JP2007147244A - 冷凍装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】単段圧縮冷凍サイクル中に停止する圧縮機へ冷媒が溜まり込むのを防止し、この圧縮機を起動して二段圧縮冷凍サイクルを再開する際のトラブルを未然に防止する。
【解決手段】冷凍装置において、二段圧縮動作から単段圧縮動作へ切り換わる際には、コントローラ(70)が冷媒排出動作を行う。冷媒排出動作中において、三方弁(32)は、その第2ポートが第3ポートから遮断された状態に設定される。また、オプション側膨張弁(34)は、全閉状態に設定される。冷媒排出動作では、この状態で高段側圧縮機(31)を運転する。高段側圧縮機(31)は、その吸入側や気液分離器(33)に残存する冷媒を吸い込む。これにより、高段側圧縮機(31)の吸入側や気液分離器(33)から冷媒が排出される。この結果、停止中の高段側圧縮機(31)の冷凍機油に多量の冷媒が溶け込むといった事態は回避される。
【選択図】図5

Description

本発明は、二段圧縮冷凍サイクルと単段圧縮冷凍サイクルが切り換え可能な冷凍装置に関するものである。
従来より、二段圧縮冷凍サイクルと単段圧縮冷凍サイクルが切り換え可能な冷凍装置が知られている。例えば、特許文献1には、この種の冷凍装置によって構成された空気調和装置が開示されている。この特許文献1の空気調和装置は、その暖房運転中において、外気温が比較的低い場合(例えば0℃を下回る場合)には二段圧縮冷凍サイクルを行い、外気温がさほど低くない場合には単段圧縮冷凍サイクルを行う。また、冷房運転中において、この空気調和装置は、単段圧縮冷凍サイクルを行う。
また、上記特許文献1の空気調和装置は、中間圧冷媒の気液分離器を備えている。そして、二段圧縮冷凍サイクルを行う際には、気液分離器で分離された中間圧のガス冷媒を低段側圧縮機の吐出冷媒と共に高段側圧縮機へ吸入させることで、いわゆるエコノマイザ効果を得るようにしている。つまり、気液分離器からの飽和状態のガス冷媒を混入することで高段側圧縮機へ吸入される冷媒の過熱度を低下させ、それによって高段側圧縮機への入力の削減を図っている。
特開2001−235245号公報
ここで、特許文献1に開示されているような冷凍装置において、二段圧縮冷凍サイクルから単段圧縮冷凍サイクルへの切り換えが行われると、二段圧縮冷凍サイクル中には冷媒が流通していた高段側圧縮機やその吸入側が冷媒の循環経路から遮断されることになり、これらの部分に冷媒が閉じ込められた状態となる。高段側圧縮機やその吸入側に多量の冷媒が存在すると、これらの冷媒が停止中の高段側圧縮機へ侵入し、高段側圧縮機内の冷凍機油に溶解してしまうおそれがある。そして、冷凍機油に比較的多量の冷媒が溶け込んだ状態で高段側圧縮機を起動すると、冷凍機油に溶け込んでいた冷媒がガス化して冷凍機油が泡立ってしまう現象(いわゆるフォーミング現象)が生じてしまい、高段側圧縮機が潤滑不良に陥って焼き付き等のトラブルの原因になるおそれがある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、単段圧縮冷凍サイクル中に停止する圧縮機へ冷媒が溜まり込むのを防止し、この圧縮機を起動して二段圧縮冷凍サイクルを再開する際のトラブルを未然に防止することにある。
第1の発明は、第1圧縮機(21)と第2圧縮機(31)と中間圧冷媒の気液分離器(33)とが接続された冷媒回路(15)を備え、上記冷媒回路(15)では、上記第1圧縮機(21)の吐出冷媒と上記気液分離器(33)からの中間圧のガス冷媒とを上記第2圧縮機(31)へ吸入させて二段圧縮二段膨張冷凍サイクルを行う二段圧縮動作と、上記第2圧縮機(31)を停止させて上記第1圧縮機(21)だけで冷媒を圧縮して単段圧縮冷凍サイクルを行う単段圧縮動作とが切り換え可能となっている冷凍装置を対象としている。そして、上記冷媒回路(15)のうち上記単段圧縮動作中に冷媒が循環する部分から上記第2圧縮機(31)の吸入側を遮断する遮断状態に設定可能な遮断機構(50)と、上記二段圧縮動作から上記単段圧縮動作への切り換え時に、上記遮断機構(50)を遮断状態に設定して上記第2圧縮機(31)を運転することによって該第2圧縮機(31)の吸入側から冷媒を排出する冷媒排出動作を行う制御手段(90)とを備えるものである。
