JP2007147119A - 多数の整流板を備えた反転式ダスト除去装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】セメントプラントのクリンカークーラーの排ガスの余熱回収システムにおいて、ダストによる圧力損失を極力抑制し、所定粒径以上のダストだけを高い精度で確実に除去できるダスト除去装置を提供する。
【解決手段】排ガスボイラ上流側にダスト除去装置を設け、ダスト除去装置本体Hは四角な箱体であり、その天井左半分に流入口iが、また右半分に流出口oが設けられている。本体下部に4つのホッパー4があり、上部空間が隔壁で導入室2と分離室3に分割されている。また下部空間に多数の縦のバッフルプレートが配置され、バッフルプレートとホッパーの傾斜面4aとの間にガス流路6が形成されている。この流路は導入室の排ガス流れを傾斜面に沿って下方に誘導し、上流側のバッフルプレートによって整流されてほぼ層状の流れになって分離室に流入し、流通抵抗によって流速が制限され、均一化される。
【選択図】図3

Description

この発明は、セメントプラントのクリンカークーラーから排出される排気中のダストを除去するダスト除去装置、殊に、所定以上の大きさのダストを高精度で除去するダスト除去装置に関するものであり、セメントプラントのクリンカークーラー(AQC:Air Quenching Cooler)の廃熱回収用ボイラ(AQCボイラ)の上流側に配置されたもので、ダスト除去装置による排気抵抗(排気の圧力損失)増を可及的に抑制し、排気ファンの負荷増を実質的になくし、また、排気中ダストによる上記AQCボイラの摩耗損傷を抑制してその耐久性を向上させ、さらに、ダスト付着によるAQCボイラの熱交換性能の低下を抑制し、これによって、AQCボイラのメンテナンスコストを低減できるものである。
なお、この発明は、セメントプラントの排ガスシステムにおけるダスト除去装置を対象とするものであるが、排気中に硬質ダストが混入している排ガスからその余熱を回収するボイラを備えている鉄鋼プラント等のその他のプラントの排ガスシステムにも利用できるものである。
セメントプラントの概要は図1に示すとおりであり、従来周知のものである。セメントプラントについては、省エネルギーのために、廃熱回収技術の開発、普及が推進されている。図1に示されているものがその一例である。
図1のセメントプラントは、プレヒーターからの排ガス余熱をPH(プレヒータ)ボイラで回収し、また、クリンカークーラー(AQC)からの排ガス余熱をAQCボイラで回収している。
なお、AQCボイラの下流側に集塵器(大気汚染防止のための集塵器)、排気ファンが設置されていて、排気ファンによって排ガスが煙突から排出される。
ところで、クリンカークーラー(AQC)からの排ガスの一部が仮焼炉へ燃焼用空気として供給され、残余はAQCボイラに供給されるものであれば、例えば、クリンカー生産能力が3,200t/dのセメントプラントの場合、AQCボイラに供給される排ガス流量は概略110×10Nm/hで、AQCボイラの下流の排気ファンの排気能力は240×10Nm/hで、その消費電力は概略500kwである。
他方、クリンカークーラーQからの排ガスには、硬質の酸化カルシウム(CaO )のダストが多量に含まれており、AQCボイラBの摩耗損傷が激しいので、その保護のためにその上流側にダスト除去装置Cを設置しなければならない。
通常は、ダスト除去装置Cを設けると、当該ダスト除去装置Cでの圧力損失が大きいので、上記排気ファンFの排気能力を高くする必要があり、そのための設備コスト増、排気ファンの消費電力増が避けられない。ちなみに、クリンカー生産能力が3,200t/dのセメントプラントの場合、上記排気ファンFの年間消費電力は概略で370万kw/h以上である。ダスト除去装置Cの設置によって排気ファンの消費電力が増大するとAQCボイラBによるエネルギー回収効果が減少することになる。
したがって、AQCボイラBの上流側にダスト除去装置Cを設ける場合は、そのために排気ファンFの排気能力を増強する必要がないようにしなければならず、そのためには、当該ダスト除去装置Cによる排ガスの圧力損失を極力小さくすることが必要である。
ところで、排気ファン(誘引送風機)Fにかかる圧力Pは、P=V×Δpであり、排気ボイラBがない場合、排気ボイラ及びダスト集塵機がある場合の送風機圧力は次のようになる。
