JP2007144146A - 靴底および靴 - Google Patents
靴底および靴 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007144146A JP2007144146A JP2006291613A JP2006291613A JP2007144146A JP 2007144146 A JP2007144146 A JP 2007144146A JP 2006291613 A JP2006291613 A JP 2006291613A JP 2006291613 A JP2006291613 A JP 2006291613A JP 2007144146 A JP2007144146 A JP 2007144146A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- shoe
- shoe sole
- outer peripheral
- peripheral wall
- upper body
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Footwear And Its Accessory, Manufacturing Method And Apparatuses (AREA)
Abstract
【解決手段】床面との接触部となる接触体を裏面に設けた底板部を有し、当該底板部の外周部には、上方に向かって立設した外周壁が設けられるとともに、当該外周壁によって囲まれる内側部には上方に向かって立設した複数の凸体が設けられており、前記外周壁および凸体は、足入れ部となる甲皮や中底等から構成された靴のアッパー体を支持する支持面を有するとともに、当該アッパー体が装着された際にほぼ上面がふさがれて内部に複数の小空間を形成するようになっており、前記各小空間は、少なくとも靴の先端部若しくは踵側端部とを途切れることなく連通させる。
【選択図】図1
Description
また、靴の底内に入り込んだ洗濯液等の排出を考慮した履物として、特許文献1記載の履物が知られている。当該履物は、甲被と底とを備えている履物であって、前記底が底本体部と、少なくとも厚さ方向に液体を透過する構造を有する中間層部と、上面被覆層部とを少なくとも備えており、しかも、前記底本体部が該底本体部の上面側に該底本体部の周側端面に連通して該履物の洗濯などにおいて前記底内に入り込んだ液体を該底外に案内する凹状案内部を備えていることを特徴とするものである(段落0006)。そして、当該履物は、前記底内に入り込んだ洗濯液などの液体が該履物の乾燥処理時や脱水処理時などにおいて前記中間層部を通過して前記底本体部の上面側に沿って該上面側にある前記凹状案内部によって容易に外部に導き出されるものであり、底本体部に備えられている凹状案内部によって前記履物底内が外部と連通状態とされて履物底内が日常的に換気状態とされるという作用を有するものである(段落0007)。
さらに、靴底内部に空間を形成した一般的な靴は、図19に示す靴底100のように、内部に格子状若しくは他の形状の立設した壁101を設け、当該壁101によって閉じた小空間102を多数形成したものがほとんどであった。
また、上記特許文献1記載の履物は、洗濯時の脱水処理等を考慮して、底本体部を覆う中間層部に、少なくとも厚さ方向に液体を透過する構造を有する織物、編物、不織布、メッシュ材などの単層体または積層体が用いられたものである。また、上記特許文献1記載の履物は、靴底本体部がEVAフォーム材等のプラスチックフォームによって構成されている。
しかし、上記特許文献1記載の履物は、そもそもスリッパであるから無菌室やクリーンルームにおいて使用することは出来ないものである。また、上記特許文献1記載の履物は、洗浄時の乾燥処理や脱水処理時などを考慮した構造となっているものの、高温高圧が加えられる滅菌を目的としたオートクレーブ滅菌には適さないものである。オートクレーブ滅菌とは、水蒸気を発生させて高温、高圧の環境を発生する釜のような漕(オートクレーブ)内に靴等を入れ、滅菌を行う処理であり、靴を使用する度若しくは定期的に行われるものである。したがって、当該オートクレーブ滅菌に対応する靴には、繰り返し高温・高圧蒸気の環境下においても、当該処理によっては容易に破損することの無い耐久性が要求されるものである。
また、前記図19に示した靴底は、内部に小空間を有しているため軽量に形成することができるとともに、クッション性を有するものである。しかし、壁によって区画された小空間は互いに独立しているため、内部に水が入り込んだ場合には、容易に排出することができず、乾燥に時間を要するものである。
