JP2007150799A - 画像情報作成装置および画像情報作成方法 - Google Patents

画像情報作成装置および画像情報作成方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007150799A
JP2007150799A JP2005343346A JP2005343346A JP2007150799A JP 2007150799 A JP2007150799 A JP 2007150799A JP 2005343346 A JP2005343346 A JP 2005343346A JP 2005343346 A JP2005343346 A JP 2005343346A JP 2007150799 A JP2007150799 A JP 2007150799A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
hologram
complex
secret
creating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005343346A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenichi Tanaka
賢一 田中
Hideaki Ishizuki
英昭 石附
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2005343346A priority Critical patent/JP2007150799A/ja
Priority to PCT/JP2006/324138 priority patent/WO2007064006A1/ja
Publication of JP2007150799A publication Critical patent/JP2007150799A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11CSTATIC STORES
    • G11C13/00Digital stores characterised by the use of storage elements not covered by groups G11C11/00, G11C23/00, or G11C25/00
    • G11C13/04Digital stores characterised by the use of storage elements not covered by groups G11C11/00, G11C23/00, or G11C25/00 using optical elements ; using other beam accessed elements, e.g. electron or ion beam
    • G11C13/042Digital stores characterised by the use of storage elements not covered by groups G11C11/00, G11C23/00, or G11C25/00 using optical elements ; using other beam accessed elements, e.g. electron or ion beam using information stored in the form of interference pattern
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03HHOLOGRAPHIC PROCESSES OR APPARATUS
    • G03H1/00Holographic processes or apparatus using light, infrared or ultraviolet waves for obtaining holograms or for obtaining an image from them; Details peculiar thereto
    • G03H1/04Processes or apparatus for producing holograms
    • G03H1/08Synthesising holograms, i.e. holograms synthesized from objects or objects from holograms
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06TIMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
    • G06T1/00General purpose image data processing
    • G06T1/0021Image watermarking
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N1/00Scanning, transmission or reproduction of documents or the like, e.g. facsimile transmission; Details thereof
    • H04N1/32Circuits or arrangements for control or supervision between transmitter and receiver or between image input and image output device, e.g. between a still-image camera and its memory or between a still-image camera and a printer device
    • H04N1/32101Display, printing, storage or transmission of additional information, e.g. ID code, date and time or title
    • H04N1/32144Display, printing, storage or transmission of additional information, e.g. ID code, date and time or title embedded in the image data, i.e. enclosed or integrated in the image, e.g. watermark, super-imposed logo or stamp
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N1/00Scanning, transmission or reproduction of documents or the like, e.g. facsimile transmission; Details thereof
    • H04N1/44Secrecy systems
    • H04N1/448Rendering the image unintelligible, e.g. scrambling
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03HHOLOGRAPHIC PROCESSES OR APPARATUS
    • G03H1/00Holographic processes or apparatus using light, infrared or ultraviolet waves for obtaining holograms or for obtaining an image from them; Details peculiar thereto
    • G03H1/0005Adaptation of holography to specific applications
    • G03H1/0011Adaptation of holography to specific applications for security or authentication
    • G03H2001/0016Covert holograms or holobjects requiring additional knowledge to be perceived, e.g. holobject reconstructed only under IR illumination
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03HHOLOGRAPHIC PROCESSES OR APPARATUS
    • G03H1/00Holographic processes or apparatus using light, infrared or ultraviolet waves for obtaining holograms or for obtaining an image from them; Details peculiar thereto
