JP2007144110A - 脱臭装置 - Google Patents

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Hiroki Marutani
裕樹 丸谷
Takumi Oikawa
巧 及川
Hidetake Hayashi
秀竹 林
Yoshiyuki Noguchi
義之 野口
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Abstract

【課題】温度や湿度など脱臭装置の周辺環境に応じて高電圧放電手段への入力電圧を制御することで、脱臭性能を最大限に発揮することを可能にした脱臭装置を提供する。
【解決手段】オゾンおよび紫外線を発生させる高電圧放電手段9と、この高電圧放電手段で発生させた紫外線により活性化され空気中に含まれている臭気成分や有害物質などの分解作用をおこなう光触媒モジュール3と、前記高電圧放電手段により発生させたオゾンを分解するオゾン分解手段4とを送風経路2内に配置した脱臭装置1において、前記高電圧放電手段9への入力電圧を制御するようにしたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気中に含まれている臭気成分や有害物質などを分解して脱臭をおこなう脱臭装置に関する。
近年、屋外空気や騒音など環境汚染の定常化にともない、住宅の高気密化が進むとともに居住空間内における空気質改善の要望が高まっている。空気質の中でも、タバコの煙の臭いや介護環境などにおける代謝臭気の低減、または住宅建材から発生するVOC(揮発性有機物)に代表される有害ガス成分の除去に対するニーズは特に大きくなっている。
これらに要望に対しては、従来より、活性炭に代表される吸着剤による脱臭、あるいは臭気成分を他の薬剤成分と反応させて臭気の質を変えて臭気低減する方法が採用されてきたが、従来技術のうち、吸着剤による脱臭や有害ガス成分の除去については、吸着量に限界があるため、長期に亙る使用に際しては脱臭フィルタの交換は不可欠であった。また、脱臭フィルタの寿命期間中であっても、寿命末期には吸着した臭い成分が再び放出されることによる臭気発生の問題があった。
一方、臭気成分を他の薬剤成分と反応させることで臭気の質を変え、臭気を低減する方法については、薬剤成分消耗による吸収薬剤の交換の煩雑さや、薬剤成分を臭気環境中に放出させる場合の放出量の制御に難点があった。
また、ホルムアルデヒトのような有害ガス成分の分解除去をおこなうには、酸化還元電位の高い触媒反応が必要となるが、オゾンによる酸化分解では完全分解にまで至らず中間分解生成物の段階で止まってしまうため、完全に無害化することは困難であった。
そしてまた、酸化チタンに代表される光触媒に紫外線を照射することにより、上記有害ガス成分を完全に分解することは可能であるが、従来は紫外線光源として、管内に水銀が含まれる蛍光管ランプを使用しているため、製品廃棄時の環境負荷の観点からは好ましくなかった。
これらの問題を解決するため、高電圧放電によってオゾンや紫外線を発生させ、この紫外線により活性化された光触媒作用で空気中に含まれている臭気成分や有害物質などの分解をおこなう光触媒モジュールと、高電圧放電手段により発生させたオゾンを分解するオゾン分解手段とを備えた脱臭装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−339839号公報
前記高電圧放電方式は、電極間に数kVの高電圧を数10kHzの周波数で動作させているため、脱臭装置周辺の湿度や温度にも影響されるが、ある値以上の電圧を受けるとスパークが発生する。その特性としては、温湿度とスパーク電圧との関係を示す図10や図11に示すように、周囲雰囲気が高温高湿になるほどスパーク発生頻度は高くなり、また、スパーク放電回数と電極消耗度との関係を示す図15に示すように、度重なるスパークの発生は放電電極の劣化を進行させることになるため、その発生を抑制する必要がある。
この高電圧放電方式は、電圧が高いほどオゾンおよび紫外線の発生量が多くなり、脱臭性能を上げることができるが、従来の入力電圧を一定とする方式は、周辺環境が高温高湿になった場合にはスパークが発生しないように、あらかじめ入力電圧を低く設定しておく必要があり、脱臭性能を充分に発揮することができなかった。
本発明は上記事情を考慮してなされたものであり、温度や湿度など脱臭装置の周辺環境に応じて高電圧放電手段への入力電圧を制御することで、脱臭性能を最大限に発揮することを可能にした脱臭装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明の脱臭装置は、オゾンおよび紫外線を発生させる高電圧放電手段と、この高電圧放電手段で発生させた紫外線により活性化され空気中に含まれている臭気成分や有害物質などの分解作用をおこなう光触媒モジュールと、前記高電圧放電手段により発生させたオゾンを分解するオゾン分解手段とを送風経路内に配置した脱臭装置において、前記高電圧放電手段への入力電圧を制御するようにしたことを特徴とするものである。
本発明の構成によれば、脱臭装置周辺の温度や湿度などの環境に応じて高電圧放電手段への入力電圧を可変することでスパークの発生を抑制し、電極を保護することで脱臭装置への負担を軽減し、寿命を長期に保つことができるとともに、脱臭性能を最大限に発揮することができる。
以下、図面に基づき本発明の1実施形態について説明する。図1は、家庭内の厨房におけるレンジフードなどに取り付けた本発明に係る脱臭装置の概略図であり、脱臭をおこなう対象エリアに設けた風路(2)内には、脱臭装置(1)を配設している。この脱臭装置(1)は、光触媒モジュール(3)とオゾン分解触媒(4)とを備え、前記風路(2)内を流通する空気に含まれる臭い分子や有機物質を吸着し脱臭するものである。
光触媒モジュール(3)は、アルミナやシリカ等の多孔質セラミックからなる基体の表面に、酸化チタンに代表される光触媒粒子を固定した光触媒フィルタ(5)を2枚隣接し、この光触媒フィルタ間にはステンレス等の薄板をエッチングして網目状に形成した放電電極(6)を立設するとともに、前記2枚の光触媒フィルタ(5)(5)の風上と風下側には前記放電電極と同様に形成した対極(7)(7)をそれぞれ配置することで構成されている。
なお、前記光触媒モジュール(3)における光触媒フィルタ(5)は、必ずしも2枚隣設せずとも、臭気成分や有害物質が比較的少ない場合には、1枚の光触媒フィルタの前後に対極(7)と放電電極(6)を設ける構成でもよい。
(8)は電源装置であり、トランスなどの高電圧発生部(9)により前記放電電極(6)と各対極(7)との間に正のパルス状直流高電圧を印加するものであって、この構成により、放電電極(6)と対極(7)は紫外線発生用の放電手段として機能し、双方の電極間に放電が起きて波長が380nm以下である紫外線が発生する。また、(10)は集塵フィルタ、(11)はファンであり、風路(2)内の空気流通を促進して脱臭作用を助長するものである。
上記脱臭装置(1)は、電源装置(8)に通電して高電圧発生部(9)から放電電極(6)と対極(7)との間に高電圧を与えることで電極間に放電が起き、発生した紫外線が光触媒フィルタ(5)(5)に照射されることで光触媒を活性化させ、発生した活性酸素が風路(2)を流下し、水酸化ラジカル(遊離基)の強い酸化作用で光触媒フィルタ(5)(5)の表面に付着した臭気ガス成分や有機化合物の結合を分解し、無臭化若しくは低臭気化することで脱臭するものである。
また、菌細胞膜を脆化させ抗菌をおこなうとともに、酸化分解作用によって光触媒フィルタ(5)(5)表面の微生物、特に好気性細菌の繁殖を抑制して、脱臭装置(1)や周囲壁表面の汚れを分解除去する。
そしてまた、この放電電極(6)と対極(7)が放電すると、紫外線とともにオゾンが発生するため、前記光触媒モジュール(3)は、紫外線による活性酸素の発生で有機物質を分解させる機能とともに、オゾン発生手段としても機能するものであり、臭気成分を含んだ空気を発生したオゾンと混合し反応させることで臭気成分を酸化分解し脱臭することができる。
光触媒モジュール(3)の風下側には、所定距離を空けて2酸化マンガンを主体にしたハニカム形状の焼結体からなるオゾン分解触媒(4)を設置しており、臭気物質と反応しないでそのまま流下する所定値以上の余剰オゾンを分解するようにしている。なお、オゾン発生手段は、上記の光触媒モジュール(3)によるものだけでなく、沿面放電電極と高電圧トランスを組み合わせたものや電解方式によるものでもよい。
しかして、前記脱臭装置(1)の高電圧発生部(9)には、例えば、20kHzなどの一定周波数で供給された入力電圧に応じて高電圧が発生する。発生する高電圧は、その一例として図2に示すように、入力電圧と脱臭装置の放電電圧との関係特性は内部のコイル定数などで異なるが、周波数が一定であると、発生する電圧によって高電圧放電によるオゾンおよび紫外線の発生量が決まるため、脱臭装置としての脱臭性能が決定される。
以上のことから、電源装置(8)から脱臭装置(1)の高電圧発生部(9)へ供給する入力電圧を変化させることで脱臭装置(1)の脱臭性能を制御することができる。また、交流の商用電源電圧の変動を要因として、高電圧発生部(9)への入力電圧が変化した場合も脱臭装置(1)への出力が変動することから、このためにも前記高電圧発生部(9)への入力電圧を安定させる必要がある。
高電圧発生部(9)への入力電圧の変化を抑えて安定化させる電源装置(8)の一例としては、図3に示すチョッパー方式などを一般的に用いる。具体的な整流回路(16)としては、図4に代表例を示す全波整流回路(17)と、図5に示す倍電圧整流回路(18)があり、電圧を安定化するためのチョッパー回路(19)としては、代表例として図6に示す降圧チョッパー回路(20)と、図7に示す昇圧チョッパー回路(21)とがある。
