JP2007147119A - 多数の整流板を備えた反転式ダスト除去装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】排ガスボイラ上流側にダスト除去装置を設け、ダスト除去装置本体Hは四角な箱体であり、その天井左半分に流入口iが、また右半分に流出口oが設けられている。本体下部に4つのホッパー4があり、上部空間が隔壁で導入室2と分離室3に分割されている。また下部空間に多数の縦のバッフルプレートが配置され、バッフルプレートとホッパーの傾斜面4aとの間にガス流路6が形成されている。この流路は導入室の排ガス流れを傾斜面に沿って下方に誘導し、上流側のバッフルプレートによって整流されてほぼ層状の流れになって分離室に流入し、流通抵抗によって流速が制限され、均一化される。
【選択図】図3
Description
図1のセメントプラントは、プレヒーターからの排ガス余熱をPH(プレヒータ)ボイラで回収し、また、クリンカークーラー(AQC)からの排ガス余熱をAQCボイラで回収している。
なお、AQCボイラの下流側に集塵器(大気汚染防止のための集塵器)、排気ファンが設置されていて、排気ファンによって排ガスが煙突から排出される。
通常は、ダスト除去装置Cを設けると、当該ダスト除去装置Cでの圧力損失が大きいので、上記排気ファンFの排気能力を高くする必要があり、そのための設備コスト増、排気ファンの消費電力増が避けられない。ちなみに、クリンカー生産能力が3,200t/dのセメントプラントの場合、上記排気ファンFの年間消費電力は概略で370万kw/h以上である。ダスト除去装置Cの設置によって排気ファンの消費電力が増大するとAQCボイラBによるエネルギー回収効果が減少することになる。
したがって、AQCボイラBの上流側にダスト除去装置Cを設ける場合は、そのために排気ファンFの排気能力を増強する必要がないようにしなければならず、そのためには、当該ダスト除去装置Cによる排ガスの圧力損失を極力小さくすることが必要である。
1)排気ボイラBがない場合の送風機圧力P1
P1=V1×Δp1 ・・・・・・・式(1)
=[100000×(270+273)/273]×200
=3.98×107
ただし、ガス温度:270℃
圧力損失Δp1:200mmH2O (EPでの圧損)
(EP:Electro−static Precipitater)
ガス量:100000Nm3/h
(なお、上記式(1)におけるV1は実際のガス量)
2)ボイラ及びダスト集塵機を設置した場合の送風機圧力P2
P2=V2×Δp2・・・・・・・・・式(2)
=[100000×(80+273)/273]×(200+100)
=3.88×107
ただし、ガス温度:80℃・・・ボイラで温度低下
圧力損失Δp2:200mmH2O(EPでの圧損)+100mmH2O(ボイラ、ダスト集塵機での圧損)
ガス量:100000Nm3/h
(なお、上記式(2)におけるV2は実際のガス量)
3)p1≒P2であるから、ボイラ及びダスト集塵機を設置しても、圧損の増加を100mmH2O程度におさえれば、送風機Fに対する負荷は変わらないことになる。
上記排ガスボイラの上流側にダスト除去装置を設けた余熱回収システムにおいて、排ガス上昇速度を所定粒径以上のダストの沈降速度未満の速度にして、ダストを沈降させて分離除去させるようにし、
ダスト除去装置内の多数の縦のバッフルプレートによって、ダスト除去装置の所定位置での流路断面(例えば、図3(a)におけるAーA断面)における排ガス上昇流をほぼ層状流にするとともにその上昇流速をほぼ均等にすることで圧力損失を極力抑制し、かつ所定粒径以上のダストだけが高精度で除去されるようにすることである。
ダスト除去装置の集塵器本体は四角な箱体であり、この本体の下部に4つの傾斜面によるホッパーがあり、本体の上部空間が隔壁で導入室と分離室と分割されており、本体の下部空間に、多数の縦のバッフルプレートが上記ホッパーの一方の傾斜面にほぼ沿うようにして配置されていて、多数のバッフルプレートとホッパーの傾斜面との間のガス流路は上流が広く下流が狭くなっており、
多数の縦のバッフルプレートのうちの上流側のものは縦向に長く、バッフルプレート間の隙間が上流側のものほど狭く、下流側のものほど広くなっている。
上記ガス流路に沿って流れるガス流はバッフルプレートに沿って上昇し、縦方向に長い上流側のバッフルプレートによって整流されてほぼ層状の流れになって分離室に流入し、
バッフルプレート間の間隙の流通抵抗によって流速が制限され、均一化されるようになっていること。
上記導入室の上端からクリンカークーラーの排ガスが導入され、当該導入室を下方に流れる。そして、多数のバッフルプレートとホッパーの傾斜面との間に形成された流路を下方に流れる。そして、多数のバッフルプレートとホッパーの傾斜面との間を下方に流れるガス流は、個々のバッフルプレートの下端で流れが上方に転換(反転)され、バッフルプレートの間の間隙を上方に流れる。
排ガスは、バッフルプレートとホッパー傾斜面間の流路を下方に流れるが、その途中で一部が各バッフルプレート間の間隙から分離室へ流入するので、上記流路の排ガス流の勢いは、上方(上流側)ほど強く、下方(下流側)ほど弱い。したがって、各バッフルプレートの間の隙間が仮に同じであれば、当該隙間を通過して分離室へ吹き上がる上昇ガスは、上方ほど勢いが強く、下方ほど弱い。
