JP2007147721A - 感光性熱硬化性樹脂組成物及びこれを硬化させてなる絶縁保護皮膜 - Google Patents

感光性熱硬化性樹脂組成物及びこれを硬化させてなる絶縁保護皮膜 Download PDF

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Abstract

【課題】耐熱性及び耐ブリードアウト性に優れ、かつUL燃焼試験に合格する高難燃性を有する感光性熱硬化性樹脂組成物の提供。
【解決手段】(A)カルボキシ変性エポキシ(メタ)アクリレート樹脂と、(B)熱硬化性リン原子含有エポキシモノマーである6−H−ジベンゾ[c,e][1,2]オキサホスホリン−6−[2,5−ビス(オキシラニルメトキシ)フェニル]−6−オキサイドと、(C)光重合開始剤と、(D)希釈剤と、(E)硬化剤と、(F)水酸化アルミニウムを含有し、前記(B)成分は、前記(A)〜(E)成分からなる樹脂組成分中のリン含有量が1〜2.5質量%となるよう含まれており、かつ前記(F)成分は、前記(A)〜(E)成分からなる樹脂組成分100質量部に対して65〜80質量部含まれていることを特徴とする感光性熱硬化性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、プリント配線板の層間絶縁樹脂やアルカリ水溶液で現像可能なソルダーレジスト等として使用されるものであって、耐熱性及び耐ブリードアウト性に優れ、かつUL燃焼試験に合格する高難燃性を有する感光性熱硬化性樹脂組成物及びこれを硬化させてなる絶縁保護皮膜に関する。
プリント配線板の製造においては、従来よりエッチング時に使用されるレジスト、はんだ付け工程で使用されるソルダーレジストなど、種々の基板保護手段が必要とされる。小型機器等に使用されるフィルム状のプリント配線板(FPC)の製造過程においても、部品搭載のためのはんだ付け工程において無関係な配線を保護するためのソルダーレジストが必要とされる。
このような基板保護手段として、従来はポリイミドフィルムを所定の型に打ち抜いたものを使用するカバーレイ、または耐熱性材料で構成されたインクを印刷するカバーコートが用いられてきた。これらカバーレイ及びカバーコートは、はんだ付け後の配線保護膜をも兼ねており、はんだ付け時の耐熱性、絶縁性、基板組み込み時の折り曲げでクラックが入らない可撓性が要求される。さらには、UL規格に定める難燃性も要求される。
ポリイミドフィルムの打ち抜きで形成されるカバーレイは上記の要求特性を満足しており、現在最も多く使用されているが、型抜きに高価な金型が必要となる上に、打ち抜いたフィルム片を人手によって基板に対して位置合わせし、貼り合わせるために高コストになり、また、微細パターンの形成が困難であるという問題がある。
カバーコートは、スクリーン印刷のため乾燥工程が必要とされることから製造コストが高くなり、作業性が悪いという問題がある。
これらの問題を解決する方法として、基板上に感光性樹脂組成物を液状で塗布しまたはフィルム状で貼付する方法が提案されている。この方法によれば、基板上に皮膜を形成した後、写真技術によって露光、現像、加熱すれば微細パターンのカバーコートやカバーレイを容易に形成することができる。そこで、従来種々の感光性樹脂組成物が開発されている。
感光性樹脂組成物に難燃性を付与する方法としては、従来より臭素化エポキシ樹脂等のハロゲン化物系難燃剤や、これに三酸化アンチモン等の難燃助剤を組み合わせてなる難燃剤系などを用いる方法がある(例えば特許文献1、2参照)。しかし世界的な環境問題への高まりとともに、さらなる低有毒性、低公害性、安全性が重要視されるようになり、単に燃えにくいだけではなく、有毒ガスの発生がなく、低発煙性であることが要望されている。ハロゲンを含まず、比較的良好な難燃効果が得られる難燃剤として有機リン化合物が知られている(例えば特許文献3、4、5参照)。しかし従来の代表的な有機リン系難燃剤であるリン酸エステルのみでは難燃効果が弱く、耐熱性及び耐ブリードアウト性に不安がある。また、ハロゲンフリーでの難燃性に加えて、プリント配線板での鉛フリーはんだの使用に対する対応も必要である。鉛フリーはんだの場合、従来のPb/Sn系共晶はんだの一般的なフロー、リフロー温度である約260℃よりも10〜20℃高いので、基板材料にも従来以上の耐熱性が要求されている。
特開平9−325490号公報 特開平11−242331号公報 特開平9−235449号公報 特開平10−306201号公報 特開平11−271967号公報
