JP2007148391A - 光反射体ならびにそれを用いた面光源装置及び照明装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】反射角ピーク比(即ち、反射面の法線に対して45°の角度から光線を照射したときの反射ピーク値/反射面の法線に対して15°の角度から光線を照射したときの反射ピーク値)が1.3〜10であり、正反射率(即ち、反射率−拡散反射率)が1.4〜10%である樹脂フィルムからなる輝線防止層2を含む光反射体。
【選択図】図1
Description
これとは別に、サイドライト型面光源において、光源ランプ近傍の光源光の漏れにより部分的に生じる輝度が高い部分を輝線と呼ぶ場合があるが、本願の課題はこの現象とは区別されるものである。
すなわち本発明は、樹脂フィルムを含む光反射体であって、前記樹脂フィルムは輝線防止層(B)を含むものであり、前記輝線防止層(B)は20重量%以下の濃度でフィラーを含有するものであり、前記輝線防止層(B)表面にて測定される反射ピーク値P1及び反射ピーク値P2から下記の式(1)により求められる反射角ピーク比Pが1.3〜10であり、前記輝線防止層(B)表面にて測定される反射率R1及び拡散反射率R3から下記の式(2)により求められる正反射率R2が1.4〜10%である、樹脂フィルムを含む光反射体を提供するものである。
本発明の光反射体を構成する樹脂フィルムは、基材層(A)と、基材層(A)の少なくとも片面に設けた輝線防止層(B)とを含む積層樹脂フィルムであることが好ましい。基材層(A)は熱可塑性樹脂(特にポリオレフィン系樹脂)とフィラーを含有し、基材層(A)が延伸されており、その面積延伸倍率が1.3〜80倍であることが好ましい。
中でも、基材層(A)が5〜75重量%の濃度でフィラーを含有しており、該フィラーが平均粒径0.05〜1.5μmの無機フィラー(特に表面処理された無機フィラー)及び/又は平均分散粒径0.05〜1.5μmの有機フィラーであることが好ましい。さらには基材層(A)の空孔率は15〜70%であることが好ましい。
さらに、樹脂フィルムは、少なくとも基材層(A)の輝線防止層(B)を含む面とは反対面に補強層(C)を有することが好ましく、輝線防止層(B)の肉厚は0.5〜20μmであることが好ましい。
基材層(A)は、輝線防止層(B)との積層樹脂フィルムとした際に、光反射体全体の反射率を向上させるための層であり、また樹脂フィルムの成形をより容易にするための基材として用いる層である。熱可塑性樹脂を含有する層であり、好ましくは熱可塑性樹脂とフィラーを含有する層である。
基材層(A)に用いられる熱可塑性樹脂の種類は特に制限されない。基材層(A)に使用する熱可塑性樹脂(A)としては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン等のエチレン系樹脂、プロピレン系樹脂、ポリメチル−1−ペンテン、エチレン−環状オレフィン共重合体等のポリオレフィン系樹脂、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−6,10、ナイロン−6,12等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやその共重合体、ポリエチレンナフタレート、脂肪族ポリエステル等の熱可塑性ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート、アタクティックポリスチレン、シンジオタクティックポリスチレン、ポリフェニレンスルフィド等の熱可塑性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂は1種だけを選択してこれを単独で使用してもよいし、2種以上を選択して組み合わせて使用してもよい。
プロピレン系樹脂としては、プロピレン単独重合体や、主成分であるプロピレンと、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン,4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィンとの共重合体を用いることができる。立体規則性は特に制限されず、アイソタクティックないしはシンジオタクティック及び種々の程度の立体規則性を示すものを用いることができる。また、共重合体は2元系でも3元系でも4元系でもよく、またランダム共重合体でもブロック共重合体であってもよい。
基材層(A)に熱可塑性樹脂とともに用いられるフィラーとしては、各種無機フィラーまたは有機フィラーを挙げることができる。
延伸成形により発生させる空孔サイズを好ましい範囲に調整するため、基材層(A)に使用する無機フィラーの平均粒径または有機フィラーの平均分散粒径は、好ましくはそれぞれが0.05〜1.5μmの範囲、より好ましくはそれぞれが0.1〜1μmの範囲のものを使用する。平均粒径または平均分散粒径が1.5μm以下のフィラーを用いれば、空孔がより均一になる傾向がある。また、平均粒径または平均分散粒径が0.05μm以上のフィラーを用いれば、所定の空孔がより得られやすくなる傾向がある。
延伸成形により発生させる空孔を好ましい範囲で付与するため、延伸フィルム中への上記フィラーの配合量は好ましくは5〜75重量%、より好ましくは10〜70重量%の範囲にする。フィラーの配合量を5重量%以上にすれば、充分な空孔数が得られやすくなる傾向がある。また、フィラーの配合量を75重量%以下にすれば、表面にキズがより生じにくくなる傾向がある。
本発明で用いる基材層(A)は、単層構造であっても、多層構造であってもよい。基材層(A)の肉厚は、30〜1000μmが好ましく、40〜400μmがより好ましく、50〜300μmがさらに好ましい。
本発明の輝線防止層(B)は、樹脂フィルムを光反射体として用いた際、特定の数値範囲の反射角ピーク比P及び正反射率R2を発現する様に設けるものである。
輝線防止層(B)は単体で、または基材層(A)の光反射面のみの片面もしくは基材層(A)の両面に形成できる。輝線防止層(B)の形成方法としては、通常の単層フィルム成形方法と同様にIダイやOダイを用いて押出成形する方法,輝線防止層(B)と基材層(A)の溶融原料を多層TダイやIダイを使用して共押出し樹脂フィルムを得る方法,成形された基材層(A)上に輝線防止層(B)の溶融原料を押し出してラミネートする方法,或いは基材層(A)を成形して得た後に輝線防止層(B)を接着層を介して貼合して設ける方法等が挙げられる。
これらの樹脂フィルムは押出成形後に延伸することが好ましい。単層の樹脂フィルムまたは共押出による積層樹脂フィルムは、成形後に一軸延伸または二軸延伸することができる。基材層(A)を成形して得た後にこれを一軸延伸し、次いで輝線防止層(B)の溶融原料を押し出してラミネートし、この積層フィルムを延伸して延伸積層樹脂フィルムとしても良い。
本発明の光反射体を構成する樹脂フィルムとして、基材層(A)や輝線防止層(B)の他に補強層(C)が設けてもよい。補強層(C)は、基材層(A)や輝線防止層(B)の範疇に入らない層であって、樹脂フィルム全体の強度を補強することができる層をいう。補強層(C)は、基材層(A)の反射面側に設けてもよい。従って、基材層(A)と輝線防止層(B)の間に設けて(B)/(C)/(A)の構成とすることができる。また、基材層(A)の反射面側の反対側の面に設けて(B)/(A)/(C)の構成としてもよい。
補強層(C)の肉厚は、1μm以上が好ましく、2〜30μmがより好ましく、3〜20μmがさらに好ましい。1μm以上にすれば、光反射体の表面強度と加工適性を向上させやすい傾向がある。
(層構成)
本発明の光反射体を構成する樹脂フィルムは、上記の基材層(A)と輝線防止層(B)を含む積層フィルムであることが好ましい。例えば、基材層(A)の両面に輝線防止層(B)を積層した構造を挙げることができる。また、本発明の光反射体を構成する樹脂フィルムは、基材層(A)と輝線防止層(B)以外の層がさらに積層された構造を有していてもよい。例えば、基材層(A)の輝線防止層(B)を含む面とは反対面もしくは基材層(A)と輝線防止層(B)の間に補強層(C)を有していてもよい。樹脂フィルムの具体的な層構成として、(B)/(A)、(B)/(A)/(B)、(B)/(A)/(C)、(B)/(C)/(A)、(B)/(C)/(A)/(B)、(B)/(C)/(A)/(C)、(B)/(C)/(A)/(C)/(B)などの構造を例示することができる。