    • G03H1/0005Adaptation of holography to specific applications
    • G03H1/0011Adaptation of holography to specific applications for security or authentication
    • G03H2001/0016Covert holograms or holobjects requiring additional knowledge to be perceived, e.g. holobject reconstructed only under IR illumination
    • G03H2001/0022Deciphering being performed with numerical or optical key, e.g. with the optical scrambler used during recording
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06TIMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
    • G06T2201/00General purpose image data processing
    • G06T2201/005Image watermarking
    • G06T2201/0052Embedding of the watermark in the frequency domain

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Multimedia (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Editing Of Facsimile Originals (AREA)
  • Image Processing (AREA)
  • Holo Graphy (AREA)

Abstract

【課題】 セキュリティ機能を向上させた画像情報作成装置および画像情報作成方法の提供。
【解決手段】11は秘密画像を用意する手段、12は秘密画像に対して複素変換処理を行う手段、13は複素変換処理をした秘密画像を擬似計算機ホログラムに合成する手段、14は擬似計算機ホログラムにディザ行列の選定を行う手段、15は秘密画像を埋め込むカバー画像を用意する手段、16はカバー画像と擬似計算機ホログラムにディザ処理を施す手段、17は埋め込み画像を生成する手段、18は埋め込み画像に対して複素変換処理を行う手段、19は埋め込み画像から秘密画像を再生する手段である。複素変換処理を行うことで、光学的手段によることなく秘密情報を再生できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、画像情報を保護する画像情報作成装置および方法に関する。特に、保護する画像情報を複素変換して擬似計算機ホログラムとして、画像情報(秘密画像)を保護する構成とした、画像情報作成装置および画像情報作成方法に関する。
近年、インターネットなどの情報ネットワークの発展に伴い、マルチメディアコンテンツなどのディジタル情報が増大している。これらのディジタル情報は、複製、配布、閲覧などが容易であるため、無断複製や無断配布など著作権を無視した行為が簡単に行われてしまうという問題がある。このような事態を避けるために、ディジタル情報を保護する方法がいくつか提案されている。
ディジタル情報保護の一例として、情報の暗号化があげられる。情報の暗号化は、情報の配信者が自らの情報を暗号化し予め知られている利用者以外のものにはわからないようにして、著作権保護を図る方法である。しかしながら、情報の暗号化の技術は、広範囲に情報を伝達することを阻害し、情報の自由な流通というマルチメディアコンテンツの長所を犠牲にしてしまうという問題がある。そこで、自由な情報の流通と著作権保護を両立させる手段として、「電子透かし」の技術が開発されている。
電子透かしとは、あるコンテンツに対して、製作者の著作権情報などを、情報伝達の対象外としているコンテンツ利用者が知覚できないように、コンテンツを密かに埋め込む技術である。対象外の利用者は、コンテンツに埋め込まれた情報を知覚できないので、通常のコンテンツと同様に複製、配布が行えるが、そこには著作権情報が隠されている。このため、不正が行われた場合には、製作者はその著作権情報を取り出して自らの権利を主張することができる。このように、電子透かしは、マルチメディアコンテンツの自由な流通と著作権保護を同時に行うことのできる技術として、有効であると考えられている。
このような電子透かし技術の発展は、画像情報の著作権保護に対して大きな役割を果たすものである。電子透かしを埋め込む方法には、画素置換を用いた方法、周波数領域に埋め込む方法、ウェーブレット変換を用いた方法、統計量を用いた方法などが知られている。また、濃淡画像に対して計算機ホログラムを埋め込む方法も検討されている。
ところで、一般的に濃淡画像においては、1つの画素を8ビットの階調値で表現する。したがって、階調値に冗長性が高く、下位ビットにおける改変は視覚的に影響が少ないため、秘密画像を埋め込む方法が多数考案されている。しかしながら、擬似中間調処理された画像は、1つの画素を少ないビット数で表現しており、きわめて冗長性が乏しく、秘密画像を埋め込むことは難しい。とりわけ、濃淡画像を擬似中間調処理によって2値に量子化した画像においては、秘密画像を埋め込むことが非常に困難である。
また、電子メディア上では濃淡画像の下位ビットへ埋め込んだ秘密画像をディジタル画像処理によって取り出すことができるが、プリンタ等でハードコピー化されたものにおいては、下位ビットの埋め込み情報だけを取り出す方法は使用できない。このような、擬似中間調処理された2値画像に対しても秘密画像を埋め込むためにいくつかの方法が提案されている。例えば、誤差拡散を用いた方法、ディザ法を用いた方法などがある。
さらに、直交変換処理によるディジタル情報の埋め込みとその抽出を行う技術も提案されている。例えば、特許文献1には、離散コサイン変換(DCT)により、ディジタル情報の埋め込みとその抽出を行うことが記載されている。
特開2002−94780号公報
しかしながら、上述した特許文献1の方法によれば、DCTは実数値だけを利用する計算法であるために、変換された波面において、波の大きさの分布が低周波領域だけに集中する画像の性質を回避することができない。このまま、ブロック分割をせず、DCTを施すと輪郭だけが強調されるなど、画像情報の精緻な復元が出来ない。このため、DCTを施すにはブロック分割する必要がある.また、秘密画像は2次元画像に限定される。この点につき、図22の特性図で説明する。図22の横軸は空間周波数、縦軸は振幅の大きさである。図22に示されているように、低周波領域に変換された波面が集中している。このため、従来の実数を扱う直交変換処理では、スペクトル振幅分布の均一化が図れず、画像品質の向上ができないないという問題があった。
本発明の目的は、このような問題に鑑みて、2次元だけでなく、3次元の秘密画像を複素変換により擬似計算機ホログラムに生成して、ダミー画像(カバー画像)に擬似計算機ホログラムを埋め込み、該埋め込み画像から秘密画像を再生することによって、画像情報(秘密画像)を保護し、画像品質の向上を図れる画像情報作成装置および画像情報作成方法を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明の画像情報作成装置は、秘密画像を埋め込むカバー画像を作成する手段と、保護する対象となる秘密画像を作成する手段と、前記秘密画像に第1の複素変換処理を施す手段と、前記複素変換処理を施した秘密画像に擬似計算機ホログラムを合成する手段と、前記合成した擬似計算機ホログラムを前記カバー画像に埋め込んで埋め込み画像を作成する手段と、前記埋め込み画像に第2の複素変換処理を施す手段と、前記秘密画像を再生する手段と、からなることを特徴とする。
また、本発明の画像情報作成装置は、前記第1、第2の複素変換処理は、複素フーリエ変換、または複素アダマール変換であることを特徴とする。
また、本発明の画像情報作成装置は、前記第1、第2の複素変換処理の際に、画像情報にランダム位相を付加することを特徴とする。
また、本発明の画像情報作成装置は、前記第1、第2の複素変換処理の際に、複素画像情報に白黒2値化処理を行うことを特徴とする。
また、本発明の画像情報作成装置は、前記白黒2値化処理は、ローマン型ホログラム、リー型ホログラム、2値位相型ホログラム、誤差拡散型ホログラムのいずれかであることを特徴とする。
また、本発明の画像情報作成装置は、前記埋め込み画像を作成する処理は、前記カバー画像に組織的ディザを用いて前記合成した擬似計算機ホログラムを埋め込むことを特徴とする。