一般に、感光性ソルダーレジストとしては汎用的にエポキシ系のものが使用されている。エポキシ系レジストの難燃化には、環境への配慮から、ハロゲンを含まない有機リン系難燃剤であるリン酸エステルが使用されることが多くなっている。しかしながらリン酸エステルには、耐熱性及び耐ブリードアウト性を低下させる問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、耐熱性及び耐ブリードアウト性に優れ、かつUL燃焼試験に合格する高難燃性を有する感光性熱硬化性樹脂組成物及びこれを硬化させてなる絶縁保護皮膜を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、(A)カルボキシ変性エポキシ(メタ)アクリレート樹脂と、(B)6−H−ジベンゾ[c,e][1,2]オキサホスホリン−6−[2,5−ビス(オキシラニルメトキシ)フェニル]−6−オキサイドと、(C)光重合開始剤と、(D)希釈剤と、(E)硬化剤と、(F)水酸化アルミニウムを含有し、前記(B)成分は、前記(A)〜(E)成分からなる樹脂組成分中のリン含有量が1〜2.5質量%となるよう含まれており、かつ前記(F)成分は、前記(A)〜(E)成分からなる樹脂組成分100質量部に対して65〜80質量部含まれていることを特徴とする感光性熱硬化性樹脂組成物を提供する。
また本発明は、上述の感光性熱硬化性樹脂組成物を硬化させてなる絶縁保護皮膜を提供する。
本発明によれば、上述の配合により、UL規格の燃焼試験に合格する高難燃性を有するとともに、はんだ耐熱性及び耐ブリードアウト性にも優れた絶縁保護皮膜を与える感光性熱硬化性樹脂組成物を得ることができる。
以下、最良の形態に基づいて本発明を詳しく説明する。
本発明の感光性熱硬化性樹脂組成物は、
(A)カルボキシ変性エポキシ(メタ)アクリレート樹脂と、(B)熱硬化性リン原子含有エポキシモノマーである6−H−ジベンゾ[c,e][1,2]オキサホスホリン−6−[2,5−ビス(オキシラニルメトキシ)フェニル]−6−オキサイドと、(C)光重合開始剤と、(D)希釈剤と、(E)硬化剤と、(F)水酸化アルミニウムを含有し、前記(B)成分は、前記(A)〜(E)成分からなる樹脂組成分中のリン含有量が1〜2.5質量%となるよう含まれており、かつ前記(F)成分は、前記(A)〜(E)成分からなる樹脂組成分100質量部に対して65〜80質量部含まれていることを特徴とする。
本発明において、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート、メタクリレート又はこれらの混合物を指す。同様に、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸、メタクリル酸又はこれらの混合物を指す。
本発明の感光性熱硬化性樹脂組成物の必須成分であるカルボキシ変性エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(これを「(A)成分」という場合がある。)は、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とを反応させた後、多価カルボン酸無水物を反応させて得られる樹脂である。
原料として用いられるエポキシ樹脂としては、例えば、主骨格がビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂などのビスフェノール型エポキシ樹脂であるものなどが挙げられ、具体例としては、KAYARAD(登録商標) ZFR、ZAR(日本化薬株式会社製)等の市販品を用いることができる。
同様に、原料として用いられる(メタ)アクリル酸としては、アクリル酸、メタクリル酸及びこれらの混合物が挙げられる。
さらに、原料として用いられる多価カルボン酸無水物としては、無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水イタコン酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸等の二価カルボン酸の無水物が挙げられる。
本発明の感光性熱硬化性樹脂組成物の必須成分である6−H−ジベンゾ[c,e][1,2]オキサホスホリン−6−[2,5−ビス(オキシラニルメトキシ)フェニル]−6−オキサイド(英語では6−H−dibenz[c,e][1,2]oxaphosphorin−6−[2,5−bis(oxiranylmethoxy)phenyl]−6−oxide、略してDOPOともいう。本発明ではこれを「(B)成分」という場合がある。)は、式(1)に示す熱硬化性リン原子含有エポキシモノマーである。
