JP2007146858A - 風車の運転装置及びその運転方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】強風作用時に停電が発生した場合においても、翼に斜め方向荷重等の変則的な過大荷重が作用するのを回避して翼の破損の発生を防止し得る風車運転装置及び運転方法を提供する。
【解決手段】地上や船上等の設置面に立設された支柱106と、水平旋回方向に旋回自在に支持されたナセル102と、複数の翼を備えて風力により回転せしめられるロータ105と、前記ナセル102内に納められて前記ロータ105と接続する発電機とを備えた風車本体100Aと、前記風車本体100Aを旋回させる回動駆動機構4と、風車本体の旋回を抑制するブレーキ装置とを備え、翼101が受けた風力により発電機が接続されたロータが回転する風車の運転方法において、少なくとも前記ロータがダウンウィンド(風下)側となるまで前記風車本体を旋回させ、その後風車本体の旋回を風向きに自然追従させる点を特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、風車の運転装置及びその運転方法に適用され、支柱上に旋回可能に支持されたナセルの一側部位に風力により回転せしめられる複数の翼を設け、該翼の回転力によりロータを介して発電機等の被駆動機械を駆動するように構成された風車の運転装置及びその運転方法、特にアップウィンド型風車の運転装置及びその運転方法に関する。
複数の翼に風力を作用させて回転力を発生せしめ、該回転力によりロータを介して発電機を駆動するようにした風車発電装置を多数併設することにより高出力の発電能力を備えた風力発電設備は、丘陵上や山上等の高所あるいは洋上等の高風速が得られる場所に設置され、通常、稼動時における風速エネルギや消費電力(必要発電電力)に対応して主軸に連結される翼のピッチを変化させ、所要の発電電力を保持するように制御されている。
かかる風車発電装置に用いられる風車は、支柱上に支持されたナセルの前方部位つまりアップウィンド(風上)側に複数の翼を設けたアップウィンド型風車が多く用いられている。
このようなアップウィンド型風車は特開平5−60053号にすでに開示されており、風車翼により回転するロータを支持するナセル(風車ロータ支持体)を有し、前記ナセルは前記主軸の回転を発電機等のエネルギ変換装置とともに該変換装置に伝達する駆動伝達部を内蔵し、地上や船上等の接地面より垂直に立設された支柱に水平方向に旋回自在に支持されている。
そして、かかる風車発電装置においては、複数の翼が固定されたロータを支持するナセルを風向きに応じて旋回させ、前記翼を常時風の方向に向けて風力を効率よく翼に作用させるように風車翼、ロータ及びナセルを含む風車本体を水平方向に所定角度旋回制御させるヨー制御(方位制御)手段が用いられ、該ヨー制御手段を備えた風車は、例えば特許文献1に示されるように、風向きに応じて旋回させているナセルを台風等の強風作用時に制動するヨーブレーキ3を備えている。
該ヨーブレーキ3は、具体的には第13図及び第13図のZ部詳細を示す第14図のように、支柱106上に配設され翼101、ロータ105、及びナセル102からなる風車本体100Aの固定用として使用されており、支柱106上面と該支柱106上部に配置した風車本体100Aとの間に、回動座軸受312を介在させ、該軸受312を介して前記支柱106と該軸受312との間にブレーキ板304を取付け、該ブレーキ板304を挟んで上下に対向して、油圧シリンダ301a、301b及びブレーキキャリパ308を備えた油圧駆動式ディスクブレーキ装置310を配設し、該油圧駆動式ディスクブレーキ装置310で前記ブレーキ板304を挟圧することにより、前記風車本体100Aの支柱106に対する相対回転を制止するように構成されている。
そして前記ヨー制御手段及びヨーブレーキを備えたアップウィンド型風車発電装置においては、通常運転時にはヨー制御手段によって風車本体を風向きに応じて旋回させ、翼を常時風の方向に向けるように制御しているが、台風等の突風や強風発生時に発電装置の不作動により停電が発生した場合にはヨー制御が不能となるため、前記ヨーブレーキを作動させて風車本体の旋回をロックしている。
前記のように、アップウィンド型風車発電装置においては、一般に突風や強風作用時に停電が発生した場合には、前記特許文献1等の従来技術に示すように、ヨーブレーキを作動させて風車本体の旋回をロックして待機させている。このため、かかる従来技術にあっては、前記風車本体の旋回をロックしての待機時に強風が斜め方向から翼に作用した場合には、翼に斜め方向の過大な偏荷重が作用して、翼の破損の発生をみることが多々ある。
特開平8−82277号公報
本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、前記風車本体を旋回させる回動駆動機構と、風車本体の旋回を抑制するブレーキ装置とを備え、翼が受けた風力により発電機が接続されたロータが回転する風車運転装置、特にアップウィンド型風車において、強風作用時に停電が発生した場合においても、翼に斜め方向荷重等の変則的な過大荷重が作用するのを回避して、翼の破損の発生を防止し得る為に、風車翼により回転するロータを支持するナセル(風車ロータ支持体)を有し、前記ナセルは前記ロータの回転を発電機等のエネルギ変換装置とともに該変換装置に伝達する駆動伝達部を内蔵し、地上や船上等の接地面より垂直に立設された支柱に水平方向に旋回自在に支持されて構成された風車運転装置及びその運転方法を提供することを目的とする。
特に風車を用いた風力発電は大型化の一途を辿っており、今後も風車単機容量の増加は続く。その中で風車の軽量化低コスト化の為には、空力荷重の低減が必須である。
そこで本発明の他の目的は、風車の翼により回転するロータと、これを主軸(風車軸)を介して支持するナセルを備えた風車本体を、地上や船上等の接地面より垂直に立設された支柱に水平方向に旋回自在に支持されている水平方向旋回自在型風車の水平方向旋回自在の特性を生かして、台風や突風等で生じたクリテイカルな荷重(強度的に問題となる臨界点の荷重)を低減できる、翼が受けた風力により発電機が接続されたロータが回転する風車運転装置、特にアップウィンド型風車及びその運転方法を提供することを目的とする。
そして、本発明はかかる課題を解決するもので、その第1発明は、地上や船上等の設置面に立設された支柱と、
水平旋回方向に旋回自在に支持されたナセルと、複数の翼を備えて風力により回転せしめられるロータと、前記ナセル内に納められて前記ロータと接続する発電機とを備えた風車本体と、
前記風車本体を旋回させる回動駆動機構と、風車本体の旋回を抑制するブレーキ装置とを備え、翼が受けた風力により発電機が接続されたロータが回転する風車運転装置において、
前記発電機の異常検知信号又は前記翼への過大風荷重の作用力に対応する異常検知信号のいずれかを検知する異常検知信号検出手段と、前記ロータをダウンウィンド(風下)側に位置させた状態における前記風車本体の旋回駆動制御手段とを有し、前記検知手段よりの異常検知信号を受けて、該旋回駆動制御手段が前記風車本体の旋回を風向きに自然追従させ、且つ該旋回の速度を抑制する手段であることを特徴とする。
ここでダウンウィンド(風下)側とは、平成13年3月20日制定の当業者自明の「日本工業規格JIS C1400−1(風力発電システム第1部:安全要件)」によれば「アップウインド:主たる風ベクトルと反対の方向、ダウンウインド:主たる風ベクトルの方向」と夫々定義されていることからダウンウィンド(風下)の方向は、前記風車本体を90°から270°の範囲の任意角度(前記JISの定義からして90°とは270°の角度方向は除かれる)、好ましくは風下直下の略180°の方位位置である。
尚前記翼への過大風荷重の作用力に対応する検知信号が風速若しくはロータ回転数が所定範囲を超えた場合に生成される異常検知信号であるのがよい。
第3発明は第1発明の運転方法に関する発明であり、地上や船上等の設置面に立設された支柱と、
水平旋回方向に旋回自在に支持されたナセルと、複数の翼を備えて風力により回転せしめられるロータと、前記ナセル内に納められて前記ロータと接続する発電機とを備えた風車本体と、