床面との接触部となる接触体を裏面に設けた底板部を有し、当該底板部の外周部には、上方に向かって立設した外周壁が設けられるとともに、当該外周壁によって囲まれる内側部には上方に向かって立設した複数の凸体が設けられており、前記外周壁および凸体は、足入れ部となるアッパー体を支持する支持面を有するとともに、当該アッパー体が装着された際にほぼ上面がふさがれて内部に複数の小空間を形成するようになっており、前記各小空間は、少なくとも靴の先端部若しくは踵側端部と途切れることなく連通していることを特徴とする靴底。
前記小空間を形成する凸体は、端部が先端側若しくは踵側を向くように傾斜して配置されおり、当該小空間内に水等が存在する場合に、靴の先端側若しくは踵側を下向きにすることによって、当該小空間に貯まった水等を靴の先端部若しくは踵側端部まで流動させることができるようになっていることを特徴とする請求項1記載の靴底。
先端部若しくは踵側端部の外周壁部分には、当該靴底の内部と外部との連通を目的とした小孔若しくは弁体が設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の靴底。
先端部若しくは踵側端部の外周壁部分には、当該靴底の内部と外部との連通を目的とした薄壁部が設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の靴底。
床面との接触部となる接触体を裏面に設けた底板部および当該底板部の外周部に上方に向かって立設した外周壁を設けるとともに、当該外周壁によって囲まれる内側部に上方に向かって立設した複数の凸体を設けた靴底と、当該靴底上に設けたアッパー体とを有する靴であって、前記靴底の外周壁および凸体は、足入れ部となる前記アッパー体および当該アッパー体下部に設けた中底を支持する支持面を有するとともに、当該アッパー体の装着によって上面がふさがれた複数の小空間を形成するようになっていることを特徴とする靴。
前記小空間を形成する凸体は、端部が先端側若しくは踵側を向くように傾斜して配置さ
れおり、当該小空間内に水等が存在する場合に、靴の先端側若しくは踵側を下向きにすることによって、当該小空間に貯まった水等を靴の先端部若しくは踵側端部まで流動させることができるようになっていることを特徴とする請求項5記載の靴。
前記靴底の先端部若しくは踵側端部の外周壁部分には、当該靴底の内部と外部との連通を目的とした小孔若しくは弁体が設けられていることを特徴とする請求項5または6記載の靴。
前記靴底の先端部若しくは踵側端部の外周壁部分には、当該靴底の内部と外部との連通を目的とした薄壁部が設けられていることを特徴とする請求項5または6記載の靴。
前記アッパー体の内部において、前方と後方の双方もしくはいずれか一方には、前記アッパー体の内部から前記靴底の小空間に向かって貫通する孔が設けられていることを特徴とする請求項5乃至8のいずれか一項記載の靴。
床面との接触部となる接触体を裏面に設けた底板部および当該底板部の外周部に上方に向かって立設した外周壁を設けるとともに、当該外周壁によって囲まれる内側部に上方に向かって立設した複数の凸体を設けた靴底と、当該靴底上に設けたアッパー体とを有する靴であって、
前記靴底の外周壁および凸体は、足入れ部となる前記アッパー体および当該アッパー体下部に設けた中底を支持する支持面を有するとともに、当該アッパー体の装着によって上面がふさがれた複数の小空間を形成するようになっており、前記各小空間を靴の先端部から踵側端部に亘って途切れることなく連通させるとともに、前記中底の前足底部分、土踏まず部分および踵部分のそれぞれに、前記小空間に連通する小孔を複数個配置したことを特徴とする靴。
前記中底に設けた小孔は、土踏まず部分中央から前足底部分中央に向かう中心線および土踏まず部分中央から踵部分中央に向かう中心線付近に配置されており、当該小孔の直径は、前記凸体の上端によって開口が塞がれることがないように、当該凸体の幅寸法よりも大きく形成されていることを特徴とする請求項10記載の靴。
、踵側を下にして靴底を立てた状態に保持することにより、薄壁部を切り取らない場合に比べて、さらに多くの水を排出することができる。この場合、アッパー体内に排出される水は少なくなるので、さらに乾燥速度を早くすることができるという効果を有する。また、靴底内部の水の流れ方向が外側を向く姿勢で遠心式脱水機にかけたり、手に持って振る等することにより、靴底内部の水の排出をより確実なものとすることができる。
なお、靴底内の水を爪先方向に向かって流れるように凸体を配置し、靴底先端に薄壁部を形成した場合には、脱水時に立てかける際の姿勢は靴底先端が下向きであり、遠心式脱水機にかけたり、若しくは手に持って振る場合には靴底先端が外側に向くようにして行われることはいうまでもない。