Figure 2007147721
DOPOの合成は、例えば、式(2)に示す、10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−10−ハイドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド(HCA−HQ)を原料として、水酸基のグリシジル化(エピクロロヒドリン(ECH)との縮合反応)により合成することができる。
Figure 2007147721
本発明の感光性熱硬化性樹脂組成物の必須成分である光重合開始剤(これを「(C)成分」という場合がある。)は、前記(A)成分の(メタ)アクリロイル基の反応を誘起してラジカル重合を引き起こす化合物である。本発明に用いられる光重合開始剤(C)としては、例えば、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;ベンゾフェノン、メチルベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4,4′−ジクロロベンゾフェノン、4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、ベンゾイル安息香酸、4−ベンゾイル−4′−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン類;2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、トリクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−トリクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1、N,N−ジメチルアミノアセトフェノン等のアセトフェノン類;チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類;2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン等のアントラキノン類などを挙げることができる。これらの光重合開始剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
さらに光重合開始剤には、必要に応じて光増感剤を併用することができる。光増感剤としては、ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、ジメチルアミノ安息香酸ペンチルエステル、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の三級アミン類などを挙げることができる。これらの光増感剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
光重合開始剤(C)の好ましい組合わせとしては、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン(チバスペシャリティーケミカルズ製、商品名:IRUGACURE 907)と2,4−ジエチルチオキサントン(日本化薬株式会社製、商品名:KAYACURE DETX)の組み合わせが挙げられる。
本発明の感光性熱硬化性樹脂組成物の必須成分である希釈剤(これを「(D)成分」という場合がある。)は、(メタ)アクリレートモノマーなどの不飽和化合物または有機溶剤等が挙げられる。
(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;エチレングリコール、メトキシテトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコールのモノ又はジ(メタ)アクリレート類;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノアルキル(メタ)アクリレート類;ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール、トリス−ヒドロキシエチルイソシアヌレート等の多価アルコール又はこれらのエチレンオキサイド若しくはプロピレンオキサイド付加物の多価(メタ)アクリレート類;フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリエトキシジ(メタ)アクリレート等のフェノール類のエチレンオキサイドあるいはプロピレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート類;グリセリンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート等のグリシジルエーテルの(メタ)アクリレート類;カプロラクトン変性トリス((メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート等のε−カプロラクトン変性(メタ)アクリレート類;メラミン(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらは単独又は2種以上を組合わせて使用することができる。
有機溶剤の具体例としては、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールジアルキルエーテル類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、石油ナフサ等が挙げられ、これらは単独または2種以上混合して使用することができる。
本発明の感光性熱硬化性樹脂組成物の必須成分である硬化剤(これを「(E)成分」という場合がある。)としては、通常エポキシ樹脂の硬化促進に使用される硬化剤(熱重合触媒)であればよく、特に制限されるものではない。この硬化剤(E)として用いることが可能なエポキシ樹脂硬化剤の具体例としては、2MZ、2E4MZ、C11Z、C17Z、2PZ、1B2MZ、2MZ−CN、2E4MZ−CN、C11Z−CN、2PZ−CN、2PHZ−CN、2MZ−CNS、2E4MZ−CNS、2PZ−CNS、2MZ−AZINE、2E4MZ−AZINE、C11Z−AZINE、2MA−OK、2P4MHZ、2PHZ、2P4BHZ(以上、四国化成工業株式会社製)等のイミダゾール誘導体;アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等のグアナミン類;ジアミノジフェニルメタン、m−フェニレンジアミン、m−キシレンジアミン、ジアミノジフェニルスルフォン、ジシアンジアミド、尿素、尿素誘導体、メラミン、多塩基ヒドラジド等のポリアミン類;前記ポリアミン類の有機酸塩及び/又はエポキシアダクト;三フッ化ホウ素のアミン錯体;エチルジアミノ−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−キシリル−S−トリアジン等のトリアジン誘導体類;トリメチルアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルオクチルアミン、N−ベンジルジメチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、ヘキサ(N−メチル)メラミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノフェノール)、テトラメチルグアニジン、m−アミノフェノール等の三級アミン類;ポリビニルフェノール、ポリビニルフェノール臭素化物、フェノールノボラック、アルキルフェノールノボラック等のポリフェノール類;ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、フェニルトリブチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩類;多塩基酸無水物;ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート;トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、イルガキュア−261(チバ・ガイギー社製)、オプトマ−SP−170(旭電化株式会社製)等の光カチオン重合触媒;スチレン−無水マレイン酸樹脂;フェニルイソシアネートとジメチルアミンの等モル反応物や、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の有機ポリイソシアネートとジメチルアミンの等モル反応物等の公知慣用の硬化剤、硬化促進剤を単独又は2種以上混合して使用することができる。
さらに本発明の感光性熱硬化性樹脂組成物は、必須成分として水酸化アルミニウム(これを「(F)成分」という場合がある。)を含有する。