前記風車本体を旋回させる回動駆動機構と、風車本体の旋回を抑制するブレーキ装置とを備え、翼が受けた風力により発電機が接続されたロータが回転する風車の運転方法において、
前記発電機の異常検知信号又は前記翼への過大風荷重の作用力に対応する異常検知信号のいずれかを検知すると、前記ロータをダウンウィンド(風下)側にした状態における前記風車本体の旋回を風向きに自然追従させ、且つ該旋回の速度を抑制することを特徴とする風車の運転方法にある。
かかる発明において好ましくは、前記風車本体のダウンウィンド時に該風車本体の回動を制動するヨーブレーキを解除せしめるブレーキ作動制御手段を備える。
また、かかる発明において好ましくは、前記風車本体を前記支柱廻りに回動せしめるとともに該風車本体のヨー制御(方位制御)を行うヨーモータと、該ヨーモータの回転を制動するヨーモータブレーキとを備え、前記制御装置は、前記風車本体をダウンウィンド位置でヨーモータによるヨー制御を停止し、前記ヨーブレーキを解除するとともに前記ヨーモータブレーキを作動させて前記風車本体を風下方向に自然追従せしめるように構成される。
第2の発明は、地上や船上等の設置面に立設された支柱と、
水平旋回方向に旋回自在に支持されたナセルと、複数の翼を備えて風力により回転せしめられるロータと、前記ナセル内に納められて前記ロータと接続する発電機とを備えた風車本体と、
前記風車本体を旋回させる回動駆動機構と、風車本体の旋回を抑制するブレーキ装置とを備えるアップウィンド型風車の運転装置において、
前記発電機の異常検知信号又は前記翼への過大風荷重の作用力に対応する異常検知信号のいずれかを検知する異常検知信号検出手段と、前記検知手段よりの異常検知信号を受けて少なくとも前記ロータがダウンウィンド(風下)側となるまで前記風車本体を旋回させせる旋回駆動手段と、ダウンウィンド(風下)側に位置する風車本体の旋回を風向きに自然追従させる自然追従制御手段よりなることを特徴とするアップウィンド型風車の運転装置にある。
第4発明は第2発明の運転方法に関する発明であり、
地上や船上等の設置面に立設された支柱と、
水平旋回方向に旋回自在に支持されたナセルと、複数の翼を備えて風力により回転せしめられるロータと、前記ナセル内に納められて前記ロータと接続する発電機とを備えた風車本体と、
前記風車本体を旋回させる回動駆動機構と、風車本体の旋回を抑制するブレーキ装置とを備えるアップウィンド型風車の運転方法において、
前記発電機の異常検知信号又は前記翼への過大荷重の作用力に対応する異常検知信号のいずれかを検知すると、少なくとも前記ロータがダウンウィンド(風下)側となるまで、その後風車本体の旋回を風向きに自然追従、好ましくは風向きに自然追従させる前記風車本体の旋回速度を抑制することを特徴とするアップウィンド型風車の運転方法にある。
本発明によれば、前記回動駆動機構に組み込まれた回転駆動体にブレーキ手段を設け、風車本体をアップウィンド側からダウンウィンド側への旋回時に前記ブレーキ手段により回転力を減衰させて駆動させるのがよい。
また、前記風車本体のダウンウィンド待機時に該風車本体の旋回を制動するヨーブレーキを解除せしめるブレーキ作動制御手段を備えるのがよい。
また、前記主軸に前記被駆動機械として発電機を直結駆動する風車発電装置を備えるとともに、該風車発電装置の停電を検出する停電検出器を備え、前記制御装置は前記停電検出器から風車発電装置の停電検出信号が入力されたときバッテリー電圧を利用して前記風車本体を前記アップウィンド位置からダウンウィンド位置に旋回せしめるバッテリー制御手段を備えるのがよい。
また、前記風車本体を前記支柱廻りに旋回せしめるとともに該風車本体のヨー制御(方位制御)を行うヨーモータと、該ヨーモータの回転を制動するヨーモータブレーキとを備え、前記制御装置は、前記風車本体をダウンウィンド位置に移行後ヨーモータによるヨー制御を停止し、前記ヨーブレーキを解除するとともに前記ヨーモータブレーキを作動させて前記風車本体を風下方向に自然追従せしめるように構成される。
また、かかる発明において好ましくは、前記主軸に前記被駆動機械として発電機を直結駆動する風車発電装置を備えるとともに、該風車発電装置の停電を検出する停電検出器と、前記風車本体を前記支柱廻りに旋回せしめるとともに該風車本体のヨー制御(方位制御)を行うヨーモータと、該ヨーモータの回転を制動するヨーモータブレーキとを備え、前記制御装置は前記停電検出器から停電信号が入力されたとき前記ヨーブレーキを解除するとともに前記ヨーモータブレーキを作動せしめるように構成される。
さらに、かかる発明において好ましくは、前記主軸に前記被駆動機械として発電機を直結駆動する風車発電装置を備えるとともに、該風車発電装置の停電を検出する停電検出器を備え、前記制御装置はアップウィンド位置において前記停電検出器から停電信号が入力されたとき、前記ヨーブレーキを一定速度以下の低速度で解除して前記風車本体を前記アップウィンド位置からダウンウィンド位置に旋回せしめるように構成されてなる。
本発明において、前記ロータがダウンウィンド(風下)側となるまで前記風車本体を旋回させるための旋回許可用制御信号は、好ましくは、前記制御信号が、前記翼が受ける風速が設定されたアイドル状態に移行の基準風速となるカットアウト風速(例えば20〜25km/h)以上を検知した信号と風車がアイドリング運転状態になった事を検知する信号の組み合わせにより構成されるのがよい。
また、更に好ましくは、前記制御信号が、前記翼が受ける風速が設定されたアイドル状態に移行の基準風速となるカットアウト風速以上を検知した信号と風車本体がアイドリング状態になった事を検知する信号と、風車本体への過大荷重に対応するカットアウト風速以上の臨界風速(ダウンウィンドソフトサポート移行平均風速:(風車本体が強度的に許容される臨界強度より3〜4σ程度マイナスされた強度許容値に対応する風速))以上を検知する信号の組み合わせにより構成される。
尚、前記「日本工業規格JIS C1400−1(風力発電システム第1部:安全要件)」によれば「(風車)のアイドリングとは電力を発生しないで、低速回転している風力タービンの状態、又カットアウト風速(Vout)とは風車が利用可能な動力を生むハブ高さにおける最大の平均風速(ハブ高さも風車ロータ中心の地表高さ)」夫々と定義されている。
かかる発明においては、前記風車本体をダウンウィンド位置からアップウィンドの原位置に復帰させる復帰信号が、風車本体への過大荷重に対応するカットアウト風速以上の臨界風速(ダウンウィンドソフトサポート移行平均風速)以下であることを確認する信号により構成されるのがよい。
また、かかる発明において前記翼が受ける風速を検出する風速検出器と、前記主軸の回転数を検出する風車回転数検出器とを備え、前記制御装置が、前記風速検出器からの風速検出値と設定されたアイドル状態に移行の基準風速となるカットアウト風速とを比較する手段と、該風速検出値が前記カットアウト風速以上の場合に前記風車回転数検出器から入力される風車回転数検出信号によりアイドリング運転状態を検知する手段とを備えるのがよい。
次に前記アップウィンド型風車の運転方法において、前記翼が受ける風速、ロータ回転数が所定範囲を超えた場合に生成される異常信号及び被駆動機械よりの異常信号の内の少なくとも1の異常信号を受けて、前記翼を備えたロータがアップウィンド(風上)側からダウンウィンド(風下)側に待機するように、前記風車本体をダウンウィンド位置に対応する方位角度位置まで旋回させるようにしてもよい。
かかる発明においては、風速増加により風車本体への過大荷重に対応して設定されるカットアウト風速以上の風速を検知した信号と前記検知信号を受けて回転数に基づいて風車本体がアイドリング状態になっている事を検知する信号とのアンドを取って生成された異常検知信号により、前記風車本体をダウンウィンド方向の任意の角度までの方位位置、好ましくは風下直下の略180°の方位位置に旋回させる。
また、かかる発明において好ましくは、前記翼が受ける風速として前記カットアウト風速以上を検知した信号と風車がアイドリング運転状態になった事を検知した後の最大瞬間風速を検知した制御信号とに基づいて、前記風車本体をダウンウィンド方向の方位位置に旋回させる。