図1は本願発明に係る靴1の側面図であり、図2は靴1の背面図を表している。また、図3は、靴1の図2に示したB−B’線断面図、図4は靴1の図3に示したA−A’線断面図を表している。靴1は、前記各図に示すように、主として合成ゴム(NBR)によって一体的に形成された靴底2と、当該靴底2上に接着されたアッパー体3とから構成されている。
また、図5は靴底2単体の平面(上面)図を表しており、図6は同靴底2単体の底面(裏面)図である。なお、本発明の記載において、靴1および靴底2の上下とは、図1を基準とする上下方向のことであって、前後とは、図1を基準とする左右方向のことであって、左右とは、図1を基準として紙面の表裏方向のことである。
接地ブロック4を設けた側の反対に相当する底板8の表面側(アッパー体3側)には、上方に向かって立設した外周壁10が当該底板8の外周部に設けられている。また、当該外周壁10の内側の空間には、上方に向かってほぼ直角に立設した複数の凸体11が一体的に設けられている。前記外周壁10の上面には、外周から内側に向かってなだらかに湾曲しながら下降傾斜する幅広部12が設けられている。当該幅広部12は、アッパー体3との接着面を成す部分である。
複数個設けられている。本実施の形態における各凸体11は、厚さ約3mmの板状体として形成されたものであり、図5に示すようにリブ状に規則的に配置されたものである。なお、各凸体11は、踵側では厚さよりも高さの寸法が上回っているが、爪先側では厚さよりも高さの寸法が小さくなっている。
また、踵部に配置された凸体11の側面および端部には、当該凸体11の側面から90°以内の内角で斜め後方に突出した突出部13が設けられている。当該突出部13は、凸体11と同じ幅に形成されており、凸体11の倒れを防止するとともに、凸体11とともに歩行時の荷重を弾力的に受け止める作用を有するものである。
本実施の形態に係る各凸体11は、図5に示すように、一端が底板8の左右(図面上の上下方向)の外周壁10と接合するとともに、中央側(中心線CL側)は他の部位と接合しない自由端となっている。また、各凸体11は、前記自由端が後方に向かって規則的に斜めに傾斜するように設けられており、各凸体11の自由端同士は、互いに接触せず少なくとも約3mm程度の間隔があけられている。
本実施の形態においては、靴底内に形成された全ての小空間15は中心線CL付近で開口しており、当該開口は靴の先端側から踵側端部に亘って途切れることなく形成された1つの通路20(図5においてジグザグ状の模様を付けた部分)と連通している。
当該通路20は、各凸体11の自由端に沿って左右に屈曲しながら靴の先端部と踵側端部とを結んでいる。そして、前記小空間15を形成する凸体11は、全て後方に向かって傾斜するように配置されており、凸体11に設けられた突出部13も凸体11に対して後方側に設けられている。当該構成によって、前記小空間15を形成する凸体11は、踵側を下向きにして靴底2を傾斜させた際に、前記小空間15に貯まった水等の排出を妨げることがなく、前記通路20に沿って踵側に水等を導くことができるようになっているものである。
図7は、前記薄壁部21を取り除いて開口23を形成した靴1の断面図を表している。当該開口23は、前述した凸体11および通路20とともに、靴底内部に貯った水を排出する作用を有する。すなわち、踵側を下にして靴1を立てると、水が貯まった全ての小空間15の通路20に面した開口が斜め下方を向くことになり、凸体11に案内される形で小空間15内の水が通路20内に導かれ、当該通路20を通って外周壁10の開口23から水が排出されるものである。
靴底内に形成したリブ状の凸体11は、靴1を立てた場合に、開口23に向かって移動する水の流れを妨げない形状および配置となるように形成されている。なお、当該作用を有するのであれば、凸体11の形状は図に示した例に限らないものであり、後述する図14に示す他の実施例の形状であっても構わない。
また、前述した例は、踵側に薄壁部21若しくは開口23を設けたが、当該薄壁部若しくは開口をつま先側に形成してもよい。この場合、凸体11の形状および配置は前方に向かう水の流れを妨げないような形状および配置となることは言うまでもない。
なお、裏層シートは、ポリエステル繊維と木綿繊維の混紡繊維によって形成してもよい。立体的に縫製された袋状部分24は、上部に足入れ部となる上部開口と、足の底部を包み込むように内側に向かって巻き込んだ下端縁によって形成された下部開口を有した形状になっており、当該下部開口に中底17の下面が接着されている。