そして本発明の感光性熱硬化性樹脂組成物において、(B)成分と(F)成分の量は、必要とする難燃性により添加量を調整する。
具体的には、前記(B)成分(DOPO)の含有量は、前記(A)〜(E)成分からなる樹脂組成分中の(B)成分に由来するリン含有量が1〜2.5質量%となるようにする。この(B)成分に由来するリン含有量が1質量%未満であると、ソルダーレジスト(SR)としての密着性や耐折性が得られず、(B)成分に由来するリン含有量が2.5質量%を超えると、現像性を低下させる。
さらに、前記(F)成分(水酸化アルミニウム)の含有量は、前記(A)〜(E)成分からなる樹脂組成分100質量部に対して65〜80質量部とする。(F)成分の含有量が樹脂組成分100質量部に対して65質量部未満であると、UL試験におけるV−0相当の難燃効果が得られない。また、(F)成分の含有量が樹脂組成分100質量部に対して80質量部を超えると、膜の密着性を低下させ、耐折性を悪化させる。
さらに、本発明の感光性熱硬化性樹脂組成物は、(A)〜(E)の成分からなるベースの樹脂組成分及び(F)成分のほかに、任意成分として、着色剤、流動調整剤としての界面活性剤、その他、重合禁止剤、増粘剤、消泡剤、レベリング剤、密着性付与剤などを、本発明の効果を損なわない範囲で適宜添加することができる。
熱重合禁止剤としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、tert−ブチルカテコール、ピロガロール、フェノチアジン等が挙げられる。増粘剤としては、アスベスト、オルベン、ベントン、モンモリロナイト等が挙げられる。消泡剤は、印刷、塗工時および硬化時に生じる泡を消すために用いられ、具体的には、アクリル系、シリコン系等の界面活性剤が挙げられる。レベリング剤は、印刷、塗工時に生じる皮膜表面の凹凸を失くすために用いられ、具体的には、アクリル系、シリコン系等の界面活性剤が挙げられる。密着性付与剤としては、イミダゾール系、チアゾール系、トリアゾール系、シランカップリング剤等が挙げられる。
本発明の感光性熱硬化性樹脂組成物は、上記の各成分を通常の方法で混合することによって製造することができる。混合の方法には特に制限はなく、一部の成分を混合してから残りの成分を混合してもよく、または、すべての成分を一括で混合してもよい。具体的には、上記した各成分を混合した後、溶融混練することが好ましく、たとえばバンバリーミキサー、ニーダー、ロール、単軸もしくは二軸の押出機およびコニーダーなどの公知の混練方法を用いて溶融混練することにより製造される。溶融温度としては60〜130℃の範囲が好ましい。
本発明の感光性熱硬化性樹脂組成物は、基板や基材などの上に適当な厚みで塗布し、熱処理して乾燥し、その後、露光、現像、熱硬化して硬化させることにより、絶縁保護皮膜とすることができる。本発明の感光性熱硬化性樹脂組成物は、様々な用途に使用できる。
絶縁保護被膜を形成する場合には、導電体によって回路が形成された基板上に10μm〜50μmの厚みで感光性熱硬化性樹脂組成物を塗布した後、60℃〜100℃の温度範囲で5〜30分間程度で熱処理して乾燥し、5〜40μmの厚みとした後、所望の露光パターンが施されたネガマスクを介して露光し、未露光部分を現像液で除去して現像し、100℃〜180℃の温度範囲で10〜40分間程度熱硬化して硬化させる方法が挙げられる。本発明の感光性熱硬化性樹脂組成物は、難燃性のみならず、耐折性、現像性に優れるため、FPC基板の絶縁保護被膜に用いるのに特に適している。また、例えば、多層プリント配線基板の層間の絶縁樹脂層として使用してもよい。
露光に用いられる活性光は、公知の活性光源、例えば、カーボンアーク、水銀蒸気アーク、キセノンアーク等から発生する活性光が用いられる。感光層に含まれる光重合開始剤(C)の感受性は、通常、紫外線領域において最大であるので、その場合は活性光源は紫外線を有効に放射するものが好ましい。もちろん、光重合開始剤(C)が可視光線に感受するもの、例えば、9,10−フェナンスレンキノン等である場合には、活性光としては可視光が用いられ、その光源としては前記活性光源以外に写真用フラッド電球、太陽ランプなども用いられる。
現像液には、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、アミン類などのアルカリ水溶液を使用することができる。
