JP2007153188A - 車両制動装置、車両制動方法および制御装置 - Google Patents

車両制動装置、車両制動方法および制御装置 Download PDF

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雅明 駒沢
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Abstract

【課題】ブレーキ効きを全輪についてまとめて推定したときの推定結果の精度に改善の余地がある。
【解決手段】車両制動装置は、車両の走行中、前輪および後輪のそれぞれについて、ブレーキペダルの踏込量から算出される目標制動力を油圧ブレーキの制動力と回生ブレーキの制動力とに配分する割合を決定する制動力配分決定部42と、決定された配分の割合に応じて油圧ブレーキの油圧を変化させる油圧制御部46と、決定された配分の割合に応じて走行モータが発生する回生トルクを変化させる回生トルク制御部48と、車両の減速度、変化させた油圧値および変化させた回生トルク値から車重およびブレーキ効きを推定する推定部50と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、液圧ブレーキと車両走行用の走行モータを用いた回生ブレーキとを備える車両制動装置、これらのブレーキを用いた車両制動方法、および制動手段としてこれらのブレーキを備える車両に設けられる制御装置に関する。
車両減速時、ドライバはブレーキペダルを踏み込んで各車輪に対して制動力を付与して車両を減速させる。ここで、実際に発生する制動力は、液圧ブレーキの制動能力を示すブレーキ効きおよび車重に影響される。ブレーキ効きおよび車重は、一定であるとは限らず、例えば、一般に、車重は乗員の人数や荷物の量によって変化し、ブレーキ効きは、ブレーキの摩擦面への浸水などにより低下する場合がある。このとき、ブレーキ効きおよび車重を走行中に推定することができれば、これらの値を考慮して、各車輪の液圧ブレーキの液圧を調整しドライバの要求する制動力を発生させることができる。特許文献1では、車両減速度、ブレーキ圧およびドライバのブレーキ操作履歴を考慮してブレーキ効きを判定する技術が開示されている。
特開平5−105075号公報
特許文献1の技術においては、全輪のブレーキ圧を総合して考慮し、ブレーキ効きを判定するが、その判定結果は必ずしも良好なものとは言えない。液圧は各輪に対して個別に付与されるので、全輪のブレーキ効きがすべて同値となることは稀だからである。つまり、ブレーキ効きを推定する場合においても、全輪のブレーキ圧を総合して考慮して推定してもその結果は良好なものとはなり得ない。
本発明は上述の事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、ブレーキ効きの推定の精度を高めることにある。
本発明の一態様は、液圧ブレーキと車両走行用の走行モータを用いた回生ブレーキとを備える車両制動装置に関する。この車両制動装置は、車両の走行中、前輪および後輪のそれぞれについて、ブレーキペダルの踏込量から算出される目標制動力を液圧ブレーキの制動力と回生ブレーキの制動力とに配分する割合を変化させ、その割合の変化に応じて液圧ブレーキの液圧および走行モータが発生する回生トルクを変化させ、変化させた液圧値および変化させた回生トルク値を用いて液圧ブレーキの制動能力を示すブレーキ効きを推定する。
この態様によれば、車両走行中に前輪および後輪のそれぞれにおいて液圧および回生トルクを変化させ、その変化した値を考慮してブレーキ効きの推定値が算出される。これによって、前輪および後輪の少なくともいずれか一方を特定してブレーキ効きを推定できる。つまり、全輪の液圧値および回生トルク値を総合して考慮する場合と比較して、より詳細にこれらの値を取得して推定値を算出するので、良好なブレーキ効きの推定結果を得ることができる。
なお、この態様において、変化させた液圧値および変化させた回生トルク値を用いて車重を推定してもよい。これによって、前輪および後輪の少なくともいずれか一方を特定してブレーキ効きを推定できる。つまり、全輪の液圧値および回生トルク値を総合して考慮する場合と比較して、より詳細にこれらの値を取得して推定値を算出するので、良好な車重の推定結果を得ることができる。
本発明の別の態様も、液圧ブレーキと車両走行用の走行モータを用いた回生ブレーキとを備える車両制動装置に関する。この車両制動装置は、車両の走行中、前輪および後輪のそれぞれについて、ブレーキペダルの踏込量から算出される目標制動力を前記液圧ブレーキの制動力と回生ブレーキの制動力とに配分する割合を決定する配分決定手段と、決定された配分の割合に応じて液圧ブレーキの液圧を変化させる液圧制御手段と、決定された配分の割合に応じて走行モータが発生する回生トルクを変化させる回生トルク制御手段と、変化させた液圧値および変化させた回生トルク値からブレーキ効きを推定する推定手段と、を備える。
この態様では、液圧制御手段および回生トルク制御手段は、車両走行中に配分決定手段により決定された配分の割合に応じて、液圧および回生トルクを変化させる。そして、推定手段は、その変化させた値からブレーキ効きの推定値を算出する。これによって、全輪の液圧値および回生トルク値を総合して考慮する場合と比較して、より詳細にこれらの値を取得して推定値を算出するので、良好なブレーキ効きの推定結果を得ることができる。
車両制動装置には、走行モータが2個備えられており、一方の走行モータは前輪に、他方の走行モータは後輪に対して、回生トルクを発生させて制動力を付与し、液圧制御手段は、前輪および後輪のそれぞれについて、決定された配分の割合に応じて液圧ブレーキの液圧を変化させ、回生トルク制御手段は、前輪および後輪のそれぞれについて、決定された配分の割合に応じて走行モータが発生する回生トルクを変化させてもよい。
この態様によれば、前輪および後輪の双方について、液圧ブレーキおよび回生ブレーキによる制動が実行される。これによって、配分決定手段は、前輪および後輪の双方について、より詳細に液圧ブレーキの制動力と回生ブレーキの制動力の配分の割合を設定できる。
配分決定手段は、前輪および後輪のそれぞれに付与される制動力が走行中に一定の値に維持されるように液圧ブレーキの制動力と回生ブレーキの制動力との配分を決定してもよい。この態様によれば、走行中に、液圧制御手段および回生トルク制御手段が決定する配分の割合の変化に応じて液圧および回生トルクを変化させても、前輪および後輪のそれぞれに付与される制動力は一定の値に維持される。つまり、走行中、毎回異なる配分パターンによる制動力配分に応じて複数回ブレーキ制御が実行されても、ドライバのブレーキペダル踏込量とそれに応じて発生する減速度との関係は変化しないので、ドライバの走行感覚を良好に維持できる。
配分決定手段は、前輪および後輪の少なくとも一方に付与される制動力を回生ブレーキのみによりまかなうように配分の割合を決定してもよい。つまり、回生ブレーキのみにより制動力がまわなわれる車輪に関しては、油圧ブレーキの制動力を考慮せずに、ブレーキ効きの推定値を算出できる。これによって、より簡便に推定値を算出できる。