すなわち、セメントプラントのクリンカークーラーからの排気の余熱回収ボイラを通過する排ガス流速はほぼ15m/secであり、この排ガス流速の下では、粒径0.3mm以上のダストが上記ボイラの伝熱管を著しく摩耗・損傷させ、0.3mm未満であれば伝熱管の摩耗損傷は軽微である。他方、粒径0.3mm未満のダストがAQCボイラを通過する排ガスに含まれていることで、当該ボイラの熱交換面への微細ダストの付着、積層が抑制され、同ボイラの熱交換性能の低下が抑制されることが確認された。これは、上記のガス流速を前提とすると、粒径0.3mm未満のダストは慣性力が小さいために伝熱管周囲に沿って流れる空気流によって流され、従って、伝熱管表面に強い衝撃力で衝突して伝熱管表面を削るようなことはなく、他方、0.3mm未満のダストが上記熱交換面に付着した微細ダストを絶えず除去してそれが付着・積層されることを防止するものと推測される。
この実施例では、クリンカークーラー(AQC:Air Quenching cooler)Qの中段から抜き出した比較的高温の排ガスを、ダスト除去装置(集塵機)Cで処理してダストを除去してからAQCボイラBに供給し、これを再び排気ダクトに戻し、排気ファンFで引いて煙突から排出するというシステムである。
クリンカークーラー(AQC)Qの中段から抜き出されてAQCボイラBに供給される排ガス(360℃程度。流量1800Nm3/min)は、粒径1.0mm以下の大小様々の粒径のダストを多量に含むものであり、また、その流量は概略1800Nm3/minで、AQCボイラBの下流の排気ファンによって流速15m/secで排出される。
縦壁1bの直ぐ下方の位置から ホッパー4の一方の傾斜面4aにほぼ沿う形で、その上方にバッフルプレートが配置されている。このバッフルプレートは多数の縦のバッフルプレート(上から下に5a,5b,5c・・5n)によって構成されているものであり、 ホッパー4の一方の傾斜面4aとの間に流路6を形成している。この流路6は、導入室2の排ガスの流れを上記傾斜面4aに沿って下方に誘導するものであり、一方の傾斜面4a、傾斜面4b,4bの3つの傾斜面とによって形成された先細りの流路であり、当該流路6の先端部でも所要のガス流速が確保されるようにしている。
バッフルプレート5a・・5nは全部で8枚で、それぞれの長さ8a・・・8nは、800mm・・・400mmであり、上昇隙間7a・・7nは、400mm、・・・600mmである。
このダスト除去装置によって、粒径0.3mm以上のダスト(酸化カルウム(CaO))だけを除去することを目標としているが、実際に除去されるダストにおける粒径分布は、例えば、粒径0.3mm以上が40%、0.3mm乃至0.2mmが20%、0.2mm未満が40%であり、他方、流出口oからの排ガスに含まれる粒径0.3mm以上のダスト残留量はほぼ5%程度であり、粒径0.3mm以上のダストの除去率は87%以上である。
1:隔壁
2:導入室
3:分離室
4:ホッパー
4a乃至4b:傾斜面
5a乃至5n:バッフルプレート
7a乃至7n:上昇間隙
8a乃至8n:バッフルプレートの縦方向の長さ
B:AQCボイラ
C:ダスト除去装置
Q:クリンカークーラー
Claims (4)
- 排ガスボイラの上流側にダスト除去装置を設けた余熱回収システムにおいて、
上記ダスト除去システム装置内の排ガス上昇速度を所定粒径のダスト沈降速度以下にして所定粒径以上のダストを沈降させて分離除去させるようにし、
ダスト除去装置内の多数の縦のバッフルプレートによって、ダスト除去装置の所定位置の流路断面における上昇ガス流をほぼ層状流にするとともにその上昇流速をほぼ均等にして、所定粒径以上のダストだけが高精度で除去されるようになっている余熱回収システム。 - 集塵器の本体が四角な箱体であり、この本体の下部に4つの傾斜面によるホッパーがあり、本体の上部空間が隔壁で導入室と分離室とに分割されており、本体の下部空間に、多数の縦のバッフルプレートが上記ホッパーの一方の傾斜面にほぼ沿うように配置されていて多数のバッフルプレートとホッパーの傾斜面との間のガス流路が上流が広く下流が狭くなっており、
多数の縦のバッフルプレートのうちの上流側のものは縦向に長く、バッフルプレート間の隙間が上流側のものほど狭く、下流側のものほど広くなっており、
上記流路のガス流がバッフルプレートに沿って上昇し、上流側において縦方向に長いバッフルプレートによって整流されてほぼ層状の流れになって分離室に流入し、
バッフルプレート間の間隙の流通抵抗によって流速が制限され、均一化されるようになっていることを特徴とする反転式ダスト除去装置。 - 上記分離室内の排気ガスの上昇速度が、粒径0.3mm以上のダストが沈降する速度である、請求項2の反転式ダスト除去装置。
- セメントプラントのクリンカークーラーの余熱回収ボイラ(AQCボイラ)の上流側に請求項3のダスト除去装置を配置した クリンカークーラーの余熱回収システム。
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