本発明の画像情報作成装置は、秘密画像を埋め込むカバー画像を作成する手段と、保護する対象となる秘密画像を作成する手段と、前記秘密画像に複素変換処理を施す手段と、前記複素変換処理を施した秘密画像に擬似計算機ホログラムを合成する手段と、前記合成した擬似計算機ホログラムを前記カバー画像に埋め込んで埋め込み画像を作成する手段と、X線リソグラフィ装置と、制御装置とを備え、前記制御装置により前記X線リソグラフィ装置を制御して、IC基板に前記埋め込み画像を形成することを特徴とする。
本発明の画像情報作成方法は、秘密画像を埋め込むカバー画像を作成する工程と、保護する対象となる秘密画像を作成する工程と、前記秘密画像に第1の複素変換処理を施す工程と、前記複素変換処理を施した秘密画像に擬似計算機ホログラムを合成する工程と、前記合成した擬似計算機ホログラムを前記カバー画像に埋め込んで埋め込み画像を作成する工程と、前記埋め込み画像に第2の複素変換処理を施す工程と、前記秘密画像を再生する工程と、からなることを特徴とする。
また、本発明の画像情報作成方法は、前記第1、第2の複素変換処理は、複素フーリエ変換、または複素アダマール変換による2次元の複素変換処理であることを特徴とする。
また、本発明の画像情報作成方法は、前記第1、第2の複素変換処理の際に、画像情報にランダム位相を付加して空間周波数の振幅を一定にすることを特徴とする。
また、本発明の画像情報作成方法は、前記第1、第2の複素変換処理の際に、少なくとも4×4画素の複素画像情報に白黒2値化処理を行うことを特徴とする。
また、本発明の画像情報作成方法は、前記白黒2値化処理は、ローマン型ホログラム、リー型ホログラム、2値位相型ホログラム、誤差拡散型ホログラムのいずれかであることを特徴とする。
また、本発明の画像情報作成方法は、前記埋め込み画像を作成する処理は、前記カバー画像に組織的ディザを選択する手順と、当該選択された組織的ディザを用いて前記合成した擬似計算機ホログラムを埋め込む手順とを有することを特徴とする。
本発明の画像情報作成方法は、秘密画像を埋め込むカバー画像を作成する工程と、保護する対象となる秘密画像を作成する工程と、前記秘密画像に第1の複素変換処理を施す工程と、前記複素変換処理を施した秘密画像に擬似計算機ホログラムを合成する工程と、前記合成した擬似計算機ホログラムを前記カバー画像に埋め込んで埋め込み画像を作成する工程と、制御装置によりX線リソグラフィ装置を制御してIC基板に前記埋め込み画像を形成する工程と、からなることを特徴とする。
本発明の画像情報作成装置および画像情報作成方法によれば、次のような格別な効果が得られる。
(1)保護する画像情報(秘密画像)を擬似計算機ホログラムとし、ダミー画像(カバー画像)に擬似計算機ホログラムを埋め込んで埋め込み画像を生成し、該埋め込み画像から秘密画像を再生することによって、画像情報(秘密画像)を保護することができる。画像情報にランダム位相を付加することにより、画像品質の向上を図ることができる。なお、本発明においては、DCTにみられるようなブロック分割は必ずしも必要としない。
(2)また、著作権情報(秘密画像)を擬似計算機ホログラムという形にすることで、悪意ある改ざん者が著作権情報を消去する目的で行われるような改変操作に対してロバスト性を有するようになる。また、3次元情報を透かしとして利用したい場合、それを計算機ホログラムにすることで2次元の形で表現できる。
(3)また、擬似計算機ホログラムは冗長性が高く、多少の劣化では情報が失われないこと、秘密画像が3次元的なものであっても擬似計算機ホログラムの形にすれば2次元の形で表現できる。秘密画像に3次元の画像が扱える理由は擬似計算機ホログラムで扱うデータが複素数であり波面の振幅と位相を併せ持ったものであるからである。また、擬似計算機ホログラムは光学的手段を含めた再生という手続きをとらないと情報の内容を把握することができないので、情報漏洩という視点から見ると安全性に優れていること、および擬似計算機ホログラムの形自体が複雑であるため、埋め込んだことを認知されにくいことにより、以下の攻撃耐性を有するものである。
(a)ノイズ混入による影響:埋め込み画像に対してノイズを混入させた影響については、埋め込み画像が2値画像であるために、ノイズの影響はまったくといってよいほど問題にはならない。(b)JPEG圧縮による影響
:JPEG圧縮を行った場合にでも、2値画像が正確に復元できるならば、埋め込み画像もJPEG圧縮の影響を考える必要はない。(c)メディアンフィルタによる影響:2値画像を対象にしているため、メディアンフィルタをかけたところで2値しかとり得ないので、2値画像にノイズが重畳された場合と同様に考えることができる。したがって、メディアンフィルタによる影響の場合も、攻撃耐性は強い。(d)平滑化フィルタによる影響:透かしを埋め込んだものが2値画像となっているので、フィルタリングに対しても頑健である。
(e)切り取り攻撃による影響:画像の一部を切り取る処理を行う切り取り攻撃を埋め込み画像に加えた場合(切り取り攻撃)の影響において、悪意ある改ざん者が、画像に埋め込まれた秘密情報を消去する目的で、埋め込み画像の一部を切り取る場合がある。電子透かしとして有効であるためには、画像が仮に切り取られたとしても、著作権情報が失われないということが求められている。擬似計算機ホログラムを埋め込む本発明においては、秘密情報は画像全域に渡っており、しかも一部が欠落しても秘密情報が失われることがない。したがって、本発明の擬似計算機ホログラムを埋め込む手法は、切り取り攻撃に対して優れた耐性を持っている。(f)拡大・縮小・回転などの幾何学的変換による影響:画像の拡大、縮小処理を行った場合でも、秘密画像の抽出は支障なく行なえる。また、画像の回転を行った場合においてもフーリエ変換などに見られる軸の回転が行われるだけで、秘密画像を抽出する場合に抽出されたものが回転するだけであるから実用上問題はない。
(4)このように、外部からの攻撃に対する耐性に優れているので、IC基板に秘密画像を埋め込んだ適用例においては、スキミングに対する防衛策としても有効である。
以下、図を参照して本発明の画像情報作成装置および画像情報作成方法の実施形態を説明する。以下において、本発明は、一般的なPC(Personal Computer)により、種々の演算処理が実行されることを具体的な一例として説明する。次に、本発明の基本原理について説明する。一般に、計算機ホログラムは光の回折計算を行い、得られた複素数値を量子化し、2値化表示を行うものである。ところで、計算機ホログラムを情報セキュリティの観点から利用する場合、数値シミュレーションからの再生だけが重要であって、光学的な再生を必要としないことも考えられる。このように、数値シミュレーションだけでの再生を考えると、フーリエ変換以外での仮想波面計算を考えることにより、秘密情報の秘匿性を向上することが出来る。このことから、本発明においては、フーリエ変換以外の複素計算法による擬似計算機ホログラム(光学処理によらない計算機ホログラムを、以下擬似計算機ホログラムという)の波面計算を行うことを基本原理としている。
擬似計算機ホログラムに要求される、数値計算の条件について説明する。電子透かしに使用されるものとして、本発明による擬似計算機ホログラムにおける数値計算法は、従来のDCTやWavelet変換などと比較すると、複素数値を使用するという点が異なる。このことにより3次元画像を秘密画像として利用することが可能となる。すなわち、複素数を用いた変換であることが本発明における擬似計算機ホログラムの波面計算における条件となる。具体的には、例えば複素フーリエ変換や複素アダマール変換を擬似計算機ホログラムの波面計算として用いる。また、複素数を利用しているために秘密画像にランダム位相を付加して変換後のスペクトル振幅強度分布を平坦化できるため、DCTなどにみられるブロック分割を必要としない。このため、分割計算という手続きを不要にするだけでなく、秘密情報が変換面全体に広がるため情報の一部消去攻撃に対しても強固になるというメリットがある.
このような複素変換を用いる理由は、光の回折計算において、フラウンホーファー回折やフレネル回折を考えた場合、焦点の近軸近傍においては複素フーリエ変換による近似計算ができることによる。次に、本発明の複素変換の例として、複素アダマール変換について説明する。
(a)1次元の複素アダマール変換
上記に示した複素数から複素数への変換を可能とするのは,複素アダマール変換を利用した変換である。複素アダマール変換における基本となる行列は、(1)式で表される。ただし,jは虚数単位である
Figure 2007150799
また、この行列を4×4行列に拡張すると、(2)式となる。
Figure 2007150799
これを例にとり,1次元の信号列f(x)を複素アダマール変換しF(u)に変換すると、(3)式となる。
Figure 2007150799
(b)2次元の複素アダマール変換
2次元の信号行列から複素アダマール変換し、に変換する際には、まず、x方向ならびにu方向の成分に着目し(ただし、もも、n行n列の行列とする)、(4)式を計算する。
Figure 2007150799
その後y方向ならびにv方向に着目し、(5)式を計算する。このようにして、2次元の複素アダマール変換の計算がなされる.