車両制動装置は、推定された車重およびブレーキ効きを用いて再度液圧ブレーキの液圧を制御してもよい。この態様によれば、車両走行中に推定された前輪および後輪のそれぞれのブレーキ効きおよび車重を用いて、ドライバの要求する制動力を発生させる液圧値および回生トルク値を算出して、その算出結果に応じた制動力を車輪に付与できる。これによって、ドライバの要求する車両の減速度を実現できる。
本発明の別の態様は、液圧ブレーキと車両走行用の走行モータを用いた回生ブレーキとを備える車両制動方法に関する。この車両制動方法は、車両の走行中、前輪および後輪のそれぞれについて、ブレーキペダルの踏込量から算出される目標制動力を前記液圧ブレーキの制動力と回生ブレーキの制動力とに配分する割合を決定する配分決定過程と、決定された配分の割合に応じて前輪および後輪の液圧ブレーキの液圧を変化させる液圧制御過程と、決定された配分の割合に応じて走行モータが発生する回生トルクを変化させる回生トルク制御過程と、変化させた液圧値および変化させた回生トルク値からブレーキ効きを推定する推定過程と、を備える。
本発明の別の態様は、制動手段として液圧ブレーキと車両走行用の走行モータによる回生ブレーキとを備える車両に設けられる制御装置に関する。この制御装置は、車両の走行中、前輪および後輪のそれぞれについて、ブレーキペダルの踏込量から算出される目標制動力を液圧ブレーキの制動力と回生ブレーキの制動力とに配分する割合を決定する配分決定手段と、決定された配分の割合に応じて前輪および後輪の液圧ブレーキの液圧を変化させる液圧制御手段と、決定された配分の割合に応じて前記走行モータが発生する回生トルクを変化させる回生トルク制御手段と、変化させた液圧値および変化させた回生トルク値からブレーキ効きを推定する推定手段と、を備える。
本発明の車両制動装置、車両制動方法および制御装置によれば、ブレーキ効きの推定の精度を高めることができる。
(第1の実施の形態)
本実施の形態では、油圧ブレーキと車両走行用の走行モータを用いた回生ブレーキとを備える車両制動装置において、車両走行中に車重およびブレーキ効きを推定して、その結果を用いて油圧ブレーキの油圧および回生ブレーキの回生トルクを制御する例を説明する。以下、これらの制御をまとめて「ブレーキ制御」とも表記する。一般に、車重およびブレーキ効きを推定しないでブレーキ制御を実行する場合、ブレーキ制御量の算出には、車重とブレーキ効きの値として、あらかじめ定められた標準値を用いることが考えられる。しかし、上述したように、車重およびブレーキ効きは常に一定であるとは限らないため、標準値を用いたブレーキ制御によりドライバが要求する制動力を発生させることが困難な場合がある。そこで、以下で説明するように、走行中に車重およびブレーキ効きを推定してその結果を用いてブレーキ制御を実行すれば、より正確な制御量を算出できるので、ドライバが要求する制動力を発生させることができる。
図1は、第1の実施形態に係る車両制動装置が適用された車両を示す概略構成図である。同図に示される車両1は、いわゆるハイブリッド車両として構成されており、エンジン2と、エンジン2の出力軸であるクランクシャフトに接続された3軸式の動力分割機構3と、動力分割機構3に接続された発電可能なモータジェネレータ4と、前輪用変速機5を介して動力分割機構3に接続された前輪用電動モータ6と、電力変換装置11を介してモータジェネレータ4と接続された後輪用電動モータ16と、車両1の駆動系全体を制御するハイブリッド用電子制御ユニット(以下、「ハイブリッドECU」といい、電子制御ユニットは、すべて「ECU」と称する。)7とを備える。前輪用変速機5には、前輪用ドライブシャフト8を介して車両1の駆動輪たる右前輪9FRおよび左前輪9FLが連結される。また、後輪用電動モータ16に接続された後輪用変速機15には、後輪用ドライブシャフト18を介して車両1の駆動輪たる右後輪9RRおよび左後輪9RLが連結される。
エンジン2は、例えばガソリンや軽油等の炭化水素系燃料を用いて運転される内燃機関であり、エンジンECU10により制御される。エンジンECU10は、ハイブリッドECU7と通信可能であり、ハイブリッドECU7からの制御信号や、エンジン2の作動状態を検出する各種センサからの信号に基づいてエンジン2の燃料噴射制御や点火制御、吸気制御等を実行する。また、エンジンECU10は、必要に応じてエンジン2の作動状態に関する情報をハイブリッドECU7に与える。
動力分割機構3は、前輪用変速機5を介して前輪用電動モータ6の出力を左右の前輪9FR,9FLに伝達する役割と、エンジン2の出力をモータジェネレータ4と前輪用変速機5とに振り分ける役割と、前輪用電動モータ6やエンジン2の回転速度を減速あるいは増速する役割とを果たす。モータジェネレータ4と前輪用電動モータ6および後輪用電動モータ16とは、それぞれインバータを含む電力変換装置11を介してバッテリ12に接続されており、電力変換装置11には、モータECU14が接続されている。モータECU14も、ハイブリッドECU7と通信可能であり、ハイブリッドECU7からの制御信号等に基づいて電力変換装置11を介してモータジェネレータ4、前輪用電動モータ6および後輪用電動モータ16を制御する。なお、上述のハイブリッドECU7やエンジンECU10、モータECU14は、何れもCPUを含むマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に各種プログラムを記憶するROM、データを一時的に記憶するRAM、入出力ポートおよび通信ポート等を備える。
ハイブリッドECU7やモータECU14による制御のもと、電力変換装置11を介してバッテリ12から電力を前輪用電動モータ6および後輪用電動モータ16に供給することにより、前輪用電動モータ6の出力により左右の前輪9FR、9FLを、後輪用電動モータ16により左右の後輪9RR、9RLを駆動することができる。また、エンジン効率のよい運転領域では、車両1はエンジン2によって駆動される。この際、動力分割機構3を介してエンジン2の出力の一部をモータジェネレータ4に伝えることにより、モータジェネレータ4が発生する電力を用いて、前輪用電動モータ6を駆動したり、電力変換装置11を介してバッテリ12を充電したりすることが可能となる。
また、車両1を制動する際には、ハイブリッドECU7やモータECU14による制御のもと、前輪9FR、9FLから伝わる動力によって前輪用電動モータ6が回転させられ、前輪用電動モータ6が発電機として作動させられる。同様に、後輪9RR、9RLから伝わる動力によって後輪用電動モータ16が回転させられ、後輪用電動モータ16が発電機として作動させられる。すなわち、前輪用電動モータ6、後輪用電動モータ16、電力変換装置11、ハイブリッドECU7およびモータECU14等は、車両1の運動エネルギを電気エネルギに回生することによって車両1を制動する回生ブレーキユニットとして機能する。
