨画像を利用して、医師の目視によって埋入位置を決定されていたが、埋入位置が少しずれただけでも、顎骨洞を貫通してしまったり、神経を傷つけたりという致命的な事故が発生する恐れがあり、より安全性の高い埋入位置の検討を容易に行えるようにシミュレーションすることが行われるようになった。
このような技術に関し、例えば、入れ歯装具取り付け作業に関する発明として、顎に関する画像と、取り付け部品に関する画像とを用いて、シミュレーションを行うことが提案されている。
特表2004−522489号公報
従来の歯科治療を支援するシミュレーションでは、術前に医師が決定した治療方法に基づいてインプラントの顎骨への埋入がどのようになされるかを示すものである。従って、治療に際しては、術前に医師から患者へ治療や手術の内容等を口頭で伝えているものの、手術方法については医師が決定するものであり、患者の意向はあまり考慮されていない場合があった。インプラント治療は1本の埋入が30万円以上する高額な手術であり、治療期間も長期にわたることがある。従来のシミュレーションにおいては、患者の金銭的または肉体的な負担を考慮する仕組みがないため、患者の負担を考慮した手術内容の検討をシミュレーションを用いて行うことができなかった。
よって、本発明の目的は、患者の希望を反映した治療計画の立案を可能とするための歯科治療を支援するシミュレーション方法を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明は、顎骨へのインプラント体埋入手術を支援するシミュレーション方法において、コンピュータが、少なくとも患者が許容可能な治療費用と、治療期間とを取得して患者希望情報として記憶領域に格納する患者希望情報格納手順と、前記患者希望情報の前記治療費用内で施術可能な最大本数を処理本数として設定する設定手順と、前記処理本数分のインプラント体を顎骨形状を示すモデルに配置する配置手順と、前記モデルの顎骨に埋入するように配置されたインプラント体が該顎骨と接触する面積が所定表面積以上あるか否かを判断することによってインプラント体の強度が十分であるか否かを判定する強度判定手順と、前記強度判定手順によって前記インプラント体の強度が十分でないと判定した場合、前記治療期間に基づいて強度を補う治療に関するシミュレーションを行う強度補償手順と、前記処理本数と前記強度を補う治療とに係る見積費用が前記患者希望情報の治療費用以下であるか否かを判断する治療費用判断手順と、前記治療費用判断手順によって前記患者希望情報の治療費用以下でないと判断される毎に前記処理本数を減算し、該患者希望情報の治療費用以下となるまで、前記配置手順と、前記強度判定手順と、前記補強補償手順とを繰り返し実行するように構成される。
このようなシミュレーション方法では、患者の希望を反映した治療計画の立案を可能とするため、顎骨へのインプラント体埋入手術を支援することができる。
上記課題を解決するための手段として、本発明は、上記シミュレーション方法をコンピュータに実行させるためのプログラム、及び、該シミュレーション方法を実行するシミュレーション装置とすることもできる。
本願発明は、患者の希望を反映した治療計画の立案を可能とし、歯科治療を支援することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本発明の一実施例に係る歯科治療を支援するためのシミュレーション装置は、例えば、図1に示すような機能構成を有する。図1は、本発明の一実施例に係る歯科治療を支援するためのシミュレーション装置の機能構成例を示す図である。
図1に示されるシミュレーション装置100は、CPU(中央処理装置)によって制御されるコンピュータであってCADシステムを実行可能な装置であり、本発明を実現するために少なくとも、歯列形状取得部101と、患者希望情報取得部102と、治療方法調整部103と、治療方法出力部104と、インストーラ19と、記憶領域16とを有する。
歯列形状取得部101は,CTスキャンした顎骨のCTモデルと、石膏でできた顎骨形状を3Dスキャンした3Dモデル(以下、石膏モデルとも言う)の3次元データを用いて、患者の顎骨の形状として最適とされるCT値を決定する処理部である。
患者希望情報取得部102は、患者が希望する費用と、治療期間とに基づいて、治療費を算出する処理部である。例えば、費用とは、埋入されるインプラント体の本数の料金を含む金額であって、治療期間とは、患者が許容できる治療期間である。
治療方法調整部103は、人工歯のインプラント体のモデル(以下、単にインプラント体と言う)が顎骨形状及び下顎管形状に対する干渉状態に基づいてインプラント体を配置するシミュレーションを行い、痛み、強度、予算等の条件を満たすか否かを検証し、患者希望を満足する治療法を決定する処理部である。
治療方法出力部104は、治療方法調整部103によって決定された治療方法に基づいて、インプラント体が埋入された状態を示すシミュレーション画面や、治療期間、費用等を示す治療内容や、治療方法に基づく手術に対する同意書などを画面に出力する。また、必要に応じて、印刷出力する。
記憶領域16は、ハードディスクユニット等の記憶装置内の領域であって、各種処理を実行するプログラム、CPUでの処理に必要なデータ、テーブル等を格納している。記憶領域16には、少なくとも、CTスキャンによって取得したCTモデルを患者識別情報に対応させて管理する患者毎CTモデル121と、患者の顎骨形状をかたどった石膏を3Dスキャンによって取得した3次元ソリッドモデルを患者識別情報を対応させて管理する患者毎石膏モデル122と、患者との面談に基づいて入力された患者が希望する費用、治療期間などを患者識別情報に対応させて管理する患者希望情報131と、応力集中度(Ng:Newton gram)による標準的な痛みの許容値と限界値とを、患者識別情報に基づく患者の年齢や、性別や、部位などの特性に対応させて示すDB141と、過去の患者の治療実績に基づく痛みの許容値及び限界値を患者識別情報に対応させて示す患者痛みDB142と、治療方法調整部103によって決定した治療方法を患者識別情報に対応させて示す患者毎治療方法DB143とを有する。