また、かかる発明において、前記風車本体への過大荷重に対応して設定されるカットアウト風速以上の風速を検知した信号が、風車本体が強度的に許容される臨界強度よりマイナスされた強度許容値に対応する最大瞬間風速(ダウンウィンドソフトサポート移行平均風速)以上を検知する信号であるのがよい。
また、かかる発明において好ましくは、前記待機位置での最大瞬間風速が、風車本体が強度的に許容される臨界強度より3〜4σ程度マイナスされた強度許容値に対応する最大瞬間風速(ダウンウィンドソフトサポート移行平均風速)以下であることを確認した後、風車本体をアイドリング運転状態でダウンウィンド位置からアップウィンドの原位置に復帰させる。
また、かかる発明において前記風車本体がアイドリング状態になっている事は風車回転数検出信号により検知できる。
また、かかる発明において、前記風車本体をアップウィンド側からダウンウィンドへの旋回時にブレーキ手段によりヨーモータの回転力を減衰させて駆動させるのがよく、又前記風車本体のダウンウィンド移行後に、前記風車本体の旋回を制動するヨーブレーキを解除せしめ、前記風車本体が風力に対し揺動自在に待機させるのがよい。
また、前記風車本体のダウンウィンド移行後に、風向きに対応して風車本体の向きを変えるヨー制御(方位制御)を行うが、この場合に、前記ヨーブレーキを解除し、前記風車本体を支柱廻りに旋回せしめるとともに該風車本体のヨー制御(方位制御)を行うように構成されたヨーモータの回転を制動するヨーモータブレーキを作動させて前記風車本体をダウンウィンド方向に自然追従せしめる。
また、かかる発明において好ましくは、前記ロータに前記被駆動機械として発電機を連結させたアップウィンド型風車を運転するにあたり、前記発電機の停電検出信号が入力されたとき、バッテリーよりの電力を受けて、前記風車本体を90°から270°(前記JISの定義からして90°と270°の角度方向は除かれる)の範囲のダウンウィンド方向の任意の角度までの方位位置に旋回させる。
さらに、前記ロータに前記被駆動機械として発電機を連結する風車発電装置の停電が検知されたとき、前記風車本体の旋回を制動するヨーブレーキを解除するとともに、バッテリーよりの電力を受けて、前記風車本体を支柱廻りに旋回せしめるとともに該風車本体のヨー制御(方位制御)を行うように構成されたヨーモータの回転を制動するヨーモータブレーキを作動せしめるのがよい。
したがって本発明によれば、通常運転時には制御装置によって風車本体を風向きに応じて旋回させ、翼を常時風の方向に向けるように制御しており、一方、突風や強風作用時に前記風速検出器から制御装置に入力される風速検出値が該制御装置に予め設定されたアイドル移行時の開始点となるカットアウト風速以上となりかつ風車回転数検出器から入力される風車回転数がアイドリング運転状態になると、該制御装置は風車本体を前記アップウィンド位置から90°ないし270°(90°と270°の角度方向は除かれる)後部側に旋回させてダウンウィンド位置に移行せしめ、該ダウンウィンド位置にて風車を待機させる。
然るに翼の回転面が支柱よりも風下側に位置しているつまりダウンウィンド位置にあるダウンウィンド型風車は、翼の回転面に対して斜め方向からの風が前記翼を備えたロータを風向きに合わせる方向に作用するという機能を備えていることから、かかるアップウィンド型風車を突風や強風作用時に前記のようにして風下側、好ましくは風下直下のダウンウィンド位置に移行せしめて待機させることにより、格別なヨー制御を行うことなく風車を風向きに追従せしめることが可能となる。
これにより、突風や強風作用時に該強風が斜め方向から翼に作用した場合においても、翼が自動的に風向きに追従せしめられることにより、翼に斜め方向の変則的な過大荷重が作用するのが回避され、かかる過大荷重による翼の破損の発生を防止できる。
また、かかる発明によれば、制御装置によって風車本体をアップウィンド位置からダウンウィンド位置に移行せしめ該ダウンウィンド位置にて風車を待機させた後、該制御装置によってヨーブレーキを解除してブレーキ開放状態とすることにより、風向きの変化に対して風車が自在に追従できて追従性が上昇し、強風が斜め方向から翼に作用した場合における翼への変則的な過大荷重の作用をより確実に回避できる。
また、かかる発明によれば、前記風車本体のダウンウィンド位置への移行後に、アップウィンド位置の場合と同様に、風向きに対応して風車本体の向きを変えるヨー制御(方位制御)を行うことも可能となる。
また、かかる発明によれば、台風等の突風や強風作用時に発電装置の不作動により停電が発生しヨー制御が不能となった場合には、制御装置によりバッテリーを作動させ、該バッテリーの動力によって前記風車本体をアップウィンド位置から90°から270°(90°と270°の角度方向は除かれる)の範囲の風下側、好ましくは風下直下の略180°の方位位置に旋回させてダウンウィンド位置に移行せしめ、該ダウンウィンド位置にて風車を待機させ、さらにヨーブレーキを解除せしめるので、台風等の突風や強風作用に伴う停電時においても、既存のバッテリー電源を利用して風車をダウンウィンド位置に移行せしめ、ヨーブレーキを解除することにより、格別な駆動電源を設置することなく、風向きの変化に対して風車を自在に追従させることができ、強風が斜め方向から翼に作用した場合における翼への変則的な過大荷重の作用を回避できる。
しかして、アップウィンド型風車において、翼に作用する風速が前記アイドル状態に移行の基準風速となるカットアウト風速以上の風速になったとき、風車本体をアップウィンド位置からダウンウィンド位置に移行せしめるようにすると、風速の変動が激しい場合等においては、風速検出値に基づくアイドル状態に移行の基準風速となるカットアウト風速の平均値がカットアウト風速の設定値(平均値)よりも大きくなることが頻繁に起こり易く、その度毎に風車本体をアップウィンド位置からダウンウィンド位置に移動せしめることを要し、風車の運転効率が大きく低下する。
然るにかかる発明によれば、翼に作用する風速がアイドル状態に移行の基準風速となるカットアウト風速以上の風速である旋回制御回転数設定値をダウンウィンドソフトサポート移行平均風速(臨界風速)に基づき設定し風車回転数がアイドリング運転状態であるときに、前記風速がダウンウィンドソフトサポート移行平均風速以上となった場合に、前記制御装置により前記風車本体をアップウィンド位置からダウンウィンド位置に移動せしめるとともにヨーブレーキを解除するように構成されている。
即ちかかる発明によれば、風速の変動が激しい場合においても、前記臨界風速にて前記風車本体をアップウィンド位置からダウンウィンド位置に移動せしめるので、実際の風速がアイドル状態ではすぐに移行せずにその後を風車強度許容値に対応する前記瞬時最大風速値を超える場合のみにおいて、前記風車本体をアップウィンド位置からダウンウィンド位置に移動せしめることが可能となる。
従ってかかる発明によれば、風速の変動が激しい場合においても、ナセルをアップウィンド位置からダウンウィンド位置に頻繁に移動せしめることが回避されて、実際の風速が前記風車強度許容値(風車本体が強度的に許容される臨界強度より3〜4σ程度マイナスされた強度許容値)に対応する瞬時最大風速値を超える場合のみにおいて該風車本体をアップウィンド位置からダウンウィンド位置にソフトに移動することができ、風車の運転効率が大きく向上する。
また、前記のように、風車のダウンウィンド位置においては、翼の回転面が支柱よりも風下側に位置しているため、翼の回転面に対して斜め方向からの風が、翼が取り付けられたロータの主軸を風向きに合わせる方向に作用するという機能を備えている。
然るに通常運転時において、ダウンウィンド位置に移行後、通常運転時においてはヨー制御を停止し、停電時においてはそのまま前記ナセルを風下方向に自然追従せしめることにより、翼に斜め方向の変則的な荷重が作用しても、格別な制御を要することなく、翼に修正モーメントが発生して翼が自動的に風向きに追従せしめられ、かかる変則的な荷重による翼及び回転部材の破損を防止できる。
しかしながら、強風時等において前記修正モーメントが過大になった場合には、前記ヨーブレーキ及びヨーモータブレーキを解除して風車本体を風下方向に自然追従せしめると、前記修正モーメントが増速された回転力となってヨーモータに作用することから、かかる回転力による過大回転によってヨーモータが破損することがある。