第1の発明では、冷凍装置(10)が二段圧縮動作と単段圧縮動作が切り換え可能に構成される。二段圧縮動作中の冷媒回路(15)では、第1圧縮機(21)と第2圧縮機(31)で冷媒を順に圧縮すると共に、気液分離器(33)の上流と下流のそれぞれにおいて冷媒を二段階に膨張させる二段圧縮二段膨張冷凍サイクルが行われる。一方、単段圧縮動作中の冷媒回路(15)では、第2圧縮機(31)が停止して第1圧縮機(21)だけが運転され、第1圧縮機(21)だけで冷媒を圧縮する単段圧縮冷凍サイクルが行われる。この単段圧縮動作中において、遮断機構(50)は、遮断状態に設定され、冷媒回路(15)のうち上記単段圧縮動作中に冷媒が循環する部分から上記第2圧縮機(31)の吸入側を遮断する。
この発明において、二段圧縮動作から単段圧縮動作へ切り換わる際には、制御手段(90)によって冷媒排出動作が行われる。冷媒排出動作中には、遮断機構(50)が遮断状態に設定され、上記冷媒回路(15)のうち上記単段圧縮動作中に冷媒が循環する部分から上記第2圧縮機(31)の吸入側が遮断される。冷媒排出動作中には、この状態で第2圧縮機(31)が運転される。第2圧縮機(31)は、その吸入側に残存する冷媒を吸い込んで圧縮し、その吐出側へ圧縮した冷媒を吐出する。従って、冷媒排出動作中には、上記第2圧縮機(31)の吸入側から冷媒が排出されてゆく。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記気液分離器(33)は、分離されたガス冷媒の流出側が上記第2圧縮機(31)の吸入側と常に連通状態になる一方、上記遮断機構(50)は、その遮断状態において、上記第2圧縮機(31)の吸入側と上記気液分離器(33)の両方を上記冷媒回路(15)のうち上記単段圧縮動作中に冷媒が循環する部分から遮断するように構成されるものである。
第2の発明において、遮断状態の遮断機構(50)は、第2圧縮機(31)の吸入側と気液分離器(33)の両方を、冷媒回路(15)のうち単段圧縮動作中に冷媒が循環する部分から遮断する。遮断機構(50)が遮断状態になっていても、気液分離器(33)は第2圧縮機(31)の吸入側と連通したままになっている。冷媒排出動作中において、第2圧縮機(31)は、その吸入側だけでなく、気液分離器(33)からもガス冷媒を吸い込む。従って、この発明の冷媒排出動作中には、第2圧縮機(31)によって気液分離器(33)からも残存する冷媒が排出されてゆく。
第3の発明は、上記第1又は第2の発明において、上記制御手段(90)は、冷媒排出動作中における第2圧縮機(31)の吸入圧力が所定値以下になると冷媒排出動作を終了させるように構成されるものである。
第3の発明では、制御手段(90)が第2圧縮機(31)の吸入圧力に基づいて冷媒排出動作の終了を判断する。冷媒排出動作中に第2圧縮機(31)の吸入側に残存する冷媒が少なくなってくると、それに伴って第2圧縮機(31)が吸入する冷媒の圧力(即ち、吸入圧力)が次第に低下してゆく。そこで、制御手段(90)は、第2圧縮機(31)の吸入圧力が基準値以下になると、第2圧縮機(31)の吸入側に残存する冷媒の量が充分に少なくなったと判断し、冷媒排出動作を終了させる。
第4の発明は、上記第1又は第2の発明において、上記制御手段(90)は、冷媒排出動作中における第2圧縮機(31)の吐出温度が所定値以上になると冷媒排出動作を終了させるように構成されるものである。