Figure 2007150799
ところで、本発明において、擬似計算機ホログラムに記録される波面は複素数値である。このように、本発明において、擬似計算機ホログラムに使用される数値が複素数値であって、実数値でない理由について説明する。図22で説明したように、実数値を用いた場合には、変換された波面において、波の大きさの分布が低周波領域だけに集中する。
本発明においては、前記のような波の大きさの分布が低周波領域だけに集中する画像の性質を回避するために、ランダム位相付加を行う。ここで、擬似計算機ホログラムの秘密画像を2次元配列に取り込む際に、秘密画像の濃淡をf(x,y)、ランダム位相を付加した複素振幅f'(x,y)との間には、(6)式の関係がある。ここで、は座標x,yに対してランダムな乱数であり、0から2πの範囲の乱数であるものとする。
Figure 2007150799
このランダム位相付加の理由は以下のようになる。仮に、ランダム位相を付加しないで複素フーリエ変換を施すと、フーリエ変換面(アダマール変換面)における複素振幅の大きさが、フーリエ変換面(アダマール変換面)の低周波領域に集中する。本発明によりランダム位相付加を行う例について、図23の特性図で説明する。図23において、横軸は空間周波数、縦軸は振幅の大きさである。図23に示されているように、ランダム位相を付加して、フーリエ変換面(アダマール変換面)における複素振幅分布を一定の値になるようにするように工夫をしている。このため、画質を向上させることができる。
図1は、本発明の実施形態における画像情報作成の例を示す概略のブロック図である。11は保護する対象となる秘密画像を用意する(作成する)手段で、例えばスキャナで読み込んだ画像をPCの記憶手段に記憶する。12は秘密画像に対して複素変換処理(1)を行う手段で、CPUなどで演算する。13は複素変換処理をした秘密画像を擬似計算機ホログラムに合成する手段で、PC上の処理を行なう。14は擬似計算機ホログラムにディザ行列の選定を行う手段で、CPUなどで処理する。ディザ行列は、図12で説明するように、Bayer型のディザ行列、網点型のディザ行列、魔法陣型のディザ行列などがある。
15は秘密画像を埋め込むカバー画像を用意する(作成する)手段で、例えばスキャナで読み込んだ画像をPCの記憶手段に記憶する。16はカバー画像と擬似計算機ホログラムにディザ処理を施す手段で、CPUで演算する。17は埋め込み画像を生成する手段、18は埋め込み画像に対して複素変換処理(2)を行う手段、19は埋め込み画像から秘密画像を再生する手段で、これらの17〜19の各手段もCPUにて適宜実施する。
図2は、図1の複素変換処理(1)の細部を示す概略のブロック図で、前記のようにCPUにより複素変換処理(1)を実行する。図2において、21は複素波面にランダム位相を付加する手段、22はランダム位相を付加した複素波面に2次元の複素変換を行う手段で、例えば複素フーリエ変換、または複素アダマール変換を行う。23は複素情報の白黒2値化を行う手段である。複素情報の白黒2値化を行う手段は、後述するように、ローマンの方法、リーの方法、誤差拡散法などを実行する手段である。なお、複素変換処理(2)も複素変換処理(1)と同様の処理を行う。
図3は、本発明の処理手順を示すフローチャートである。図3において、処理を開始し(ステップS1)、秘密画像を埋め込むカバー画像を用意する(ステップS2)。カバー画像は、PCで読み取り可能な画像であればどのような形式の画像でもよい。また、秘密画像の読み取りは、PCによるダウンロード、スキャナ読み取り、記憶媒体からの読み取りなど、どのように行ってもよい。次に、保護する対象となる秘密画像を用意する(ステップS3)。このとき、秘密画像も、カバー画像と同様にPCで読み取り可能な画像であればどのような形式の画像でもよい。また、秘密画像の読み取は、PCによるダウンロード、スキャナ読み取り、記憶媒体からの読み取りなど、どのように行ってもよい。
次に、秘密画像に対して複素変換処理を行う(ステップS4)。複素変換処理は、複素フーリエ変換、複素アダマール変換などの処理を行うが、詳細については後述する。次に、複素変換処理をした秘密画像を擬似計算機ホログラムに合成する(ステップS5)。このステップS5の擬似計算機ホログラムに合成する処理についても、後述する。次に、前記合成した擬似計算機ホログラムをカバー画像に埋め込んで(ステップS6)、埋め込み画像を生成する(ステップS7)。これにより、秘密画像を保護した画像が生成される。埋め込み画像に対して複素変換処理を行い(ステップS8)、埋め込み画像から秘密画像を再生する(ステップS9)。これにより、秘密画像を取り出して、検証することができる。このようにして、秘密画像の埋め込みと再生の処理を終了する(ステップS10)。
図4は、本発明のカバー画像(a)、および秘密画像(b)の具体的な例を示す説明図である。カバー画像では動物を模した画像、秘密画像は「A」の文字を用いた例について、簡単な擬似計算機ホログラムの作成法について説明する。入力画像の生成(a)では、入力画像を作成し、濃淡情報に応じた振幅分布を与える。このとき,ホログラムとなる波面における振幅の大きさを均一化させるために、前記のようにランダム位相を付加する。
秘密画像の生成(b)では、波面の計算を行なう。波面の計算を行う際に、従来はフーリエ変換を利用した回折計算を行っていたが、本発明の実施形態においては、光学系により秘密画像が見破られないようにするために、複素アダマール変換など複素数から複素数へ変換する直交変換を利用して擬似波面を生成する。
秘密画像の完成(c)では、波面の量子化を行なう。量子化の方法には、Lohmann(ローマン)の方法、Lee(リー)の方法、誤差拡散法など種々の方式があるが、使用目的や入力物体の大きさなどに応じて適宜決めればよい。これによって量子化された数値を白黒2値表示することによって計算機ホログラム(擬似的な秘密画像)が作成される。上記波面の量子化の方法については、後述する。
計算機ホログラムの再生(e)では、(d)で埋め込まれた擬似計算機ホログラムについて、秘密画像の生成に用いた複素変換の直交変換を用いて計算し、振幅を表示することによって行われる。このような処理によって、秘密画像から秘匿情報「A」を抽出することが出来る。なお、図4の(イ)〜(ホ)の処理は、基本的には図3のフローチャートに対応するものであり、詳細な説明は省略する。
擬似計算機ホログラムの計算は、従来、回折計算に準じた計算を忠実に行ってきた。本発明の実施形態においては、秘密画像の伝送などを行う場合には、回折計算に準じた計算に用いられる複素フーリエ変換を、複素アダマール変換などの複素直交変換により実現することが可能となる。
次に、前記した画像情報の白黒2値化の手法について、(1)Lohmann(ローマン)型ホログラムに合成する方法、(2)Lee(リー)型ホログラムに合成する方法、(3)2値位相型ホログラムに合成する方法、(4)誤差拡散型ホログラムに合成する方法、の各方法で説明する。これらの処理は、図3のフローチャートにおいて、擬似計算機ホログラムの合成(ステップS5)の処理に対応する。画像情報の白黒2値化には、最低4×4画素を必要とする。
(1)Lohmann(ローマン)型ホログラム
