JP2007156451A - ホログラム記録材料及びホログラム記録媒体 - Google Patents

ホログラム記録材料及びホログラム記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】高い屈折率変化、柔軟性、高感度、低散乱、耐環境性、耐久性、低収縮性、及び高多重度が達成される、体積型ホログラム記録に適したホログラム記録材料、及びホログラム記録媒体を提供する。
【解決手段】少なくとも2種の金属、酸素、及び芳香族基を少なくとも有し、且つ2つの芳香族基が1つの金属に直接結合している有機金属単位を有している有機金属化合物と、分子内に1つの重合性官能基を有する単官能化合物(A)を少なくとも含んでいる光重合性化合物とを含むホログラム記録材料。光重合性化合物として、分子内に2つ以上の重合性官能基を有する多官能化合物(B)とを含んでいてもよい。ホログラム記録材料層21を有するホログラム記録媒体11。
【選択図】 図1

Description

本発明は、体積型ホログラム記録に適したホログラム記録材料、及び前記ホログラム記録材料を有するホログラム記録媒体に関する。
大容量、高速転送を可能とする記録技術として、ホログラフィックメモリーの研究開発が進められている。O plus E, Vol. 25, No. 4, 385-390 (2003)には、ホログラフィックメモリーの基本構成及び今後の展望が記載されている。
ホログラム記録材料に求められる特性として、記録の際の高い屈折率変化、高感度、低散乱、耐環境性、耐久性、低寸法変化、及び高多重度等が挙げられる。ホログラム記録材料として、有機バインダーポリマーと光重合性モノマーとを主成分とするフォトポリマー材料が知られている。しかしながら、フォトポリマー材料は、耐環境性、耐久性等において問題がある。フォトポリマー材料の問題点を解決するために、無機マトリックスと光重合性モノマーとを主成分とする有機−無機ハイブリッド材料が注目され検討されている。無機マトリックスは、耐環境性、耐久性に優れる。
例えば、特許2953200号公報には、無機物質ネットワークの膜中に、光重合性モノマー又はオリゴマー、及び光重合開始剤を含む光記録用膜が開示されている。また、無機ネットワークを有機修飾して、無機ネットワーク膜の脆さを改善することも開示されている。しかしながら、無機物質ネットワークと光重合性モノマー又はオリゴマーとの相溶性は良くない。そのため、均一な膜は得られにくい。特に、高多重度を達成するために必要な100μm以上の膜厚とする場合には、均一な膜の形成は困難である。膜の不均一は光散乱の問題を生じ、100μm以上の膜厚の場合には、光散乱は非常に大きな問題となる。すなわち、光散乱によってホログラム記録材料の透過率が低下し、また散乱光によって記録データのノイズを生じることとなる。同号公報では、100μm以上の膜厚における散乱などの記録特性について検討されていない。
特開平11−344917号公報には、有機−無機ハイブリッドマトリックス中に光活性モノマーを含む光記録媒体が開示されている。前記有機無機ハイブリッドマトリックスは、金属元素にアルキル基(メチル基)又はアリール基(フェニル基)を有する。しかしながら、メチル基の導入によっては、ハイブリッドマトリックスと光活性モノマーとの相溶性を改善できない。フェニル基の導入は、メチル基の導入よりは相溶性の改善が得られる。しかし、フェニル基の導入によって、ハイブリッドマトリックス前駆体の硬化速度が低下(同号公報[0015])する。
特開2002−236439号公報には、主鎖構成成分としてエチレン性不飽和二重結合を含有する有機金属化合物とエチレン性不飽和二重結合を有する有機モノマーとを共重合させてなる有機−無機ハイブリッドポリマー及び/又はその加水分解重縮合物からなるマトリックス、光重合性化合物、及び光重合開始剤を含むホログラム記録材料が開示されている。大きな有機主鎖成分をマトリックス材料に導入することにより、マトリックスと光重合性化合物との相溶性は改善される。しかしながら、大きな有機主鎖成分の導入は、マトリックス材料中に有機主鎖と無機ネットワークの二成分構造が存在することになり、記録の際のマトリックスとしての単一の挙動を示さない可能性があり、記録の不均一を起こすことが考えられる。また、マトリックス中の有機主鎖成分の割合が大きいと、有機バインダーポリマーを用いたフォトポリマー材料におけるのと同じ問題が生じる。
O plus E, Vol. 25, No. 4, 385-390 (2003) 特許2953200号公報 特開平11−344917号公報 特開2002−236439号公報
そこで、本発明の目的は、高い屈折率変化、柔軟性、高感度、低散乱、耐環境性、耐久性、低収縮性、及び高多重度が達成される、体積型ホログラム記録に適したホログラム記録材料を提供することにある。特に、本発明の目的は、高い屈折率変化、柔軟性、高感度と小さい記録収縮性との両立が達成される、体積型ホログラム記録に適したホログラム記録材料を提供することにある。また、本発明の目的は、前記ホログラム記録材料を有するホログラム記録媒体を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討した結果、高い屈折率変化、柔軟性、高感度、小さい記録収縮性、及び相溶性に優れたホログラム記録材料を見いだした。
本発明には、以下の発明が含まれる。
(1) 少なくとも2種の金属、酸素、及び芳香族基を少なくとも有し、且つ2つの芳香族基が1つの金属に直接結合している有機金属単位を有している有機金属化合物と、
分子内に1つの重合性官能基を有する単官能化合物(A)を少なくとも含んでいる光重合性化合物と、
を含むホログラム記録材料。
(2) 光重合性化合物として、分子内に1つの重合性官能基を有する単官能化合物(A)と、分子内に2つ以上の重合性官能基を有する多官能化合物(B)とを含んでいる、上記(1) に記載のホログラム記録材料。
(3) 光重合性化合物全体を基準として、分子内に1つの重合性官能基を有する単官能化合物(A)を70モル%以上含んでいる、上記(1) 又は(2) に記載のホログラム記録材料。
(4) 前記少なくとも2種の金属のうちの1種はSiであり、Si以外の他の金属は、Ti、Zr、Ge、Sn、Al及びZnからなる群から選ばれる、上記(1) 〜(3) のうちのいずれかに記載のホログラム記録材料。
(5) Siと、Si以外の他の金属とは、酸素原子を介して結合している、上記(4) に記載のホログラム記録材料。
(6) 前記有機金属単位は、2つの芳香族基が1つのSiに直接結合しているものである、上記(4) 又は(5) に記載のホログラム記録材料。
(7) 前記芳香族基は、フェニル基である、上記(4) 〜(6) のうちのいずれかに記載のホログラム記録材料。
(8) 前記有機金属化合物に含まれるフェニル基の数(p)、Siの数(s)及びSi以外の他の金属の数(m)は、
s≦p<3s、及び
0.3s≦m≦3s の関係を満たしている、上記(4) 〜(7) のうちのいずれかに記載のホログラム記録材料。
(9) さらに光重合開始剤を含む、上記(1) 〜(8) のうちのいずれかに記載のホログラム記録材料。
(10) 上記(1) 〜(9) のうちのいずれかに記載のホログラム記録材料を有する、ホログラム記録媒体。
本発明によれば、マトリックスないしは光重合性化合物の分散媒として機能する有機金属化合物が、2つの芳香族基が1つの金属に直接結合している有機金属単位を有しているものであり、前記有機金属化合物と光重合性化合物との相溶性、及び前記有機金属化合物と記録に際して生成する有機ポリマーとの相溶性が良好であり、且つ柔軟性に優れたホログラム記録材料が提供される。さらに、前記有機金属化合物は少なくとも2種の金属を構成金属として含み、屈折率などの特性の制御を行いやすく、記録材料の設計がしやすい。
さらに、前記光重合性化合物が、分子内に1つの重合性官能基を有する単官能化合物(A)を少なくとも含んでいるので、本発明のホログラム記録材料は、記録に際して生ずる材料の記録収縮率が非常に小さい。
本発明のホログラム記録材料を用いて、データストレージに適した100μm以上の記録膜厚みをもつホログラム記録媒体が提供される。
本発明のホログラム記録材料は、前記有機金属化合物及び光重合性有機化合物を必須成分として含む組成物からなり、前記有機金属化合物は、少なくとも2種の金属、酸素、及び芳香族基を少なくとも有し、且つ2つの芳香族基が1つの金属に直接結合している有機金属単位を有している。前記有機金属化合物は柔軟性を有し、マトリックスないしは光重合性化合物の分散媒として機能する。すなわち、前記有機金属化合物はゲル状もしくはゾル状となっており、液相の光重合性化合物が前記有機金属化合物中に均一に相溶性良く分散される。
フィルム状とされたこのホログラム記録材料に干渉性のある光を照射すると、露光部では光重合性有機化合物が重合反応を起こしポリマー化すると共に、未露光部から光重合性有機化合物が露光部へと拡散移動し、さらに露光部のポリマー化が進む。この結果、光強度分布に応じて光重合性有機化合物から生じたポリマーの多い領域とポリマーの少ない領域とが形成される。この際、前記ポリマーの多い領域から前記有機金属化合物が前記ポリマーの少ない領域に移動して、前記ポリマーの多い領域は前記有機金属化合物の少ない領域となり、前記ポリマーの少ない領域は前記有機金属化合物の多い領域となる。このようにして、露光により前記ポリマーの多い領域と前記有機金属化合物の多い領域とが形成され、前記ポリマーと前記有機金属化合物との間に屈折率差があるとき、光強度分布に応じて屈折率変化が記録される。
ホログラム記録材料においてよりよい記録特性を得るためには、光重合性化合物から生じた前記ポリマーの屈折率と、前記有機金属化合物の屈折率との差が大きいことが必要である。前記ポリマーと前記有機金属化合物の両者の屈折率の高低については、どちらを高くしてどちらを低く設計してもよい。しかしながら、前記有機金属化合物には芳香族基が導入されており高い屈折率を有しているので、前記有機金属化合物を高屈折率として、前記ポリマーを低屈折率として、ホログラム記録材料を設計するとよい。
また、ホログラム記録材料においてよりよい記録特性を得るためには、光重合性化合物の拡散・ポリマー化が前記有機金属化合物と共存した状態で容易に行われることが必要である。本発明において、前記有機金属化合物は柔軟性を有し、マトリックスないしは光重合性化合物の分散媒として機能し、光重合性化合物の拡散・ポリマー化が容易に行われる。これにより、光照射によって、露光部と未露光部との間の屈折率変化が大きくなる。
本発明において、前記有機金属化合物は、少なくとも2種の金属(M)、酸素、及び芳香族基(Ar)を少なくとも有し、且つ2つの芳香族基(Ar)が1つの金属(M)に直接結合している有機金属単位(Ar−M−Ar)を有している。金属(M)同士は酸素原子を介して結合している。ここで、金属(M)は、例えば、Si、Ti、Zr、Ge、Sn、Al及びZnからなる群から任意に2種以上選ばれる。選ばれた2種以上の金属のうちの1種の金属のみが前記有機金属単位を構成していてもよいし、他の種類の金属も別個の前記有機金属単位を構成していてもよい。前記有機金属化合物が、2種以上の金属を構成金属として含むことにより、屈折率などの特性の制御を行いやすく、記録材料の設計がしやすい。
前記有機金属化合物は、対応する2種以上の金属(M)のアルコキシド化合物、及び有機金属単位を構成する金属(M)のジアリールアルコキシド化合物を用いて、加水分解及び重合反応、いわゆるゾル−ゲル反応によって形成される。
前記有機金属化合物において、好ましくは、前記少なくとも2種の金属(M)のうちの1種はSiであり、Si以外の他の金属は、Ti、Zr、Ge、Sn、Al及びZnからなる群から任意に1種又は2種以上選ばれる。Siと、Si以外の他の金属とは、酸素原子を介して結合している。
前記有機金属化合物において、好ましくは、前記有機金属単位(Ar−M−Ar)は、2つの芳香族基が1つのSiに直接結合している単位(Ar−Si−Ar)である。Siのジアリールアルコキシド化合物は、原料入手が容易である。しかしながら、Si以外の他の金属に芳香族基が直接結合していることを除外するものではない。
前記有機金属化合物において、より好ましくは、前記有機金属単位(Ar−M−Ar)は、2つのフェニル基(Ph)が1つのSiに直接結合している単位(Ph−Si−Ph)である。Siのジフェニルアルコキシド化合物は、原料入手が容易であり、加水分解及び重合の反応性も良好である。また、フェニル基は置換基を有していてもよい。
前記有機金属化合物は、2つの芳香族基が1つの金属に直接結合している有機金属単位を有するが、このような有機金属単位以外にも、1つの金属に1つの芳香族基が直接結合している有機金属単位を有していてもよく、1つの金属に3つの芳香族基が直接結合している有機金属単位を有していてもよい。
Siに2つの芳香族基(フェニル基)を導入することにより、後述する光重合性化合物やそれの重合により生成する有機ポリマーとの相溶性が良好となる。また、前記有機金属化合物の屈折率も高くなる。
さらに、前記有機金属化合物を高屈折率のものとするには、Si以外の他の金属として、Tiを用いることが好ましい。
本発明において、好ましい前記有機金属化合物としては、次の化学式で示される(I)、(II)等のものが例示される。これらの例示では、Siのアルコキシドとしてメトキシドとされ、Tiのアルコキシドとしてブトキシドとされている。他のアルコキシドも可能なことは明らかである。
Figure 2007156451
Figure 2007156451
これらの有機金属化合物は、Siのジフェニルアルコキシド化合物とTiのアルコキシド化合物を用いて、加水分解及び重合反応を行うことにより得ることができる。例えば、Siのジフェニルアルコキシド化合物としてジフェニルジメトキシシランを用いて、Tiのアルコキシド化合物としてチタンブトキシド多量体を用いた場合の反応式は、次の化学式に示される。両原料のアルコキシド体が加水分解され続いて重合され、SiとTiとは酸素原子を介して結合される。その結果、SiとTiを構成金属とし、ジフェニルシラン単位を包含する、種々の分子量の前記有機金属化合物が得られる。この化学式では、(I)及び(II)が前記有機金属化合物の例として示されている。すなわち、前記有機金属化合物は、種々の分子量のものの組成物形態として得られる。また、この組成物の中には、例えば、Tiを含まないシラン化合物(III) のようなものも含まれているであろう。
Figure 2007156451
本発明において、前記有機金属化合物に含まれるフェニル基の数(p)、Siの数(s)及びSi以外の他の金属の数(m)は、前記有機金属化合物の組成物において、
s≦p<3s、及び
0.3s≦m≦3s の関係を満たしていることが好ましい。具体的には、前記有機金属化合物組成物全体としては、1つのSi原子に1つ以上3つ未満のフェニル基が結合していることが、光重合性化合物やそれの重合により生成する有機ポリマーとの相溶性の観点から好ましい。また、Ti等のSi以外の他の金属の数(m)は、Siの数(s)に対して上記の範囲となることが好ましい。他の金属の数(m)が0.3s未満であると、前記有機金属化合物に2種以上の金属を包含させる効果、すなわち屈折率などの特性の制御が行いやすい効果が薄くなり、一方、他の金属の数(m)が3sを超えて多くなると、前記有機金属化合物全体として、無機マトリックスの性質を帯びやすくなり、相溶性や柔軟性の低下が見られる。
本発明において、前記有機金属化合物のSiには、芳香族基以外の有機基、例えば、アルキル基が導入されていてもよい。例えば、本発明の効果を損なわない範囲において、メチルフェニルジメトキシシラン等を用いることができる。また、トリメチルメトキシシラン等のモノアルコキシシランが存在すると、重合反応は停止されるので、モノアルコキシシランを分子量の調整に用いることができる。
また、前記有機金属化合物には、上記した以外のその他の微量の元素が含まれていてもよい。
本発明において、光重合性化合物は光重合可能なモノマーである。光重合性化合物として、分子内に1つの重合性官能基を有する単官能化合物(A)が少なくとも含まれており、分子内に2つ以上の重合性官能基を有する多官能化合物(B)がさらに含まれていてもよい。単官能又は多官能の光重合性化合物としては、ラジカル重合性化合物及びカチオン重合性化合物の中から選ばれる化合物を用いることができる。
ラジカル重合性化合物としては、分子内に1つ又は2つ以上のラジカル重合性不飽和二重結合を有するものであれば特に制限はないが、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基を有する化合物を用いることができる。なお、(メタ)アクリロイル基とは、メタクリロイル基、及びアクリロイル基を総称する表記である。
このようなラジカル重合性化合物のうち、1つの(メタ)アクリロイル基を有する単官能化合物としては、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
このようなラジカル重合性化合物のうち、2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能化合物としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、2,2-ビス〔4-(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル〕プロパン等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
また、1つのビニル基を有する単官能化合物としては、モノビニルベンゼン、エチレングリコールモノビニルエーテル等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。2つ以上のビニル基を有する多官能化合物としては、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
単官能ラジカル重合性化合物の1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、単官能ラジカル重合性化合物と多官能ラジカル重合性化合物の両者を用いる場合には、多官能ラジカル重合性化合物の1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明において、前記有機金属化合物を高屈折率とし、有機ポリマーを低屈折率とする場合には、上記のラジカル重合性化合物のうちで芳香族基を有していない低屈折率(例えば、屈折率1.5以下)のものが好ましい。また、前記有機金属化合物との相溶性をより向上させるために、より親水的なポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のグリコール誘導体が好ましい。
カチオン重合性化合物としては、環状エーテル基及びビニルエーテル基の中から選択される少なくとも1つの反応性基を、分子内に1つ又は2つ以上有するものであれば、特にその構造は限定されない。
このようなカチオン重合性化合物のうち、環状エーテル基を有する化合物としては、例えばエポキシ基や脂環エポキシ基、オキセタニル基を有する化合物が挙げられる。
1つのエポキシ基を有する単官能化合物として、具体的には、1,2-エポキシヘキサデカン、2−エチルヘキシルジグリコールグリシジルエーテル等が挙げられる。2つ以上のエポキシ基を有する多官能化合物として、具体的には、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ノボラック型エポキシ樹脂類、トリスフェノールメタントリグリシジルエーテル、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル等が挙げられる。
また、1つの脂環エポキシ基を有する単官能化合物として、具体的には、1,2-エポキシ-4- ビニルシクロヘキサン、D-2,2,6-トリメチル-2,3- エポキシビシクロ[3,1,1] ヘプタン、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。2つ以上の脂環エポキシ基を有する多官能化合物として、具体的には、2,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3,4- エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル-5,5- スピロ-3,4- エポキシ)シクロヘキサノン−メタ−ジオキサン、ビス(2,3-エポキシシクロペンチル)エーテル、EHPE−3150(ダイセル化学工業(株)製、脂環式エポキシ樹脂)等が挙げられる。
1つのオキセタニル基を有する単官能化合物として、具体的には、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキタセン、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキタセン、3−エチル−3−(シクロヘキシロキシメチル)オキタセン等が挙げられる。2つ以上のオキセタニル基を有する多官能化合物として、具体的には、1,4-ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、1,3-ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕プロパン、エチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル等が挙げられる。
カチオン重合性化合物のうち、1つのビニルエーテル基を有する単官能化合物として、具体的には、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、4−ヒドロキシシクロヘキシルビニルエーテル等が挙げられる。2つ以上のビニルエーテル基を有する多官能化合物として、具体的には、トリエチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、シクロヘキサン-1,4- ジメチロールジビニルエーテル、1,4-ブタンジオールジビニルエーテル、ポリエステルジビニルエーテル、ポリウレタンポリビニルエーテル等が挙げられる。
単官能カチオン重合性化合物の1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、単官能カチオン重合性化合物と多官能カチオン重合性化合物の両者を用いる場合には、多官能カチオン重合性化合物の1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、光重合性化合物として、上記例示のカチオン重合性化合物のオリゴマーを用いてもよい。
本発明において、前記有機金属化合物を高屈折率とし、有機ポリマーを低屈折率とする場合には、上記のカチオン重合性化合物のうちで芳香族基を有していない低屈折率(例えば、屈折率1.5以下)のものが好ましい。また、前記有機金属化合物との相溶性をより向上させるために、より親水的な2−エチルヘキシルジグリコールグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル等のグリコール誘導体が好ましい。
本発明において、光重合性化合物は、前記有機金属化合物全体の重量に対して、例えば5〜1000重量%程度、好ましくは10〜300重量%用いるとよい。5重量%未満では、記録の際に大きな屈折率変化を得られにくく、1000重量%を超えた場合も、記録の際に大きな屈折率変化を得られにくい。
本発明において、光重合性化合物として、分子内に1つの重合性官能基を有する単官能化合物(A)を用いることにより、記録に際して生ずる材料の記録収縮の度合いを抑制することができる。つまり、記録時の光重合による架橋密度が制約され、低い記録収縮が得られる。記録収縮の度合いを抑制する観点から、光重合性化合物全体を基準として、単官能化合物(A)は70モル%以上含まれていることが好ましく、80モル%以上含まれていることがより好ましい。光重合性化合物として、単官能化合物(A)のみを用いてもよい(100モル%)。従って、分子内に2つ以上の重合性官能基を有する多官能化合物(B)は30モル%以下の量で用いることが好ましい。記録収縮の度合いが大きくなれば、記録後の再生効率が低下する傾向にある。
また、一方で、記録時の光重合による架橋密度が低くなり過ぎると、重合反応が進行しにくくなることから、多官能化合物(B)を併用することが好ましい。従って、単官能化合物(A)と多官能化合物(B)の配合量比は、適宜選択すべきであるが、例えば、光重合性化合物全体を基準として、単官能化合物(A)70モル%以上90モル%以下、多官能化合物(B)10モル%以上30モル%以下とするとよい。単官能化合物(A)と多官能化合物(B)との適切な配合比での併用によって、高い屈折率変化、高感度と小さい記録収縮性が達成されたより好ましいホログラム記録材料が得られる。
本発明において、ホログラム記録材料には、さらに記録光の波長に対応する光重合開始剤が含まれることが好ましい。光重合開始剤が含まれていると、記録の際の露光により光重合性化合物の重合が促進され、より高感度が得られるようになる。
光重合性化合物としてラジカル重合性化合物を用いた場合には、光ラジカル開始剤を用いる。一方、光重合性化合物としてカチオン重合性化合物を用いた場合には、光カチオン開始剤を用いる。
光ラジカル開始剤としては、例えば、ダロキュア1173、イルガキュア784 、イルガキュア651 、イルガキュア184 、イルガキュア907 (いずれもチバスペシャルティ・ケミカルズ社製)が挙げられる。光ラジカル開始剤の含有量は、例えば、ラジカル重合性化合物を基準として0.1〜10重量%程度、好ましくは0.5〜5重量%程度である。
光カチオン開始剤としては、例えば、ジアゾニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩等のオニウム塩を用いることができ、特に、芳香族オニウム塩を用いることが好ましい。その他、フェロセン誘導体等の鉄−アレーン錯体や、アリールシラノール−アルミニウム錯体等も好ましく用いることができ、これらの中から適宜選択するとよい。具体的には、サイラキュアUVI−6970、サイラキュアUVI−6974、サイラキュアUVI−6990(いずれも米国ダウケミカル社製)、イルガキュア264 、イルガキュア250 (いずれもチバスペシャルティケミカルズ社製)、CIT−1682(日本曹達製)等が挙げられる。光カチオン開始剤の含有量は、例えば、カチオン重合性化合物を基準として0.1〜10重量%程度、好ましくは0.5〜5重量%程度である。
光重合開始剤には、開始剤の他に記録光波長に対応した増感剤となる色素などが含有されることが好ましい。
光重合開始剤は、記録の後、ホログラム記録の安定化のために分解処理されることが好ましい。通常、記録後の十分な光照射によって分解処理される。
次に、ホログラム記録材料の製造について説明する。
まず、ゾル−ゲル法等の加水分解及び重合反応により、前記有機金属化合物を調製する。例えば、Siのジフェニルアルコキシド化合物とTiのアルコキシド化合物を原料として用いて、両原料を加水分解及び重合反応させ、SiとTiを構成金属とし、ジフェニルシラン単位を包含する、種々の分子量の前記有機金属化合物の組成物を得る。
この加水分解及び重合反応は、公知のゾル−ゲル法におけるのと同様の操作及び条件で実施することができる。例えば、所定割合の金属アルコキシド化合物原料(Siのジフェニルアルコキシド化合物とTiのアルコキシド化合物)を、適当な良溶媒に溶かして均一溶液として、その溶液に適当な酸触媒を滴下し、水の存在下で溶液を攪拌することにより、反応を行うことができる。
このような溶媒としては、例えば、水; メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール類; ジエチルエーテル、ジオキサン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフランなどのエーテル類; N−メチルピロリドン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、アセトン、ベンゼン等が挙げられる。これらの中から適宜選択すればよい。あるいはこれらの混合溶媒とすることもできる。溶媒の量は、限定されないが、金属アルコキシド化合物全体100重量部に対して10〜1000重量部とするとよい。
また、酸触媒としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸; ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などの有機酸等が挙げられる。
加水分解重合反応は、金属アルコキシド化合物の反応性にもよるが、一般に室温でも行うことができ、0〜150℃程度の温度、好ましくは室温〜50℃程度の温度で行うことができる。反応時間は、反応温度との関係で適宜定めればよいが、0.1〜240時間程度である。また、反応は、窒素ガス等の不活性雰囲気下で行ってもよく、0.5〜1気圧程度の減圧下で、重合反応で生成するアルコールを除去しながら行ってもよい。
前記加水分解の前又は後において、光重合性有機化合物を混合する。光重合性有機化合物と金属アルコキシド化合物原料は、加水分解後混合しても良いし、加水分解前に混合しても良い。加水分解後に混合する場合には、均一に混合するために、有機金属化合物を含むゾル−ゲル反応系がゾルの状態で、光重合性有機化合物を添加混合することが好ましい。また、光重合開始剤の混合も、前記加水分解の前又は後において行うことができる。
光重合性有機化合物とゾル状態の有機金属化合物が均一に混合されたホログラム記録材料溶液が得られる。ホログラム記録材料溶液を基板上に塗布し、溶媒乾燥及びゾル−ゲル反応を進行させることにより、フィルム状のホログラム記録材料が得られる。このようにして、前記特定の有機金属化合物中に光重合性有機化合物が均一に含有されたホログラム記録材料が作製される。
本発明においては、2つの芳香族基が1つの金属に直接結合している有機金属単位を有している有機金属化合物をマトリックスないしは光重合性化合物の分散媒として用いているため、上述のホログラム記録材料製造のいずれの段階においても、光重合性化合物との相溶性に非常に優れる。すなわち、ゾル状態の有機金属化合物と光重合性化合物との相溶性に非常に優れ、硬化後の有機金属化合物と光重合性化合物との相溶性にも非常に優れている。また、本発明のホログラム記録材料は柔軟性に優れる。そのため、種々の形態のホログラム記録媒体への適用が可能である。さらに、前記有機金属化合物が、2種以上の金属を構成金属として含むことにより、屈折率などの特性の制御を行いやすく、記録材料の設計がしやすい。
本発明のホログラム記録材料を用いることで、データストレージに適した100μm以上の記録層厚みをもつホログラム記録媒体を得ることができる。ホログラム記録媒体は、基板上にフィルム状のホログラム記録材料を形成したり、あるいは、フィルム状のホログラム記録材料を基板間に挟み込むことにより作製できる。基板には、ガラスや樹脂などの記録再生波長に対して透明な材料が用いられることが好ましい。ホログラム記録材料層とは反対側の基板の表面には、ノイズ防止のため記録再生波長に対する反射防止膜が施され、またアドレス信号等が付与されていることが好ましい。ホログラム記録材料の屈折率と基板の屈折率とは、ノイズとなる界面反射を防止するため、ほぼ等しいことが好ましい。また、ホログラム記録材料層と基板との間に、記録材料や基板とほぼ同等の屈折率を有する樹脂材料やオイル材料からなる屈折率調整層を設けてもよい。基板間のホログラム記録材料層の厚みを保持するために、前記基板間の厚みに適したスペーサを設けてもよい。また、記録材料媒体の端面は、記録材料の封止処理がなされていることが好ましい。
本発明のホログラム記録媒体によれば、記録膜は均一であるので、光散乱の問題は起こらない。さらに、記録に際して、露光部において光重合性有機化合物はポリマー化されるが、前記有機金属化合物は2つの芳香族基が1つの金属に直接結合している有機金属単位を有しているため、前記有機金属化合物とポリマーとの相溶性にも非常に優れている。このため、本発明のホログラム記録媒体によれば、記録時や記録後においても、十分な相溶性が確保され、光散乱や透過率低下の問題は起こらない。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
ジフェニルジメトキシシランと次の構造式で示されるチタンブトキシド多量体を用いて、ゾル−ゲル法により以下の手順で、ホログラム記録材料を作製した。
Figure 2007156451
(有機金属化合物の合成)
ジフェニルジメトキシシラン5.2gと、チタンブトキシド多量体(日本曹達製、B−10)4.8gとをテトラヒドロフラン溶媒4.7mL中で混合し、アルコキシド溶液とした。すなわち、SiとTiのモル比は1:1であった。
水0.6mL、2N塩酸水溶液0.24mL、及びテトラヒドロフラン4mLからなる溶液を、前記アルコキシド溶液に攪拌しながら室温で滴下し、2時間攪拌を続け加水分解反応を行った。このようにして、Si:Ti:フェニル基=1:1:2(モル比)で含む有機金属化合物のゾル溶液を得た。
(光重合性化合物)
光重合性化合物としてメトキシポリエチレングリコールアクリレート(共栄社化学製、ライトエステル130A)100重量部に、光重合開始剤としてIRG−784(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ)3.4重量部を加え、混合した。
(ホログラム記録材料溶液)
有機金属化合物(不揮発分として)の割合が80重量部、光重合性化合物の割合が20重量部となるように、前記ゾル溶液と光重合性化合物とを室温にて混合し、黄色透明なホログラム記録材料溶液を得た。
(ホログラム記録材料)
ホログラム記録媒体の概略断面を示す図1を参照して説明する。
片面に反射防止膜(22a) が設けられたガラス基板(22)を準備した。ガラス基板(22)の反射防止膜(22a) が設けられていない面上に、基板の端部(22e) を除いて、得られたホログラム記録材料溶液を乾燥膜厚が300μmとなるように塗布し、40℃で24時間乾燥し、溶媒を揮発させた。この乾燥工程により、有機金属化合物のゲル化(重合反応)を進め、有機金属化合物と光重合性化合物とが均一に分散したホログラム記録材料層(21)を得た。
(ホログラム記録媒体)
ホログラム記録材料層(21)が形成された側のガラス基板(22)の前記端部(22e) 上に300μm厚みのスペーサ(24)をおき、ホログラム記録材料層(21)上を片面に反射防止膜(23a) が設けられた別のガラス基板(23)でカバーした。この際、ガラス基板(23)の反射防止膜(23a) が設けられていない面がホログラム記録材料層(21)面と接するようにカバーした。このようにして、ホログラム記録材料層(21)を2枚のガラス基板(22)(23)で挟んだ構造をもつホログラム記録媒体(11)を得た。
[実施例2〜5]
(光重合性化合物)
光重合性化合物として、メトキシポリエチレングリコールアクリレート(共栄社化学製、ライトエステル130A)及びポリエチレングリコールジアクリレート(東亜合成製、M−245)を、メトキシポリエチレングリコールアクリレート:ポリエチレングリコールジアクリレート=90:10(実施例2)、80:20(実施例3)、70:30(実施例4)、60:40(実施例5)のモル比でそれぞれ用いた。
上記モル比の光重合性化合物100重量部に、光重合開始剤としてIRG−784(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ)3.4重量部を加え、混合した。
光重合性化合物を上記のように代えた以外は、実施例1と同様の操作を行い、ホログラム記録材料溶液を得て、ホログラム記録媒体をそれぞれ作製した。
[参考比較例]
(光重合性化合物)
光重合性化合物としてポリエチレングリコールジアクリレート(東亜合成製、M−245)100重量部に、光重合開始剤としてIRG−784(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ)3.4重量部を加え、混合した。
光重合性化合物を上記のように代えた以外は、実施例1と同様の操作を行い、ホログラム記録材料溶液を得て、ホログラム記録媒体を作製した。
(特性評価)
得られた各ホログラム記録媒体サンプルについて、図2に示すようなホログラム記録光学系において、特性評価を行った。
ダイナミックレンジ:
図2のホログラム記録光学系において、Nd:YAGレーザ(532nm)の光源1を用い、この光源(1) から発振した光を、レンズ(2) 、ピンホール(3) 、シャッター(4) 及びレンズ(5) によって空間的にフィルタ処理しコリメートし、ビームスプリッター(8) で分割し、ホログラム記録媒体サンプル(11)に対する2光束の入射角合計θが53.2°となるようにし、サンプル(11)で2光束の干渉を記録した。ホログラムはサンプル(11)を水平方向に回転させ、角度多重化して記録した(サンプル角度−24°〜+24°,角度間隔3°,17枚多重)。ホログラム記録後、残留する未反応成分を反応させるため1光束のみで十分な光を照射した。再生はシャッター(9) を用い、1光束のみ照射して、サンプル(11)を回転しながら回折効率をパワーメータ(12)で測定し、ダイナミックレンジ:M#を各回折効率の平方根の和として求めた。なお、図2において、ミラー(6),(7),(10)である。
記録収縮率:
図2を参照して、サンプル(11)の角度を−21°に固定し、2光束の干渉を記録した。再生はシャッター(9) を用い、1光束のみ照射して、サンプル(11)を回転しながらパワーメータ(12)で回折効率の角度変化を測定し、回折効率の最大となる角度を求めた。同様に、シャッター(13)を用い、1光束のみ照射して、サンプル(11)を回転しながらパワーメータ(14)で回折効率の角度変化を測定し、回折効率の最大となる角度を求めた。
記録収縮は、記録角度と記録後の回折効率の最大となる角度の変化分から、以下の式で算出した。このような記録収縮の求め方は、例えば、ホログラフィック・データ・ストレージ Holographic Data Storage (Springer)や、日本国特許第3473950号公報の段落番号[0044]〜[0050]及び図1に詳細に記載されている。
Kz =2π/λ[(n2 −sin2Ω1)1/2 −(n2 −sin2Ω2)1/2
ここで、
Kz :グレーティングベクトルのZ成分
n:材料の屈折率 1.58
Ω1 :レーザ光1の入射角度 記録時5.6°
Ω2 :レーザ光2の入射角度 記録時47.6°
λ:波長 532nm
上記式より、記録時のグレーティングベクトルのZ成分が求められる。
また、再生時に回折効率の最大となる角度Ω1'、Ω2'から、再生時のグレーティングベクトルのZ成分Kz'が求められる。
記録時のグレーティングベクトルのZ成分Kz と、再生時のグレーティングベクトルのZ成分Kz'の差が記録収縮分に相当する。
記録収縮率は、上記記録収縮分を記録時のグレーティングベクトルのZ成分Kz で割ったものであり、以下の式により算出した。
記録収縮率(%)=[(Kz −Kz')/Kz ]×100
以上の結果を表1に示す。
Figure 2007156451
表1から、単官能の光重合性化合物を用いることによって、小さい記録収縮性が達成されたことが分かる。
実施例で作製されたホログラム記録媒体の概略断面を示す図である。 実施例で用いられたホログラム記録光学系の概略を示す平面図である。
符号の説明
(11):ホログラム記録媒体
(21):ホログラム記録材料層
(22a) (23a) :反射防止膜
(22)(23):ガラス基板
(22e) :基板面の端部
(24):スペーサ
(1) :Nd:YAGレーザの光源
(2)(5):レンズ
(3) :ピンホール
(4)(9)(13):シャッター
(8) :ビームスプリッター
(12)(14):パワーメータ
(6)(7)(10):ミラー

Claims (10)

  1. 少なくとも2種の金属、酸素、及び芳香族基を少なくとも有し、且つ2つの芳香族基が1つの金属に直接結合している有機金属単位を有している有機金属化合物と、
    分子内に1つの重合性官能基を有する単官能化合物(A)を少なくとも含んでいる光重合性化合物と、
    を含むホログラム記録材料。
  2. 光重合性化合物として、分子内に1つの重合性官能基を有する単官能化合物(A)と、分子内に2つ以上の重合性官能基を有する多官能化合物(B)とを含んでいる、請求項1に記載のホログラム記録材料。
  3. 光重合性化合物全体を基準として、分子内に1つの重合性官能基を有する単官能化合物(A)を70モル%以上含んでいる、請求項1又は2に記載のホログラム記録材料。
  4. 前記少なくとも2種の金属のうちの1種はSiであり、Si以外の他の金属は、Ti、Zr、Ge、Sn、Al及びZnからなる群から選ばれる、請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載のホログラム記録材料。
  5. Siと、Si以外の他の金属とは、酸素原子を介して結合している、請求項4に記載のホログラム記録材料。
  6. 前記有機金属単位は、2つの芳香族基が1つのSiに直接結合しているものである、請求項4又は5に記載のホログラム記録材料。
  7. 前記芳香族基は、フェニル基である、請求項4〜6のうちのいずれか1項に記載のホログラム記録材料。
  8. 前記有機金属化合物に含まれるフェニル基の数(p)、Siの数(s)及びSi以外の他の金属の数(m)は、
    s≦p<3s、及び
    0.3s≦m≦3s の関係を満たしている、請求項4〜7のうちのいずれか1項に記載のホログラム記録材料。
  9. さらに光重合開始剤を含む、請求項1〜8のうちのいずれか1項に記載のホログラム記録材料。
  10. 請求項1〜9のうちのいずれか1項に記載のホログラム記録材料を有する、ホログラム記録媒体。
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