前記立体的に縫製された袋状部分24の爪先付近の甲部には、保護カバー25が貼り付けられている。保護カバー25は、靴底と同様に耐熱性の高いゴム素材によって袋状部分24に沿って立体的に形成されたものである。各部材の接着には、耐熱性の高い接着剤が使用されている。保護カバー25は、洗浄時の衝撃やオートクレーブによる温度や圧力によるストレスに対する強度を高め、靴全体を保護し、型崩れを防ぐ作用を有するものである。また、靴を障害物にぶつけた際、使用者の爪先を保護する作用も有する。
このため、当該帯状ゴム26と袋状部分24の接着面積が広くなり洗浄やオートクレーブ滅菌処理による剥離が起こりにくくなっているとともに、保形性がより高められている。また、図9に示すように、内側に折り曲げられた袋状部分24下端の踵側部分に、切欠部27を形成しても良い。当該切欠部27は、靴底2に形成した凹部22の近傍に位置するように設けられるものであり、凹部22付近に導かれた水等を中底17部分を介して排出させようとする際に設けられるものである。なお、靴底2内からアッパー体3内部への排水を効率良く行わせるために、中底17若しくは中底17および後述するゴムシート18に複数の小孔を穿設しても構わない。
が左右に開くように変形してしまう。
本実施の形態における靴底2は、当該左右への変形をできるだけ最小限に止めるために、内部に設けた凸体11をリブ状に形成し、左右の凸体11を中央付近で互い違いになるように配置し、左右方向への変形に対する剛性を高めている。
アッパー体3の形成の手順としては、まず、木型K3の下面に中底17を仮付けする。次に、中底17の開放面(木型に仮付けした面と反対側の面)に、中底17の外周を覆うようにして袋状部分24を貼り付ける。このとき、袋状部分24を、中底17の開放面が袋状部分24によって完全に覆われることなく一部が露出するように貼り付ける。次に袋状部分24の爪先付近に保護カバー25を接着剤により貼着し、さらに外周に帯状ゴム26を接着剤によって貼着してアッパー体を形成する。その後、中底17の開放面の露出部分に、ゴムシート18を貼り付ける。
以上のように中底17とゴムシート18を貼着したアッパー体3は、靴底2の上部に対して位置決めされた後、当該靴底2とともに支持台K2の上に載置され、木型K3の上面に当接する押し型K4に対し、支持台K2を上方へ近接させることで、両者を密着させるようになっている。この際、ゴムシート18は、凸体11の靴底2の中心線に沿った所定幅の領域の上面に接着されることになる。上記押し型K4と支持台K2の近接は、接着剤が接着面に対して有効に付着するように、強い力で行われることが望ましい。しかし、極端に強い力をかけた場合には、靴底2の上面が左右に開くように変形してしまう。
本実施の形態における靴底2は、当該左右への変形をできるだけ最小限に止めるために、内部に設けた凸体11をリブ状に形成し、左右の凸体11を中央付近で互い違いになるように配置し、左右方向への変形に対する剛性を高めている。
外周縁と、内側に折り曲げられた袋状部分24の下端縁との間には、若干の隙間19(図13参照)が形成されており、靴底2とアッパー体3内部との間では、僅かながら通気性、通水性を有するようになっている。なお、図13では前記隙間19を視認しやすくするため、中底17の図示を省略している。
洗浄とは、一例として、円筒状の洗濯槽内で水流を回転させる一般的な構造の洗濯機を利用し、洗濯槽内で洗浄液によって洗浄した後に水でゆすぎ、回転による遠心力によって脱水するというものである。当該洗浄の後、靴はオートクレーブ滅菌と称される摂氏約120度(当該温度は、飽和蒸気の環境下でウイルスや菌が死滅するとされている温度であり、使用するオートクレーブ装置によっては摂氏約130度程度まで加熱する場合もある。)の高温と約0.2MPa程度(圧力は温度との関係で変動する)の高圧を発生させる蒸気槽内に投入され滅菌処理が行われる。そして、当該滅菌処理の後に、温風等による乾燥処理が行われる。
第1に、靴底2の踵部に形成した薄壁部21を切り取らず残している場合、踵側を下にして靴底2を立てた状態に保持することにより、靴底2内の水が途中で止まることなく踵側に移動させることができ、大半の水を前記アッパー体3とゴムシート18との隙間19を介して排出させることができる。
靴底2内から排出された水は熱風と直接接触することができるので、乾燥が促進される。また、アッパー体3内部において、前方(爪先付近)もしくは後方(踵付近)に、アッパー体3内部から靴底2の小空間15に貫通する小孔を設けることにより、靴底2内の水の排水をさらに促進させることができる。このとき、小孔を前方と後方の双方に設けることにより、一方の小孔が排水、他方の小孔が吸気の役割をなし、さらに排水が促進される。
第2に、靴底2の踵部に形成した薄壁部21を切り取った場合、踵側を下にして靴底2を立てた状態に保持することにより、薄壁部21を切り取らない場合に比べて、さらに多くの水を排出することができる。この場合、アッパー体3内に排出される水は少なくなるので、さらに乾燥速度を早くすることができる。また、上記薄壁部21を切り取らず残している場合と同様に、アッパー体3内部から靴底2の小空間15に貫通する小孔を設けることにより、靴底2内の水の排水をさらに促進することができる。