図5は、Lohmann(ローマン)型のセルを示す図である。Lohmann(ローマン)型ホログラムは、計算機ホログラム面において各サンプル点(m、n)を中心に一辺Δνのセルに分割する。図5に示したように、各セルSmnは表現したい振幅と位相に応じて矩形の小窓をあける。窓の幅cは任意の値であり、その高さVmnは振幅の大きさに比例している。また窓の中心とセルの中心とのずれPmnは位相に対応している。Vmn、Pmnの値は以下の(7)式で決定できる。
Figure 2007150799
上述において、各セルの幅Δνを4ドットとし、VmnとPmnを4値に量子化した場合のLohmann(ローマン)型擬似計算機ホログラムを図6に示す。図6(a)の画像は、ステップS7によって完成されたLohmann(ローマン)型擬似計算機ホログラムを示し、図6(b)の画像は、ステップS9によって再生された再生画像(秘密画像)を示す。
(2)Lee(リー)型ホログラム
図7は、Lee(リー)型のセルを示す図である。Lee(リー)型ホログラムは、ホログラムの複素振幅分布を実部と虚部に分け、それらが正か負かによって開口の位置を決めるものである。図7に示したように、セル左端から正の実部、正の虚部、負の実部、負の虚部が割り当てられる。開口の大きさはそれぞれの成分に比例している。開口の大きさをOmnとし、実部または虚部の値をBmnとすれば、(8)式
Figure 2007150799
となる。ここで、各セルの幅Δνは4ドットとした場合のLee(リー)型擬似計算機ホログラムと、再生画像を図7に示す。図8(a)の画像は、ステップS7によって完成されたLee(リー)型擬似計算機ホログラムを示し、図8(b)の画像は、ステップS9によって再生された再生画像(秘密画像)を示す。
(3)2値位相型ホログラム
位相型ホログラムは、振幅を1と考え、位相のみを階調表示したものである。これは一般的にはキノフォームと呼ばれる。ここでは簡単化のため、2値に位相量子化した計算機ホログラムを使用する。2値位相型ホログラムHmnは、(9)式
Figure 2007150799
と表せる。図9(a)の画像は、ステップS7によって完成された2値位相型擬似計算機ホログラムを示し、図9(b)の画像は、ステップS9によって再生された再生画像(秘密画像)を示す。
(4)誤差拡散型ホログラム
図10は、誤差拡散法の概念を示す説明図である。誤差拡散型ホログラムは2値位相型ホログラムをバイナリーホログラムに量子化する際に誤差拡散法を適用する。2値化した値Hmnと実際の値Dmnとの誤差をEmnとする。その値に合計が1となるような拡散係数a、b、c、dを乗じ、周囲の4つのDm+1,n、Dm+1,n+1、Dm,n+1、Dm−1,n+1にそれぞれ加える。それをあらためてDm+1,n、Dm+1,n+1、Dm,n+1、Dm−1,n+1とおく。そして同じ操作をラスタ走査の順に繰りかえす。式であらわせば、(10)式の通りになる。図10(a)は入力データ、図10(b)は誤差データ、図10(c)は出力データを示している。
Figure 2007150799
図11(a)の画像は、ステップS7によって完成された誤差拡散型擬似計算機ホログラムを示し、図11(b)の画像は、ステップS9によって再生された再生画像(秘密画像)を示す。誤差拡散型擬似計算機ホログラムの場合には、2値パターンの形状がランダムであり、秘密画像は容易にその形状が知られないという特性を有している。したがって、誤差拡散型擬似計算機ホログラムは、Lohmann(ローマン)型擬似計算機ホログラムや、Lee(リー)型擬似計算機ホログラムに比較して秘密保持に優れている。
次に、各種の改変操作に強い耐性をもつような擬似中間調処理における秘密画像の埋め込み方法について説明する。これは、秘密画像を擬似計算機ホログラムの形に変換し、その形状によって組織的ディザ法のディザ行列を変化させることで、ホログラムを画像全体に埋め込むものである。この方法によって、画像の回転や切り取りなどの改変操作によっても影響を受けないような情報の埋め込みができる。またハードコピー化しても、光学的なホログラムの再生処理により透かし情報を取り出すことができる。以下ではその具体的な方法について述べる。
以下、組織的ディザ法の原理について説明する。組織的ディザ法とは、2値に量子化する際の閾値を画素ごとに変化させ、擬似的に濃淡画像を表現する方法である。組織的ディザ法では、N×Nのディザ行列と呼ばれる閾値行列を入力画像に重ね合わせ、ディザ行列の要素を閾値として対応する画素を2値化する。白と黒の2階調表現であるので画素単位では濃淡表示ができないが、画像全体としては視覚の積分効果によりあたかも濃淡が表示されているように知覚できる。ディザ行列にはいくつか種類があるが、以下では、図12に示すようにBayer型(a)、網点型(b)、魔法陣型(c)の3種類のディザ行列を用いる。
図12は、3種のディザ行列の具体的な値と擬似濃淡表示をした画像を示す説明図である。以下、組織的ディザ法におけるホログラムの埋め込み方法について説明する。ここでは組織的ディザ法を用いたホログラムの埋め込み方法を具体的に示す。
(手順1)
組織的ディザ法を用いるために、カバー画像を16階調に量子化する。(ここでは4×4のディザ行列を用いるために16階調とした。)その画像を4×4のブロックに分割する。
(手順2)
上述の擬似計算機ホログラムの合成法に従って、秘密画像を擬似計算機ホログラムの形に変換する。ここで擬似計算機ホログラムは2階調表示するものとする。擬似計算機ホログラムの種類はどんなものでもよいが、埋め込んだときの影響を考えると、複雑度が高い誤差拡散型やコンジュゲート演算を行った2階調の位相型が適している。また、擬似計算機ホログラムのサイズは、カバー画像を4×4で分割した際のブロック数に等しくする。例えば256×256サイズのカバー画像の場合、64×64サイズのホログラムを用いる。これはホログラムの各画素を4×4で分割した16階調のカバー画像の各ブロックに対応させるためである。すなわち、ホログラムの左上の画素は、入力画像の左上のブロックに対応していると考える。
(手順3)
図12(a)はBayer型のディザ行列、図12(b)は網点型のディザ行列、図12(c)は、魔法陣型のディザ行列の例を示している。ここで、2種類のディザ行列を用意する。これらのディザ行列はどんなものでもよいが、使う行列の組み合わせによって、秘密画像の計算機ホログラムを埋め込んだ際の画質にも影響が出てくる。ここでは便宜上、D1とD0という二種類のディザ行列を用いたと仮定する。図13は、前記D0、D1についての説明図である。図13において、ディザ行列の閾値を超えている場合には1(白)、ディザ行列の閾値を超えていない場合には0(黒)としている。
(手順4)
16階調のカバー画像の1ブロックをとりだし、それに対応するホログラムの輝度レベルを調べる。もし対応するホログラムの画素が1(白)だったら、ディザ行列D1を用いる。0(黒)だった場合にはディザ行列D0を用いる。使用するディザ行列が決まったら、それを用いて、入力画像のブロックにおける各画素の輝度レベルが、対応するディザ行列の閾値を超えているのならば1を出力し、閾値よりも下ならば0を出力する。図14の組織的ディザ法の模式図で説明すると、図14(a)は、前記Bayer型のディザ行列を用いる。入力画像(b)と、ディザ行列を閾値として大小比較を行い、2値に量子化する。(c)は2値に量子化された出力画像である。