1)排気ボイラBがない場合の送風機圧力P1
P1=V1×Δp1 ・・・・・・・式(1)
=[100000×(270+273)/273]×200
=3.98×10
ただし、ガス温度:270℃
圧力損失Δp1:200mmHO (EPでの圧損)
(EP:Electro−static Precipitater)
ガス量:100000Nm/h
(なお、上記式(1)におけるV1は実際のガス量)
2)ボイラ及びダスト集塵機を設置した場合の送風機圧力P2
P2=V2×Δp2・・・・・・・・・式(2)
=[100000×(80+273)/273]×(200+100)
=3.88×10
ただし、ガス温度:80℃・・・ボイラで温度低下
圧力損失Δp2:200mmHO(EPでの圧損)+100mmHO(ボイラ、ダスト集塵機での圧損)
ガス量:100000Nm/h
(なお、上記式(2)におけるV2は実際のガス量)
3)p1≒P2であるから、ボイラ及びダスト集塵機を設置しても、圧損の増加を100mmHO程度におさえれば、送風機Fに対する負荷は変わらないことになる。
他方、各種のプラントの排ガスからダストを効率的に除去するダスト除去装置としては、サイクロン方式のもの、電気集塵方式のもの(特開平8−155335号公報)、衝突板方式のもの(特開平11−132429号公報)などがあり、サイクロン方式のもの、衝突板方式のものは排ガス流の圧力損失が大きい。また、電気集塵方式のものは圧力損失は小さいが、ダストが帯電するので、ボイラの上流に設置する集塵装置には適しない。
他方、AQCボイラ保護のための上記ダスト除去装置Cについては、高いダスト除去精度と高いダスト除去能率とが求められるが、その目的達成のためには、ボイラを摩耗損傷させる粒径(例えば0.3mm以上)のダストを除去する精度が高いことが必要である。他方、中粒径(例えば0.3mm未満)のダストが完全に除去され、微細ダストだけ残されると、ボイラ熱交換面への微細ダストの付着、積層が著しく、このために、熱交換効率が早期に低下することが判明した。
以上のようなことから、圧力損失を極力低減しつつ、所定粒径以上のダストだけを高精度で除去することが上記ダスト除去装置に求められる必要条件である。
特開平8−155335号公報 特開平11−132429号公報
そこで、この発明は、セメントプラントのクリンカークーラーQの排ガス余熱回収用AQCボイラBの上流にダスト除去装置Cを配置した余熱回収システムについて、上記ダスト除去装置Cによる圧力損失を極力抑制し、かつ、所定粒径以上のダストだけを高い精度で確実に除去できるダスト除去装置を工夫することである。
この発明の基本的な技術思想は、
上記排ガスボイラの上流側にダスト除去装置を設けた余熱回収システムにおいて、排ガス上昇速度を所定粒径以上のダストの沈降速度未満の速度にして、ダストを沈降させて分離除去させるようにし、
ダスト除去装置内の多数の縦のバッフルプレートによって、ダスト除去装置の所定位置での流路断面(例えば、図3(a)におけるAーA断面)における排ガス上昇流をほぼ層状流にするとともにその上昇流速をほぼ均等にすることで圧力損失を極力抑制し、かつ所定粒径以上のダストだけが高精度で除去されるようにすることである。
上記の技術思想を実現するためのこの発明の構成は次のとおりである。
ダスト除去装置の集塵器本体は四角な箱体であり、この本体の下部に4つの傾斜面によるホッパーがあり、本体の上部空間が隔壁で導入室と分離室と分割されており、本体の下部空間に、多数の縦のバッフルプレートが上記ホッパーの一方の傾斜面にほぼ沿うようにして配置されていて、多数のバッフルプレートとホッパーの傾斜面との間のガス流路は上流が広く下流が狭くなっており、
多数の縦のバッフルプレートのうちの上流側のものは縦向に長く、バッフルプレート間の隙間が上流側のものほど狭く、下流側のものほど広くなっている。
上記ガス流路に沿って流れるガス流はバッフルプレートに沿って上昇し、縦方向に長い上流側のバッフルプレートによって整流されてほぼ層状の流れになって分離室に流入し、
バッフルプレート間の間隙の流通抵抗によって流速が制限され、均一化されるようになっていること。
〔作用〕
上記導入室の上端からクリンカークーラーの排ガスが導入され、当該導入室を下方に流れる。そして、多数のバッフルプレートとホッパーの傾斜面との間に形成された流路を下方に流れる。そして、多数のバッフルプレートとホッパーの傾斜面との間を下方に流れるガス流は、個々のバッフルプレートの下端で流れが上方に転換(反転)され、バッフルプレートの間の間隙を上方に流れる。
排ガスは、バッフルプレートとホッパー傾斜面間の流路を下方に流れるが、その途中で一部が各バッフルプレート間の間隙から分離室へ流入するので、上記流路の排ガス流の勢いは、上方(上流側)ほど強く、下方(下流側)ほど弱い。したがって、各バッフルプレートの間の隙間が仮に同じであれば、当該隙間を通過して分離室へ吹き上がる上昇ガスは、上方ほど勢いが強く、下方ほど弱い。
しかしこの手段では、上方のバッフルプレート間の間隙は狭く、下方のバッフルプレート間の間隙は広いので、この間隙による流れ抵抗は上方が大きく、下方が小さい。そして、上方と下方における上記ガス流の勢いの差と、バッフルプレート間の間隙の流れ抵抗の差とが相殺され、その結果、各バッフルプレート間の間隙を通って上方に吹き上がるガス流の流速はほぼ均等になり、バッフルプレートの上方の分離位置の流路断面(例えば、図3(a)における断面AーA)ににおける上昇ガス流流速のばらつきは極めて小さくなる。
上流側でガス流は勢いが強く、また、上流側のバッフルプレートによって大きく曲げられて分離室へ吹き上がる。このため、上流側でバッフルプレートによって曲げられて分離室へ吹き上がるガス流は分離室において乱流を生じるが、しかし、この発明のダスト除去装置では、上流側のバッフルプレートの縦方向長さが長く、かつ、その間隙が狭いので、このバッフルプレートによって整流され、分離室内での流れの乱れが抑制される。したがって、分離室内でのガス流の乱れによってダストの沈降が阻害されることはない。
他方、分離室で沈降する粒子の大きさは、分離位置での流路断面(例えば、図3(a)におけるA−A断面)における排ガスの上昇速度によって決まり、他方、分離室内の上昇流速は、ガス流路断面においてほぼ均等であるから、上昇速度を、所定粒径のダストが沈降させられる限界流速まで高くしても所定粒径以上のダストが高精度で除去される。したがって、ダスト除去装置内の排ガス上昇流速を高くして当該ダスト除去装置による圧力損失を可及的に抑制して、圧力損失を小さくすることができる。
ところで、クリンカークーラー排ガスの余熱回収ボイラを通過した排気ガスを排出するための排気ファンの負荷の大きさは、排気ガス流量と圧力損失とに比例する。上記ダスト除去装置による圧力損失増による排気負荷増加分が、余熱回収ボイラでの排気ガス流量減少(温度低下による体積減少)による排気負荷減少分に相当するとき、余熱回収ボイラとダスト除去装置とを設けたことによる排気ファン負荷の増分が実質的にゼロになる。この発明によるダスト除去装置の圧力損失は小さく、余熱回収ボイラでの排気負荷減少分の範囲内に実質的に抑制される。したがって、排気ファンの排気能力は余熱回収ボイラを設置していない場合と同等のものでよい。
また、上記ダストの所定粒径は、AQCボイラの伝熱管の摩耗を促進する粒径であり、摩耗を顕著に促進するダスト粒径は、同ボイラを通過する排気ガスの流速にもよるが、通常のセメントプラントにおけるAQCボイラを前提とすれば、0.3mm以上である。
すなわち、セメントプラントのクリンカークーラーからの排気の余熱回収ボイラを通過する排ガス流速はほぼ15m/secであり、この排ガス流速の下では、粒径0.3mm以上のダストが上記ボイラの伝熱管を著しく摩耗・損傷させ、0.3mm未満であれば伝熱管の摩耗損傷は軽微である。他方、粒径0.3mm未満のダストがAQCボイラを通過する排ガスに含まれていることで、当該ボイラの熱交換面への微細ダストの付着、積層が抑制され、同ボイラの熱交換性能の低下が抑制されることが確認された。これは、上記のガス流速を前提とすると、粒径0.3mm未満のダストは慣性力が小さいために伝熱管周囲に沿って流れる空気流によって流され、従って、伝熱管表面に強い衝撃力で衝突して伝熱管表面を削るようなことはなく、他方、0.3mm未満のダストが上記熱交換面に付着した微細ダストを絶えず除去してそれが付着・積層されることを防止するものと推測される。
次いで、図面を参照して、この発明の実施例を説明する。
この実施例では、クリンカークーラー(AQC:Air Quenching cooler)Qの中段から抜き出した比較的高温の排ガスを、ダスト除去装置(集塵機)Cで処理してダストを除去してからAQCボイラBに供給し、これを再び排気ダクトに戻し、排気ファンFで引いて煙突から排出するというシステムである。