なお、上記何れの場合であっても、遠心式脱水機によって回転させたり、手に持って振ることで単に立てかけた場合よりも排水の効率を良くすることができる。
については、説明を省略する。
凸体32は、外周壁31から中心線CL2に向かって、やや後方に傾斜して配置された複数のリブ状の壁33と、当該壁33から後方に向かって短く伸びた複数の突出壁34を有した形状に形成されている。そして、中心線CL2に沿った中央の領域は、先端から後端にかけて連通した通路となっている。当該靴底30も靴底2と同様に、踵側を下に向けた際に、途中で水が止まることなく下端まで流れるようになっているものである。
複合シート40は、ポリエステル繊維による織物として形成された表層シート41と、ポリエステル繊維と綿の混紡繊維若しくは綿繊維により織物若しくは編み物として形成された内層シート42を有している。当該表層シート41と内層シート42は、接着剤によって貼り合わされている。図中43は、接着剤による接着層を表している。図15および図16に示すように、表層シート41と内層シート42は、全面が接着されているのではなく、斜め格子状に塗布した接着剤によって接着剤層43と未接着部44が設けられるようになっている。
なっている。しかし、400g/cm2/hrの透湿度で水蒸気を透過することができる。しかし、全面に接着剤層43を形成すると、水蒸気の透過を許容しなくなってしまうため、部分的な接着部を設け、水蒸気の透過を可能としている。
また、内層シート42は、履き心地の向上に重要な役割を果たす要素である。内層シート42は、天然繊維を含んでいるので、ある程度の水分を繊維間に保持できる性質を有しており、蒸れによって靴内部に水滴が発生するのを低減させるとともに、靴内の水分を前記表層シート41に受け渡す作用を有している。
図17に示した複合シート46および図18に示した複合シート47も、全面に接着剤層を設けるのではなく、未接着領域を形成することで、接着剤による水分の透過を妨げることなく、水分を透過させることができるようになっているものである。
当該現象を回避する手段として、本実施の形態においては天然繊維を含んでいる内層シートに漂白処理(晒し)を行っている。当該漂白処理の結果、しみの発生は無くなった。なお、当該漂白処理は、生地を形成した後に行っても、生地を形成する前の糸の段階で行っても構わない。
第2に、靴底内に空間を形成したにもかかわらず、洗浄時およびオートクレーブ時に入った水が排水されやすいようになっている。これにより、本願発明に係る構造を有していない、図19に示したような内部に空間を有する従来例のような靴底と比較して、乾燥時間を短くすることができるものである。
また、アッパー体を構成する天然繊維を含んだシートを予め晒し(漂白)処理することにより、洗濯やオートクレーブ時に生じるしみの発生を回避することができるという作用を有している。しみが生じると不潔に見えるため、実際には清潔であっても清潔であるか否かの判断がつきにくくなり、無菌室やクリーンルームでの使用はできなくなってしまう。本願発明では、晒し処理をしたシートを使用することにより当該問題を解決している。
アッパー体として形成された袋状部分24の底面には、中物と称されるゴムシート18を裏面に貼り付けたクッション性のある中底17が取り付けられている。そして、中底17若しくは中底17およびゴムシート18に通水・通気用の小孔を設けてもよいことは前述した通りである。
図21は、当該通水・通気用の小孔を設けた例として、中底17およびゴムシート18に穿設した小孔を表した図である。なお、以下に説明する中底17とゴムシート18は、それぞれを互いに接着した後に所定の位置に小孔を設けるようにしているが、事前に中底17とゴムシート18のそれぞれに独立して小孔を設け、その後に両者を接着する構造であっても構わない。その際には、ゴムシート18に設ける小孔の径を、中底17に設ける小孔の径より若干大きくすることで、小孔の位置ずれに伴う開口面積の減少を軽減することができる。
分においてやや屈曲した直線状の配置となっている。
各小孔60は、本実施の形態では直径は約5mmの円形の孔として形成されている。リブ状の凸体11の幅(厚さ)は約3mmであり、小孔60の直径は凸体11の幅よりも約2mm程度大きく形成されているので、凸体11と小孔60の位置が重なったとしても小孔60の開口が完全に塞がれることがないようになっている。