そこで、かかる発明によれば、前記風車本体風下側移行後においては、前記ヨーモータの回転を制動するモータブレーキを作動させ、該ヨーモータの回転を適度に抑制することにより、前記のようなヨーモータの過大回転が回避され、該過大回転によるヨーモータの破損を防止できる。
また、かかる発明によれば、強風作用時している状態において、アップウィンド位置からダウンウィンド位置に移行時にから徐々にヨーブレーキを解除しながら移行することにより、ヨーモータ等のヨー制御装置に無理な力が掛かることなく、滑らかにダウンウィンド位置に移動することができる。
また、かかる発明によれば、アップウィンド位置からダウンウィンド位置に移行した後、アップウィンド位置に戻す際に、アップウィンド位置戻し風速を、前記臨界風速とカットアウト風速との中間風速に設定することにより、アップウィンド位置→ダウンウィンド位置→アップウィンド位置の切り換えループにヒステリシスを持たせることができて、僅かな風速変化でナセルが逆方向に戻されることがなく、安定したアップウィンド位置→ダウンウィンド位置間の移行ができる。
本発明によれば、風車を用いた風力発電装置を大型化させ風車単機容量の増加の中で風車の軽量化低コスト化の為の空力荷重の低減に大きく寄与する。
又前記風車本体を旋回させる回動駆動機構と、風車本体の旋回を抑制するブレーキ装置とを備え、翼が受けた風力により発電機が接続されたロータが回転する風車運転装置、特にアップウィンド型風車において、強風作用時に停電が発生した場合においても、翼に斜め方向荷重等の変則的な過大荷重が作用するのを回避して、翼の破損の発生を防止し得る。
又第2及び第4発明によれば、風車の翼により回転するロータと、これを主軸(風車軸)を介して支持するナセルを備えた風車本体を、地上や船上等の接地面より垂直に立設された支柱に水平方向に旋回自在に支持されている水平方向旋回自在型風車の水平方向旋回自在の特性を生かして、台風や突風等で生じたクリテイカルな荷重(強度的に問題となる臨界点の荷重)を低減できる。
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
本発明の第1実施例を示す第1図において、100はアップウィンド型の風車であり、支柱106上に支持されたナセル102の前部つまりナセル回転軸心104よりも前方部位に風力によって回転せしめられる複数の翼101を備えたロータ105を設け、該翼101の回転力により前記ロータ105に直結される主軸103を介してナセル102に内蔵した発電機等の被駆動機械を駆動するように構成されている。
該アップウィンド型の風車100において、105はロータで、その外周には複数の翼101が円周方向等間隔に取り付けられている。そして、該翼101は、翼ピッチを変化可能なピッチ制御手段(不図示、風車のピッチ可変機構は特開平5−149237、特開平7−4344等に開示)によって変化可能とされている。
ピッチ可変機構を第15図に基づいて簡単に説明するに、風力発電装置における中空のロータ105の先端中心部にはピッチ制御用のサーボモータ321が固定され、ロータ105内に向けられているモータ軸312aにはかさ歯車である主歯車313aが取付けられている。前記ロータ105には、翼(ブレード)101がブレード用軸受316を介して取付けられ、翼101の基端側にはかさ歯車である副歯車314aが取付けられている。該副歯車314aは、上記主歯車313aに対して直角に配置されている。また該副歯車314aの回動軸は、翼101の中心軸上に配置され、翼101は前記ブレード用軸受6の作用によって、ロータヘッド105aに対して回動可能となっている。
そして前記風車のピッチ可変機構320によれば、風車の電力等を制御するため、翼101のピッチを可変させる場合は、図示しない制御部の指令によりサーボモータ312を駆動させると、主歯車313aが所定方向に回動する。該主歯車313aは翼枚数と同数たとえば3枚の副歯車314aと噛合しているので、同時に、同方向に、同量のピッチだけ副歯車314aが回転する。これにより3枚の翼101は同じピッチだけ回転し、翼ピッチを可変することになる。
このように、主歯車313aを3枚の副歯車314aに連動させているので、各翼101を同じピッチだけ変位させることができる。
尚、前記ピッチ可変機構は、油圧シリンダとリンクとを組み合わせたもの、あるいは、翼毎に電動モータで駆動させるもの、等も適用可能である。
第1図に戻って、103は前記ロータ105に直結された主軸でその出力端が図示しない発電機(発電機以外のエネルギ回収用の被駆動体でもよい)に連結されている。102は前記主軸103や軸受等の運動部分及び前記発電機等が収納されるナセル、106は地上や船等接地面より垂直に立設する支柱で、該ナセル102は支柱106上に水平方向に旋回自在に支持されている。
1は前記ナセル102の下部に固着された内歯歯車からなるリングギヤ、2は前記支柱106に軸受を介して回転自在に支持されて前記リングギヤ1に噛み合うピニオンである。
前記ナセル102は、ナセル駆動装置4によって駆動制御されるヨーモータ30により減速機31(何れも第11図参照)を介して該ピニオン2を回転駆動し、該ピニオン2に噛み合うリングギヤ1をナセル回転軸心104廻りに旋回させることにより、前記ナセル回転軸心104廻りに360°回動可能となっている。5は前記ナセル102内に設置されたバッテリーである。
尚、この例とは反対に、後述する第2実施例のように、支柱106頂部にリングギヤを固定し、ナセル102側にピニオン2及びヨーモータ30を取り付けてもよい。
3は前記ナセル102の回転を制動するヨーブレーキで、該ヨーブレーキ3は例えば第14図のように構成され、その構成自体は公知である。即ち、第14図において、該ヨーブレーキ3は、支柱106上に配設され翼101、ロータ105、主軸及びナセル102からなる風車本体100Aの固定用として使用されており、支柱106上面と該支柱106上部に配置した風車本体100Aとの間に、回動座軸受312を介在させ、該軸受312を介して前記支柱106と該軸受312との間にブレーキ板304を取付け、該ブレーキ板304を挟んで上下に対向して、油圧シリンダ301a、301b及びブレーキキャリパ308を備えた油圧駆動式ディスクブレーキ装置310を配設し、該油圧駆動式ディスクブレーキ装置310で前記ブレーキ板304を挟圧することにより、前記風車本体100Aの支柱106に対する相対回転を制止するように構成されている。
第1図において、6は前記複数の翼101に作用する風速を検出する風速検出器、7は前記主軸103の回転数を検出する風車回転数検出器、8は前記風車本体100A及び発電機を含む風車発電装置の停電(発電機及び発電回路の異常等により回路遮断して停電した場合)を検出する停電検出器、10は制御装置である。
そして、前記風速検出器6にて検出された風速検出信号、風車回転数検出器7にて検出された主軸103の回転数検出信号、及び停電検出器8からの風車発電装置の通電遮断等の停電検出信号は前記制御装置10に入力され、該制御装置10は前記各検出信号に基づき後述する制御、演算を行って前記ナセル駆動装置4、ヨーブレーキ3、及びバッテリー5の動作を制御するようになっている。
かかる構成からなるアップウィンド型風車100において、通常の運転時には、前記ナセル102は、前記制御装置10及びナセル駆動装置4によって、第1図及び第3図の鎖線のように、前記翼101が該ナセル102の風向き前方部位つまり前記ナセル回転軸心104よりも風向き前方部位、即ちアップウィンド位置になるように位置設定されるとともに、風向きが所定偏差を超えた場合に、前記ヨーブレーキ3を開放して該ナセル102を風向きに応じて水平方向に回転軸心104を中心として所定角度旋回させ、正しい風向き位置にヨー制御(方位制御)する。即ち翼101、ロータ105及びナセル102からなる風車本体100Aを常時若しくは所定風向き範囲内で固定し、風向きが所定偏差以上になったときに前記ヨーブレーキ3を開放して風の方向に向けて固定するように制御している。
次に、第2図の制御ブロック図及び第4図の制御基本構成図に基づき、台風等の突風や強風作用時におけるアップウィンド型風車100の運転方法について説明する。
前記風速検出器6からの風速検出値は制御装置10の風速比較部12に入力される。11はアイドル状態に移行の基準風速となるカットアウト風速設定部で、カットアウト風速即ち該風車100の発電機への連結を解除してその発電機への駆動運転を停止するロード限界風速(例えば20〜25m/s、以下カットアウト風速という)が設定されている。前記風速比較部12においては前記風速検出値とカットアウト風速とを比較しその比較結果をナセル方位制御部13に出力する(第4図のステップ(1))。
また、前記風車回転数検出器7からの風車回転数(主軸103の回転数)の検出値は前記ナセル方位制御部13に入力される。
ナセル方位制御部13においては、前記風速検出値がカットアウト風速以上でかつ前記風車回転数の検出値に基づいてアイドリング状態になっているとき(第4図のステップ(2))、前記ナセル駆動装置4にダウンウィンド位置(翼101を有するロータ105が風向き前方部位つまりナセル回転軸心104の風上側に対向する位置をアップウィンド位置とし、前記ロータ105が風向き後方部位つまりナセル回転軸心104の風下側(風方向に対し90〜270°好ましくは略180°)に対向する位置に対向する位置をダウンウィンド位置とする)への操作指令信号を出力する。
該ナセル駆動装置4においては、前記操作指令信号に従い、第3図に示すように、前記ピニオン2及びリングギヤ1を介してナセル102を鎖線で示すアップウィンド位置から略180°後部側に回転軸心104を中心として水平に回転させて実線で示すダウンウィンド位置に移行せしめる(第4図のステップ(3))。これにより該風車本体100Aはダウンウィンド位置に待機することとなる(第4図のステップ(4))。
第2図に戻り、15はヨーブレーキ作動制御部で、前記ナセル駆動装置4により風車本体100Aがダウンウィンド位置に待機せしめられた後、ヨーブレーキ操作装置16にヨーブレーキ解除の操作信号を出力してヨーブレーキ3を解除せしめる。これによりヨーブレーキ3はブレーキ開放状態となり、ナセル102及び翼101の向きは風向きに追従して自由に変化可能となる。
従ってかかる実施例によれば、突風や強風作用時に前記動作によって、翼101の回転面が支柱106よりも風下側つまりナセル回転軸心104よりも風下側に位置したダウンウィンド位置に待機させるとともに、ヨーブレーキ3をブレーキ解除(開放)状態としたので、翼101の回転面に対して斜め方向からの風が作用しても、該翼101を備えたロータ105の回転軸が風向きに合わせる方向に動くという機能を発揮し、格別なヨー制御を行うことなく風車を風向きに追従せしめることができる。
これにより、突風や強風作用時に該強風が斜め方向から翼101に作用した場合においても、該翼101が自動的に風向きに追従せしめられることにより、該翼101に斜め方向の変則的な過大荷重が作用するのが回避される。
また、特に風車本体100Aをダウンウィンド位置に待機させた後、ヨーブレーキ3をブレーキ解除状態にすることにより、風向きの変化に対して風車本体100Aが自在に追従できて追従性が上昇し、強風が斜め方向から翼101に作用した場合における翼への変則的な過大荷重の作用をより確実に回避できる。
また、台風、ハリケーン等の突風や強風作用時等において、台風等の突風や強風作用時に発電装置の不作動により停電が発生しヨー制御が不能となった場合には、停電検出器8によって停電が検出され(第4図のステップ(5))、その停電検出信号が、前記制御装置10のバッテリー制御部14及び前記ヨーブレーキ作動制御部15に入力されてこれらを作動させる。
即ち、該バッテリー制御部14においては停電検出信号によりバッテリー5を作動させて(第4図のステップ(6))、該バッテリー5の動力によって、前記で示したナセル方位制御部13の動作と同様に、前記ナセル102をアップウィンド位置から略180°後部側に回転させてダウンウィンド位置に旋回せしめ該ダウンウィンド位置にて風車本体100Aを待機させる。
そして、ヨーブレーキ作動制御部15においては前記風車本体100Aの待機後、前記ヨーブレーキ操作装置16にブレーキ解除の操作信号を出力してヨーブレーキ3を解除せしめる。これによりヨーブレーキ3はブレーキ開放状態となり、ナセル102〜翼101までの風車本体の向きは風向きに追従して自由に水平旋回して方位が変化可能となる。
従って、かかる実施例によれば、台風等の突風や強風作用時に発電装置の不作動により停電が発生しヨー制御が不能となった場合には、前記バッテリー制御部14によりバッテリー5を作動させて前記ナセル102をアップウィンド位置からダウンウィンド位置に移行せしめ、該ダウンウィンド位置にて風車を待機させた後、ヨーブレーキ作動制御部15及びヨーブレーキ操作装置16を介してヨーブレーキ3を解除せしめるので、台風やハリケーン等の突風や強風作用に伴う停電時においても、既存のバッテリー電源を利用して風車本体100Aをダウンウィンド位置に移行せしめた後、ヨーブレーキ3を解除することにより、格別な駆動電源を設置することなく、風向きの変化に対して風車を自在に追従させることができる。
前記バッテリー5には太陽電池若しくは二次電池を用い、二次電池の場合はナセル102に内蔵した発電機の余剰電力を受けて逐次蓄電しておく。
本発明の第2実施例を示す第5図において、100は前記第1実施例と同様なアップウィンド型の風車で、接地面より垂設された支柱106上に水平方向に旋回自在に風車本体100Aが取り付けられている。
該風車本体100Aにおいて、105はロータで、その外周には複数の翼101が円周方向等間隔にかつ該翼101の翼ピッチを変化可能に取り付けられている。103は前記ロータ105に直結された主軸で、その出力端がクラッチ301を介して発電機300(発電機300以外の被駆動体、例えば圧縮機、ポンプ等の負荷でもよい)に連結されている。102は前記主軸103や軸受等の運動部分及び前記発電機300等が収納されるナセル、106は支柱で、該ナセル102は前記支柱106上に水平方向に回転軸心104を中心として旋回可能に支持されている。
3は前記ナセル102の旋回を制動するヨーブレーキ、5は前記ナセル102内に設置されたバッテリーである。
第5図(A)、(B)において、1は前記支柱106頂部に固着された内歯歯車からなるリングギヤ、2は前記ナセル102に軸受32を介して回転自在に支持されて前記リングギヤ1に噛み合うピニオンである。前記ナセル102は、ナセル駆動装置4によって駆動制御されるヨーモータ30により減速機31を介して該ピニオン2を回転駆動し、該ピニオン2とリングギヤ1との噛み合いにより、該ピニオン2側をナセル回転軸心104廻りに公転させることにより、自在な方向つまり前記ナセル回転軸心104廻りに360°回転可能となっている。
20は前記ヨーモータ30の回転を制動するモータブレーキである。
前記ヨーモータ30、減速機31及びモータブレーキ20の詳細は後述する。
尚、この実施例においては、前記ヨーモータ30を180°対称位置に2台設けた例が示されているが、該ヨーモータ30は1台あるいは3台以上であってもよい。
6は前記複数の翼101に作用する風速を検出する風速検出器、7は前記主軸103の回転数を検出する風車回転数検出器、8は前記風車本体100Aのナセル102内に組み込んだ発電機300を含む風車発電装置の停電を検出する停電検出器、10は風車本体100Aをナセル回転軸心104廻りに旋回させることにより、該風車本体100Aの旋回を制御する制御装置である。
そして、前記風速検出器6にて検出された風速検出信号、風車回転数検出器7にて検出された主軸103の回転数検出信号、及び停電検出器8からの風車発電装置の停電検出信号は前記制御装置10に入力され、該制御装置10は前記各検出信号に基づき後述する制御、演算を行って前記ナセル駆動装置4、ヨーブレーキ3を操作するヨーブレーキ操作装置16、モータブレーキ20を操作するモータブレーキ操作装置25に出力するとともに、前記バッテリー5の動作を制御するようになっている。
前記ヨーモータ30、減速機31及びモータブレーキ20等からなるヨーモータ機構の詳細を第12図に示す。
第12図において、前記ヨーモータ30はロータ30a、ステータコイル30bから構成され、30cは該ロータ30aに連結された出力軸である。31は第1段減速機31a及び第2段減速機31bの2段からなる遊星歯車式の減速機である。該減速機31の出力軸31cは前記ピニオン2に連結されている。
20aはモータブレーキ20のブレーキシュー、20bは電磁コイル、20cは前記ブレーキシュー20aをロータ30aに押し付ける方向に付勢されたばね、20dは該ばね20cのばね力つまり前記ブレーキシュー20aとロータ30aとの間の押付力を調整する調整ねじである。電磁コイル20bによる磁界とばね20c付勢によりブレーキシュー20aがロータ30a頂面に圧接若しくは離間してブレーキ機能をなす。
かかるヨーモータ機構において、前記ヨーモータ30の回転力は第1段減速機31a及び第2段減速機31bの2段遊星歯車式の減速機31にて所定の回転数まで減速され、出力軸31cからピニオン2を回転せしめる。そして該ピニオン2とリングギヤ1との噛み合いによる該ピニオン2側の公転により、前記ナセル102を旋回せしめる。
風車の通常運転時等の、ヨーモータ30によるナセル102回転駆動時には、前記ブレーキシュー20aは電磁コイル20bの電磁力により図の上方に引き付けられ、ロータ30aから離れてモータブレーキ20は開放状態となっている。
前記モータブレーキ20を作動させる場合には、前記電磁コイル20bの通電を遮断し前記電磁力を0にすると、該ブレーキシュー20aは前記ばね20cのばね力によって下方に押され、前記ロータ30aに押し付けられて、ロータ30aの回転が制動される。
次に、第6図ないし第10図に基づきかかる第2実施例の動作について説明する。
通常の運転時には、ヨーブレーキ3及びモータブレーキ20を開放及び固定してのヨー制御、即ち、前記翼101が該ナセル102の風向き前方部位つまり前記ナセル回転軸心104よりも風上側即ちアップウィンド位置になるように位置設定されるとともに、風向きを検知する方位計により風向きと風車位置が所定偏差以上になった際に、前記ヨーブレーキ3を開放して該ナセル102を風向きに応じて水平方向に回転軸心104を中心として所定角度旋回させた後、該ヨーブレーキ3を作動させることにより風車本体を風向き位置に正対させて、ヨー制御(方位制御)即ち翼101、ロータ105及びナセル102からなる風車本体100Aを常時風の方向に向けるように制御を行う。
次に台風等の突風や強風作用時において、アップウィンド型風車100をアップウィンド位置(第7図及び第8図のステップ(1))からダウンウィンド位置に移行する際には次のような制御動作を行う。
前記風速検出器6からの風速検出値は制御装置10のカットアウト風速比較部12に入力される(第8図のステップ(1−1)。11はカットアウト風速設定部で、カットアウト風速即ち該風車100の主軸103と発電機の連結を解除して負荷運転を停止する負荷運転限界風速(例えば20〜25m/s)が設定されている。
前記カットアウト風速比較部12においては前記風速検出値Vとカットアウト風速設定値Vcとを比較し、前記風速検出値Vが負荷運転からアイドル状態に移行の基準風速となるカットアウト風速設定値Vcよりも大きいとき(V>Vc)、その比較結果信号をアイドリング制御部41に入力して(第7図及び第8図のステップ(2))、アイドリング制御部012からの信号により発電機300のクラッチ301により、主軸103と発電機300の連結を解除してアイドリング運転を行う(第8図のステップ(2−1)。
前記風速検出値Vがアイドル状態に移行の基準風速となるカットアウト風速設定値Vcよりも小さいか同じとき(V≦Vc)は、アップウィンド位置でクラッチを連結して通常の負荷運転に戻る(第7図及び第8図のステップ(2))。
アイドリングがなされたかどうかの判断は、次のステップにより行う。
即ち、第6図のように、前記風車回転数検出器7からの風車回転数(主軸103の回転数)の検出値は前記ナセル方位制御部13に入力されている(第8図のステップ(2−3)。
ナセル方位制御部13においては、前記風車回転数の検出値の変化によりアイドリング状態になっているかを確認し(第7図及び第8図のステップ(3))、アイドリング状態になっている場合は、前記風速検出器6よりの信号を前記DWSS風速比較部21に入力する(第8図のステップ(3−1)。
即ち22はDWSS風速設定部で、前記カットアウト風速設定値Vcよりも大きいDWSS風速(ダウンウィンドソフトサポート移行平均風速)Vd即ち風車本体が強度的に許容される臨界強度より3〜4σマイナスされた強度許容値に対応する瞬時最大風速値に基づき設定されたDWSS風速(例えば22〜30m/s)が設定されている。
DWSS風速比較部21においては、前記風速検出値VとDWSS風速Vdとを比較し、前記風速検出値VがDWSS風速Vdよりも大きいとき(V>Vd)、その比較結果信号をナセル方位制御部13に入力する(第7図及び第8図のステップ(4))。なお、アイドリングを解除した後、再度風速を検出(第8図のステップ(3−1)して前記風速検出値VがDWSS風速Vdよりも小さいとき(V≦Vd)は、通常のヨー制御運転に戻る。
ナセル方位制御部13においては、前記風車回転数の検出値がアイドリング回転数になっているかを確認し(第7図及び第8図のステップ(3))、前記DWSS風速比較部21から入力された比較結果つまり風速検出値VがDWSS風速Vdよりも大きく(V>Vd)なっているとき、前記ナセル駆動装置4にダウンウィンド位置への操作指令信号を出力する。
該ナセル駆動装置4においては、前記操作指令信号に従い、第3図に示すように、前記ピニオン2及びリングギヤ1を介してナセル102を鎖線で示すアップウィンド位置から略180°後部側に旋回させて実線で示すダウンウィンド位置に移行せしめる(第7図及び第8図のステップ(5))。これにより該風車本体100Aはダウンウィンド位置にて制御運転されることとなる(第7図のステップ(6))。
次いで、前記ダウンウィンド位置にて風速Vを検出し(第8図のステップ(5−1))、該風速Vと前記DWSS風速Vdよりも大きい自然追従風速Vfとを比較し(第8図のステップ(20))する。
そして、該風速Vが自然追従風速Vfを超えるとき(V>Vf)は、次の制御を行う。
この際アップウィンド位置では風向き正対でヨーブレーキがかかって運転されている為に、ヨーブレーキ作動制御部15では、前記ナセル方位制御部13により前記ナセル駆動装置4にダウンウィンド位置への操作指令信号が出力されると、前記ヨーブレーキ3を解除する指令信号をヨーブレーキ操作装置16に出力する。これを受けて該ヨーブレーキ操作装置16は前記ヨーブレーキ3を解除せしめる(第7図及び第8図のステップ(7))。
また24はモータブレーキ作動制御部で、前記ナセル方位制御部13により前記ナセル駆動装置4にダウンウィンド位置への操作指令信号が出力されると、前記ヨーモータ30の回転を制動するモータブレーキ20を作動させる指令信号をモータブレーキ操作装置25に出力する。
これを受けて該モータブレーキ操作装置25は、第12図に示すように、前記モータブレーキ20の電磁コイル20bへの通電を遮断して、電磁コイル20bによるロータのブレーキ力の解除状態から、ブレーキシュー20aをばね20cのばね力によってロータ30aに押し付け力によって該ロータ30aの回転を抑制する(第8図のステップ(8))。
かかるモータブレーキ20の作動状態にて、ダウンウィンド位置での自然追従運転を行う(第7図、第8図のステップ(9))。
この場合、前記モータブレーキ20のブレーキ力は、後述するように前記ナセル102をダウンウィンド(風下)方向に自然追従せしめ得るような大きさで、かつ前記自然追従運転時に強風等によって翼101に作用する変則的な荷重に対して発生する修正モーメントによってヨーモータ30が破損しない程度の大きさになるように、前記調整ねじ20cにより前記ブレーキシュー20aとロータ30aとの間の押付力を調整する(第12図参照)。
即ち、強風等によって翼101に作用する変則的な荷重に対して発生する修正モーメントが過大になった場合には、前記ヨーブレーキ3及びモータブレーキ20を解除してナセル102をダウンウィンド方向に自然追従せしめると、前記修正モーメントが増速された回転力となってヨーモータ30に作用することから、かかる回転力による過大回転によってヨーモータが破損することがある。
そこで、かかる実施例においては、前記ヨーモータ30の回転を制動するモータブレーキ20を作動させ該ヨーモータ30の回転速度や回転角を適度に抑制することにより、前記のような該ヨーモータ30の過大回転を回避して、該過大回転による該ヨーモータ30の破損を防止する。
また、ナセル102をダウンウィンド位置に旋回後において、前記風速Vが自然追従風速Vf以下のとき(V≦Vf)は、次のように、アップウィンド位置と同様なヨー制御を行う。
即ち該ヨー制御においては、第8図に示されるように、所定時間ごとに風向きを検知する(第8図のステップ(21))。該風向きが所定偏差を超えた場合に(第8図のステップ(22))、前記ヨーブレーキ3を解除して、該ナセル102を風向きに応じて水平方向に回転軸心104を中心として所定角度旋回させ、正しい風向き位置に正対させ(第8図のステップ(24))、その位置でヨーブレーキ3を固定するヨーブレーキ制御を行う(第8図のステップ(23))。
以上のように、かかるヨー制御においては、翼101、ロータ105及びナセル102からなる風車本体100Aを常時若しくは所定風向き範囲内で固定し、風向きが所定偏差以上になったときに前記ヨーブレーキ3を開放し、前記風車本体100Aを風の方向に向けて固定するように制御している。
一方、発電機や発電側の電気回路の損傷等によって停電が発生しヨーモータ30の回転によるヨー制御が不能となった場合には(第7図及び第8図のステップ(10))、停電検出器8によって停電が検出されて前記制御装置10のバッテリー制御部14に入力される。
そして、該バッテリー制御部14からのバッテリー電力入力信号はバッテリー5側のスイッチに伝送されて該スイッチオンによりバッテリー5の動力を制御装置側に入力して(第7図及び第8図のステップ(11))、該バッテリー5の動力によって、前記ナセル方位制御部13の動作と同様に、前記ナセル駆動装置4を介してナセル102をアップウィンド位置から180°後部側に旋回させてダウンウィンド位置に移行せしめる(第7図及び第8図のステップ(5))。
また停電であるので、前記のようにして、モータブレーキ20が自動的に作動する。
以上の動作により、風車本体100Aは、ダウンウィンド移行時には、前記ヨーブレーキ3が開放された状態で且つ前記モータブレーキ20により前記修正モーメントによってヨーモータ30が破損しない程度の適度なブレーキ力を付与されている為に、風向きに自然追従した運転がなされる。
以上のように、かかる第2実施例によれば、翼101に作用する風速が、前記カットアウト風速Vc以上の風速である場合に、風車のアイドリング運転を行い、その後に、翼101に作用する風速が瞬時最大風速の許容値(風車本体が強度的に許容される臨界強度より3〜4σ程度マイナスされた強度許容値に対応する瞬間最大風速))に基づき設定されたDWSS風速Vd以上となった場合に、前記制御装置10によりナセル駆動装置4を介してナセル102をアップウィンド位置からダウンウィンド位置に移動せしめるとともにヨーブレーキ3を解除してモータブレーキ20の適度のブレーキ力により回転を抑制するものである。
従って、風速Vの変動が激しい場合においても、先ず前記カットアウト風速Vc以上の風速である場合に、風車のアイドリング運転を行い、その後に瞬時最大風速の前記強度許容値に基づき設定された前記DWSS風速Vdにて前記ナセル102をアップウィンド位置からダウンウィンド位置に移動せしめるので、実際の風速Vの変動が激しい場合に、ナセル102を頻繁にアップウィンド位置からダウンウィンド位置に移動せしめる必要がない。
これにより、風速Vの変動が激しい場合においても、ナセル102をアップウィンド位置からダウンウィンド位置に頻繁に移動せしめることが回避されて、実際の平均風速前記瞬時最大風速の許容値を超える場合のみにおいて該ナセル102をアップウィンド位置からダウンウィンド位置にソフトに移動することができ、風車本体100Aの運転操作性が大きく向上する。
第9図は、ダウンウィンド位置に移行したナセル102をアップウィンド位置に戻す際の制御フローチャートを示す。
第9図において、前記のようにダウンウィンド位置において風向きに自然追従運転がなされている(第9図ステップ(9))風車本体100Aをアップウィンド位置に戻す際には、風速を検出し(第9図のステップ(10))、検出風速Vが予め設定されたアップウィンド位置戻し風速Veよりも小さいとき(V≦Ve)(第9図のステップ(11))、ヨーブレーキ3を解除するとともに(第9図のステップ(12))、モータブレーキ20を解除し(第9図のステップ(13))、前記ナセル102を旋回せしめて前記ダウンウィンド位置からアップウィンド位置に移行せしめる(第9図のステップ(12))。
そして、前記アップウィンド位置に戻した後は、前記モータブレーキ20を解除して所定時間間隔毎の風向き検知と前記ヨーブレーキ3の解除と固定を繰り返しながら、通常のヨー制御運転を行う。
即ち、かかるヨー制御において、第9図に示されるように、所定時間ごとに風向きを検知する(第9図のステップ(21))。該風向きが所定偏差を超えた場合に(第9図のステップ(22))、前記ヨーブレーキ3を解除して、該ナセル102を風向きに応じて水平方向に回転軸心104を中心として所定角度旋回させ、正しい風向き位置に正対させ(第9図のステップ(24))、その位置でヨーブレーキ3を固定するヨーブレーキ制御を行う(第9図のステップ(23))。
この場合に、アップウィンド位置からダウンウィンド位置に移行した後、アップウィンド位置に戻すアップウィンド位置戻し風速Veは前記DWSS風速Vdとカットアウト風速Vcとの中間風速以下に設定している。
これにより、アップウィンド位置→ダウンウィンド位置→アップウィンド位置の切り換えループにヒステリシスを持たせることができて、僅かな風速変化でナセル102が逆方向に戻されることがなく、安定したアップウィンド位置→ダウンウィンド位置間の移行が可能となる。
第10図は、アップウィンド位置での運転時に停電が発生した際における、アップウィンド位置からダウンウィンド位置への移行制御の、他の例の制御フローチャートを示す。
第10図において、アップウィンド位置での運転時(第10図のステップ(1))に、停電検出器8から停電信号が入力されると(第10図のステップ(15))、バッテリー5を作動させた後(第7図、第10図のステップ(11))、該バッテリー5により風速をみて(第10図のステップ(26))、次の何れかの制御方法を選択する。
第1の制御方法において、風速が閾値より小さい場合は、通常のように、ヨーブレーキ3を作動させて(第7図、第10図のステップ(16))、風車本体100Aをアップウィンド位置にそのまま停止する(第7図、第10図のステップ(17))。
第2の制御方法において、風速が閾値より大きい場合は、前記ヨーブレーキ3を一定速度以下の低速度で徐々に解除してから(第7図、第10図のステップ(18))、ナセル102をダウンウィンド位置に旋回、移行する(第7図、第10図のステップ(19))。
このように構成すれば、強風作用時等において、アップウィンド位置から徐々にヨーブレーキ3を解除することにより、ヨーモータ20等のヨー制御装置に無理な力が掛かることなく、風車本体100Aを滑らかにダウンウィンド位置に移動することができる。
以上記載の如く本実施例によれば、突風や強風作用時に風速が制御装置に予め設定されたカットアウト風速以上となりかつ風車回転数がアイドリング運転状態になると、制御装置により風車本体を通常のアップウィンド位置から180°後部側に旋回させてダウンウィンド位置に移行せしめ該ダウンウィンド位置にて風車を待機させるので、翼の回転面がダウンウィンド位置に移行することにより、翼の回転面に対して斜め方向からの風が翼を備えたロータの回転軸を風向きに合わせる方向に作用する機能を発揮し、格別なヨー制御を行うことなく風車を風向きに追従せしめることができる。
これにより、突風や強風作用時に該強風が斜め方向から翼に作用した場合においても、翼が自動的に風向きに追従せしめられることにより、翼に斜め方向の変則的な過大荷重が作用するのが回避され、かかる過大荷重による翼の破損の発生を防止できる。
また本実施例によれば、制御装置によって風車本体をアップウィンド位置からダウンウィンド位置に移行せしめ該ダウンウィンド位置にて風車を待機させた後、ヨーブレーキを解除してブレーキ開放状態とすることにより、風向きの変化に対して風車が自在に追従できて追従性が上昇し、強風が斜め方向から翼に作用した場合における翼への変則的な過大荷重の作用をより確実に回避できる。
また本実施例によれば、突風や強風作用時に発電装置の不作動により停電が発生しヨー制御が不能となった場合には、バッテリーを作動させて該バッテリーの動力によって風車本体をアップウィンド位置からダウンウィンド位置に移行せしめ該ダウンウィンド位置にて風車を待機させ、さらにヨーブレーキを解除せしめるので、停電時においても既存のバッテリー電源を利用して風車をダウンウィンド位置に移行せしめた後ヨーブレーキを解除することにより、格別な駆動電源を設置することなく、風向きの変化に対して風車を自在に追従させることができ、強風が斜め方向から翼に作用した場合における翼への変則的な過大荷重の作用を回避できる。
また本実施例によれば、翼に作用する風速がカットアウト風速以上の風速である瞬時最大風速の許容値に基づき設定された臨界(DWSS)風速(ダウンウィンドソフトサポート移行平均風速)以上となり、かつ風車回転数がアイドリング運転状態であるときに、前記制御装置により前記風車本体をアップウィンド位置からダウンウィンド位置に移動せしめるとともに、ヨーブレーキを解除するように構成されているので、風速の変動が激しい場合においても、瞬時最大風速の許容値に基づき設定された臨界風速(DWSS風速)にて前記風車本体をアップウィンド位置からダウンウィンド位置に移動せしめるので、実際の風速が前記瞬時最大風速の許容値を超える場合のみにおいて、前記風車本体をアップウィンド位置からダウンウィンド位置に移動せしめることが可能となる。
従って、風速の変動が激しい場合においても、風車本体をアップウィンド位置からダウンウィンド位置に頻繁に移動せしめることが回避されて、実際の風速が前記瞬時最大風速の許容値を超える場合のみにおいて該風車本体をアップウィンド位置からダウンウィンド位置にソフトに移動することができ、風車の運転操作性が大きく向上する。
また、ダウンウィンド位置に移行後、通常運転時においてはヨー制御を停止し、停電時においてはそのまま前記風車本体を風下方向に自然追従せしめるので、翼に斜め方向の変則的な荷重が作用しても、格別な制御を要することなく翼に修正モーメントが発生して翼が自動的に風向きに追従せしめられ、かかる変則的な荷重による翼及び回転部材の破損を防止できる。
加えて、ヨーモータの回転を制動するモータブレーキを作動させ前記ヨーモータの回転を適度に抑制することにより、前記修正モーメントに起因するヨーモータの過大回転が回避され、該過大回転によるヨーモータの破損を防止できる。
本発明によれば、風車を用いた風力発電装置を大型化させ風車単機容量の増加の中で風車の軽量化低コスト化の為の空力荷重の低減に大きく寄与する。
本発明の第1実施例に係るアップウィンド型風車及び制御装置の側面構成図である。 第1実施例における制御ブロック図である。 アップウィンド型風車のダウンウィンド位置への移行説明図である。 第1実施例における制御基本構成図である。 本発明の第2実施例を示し、(A)はアップウィンド型風車及び制御装置の側面構成図、(B)は(A)におけるY部拡大図である。 第2実施例におけるアップウィンド位置とダウンウィンド位置との間の移行制御ブロック図である。 第2実施例における制御基本構成図である。 第2実施例における制御フローチャート(その1)である。 第2実施例における制御フローチャート(その2)である。 第2実施例における制御フローチャート(その3)である。 ヨー制御装置の概略構造を示す斜視図である。 ヨーモータ及びモータブレーキの概略構成を示す断面構成図である。 風車の作動説明図で、(A)は平面概略図、(B)は正面概略図である。 ヨーブレーキの要部構造を示す斜視図である。 ピッチ制御装置の要部断面図である。
符号の説明
3 ヨーブレーキ
5 バッテリー
6 風速検出器、
7 風車回転数検出器、
8 停電検出器
10 制御装置
100 アップウィンド型の風車
101 翼
102 ナセル
105 ロータ
106 支柱
320 ピッチ可変機構

Claims (6)

  1. 地上や船上等の設置面に立設された支柱と、
    水平旋回方向に旋回自在に支持されたナセルと、複数の翼を備えて風力により回転せしめられるロータと、前記ナセル内に納められて前記ロータと接続する発電機とを備えた風車本体と、
    前記風車本体を旋回させる回動駆動機構と、風車本体の旋回を抑制するブレーキ装置とを備え、翼が受けた風力により発電機が接続されたロータが回転する風車運転装置において、
    前記発電機の異常検知信号又は前記翼への過大風荷重の作用力に対応する異常検知信号のいずれかを検知する異常検知信号検出手段と、前記ロータをダウンウィンド(風下)側に位置させた状態における前記風車本体の旋回駆動制御手段とを有し、前記検知手段よりの異常検知信号を受けて、該旋回駆動制御手段が前記風車本体の旋回を風向きに自然追従させ、且つ該旋回の速度を抑制する手段であることを特徴とする風車の風車運転装置。
  2. 地上や船上等の設置面に立設された支柱と、
    水平旋回方向に旋回自在に支持されたナセルと、複数の翼を備えて風力により回転せしめられるロータと、前記ナセル内に納められて前記ロータと接続する発電機とを備えた風車本体と、
    前記風車本体を旋回させる回動駆動機構と、風車本体の旋回を抑制するブレーキ装置とを備えるアップウィンド型風車の運転装置において、
    前記発電機の異常検知信号又は前記翼への過大風荷重の作用力に対応する異常検知信号のいずれかを検知する異常検知信号検出手段と、前記検知手段よりの異常検知信号を受けて少なくとも前記ロータがダウンウィンド(風下)側となるまで前記風車本体を旋回させせる旋回駆動手段と、ダウンウィンド(風下)側に位置する風車本体の旋回を風向きに自然追従させる自然追従制御手段よりなることを特徴とするアップウィンド型風車の運転装置。
  3. 前記翼への過大風荷重の作用力に対応する異常検知信号が風速若しくはロータ回転数が所定範囲を超えた場合に生成される異常検知信号であることを特徴とする請求項1、若しくは2記載の風車の風車運転装置。
  4. 地上や船上等の設置面に立設された支柱と、
    水平旋回方向に旋回自在に支持されたナセルと、複数の翼を備えて風力により回転せしめられるロータと、前記ナセル内に納められて前記ロータと接続する発電機とを備えた風車本体と、
    前記風車本体を旋回させる回動駆動機構と、風車本体の旋回を抑制するブレーキ装置とを備え、翼が受けた風力により発電機が接続されたロータが回転する風車の運転方法において、
    前記発電機の異常検知信号又は前記翼への過大風荷重の作用力に対応する異常検知信号のいずれかを検知すると、前記ロータをダウンウィンド(風下)側にした状態における前記風車本体の旋回を風向きに自然追従させ、且つ該旋回の速度を抑制することを特徴とする風車の運転方法。
  5. 地上や船上等の設置面に立設された支柱と、
    水平旋回方向に旋回自在に支持されたナセルと、複数の翼を備えて風力により回転せしめられるロータと、前記ナセル内に納められて前記ロータと接続する発電機とを備えた風車本体と、
    前記風車本体を旋回させる回動駆動機構と、風車本体の旋回を抑制するブレーキ装置とを備えるアップウィンド型風車の運転方法において、
    前記発電機の異常検知信号又は前記翼への過大荷重の作用力に対応する異常検知信号のいずれかを検知すると、少なくとも前記ロータがダウンウィンド(風下)側となるまで前記風車本体を旋回させ、その後風車本体の旋回を風向きに自然追従させることを特徴とするアップウィンド型風車の運転方法。
  6. 風向きに自然追従させる前記風車本体の旋回速度を抑制することを特徴とする請求項4記載のアップウィンド型風車の運転方法。
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