JP2007155574A - 超音波流量計 - Google Patents

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Abstract

【課題】超音波素子の不要周波数成分が発生しにくく、計測安定性と計測分解能を長期にわたって確保できる超音波流量計を提供する。
【解決手段】超音波素子と受信回路の周波数特性を等しくする。これにより、超音波素子が超音波を受信した際に出力する受信信号は増幅されるが、その他の不要周波数成分は増幅されにくくなる。そのため、高精度な流量測定を長期間にわたって安定して行えるようになる。
【選択図】図1

Description

本発明は超音波流量計に関するものである。
特開2004−239868号公報
従来から、都市ガス、水などの流体の流量を計測する流量計測装置として、超音波を利用して流速を測定する超音波流量計が知られている。その際の測定原理として、一般には「伝搬時間差法」が用いられる。これは、流路の流体流れ方向上手側及び下手側に一対の超音波素子(超音波送受信素子)を設け、超音波の送受信を交互に切り替えて、流れ方向上手側の超音波素子から発信された超音波が流れ方向下手側の超音波素子に到達するまでの時間(順方向伝播時間)と、流れ方向下手側の超音波素子から発信された超音波が流れ方向上手側の超音波素子に到達するまでの時間(逆方向伝播時間)とを計測して、両者の時間差から流路を流れる流体の平均流速度及び流量を求める方法である。
流量測定をする際には、まず一方の超音波素子に駆動信号を入力して超音波を発信させる。その超音波は流路を伝播し、他方の超音波素子で受信される。超音波を受信すると超音波素子は電気信号(受信信号)を出力し、その受信信号は受信回路に入力される。受信回路は、微弱な受信信号を増幅する増幅器、コンパレータ、RSフリップフロップ回路、時間計測手段などから構成されており、超音波を発信してから受信信号を受信するまでの時間を計測する。この計測時間を用いて、流体の流量を演算するのである。
しかしながら従来の超音波流量計では、各超音波素子の周波数特性と、受信回路の周波数特性とが異なるため、受信回路において超音波素子の周波数成分以外の信号を増幅してしまう問題があった。つまり、超音波素子が超音波を受信したことによって発生した受信信号と、それ以外の不要周波数成分との双方を増幅してしまい、計測精度が低下する原因となっていた。
また、超音波素子と受信回路とを接続する回路のインピーダンスはゼロであることが望ましいが、実際には、トランジスタやアナログスイッチなどでスイッチを構成すると、そのスイッチだけで数十Ωのインピーダンスを持つこととなり、ゼロにはならない。そのため、超音波素子の電気的特性が経年変化により変化した場合、超音波素子と受信回路とを接続するインピーダンスのマッチングがずれ、計測の安定性が確保できなくなる問題が生じる。
一方、超音波流量計の計測時間分解能は例えば1ns程度を確保する必要がある。上述の周波数特性は個々の超音波素子によって異なるため、長期にわたって計測時間分解能1nsを確保しようとすると、一つの受信回路では限界がある。すなわち、上手側超音波素子または下手側超音波素子の周波数特性と、受信回路の周波数特性にずれが生じるため、計測時間の分解能が使用年月とともに低下するのである。
本発明は上述のような事情を背景になされたもので、特に、超音波素子の不要周波数成分が発生しにくく、計測安定性と計測分解能を長期にわたって確保できる超音波流量計を提供することを課題とする。
課題を解決するための手段および発明の効果
本発明は、流体が流通する流路と、
超音波発信機能と超音波受信機能とを複合して備え、前記流路の上手側および下手側にそれぞれ設けられた一対の超音波素子であって、一方の超音波素子から発信した超音波を他方の超音波素子で受信して受信信号を出力する上手側超音波素子および下手側超音波素子と、
前記超音波素子に対して駆動信号を送信し、超音波を発信させる送信手段と、
前記超音波素子から出力された前記受信信号を受信する受信回路と、
を備え、前記上手側超音波素子または前記下手側超音波素子の周波数特性と、前記受信回路の周波数特性が等しくされていることを特徴とする超音波流量計である。
上記本発明によると、超音波素子と受信回路の周波数特性が等しい構成となるため、不要な周波数成分を低減でき、高精度な超音波流量計測が可能となる。なお受信回路とは、例えばオペアンプやFETのように、超音波素子から出力された受信信号を受信して増幅する回路を指す。
また、本発明は、
前記受信回路の入力側と出力側の電気的特性の比率が一定になるように構成されている超音波流量計
とすることができる。
例えば、超音波素子と受信回路とを接続するスイッチ素子のインピーダンス比率を一定にする。これによりインピーダンスマッチングを確保できる。そのため、受信回路側から見た入力と出力の割合が一定となり、安定した出力を確保できるようになる。
また、
前記受信回路は、前記上手側超音波素子から出力された受信信号を受信する上手側受信回路と、前記下手側超音波素子から出力された受信信号を受信する下手側受信回路とに分けて構成されている超音波流量計としてもよい。
このようにすると、各超音波素子の周波数特性に合わせた受信回路(上手側受信回路、下手側受信回路)を構成することが可能となり、超音波素子からの不要周波数成分を効率よく除去できる。また、各超音波素子に対して理想的にマッチングした受信回路を構成できるため、計測精度が向上する。
さらに本発明は、
前記超音波素子の周波数特性を測定する測定手段と、
測定された前記超音波素子の周波数特性に基づいて、前記受信回路の周波数特性を補正する周波数特性補正手段と、
を備える超音波流量計としてもよい。
このようにすると、経年変化により超音波素子の周波数特性が変化しても、測定手段によって周波数特性を測定し、その測定値に基づいて受信回路に反映することができる。そのため、受信回路の周波数特性と超音波素子の周波数特性とが合い、高精度な測定を長期にわたって安定して行える超音波流量計となる。
本発明に係る超音波流量計の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。
図1Aは、一般住宅用ガスメータ等として用いられる超音波流量計の一実施例の基本構成である。この超音波流量計1の流量測定用の流路3には、流量測定用ガス(流体)が図示の流れ方向に流通している。流路3には、流れ方向下手側に下手側超音波素子2bが設けられ、流れ方向上手側に上手側超音波素子2aが設けられている。これらの超音波素子2a,2bは圧電素子などから構成され、駆動電圧を印加すると超音波を発信する超音波発信機能と、超音波を受信すると電気信号(受信信号)を出力する超音波受信機能とを複合して備えるものである。
測定対象がガスの場合、測定用流路3の軸断面形状は壁部10により閉鎖された空間を形成するものであればよく、例えば、円形状、楕円形状、正方形状、矩形状等のいずれを採用してもよい。本実施形態の流路3は矩形状に形成され、断面図(図1B)に示すように上壁部10aに上手側超音波素子2a及び下手側超音波素子2bが取り付けられている。上手側超音波素子2aまたは下手側超音波素子2bから発信した超音波は底部10bによって角度θで反射し、相手側の超音波素子に到達する構造になっている。また、図1では超音波が底部10bで反射するV字型構造を採用したが、例えば上手側超音波素子2aを上壁部10aに配置し、下手側超音波素子2bを底部10bに配置し、超音波を反射させないで送受信する構造(Z型)を採用することもできる。
また、図1Aに示すように、超音波流量計1には送信手段5、受信手段6、切替手段4、制御手段16が設けられている。送信手段5は、超音波素子2a,2bに対して駆動信号を入力するための回路である。受信手段6はスイッチ等から構成され、このスイッチを切り替えることにより、超音波素子2a,2bのうち一方が送信側の超音波素子になり、他方が受信側の超音波素子になる。この受信手段6の切替制御は、切替手段4により行われる。また、制御手段16は超音波流量計1の全体的な動作制御を行うもので、例えば駆動信号の発信タイミングや流量演算等を行う。
超音波流量計1のより具体的なブロック図を図2に示す。この実施例では送信側スイッチ6Aと受信側スイッチ6Bが設けられ、これらのスイッチ6A,6Bによって上述の受信手段6が構成されている。スイッチ6A,6Bの切り替え制御は制御手段16によって行う。図のように、例えば送信側スイッチ6Aをa側に接続し、受信側スイッチ6Bをb側に接続することにより、上手側超音波素子2aを送信側にし、下手側超音波素子2bを受信側にする。そして、送信手段5から上手側超音波素子2aに対して駆動信号を送信する。これにより上手側超音波素子2aから超音波が発信され、流路3を伝播して底部10bで反射する。反射した超音波を下手側超音波素子2bが受信すると受信信号を出力し、その受信信号はスイッチ6Bを通って増幅手段7(受信回路)へ送信される。増幅手段7は微弱な受信信号を増幅し、その増幅した信号を使ってゼロクロスポイント検出手段8がゼロクロス電圧を検出する。