なお、一体化された中底17およびゴムシート18の裏面には接着剤が塗布されるので、前記小孔の径が小さすぎると接着剤によって小孔の径が縮小され凸体11との接着の際に、開口が塞がれてしまう。そうすると、水抜きや換気といった効果を発揮することができなくなってしまう。出願人による評価の結果、水抜きや換気といった効果を発揮させるためには、凸体11の厚み3mmに対して、小孔の径は少なくとも4mm以上が望ましく5mmが最適であるという感触が得られた。
また、小孔60の間隔をP1,P2またはP1,P2の整数倍のピッチとする場合には、小孔60の直径を5〜6mm程度とすることで、小孔60は凸体11と重なっても完全に塞がれることがない(図24)。以上のように、規則的なピッチで小孔60を形成することにより、不規則なピッチで配置したときより中底のデザイン性を向上させることができる。
さらに、上述した各構成を用いて、踏付部C1、土踏まず部C2、踵部C3に分けて小孔60を配置しても良い。例えば、踏付部C1と踵部C3に設ける小孔60を直径3mmとして中心線CL上にP1,P2以外のピッチまたはP1,P2の整数倍以外のピッチで配置し、土踏まず部C2に設ける小孔60を直径5〜6mmに設定する(図25)。このような構成にすると、使用者が中底17の上面に足を置いたとき、足裏の中でもの皮膚が厚く感覚が鈍いとされる部分が踏付部C1と踵部C3に当接し、足裏の接地面が少ない部分が土踏まず部C2上にくるので、小孔60を設けていない場合と比べて違和感を得ることなく、履き心地を保つことができる。
をアッパー体3に対して縫製、接着等により一体的に結合させこれを靴底2に接着する方法もよく用いられる。
当該他の靴の製造手順を簡単に説明すると、はじめに所定の立体形状に形成したアッパー体3、所定の外形形状に打ち抜いた中底17とゴムシート18および靴底2を用意する。そして、第1に足の形を象った靴型(図示せず)の底面に中底17を仮止めし、靴型全体をアッパー体3で覆うとともにその末端を引っ張りつつ、仮止めした靴型の底面の中底17に接着する。当該工程を釣り込みというが、当該釣り込みを行ったアッパー体3(中底17)の底面全体に接着剤を塗布し、靴底2に接着するというものである。
2 靴底
3 アッパー体
4 ブロック(接触体)
7 接地面
8 底板
9 サポート
10 外周壁
11 凸体
12 幅広部
13 突出部
15 小空間
17 中底
18 ゴムシート
19 隙間
20 通路
21 薄壁部
22 凹部
23 開口
24 袋状部分
25 保護カバー
26 帯状ゴム
27 切欠部
40 複合シート
41 表層シート
42 裏層シート
43 接着剤層
44 未接着部
45 接着部位
46 複合シート
47 複合シート
48 接着部位
Claims (11)
- 床面との接触部となる接触体を裏面に設けた底板部を有し、当該底板部の外周部には、上方に向かって立設した外周壁が設けられるとともに、当該外周壁によって囲まれる内側部には上方に向かって立設した複数の凸体が設けられており、前記外周壁および凸体は、足入れ部となるアッパー体を支持する支持面を有するとともに、当該アッパー体が装着された際にほぼ上面がふさがれて内部に複数の小空間を形成するようになっており、前記各小空間は、少なくとも靴の先端部若しくは踵側端部と途切れることなく連通していることを特徴とする靴底。
- 前記小空間を形成する凸体は、端部が先端側若しくは踵側を向くように傾斜して配置されおり、当該小空間内に水等が存在する場合に、靴の先端側若しくは踵側を下向きにすることによって、当該小空間に貯まった水等を靴の先端部若しくは踵側端部まで流動させることができるようになっていることを特徴とする請求項1記載の靴底。
- 先端部若しくは踵側端部の外周壁部分には、当該靴底の内部と外部との連通を目的とした小孔若しくは弁体が設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の靴底。
- 先端部若しくは踵側端部の外周壁部分には、当該靴底の内部と外部との連通を目的とした薄壁部が設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の靴底。
- 床面との接触部となる接触体を裏面に設けた底板部および当該底板部の外周部に上方に向かって立設した外周壁を設けるとともに、当該外周壁によって囲まれる内側部に上方に向かって立設した複数の凸体を設けた靴底と、当該靴底上に設けたアッパー体とを有する靴であって、前記靴底の外周壁および凸体は、足入れ部となる前記アッパー体および当該アッパー体下部に設けた中底を支持する支持面を有するとともに、当該アッパー体の装着によって上面がふさがれた複数の小空間を形成するようになっていることを特徴とする靴。