本実施形態の車両制動装置は、このような回生ブレーキユニットに加えて、液圧ブレーキユニット20を備えており、両者を協調させるブレーキ回生協調制御を実行することにより車両1を制動可能なものである。液圧ブレーキユニット20は、左右の前輪9FR、9FLおよび左右の後輪9RR、9RLに対して設けられたディスクブレーキユニット21FR,21FL、21RRおよび21RLと、各ディスクブレーキユニット21FR〜21RLに対する作動液としてのブレーキオイルの供給源となる液圧発生装置30と、液圧発生装置30からのブレーキオイルの液圧を適宜調整して各ディスクブレーキユニット21FR〜21RLに供給することにより、車両1の各車輪に対する制動力を設定可能な液圧アクチュエータ32とを含む。
上述のように構成された液圧発生装置30や液圧アクチュエータ32は、制御手段としてのブレーキECU70により制御される。ブレーキECU70もCPUを含むマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に各種プログラムを記憶するROM、データを一時的に記憶するRAM、入出力ポートおよび通信ポート等を備える。そして、ブレーキECU70は、ハイブリッドECU7と通信可能であり、ハイブリッドECU7からの制御信号や、各種センサからの信号に基づいて液圧発生装置30や液圧アクチュエータ32を制御する。
図1に示されるように、ブレーキECU70に接続されるセンサには、油圧センサ56およびブレーキストロークセンサ25が含まれる。油圧センサ56は、各ディスクブレーキユニット21FR〜21RLに対して付与されるブレーキオイルの圧力を検知し、検知した値を示す信号をブレーキECU70に与える。ブレーキストロークセンサ25は、ブレーキペダルの操作量を検知し、検知した値を示す信号をブレーキECU70に与える。油圧センサ56およびブレーキストロークセンサ25の検出値は、所定時間おきにブレーキECU70に順次与えられ、ブレーキECU70の所定の記憶領域(バッファ)に所定量ずつ格納保持される。なお、ブレーキストロークセンサ25に加えて、ブレーキペダルの操作状態を検出するペダル踏力センサや、ブレーキペダルが踏み込まれたことを検出するブレーキスイッチがブレーキECU70に接続されてもよい。
具体的に、車重およびブレーキ効きの推定およびその結果を利用した油圧制御および回生トルク制御について説明する。以下、前輪実油圧値をPFr、後輪実油圧値をPRr、実回生トルク値をTr、実減速度をa、タイヤ径をRt、車重推定値をMc、前輪ブレーキ効き推定値をKFr、後輪ブレーキ効き推定値をKRr、車重標準値をM、前輪ブレーキ効き標準値をKF、後輪ブレーキ効き標準値をKR、とも表記する。
図2は、ハイブリッドECU7の構成を示す機能ブロック図である。ハイブリッドECU7は、目標減速度算出部40、制動力配分決定部42、制動力算出部44、油圧制御部46、回生トルク制御部48、推定部50、格納部52、制動モード設定部53を含む。目標減速度算出部40は、ブレーキECU70を介してブレーキストロークセンサ25から取得したドライバのブレーキペダルの踏込量を用いてドライバの要求する目標減速度を算出する。
制動力配分決定部42は、前輪および後輪のそれぞれについて、車両全体に発生させる制動力を油圧ブレーキの制動力と回生ブレーキの制動力とに配分する割合の複数のパターンを記述したテーブル(以下「制動力配分テーブル」ともいう)を有している。制動力配分決定部42は、制動力配分テーブル60により設定された制動モードを参照して、複数のパターンのうちいずれかを選択して制動力の配分を決定する。制動モードについては後述する。
制動力算出部44は、目標減速度算出部40により算出された目標減速度および制動力配分決定部42により決定された配分の割合を用いて、前輪および後輪のそれぞれに発生させる油圧ブレーキによる制動力および回生ブレーキによる制動力を算出する。
油圧制御部46は、制動力算出部44により算出された油圧ブレーキの制動力の発生に必要な油圧値を前輪および後輪のそれぞれについて算出し、算出結果をブレーキECU70に出力する。ブレーキECU70は、算出された油圧値に応じて油圧ブレーキを作動させるよう液圧ブレーキユニット20を制御する。このとき、油圧センサ56は、前輪および後輪の実油圧値PFr、PRrをそれぞれ検出する。
回生トルク制御部48は、制動力算出部44により算出された回生ブレーキの制動力の発生に必要な回生トルク値を前輪および後輪のそれぞれについて算出し、算出結果をモータECU14に出力する。モータECU14は、算出された回生トルク値に応じて回生ブレーキを作動させるよう、電力変換装置を介して前輪用電動モータ6および後輪用電動モータ16を制御する。このとき、回生トルク算出部58は、前輪用電動モータ6および後輪用電動モータ16の回生電流から実回生トルク値Trを算出する。なお、ここでいう実回生トルク値Trは、前輪で生じた実回生トルク値と後輪で生じた実回生トルク値の合計である。
油圧制御部46および回生トルク制御部48のブレーキ制御によって、減速した車両が減速すると、その実減速度はGセンサ54によって検出される。
図2を用いて上述した処理は、車両運転中繰り返し実行される。格納部52は、加速度センサ54(以下、「Gセンサ54」とも表記する)により検出された実減速度a、油圧センサ56により検出された実油圧値PFrおよびPRr、回生トルク算出部58によって算出された実回生トルク値Trを複数回の処理分格納する。また、格納部52には、車両走行開始時に車重の標準値M、前輪ブレーキ効きの標準値KF、後輪ブレーキ効きの標準値KRおよびタイヤ径Rtが格納される。
推定部50は、格納部52に格納された複数回の処理における実油圧値PFrおよびPRr、実回生トルク値Tr、実減速度a、およびタイヤ径Rtを用いて、車重、前輪ブレーキ効きおよび後輪ブレーキ効きを推定する。具体的には、格納部52に格納されている値を式2に代入して、車重推定値Mc、前輪ブレーキ効き推定値KFrおよび後輪ブレーキ効き推定値KRrを算出する。推定部50により算出されたこれらの推定値は、油圧制御部46に入力される。油圧制御部46は、推定値が入力された後は、これらの推定値を用いて油圧値を算出し、その算出結果をブレーキECU70に出力する。なお、油圧制御部46は、推定部50から推定値が入力されるまでは、車重の標準値M、前輪ブレーキ効きの標準値KFおよび後輪ブレーキ効きの標準値KRを用いて油圧値を算出する。これらの標準値は、格納部52に格納されている。制動モード設定部53は、推定部50によって推定値が算出されるたびに制動モードを設定する。制動モードとは、制動力配分決定部42が制動力配分のパターンを決定する際に参照される値であり、推定部50により各種の推定値が算出されるたびに異なる値に設定される。
図3は、制動力配分決定部42が有する制動力配分テーブル60を示す図である。具体的には、制動力配分テーブル60は、目標制動力を100パーセントとしたとき、前輪および後輪のそれぞれにおいて油圧制動力および回生制動力にその何パーセントが配分されるかを示している。図3に示すように、制動力配分テーブル60には3つの配分のパターンが記述されている。ここでは、目標制動力の60パーセントが前輪に、40パーセントが後輪に配分されている。また、複数の配分パターンのうち、例えば、配分パターンAは、前輪における油圧ブレーキの制動力と回生ブレーキの制動力との配分は、前者が10パーセントであり、後者が50パーセントである。