第4の発明では、制御手段(90)が第2圧縮機(31)の吐出温度に基づいて冷媒排出動作の終了を判断する。ここで、冷媒排出動作中に第2圧縮機(31)の吸入側に残存する冷媒が少なくなってくると、第2圧縮機(31)が吸入する冷媒の圧力(即ち、吸入圧力)が次第に低下してゆき、それに伴って第2圧縮機(31)が吸入する冷媒の密度が小さくなるため、単位時間あたりに第2圧縮機(31)を通過する冷媒の質量も少なくなってゆく。そして、単位時間あたりに第2圧縮機(31)の圧縮過程において冷媒に加えられる熱量はほぼ同じであるため、第2圧縮機(31)を通過する冷媒の質量流量が少なくなると、それに伴って第2圧縮機(31)の圧縮過程における冷媒の温度上昇幅が大きくなり、その結果、第2圧縮機(31)が吐出する冷媒の温度(即ち、吐出温度)が上昇してゆく。そこで、制御手段(90)は、第2圧縮機(31)の吐出温度が基準値以上になると、第2圧縮機(31)の吸入側に残存する冷媒の量が充分に少なくなったと判断し、冷媒排出動作を終了させる。
本発明では、二段圧縮動作の終了後に冷媒排出動作を行うことで、第2圧縮機(31)の吸入側から残存する冷媒を排出している。このため、単段圧縮動作が行われていて第2圧縮機(31)が停止している間も、第2圧縮機(31)内の冷凍機油に多量の冷媒が溶解してしまうのを防止できる。従って、本発明によれば、第2圧縮機(31)を起動して二段圧縮動作を再開した時に第2圧縮機(31)内でフォーミング現象が生じるのを防止でき、フォーミング現象による潤滑不良に起因した焼き付き等のトラブルを未然に防止することができる。
また、上記第2の発明では、第2圧縮機(31)の吸入側と常に連通している気液分離器(33)に溜まり込んだ冷媒も、冷媒排出動作を行うことによって気液分離器(33)から排出できる。従って、停止中の第2圧縮機(31)に気液分離器(33)内の冷媒が侵入するのを防止でき、その後に第2圧縮機(31)を起動する際にフォーミング現象が発生するのを確実に防止できる。
また、上記第3,第4の発明によれば、第2圧縮機(31)の吸入圧力や吐出温度を監視することで、第2圧縮機(31)の吸入側に残存する冷媒が充分に削減されたことを確実に判断することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本実施形態の冷凍装置は、冷房運転と暖房運転とが可能なヒートポンプ式の空気調和装置(10)を構成している。
図1に示すように、この空気調和装置(10)は、室外に設置される室外ユニット(20)と、増設用のユニットを構成するオプションユニット(30)と、室内に設置される室内ユニット(40)とを備えている。上記室外ユニット(20)は、第1連絡配管(11)及び第2連絡配管(12)を介してオプションユニット(30)と接続している。また、室内ユニット(40)は、第3連絡配管(13)及び第4連絡配管(14)を介してオプションユニット(30)と接続している。その結果、この空気調和装置(10)では、冷媒が循環して蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われる冷媒回路(15)が構成されている。
なお、オプションユニット(30)は、既設のセパレート型の空気調和装置にも適用可能なパワーアップユニットを構成している。例えば、既設の空気調和装置が室外ユニット(20)と室内ユニット(40)とから成る冷媒回路で単段圧縮冷凍サイクルが行うものであっても、これら室外ユニット(20)及び室内ユニット(40)の間にオプションユニット(30)を接続することにより、この空気調和装置(10)の冷媒回路(15)で二段圧縮二段膨張冷凍サイクルが可能となる。
〈室外ユニット〉
上記室外ユニット(20)には、第1圧縮機である低段側圧縮機(21)と、熱源側熱交換器である室外熱交換器(22)と、室外側膨張弁(25)と、四路切換弁(23)とが設けられている。