- 前記小空間を形成する凸体は、端部が先端側若しくは踵側を向くように傾斜して配置されおり、当該小空間内に水等が存在する場合に、靴の先端側若しくは踵側を下向きにすることによって、当該小空間に貯まった水等を靴の先端部若しくは踵側端部まで流動させることができるようになっていることを特徴とする請求項5記載の靴。
- 前記靴底の先端部若しくは踵側端部の外周壁部分には、当該靴底の内部と外部との連通を目的とした小孔若しくは弁体が設けられていることを特徴とする請求項5または6記載の靴。
- 前記靴底の先端部若しくは踵側端部の外周壁部分には、当該靴底の内部と外部との連通を目的とした薄壁部が設けられていることを特徴とする請求項5または6記載の靴。
- 前記アッパー体の内部において、前方と後方の双方もしくはいずれか一方には、前記アッパー体の内部から前記靴底の小空間に向かって貫通する孔が設けられていることを特徴とする請求項5乃至8のいずれか一項記載の靴。
- 床面との接触部となる接触体を裏面に設けた底板部および当該底板部の外周部に上方に向かって立設した外周壁を設けるとともに、当該外周壁によって囲まれる内側部に上方に向かって立設した複数の凸体を設けた靴底と、当該靴底上に設けたアッパー体とを有する靴であって、
前記靴底の外周壁および凸体は、足入れ部となる前記アッパー体および当該アッパー体
下部に設けた中底を支持する支持面を有するとともに、当該アッパー体の装着によって上面がふさがれた複数の小空間を形成するようになっており、前記各小空間を靴の先端部から踵側端部に亘って途切れることなく連通させるとともに、前記中底の前足底部分、土踏まず部分および踵部分のそれぞれに、前記小空間に連通する小孔を複数個配置したことを特徴とする靴。 - 前記中底に設けた小孔は、土踏まず部分中央から前足底部分中央に向かう中心線および土踏まず部分中央から踵部分中央に向かう中心線付近に配置されており、当該小孔の直径は、前記凸体の上端によって開口が塞がれることがないように、当該凸体の幅寸法よりも大きく形成されていることを特徴とする請求項10記載の靴。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006291613A JP5026050B2 (ja) | 2005-10-26 | 2006-10-26 | 靴底および靴 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005311956 | 2005-10-26 | ||
JP2005311956 | 2005-10-26 | ||
JP2006291613A JP5026050B2 (ja) | 2005-10-26 | 2006-10-26 | 靴底および靴 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007144146A true JP2007144146A (ja) | 2007-06-14 |
JP5026050B2 JP5026050B2 (ja) | 2012-09-12 |
Family
ID=38206243
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006291613A Expired - Fee Related JP5026050B2 (ja) | 2005-10-26 | 2006-10-26 | 靴底および靴 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5026050B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101400912B1 (ko) | 2012-05-02 | 2014-06-17 | 주식회사 트렉스타 | 신발 밑창 |
JP2016096943A (ja) * | 2014-11-20 | 2016-05-30 | シバタ工業株式会社 | 作業靴 |
JP2021053229A (ja) * | 2019-09-30 | 2021-04-08 | 世界長ユニオン株式會社 | 靴 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08112104A (ja) * | 1994-10-19 | 1996-05-07 | Moon Star Co | 靴の構造 |
-
2006
- 2006-10-26 JP JP2006291613A patent/JP5026050B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08112104A (ja) * | 1994-10-19 | 1996-05-07 | Moon Star Co | 靴の構造 |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101400912B1 (ko) | 2012-05-02 | 2014-06-17 | 주식회사 트렉스타 | 신발 밑창 |