以上の手順を各ブロックの画素ごとに繰り返すことにより、擬似計算機ホログラムの情報を埋め込んだ組織的ディザ法による擬似濃淡表示をした画像が合成される。
秘密画像を取り出す際は、埋め込み画像をフーリエ変換型(またはアダマール変換型)のホログラムと考え、複素フーリエ変換(または複素アダマール変換)を行う。そして、得られた複素振幅分布の大きさを濃淡表示することで埋め込んだ秘密画像(秘密画像の計算機ホログラムの再生像)を取り出すことができる。
本手法ではディザ行列を2種類用いるが、ディザ行列の組み合わせ方によって、得られる出力画像の画質やテクスチャ、再生像の画質などが異なる。ここでは、様々なディザ行列の組み合わせにより、どのような画像が得られるかを比較した。
図15および図16は、ディザ行列の組み合わせを示す説明図である。表中のD1とD0は、上記で示したようにホログラムが1(白)の場合と0(黒)の場合に用いるディザ行列である。図15(a)は、Bayer型(1)、図15(b)は、Bayer型(2)、図15(c)は、魔法陣型、図16(a)は網点型(1)、図16(b)は網点型(2)、図16(c)は網点型(3)の例を示している。
このように、2つのディザ行列を用いることで各ブロック間に微小な形状の誤差を生じさせ、それによってホログラムを埋め込んでいる。このために、大きく異なるディザ行列では、ホログラムの形状が強く現れ、似たディザ行列では弱く現れることになる。したがって、2種類の行列が近ければ近いほど画質は向上する。
次に、埋め込み情報の光学的な再生について説明する。ディザ法によって擬似濃淡表示された画像自体がホログラムの形を内部に保有しているので、計算機上でディジタル処理を行うことなく、通常の計算機ホログラムと同じように光学的に再生することで秘密画像を確認することができる。すなわち、埋め込み画像自体をフーリエ変換型のホログラムと考え、それにレーザ等で再生光を照射すれば、光の回折現象により秘密画像が再生される。
図17は、ホログラムの再生光学系の一例を示す説明図である。この図17において、光源である光学系レーザのHe−Neレーザ1と、ビームエクスパンダ2と、2つのレンズ3a、3bの間に計算機ホログラム4を設置することによって、焦平面5に再生画像(再生像)が出力される。すなわち、埋め込み画像を計算機ホログラム4として再生するために、画像を写真で撮影し、フィルムの大きさに縮小してから再生を行う。これはレーザ1で再生するためである。作成したフィルムをレーザ1で照射し、レンズ焦点面(焦平面)5にビデオカメラを設置し再生像を観測する。
レーザにはヘリウム−ネオン(He−Ne)レーザ1を用い、焦点距離f=400[mm]のレンズ3a、3bを用いる。秘密画像の計算機ホログラム4には誤差拡散型のホログラムを用い、図16(a)で示した網点型(1)のディザ行列を用いてホログラムを埋め込んでいる。このような光学系の利用は、作成者などによる画像の確認用にのみ用いられるものであって、本発明の実施形態は、前記したように、複素変換による擬似計算機ホログラムを用いる点に特徴があり、光学系によらずに秘密画像の再生ができる。
図18〜図21は、本発明において、攻撃耐性が優れていることを示す説明図である。なお、画像再生の例を示す図20、図21(b)は、特性を明示するために白黒を反転させて表示されている。すなわち、秘密情報である「A」の文字は、本来黒文字で表示される。図18〜図21では、擬似計算機ホログラムを埋め込んだディザ画像とそれから秘密情報を抽出した再生像を作成した。外部からの攻撃として、画像の拡大・縮小・情報の一部消去・フィルタリング・画像回転に関する攻撃を行った場合の情報の抽出について説明する。
図18(a)の情報の拡大については、画像の拡大処理を行って、512×512画素からはみ出した部分を消去している。この場合でも、秘密情報であるAという情報は図19に示すように表示されることがわかる。ただし、フーリエ変換におけるスケーリングの性質上、Aという文字の大きさは拡大率に応じて収縮して表示している。
また、図18(b)の情報の縮小の場合には、低解像度のスキャナで読み込んで、情報が圧縮されてつぶれた場合のことを想定している。この場合、400画素×400画素に縮小し、512×512画素の領域に配置した場合の秘密画像の抽出を示している。この場合、ディザの形状がかなりつぶれてしまう結果となるが、それでも、秘密画像を抽出しようとすると、図20に示すようにAという文字が抽出できることがわかる。ただし、フーリエ変換におけるスケーリングの性質上、Aという文字の大きさは縮小率に応じて拡大して表示している。
図18(c)の情報の一部消去については、表示画素数の約40%程度の情報を消去している。そのような透かし埋め込み画像から秘密情報を抽出した場合でも、図20に示すように秘密情報であるAという文字が浮かび上がってくるということになる。このように、情報の一部消去に対しても秘密情報が再現されることは、記録媒体の外的な損傷に対しても秘密情報が保持されるということを意味する。つまり、カードなどにホログラムあるいはICチップに成り代わるものとして、埋め込みを行った場合において耐久性のあることがわかる。
さらに、情報のフィルタリング攻撃については、図19に示したように生成された透かしを埋め込んだ画像に、平滑化フィルタリング(ぼかし)を加えたものとする。この場合も、図20に示されているようにディザの形状が残る範囲で秘密画像は抽出されるという結果となり、秘密情報であるAの文字が再生される。この場合は透かしを埋め込んだものが2値画像となっているので、フィルタリングに対しても頑健であることを示している。図21(a)は画像を回転させた場合の例であり、はみ出し部分は切り捨てている。この場合も、図21(b)に示されているように、秘密情報であるAの文字が再生される。すなわち、画像を回転させた場合には、軸の回転が行われるだけで、秘密画像を抽出する場合に抽出されたものが回転するだけであるから実用上問題はない。
このように、情報の抽出に際してホログラムの性質が活かされているので、情報の拡大縮小や一部消去など、電子透かしにおいて問題となる「攻撃」に強いことが示される。従来の透かし方式については、幾何学的変換(画像の拡大縮小)や、情報の一部消去については耐性が脆弱であることが知られており、本発明の実施形態は、この点で大きく改善され、攻撃に対する耐性を改善できる方式となっている。
本発明の実施形態において、種々の応用が考えられるが、一例としてICカードなどに秘密画像を埋め込む手段について説明する。図24は、X線リソグラフィにより前記秘密画像を埋め込んだICカードを作成する画像情報作成装置31の概略構成を示す説明図である。図24において、32はX線38を照射する電子銃、33はX線38の加速コイル、34は絞り部材、35は偏向コイルである。
図4などで説明したように、カバー画像41、秘密画像42を準備する。演算装置43は、前記複素変換などの演算を行なう。また、画像生成装置44は、演算装置43の演算によりカバー画像41に秘密画像42を埋め込んだ画像を生成する。制御装置45は、画像生成装置44で生成された画像に基づき、制御信号Da〜Dbを形成する。これらの制御信号Da〜Dbを前記加速コイル33、偏向コイル35に与えてX線リソグラフィを制御する。
IC基板36の上には、図示を省略しているX線マスク、レジスト層が設けられており、前記画像生成装置44で生成された画像は、X線マスクで吸収されレジスト層に転写される。このようにして、IC基板36の描写面37には、秘密画像を埋め込んだ画像情報が形成される。本発明の前記秘密画像を埋め込んだ画像情報は、外部からの様々な攻撃に対する耐性に優れているので、スキミングに対する防衛策としても有効である。
以上、本発明の画像情報作成装置および画像情報作成方法について述べたが、本発明はIDカードや電子キーに適用することができる。また、紙幣や有価証券などの透かしや番号に適用することもできる。従来のICカードでは、傷や破損などにより埋め込まれた秘密情報が使用できなくなるが、本発明の場合、複数の箇所に埋め込み可能なため、傷や破損に強い耐性がある。また、著作物に秘密画像を埋め込んで埋め込み画像を作成すると、その埋め込み画像(著作物)をコピーした場合、秘密画像もコピーされるため、著作物の不正コピーを容易に証明することができる。
本発明の実施形態を示す概略のブロック図である。 図1の部分的なブロック図である。 本発明の画像情報セキュリティ処理手順を示すフローチャートである。 本発明の実施形態を示す説明図である。 Lohmann(ローマン)型のセルを示す説明図である。 (a)Lohmann(ローマン)型計算機ホログラムと(b)再生画像を示す説明図である。 Lee(リー)型のセルを示す説明図である。 (a)Lee(リー)型計算機ホログラムと(b)再生画像を示す説明図である。 (a)2値位相型計算機ホログラムと(b)再生画像を示す説明図である。 誤差拡散法の概念を示す説明図である。 (a)誤差拡散型計算機ホログラムと(b)再生画像を示す説明図である。 3種のディザ行列の具体的な値と擬似濃淡表示をした画像を示す説明図である。 計算機ホログラムによるディザ行列の決定を示す説明図である。 組織的ディザ法の模式図である。 ディザ行列の組み合わせを示す説明図である。 ディザ行列の組み合わせを示す説明図である。 ホログラムの再生光学系の一例を示す説明図である。 外部からの攻撃に対する耐性を示す説明図である。 外部からの攻撃に対する耐性を示す説明図である。 攻撃された場合の秘密画像再生の例を示す説明図である。 本発明の実施形態を示す説明図である。 従来の複素振幅を示す特性図である。 ランダム位相を付加した場合の特性図である。 X線リソグラフィを示す説明図である。
符号の説明
1 He−Neレーザ、2 ビームエクスパンダ、3a、3b レンズ、4 計算機ホログラム、5 焦平面(再生像)、11 秘密画像、12 複素変換処理(1)、13 擬似計算機ホログラム、14 ディザ行列の選定、15 カバー画像、16 ディザ処理、17 埋め込み画像、18 複素変換処理(2)、19 秘密画像の抽出、21 ランダム位相の付加、22 2次元の複素変換、22 複素情報の白黒2値化 31 X線リソグラフィ、36 IC基板

Claims (14)

  1. 秘密画像を埋め込むカバー画像を作成する手段と、保護する対象となる秘密画像を作成する手段と、前記秘密画像に第1の複素変換処理を施す手段と、前記複素変換処理を施した秘密画像に擬似計算機ホログラムを合成する手段と、前記合成した擬似計算機ホログラムを前記カバー画像に埋め込んで埋め込み画像を作成する手段と、前記埋め込み画像に第2の複素変換処理を施す手段と、前記秘密画像を再生する手段と、からなることを特徴とする画像情報作成装置。
  2. 前記第1、第2の複素変換処理は、複素フーリエ変換、または複素アダマール変換であることを特徴とする、請求項1に記載の画像情報作成装置。
  3. 前記第1、第2の複素変換処理の際に、画像情報にランダム位相を付加することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の画像情報作成装置。
  4. 前記第1、第2の複素変換処理の際に、複素画像情報に白黒2値化処理を行うことを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の画像情報作成装置。
  5. 前記白黒2値化処理は、ローマン型ホログラム、リー型ホログラム、2値位相型ホログラム、誤差拡散型ホログラムのいずれかであることを特徴とする、請求項4記載の画像情報作成装置。
  6. 前記埋め込み画像を作成する処理は、前記カバー画像に組織的ディザを用いて前記合成した擬似計算機ホログラムを埋め込むことを特徴とする、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の画像情報作成装置。
  7. 秘密画像を埋め込むカバー画像を作成する手段と、保護する対象となる秘密画像を作成する手段と、前記秘密画像に複素変換処理を施す手段と、前記複素変換処理を施した秘密画像に擬似計算機ホログラムを合成する手段と、前記合成した擬似計算機ホログラムを前記カバー画像に埋め込んで埋め込み画像を作成する手段と、X線リソグラフィ装置と、制御装置とを備え、前記制御装置により前記X線リソグラフィ装置を制御して、IC基板に前記埋め込み画像を形成することを特徴とする、画像情報作成装置。
  8. 秘密画像を埋め込むカバー画像を作成する工程と、保護する対象となる秘密画像を作成する工程と、前記秘密画像に第1の複素変換処理を施す工程と、前記複素変換処理を施した秘密画像に擬似計算機ホログラムを合成する工程と、前記合成した擬似計算機ホログラムを前記カバー画像に埋め込んで埋め込み画像を作成する工程と、前記埋め込み画像に第2の複素変換処理を施す工程と、前記秘密画像を再生する工程と、からなることを特徴とする画像情報作成方法。
  9. 前記第1、第2の複素変換処理は、複素フーリエ変換、または複素アダマール変換による2次元の複素変換処理であることを特徴とする、請求項8に記載の画像情報作成方法。
  10. 前記第1、第2の複素変換処理の際に、画像情報にランダム位相を付加して空間周波数の振幅を一定にすることを特徴とする、請求項8または請求項9に記載の画像情報作成方法。
  11. 前記第1、第2の複素変換処理の際に、少なくとも4×4画素の複素画像情報に白黒2値化処理を行うことを特徴とする、請求項8ないし請求項10のいずれかに記載の画像情報作成方法。
  12. 前記白黒2値化処理は、ローマン型ホログラム、リー型ホログラム、2値位相型ホログラム、誤差拡散型ホログラムのいずれかであることを特徴とする、請求項11に記載の画像情報作成方法。
  13. 前記埋め込み画像を作成する処理は、前記カバー画像に組織的ディザを選択する手順と、当該選択された組織的ディザを用いて前記合成した擬似計算機ホログラムを埋め込む手順とを有することを特徴とする、請求項8ないし請求項12のいずれかに記載の画像情報作成方法。
  14. 秘密画像を埋め込むカバー画像を作成する工程と、保護する対象となる秘密画像を作成する工程と、前記秘密画像に第1の複素変換処理を施す工程と、前記複素変換処理を施した秘密画像に擬似計算機ホログラムを合成する工程と、前記合成した擬似計算機ホログラムを前記カバー画像に埋め込んで埋め込み画像を作成する工程と、制御装置によりX線リソグラフィ装置を制御してIC基板に前記埋め込み画像を形成する工程と、からなることを特徴とする画像情報作成方法。