上記低段側圧縮機(21)は、全密閉型のスクロール圧縮機で構成されている。上記室外熱交換器(22)は、いわゆるクロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器で構成されている。図示しないが、室外熱交換器(22)の近傍には、室外ファンが設置されている。室外ファンは、室外熱交換器(22)へ室外空気を送風する。上記室外側膨張弁(25)は、開度可変の電子膨張弁で構成されている。
上記四路切換弁(23)には、4つのポートが設けられている。四路切換弁(23)では、第1ポートが低段側圧縮機(21)の吐出管(21a)に、第2ポートが低段側圧縮機(21)の吸入管(21b)にそれぞれ接続されている。また、四路切換弁(23)では、第3ポートが室外熱交換器(22)及び室外側膨張弁(25)を介して第2連絡配管(12)に、第4ポートが第1連絡配管(11)にそれぞれ接続されている。この四路切換弁(23)は、第1ポートと第3ポートが連通して第2ポートと第4ポートが連通する第1状態(図1に実線で示す状態)と、第1ポートと第4ポートが連通して第2ポートと第3ポートが連通する第2状態(図1に破線で示す状態)とに切り換え可能となっている。
〈オプションユニット〉
上記オプションユニット(30)には、第2圧縮機である高段側圧縮機(31)と、三方弁(32)と、気液分離器(33)と、オプション側膨張弁(34)とが設けられている。上記高段側圧縮機(31)は、全密閉型のスクロール圧縮機で構成されている。
更に、上記オプションユニット(30)には、主配管(35)が設けられている。この主配管(35)は、その一端が第2連絡配管(12)に、他端が第4連絡配管(14)にそれぞれ接続されている。主配管(35)には、電磁弁(SV)が設けられている。
上記気液分離器(33)は、気液二相状態の冷媒を液冷媒とガス冷媒とに分離するものである。具体的に、気液分離器(33)は、縦長の円筒状に形成された密閉容器で構成されている。気液分離器(33)には、液流入管(33a)と液流出管(33b)が接続されている。液流入管(33a)と液流出管(33b)は、共に気液分離器(33)の胴部を貫通している。気液分離器(33)の内部空間では、その上部に液流入管(33a)の一端が、その下部に液流出管(33b)の一端がそれぞれ開口している。また、気液分離器(33)には、ガス流出管(33c)が接続されている。ガス流出管(33c)は、気液分離器(33)の頂部を貫通しており、その一端が気液分離器(33)の内部の上端付近に開口している。
上記液流入管(33a)の他端と液流出管(33b)の他端は、それぞれ主配管(35)に接続されている。主配管(35)では、電磁弁(SV)よりも第4連絡配管(14)側の部分に液流入管(33a)が、電磁弁(SV)よりも第2連絡配管(12)側の部分に液流出管(33b)がそれぞれ接続されている。また、ガス流出管(33c)の他端は、高段側圧縮機(31)の吸入管(31b)に接続されている。つまり、気液分離器(33)からガス冷媒を導出するためのガス流出管(33c)は、吸入管(31b)を介して高段側圧縮機(31)の吸入側と常に連通した状態になっている。
上記液流入管(33a)には、上記オプション側膨張弁(34)が配置されている。このオプション側膨張弁(34)は、開度可変の電子膨張弁で構成されている。一方、液流出管(33b)には、第1逆止弁(CV-1)が設けられている。この第1逆止弁(CV-1)は、気液分離器(33)から主配管(35)へ向かう方向の冷媒流通だけを許容する。
上記三方弁(32)には、3つのポートが設けられている。三方弁(32)では、第1ポートが第3連絡配管(13)に、第2ポートが高段側圧縮機(31)の吸入管(31b)に、第3ポートが第1連絡配管(11)にそれぞれ接続されている。この三方弁(32)は、第3ポートが第1ポートと連通して第2ポートから遮断される第1状態(図1に実線で示す状態)と、第3ポートが第2ポートと連通して第1ポートから遮断される第2状態(図1に破線で示す状態)とに切り換え可能となっている。
上記高段側圧縮機(31)の吐出管(31a)は、三方弁(32)の第1ポートと第3連絡配管(13)を繋ぐ配管に接続されている。この吐出管(31a)には、第2逆止弁(CV-2)が設けられている。第2逆止弁(CV-2)は高段側圧縮機(31)から吐出される方向の冷媒流通だけを許容する。
上記オプションユニット(30)において、三方弁(32)と電磁弁(SV)とオプション側膨張弁(34)と第1逆止弁(CV-1)とは、二段圧縮動作と単段圧縮動作が相互に切り換わるように冷媒回路(15)での冷媒の循環経路を切り換える切換機構を構成している。また、三方弁(32)とオプション側膨張弁(34)と第1逆止弁(CV-1)とは、冷媒回路(15)のうち単段圧縮動作中に冷媒が流れる部分から高段側圧縮機(31)の吸入側と気液分離器(33)とを遮断する遮断機構(50)を構成している。なお、二段圧縮動作と単段圧縮動作については後述する。
〈室内ユニット〉
室内ユニット(40)には、利用側熱交換器である室内熱交換器(41)と、室内側膨張弁(42)とが設けられている。室内熱交換器(41)は、クロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器で構成されている。図示しないが、室内熱交換器(41)の近傍には、室内ファンが設置されている。室内ファンは、室内熱交換器(41)へ室内空気を送風する。上記室内側膨張弁(42)は、開度可変の電子膨張弁で構成されている。
〈コントローラ〉
本実施形態の空気調和装置(10)は、コントローラ(70)を備えている。このコントローラ(70)は、二段圧縮動作から単段圧縮動作へ切り換わる際に所定の冷媒排出動作を行う制御手段を構成している。
上記コントローラ(70)には、高段側圧縮機(31)の吸入圧力の実測値が入力されている。そして、コントローラ(70)は、冷媒排出動作中に高段側圧縮機(31)の吸入圧力が所定の基準値以下になると、冷媒排出動作を終了させるように構成されている。なお、コントローラ(70)が行う動作の詳細については後述する。
−運転動作−
上記空気調和装置(10)の運転動作について説明する。
〈冷房運転〉
冷房運転中の動作について、図2を参照しながら説明する。
冷房運転中には、単段圧縮動作が行われる。この冷房運転では、四路切換弁(23)と三方弁(32)がそれぞれ第1状態に設定され、電磁弁(SV)が開かれる。また、室外側膨張弁(25)全開状態に、オプション側膨張弁(34)が全閉状態にそれぞれ設定される一方、室内側膨張弁(42)の開度が運転条件に応じて適宜調節される。更に、この冷房運転では、低段側圧縮機(21)だけが運転され、高段側圧縮機(31)は停止状態となる。そして、冷媒回路(15)では、低段側圧縮機(21)だけで冷媒を圧縮する単段圧縮冷凍サイクルが行われる。
低段側圧縮機(21)から吐出された冷媒は、室外熱交換器(22)へ送られ、室外空気へ放熱して凝縮する。室外熱交換器(22)で凝縮した冷媒は、オプションユニット(30)の主配管(35)を通って室内ユニット(40)へ送られる。室内ユニット(40)に流入した冷媒は、室内側膨張弁(42)を通過する際に低圧まで減圧される。減圧後の低圧冷媒は、室内熱交換器(41)へ送られ、室内空気から吸熱して蒸発する。室内熱交換器(41)では室内空気が冷却され、冷却された室内空気が室内へ送り返される。室内熱交換器(41)で蒸発した冷媒は、オプションユニット(30)の三方弁(32)を通過して室外ユニット(20)へ送られ、低段側圧縮機(21)へ吸入されて圧縮される。
〈第1暖房運転〉
第1暖房運転中の動作について、図3を参照しながら説明する。
第1暖房運転中には、単段圧縮動作が行われる。この第1暖房運転では、四路切換弁(23)が第2状態に、三方弁(32)が第1状態にそれぞれ設定され、電磁弁(SV)が開かれる。また、室内側膨張弁(42)が全開状態に、オプション側膨張弁(34)が全閉状態にそれぞれ設定される一方、室外側膨張弁(25)の開度が運転条件に応じて適宜調節される。更に、この第1暖房運転では、低段側圧縮機(21)だけが運転され、高段側圧縮機(31)は停止状態となる。そして、冷媒回路(15)では、低段側圧縮機(21)だけで冷媒を圧縮する単段圧縮冷凍サイクルが行われる。
低段側圧縮機(21)から吐出された冷媒は、オプションユニット(30)の三方弁(32)を通過して室内ユニット(40)へ送られる。室内ユニット(40)に流入した冷媒は、室内熱交換器(41)で室内空気へ放熱して凝縮する。室内熱交換器(41)では室内空気が加熱され、加熱された室内空気が室内へ送り返される。室内熱交換器(41)で凝縮した冷媒は、オプションユニット(30)の主配管(35)を通って室外ユニット(20)へ送られる。室外ユニット(20)に流入した冷媒は、室外側膨張弁(25)を通過する際に減圧され、その後に室外熱交換器(22)で室外空気から吸熱して蒸発する。室外熱交換器(22)で蒸発した冷媒は、低段側圧縮機(21)へ吸入されて圧縮される。
〈第2暖房運転〉
第2暖房運転中の動作について、図4を参照しながら説明する。
第2暖房運転中には、二段圧縮動作が行われる。この第2暖房運転では、四路切換弁(23)及び三方弁(32)が第2状態に設定され、電磁弁(SV)が閉じられる。また、室内側膨張弁(42)が全開状態に設定され、オプション側膨張弁(34)及び室外側膨張弁(25)の開度が運転条件に応じて適宜調節される。更に、この第2暖房運転では、低段側圧縮機(21)と高段側圧縮機(31)の両方が運転される。そして、冷媒回路(15)では、低段側圧縮機(21)と高段側圧縮機(31)で冷媒を順次圧縮すると共に、オプション側膨張弁(34)と室外側膨張弁(25)で冷媒を順次膨張させる二段圧縮二段膨張冷凍サイクルが行われる。
低段側圧縮機(21)から吐出された中間圧冷媒は、オプションユニット(30)の三方弁(32)と吸入管(33b)を順に通って高段側圧縮機(31)へ吸入される。また、気液分離器(33)の中間圧のガス冷媒も、ガス流出管(33c)と吸入管(33b)を順に通って高段側圧縮機(31)へ吸入される。高段側圧縮機(31)から吐出された高圧冷媒は、吐出管(31a)を通って室内ユニット(40)へ送られる。室内ユニット(40)に流入した高圧冷媒は、室内熱交換器(41)で室内空気へ放熱して凝縮する。室内熱交換器(41)では室内空気が加熱され、加熱された室内空気が室内へ送り返される。
室内熱交換器(41)で凝縮した冷媒は、オプションユニット(30)の液流入管(33a)へ流入し、オプション側膨張弁(34)で減圧されて中間圧となってから気液分離器(33)へ流入する。気液分離器(33)では、気液二相状態の中間圧冷媒がガス冷媒と液冷媒とに分離される。上述したように、気液分離器(33)で分離された飽和状態のガス冷媒は、高段側圧縮機(31)の吸入側へ送られる。一方、気液分離器(33)で分離された飽和状態の液冷媒は、液流出管(33b)を通って室外ユニット(20)へ送られる。室外ユニット(20)へ流入した中間圧の液冷媒は、室外側膨張弁(25)を通過するに減圧され、その後に室外熱交換器(22)で室外空気から吸熱して蒸発する。室外熱交換器(22)で蒸発した冷媒は、低段側圧縮機(21)に吸入されて圧縮される。
〈冷媒排出動作〉
上述したように、二段圧縮動作から単段圧縮動作へ切り換わる際には、コントローラ(70)によって冷媒排出動作が行われる。具体的に、この冷媒排出動作は、第2暖房運転から冷房運転や第1暖房運転への切り換え時に行われる。つまり、第2暖房運転から冷房運転や第1暖房運転へ切り換わる際には、第2暖房運転を一旦終了させてから冷媒排出動作が行われ、その後に冷房運転や第1暖房運転が開始される。
冷媒排出動作中において、コントローラ(70)は、三方弁(32)を第1状態に設定すると共にオプション側膨張弁(34)を全閉し、低段側圧縮機(21)を停止させて高段側圧縮機(31)だけを運転する。高段側圧縮機(31)の運転中は、第1逆止弁(CV-1)の高段側圧縮機(31)寄りが低圧となる。このため、第1逆止弁(CV-1)は、閉状態となる。
冷媒排出動作中において、高段側圧縮機(31)の吸入側と気液分離器(33)は、三方弁(32)とオプション側膨張弁(34)と第1逆止弁(CV-1)とによって、冷媒回路(15)のうち単段圧縮動作中に冷媒が流れる部分から遮断されている。この状態で高段側圧縮機(31)を運転すると、高段側圧縮機(31)は、その吸入管(31b)内に残存するガス冷媒や気液分離器(33)内のガス冷媒を吸入し、吸入したガス冷媒を圧縮して吐出管(31a)へ吐出する。高段側圧縮機(31)から吐出管(31a)へ吐出された冷媒は、第2逆止弁(CV-2)を通過し、冷媒回路(15)のうち単段圧縮動作中に冷媒が流れる部分へ送り出されてゆく。
気液分離器(33)からガス冷媒が高段側圧縮機(31)によって吸い出されると、気液分離器(33)の内圧が次第に低下し、気液分離器(33)内の液冷媒が蒸発してゆく。また、気液分離器(33)内の液冷媒の量が減少してくると、更には液流入管(33a)や液流出管(33b)に残存する液冷媒が気液分離器(33)内へ流入する。このように、冷媒排出動作中には、高段側圧縮機(31)の吸入側や気液分離器(33)などに残留する冷媒が、冷媒回路(15)のうち単段圧縮動作中に冷媒が流れる部分へと排出されてゆく。
冷媒排出動作中において、高段側圧縮機(31)の吸入側や気液分離器(33)などに残留する冷媒が減少してくると、高段側圧縮機(31)が吸入する冷媒の圧力(即ち、吸入圧力)が次第に低下してくる。そして、コントローラ(70)は、高段側圧縮機(31)の吸入圧力が所定の基準値(例えば0.2MPa)以下になると、高段側圧縮機(31)の吸入側や気液分離器(33)などに残留する冷媒の量が充分に少なくなったと判断し、高段側圧縮機(31)を停止させて冷媒排出動作を終了する。
−実施形態の効果−
本実施形態では、二段圧縮動作の終了後に冷媒排出動作を行うことで、高段側圧縮機(31)の吸入側から残存する冷媒を排出している。このため、単段圧縮動作中に高段側圧縮機(31)が停止している間も、高段側圧縮機(31)内の冷凍機油に多量の冷媒が溶解してしまうのを防止できる。従って、本実施形態によれば、高段側圧縮機(31)を起動して二段圧縮動作を再開した時に高段側圧縮機(31)内でフォーミング現象が生じるのを防止でき、フォーミング現象による潤滑不良に起因した焼き付き等のトラブルを未然に防止することができる。
また、本実施形態は、高段側圧縮機(31)の吸入側と常に連通している気液分離器(33)に溜まり込んだ冷媒も、冷媒排出動作を行うことによって気液分離器(33)から排出できる。従って、停止中の高段側圧縮機(31)に気液分離器(33)内の冷媒が侵入するのを防止でき、その後に高段側圧縮機(31)を起動する際にフォーミング現象が発生するのを確実に防止できる。
また、本実施形態によれば、高段側圧縮機(31)の吸入圧力を監視することで、高段側圧縮機(31)の吸入側に残存する冷媒が充分に削減されたことを確実に判断することができ、適切なタイミングで冷媒排出動作を終了させることができるる。
−実施形態の変形例1−
本実施形態において、コントローラ(70)は、高段側圧縮機(31)が吐出した冷媒の温度(即ち、吐出温度)に基づいて冷媒排出動作の終了を判断するように構成されていてもよい。
具体的に、本変形例のコントローラ(70)は、高段側圧縮機(31)の吐出温度が所定の基準値(例えば60℃)以上になると、冷媒排出動作を終了させるように構成されていてもよい。
ここで、高段側圧縮機(31)の吸入側や気液分離器(33)などに残留する冷媒の量が減少してくると、冷媒排出動作中の高段側圧縮機(31)が吸入する冷媒の圧力(即ち、吸入圧力)が次第に低下してゆき、それに伴って高段側圧縮機(31)が吸入する冷媒の密度が小さくなるため、単位時間あたりに高段側圧縮機(31)を通過する冷媒の質量も少なくなってゆく。そして、単位時間あたりに高段側圧縮機(31)の圧縮過程において冷媒に加えられる熱量はほぼ同じであるため、高段側圧縮機(31)を通過する冷媒の質量流量が少なくなると、それに伴って高段側圧縮機(31)の圧縮過程における冷媒の温度上昇幅が大きくなり、その結果、高段側圧縮機(31)が吐出する冷媒の温度(即ち、吐出温度)が上昇してゆく。
そこで、このコントローラ(70)は、高段側圧縮機(31)の吐出温度が基準値以上になると、高段側圧縮機(31)の吸入側や気液分離器(33)などに残留する冷媒の量が充分に少なくなったと判断し、高段側圧縮機(31)を停止させて冷媒排出動作を終了させる。
−実施形態の変形例2−
上記実施形態では、本発明に係る冷凍装置によって空気調和装置を構成しているが、水の冷却や加熱を行う冷温水装置を本発明に係る冷凍装置によって構成してもよい。その場合、冷媒回路(15)では、利用側熱交換器として例えばプレート式熱交換器が設けられる。そして、このプレート式熱交換器では、冷媒との熱交換によって水の加熱や冷却が行われる。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、二段圧縮冷凍サイクルと単段圧縮冷凍サイクルが切り換え可能な冷凍装置について有用である。
空気調和装置の構成を示す冷媒回路の配管系統図である。 冷房運転中の動作を示す冷媒回路の配管系統図である。 第1暖房運転中の動作を示す冷媒回路の配管系統図である。 第2暖房運転中の動作を示す冷媒回路の配管系統図である。 冷媒排出動作を示す冷媒回路の配管系統図である。
符号の説明
15 冷媒回路
21 低段側圧縮機(第1圧縮機)
31 高段側圧縮機(第2圧縮機)
33 気液分離器
50 遮断機構
90 コントローラ(制御手段)

Claims (4)

  1. 第1圧縮機(21)と第2圧縮機(31)と中間圧冷媒の気液分離器(33)とが接続された冷媒回路(15)を備え、
    上記冷媒回路(15)では、上記第1圧縮機(21)の吐出冷媒と上記気液分離器(33)からの中間圧のガス冷媒とを上記第2圧縮機(31)へ吸入させて二段圧縮二段膨張冷凍サイクルを行う二段圧縮動作と、上記第2圧縮機(31)を停止させて上記第1圧縮機(21)だけで冷媒を圧縮して単段圧縮冷凍サイクルを行う単段圧縮動作とが切り換え可能となっている冷凍装置であって、
    上記冷媒回路(15)のうち上記単段圧縮動作中に冷媒が循環する部分から上記第2圧縮機(31)の吸入側を遮断する遮断状態に設定可能な遮断機構(50)と、
    上記二段圧縮動作から上記単段圧縮動作への切り換え時に、上記遮断機構(50)を遮断状態に設定して上記第2圧縮機(31)を運転することによって該第2圧縮機(31)の吸入側から冷媒を排出する冷媒排出動作を行う制御手段(90)と
    を備えていることを特徴とする冷凍装置。
  2. 請求項1において、
    上記気液分離器(33)は、分離されたガス冷媒の流出側が上記第2圧縮機(31)の吸入側と常に連通状態になる一方、
    上記遮断機構(50)は、その遮断状態において、上記第2圧縮機(31)の吸入側と上記気液分離器(33)の両方を上記冷媒回路(15)のうち上記単段圧縮動作中に冷媒が循環する部分から遮断するように構成されていることを特徴とする冷凍装置。
  3. 請求項1又は2において、
    上記制御手段(90)は、冷媒排出動作中における第2圧縮機(31)の吸入圧力が所定値以下になると冷媒排出動作を終了させるように構成されていることを特徴とする冷凍装置。
  4. 請求項1又は2において、
    上記制御手段(90)は、冷媒排出動作中における第2圧縮機(31)の吐出温度が所定値以上になると冷媒排出動作を終了させるように構成されていることを特徴とする冷凍装置。
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