インストーラ19は、シミュレーション装置100での処理を実現するプログラムが格納された記憶媒体20がドライバにセットされると、記憶媒体20からそのプログラムを読み出して、記憶装置内にインストールする。シミュレーション装置100での処理の実行は、CPUが記憶装置内にインストールされたプログラムに従って行うことにより実現される。プログラムをコンピュータが読み取り可能な媒体であればよい。例えば、CD−ROM(Compact Disc Read-Only Memory)等である。また、ネットワークを介してダウンロードし、記憶装置内にインストールするようにしても良い。
図示されないが、シミュレーション装置100には、CPUからの指示に応じて、出力データを制御してプリンタ等に出力制御する出力制御部と、キーボード、マウス等によって入力された入力データを制御する入力制御部と、表示データを制御してモニタ等への表示を制御する表示制御部とを有するものとする。また、シミュレーション装置100は、CTスキャンによって取得したCTモデルを、CTスキャン装置に直接接続されることによって入力するようにしても良いし、必要に応じて、外部記憶装置から入力するようにしても良い。更に、ネットワークに接続するための通信制御部を有するようにしてもよい。
本発明では、歯列形状取得部101、患者希望情報取得部102、治療方法調整部103、治療方法出力部104の順に処理が実行される。これら各処理部について以下に説明する。
図2は、CT値の違いによるCTモデルを示す図である。図2(A)と図2(B)とは、同一の顎骨に関するCTモデルである。図2(A)では、CT値を150とした場合の顎骨のCTモデルを示している。また、図2(B)では、CT値を500とした場合の顎骨のCTモデルを示している。丸で囲った部分に歯の形状が映し出されているが、図2(A)で示されるCTモデルでの歯の形状はなだらかに映し出されるのに対して、図2(B)で示されるCTモデルでの歯の形状の方が尖った形状で写し出される。CTは水分含有量に基づいてモデルを形成するものであり、CT値が小さい程、水分含有量が多いことを表す。肉と骨とを比較すると、肉の部分は水分含有量が多いためCT値は小さく、骨の部分は水分含有量が少ないためCT値は大きく表されることになる。
骨と肉との境界部分は骨繊維と肉とが絡み合っている個所で、見かけ上の水分含有量が多い部分である。図2(B)では尖った形状で表されている部分が図2(A)ではなだらかな形状に表されるのは、CT値が高い図2(B)では水分含有量が少ない部分、すなわち、見かけ上の水分含有量が多い骨と肉との境界部分は含まずに骨の硬い部分のみを骨として表しているのに対し、CT値が低い図2(A)では見かけ上の水分含有量が多い骨と肉との境界部分までも骨として表しているためである。
このように、同一の顎骨に関するモデルであっても、いずれのCT値を採用するかによって異なる形状のモデルになってしまう。
さて、インプラント体の埋入場所を検証する場合、顎骨に埋入したインプラント体が十分な強度を持ち、また、顎骨を突き抜けたりしないようにするため、埋入位置の骨厚の状態によって埋入場所が異なってくる。また、埋入位置が尖った形状である場合、インプラント体を埋入するための穴をあけるためのドリルが入りにくいため、手術方法が変更になる場合がある。
従来のシミュレーションでは、標準的に適用されるCT値による標準CTモデルを用いて患者の顎骨の形状としていた。しかし、上述の通りCTは水分含有量に基づいてCT値を算出するものであり、体内や骨内の水分含有量には個人差があるため、標準的なCT値が施術対象である患者個人に合うものでない場合もある。その場合、標準的なCT値によるCTモデルを用いたシミュレーションによってインプラント体の埋入場所を検証したとしても、実際の手術時には顎骨の形状がシミュレーションで利用したCTモデルとは異なるため、術前に、患者に応じたより正確なシミュレーションを行うことができないことがあった。
本願では、先ず、最適な(より正確な)顎骨形状を取得する処理を歯列形状取得部101によって行う。
図3は、歯列形状取得部によって行われる処理を説明するためのフローチャート図である。この処理では、歯のCT値は骨のCT値と近いことを利用して、CTモデルと実際の歯型から採取した石膏のモデルとを比較し、歯型がなるべく石膏モデルに一致するようなCT値を求めることで、患者の個人差を考慮したCT値を求めている。
図3において、先ず、医師は、石膏で患者の顎骨形状を作成しておく(ステップS0)。そして、歯列形状取得部101は、出来上がった石膏の顎骨形状を3Dスキャナで取り込んで得られるサーフェースモデルから、CADの機能を用いて3Dソリッドモデルを作成する(ステップS1)。生成された3Dソリッドモデルを患者毎石膏モデル122に格納する。
次に、歯列形状取得部101は、CTスキャンによって得られた患者の顎骨形状のCTモデルから、CADの機能を用いて標準CT値より低い所定のCT値で顎骨モデル(ソリッドモデル)を作成する(ステップS2)。ここで、歯列形状取得部101は、前回の体積差として所定値を設定する。例えば、石膏モデルと顎骨モデルの重合部の体積と、石膏モデルの体積との体積差が最大となる値として石膏モデルから算出される体積値、或いは、その体積値の1/2の値を設定する。