クリンカークーラー(AQC)Qの中段から抜き出されてAQCボイラBに供給される排ガス(360℃程度。流量1800Nm/min)は、粒径1.0mm以下の大小様々の粒径のダストを多量に含むものであり、また、その流量は概略1800Nm/minで、AQCボイラBの下流の排気ファンによって流速15m/secで排出される。
この実施例のダスト除去装置Cの本体Hは、平面形状が長方形の箱体であり、その天井の左半分に流入口iが、また、右半分に流出口oが設けられている。本体Hの上部は傾斜壁1aと縦壁1bによる隔壁1で導入室2と分離室3とに分割されている。本体Hの下部(隔壁1の下端よりも下方位置)にホッパー4が設けられている。このホッパー4は幅が狭い一対の傾斜面4a,4aと幅が広い一対の傾斜面4b,4bの4つの傾斜面によるものである。
縦壁1bの直ぐ下方の位置から ホッパー4の一方の傾斜面4aにほぼ沿う形で、その上方にバッフルプレートが配置されている。このバッフルプレートは多数の縦のバッフルプレート(上から下に5a,5b,5c・・5n)によって構成されているものであり、 ホッパー4の一方の傾斜面4aとの間に流路6を形成している。この流路6は、導入室2の排ガスの流れを上記傾斜面4aに沿って下方に誘導するものであり、一方の傾斜面4a、傾斜面4b,4bの3つの傾斜面とによって形成された先細りの流路であり、当該流路6の先端部でも所要のガス流速が確保されるようにしている。
また、多数のバッフルプレート5a乃至5nは、本体Hの対抗する内壁面間に指し渡されている。そして、上記縦壁1bの下端と最上のバッフルプレート5aの上端がほぼ同じ高さ位置にあり、その間に上昇間隙7aが形成されており、また、同様に、次のバッフルプレート5bの上端が5aの下端とほぼ同じ高さ位置にあり、両者の間に間隙7bが形成されている。以上のようにして、バッフルプレート5a乃至5nが上下方向に離間することなしに順次上下に連続して配置されている。
バッフルプレートがない場合を想定すると、その場合は、導入室2内の排ガス流の一部が縦壁1bの下端で急に回り込んで(反転して)分離室3に流入し、残りが分離室3の下部中央に向かって流れつつ、徐々に分離室3の方へ流れ方向を変えて分離室3へ流れ込み、分離室内を上昇する。このときの分離室内の排ガスの流速分布は図4のとおりであり、縦壁1bの近傍で激しい乱流が生じ、分離室3の中央部分が流速最大、縦壁1bの反対側の本体内壁の近傍で流速が最低でその速度差が顕著であり、したがって、大粒径ダストが縦壁1b近傍の乱流と、中央部の高速ガス流とによって吹き上げられてしまう。この最大流速を、限界流速(例えば0.3mmの所定粒径のダストが沈降される限界ガス流速)以下にすれば、上記乱流も弱くなるので所定粒径以上のダストは確実に分離除去されるが、そのためには分離室3の流路断面積を大幅に拡大し、また、分離室を上下に長くする必要があり、その結果、本体Hが大型になってしまい、また、低流速の部分で中粒径以下のダストも除去されてしまうことになる。
バッフルプレートがない場合は以上のとおりであるが、この発明におけるバッフルプレート5a乃至5nは、縦壁1b近傍での乱流を抑制し、分離位置(図3(a)におけるAーA断面)における上昇流速を、所定粒径以上のダストが沈降する限界速度でほぼ均等にするものであり、そのためのバッフルプレートの構成の詳細は次のとおりである。
最上のバッフルプレート5aの下端と次のバッフルプレート5bの上端とがほぼ同じ高さ位置にあり、同様に、上昇間隙7bを形成している。そして、最上のバッフルプレート5aの長さ8aが最大で、最下のものの長さ8nが最小であり、バッフルプレート間の上昇間隙についていえば、最上の上昇間隙7aが最小で、最下の上昇間隙7nが最大になっている。この上昇間隙の配置は、図3(c)に示されているように、直線的で互いに平行であり、間隙7aから7nに向かって段々に広くなっている。
最上方のバッフルプレート5a,5b・・の縦方向長さ8a,8b・・は長いので、ガス流に対する強い整流作用を奏し、これによって、縦壁1b近傍における上記乱流が抑制される。下方のバッフルプレート・・5nは、整流作用を奏する必要がないので、ガス流に対する抵抗を低減するために、短くしている。また、バッフルプレート間の上方の上昇間隙7aは狭く、下方の上昇隙間7nは広い。この上昇間隙の広さ、バッフルプレートの長さの調整等によって、分離室内の排ガス上昇速度をほぼ均等にしている。
上記分離位置(図3(a)のA−A断面)における排ガスの上昇速度の最適値、流速分布の許容範囲は、個々のダスト除去装置によって異なり、バッフルプレートの構成の他、排ガス流量、排ガス温度、ダスト除去装置の本体構造、ホッパーの傾斜角度などによっても左右される。これらを前提として、個々のダスト除去装置の処理能力等に応じて、上記乱流が抑制され、また上昇流速がほぼ均等になるように、各バッフルプレート5a乃至5nの配置、縦方向の長さ8a乃至8n、上昇間隙の幅7a乃至7nを調整することが必要である。一例は次のようである。
バッフルプレート5a・・5nは全部で8枚で、それぞれの長さ8a・・・8nは、800mm・・・400mmであり、上昇隙間7a・・7nは、400mm、・・・600mmである。
この実施例の分離位置(図3(a)の断面AーA)における上昇流速は、排ガス流量が110×10Nm/hのとき、中央での平均で3m/sec、本体Hの壁面近傍が最低で1m/secである。
このダスト除去装置によって、粒径0.3mm以上のダスト(酸化カルウム(CaO))だけを除去することを目標としているが、実際に除去されるダストにおける粒径分布は、例えば、粒径0.3mm以上が40%、0.3mm乃至0.2mmが20%、0.2mm未満が40%であり、他方、流出口oからの排ガスに含まれる粒径0.3mm以上のダスト残留量はほぼ5%程度であり、粒径0.3mm以上のダストの除去率は87%以上である。
は従来のセメントプラントにおける余熱回収システムの模式図である。 は、実施例の廃熱ボイラとダスト除去装置との側面図である。 (a)は、実施例の縦断面図、(b)は側断面図、(c)は図(a)におけるAーA断面図である。 は、実施例のダスト除去装置において、バッフルプレートがない場合の本体内排気ガス流の流速分布をベクトルで示す断面図である。 は、実施例のダスト除去装置における本体内排気ガス流の流速分布をベクトルで示す断面図である。
符号の説明
H:ダスト除去装置本体
1:隔壁
2:導入室
3:分離室
4:ホッパー
4a乃至4b:傾斜面
5a乃至5n:バッフルプレート
7a乃至7n:上昇間隙
8a乃至8n:バッフルプレートの縦方向の長さ
B:AQCボイラ
C:ダスト除去装置
Q:クリンカークーラー

Claims (4)

  1. 排ガスボイラの上流側にダスト除去装置を設けた余熱回収システムにおいて、
    上記ダスト除去システム装置内の排ガス上昇速度を所定粒径のダスト沈降速度以下にして所定粒径以上のダストを沈降させて分離除去させるようにし、
    ダスト除去装置内の多数の縦のバッフルプレートによって、ダスト除去装置の所定位置の流路断面における上昇ガス流をほぼ層状流にするとともにその上昇流速をほぼ均等にして、所定粒径以上のダストだけが高精度で除去されるようになっている余熱回収システム。
  2. 集塵器の本体が四角な箱体であり、この本体の下部に4つの傾斜面によるホッパーがあり、本体の上部空間が隔壁で導入室と分離室とに分割されており、本体の下部空間に、多数の縦のバッフルプレートが上記ホッパーの一方の傾斜面にほぼ沿うように配置されていて多数のバッフルプレートとホッパーの傾斜面との間のガス流路が上流が広く下流が狭くなっており、
    多数の縦のバッフルプレートのうちの上流側のものは縦向に長く、バッフルプレート間の隙間が上流側のものほど狭く、下流側のものほど広くなっており、
    上記流路のガス流がバッフルプレートに沿って上昇し、上流側において縦方向に長いバッフルプレートによって整流されてほぼ層状の流れになって分離室に流入し、
    バッフルプレート間の間隙の流通抵抗によって流速が制限され、均一化されるようになっていることを特徴とする反転式ダスト除去装置。
  3. 上記分離室内の排気ガスの上昇速度が、粒径0.3mm以上のダストが沈降する速度である、請求項2の反転式ダスト除去装置。
  4. セメントプラントのクリンカークーラーの余熱回収ボイラ(AQCボイラ)の上流側に請求項3のダスト除去装置を配置した クリンカークーラーの余熱回収システム。
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