JP2005343346A 2005-11-29 2005-11-29 画像情報作成装置および画像情報作成方法 Pending JP2007150799A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005343346A JP2007150799A (ja) 2005-11-29 2005-11-29 画像情報作成装置および画像情報作成方法
PCT/JP2006/324138 WO2007064006A1 (ja) 2005-11-29 2006-11-28 画像情報作成装置および画像情報作成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005343346A JP2007150799A (ja) 2005-11-29 2005-11-29 画像情報作成装置および画像情報作成方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007150799A true JP2007150799A (ja) 2007-06-14

Family

ID=38092337

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005343346A Pending JP2007150799A (ja) 2005-11-29 2005-11-29 画像情報作成装置および画像情報作成方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2007150799A (ja)
WO (1) WO2007064006A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007232919A (ja) * 2006-02-28 2007-09-13 Okano Electric Wire Co Ltd 画像記録方法
CN106127667A (zh) * 2016-06-13 2016-11-16 天津大学 一种jpeg图像自适应隐写方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6044156A (en) * 1997-04-28 2000-03-28 Eastman Kodak Company Method for generating an improved carrier for use in an image data embedding application
JP4039005B2 (ja) * 2001-05-30 2008-01-30 日本ビクター株式会社 計算機ホログラム、計算機ホログラムの原版製造方法
JP2004214742A (ja) * 2002-12-26 2004-07-29 Eastman Kodak Co 埋め込まれた画像データを用いて、取引カードのセキュリティを確保する方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007232919A (ja) * 2006-02-28 2007-09-13 Okano Electric Wire Co Ltd 画像記録方法
CN106127667A (zh) * 2016-06-13 2016-11-16 天津大学 一种jpeg图像自适应隐写方法
CN106127667B (zh) * 2016-06-13 2019-05-17 天津大学 一种jpeg图像自适应隐写方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2007064006A1 (ja) 2007-06-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7280669B2 (en) Digital image watermarking apparatus and method
JP3898519B2 (ja) 認証可能なカラー・ドキュメントを生成するプロセス
JP2004343712A (ja) 画像処理システム、画像処理装置および画像処理方法
Choi et al. Digital watermarking technique for holography interference patterns in a transform domain
JP5508896B2 (ja) 画像処理方法
JP2007150799A (ja) 画像情報作成装置および画像情報作成方法
JP4310031B2 (ja) 画像処理装置、画像処理方法及び記憶媒体
JP2006301334A (ja) 画像情報セキュリティ方法
KR101094809B1 (ko) 디지털 홀로그램을 이용한 디지털 콘텐츠의 워터마킹 방법
JP2018207247A (ja) 電子透かし装置および方法
JP3780175B2 (ja) 画像処理装置及び画像処理方法並びに記憶媒体
JP3787059B2 (ja) 電子透かし合成方法、電子透かし合成装置、透かし情報検出方法、透かし情報検出装置、印刷物製造方法、印刷物及び記録媒体
Rangel-Espinoza et al. Visible watermarking robust against inpainting using seam carving
JP2007060527A (ja) 画像処理方法および画像処理装置
JP7008950B2 (ja) 電子透かし装置および方法
JP7142256B2 (ja) 電子透かし装置および方法
Debnath et al. Progressive performance of watermarking using spread spectrum modulation
Coltuc et al. Image authentication by exact histogram specification
Onoja et al. Robust Watermarking Techniques for the Authentication and Copyright Protection of Digital Images: A Survey
TW200406717A (en) Watermarking
Pei et al. Tamper proofing and attack identification of corrupted image by using semi-fragile multiple-watermarking algorithm
JP2006270433A (ja) 画像処理方法
Singhal et al. Digital watermarking algorithms: a review
GUPTA FEATURE POINT EXTRACTION BASED GEOMETRICALLY RESILIANT DIGITAL IMAGE WATERMARKING
JP2001339598A (ja) 画像処理装置、画像処理方法、及び記憶媒体