本発明の光反射体を構成する樹脂フィルムには、必要により、蛍光増白剤、安定剤、光安定剤、分散剤、滑剤等を配合してもよい。安定剤を使用する場合は、立体障害フェノール系やリン系、アミン系等の安定剤を、該安定剤を含有する層の重量の0.001〜1重量%配合することが好ましい。また、光安定剤を使用する場合は、立体障害アミンやベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系などの光安定剤を、該光安定剤を含有する層の重量の0.001〜1重量%配合することが好ましい。さらに、無機フィラーの分散剤を使用する場合は、シランカップリング剤、オレイン酸やステアリン酸等の高級脂肪酸、金属石鹸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸ないしはそれらの塩等を、該分散剤を含有する層の重量の0.01〜4重量%配合することが好ましい。
樹脂フィルムの成形方法としては、一般的な1軸延伸や2軸延伸方法が使用できる。具体例としてはスクリュー型押出機に接続された単層または多層のTダイやIダイを使用して溶融樹脂をシート状に押し出した後、ロール群の周速差を利用した縦延伸で1軸延伸する方法、さらにこの後にテンターオーブンを使用した横延伸を組み合わせた2軸延伸方法や、テンターオーブンとリニアモーターの組み合わせによる同時2軸延伸などが挙げられる。
本発明の光反射体は、上記の樹脂フィルムを有する点に特徴がある。本発明の光反射体は、上記の樹脂フィルムのみからなっていてもよいし、上記の樹脂フィルムにさらに適当な材料が付加されたものであってもよい。
光反射体の輝線防止層(B)表面の法線に対して15°の角度から光線を照射し、受光器の角度を変えながら光反射体の反射率を測定したときの、反射率の最大値を反射ピーク値P1とした。同様に、光反射体の輝線防止層(B)表面の法線に対して45°の角度から光線を照射し、受光器の角度を変えながら光反射体の反射率を測定したときの、反射率の最大値を反射ピーク値P2とした。得られた値P2を値P1で割った値を反射角ピーク比Pとした。
本発明の光反射体に用いる樹脂フィルムは、上記式(1)で表される反射角ピーク比Pが1.3〜10の範囲内の値を取り、好ましくは1.4〜3の範囲内の値を取る。反射角ピーク比Pは、反射光分布の指標となる。反射角ピーク比Pが1.3未満の場合は、ランプ間が暗くなり輝線が発生しやすくなる。反射角ピーク比Pが10を超える場合、ランプ直近が暗くなり輝線が発生しやすくなる。
また、光反射体の輝線防止層(B)表面で測定される全反射率をR1とし、光反射体の輝線防止層(B)表面で測定される拡散反射率をR3とした。得られた値R1から値R3を引いた値を正反射率R2とした。
本発明の光反射体は、上記式(2)で表される正反射率R2が1.4〜10%の範囲の値を取り、好ましくは2〜5%の範囲の値を取る。正反射率R2が1.4未満の場合はランプ間が暗くなり輝線が発生しやすくなる。また、正反射率R2が10を超える場合、ランプ間が明るくなりすぎ、輝線として現われる。
波長550nmで測定した波長の反射率R1は好ましくは95〜106%、より好ましくは98〜106%である。反射率が95%未満であると、面光源装置に十分な輝度が得にくい。反射率R1は大きいほど良いが、本発明の実施形態では106%を越えて大きな反射率R1は得にくい。
また本発明の光反射は照明装置として有用であり、本発明の照明装置としては、例えばシーリングライト、ダウンライト、ベースライト、キッチンライト、ブラケット、ペンダントなどの家庭用照明装置などが挙げられる。
表1に記載の材料を表2に記載の配合で混合した組成物(A)を押出機を用いて250℃に溶融混練した。その後、シート状に押し出し、冷却ロールで約60℃まで冷却することによって基材層(A)を得た。この基材層(A)を145℃に再加熱した後、多数のロール群の周速差を利用して縦方向に表2に記載の倍率で延伸した。
表1に記載の材料を表2に記載の配合で混合した組成物(B)、(C)を溶融混練し、得られた基材層(A)の両面に溶融押し出しして輝線防止層(B)、補強層(C)をB/C/A/Cとなるように積層した。ついでこの積層物を160℃に再加熱してテンターで横方向に表2に記載の倍率で延伸した。その後、160℃でアニーリング処理した後、60℃まで冷却し、耳部をスリットして表2に記載の厚みを有する四層構造の積層フィルムを得た。この積層フィルムを光反射体とした。
表1に記載の材料を表2に記載の配合で混合した以外は実施例1〜3と同様にして光反射体を得た。
実施例1〜3及び比較例1で得られた各光反射体について、以下の測定を行った。
自動変角分光光度計(GP200:(株)村上色彩研究所製)を用いて測定を行った。光線照射角45°、受光角度−60°〜90°の条件で測定した際の反射ピーク値を測定してP2とした。
光線照射角を15°に変更しその他の条件はP2の測定条件と同様にして測定を行い、P2との相対反射率として表したものをP1とした。
また、P2/P1をピーク比Pとした。
φ150mmの積分球を装着した分光光度計((株)日立製作所製:U−3310)を用いて、JIS−Z8722条件d記載の方法に従って測定した波長550nmの反射率をR1とした。
φ150mmの積分球を装着した分光光度計((株)日立製作所製:U−3310)を用いて、JIS−Z8722条件d記載の方法に従い、光トラップを用いて正反射成分をカットして測定した波長550nmの反射率を拡散反射率R3とした。
また、R1−R3を正反射率R2とした。
JIS−P8118にしたがって基材層(A)の密度ρを測定し、さらに基材層(A)の真密度ρ0を測定した後、上記式(3)にしたがって空孔率を算出した。
非接触3次元表面形状粗さ測定器(ザイゴ(株)製:NewView5010)を用いて、測定面積:2mm×2mm、対物レンズ:20倍、14μm以下の波長をカットすることにより測定を行い、解析ソフト(ザイゴ(株)製:Metro Pro)を用いて解析を行って得たPeak Density(1/μm2)を凹凸個数密度とした。
図2の面光源装置に設置することによって、以下の5段階で輝線レベルを評価した。各レベルの内容は下記のとおりであり、光反射体として許容しうるレベルは3以上である。
5: 輝線が全く見えず良好なレベル
4: 輝線が若干発生するが良好なレベル
3: 輝線が発生するが実用上問題ないレベル
2: 輝線が発生し実用上問題あるレベル
1: 輝線が明瞭に見え使用に耐えないレベル
2 輝線防止層(B)
3 補強層(C)
11 光反射体(ハウジング)
12 反射用白色網点印刷
13 アクリル板(導光板)
14 拡散板
15 冷陰極ランプ
Claims (12)
- 樹脂フィルムを含む光反射体であって、
前記樹脂フィルムは輝線防止層(B)を含むものであり、
前記輝線防止層(B)は20重量%以下の濃度でフィラーを含有するものであり、
前記輝線防止層(B)表面にて測定される反射ピーク値P1及び反射ピーク値P2から下記の式(1)により求められる反射角ピーク比Pが1.3〜10であり、
前記輝線防止層(B)表面にて測定される反射率R1及び拡散反射率R3から下記の式(2)により求められる正反射率R2が1.4〜10%である、樹脂フィルムを含む光反射体。
- 前記光反射体の輝線防止層(B)表面の凹凸個数密度が0.1×10-4〜3.5×10-4個/μm2であることを特徴とする請求項1に記載の光反射体。
- 前記反射率R1が95〜106%であることを特徴とする請求項1または2に記載の光反射体。
- 前記輝線防止層(B)に含まれるフィラーが平均粒径0.05〜15μmの無機フィラー及び/又は平均分散粒径0.05〜15μmの有機フィラーであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光反射体。
- 前記樹脂フィルムが、基材層(A)と、基材層(A)の少なくとも片面に設けた前記輝線防止層(B)とを含む積層樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の光反射体。
- 前記基材層(A)が延伸された層であって、前記基材層(A)の面積延伸倍率が1.3〜80倍であることを特徴とする請求項5に記載の光反射体。
- 前記基材層(A)が熱可塑性樹脂と5〜75重量%の濃度でフィラーを含有し、前記フィラーが平均粒径0.05〜1.5μmの無機フィラー及び/又は平均分散粒径0.05〜1.5μmの有機フィラーであることを特徴とする請求項5または6に記載の光反射体。
- 前記基材層(A)に含まれる前記無機フィラーが表面処理された無機フィラーであることを特徴とする請求項7に記載の光反射体。
- 前記基材層(A)が熱可塑性樹脂としてポリオレフィン系樹脂を含有することを特徴とする請求項5〜8のいずれか一項に記載の光反射体。
- 前記基材層(A)の空孔率が15〜70%であることを特徴とする請求項5〜9のいずれか一項に記載の光反射体。
- 請求項1〜10のいずれか一項に記載の光反射体を用いた面光源装置。
- 請求項1〜10のいずれか一項に記載の光反射体を用いた照明装置。
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