JP2016096943A (ja) * | 2014-11-20 | 2016-05-30 | シバタ工業株式会社 | 作業靴 |
JP2021053229A (ja) * | 2019-09-30 | 2021-04-08 | 世界長ユニオン株式會社 | 靴 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5026050B2 (ja) | 2012-09-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
RU2555945C2 (ru) | Водонепроницаемый, дышащий предмет обуви и способ производства предмета обуви | |
JP4658932B2 (ja) | 特にサンダル、サボなどのような開放靴用であるがこれに限定されない靴用の透湿性・防水性底革、およびこの底革で設けられた靴 | |
ES2529623T3 (es) | Disposición de caña de calzado así como calzado con una disposición de caña de este tipo | |
ES2240042T3 (es) | Palmilla compuesta permeable al valor. | |
JP6924576B2 (ja) | 換気性のある靴 | |
US10897932B2 (en) | Stockingfoot wader | |
JP5026050B2 (ja) | 靴底および靴 | |
US20110119810A1 (en) | Disposable Flat Sock | |
TWM589470U (zh) | 雙結構舒適透濕防水鞋 | |
JP4932226B2 (ja) | 靴のアッパー体用シートおよび靴 | |
JP2011160943A (ja) | 通気防塵のマッサージ中敷 | |
JPH0838210A (ja) | 靴のソール構造及びソール構造用中敷及び充填材 | |
JP4761262B2 (ja) | 整形外科用足部カバー | |
KR100564790B1 (ko) | 통풍구가 구비된 신발 | |
JP2004065885A (ja) | 素足用足蒸れ防止カバー | |
CN211794568U (zh) | 一种具有防压力损伤功能的防旋鞋 | |
KR100500530B1 (ko) | 통풍구조를 갖는 신발 | |
KR200278131Y1 (ko) | 땀 흡수용 덧신 | |
KR100510087B1 (ko) | 열교환 신발 | |
JP3106444U (ja) | スリッパになる靴中敷 | |
JP3122493U (ja) | 洗濯可能な5本指スリッパ | |
JP2000106908A (ja) | 靴の中敷 | |
JP2003325203A (ja) | 靴用中敷き | |
KR200318279Y1 (ko) | 열교환 신발 | |
KR20180002888U (ko) | 무좀 예방용 양말 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090406 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20120113 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120123 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120312 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120409 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120530 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120618 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120620 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150629 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |