JP2007155291A - 触媒燃焼器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】燃料と酸素との燃料混合ガスを燃焼反応させる触媒を有する筒状の触媒燃焼部本体11と、燃焼反応で生成した排気ガスと熱交換流体との間で熱交換させ触媒燃焼部本体11の下流側に隣接して配置された熱交換部30と、を備える触媒燃焼器1であって、触媒燃焼部本体11を囲む空気層20からなる断熱部12と、断熱部12を囲み、熱交換部30に送られる熱交換流体が流通する熱交換流体流通部13と、を備えた。
【選択図】図4
Description
さらにまた、熱交換部に送られる熱交換流体が熱交換流体流通部を流通させるため、熱交換流体が流れる流路を複数備える必要がなく、触媒燃焼器の構成が簡易かつコンパクトになる。
まず、第1実施形態に係る燃料電池システム及びこれに組み込まれた触媒燃焼器について、図1から図8を参照して説明する。
図1に示す第1実施形態に係る燃料電池システム50は、燃料電池自動車に搭載されている。燃料電池システム50は、燃料電池60の出力端子(図示しない)に接続された走行モータ(図示しない)を備えている。この走行モータは燃料電池60の発電電力によって駆動し、これにより、燃料電池自動車が走行するようになっている。
水素タンク71は配管71aを介して減圧弁72に接続されており、減圧弁72は配管72aを介してエゼクタ73に接続されている。エゼクタ73は配管73aを介してアノード流路64に接続されている。配管71aには、遮断弁(図示しない)が設けられており、図示しないECU(Electronic Control Unit、電子制御装置)によって、前記遮断弁が開かれると、水素が減圧弁72で減圧された後、アノード流路64に供給されるようになっている。
なお、パージ弁74は、循環する水素に同伴する水等の不純物を排出するために開かれ、例えば、定期的に、または、燃料電池60(スタック)を構成する単セルの出力電圧(セル電圧)が低下したときに行われる。
触媒燃焼器1は、混合器95から送られる燃料混合ガスを燃焼して、高温の排気ガス(高温流体)を生成すると共に、排気ガスと熱交換流体との間で熱交換し、排気ガスの熱を熱交換流体に移動させ、熱交換流体を加熱する機器である。また、触媒燃焼器1における燃焼により生成した排気ガスは、配管95d及び配管82bの一部を介して、外部に排気されるようになっている。
図2及び図3に示すように、触媒燃焼器1は、横向きの略円柱体であって、図4に示すように、その上流側の触媒燃焼部10と、触媒燃焼部10の下流側に隣接して配置された熱交換部30と、を主に備えている。
ここで、「上流側」と、「下流側」とは、燃料混合ガス(燃焼後は排気ガス)の流通方向において、「上流側」と、「下流側」とをそれぞれ意味する。また、第1実施形態では、燃料混合ガスの流通方向と、円柱状の触媒燃焼器1の軸方向とが一致する場合を例示する。
触媒燃焼部10は、略円柱体の外形を有しており、図3及び図4に示すように、その内側から外側に向かって、筒(管)状の第1ケーシング14と、筒状の第2ケーシング17の上流側部分(以下、上流部18)と、筒状の第3ケーシング21とが、同じ中心軸線で配置された3重構造となっている。そして、このような3重構造の触媒燃焼部10は、混合器95から送られる燃料混合ガスを燃焼して熱エネルギを発生させる筒状の触媒燃焼部本体11と、触媒燃焼部本体11の後記する触媒部16に相当する部分の外周面を囲んで覆っている断熱部12と、主に断熱部12の周面を囲んで覆うと共に熱交換部30に送られる熱交換流体が流通する熱交換流体流通部13と、を主に備えている。
触媒燃焼部本体11は、第1ケーシング14と、多孔質体15と、触媒部16と、を主に備えている。第1ケーシング14は、筒(管)状であり、その上流側(図4左側)開口からその内部に燃料混合ガスが導入されるようになっている。そして、多孔質体15及び触媒部16は第1ケーシング14内に配置されている。なお、第1ケーシング14内において、多孔質体15は上流側に、触媒部16は下流側に配置されており、燃料混合ガスが多孔質体15、触媒部16の順で流れるようになっている。
また、外気温が低い場合でも、触媒部16の触媒の活性を高めるため、例えば、外気温が低い場合に作動する電熱ヒータ(加熱手段)を第1ケーシング14内に備えてもよい。
断熱部12は、触媒燃焼部本体11の外周面のうち、少なくも触媒部16を内蔵する部分の外周面を覆っており、触媒部16とその外側に配置された熱交換流体流通部13との間において、熱を伝達しにくくさせる部分である。ここで、第1実施形態に係る断熱部12は、第1ケーシング14の外側に所定間隔を隔てて配置された円筒状の第2ケーシング17の上流部18によって、第1ケーシング14と上流部18との間に形成された円筒状の空気層20から構成されている。そして、この空気層20からなる断熱部12は、触媒部16の外側を囲んでいる。また、この断熱部12の外側を、熱交換流体流通部13が囲んでおり、言い換えると、断熱部12は触媒部16と熱交換流体流通部13との間に介在されている。
熱交換流体流通部13は、熱交換部30に送られる熱交換流体が流通する部分(空間、流路)である。具体的には、熱交換流体流通部13は、第1ケーシング14及び第2ケーシング17の上流部18の外側に所定間隔を隔てて配置された筒状の第3ケーシング21によって、第1ケーシング14及び上流部18と第3ケーシング21との間に形成された略円筒状の空間である(図4参照)。これにより、触媒部16において燃料混合ガスの燃焼により発生した熱が、触媒燃焼器1の外部に伝達しにくくなっており、触媒燃焼器1の周辺機器への熱害が防止されている。
熱交換部30は、触媒燃焼部10で生成された高温の排気ガスと熱交換流体との間で熱交換し、排気ガスの熱を熱交換流体に移動させる部分である。このような熱交換部30は、第2ケーシング17の下流部19と、プレート31及びプレート32と、排気ガスがその内部を流通する複数本(第1実施形態では7本)の排気ガス管33…と、フィン34と、を主に備えている。
したがって、軸方向(燃料混合ガスの流通方向)において、流出パイプ35は触媒燃焼器1の下流側に配置されており、触媒燃焼部10の流入パイプ22(流入口)は触媒燃焼器1の上流側に配置されている。また、軸方向視において、流出パイプ35と流入パイプ22とは、触媒燃焼器1の中心軸線を中心として、対に配置されている。これにより、触媒燃焼器1内における熱交換流体の流路長が長くなり、その結果として、熱交換率が高くなっている。
(1)触媒部16の径方向外側を囲むように、空気層20からなる円筒状の断熱部12を備えているため、触媒部16の熱が外部に伝達しにくく、触媒燃焼器1の表面温度が上昇しにくくなり、その周辺機器に熱害を与えることもない。また、低い外気温下での燃料電池システム50の起動時において、熱交換流体によって触媒部16が冷却されにくくなり、安定した触媒活性の下で、燃焼反応を進行させることができる。
(2)断熱部12の径方向外側を囲むように、熱交換流体流通部13を備えているため、触媒部16の熱がさらに外部に伝達しにくくなり、触媒燃焼器1の周辺機器が熱害に曝されることもない。
次に、第2実施形態に係る触媒燃焼器について、図9及び図10を参照して説明する。なお、以下の実施形態に係る触媒燃焼器の説明については、第1実施形態と異なる部分のみを説明する。
次に、第3実施形態に係る触媒燃焼器について、図11及び図12を参照して説明する。
図11及び図12に示すように、第3実施形態に係る触媒燃焼器3の触媒燃焼部10Bは、第1実施形態に係る触媒燃焼部10の構成に加えて、螺旋状のリブ24(螺旋手段、流路延長手段)を備えている。リブ24は、第1ケーシング14又は第2ケーシング17の上流部18と、第3ケーシング21との間において、熱交換流体流通部13を螺旋状に、つまり、流入パイプ22と連通孔18aとの間における熱交換流体の流路を螺旋状とするものである。これにより、熱交換流体の流路長は、第1実施形態に係る流路長に対して、飛躍的に長くなる。その結果として、熱交換流体が熱交換流体流通部13の全体を流通しやすくなる。
なお、このようなリブ24は、第1ケーシング14又は第2ケーシング17の上流部18の外周面に溶接等されることで固定されている。
次に、第4実施形態に係る触媒燃焼器について、図13から図16を参照して説明する。
図13から図16に示すように、第4実施形態に係る触媒燃焼器4の触媒燃焼部10Cは、第1実施形態に係る触媒燃焼部10の構成に加えて、仕切板25と、4枚の細長板状の仕切板26と、を備えている。
10,10A,10B,10C 触媒燃焼部
11 触媒燃焼部本体
12 断熱部
13 熱交換流体流通部
13A 上流部
13B 下流部
14 第1ケーシング
15 多孔質体
16 触媒部
17 第2ケーシング
18 上流部
18a 連通孔
19 下流部
20 空気層
21 第3ケーシング
22 流入パイプ(流入口)
23,25 仕切板
23a 切欠(連通部)
24 リブ(螺旋手段)
25a,25b,25c 連通孔
26 仕切板
30 熱交換部
33 排気ガス管
34 フィン
35 流出パイプ(流出口)
50 燃料電池システム
60 燃料電池
66 熱交換流体路
71 水素タンク
81 コンプレッサ
90 加熱冷却系
91 ラジエータ(放熱器)
92 サーモスタット弁
93 ポンプ
94 三方弁
95 混合器
Claims (9)
- 燃料と酸素との燃料混合ガスを燃焼反応させる触媒を有する筒状の触媒燃焼部本体と、
前記燃焼反応で生成した高温流体と熱交換流体との間で熱交換させる熱交換部と、を備える触媒燃焼器であって、
前記触媒燃焼部本体を囲む断熱部と、
前記断熱部を囲み、前記熱交換部に送られる前記熱交換流体が流通する熱交換流体流通部と、
を備えたことを特徴とする触媒燃焼器。 - 前記断熱部は空気層であることを特徴とする請求項1に記載の触媒燃焼器。
- 前記熱交換部は前記触媒燃焼部本体の下流側に隣接して配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の触媒燃焼器。
- 前記熱交換流体流通部への熱交換流体の流入口は、燃料混合ガスの流通方向において、その上流側に、
前記熱交換部からの熱交換後の熱交換流体の流出口は、前記流通方向において、その下流側に、それぞれ配置されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の触媒燃焼器。 - 前記流入口と前記流出口とは、前記流通方向視において、略一致していることを特徴とする請求項4に記載の触媒燃焼器。
- 前記流入口と前記流出口とは、前記流通方向視において、対となっていることを特徴とする請求項4に記載の触媒燃焼器。
- 前記熱交換流体流通部は、流入した熱交換流体を前記熱交換流体流通部の外周に導くリング状のチャンバを備えることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の触媒燃焼器。
- その上流側と下流側とを連通させる連通部を有する仕切板を複数備え、
当該複数の仕切板は、前記触媒燃焼部本体の軸方向において複数段で配置されていると共に、当該軸方向視において隣り合う仕切板の前記連通部はずれており、
前記熱交換流体流通部における熱交換流体の流路は延長されていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の触媒燃焼器。 - 前記熱交換流体流通部における熱交換流体の流路を螺旋状に延長させる螺旋状手段を備えたことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の触媒燃焼器。
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