各パターンにおける油圧制動力の配分に注目すると、図3に示すように、配分パターンAは、前輪と後輪の配分が等しく、配分パターンBは、前輪の方が後輪の配分より大きく、配分パターンCは、後輪の方が前輪の配分より大きくなるように設定されている。また、すべてのパターンにおいて目標制動力の60パーセントが前輪に40パーセントが後輪に配分される。つまり、すべてのパターンにおいて前輪と後輪との制動力配分の割合が一定となるように設定されている。これにより、走行中に制動力配分決定部42によってどのパターンが選択されても、前輪と後輪との制動力配分の割合は変化せず、前輪および後輪のそれぞれに付与される制動力は一定の値に維持される。従って、走行中、毎回異なる配分パターンによる制動力配分に応じて複数回ブレーキ制御が実行されても、ドライバのブレーキペダル踏込量とそれに応じて発生する減速度との関係は変化しないので、ドライバの走行感覚を良好に維持できる。
制動力配分決定部42は、制動モードが「0」であるとき、配分パターンAを選択し、制動モードが「1」であるとき、配分パターンBを選択し、制動モードが「3」であるとき配分パターンCを選択するものとする。
なお、配分パターンの数は3つに限らず、4つ以上であってもよい。この場合、制動モードの数は、配分パターンの数に応じて設定される。
図4は、第1の実施の形態に係るブレーキ制御の処理の過程を示すフローチャートである。ここでは、ドライバが、運転を開始してから運転中にブレーキ操作を複数回実行した場合に実行されるブレーキ制御をドライバのブレーキ操作に沿って説明する。
まず、ドライバが車両のエンジンを作動させると、イニシャル処理を実行する(S10)。ここでは、イニシャル処理として、制動モードを「0」に設定し、格納部52に格納されているデータをすべてクリアする。そして、格納部52に車重の標準値M、前輪ブレーキ効きの標準値KF、後輪ブレーキ効きの標準値KRを格納する。
ドライバがアクセル操作をして車両が走行を開始した後、ドライバが最初にブレーキペダルを踏み込んだとき(S14のY)、この時点において制動モードは「0」であるので(S16のY)、制動力配分決定部42は、制動力配分テーブル60から、前輪の油圧と後輪の油圧が等しくなるような配分パターンAを選択する(S18)。このとき、油圧センサ56により検出される前輪実油圧値PFrと後輪実油圧値PRrとの値が等しいとき(S20のY)、その時点における前輪実油圧値PFr、後輪実油圧値PRr、実回生トルク値Trおよび実減速度aがデータd1として格納部52に格納される(S22)。一方、前輪実油圧値PFrと後輪実油圧値PRrとの値が等しくないとき(S20のN)、S22の処理はスキップされる。ここで、前輪実油圧値PFrと後輪実油圧値PRrとが等しいか否かは、所定期間これらの値が等しい状態が維持されたか否かで判定される。
次に、油圧制御部46は、S18において選択された配分パターンAにおける油圧ブレーキの配分に基づいて、油圧制御を実行する(S24)。後述するように、油圧制御には、油圧の制御量を算出する過程において、車重および前後輪のブレーキ効きが用いられる。これらの値についてすでに推定値が算出されているときは、推定車重Mc、前輪ブレーキ効き推定値KFrおよび後輪ブレーキ効き推定値KRrを用いるが、この時点では、まだ推定処理が実行されていないため、車重標準値M、前輪ブレーキ効き標準値KFおよび後輪ブレーキ効き標準値KRを用いる。
回生トルク制御部48は、S18において選択された配分パターンAにおける回生ブレーキの配分に基づいて、回生トルク制御を実行する(S26)。この後も、ドライバは運転を継続するものとする。つまり、エンジン2の作動は停止していないので(S28のN)、S14の処理に戻る。
ドライバがブレーキペダル操作を中止したとき(S14のN)、その時点において、1回ブレーキペダル操作がされたこととなる(S44のY)。格納部52にはデータ1のみが格納されているので(S46のN)、S48における車重の推定およS50におけるブレーキ効きの推定の処理は実行されない。次に、制動モードがインクリメントされ(S52)、制動モードは「1」となる。ここで、制動モードは「3」以上ではないので(S54のN)、S56における制動モードを「0」に設定する処理はスキップされる。
なお、ドライバが運転を開始してから、まだ一度もブレーキ操作をしていない場合には(S44のN)、S46からS56は処理をスキップされる。
この後も、ドライバは運転を継続するものとし(S28のN)、S14の処理に戻る。ドライバがブレーキペダルを踏み込んだとき、つまり、運転を開始してから2回目のブレーキ操作を実行したとき(S14のY)、この時点において制動モードは「0」ではなく(S16のN)、「1」である(S30のY)。この場合、制動力配分決定部42は、制動力配分テーブル60から、前輪の油圧が後輪の油圧より大きくなるような配分パターンBを選択する(S32)。このとき、油圧センサ56により検出される前輪実油圧値PFrが後輪実油圧値PRrより大きいとき(S34のY)、その時点における前輪実油圧値PFr、後輪実油圧値PRr、実回生トルク値Trおよび実減速度aがデータd2として格納部52に格納される(S36)。一方、前輪実油圧値PFrが後輪実油圧値PRrより大きくないとき(S34のN)、S36の処理はスキップされる。ここで、前輪実油圧値PFrが後輪実油圧値PRrより大きいか否かは、所定期間、前輪実油圧値PFrが後輪実油圧値PRrより大きい状態が維持されたか否かで判定される。
次に、油圧制御部46は、S32において選択された配分パターンBにおける油圧ブレーキの配分に基づいて、油圧制御を実行する(S24)。この時点においても、まだ、推定車重Mc、前輪ブレーキ効き推定値KFrおよび後輪ブレーキ効き推定値KRrは算出されていないため、油圧制御部46は、油圧制御量の算出に車重標準値M、前輪ブレーキ効き標準値KFおよび後輪ブレーキ効き標準値KRを用いる。
回生トルク制御部48は、S18において選択された配分パターンAにおける回生ブレーキの配分に基づいて、回生トルク制御を実行する(S26)。この後も、ドライバは運転を継続するものとする。つまり、エンジン2の作動は停止していないので(S28のN)、S14の処理に戻る。
ドライバが2回目のブレーキペダル操作を中止したとき(S14のN)、その時点において、2回ブレーキペダル操作がされたこととなる(S44のY)。格納部52にはデータ1およびデータ2のみが格納されているので(S46のN)、S48における車重の推定およS50におけるブレーキ効きの推定の処理は実行されない。次に、制動モードがインクリメントされ(S52)、制動モードは「2」となる。ここで、制動モードは「3」以上ではないので(S54のN)、S56における制動モードを「0」に設定する処理はスキップされる。この後も、ドライバは運転を継続するものとし(S28のN)、S14の処理に戻る。
ドライバがブレーキペダルを踏み込んだとき、つまり、運転を開始してから3回目のブレーキ操作を実行したとき(S14のY)、この時点において制動モードは「0」ではなく(S16のN)、「1」でもなく(S30のN)、「2」である。この場合、制動力配分決定部42は、制動力配分テーブル60から、前輪の油圧が後輪の油圧より小さくなるような配分パターンCを選択する(S38)。このとき、油圧センサ56により検出される前輪実油圧値PFrが後輪実油圧値PRrより小さいとき(S40のY)、その時点における前輪実油圧値PFr、後輪実油圧値PRr、実回生トルク値Trおよび実減速度aがデータd3として格納部52に格納される(S42)。一方、前輪実油圧値PFrが後輪実油圧値PRrより小さくないとき(S40のN)、S42の処理はスキップされる。ここで、前輪実油圧値PFrが後輪実油圧値PRrより小さいか否かは、所定期間、前輪実油圧値PFrが後輪実油圧値PRrより小さい状態が維持されたか否かで判定される。
ドライバが3回目のブレーキペダル操作を中止したとき(S14のN)、その時点において、3回ブレーキペダル操作がされたこととなる(S44のY)。ブレーキペダル操作は3回されており、格納部52にはデータd1、データd2およびデータd3が格納されているので(S46のY)。推定部50は、データd1〜d3、およびタイヤ径の値Rtを用いて車重の推定(S48)および前後輪のブレーキ効きの推定を実行する(S50)。
ここで、S48およびS50において実行される推定処理について具体的に説明する。
一般に、前輪ブレーキ効き、後輪ブレーキ効きおよび車重について以下の式1が成立することが知られている。
Figure 2007153188
式1においては、推定される対象である前輪ブレーキ効きKFr、後輪ブレーキ効きKRrおよび車重Mcが未知数である。これらの値をすべて推定するためには、式1において既知のパラメータである前輪実液圧値PFr、後輪実液圧値PRr、実減速度a、タイヤ径Rtおよび実回生トルク値Trの組み合わせの値を異ならせて式1を3つ作る必要がある。その3つの式1を解けば、前輪ブレーキ効きKFr、後輪ブレーキ効きKRrおよび車重Mcを推定できる。ここで、その3つの式1をまとめて行列式で表現すると以下の式2が得られる。
Figure 2007153188
ここで、同一の番号を付したパラメータは、互いに対応している。例えば、前輪実液圧PFr1、後輪実液圧PRr1、実回生トルクTr1は、走行中ドライバがブレーキ操作をしたとき同時に得られる液圧および回生トルクであり、液圧および回生トルクをその値にした結果得られた実加速度が、実加速度a1である。
推定部50は、タイヤ径Rt、データd1〜d3として格納されていた配分パターンA〜Cのそれぞれに対応する前輪実油圧値PFr、後輪実油圧値PRr、実回生トルク値Trおよび実減速度aを式2に代入して、車重推定値Mc、前輪ブレーキ効き推定値KFrおよび後輪ブレーキ効き推定値KRrを算出する。ここで、配分パターンAに対応する各種の検出値は、式2におけるPFr1、PRr1、a1およびTr1に代入し、配分パターンBに対応する各種の検出値は、式2におけるPFr2、PRr2、a2およびTr2に代入し、配分パターンCに対応する各種の検出値は、式2におけるPFr3、PRr3、a3およびTr3に代入するものとする。ここで、すべての数値が代入された結果、行列Xが正則行列とならないときには、式2を解くことはできないため、S48およびS50の推定を算出する処理は実行されず、S52の処理に進むものとする。
次に、制動モードがインクリメントされ(S52)、制動モードは「3」となる。ここで、制動モードは「3」以上であるので、(S54のY)、制動モードは「0」に設定される(S56)。
この後も、ドライバは運転を継続するものとし(S28のN)、S14の処理に戻る。ドライバがブレーキペダルを踏み込んだとき、つまり、運転を開始してから4回目のブレーキ操作を実行したとき(S14のY)、この時点において制動モードは「0」である(S16のY)。制動力配分決定部42は、制動力配分テーブル60から、前輪の油圧と後輪の油圧が等しくなるような配分パターンAを選択する(S18)。
そして、油圧センサ56により検出される前輪実油圧値PFrと後輪実油圧値PRrとの値が等しいとき(S20のY)、その時点における前輪実油圧値PFr、後輪実油圧値PRr、実回生トルク値Trおよび実減速度aがデータd1として格納部52に格納される(S22)。つまり、格納部52において、1回目のブレーキ操作において格納されたデータd1に、4回目のブレーキ操作におけるデータd1が上書される。新たにデータd1が格納された時点において、格納部52には、4回目のブレーキ操作時の各種の検出値がデータd1として、2回目のブレーキ操作時の各種の検出値がデータd2として、3回目のブレーキ操作時の各種の検出値がデータd3として格納されている。
これと同様の処理は、S36および制動力配分決定部42においても実行される。つまり、ドライバがブレーキ操作を実行するたびに、データd1、d2およびd3がこの順に更新される。これによって、S48およびS50における推定処理において式2に代入される値は、その時点で最新の値となる。これらの値は、油圧制御および回生トルク制御が実行された結果、得られるデータのうち最新のデータであるので、これらの値を用いて推定された結果は、その時点において制御結果反映された最も精度が高いものとなる。
一方、前輪実油圧値PFrと後輪実油圧値PRrとの値が等しくないとき(S20のN)、S22の処理はスキップされる。
次に、油圧制御部46は、S18において選択された配分パターンAにおける油圧ブレーキの配分に基づいて、油圧制御を実行する(S24)。ここで、S48およびS50において、推定車重Mc、前輪ブレーキ効き推定値KFrおよび後輪ブレーキ効き推定値KRrが算出されているので、油圧制御部46は、これらの推定値を用いて油圧制御量を算出する。これによって、車重および前後輪のブレーキ効きの推定結果を用いる分、標準値を用いる場合と比較して、より精度の高い油圧制御量を算出できる。
回生トルク制御部48は、S18において選択された配分パターンAにおける回生ブレーキの配分に基づいて、回生トルク制御を実行する(S26)。この後も、ドライバは運転を継続するものとする。つまり、エンジン2の作動は停止していないので(S28のN)、S14の処理に戻る。
この後も、ドライバがブレーキ操作を繰り返すたびに上述の処理が実行される。そして、ドライバが運転を中止したとき、例えば、ドライバがエンジンの作動を停止させたとき(S28のY)、上述の処理は終了される。
図5は、図4におけるS24の油圧制御の詳細を示すフローチャートである。目標減速度算出部40は、ドライバのブレーキペダルの踏込量からドライバの要求する減速度、すなわち目標減速度を算出する(S60)。制動力算出部44は、目標減速度と制動力配分決定部42により決定された配分パターンの制動力配分を用いて、前輪および後輪のそれぞれについて、目標減速度による減速を実現するために必要な油圧ブレーキによる制動力を算出する(S62)。S62のおいて目標減速度から制動力を算出するとき、車重の値が必要となる。ここで、すでに車重推定値Mcが算出されている場合はこの値が用いられ、まだ車重推定値Mcが算出されていない場合には、車重標準値Mが用いられる。
油圧制御部46は、前輪および後輪のそれぞれについて、S62にて算出された制動力を実現するための油圧値を算出して、その値に応じて液圧ブレーキユニット20を作動させるような制御を実行する(S64)。油圧値の算出には、前輪および後輪のブレーキ効きが用いられる。ここで、すでに前輪ブレーキ効き推定値KFrおよび後輪ブレーキ効き推定値KRrが推定されている場合にはその値が用いられ、まだ、これらの推定値が算出されていない場合には、前輪ブレーキ効き標準値KFおよび後輪ブレーキ効き標準値KRが用いられる。
上述のように、ドライバがブレーキ操作を繰り返すたびに図4および図5のフローチャートに示した処理が実行される。つまり、油圧制御が実行された結果が反映された前輪実油圧値PFr、後輪実油圧値PRr、実回生トルク値Trおよび実減速度aが、推定部50による推定車重Mc、前輪ブレーキ効き推定値KFrおよび後輪ブレーキ効き推定値KRrの算出に用いられ、その推定結果が油圧制御に反映される。これによって、車両運転中に油圧制御の結果の精度と車重および前後輪のブレーキ効きの推定結果の精度とが高まり、目標減速度による車両の減速を実現できる。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、上述したように式2における行列Xが正則とならない場合があり得る。例えば、格納部52に格納されたデータを行列Xに代入した結果、行列Xの3列のうちに要素が同じ列が現れたような場合、行列Xは正則とはならないため、式2を解くことができず、車重推定値Mc、前輪ブレーキ効き推定値KFrおよび後輪ブレーキ効き推定値KRrを算出できない。第2の実施の形態では、行列Xが必ず正則となるようにして、毎回車重推定値Mc、前輪ブレーキ効き推定値KFrおよび後輪ブレーキ効き推定値KRrを算出できるようにする。具体的には、すべての制動力配分パターンにおいて、前輪および後輪のうち少なくとも一方の油圧ブレーキの配分を0パーセントに設定し、行列Xが必ず正則な行列となるようにする。
第2の実施の形態における車両制動装置が適用された車両の構成、および車両に搭載されるハイブリッドECU7の構成は、基本的には、第1の実施の形態と同様である。第2の実施の形態では、制動力配分決定部42が有する制動力配分テーブルに記述された配分パターンおよびブレーキ制御の処理の一部が、第1の実施の形態と異なるので、ここでは、その相違点を中心に説明する。
図6は、第2の実施の形態における制動力配分決定部42が有する制動力配分テーブル62を示す図である。同図に示すように、制動力配分テーブル62には、配分パターンD,EおよびFの3つのパターンが記述されている。ここでは、目標制動力の60パーセントが前輪に、40パーセントが後輪に配分されている。
各パターンにおける油圧制動力の配分に注目すると、図6に示すように、配分パターンDは、前輪と後輪の配分が目標制動力の0パーセント、配分パターンEは、前輪の配分が0パーセント、配分パターンFは、後輪の配分が0パーセントとなるように設定されている。つまり、配分パターンDでは前輪および後輪の双方において、配分パターンEでは後輪において、配分パターンFでは前輪において、制動力が回生ブレーキのみによってまかなわれる。
また、すべてのパターンでは、目標制動力の60パーセントが前輪に、40パーセントが後輪に配分されている。つまり、第1の実施の形態と同様に、すべてのパターンが前輪と後輪との制動力配分の割合が一定となるように設定されている。これにより、走行中に制動力配分決定部42によってどのパターンが選択されても、前輪と後輪との制動力配分の割合は変化せず、前輪および後輪のそれぞれに付与される制動力は一定の値に維持される。従って、走行中、毎回異なる配分パターンによる制動力配分に応じて複数回ブレーキ制御が実行されても、ドライバのブレーキペダル踏込量とそれに応じて発生する減速度との関係は変化しないので、ドライバの走行感覚を良好に維持できる。
第2の実施形態では、制動力配分決定部42は、制動モードが「0」であるとき、配分パターンDを選択し、制動モードが「1」であるとき、配分パターンEを選択し、制動モードが「3」であるとき配分パターンFを選択するものとする。
なお、配分パターンの数は3つに限らず、4つ以上であってもよい。この場合、制動モードの数は、配分パターンの数に応じて設定される。
図7は、第2の実施の形態に係るブレーキ制御の処理の過程を示すフローチャートである。同図において、図4のフローチャートのステップと同様の処理が実行されるステップには同一番号を付して、その説明を一部省略する。ここでは、第1の実施の形態との相違点である制動力配分および推定処理を中心に説明する。
第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、配分パターンD、E、Fのそれぞれに対応する前輪実油圧値PFr、後輪実油圧値PRr、実回生トルク値Trおよび実減速度aがデータd1、データd2およびデータd3として格納部52に格納される。ただし、第2の実施形態では、データd1〜d3が順次格納されるたびに、車重、後輪ブレーキ効きおよび前輪ブレーキ効きの少なくともいずれかの推定値が算出される。このとき、車重推定値Mcは式3にデータd1を代入して算出され、前輪ブレーキ効き推定値KFrは式4にデータd2および車重推定値Mcを代入して算出され、後輪ブレーキ効き推定値KRrは式5にデータd2、車重推定値Mcおよび後輪ブレーキ効き推定値KRrを代入して算出される。以下に式3、式4、式5を示す。
Figure 2007153188
Figure 2007153188
Figure 2007153188
これらの式は、式1と対応しており、各パラメータも式1と同様である。
ドライバがアクセル操作をして車両が走行を開始した後、ドライバが最初にブレーキペダルを踏み込んだとき(S14のY)、この時点において制動モードは「0」であるので(S16のY)、制動力配分決定部42は、制動力配分テーブル62から、前輪および後輪の油圧の配分が0である配分パターンDを選択する(S70)。ここで、油圧センサ56により検出される前輪実油圧値PFrおよび後輪実油圧値PRrの値が0であれば(S72のY)、その時点における前輪実油圧値PFr、後輪実油圧値PRr、実回生トルク値Trおよび実減速度aがデータd1として格納部52に格納される(S74)。一方、前輪実油圧値PFrおよび後輪実油圧値PRrの値が0でないとき(S72のN)、S74の処理はスキップされる。ここで、前輪実油圧値PFrおよび後輪実油圧値PRrの値が0であるか否かは、所定期間これらの値が0である状態が維持されたか否かで判定される。
次に、油圧制御部46は、S70において選択された配分パターンDにおける油圧ブレーキの配分に基づいて、油圧制御を実行する(S24)。油圧制御における処理は、第1の実施形態において図5のフローチャートに示した処理と同様である。この時点では、まだ推定処理が実行されていないため、油圧制御には、車重標準値M、前輪ブレーキ効き標準値KFおよび後輪ブレーキ効き標準値KRが用いられる。回生トルク制御部48は、配分パターンDにおける回生ブレーキの配分に基づいて、回生トルク制御を実行する(S26)。
ドライバがブレーキペダル操作を中止したとき(S14のN)、その時点において、1回ブレーキペダル操作がされたこととなる(S44のY)。ここで、推定部50は、データd1が格納部52に格納されているので(S88のY)、車重推定値Mcを算出する(S90)。具体的には、データd1として格納されている前輪実油圧値PFr、後輪実油圧値PRr、実回生トルク値Trおよび実減速度aを式3に代入する。このとき、前輪実油圧値PFrおよび後輪実油圧値PRrの双方の値は0であるので、推定部50は車重推定値Mcの値を確実に算出できる。まだ、データd1が格納されていないときは(S88のN)、S90の処理はスキップされる。
次に、データd2が格納されているときは(S92のY)、後輪実油圧値PRrが算出されるが(S94)、1回目のブレーキ操作が終わった時点ではデータd2は格納されていないため(S92のN)、S94の処理はスキップされる。また、データd3が格納されているときは(S96のY)、前輪実油圧値PFrが算出されるが(S98)、1回目のブレーキ操作が終わった時点では、データd3は格納されていないため(S96のN)、S98の処理はスキップされる。
次に、制動モードがインクリメントされ(S52)、制動モードは「1」となる。制動モードは「3」以上ではないので(S54のN)、S56における制動モードを「0」に設定する処理はスキップされる。
ドライバが、2回目のブレーキ操作を実行したとき(S14のY)、制動モードは「0」ではなく(S16のN)、「1」であるので(S30のY)、制動力配分決定部42は、制動力配分テーブル62から、前輪の油圧配分が0である配分パターンEを選択する(S76)。ここで、油圧センサ56により検出される前輪実油圧値PFrの値が0であれば(S78のY)、その時点における前輪実油圧値PFr、後輪実油圧値PRr、実回生トルク値Trおよび実減速度aがデータd2として格納部52に格納される(S80)。一方、前輪実油圧値PFrが0でないとき(S78のN)、S80の処理はスキップされる。ここで、前輪実油圧値PFrが0であるか否かは、所定期間この値が0である状態が維持されたか否かで判定される。
次に、油圧制御部46は、S76において選択された配分パターンEにおける油圧ブレーキの配分に基づいて、油圧制御を実行する(S24)。この時点では、S90にて車重推定値Mcは算出されており、前輪ブレーキ効き推定値KFrおよび後輪ブレーキ効き推定値KRrは算出されていない。油圧制御には、車重推定値Mc、前輪ブレーキ効き標準値KFおよび後輪ブレーキ効き標準値KRが用いられる。回生トルク制御部48は、配分パターンEにおける回生ブレーキの配分に基づいて、回生トルク制御を実行する(S26)。
ドライバがブレーキペダル操作を中止したとき(S14のN)、その時点において、2回ブレーキペダル操作がされたこととなる(S44のY)。ここで、データd1が格納部52に格納されているので(S88のY)、推定部50は車重推定値Mcを算出する(S90)。また、データd2が格納部52に格納されているので(S92のY)、推定部50は後輪ブレーキ効き推定値KRrを算出する(S94)。具体的には、データd2として格納されている前輪実油圧値PFr、後輪実油圧値PRr、実回生トルク値Tr、実減速度aおよびS90において算出された車重推定値Mcを式4に代入する。このとき、前輪実油圧値PFrの値は0であるので、推定部50は後輪実油圧値PRrの値を確実に算出できる。
2回目のブレーキ操作が終わった時点では、データd3は格納されていないため(S96のN)、S98の処理はスキップされる。次に、制動モードがインクリメントされ(S52)、制動モードは「2」となる。制動モードは「3」以上ではないので(S54のN)、S56における制動モードを「0」に設定する処理はスキップされる。
ドライバが、3回目のブレーキ操作を実行したとき(S14のY)、制動モードは「0」ではなく(S16のN)、「2」であるので(S30のN)、制動力配分決定部42は、制動力配分テーブル62から、後輪の油圧配分が0である配分パターンFを選択する(S82)。ここで、油圧センサ56により検出される後輪実油圧値PRrの値が0であれば(S84のY)、その時点における前輪実油圧値PFr、後輪実油圧値PRr、実回生トルク値Trおよび実減速度aがデータd3として格納部52に格納される(S86)。一方、後輪実油圧値PRrが0でないとき(S84のN)、S86の処理はスキップされる。ここで、後輪実油圧値PRrが0であるか否かは、所定期間この値が0である状態が維持されたか否かで判定される。
次に、油圧制御部46は、S82において選択された配分パターンFにおける油圧ブレーキの配分に基づいて、油圧制御を実行する(S24)。この時点では、S90にて車重推定値Mcが、S94にて後輪ブレーキ効き推定値KRrは算出されており、前輪ブレーキ効き推定値KFrは算出されていない。油圧制御には、車重推定値Mc、後輪ブレーキ効き推定値KRrおよび前輪ブレーキ効き標準値KFが用いられる。回生トルク制御部48は、配分パターンFにおける回生ブレーキの配分に基づいて、回生トルク制御を実行する(S26)。
ドライバがブレーキペダル操作を中止したとき(S14のN)、その時点において、3回ブレーキペダル操作がされたこととなる(S44のY)。ここで、データd1が格納部52に格納されているので(S88のY)、推定部50は車重推定値Mcを算出する(S90)。また、データd2が格納部52に格納されているので(S92のY)、推定部50は後輪ブレーキ効き推定値KRrを算出する(S94)。さらに、データd3が格納部52に格納されているので(S96のY)、推定部50は前輪ブレーキ効き推定値KFrを算出する(S98)。具体的には、データd3として格納されている前輪実油圧値PFr、後輪実油圧値PRr、実回生トルク値Tr、実減速度a、S90において算出された車重推定値Mc、S94のおいて算出された後輪実油圧値PRrを式5に代入する。このとき、後輪実油圧値PRrの値は0であるので、推定部50は前輪実油圧値PFrの値を確実に算出できる。
次に、制動モードがインクリメントされ(S52)、制動モードは「3」となる。制動モードは「3」以上なので(S54のY)、制動モードは「0」に設定される(S56)。
この後も、ドライバは運転を継続し(S28のN)、4回目のブレーキ操作を実行すると(S16のY)、上述の処理が繰り返される。第1の実施の形態と同様に、4回目のブレーキ操作以降はデータd1、d2およびd3がこの順に更新される。格納部52には、データd1〜d3が常時格納されているので、油圧制御には車重推定値Mc、前輪実油圧値PFrおよび後輪実油圧値PRrが用いられる。
そして、ドライバが運転を中止したとき、例えば、ドライバがエンジンの作動を停止させたとき(S28のY)、上述の処理は終了される。
上述のように、ドライバがブレーキ操作を繰り返すたびに図7のフローチャートに示した処理が実行される。つまり、油圧制御が実行された結果が反映された前輪実油圧値PFr、後輪実油圧値PRr、実回生トルク値Trおよび実減速度aが、推定部50による推定車重Mc、前輪ブレーキ効き推定値KFrおよび後輪ブレーキ効き推定値KRrの算出に用いられ、その推定結果が油圧制御に反映される。これによって、車両運転中に油圧制御の結果の精度と車重および前後輪のブレーキ効きの推定結果の精度とが高まり、目標減速度による車両の減速を実現できる。
上述したように、第1の実施の形態においては、前輪の油圧および後輪の油圧の双方の配分が0とならないパターンが選択されるので、行列Xが正則とならず式2を解けない場合がある。この場合、行列Xが正則となるような値が行列Xの各要素に代入されるまで、各推定値は算出されない。第2の実施形態においては、前輪の油圧および後輪の油圧の少なくともいずれか一方の配分が0となるようなパターンが選択されるので、式2における行列Xは正則となり、式3、式4および式5は必ず解ける。つまり、第2の実施の形態では、データd1〜d3の値を式3〜5のそれぞれに1回代入すれば推定値を算出できる。これによって、推定値の算出の高速化を実現できる。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。例えば、以下のような変形例が考えられる。
第1および第2の実施形態においては、液圧ブレーキとして油圧ブレーキを用いる例を説明したが、液圧ブレーキはこれには限られない。また、第1および第2の実施形態においては、前輪用電動モータ6および後輪用電動モータ16の2つの電動モータが車両1に設けられたが、電動モータの数はこれには限られず、例えば、前輪用電動モータ6のみ、または後輪用電動モータ16のみを設けてもよく、各輪に電動モータが設けられてもよい。
第1の実施形態に係る車両制動装置が適用された車両を示す概略構成図である。 第1の実施形態に係るハイブリッドECUの構成を示す機能ブロック図である。 第1の実施形態に係る制動力配分テーブルを示す図である。 第1の実施の形態に係るブレーキ制御の処理の過程を示すフローチャートである。 図4におけるS24の油圧制御の詳細を示すフローチャートである。 第2の実施の形態における制動力配分テーブルを示す図である。 第2の実施の形態に係るブレーキ制御の処理の過程を示すフローチャートである。
符号の説明
1 車両、 2 エンジン、 3 動力分割機構、 4 モータジェネレータ、 5 前輪用変速機、 6 前輪用電動モータ、 7 ハイブリッドECU、 8 前輪用ドライブシャフト、 9FR 右前輪、 9FL 左前輪、 9RR 右後輪、 9RL 左後輪、 10 エンジンECU、 11 電力変換装置、 12 バッテリ、 14 モータECU、 15 後輪用変速機、 16 後輪用電動モータ、 18 後輪用ドライブシャフト、 20 液圧ブレーキユニット、 25 ブレーキストロークセンサ、 30 液圧発生装置、 32 液圧アクチュエータ、 40 目標減速度算出部、 42 制動力配分決定部、 44 制動力算出部、 46 油圧制御部、 48 回生トルク制御部、 50 推定部、 52 格納部、 54 Gセンサ、 56 油圧センサ、 58 回生トルク算出部、 60、62 制動力配分テーブル。

Claims (8)

  1. 液圧ブレーキと車両走行用の走行モータを用いた回生ブレーキとを備える車両制動装置であって、
    車両の走行中、前輪および後輪のそれぞれについて、ブレーキペダルの踏込量から算出される目標制動力を前記液圧ブレーキの制動力と前記回生ブレーキの制動力とに配分する割合を変化させ、
    その割合の変化に応じて液圧ブレーキの液圧および前記走行モータが発生する回生トルクを変化させ、
    変化させた液圧値および変化させた回生トルク値を用いて液圧ブレーキの制動能力を示すブレーキ効きを推定することを特徴とする車両制動装置。
  2. 液圧ブレーキと車両走行用の走行モータを用いた回生ブレーキとを備える車両制動装置であって、
    車両の走行中、前輪および後輪のそれぞれについて、ブレーキペダルの踏込量から算出される目標制動力を前記液圧ブレーキの制動力と前記回生ブレーキの制動力とに配分する割合を決定する配分決定手段と、
    決定された配分の割合に応じて液圧ブレーキの液圧を変化させる液圧制御手段と、
    決定された配分の割合に応じて前記走行モータが発生する回生トルクを変化させる回生トルク制御手段と、
    変化させた液圧値および変化させた回生トルク値から液圧ブレーキの制動能力を示すブレーキ効きを推定する推定手段と、
    を備えることを特徴とする車両制動装置。
  3. 前記走行モータが2個備えられており、一方の走行モータは前輪に、他方の走行モータは後輪に対して、回生トルクを発生させて制動力を付与し、
    前記液圧制御手段は、前輪および後輪のそれぞれについて、前記決定された配分の割合に応じて液圧ブレーキの液圧を変化させ、
    前記回生トルク制御手段は、前輪および後輪のそれぞれについて、前記決定された配分の割合に応じて走行モータが発生する回生トルクを変化させることを特徴とする請求項2に記載の車両制動装置。
  4. 前記配分決定手段は、前輪および後輪のそれぞれに付与される制動力が走行中に一定の値に維持されるように液圧ブレーキの制動力と回生ブレーキの制動力との配分を決定することを特徴とする請求項2または3に記載の車両制動装置。
  5. 変形例
    前記配分決定手段は、前輪および後輪の少なくとも一方に付与される制動力を回生ブレーキのみによりまかなうように前記配分の割合を決定することを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の車両制動装置。
  6. 推定された車重およびブレーキ効きを用いて再度液圧ブレーキの液圧を制御することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の車両制動装置。
  7. 液圧ブレーキと車両走行用の走行モータを用いた回生ブレーキとを備える車両制動方法であって、
    車両の走行中、前輪および後輪のそれぞれについて、ブレーキペダルの踏込量から算出される目標制動力を前記液圧ブレーキの制動力と前記回生ブレーキの制動力とに配分する割合を決定する配分決定過程と、
    決定された配分の割合に応じて前輪および後輪の液圧ブレーキの液圧を変化させる液圧制御過程と、
    決定された配分の割合に応じて前記走行モータが発生する回生トルクを変化させる回生トルク制御過程と、
    変化させた液圧値および変化させた回生トルク値から液圧ブレーキの制動能力を示すブレーキ効きを推定する推定過程と、
    を備えることを特徴とする車両制動方法。
  8. 制動手段として液圧ブレーキと車両走行用の走行モータによる回生ブレーキとを備える車両に設けられる制御装置であって、
    前記車両の走行中、前輪および後輪のそれぞれについて、ブレーキペダルの踏込量から算出される目標制動力を前記液圧ブレーキの制動力と前記回生ブレーキの制動力とに配分する割合を決定する配分決定手段と、
    決定された配分の割合に応じて前輪および後輪の液圧ブレーキの液圧を変化させる液圧制御手段と、
    決定された配分の割合に応じて前記走行モータが発生する回生トルクを変化させる回生トルク制御手段と、
    変化させた液圧値および変化させた回生トルク値から液圧ブレーキの制動能力を示すブレーキ効きを推定する推定手段と、
    を備えることを特徴とする制御装置。
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