一方、送信手段5は駆動信号を発生したタイミングを時間計測手段9に送信しており、時間計測手段9はその駆動信号が発生した時間から、上記ゼロクロス電圧を検出するまでの時間を計測する。この時間が、超音波が流路3を伝播した時間(順方向超音波伝播時間Tud)である。その後、送信側スイッチ6Aをb側に切り替え、受信側スイッチ6Bをa側に切り替えることにより、上手側超音波素子2aを受信側にし、下手側超音波素子2bを送信側にする。その後、送信手段から駆動信号を発信し、上述と同様の動作を行うことにより逆方向超音波伝播時間Tduを求める。
図2において、ガスの平均流速をv、ガス中を伝搬する音速をc、超音波の反射角をθ、超音波の伝搬距離をLとすると、順方向超音波伝播時間Tud及び逆方向超音波伝播時間Tduはそれぞれ次のように表わされる。
Tud=L/(c+v・cosθ) (1)
Tdu=L/(c−v・cosθ) (2)
(1)、(2)式の逆数をとり、その差をとれば次式が得られる。
1/Tud−1/Tdu=2v・cosθ/L (3)
したがって、順方向超音波伝播時間Tudと逆方向超音波伝播時間Tduの測定から、ガスの平均流速vと流量Qが次式により求められる。ただし、Aは流路1の断面積である。
v=L/2cosθ(1/Tud−1/Tdu) (4)
Q=v・A (5)
このように、ガスの温度・含有成分等に依存する音速cを(4)式から消去することで、測定値(超音波伝播時間Tud,Tdu)と一定値(伝搬距離L,反射角θ)とから流速vが得られる利点を有している。
次に、増幅手段7、ゼロクロスポイント検出手段8、時間計測手段9の具体的な構成を図3に示す。この実施例では、増幅手段7は例えばオペアンプからなる増幅器71から構成され、ゼロクロスポイント検出手段8はゼロクロス型コンパレータ(第一コンパレータ81)、差動型コンパレータ(第二コンパレータ82)、RSフリップフロップ回路(以下、RSFF回路と記す)83、単安定マルチバイブレータ等のゼロクロスポイントパルス発生回路84から構成される。また、時間計測手段9は、パルスカウンタ回路91(例えばJKフリップフロップ回路)及びクロックパルス発生回路92(例えば水晶発振子や無安定マルチバイブレータ)からなる。
超音波素子2a又は2bから出力された受信信号はスイッチ6Bを通って増幅器71に入力され、ここで電圧増幅されて増幅信号Vaとして出力される。増幅信号Vaは第一コンパレータ81および第二コンパレータ82へ入力される。コンパレータ出力VbおよびVcはRSFF回路83のポート#S、#Rへそれぞれ入力される。RSFF回路83のポート#Sからの出力Vdは、ゼロクロスポイントパルス発生回路84に入力され、ここで出力波形Vaにおける超音波到達時点を検出し、ゼロクロスポイント検出信号Veを時間計測手段9に出力する。時間計測手段9では、ゼロクロスポイント検出信号Veに基づき、クロックパルス発生回路92からのクロックパルス数をパルスカウンタ回路91でカウントして到達時間検出信号Vfを出力する。
次に図4を用いて、順方向超音波伝播時間Tudの測定方法について説明する。増幅信号Va(超音波素子2bの受信信号)は、受信初期においてはノイズ混入等の影響により十分な振幅(発生電圧)レベルを有しない不規則波形信号であり、先頭から第n番目(図では第3番目)の波形部分においてようやく安定して測定可能な振幅レベルに達するのが通常である。そこで、超音波受信出力の増幅信号Vaにおいて精度のよい時間測定を可能にするために、以下に述べるゼロクロス法が一般に採用されている。つまり、「差動型コンパレータ82(図3参照)に入力設定された閾値VSを超える(又は下回る)波形部分(図では第3波)をトリガー波とし、このトリガー波の振幅(又は位相)がゼロとなるゼロクロス点を、増幅信号Va(又はその派生信号)の波形上でゼロクロスポイントパルス発生回路84により検出する方法」である。
具体的には、増幅信号Vaの波形に対してゼロクロス法は次のように適用される。増幅信号Vaが非反転入力されるとゼロクロス型コンパレータ81は、増幅信号Vaの波形のうち振幅(発生電圧)が正の波形部分(第1波,第3波,第5波…)に対応してHとなるパルスを、第一コンパレータ出力Vbとして断続的に出力する。一方、負極性の増幅信号Vaと正極性の閾値VSとが入力された差動型コンパレータ82では、閾値VSを超える波形部分(第3波,第5波…の頂部)に対応してLとなるパルスを、第二コンパレータ出力Vcとして断続的に出力する。
第二コンパレータ出力Vcで最初に閾値VSを超えるトリガー波(第3波)のパルス信号が入力されるまではRSFF回路83のポート#RにはHが継続して入力されるので、RSFF回路83のポート#Q出力VdはLに維持される。第一コンパレータ出力Vbから第3波の波形検出パルス信号がRSFF回路83のポート#Sに入力(H)されている状態において、第二コンパレータ出力Vcからトリガー波(第3波)の閾値VS検出パルス信号がポート#Rに入力(L)されたとき、ポート#Q出力VdはHに変化する。そして、第一コンパレータ出力Vbから第3波の波形検出パルス信号がRSFF回路83のポート#Sに入力されなくなるまでポート#Q出力VdはHに維持され、ポート#Sへの入力がLとなったときにポート#Q出力VdはLとなる。
ゼロクロスポイントパルス発生回路84は、RSFF回路83のポート#Q出力Vdの立ち下がりエッジを検出し、ゼロクロス点に対応してHとなるパルスをゼロクロスポイント検出信号Veとして出力する。パルスカウンタ回路91は、送信手段6(図2)が駆動信号を発信してからゼロクロスポイント検出パルス信号(Ve)を検出するまでのクロックパルス数をカウントして、伝播時間検出信号Vfを出力する。このようにして伝播時間検出信号Vfで得られた順方向超音波伝播時間Tudは、実際の(真の)伝播時間より長くなっている。つまり、受信開始からトリガー波(第3波)のゼロクロス点までの間(第1波〜第3波の1.5周期分)の経過時間を補正値として、検出伝播時間から差し引くと実際の伝播時間が得られる。
このようにして順方向超音波伝播時間Tudを測定した後、スイッチ6A,6B(図2)を切り替えて、下手側超音波素子2bから超音波を発信し、逆方向超音波伝播時間Tduを求める。
なお、順方向超音波伝播時間Tudを測定すると、超音波の一部が下手側超音波素子2bで反射されて上手超音波素子2aに戻るが、その反射波を受信して逆方向超音波伝播時間を求めてもよい。このようにすると、図4に示すように、補正値を計算することなく実際の超音波伝播時間を求めることが可能となる。
図2に戻る。本発明における受信回路は増幅手段7等により構成されている。この受信回路の周波数特性は、上手側超音波素子2aまたは下手用超音波素子2bの周波数特性と等しくなるように構成されている。これにより、超音波素子2a,2bが出力した受信信号のみを増幅することが可能となり、不要周波数成分の増幅を防止できる。そのため、高精度な流量計測が可能となる。
一方、図2のスイッチ6A,6Bは例えばアナログスイッチにより構成される。アナログスイッチは数十Ωのオン抵抗を持つ。超音波素子の特性は経年変化するものであり、その特性の変化量に対してアナログスイッチのオン抵抗が無視できる程小さければ、測定精度が低下することはない。しかし、計測精度が1nsなど極めて小さな計測時間精度が要求される超音波流量計では、このオン抵抗は無視できないものである。この問題を解決するため、図5に示すように、オペアンプ71にスイッチ等価回路11および超音波素子等価回路12を接続した。スイッチ等価回路11は、具体的には抵抗であり、スイッチ6A,6Bの電気抵抗と等価な電気抵抗を有するようにされている。超音波素子等価回路12は抵抗、コンデンサ、コイルなどからなり、上手側超音波素子2a又は下手側超音波素子2bのインピーダンスと等価なインピーダンスを有するように構成された回路である。オペアンプ71の入力側と出力側を繋ぐようにスイッチ等価回路11および超音波素子等価回路12を直列接続することにより、オペアンプ71の反転入力端子のゼロ電位を基準にして、入力側と出力側の電気的特性の比率を一定にすることができる。そのため、安定した出力を確保できる。
次に、図6について説明する。この実施形態では、上手側超音波素子2aおよび下手側超音波素子2bにそれぞれ専用の受信回路を持たせるように構成した。すなわち、上手側超音波素子2a用のオペアンプ71aと下手用超音波素子2b用のオペアンプ71bとを設け、それぞれのオペアンプ71a,71bに対してキャンセル回路22aおよび22bを接続する。より詳しくは、オペアンプ71aの入力側と出力側を繋ぐようにスイッチ等価回路11aおよび超音波素子等価回路12aを直列接続する。同様にして、オペアンプ71bの入力側と出力側を繋ぐようにスイッチ等価回路11bおよび超音波素子等価回路12bを直列接続する。超音波素子2a,2bはそれぞれ周波数特性が異なるため、このように受信回路を分けることにより、各受信回路の周波数特性を超音波素子の周波数特性に個別に合わせることが可能となる。これにより、超音波素子2a,2bのそれぞれの受信信号に対して受信回路で不要周波数成分を増幅しにくくなり、流量測定の精度が向上する。
図7は、測定手段15および周波数特性補正手段を備えた実施形態である。このように上手側超音波素子2a及び下手側超音波素子2bに測定手段15が接続されており、スイッチ13,14によって切り替え接続可能になっている。超音波流量計1を長年使用していると、超音波素子2a,2bの電気的特性が経年変化する。そこで、一定の時間使用したところで測定手段15を使って超音波素子2a,2bの電気的特性を測定し、その測定値に基づいてスイッチ等価回路11a,11bおよび超音波素子等価回路12a,12bの特性値を補正する。これにより、受信回路の周波数特性と超音波素子2a,2bの周波数特性を合わせることが可能となり、精度の高い流量測定を長期にわたって行うことが可能となる。
なお、超音波素子2a,2bの測定を開始する命令を測定手段15に対して行ったり、スイッチ等価回路11a,11bおよび超音波素子等価回路12a,12bの電気的特性値を補正したりするのは、本発明の制御手段16が行う。制御手段16は図8Aに示すように、例えばマイコンが用いられる。より詳しくは、制御手段16はCPU17、ROM18、RAM19、I/O21、これらを繋ぐバスライン20を備えた構成となっている。また、図8Bに示すように、ROM18Bには流量演算プログラム18a,周波数特性測定プログラム18b、周波数特性補正プログラム18c等の各種プログラムが記憶されている。流量演算プログラム18aは、上述した順方向伝播時間Tudおよび逆方向伝播時間Tduから流体の流量を演算するプログラムである。また、周波数特性測定プログラム18bは、測定手段15に対して測定命令を出すプログラムである。さらに周波数特性補正プログラム18cは、超音波素子2a,2bの測定値に基づいて、スイッチ等価回路11a,11bおよび超音波素子等価回路12a,12bの電気的特性を補正するためのプログラムである。なお、CPU17が周波数特性補正プログラム18cを読み出して実行することにより、本発明の周波数特性補正手段が実現される。
本発明に係る超音波流量計のブロック図である。 超音波流量計のブロック図。 受信回路の構成図。 図3のタイミングチャート。 キャンセル回路を備えた超音波流量計の要部。 上手用受信回路と下手用受信回路を設けた実施例。 測定手段と、周波数特性補正手段とを設けた実施例。 制御手段の例。
符号の説明
1 超音波流量計
2a 上手側超音波素子
2b 下手側超音波素子
3 流路
4 切替手段
5 送信手段
6 受信手段
6A 送信側スイッチ
6B 受信側スイッチ
7 増幅手段(受信回路)
8 ゼロクロスポイント検出手段
9 時間計測手段
11 スイッチ等価回路
12 超音波素子等価回路
16 制御手段

Claims (4)

  1. 流体が流通する流路と、
    超音波発信機能と超音波受信機能とを複合して備え、前記流路の上手側および下手側にそれぞれ設けられた一対の超音波素子であって、一方の超音波素子から発信した超音波を他方の超音波素子で受信して受信信号を出力する上手側超音波素子および下手側超音波素子と、
    前記超音波素子に対して駆動信号を送信し、超音波を発信させる送信手段と、
    前記超音波素子から出力された前記受信信号を受信する受信回路と、
    を備え、前記上手側超音波素子または前記下手側超音波素子の周波数特性と、前記受信回路の周波数特性が等しくされていることを特徴とする超音波流量計。
  2. 前記受信回路の入力側と出力側の電気的特性の比率が一定になるように構成されている請求項1記載の超音波流量計。
  3. 前記受信回路は、前記上手側超音波素子から出力された受信信号を受信する上手側受信回路と、前記下手側超音波素子から出力された受信信号を受信する下手側受信回路とに分けて構成されている請求項1または2記載の超音波流量計。
  4. 前記超音波素子の周波数特性を測定する測定手段と、
    測定された前記超音波素子の周波数特性に基づいて、前記受信回路の周波数特性を補正する周波数特性補正手段と、
    を備える請求項1ないし3のいずれか1項に記載の超音波流量計。
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