本発明の感光性熱硬化性樹脂組成物は、感光性ドライフィルムの感光層に使用することもできる。感光性ドライフィルムは、重合体フィルムなどからなる支持体上に、感光性熱硬化性樹脂組成物からなる感光層を有するものである。感光層の厚みは10〜70μmが好ましい。支持体に使用される重合体フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、脂肪族ポリエステル等のポリエステル樹脂、ポリプロピレン、低密度ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂からなるフィルム等を例示でき、これらのうち、ポリエステルおよび低密度ポリエチレンからなるフィルムが好ましい。また、これらの重合体フィルムは、後に感光層から除去する必要があるため、感光層から容易に除去可能であることが好ましい。これらの重合体フィルムの厚さは、通常5〜100μm、好ましくは10〜30μmである。
感光性ドライフィルムは、感光性熱硬化性樹脂組成物を支持体上に塗布し乾燥する感光層形成工程により製造できる。また、形成された感光層上に、カバーフィルムを設けることにより、支持体、感光層、カバーフィルムが順次積層され、感光層の両面にフィルムを有する感光性ドライフィルムを製造することもできる。カバーフィルムは感光性ドライフィルムの使用時には剥がされるが、使用時までの間に感光層上にカバーフィルムが設けられることにより、感光層を保護でき、ポットライフに優れた感光性ドライフィルムとなる。カバーフィルムとしては、上述した支持体に使用される重合体フィルムと同様のものを使用でき、カバーフィルムと支持体とは、同じ材料であっても異なる材料であってもよく、また、厚みも同じであっても異なっていてもよい。
感光性ドライフィルムを使用して、プリント配線基板に絶縁保護被膜を形成するためには、まず、感光性ドライフィルムの感光層と基板とを貼合する貼合工程を行う。ここで、カバーフィルムが設けられている感光性ドライフィルムを使用する場合には、カバーフィルムを剥がして感光層を露出させてから基板に接触させる。そして、感光層と基板とを加圧ローラなどで40〜120℃程度で熱圧着して、基板上に感光層を積層する。
そして、感光層を所望の露光パターンが施されたネガマスクを介して露光する露光工程と、感光層から支持体を剥離する工程と、現像液で未露光部分を除去し現像する現像工程と、感光層を熱硬化させる熱硬化工程を行うことによって、基板の表面に絶縁保護被膜が設けられたプリント配線基板を製造できる。また、このような感光性ドライフィルムを使用して、多層プリント配線基板の層間に絶縁樹脂層を形成してもよい。なお、露光に用いられる活性光および現像液には、上述したものを同様に使用できる。
本発明の感光性熱硬化性樹脂組成物を使用すると、難燃剤を含み優れた難燃性を有するにもかかわらず、外観が美しく、180°の折り曲げに耐え得る高い可撓性が保たれ、また感光性や現像性に優れ、さらに耐熱性、電気絶縁性、配線基板に対する密着性などの性能を満足する絶縁硬化皮膜を形成することができる。そして、本発明の絶縁硬化皮膜は、特に、耐折性、難燃性、可撓性、電気絶縁性、外観に優れる。よって、FPC基板のような薄いプリント配線板に使用した場合でも、180°の折り曲げに耐えることが可能でありカールが生じず、電気的性能や取り扱い性にも優れるため、プリント配線板の絶縁保護皮膜として好適である。
(使用材料)
(A)成分としては、ビスフェノールF型エポキシアクリレート KARAYAD ZFR−1122(商品名、日本化薬株式会社製)を用いた。
(B)成分としては、下記のDOPOの合成方法に従って合成したものを使用した。
(C)成分としては、IRUGACURE 907(商品名、チバスペシャリティーケミカルズ製)とKAYACURE DETX−S(商品名、日本化薬株式会社製)を併用して用いた。
(D)成分としては、アクリレートモノマー KARAYAD DPCA120(商品名、日本化薬株式会社製)を用いた。
(E)成分としては、C11Z−CN(商品名、四国化成工業株式会社製)を用いた。
(F)成分としては、ハイジライトH−42S(商品名、昭和興産株式会社製)を用いた。
比較例1で用いたエポキシ樹脂は、NC−3000H(商品名、日本化薬株式会社製)である。比較例1で用いた縮合リン酸エステル(以下、(X)成分という。)は、CR−741(商品名、大八化学工業株式会社製)である。
(DOPOの合成方法)