そして、歯列形状取得部101は、石膏モデルと顎骨モデルのソリッドモデルを3D空間上で一致させるように重ねて配置し、ブーリアン演算で重合部の体積を求め(ステップS3)、その重合部の体積と石膏モデルの体積との体積差の絶対値を算出する(ステップS4)。
歯列形状取得部101は、算出した体積差に基づいて、重合部の体積と石膏モデルの体積とが一致するか否かを判定する(ステップS5)。ステップS4で算出した体積差がゼロを示す場合、体積同士が一致すると判断し、この場合のCT値を患者の最適CT値として、患者識別情報と対応させてそのCT値を患者毎最適CT値DB123へ格納することによって設定する(ステップS8)。
ここで、一致しない場合、歯列形状取得部101は、体積差が最小となったか否かを判定する(ステップS6)。つまり、前回の体積差と比較して、今回算出したステップS4での体積差が増加しているか否かを判定する。増加していると判定される場合、前回の体積差が最小であったと判定し、前回のCT値を適用する。前回のCT値は、今回のCT値からステップS7で使用される所定値を減算して取得しても良いし、ステップ7にてCT値の更新毎に所定記憶領域に格納しておき、そこから読み出しても良い。歯列形状取得部101は、前回のCT値を患者の最適CT値として、患者識別情報と対応させてそのCT値を患者毎最適CT値DB123へ格納することによって設定する(ステップS8)。
一方、体積差がゼロでもなく最小となるCT値を示唆する値でもない(前回の体積差から今回の体積差が減少している)場合、歯列形状取得部101は、処理中のCT値に所定CT値を加算して、顎骨モデル(ソリッドモデル)を作成し(ステップS7)、ステップS3へ戻り、上記同様の処理を繰り返す。
このようにして患者毎最適CT値DB123に設定されたCT値は、以下に説明する処理において、患者の顎骨を3次元で表示する際に使用される。
図4は、患者希望情報取得部によって表示ユニットに表示される患者希望情報を取得するための画面例を示す図である。図4において、患者希望情報取得部102は、患者希望情報画面40を表示ユニットに表示する。患者希望情報画面40は、治療内容を入力した日付を表示する表領域40aと、患者名を表示する表示域40bと、CTモデル名を表示する表示域40cと、治療内容の項目を表示する表示域40eと、医師所見の情報を表示する表示域40eと、患者希望情報を設定する設定域40fとを有する。
治療内容を入力した日付を表示する表領域40aには、例えば、「2005年11月30日」のように自動的に表示される。患者名を表示する表示域50bには、例えば、予め入力、或いは、患者識別情報と患者名とが対応して管理される患者情報を用いて選択された患者識別情報又は患者名に基づいて患者名が表示され、CTモデル名を表示する表示域50cには、患者毎CTモデル121から患者識別情報に対応するCTモデルの識別情報がCTモデル名として表示される。
治療内容の項目を表示する表示域40eには、埋入すべきインプラント体の本数、骨補填、治療期間、費用などの項目が示される。これら項目に対応して、医師所見の情報を表示する表示域50eには、医師から入力された情報として、例えば、「3本」、「あり」、「6ヶ月」が表示され、その医師所見の情報に基づいて自動計算された「100万円」が表示される。患者希望情報を設定する設定域40fには、患者の希望に関し入力された情報として、例えば、「2本」、「なし」、「6ヶ月」が表示され、患者が支払い可能と申告した費用として「70万円」が設定される。この患者希望の例では、患者は、なるべくインプラント体の本数を少なくし、骨補填などの手間を省きたいと所望しているが、医師所見の本数よりも少ない本数を希望するため、必要に応じては、多少の補強に係る費用及び治療期間を許容している場合に入力された情報を示している。
患者希望情報画面40にて設定された患者希望情報は、患者識別情報に対応させて、医師所見の情報とともに患者希望情報131に格納される。
患者は、医師との面談の結果をこの患者希望情報画面40を見ながら確認することができ、医師所見と照らし合わせて患者希望を確認することが可能となる。従って、医師所見との違いを予め患者が認識することができる。
次に、患者希望情報131を参照しつつ治療方法が調整される仕組みについて図5で説明する。
図5は、治療方法調整部によって行われる処理を説明するためのフローチャート図である。この処理では、従来のシミュレーション方法に加え、患者の希望に関する情報として、治療の費用上限(予算)と、治療期間とに関する情報を入力として用いることに特徴がある。費用に関する情報を元に、埋入するインプラント体の本数の上限を決定し、治療期間に関する情報を元に、骨強度を補強するための骨補填を行うか否かを決定する。
図5において、先ず、治療方法調整部103は、患者毎最適CT値DB123に設定された最適CT値を患者識別情報を用いて取得し、患者毎CTモデル121からこの最適CT値による顎骨モデルを取得して、所定表示領域に配置し(ステップS101)、また同様に、患者毎CTモデル121からこの最適CT値による下顎管モデルを取得して、所定表示領域に配置された顎骨モデルに重ね合わせて配置する(ステップS102)。
治療方法調整部103は、患者希望情報131から患者が希望する費用を参照して、その費用内でインプラント可能な最大本数を算出し、その本数分のインプラント体のデータを入力して(ステップS103)、インプラント体を歯列形状に沿って顎骨モデルに配置する(ステップS104)。ここで、患者希望の費用が70万円であり、インプラント体1本の費用が30万円とすると、70万円を30万円で除した数である2が最大本数となるので、2本のインプラント体が歯列形状に沿って顎骨モデルに配置されることになる。算出された最大本数は、記憶領域16に処理本数として格納される。
そして、治療方法調整部103は、配置されたインプラント体と顎骨モデルとの干渉をチェックし、更に、そのインプラント体と下顎管モデルとの干渉をチェックし(ステップS105)、インプラント体の配置が適切であるか否かを判断する(ステップS106)。配置が適切でないと判断した場合、配置位置の再設定を行う(ステップS106−2)。
配置位置の再設定では、治療方法調整部103は、最適CT値による顎骨モデルから歯列形状を特定し、配置した各インプラント体の角度を歯列方向でインプラント体頭部の上面を奥側へ傾けるように変更する。ここで、歯列形状の特定は、予め用意された2から5程度の歯列パターンと照らし合わせることによって特定する。また、インプラント体の角度は、特に、インプラント体が下顎管の上方に配置されている場合に変更する。
配置位置の再設定後、ステップS104へと戻る。この場合、治療方法調整部103は、ステップS106−2にて変更された角度を示す情報に基づいて形状配置を行う。以後上記した処理を繰り返す。
一方、ステップS106にて干渉チェックにて配置に問題ないと判断した場合、治療方法調整部103は、インプラント体が配置された顎骨の厚みをチェックする(ステップS107)。厚みのチェックでは、インプラント体の配置位置における顎骨の厚みを最適CT値による顎骨モデルから算出し、インプラントする際に要求される所定厚みと比較することによって行われる。治療方法調整部103は、所定厚みを満たすか否かを判断する(ステップS108)。所定厚みを満たさない場合は、埋入したインプラント体周囲の骨の厚みが薄く、インプラントに入れ歯が装着され実際に力が加わった場合に骨が力を支えきれずに割れたり欠けたりしてしまうなどの問題が生じる可能性が高いことを意味するので、配置位置を変更する必要がある。そこで、治療方法調整部103は、ステップS106−2による配置位置の再設定へと進み上記同様の処理を繰り返す。
一方、ステップS108にて、所定厚みを満たすと判断した場合、治療方法調整部103は、インプラント体の埋入による顎骨に与える応力を解析する(ステップS109)。その応力解析結果に基づいて、治療方法調整部103は、最大応力値が所定応力値以上となっているか否かを判断する(ステップS110)。応力集中があるすなわち所定応力値以上になっている場合は、インプラントに入れ歯が装着され実際に力が加わった場合に骨のある個所に大きな力が集中してしまい、骨を破損させたり、患者にとって強い痛みを感じさせたりする状況になる可能性が高いことを意味するので、配置位置を変更する必要がある。そこで、治療方法調整部103は、ステップS106−2による配置位置の再設定へと進み上記同様の処理を繰り返す。
一方、ステップS110にて、応力集中がない(所定応力値未満)場合、治療方法調整部103は、患者が痛みを感じるか否かを判断する(ステップS111)。治療方法調整部103は、患者識別情報を用いて、患者毎痛みDB142から患者の痛みの限界値を取得して、応力の度合い(Ng)がその限界値以上を示しているか否かを判断する。ここで、治療方法調整部103は、患者毎痛みDB142に一致する患者識別情報がない場合、標準痛みDB141から標準的な限界値を取得して、応力の度合い(Ng)がその標準的な限界値以上を示しているか否かを判断する。なお、標準痛みDB141から標準的な限界値を参照する場合には、患者の年齢や性別や施術する歯の位置に応じた限界値を参照しても良い。
患者が痛みを感じると判断した場合、治療方法調整部103は、ステップS106−2による配置位置の再設定へと進み上記同様の処理を繰り返す。
一方、ステップS111にて、患者が痛みを感じないと判断した場合、治療方法調整部103は、インプラント体を支えるのに十分な強度があるか否かを判断する(ステップS112)。すなわち、治療方法調整部103は、インプラント体が埋入される表面積が所定表面積以上あるか否かを判断する。
十分な強度がないと判断した場合、治療方法調整部103は、患者希望の治療期間が骨造成(骨補填)をするのに必要な所定期間以上であるか否かを判断する(ステップS113)。所定期間以上である場合、治療期間は十分であると判断する。この場合、強度が不十分な部分に骨造成をシミュレートする(ステップS113−2)。治療方法調整部103は、最適CT値による顎骨モデルを用いて、インプラント体1本毎に、例えば骨欠損などの強度が不十分な部分の上面から顎骨の高さまでの体積(本来ならば顎骨がある部分の体積)を算出し、体積から骨造成剤の所定質量を乗算することで、骨造成に必要な骨造成剤の質量(g)を算出する。そして、治療方法調整部103は、算出した骨造成部分の質量から所定料金を乗算した結果を骨造成にかかる費用として記憶領域16に保持する。骨造成のシミュレーション後、治療方法調整部103は、ステップS109へ戻り、応力解析を再度実行し、以後上記同様の処理を繰り返す。
ステップS113において、患者希望の治療期間が骨造成をするのに所定期間に不十分であると判断した場合、治療方法調整部103は、インプラント体の種類変更を行う(ステップS113−4)。すなわち、現在シミュレーションされているインプラント体より太いインプラント体に変更する。太いインプラント体に変更することによって顎骨との接触面積を広くすることができ、強度を改善することができる。太さの変更は、適宜、医師によって設定可能としてもよい。変更されたインプラント体の種類を記憶領域16に格納する。
ステップS112において、十分な強度があると判断した場合、治療方法調整部103は、患者希望情報131から患者が希望する費用と、患者毎治療方法DB143を用いて算出される費用(見積費用)とを比較することによって、患者の予算内であるか否かを判断する(ステップS114)。予算内でない(患者が希望する費用を上回る)場合、治療費用を削減するために、治療方法調整部103は、インプラント体の数を1本減らす変更を行い(処理本数から1を減算する)(ステップS114−2)、ステップS104へ戻り、上記同様の処理を繰り返す。
一方、ステップS114にて予算内(患者が希望する費用以下)である場合、治療方法出力部104によってシミュレーション結果、治療内容、同意書などが表示ユニットに表示され、また、必要に応じて、印刷出力される(ステップS115)。治療方法出力部104は、患者毎治療方法DB143に患者のインプラント体の本数分のレコードを取得し、記憶領域16に格納されている処理本数、インプラント体1本毎の骨造成部分の材料の質量(g)、インプラント体の種類に基づいて、患者識別情報、本数、インプラント体を識別する番号、インプラント体の種類、骨補填の有無、ステップS113−2にて算出された骨補填の質量などを設定する。
図6は、図5に示す処理フローにおける応力解析結果に基づく応力集中の度合いを示すシミュレーション画面例を示す図である。図6(A)では、顎骨の欠損部分をそのままにインプラント体を埋入したために、骨とインプラント体の接触部に応力が集中している例を示している。図6(B)では、欠損部分に骨補填財を詰めた後、インプラント体を埋入し、顎骨全体で応力を吸収して安定している例を示している。図6(A)及び図6(B)では、応力の度合いの程度が明度で示され、より明るい箇所がより応力の度合いが高いことを示す。
図6(A)では、顎骨の欠損部分で局所的に明るい箇所があるのに対して、図6(B)では、欠損部分の表面全体に程よく応力が分散している様子が分かる。図5に示す治療方法調整部103による処理によって、図6(A)に示すような応力が集中している状態であるのを、インプラント体の配置位置の変更、インプラント体の種類の変更、インプラント体の本数の変更、欠損部分の骨造成などを行うことによって、図6(B)に示すように応力が分散して安定している状態にシミュレーションすることができる。
図7は、治療方法出力部によって表示ユニットに表示される治療内容を示す画面例を示す図である。図7において、治療方法出力部104は、治療内容画面50を表示ユニットに表示する。治療内容画面50は、治療内容を提示した日付を表示する表領域50aと、患者名を表示する表示域50bと、CTモデル名を表示する表示域50cと、治療内容の項目を表示する表示域50eと、医師所見の情報を表示する設定域50eと、患者希望情報を表示する表示域50fと、計算結果を表示する表示域50gと、計算結果を算出するまでに要した時間を表示する表示域50hと、手術難易度を表示する表示域50iとを有する。
治療内容を提示した日付を表示する表領域50aには、例えば、「2005年11月30日」のように自動的に表示される。患者名を表示する表示域50bには、例えば、予め入力、或いは、患者識別情報と患者名とが対応して管理される患者情報を用いて選択された患者識別情報又は患者名に基づいて患者名が表示され、CTモデル名を表示する表示域50cには、患者毎CTモデル121から患者識別情報に対応するCTモデルの識別情報がCTモデル名として表示される。
治療内容の項目を表示する表示域50eには、本数、骨補填、治療期間、費用などの項目が示される。これら項目に対応して、医師所見の情報を表示する表示域50eには、例えば、「3本」、「あり」、「6ヶ月」が表示され、その医師所見の情報に基づいて自動計算された「100万円」が表示される。また、同様に、これら項目に対応して、患者希望情報を表示する表示域50fには、例えば、「2本」、「なし」、「6ヶ月」が表示され、患者が支払い可能な費用として「70万円」が表示される。更に、同様に、これら項目に対応して、図5の処理フローによる計算結果を表示する表示域50gには、例えば、「2本」、「あり」、「6ヶ月」、そして自動計算された「68万円」が表示される。
計算結果を算出するまでに要した時間を表示する表示域50hには、例えば、「0:15:45」が表示され、手術難易度を表示する表示域50iには、例えば、所定のアルゴリズムに従って計算結果を表示する表示域50gに表示される計算結果を用いて算出された「30%」が表示される。
治療内容画面50には、患者毎治療方法DB143から患者識別情報に対応させて取得した情報が表示される。この例では、例えば、標準のインプラント体1本が30万円である場合、患者希望の2本であるが、図5のステップS113−2での骨造成が行われて金額が変更され、費用が68万円となったことが分かる。
この例の場合、患者は、当初、治療期間と費用はある程度許容できるけれども、インプラント体の埋入を2本だけで治療を済ませたいと希望したのに対し、シミュレーションの結果は、十分な強度を保つためには、骨造成による骨補填が必要であったことを示している。医師は、必要に応じて、図6に示すような骨補填材を詰める前と後の応力の集中の様子を示す3次元画像を患者に示して、シミュレーション結果である手術案の妥当性を説明するようにしてもよい。
次に、図8、図9、図10にて、データベース等のデータ構成について説明する。
図8は、患者希望情報のデータ構成の例を示す図である。図8において、図4に示す患者希望情報画面40にて設定及び表示される情報が、患者を識別する患者識別情報に対応して格納される。
図8に示す患者希望情報131は、大きくは、患者識別情報、医師所見、患者希望の項目を有し、医師所見及び患者希望の項目は更に、インプラント体の本数(本)、骨補填(有/無)、治療期間(ヶ月)、費用(万円)などの小項目を有する。ここで、かっこ内は単位を示す。
図8に示す例では、患者識別情報「001」に対応させて、医師所見の項目では、インプラント体「3」本、骨補填「あり」、治療期間「6」(ヶ月)、費用100(万円)の情報が格納され、患者希望の項目では、インプラント体「2」本、骨補填「なし」、治療期間「6」(ヶ月)、費用70(万円)の情報が格納される。
図9は、標準痛みDB及び患者毎痛みDBのデータ構成の例を示す図である。図9(A)に示す標準痛みDB141は、性別、年齢(才)、部位の組み合わせ毎に、痛み許容値(Ng)と、痛み限界値(Ng)とが対応付けられている。
組み合わせでは、例えば、性別「男性」と「女性」毎に、「〜10」才、「11〜20」才、「21〜60」才、「61〜」才等の年齢の範囲に分けられ、更に、これら年齢の範囲毎に、「中切歯」、「側切歯」、「犬歯」、「第一小臼歯」、「第二小臼歯」、「第一大臼歯」、「第二大臼歯」、「第三大臼歯」など、或いは、歯を特定可能な情報(番号、アルファベットなど)の部位が対応する。部位の特定では、更に、上顎、下顎、右側、左側などに詳細に分類してもよいし、歯列に沿った大まかな範囲で分類してもよい。
これら組み合わせ毎に、標準的な痛み許容値(Ng)の範囲と、標準的な痛み限界値(Ng)とが対応付けられている。
図9(B)に示す患者毎痛みDB142には、過去の治療時に医師によって設定された患者の痛みを感じる程度が格納されている。患者毎痛みDB142は、患者識別情報に対応させて、性別、年齢(才)、部位、痛み許容値(Ng)と、痛み限界値(Ng)とが対応付けられている。
図9(B)に示す例では、患者識別情報「001」に対応させて、性別「男性」、年齢「23」才、部位「第一大臼歯」、患者の痛み許容値「a1’〜a2’」(Ng)、患者の痛み限界値「A1’〜A2’」(Ng)が示されている。
図5のステップS111での痛みを感じるか否かの判断では、治療方法調整部103は、先ず、患者毎痛みDB142を参照し、患者毎痛みDB142に患者の過去の痛み情報が格納されていない場合、標準痛みDB141を参照する。
図10は、患者毎治療方法DBのデータ構成を示す図である。図10に示す患者毎治療方法DB143は、シミュレーションした治療方法の結果を管理するデータベースであって、患者識別情報、インプラント体の本数(本)、インプラント体を特定するための番号(本目)、インプラント体の種類、骨補填(有/無)、骨補填ありの場合の骨補填質量(g)などの項目を有する。
治療方法出力部104は、図5のステップS115でのシミュレーション結果出力において、患者識別情報を用いて治療方法を示すレコードを抽出し、費用を算出して、図7に示す治療内容画面50のレイアウトに基づいて、計算結果として表示する。医師所見50e及び患者希望50fは、患者識別情報を用いて患者希望情報131を参照することによって医師所見の情報及び患者希望の情報が夫々取得され表示される。
図10に示す例において、患者識別情報「001」の患者の費用は、例えば、1本目の太さ「4mm」の金額と、2本目の太さ「4mm」の金額との合計をインプラント体の金額として算出し、更に、1本目の骨補填質量G1(g)と、2本目の骨補填質量G2(g)との合計質量に骨補填材の単価を乗算することによって骨補填の金額を算出する。そして、インプラント体の金額と骨補填の金額との合算が、計算結果の費用として図7の治療内容画面50に表示される。この治療方法の例の場合、費用が68万円として算出され、患者希望の70万円以内で治療可能となることが分かる。
上述したような計算は、図5のステップS114での予算内であるか否かの判断において、治療方法調整部103が費用を求める場合、また、図5のステップS115でのシミュレーション結果の出力において、治療方法出力部104が費用を求める場合に、実行される。
上述したように、本発明に係るシミュレーション装置100では、患者が希望するインプラント体の本数、骨補填の有無、患者が許容できる治療期間、患者が支払い可能な費用など、患者の希望を設定可能とし、患者の希望の範囲で治療方法を調整することが可能となる。
以上の説明に関し、更に以下の項を開示する。
(付記1)
顎骨へのインプラント体埋入手術を支援するシミュレーション方法において、コンピュータが、
少なくとも患者が許容可能な治療費用と、治療期間とを取得して患者希望情報として記憶領域に格納する患者希望情報格納手順と、
前記患者希望情報の前記治療費用内で施術可能な最大本数を処理本数として設定する設定手順と、
前記処理本数分のインプラント体を顎骨形状を示すモデルに配置する配置手順と、
前記モデルの顎骨に埋入するように配置されたインプラント体が該顎骨と接触する面積が所定表面積以上あるか否かを判断することによってインプラント体の強度が十分であるか否かを判定する強度判定手順と、
前記強度判定手順によって前記インプラント体の強度が十分でないと判定した場合、前記治療期間に基づいて強度を補う治療に関するシミュレーションを行う強度補償手順と、
前記処理本数と前記強度を補う治療とに係る見積費用が前記患者希望情報の治療費用以下であるか否かを判断する治療費用判断手順と、
前記治療費用判断手順によって前記患者希望情報の治療費用以下でないと判断される毎に前記処理本数を減算し、該患者希望情報の治療費用以下となるまで、前記配置手順と、前記強度判定手順と、前記補強補償手順とを繰り返し実行することを特徴とするシミュレーション方法。
(付記2)
前記強度補償手順は、
前記患者希望情報の治療期間が骨造成の治療のための所定期間以上である場合、骨造成される部分の材料の質量を算出して記憶領域に格納する骨造成質量算出手順を有し、
前記見積費用は、前記処理本数に所定料金を乗算した結果と、前記質量に所定料金を乗算した結果との合計であることを特徴とする付記1記載のシミュレーション方法。
(付記3)
前記強度補償手順は、
前記患者希望情報の治療期間が骨造成の治療のための所定期間未満である場合、顎骨との接触面積が広くなるようにインプラント体の種類を変更して、該変更後の種類を示す種類情報を記憶領域に格納する種類変更手順を有する付記2記載のシミュレーション方法。
(付記4)
前記コンピュータが、
前記配置手順によって配置された前記インプラント体が前記顎骨の埋入位置へ及ぼす応力を解析する応力解析手順と、
患者の痛みの許容値と痛みの限界値とが患者識別情報に対応させて管理される患者毎痛みデータベースから患者識別情報を用いて該患者の痛みの許容値と痛みの限界値とを取得し、前記応力解析手順によって算出された最大応力値が該痛みの許容値と痛みの限界値とのいずれかに相当するか否かを判断することによって、該患者が痛みを感じるか否かを判定する痛み判定手順と、
前記痛み判定手順によって患者が痛みを感じると判定した場合、前記インプラント体の配置位置を再設定する配置再設定手順と更に実行する付記1乃至3のいずれか一項記載のシミュレーション方法。
(付記5)
前記コンピュータが、
前記配置手順によって配置された前記インプラント体が前記顎骨の埋入位置へ及ぼす応力を解析する応力解析手順と、
前記応力解析手順によって算出された最大応力値が所定応力値以上であるか否かを判断することによって応力集中があるか否かを判定する応力集中判定手順と、
前記応力集中判定手順によって応力集中がないと判定された場合、前記強度判定手順を実行することを特徴とする付記1乃至3のいずれか一項記載のシミュレーション方法。
(付記6)
前記コンピュータが、
前記手術の対象となる患者から採取した石膏の顎骨形状を元に作成した3Dソリッドモデルを石膏モデルとして記憶領域に格納する石膏モデル作成手順と、
前記患者についてCTスキャンによって取得した該患者の顎骨のCTモデルにつき、CT値を所定CT値毎に変化させて、該CTモデルと前記石膏モデルとの非重合部の体積が最小となるCT値を取得するCT値取得手順と更に実行することを特徴とする付記1乃至5のいずれか一項記載のシミュレーション方法。
(付記7)
顎骨へのインプラント体埋入手術を支援するシミュレーションをコンピュータに行わせるためのコンピュータ実行可能なプログラムであって、該コンピュータに、
少なくとも患者が許容可能な治療費用と、治療期間とを取得して患者希望情報として記憶領域に格納する患者希望情報格納手順と、
前記患者希望情報の前記治療費用内で施術可能な最大本数を処理本数として設定する設定手順と、
前記処理本数分のインプラント体を顎骨形状を示すモデルに配置する配置手順と、
前記モデルの顎骨に埋入するように配置されたインプラント体が該顎骨と接触する面積が所定表面積以上あるか否かを判断することによってインプラント体の強度が十分であるか否かを判定する強度判定手順と、
前記強度判定手順によって前記インプラント体の強度が十分でないと判定した場合、前記治療期間に基づいて強度を補う治療に関するシミュレーションを行う強度補償手順と、
前記処理本数と前記強度を補う治療とに係る見積費用が前記患者希望情報の治療費用以下であるか否かを判断する治療費用判断手順と、
前記治療費用判断手順によって前記患者希望情報の治療費用以下でないと判断される毎に前記処理本数を減算し、該患者希望情報の治療費用以下となるまで、前記配置手順と、前記強度判定手順と、前記補強補償手順とを繰り返し実行させることを特徴とするコンピュータ実行可能なプログラム。
(付記8)
顎骨へのインプラント体埋入手術を支援するシミュレーション装置であって、
少なくとも患者が許容可能な治療費用と、治療期間とを取得して患者希望情報として記憶領域に格納する患者希望情報格納手段と、
前記患者希望情報の前記治療費用内で施術可能な最大本数を処理本数として設定する設定手段と、
前記処理本数分のインプラント体を顎骨形状を示すモデルに配置する配置手段と、
前記モデルの顎骨に埋入するように配置されたインプラント体が該顎骨と接触する面積が所定表面積以上あるか否かを判断することによってインプラント体の強度が十分であるか否かを判定する強度判定手段と、
前記強度判定手段によって前記インプラント体の強度が十分でないと判定した場合、前記治療期間に基づいて強度を補う治療に関するシミュレーションを行う強度補償手段と、
前記処理本数と前記強度を補う治療とに係る見積費用が前記患者希望情報の治療費用以下であるか否かを判断する治療費用判断手段と、
前記治療費用判断手段によって前記患者希望情報の治療費用以下でないと判断される毎に前記処理本数を減算し、該患者希望情報の治療費用以下となるまで、前記配置手段と、前記強度判定手段と、前記補強補償手段とを繰り返し実行することを特徴とするシミュレーション装置。
(付記9)
顎骨へのインプラント体埋入手術を支援するシミュレーション方法において、コンピュータが、
少なくとも患者が許容可能な治療費用と、治療期間とを取得して患者希望情報として記憶領域に格納する患者希望情報格納手順と
前記患者希望情報の前記治療費用内で施術可能な最大本数を算出し、該最大本数を前記インプラント体埋入本数の上限値として設定する手順と、
前記患者希望情報の前記治療期間が所定の期間以上あるかないかに応じて、顎骨の強度を補うための治療を行うか否かを決定する手順と、
前記設定した埋入本数の上限値と、前記決定した強度を補うための治療を行うか否かに基づいて、顎骨へのインプラント体埋入位置及び本数をシミュレーションする手順と
を実行することを特徴とするシミュレーション方法。
本発明は、具体的に開示された実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
本発明の一実施例に係る歯科治療を支援するためのシミュレーション装置の機能構成例を示す図である。 CT値の違いによるCTモデルを示す図である。 歯列形状取得部によって行われる処理を説明するためのフローチャート図である。 患者希望情報取得部によって表示ユニットに表示される患者希望情報を取得するための画面例を示す図である。 治療方法調整部によって行われる処理を説明するためのフローチャート図である。 図5に示す処理フローにおける応力解析結果に基づく応力集中の度合いを示すシミュレーション画面例を示す図である。 治療方法出力部によって表示ユニットに表示される治療内容を示す画面例を示す図である。 患者希望情報のデータ構成の例を示す図である。 標準痛みDB及び患者毎痛みDBのデータ構成の例を示す図である。 患者毎治療方法DBのデータ構成を示す図である。
符号の説明
16 記憶領域
19 インストーラ
20 記憶媒体
100 シミュレーション装置
101 歯列形状取得部
102 患者希望情報取得部
103 治療方法調整部
104 治療方法出力部
121 患者毎CTモデル
122 患者毎石膏モデル
123 患者毎最適CT値DB
131 患者希望情報
141 標準痛みDB
142 患者毎痛みDB
143 患者毎治療方法DB

Claims (5)

  1. 顎骨へのインプラント体埋入手術を支援するシミュレーション方法において、コンピュータが、
    少なくとも患者が許容可能な治療費用と、治療期間とを取得して患者希望情報として記憶領域に格納する患者希望情報格納手順と、
    前記患者希望情報の前記治療費用内で施術可能な最大本数を処理本数として設定する設定手順と、
    前記処理本数分のインプラント体を顎骨形状を示すモデルに配置する配置手順と、
    前記モデルの顎骨に埋入するように配置されたインプラント体が該顎骨と接触する面積が所定表面積以上あるか否かを判断することによってインプラント体の強度が十分であるか否かを判定する強度判定手順と、
    前記強度判定手順によって前記インプラント体の強度が十分でないと判定した場合、前記治療期間に基づいて強度を補う治療に関するシミュレーションを行う強度補償手順と、
    前記処理本数と前記強度を補う治療とに係る見積費用が前記患者希望情報の治療費用以下であるか否かを判断する治療費用判断手順と、
    前記治療費用判断手順によって前記患者希望情報の治療費用以下でないと判断される毎に前記処理本数を減算し、該患者希望情報の治療費用以下となるまで、前記配置手順と、前記強度判定手順と、前記補強補償手順とを繰り返し実行することを特徴とするシミュレーション方法。
  2. 前記強度補償手順は、
    前記患者希望情報の治療期間が骨造成の治療のための所定期間以上である場合、骨造成される部分の材料の質量を算出して記憶領域に格納する骨造成質量算出手順を有し、
    前記見積費用は、前記処理本数に所定料金を乗算した結果と、前記質量に所定料金を乗算した結果との合計であることを特徴とする請求項1記載のシミュレーション方法。
  3. 前記強度補償手順は、
    前記患者希望情報の治療期間が骨造成の治療のための所定期間未満である場合、顎骨との接触面積が広くなるようにインプラント体の種類を変更して、該変更後の種類を示す種類情報を記憶領域に格納する種類変更手順を有する請求項2記載のシミュレーション方法。
  4. 前記コンピュータが、
    前記配置手順によって配置された前記インプラント体が前記顎骨の埋入位置へ及ぼす応力を解析する応力解析手順と、
    患者の痛みの許容値と痛みの限界値とが患者識別情報に対応させて管理される患者毎痛みデータベースから患者識別情報を用いて該患者の痛みの許容値と痛みの限界値とを取得し、前記応力解析手順によって算出された最大応力値が該痛みの許容値と痛みの限界値とのいずれかに相当するか否かを判断することによって、該患者が痛みを感じるか否かを判定する痛み判定手順と、
    前記痛み判定手順によって患者が痛みを感じると判定した場合、前記インプラント体の配置位置を再設定する配置再設定手順と更に実行する請求項1乃至3のいずれか一項記載のシミュレーション方法。
  5. 顎骨へのインプラント体埋入手術を支援するシミュレーション方法において、コンピュータが、
    少なくとも患者が許容可能な治療費用と、治療期間とを取得して患者希望情報として記憶領域に格納する患者希望情報格納手順と
    前記患者希望情報の前記治療費用内で施術可能な最大本数を算出し、該最大本数を前記インプラント体埋入本数の上限値として設定する手順と、
    前記患者希望情報の前記治療期間が所定の期間以上あるかないかに応じて、顎骨の強度を補うための治療を行うか否かを決定する手順と、
    前記設定した埋入本数の上限値と、前記決定した強度を補うための治療を行うか否かに基づいて、顎骨へのインプラント体埋入位置及び本数をシミュレーションする手順と
    を実行することを特徴とするシミュレーション方法。
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