撹拌装置、温度計、冷却管を備えた四つ口のガラス製セパラブルフラスコに、10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−10−ハイドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド(HCA−HQ)を64.9部、エピクロロヒドリン(ECH)200部、テトラブチルアンモニウムクロリド10部を仕込み、撹拌を行った。撹拌して4時間後、反応系の温度を85℃に昇温し、50%水酸化ナトリウム水溶液32部を1時間かけて連続的に添加した。その後で引き続き1時間加熱撹拌を行い、リン含有量6.7%のリン含有エポキシ樹脂を合成した。
(試料作製)
上記の材料を表1に示す配合によりミキサーを用いて混合し、各実施例および比較例に係る感光性熱硬化性樹脂組成物を調製した。この配合比において各成分の質量部の基準は、(A)+(B)+(C)+(D)+(E)の合計(ベースとなる樹脂組成分の配合)を100質量部としている。
Figure 2007147721
得られた感光性熱硬化性樹脂組成物を用いて、プリント配線板用の基材(東レデュポン株式会社製ポリイミド、商品名KAPTON100V、膜厚25μm)の両面に膜厚25μmの絶縁保護皮膜を形成した。絶縁保護皮膜の形成は、感光性熱硬化性樹脂組成物を基材に片面ずつ塗工、硬化する方法とした。ソルダーレジスト組成物の硬化条件は、プレキュア(75℃、25min)→露光(UV照射、300mJ/cm)→ポストキュア(150℃、15min)を順次行う方法とした。
(試料の評価方法)
難燃性は、燃焼特性は米国のUnderwriters Laboratories Inc.(ULと略す)の高分子材料の難燃性試験規格94ULのV試験に準拠した方法で評価した。V−0レベルに合格するか否かは、ASTM D 3801、IEC 707、またはISO 1210に準拠し、TEST FOR FLAMMABILITY OF PLASTIC MATERIALS−UL94(JULY 29, 1997)に記載された20mm垂直燃焼試験に従って行い、前記文献に記載された分類にしたがって評価した。
はんだ耐熱性は、JIS C 6481に準拠した方法で行い、CCLの銅箔上にスクリーン印刷で膜厚25μmとなるように感光性熱硬化性樹脂組成物の塗膜を製膜したのち皮膜を硬化させることで試料を作製し、この試料を280℃のはんだ浴に浮かべて10秒後に硬化皮膜の剥がれが認められないものを合格とした。表1には合格を○、不合格を×で示した。
表面ブリードは、完全硬化後、エタノールで皮膜の表面を拭き、色がつかないものを合格とした。表1には合格を○、不合格を×で示した。
耐折性は、膜厚25μm、長さ125mm、幅13mmの両面に感光性熱硬化性樹脂組成物の塗膜を製膜し、皮膜を硬化させた後、試料を180°の角度で一回2つ折りに折り曲げ、曲げを戻した後に硬化皮膜が基材PIから剥がれないものを合格とした。表1には合格を○、不合格を×で示した。
(評価結果)
以上の評価の結果を表1に示す。
実施例1〜4により作製した絶縁保護皮膜は、UL規格を満足する高い難燃性と、はんだ耐熱性、耐折性、高温信頼性などにも優れるものであった。
これに対して比較例1により作製した絶縁保護皮膜は難燃性、耐熱性、耐ブリードアウト性に劣り、比較例2により作製した絶縁保護皮膜は難燃性及び耐折性に劣り、比較例3により作製した絶縁保護皮膜は難燃性に劣り、比較例4により作製した絶縁保護皮膜は耐折性に劣るという結果になった。
本発明は、種々の電子機器や電気機器等に用いられるプリント配線板の保護皮膜を形成するため好適に用いることができる。

Claims (2)

  1. (A)カルボキシ変性エポキシ(メタ)アクリレート樹脂と、(B)6−H−ジベンゾ[c,e][1,2]オキサホスホリン−6−[2,5−ビス(オキシラニルメトキシ)フェニル]−6−オキサイドと、(C)光重合開始剤と、(D)希釈剤と、(E)硬化剤と、(F)水酸化アルミニウムを含有し、
    前記(B)成分は、前記(A)〜(E)成分からなる樹脂組成分中のリン含有量が1〜2.5質量%となるよう含まれており、かつ前記(F)成分は、前記(A)〜(E)成分からなる樹脂組成分100質量部に対して65〜80質量部含まれていることを特徴とする感光性熱硬化性樹脂組成物。
  2. 請求項1に記載の感光性熱硬化性樹脂組成物を硬化させてなる絶縁保護皮膜。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103034052A (zh) * 2011-09-30 2013-04-10 太阳油墨制造株式会社 感光性树脂组合物、其固化皮膜和印刷电路板

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