そして、前記図3に示す電源回路(1)においては、例えば、交流100Vの商用電源(22)を整流回路(16)により直流電源にして、その電圧をチョッパー回路(19)により安定化させ、これを昇圧回路(23)によって昇圧する。
このときにチョッパー回路(19)から出力される電圧が低すぎると昇圧回路(23)におけるトランス巻線比が大きくなり2次巻数が増加することになる。そうすると、インダクタンスが大きくなって2次側の損失も大きくなってしまうため、前記チョッパー(19)からの出力は可能な限り高電圧である方が効率的である。
前記各整流回路(17)(18)とチョッパー回路(20)(21)の組み合わせは、商用電源を100Vと仮定して、図8のNo.1〜No.4に示すような組み合わせが考えられ、例えば、100V機器では、倍電圧整流回路(18)と降圧チョッパー回路(20)とを組み合わせ、200V機器では全波整流回路(17)降圧チョッパー回路(20)とを組み合わせれば、昇圧回路(23)が共通に使用でき、整流回路(16)部分のみの変更で使用することができる。
また、100V機器を全波整流回路(17)と昇圧チョッパー回路(21)との組み合わせにすれば、制御範囲は小さくなるが、上記同様の使用が可能となり、さらに、200V機器を倍電圧整流回路(18)として昇圧チョッパー回路(21)と組み合わせれば、昇圧回路(23)のトランス巻線比が小さくなるので、効率よく電力が供給できるものである。
そしてまた、第2の実施例として、前記実施例の図3と同一部分に同一符号を附した図9に示すように、電源回路(8′)の昇圧回路(23)の2次側の電圧を安定化させる方が出力の安定に繋がるため、昇圧回路(23)の2次側の電圧を電圧検出回路(25)により検出し、制御回路(26)にフィードバックしてチョッパー回路(19)の出力電圧を可変制御することにより、さらに安定した高圧電源を実現できる。このとき、高電圧部分の検出は、抵抗による分圧で電圧を下げて検出するか、若しくは、トランスの途中にタップを立て、電圧が低い状態でフィードバックさせるようにすればよい。
したがって、本発明の場合は、図8中のNo.3の倍電圧整流回路(18)と降圧チョッパー回路(20)との組み合わせが最も使い易い回路構成であるが、応用対象によって可変範囲が適合するものを組み合わせればよい。本回路構成により、チョッパー回路(19)の出力電圧を昇圧回路(23)に入力し、数kVまで昇圧させることで脱臭性能を維持することができ、また、交流電源(22)の電圧が変動しても、電圧の変化を吸収できるので、脱臭性能を安定させることができる。
なお、電圧の制御には、電源装置(8)の一例として、前記実施例のごとく、チョッパー方式などを一般的に用いるが、本発明は特に制御方式を限定するものではなく、他の方式を用いてもよい。
次に第3の実施例について説明する。温度が20℃で湿度が60%のときに脱臭装置()を8kV程度の電圧で動作させている場合は、周辺温度が20℃の場合における湿度とスパーク電圧との関係を示す図10から理解されるようにスパークは発生しない。しかしながら、周囲の湿度が高くなるとスパークを起こす限界電圧が低下し、湿度が85%まで上がった場合に8kVで動作させているとスパークを発生させる恐れがある。
そこで、湿度を検知するセンサー(12)により脱臭装置周辺の湿度を検出し、湿度が80%に上昇した際には、脱臭装置(1)への入力電圧を下げ、放電電圧を6kV程度まで低下させることで、スパークが起こらないように制御するものであり、このように制御することで、スパークの発生を抑え、脱臭装置(1)としての性能を維持することができる。なお、上記説明では1段階の制御としたが、複数の段階で入力を下げてもよく、湿度センサー(12)の値に応じてリニアに変化させてもよい。
続いて第4の実施例を説明する。前記実施例では、湿度変化について説明したが、脱臭装置(1)周辺の温度によってもスパークを発生させる限界電圧は変化するものであり、周辺が高温になり、且つ高湿度雰囲気になった場合には、限界電圧はより低くなる。例えば、温度が20℃で湿度が90%のときに脱臭装置(1)を6kVで動作させている場合に、周囲温度が上昇して40℃程度になると、前記図10に対して周辺温度が40℃の場合における湿度とスパーク電圧との関係を示す図11から理解されるように、電圧が6kVでもスパークが発生する可能性がある。
そこで、温度を検知するセンサー(13)により脱臭装置周辺の温度を検出し、温度が30℃に上昇したような場合には、脱臭装置(1)への入力を制御し、放電電圧を5kV程度まで引き下げるようにすることでスパークの発生を抑えることができるものであり、本例についても上記同様に複数段階、あるいはリニアに入力を変化させてもよいことは言うまでもない。
次に、臭気を検知するセンサーによる第5の実施例を説明する。これは、臭気センサー(14)により脱臭装置周辺の臭気濃度を検出し、センサー値が所定値以上であれば、脱臭装置(1)への入力電圧を高くしてスパークを発生させない限界の電圧で脱臭動作をおこない、センサー値が低い場合は、センサー値に応じて入力電圧を下げることで、脱臭能力を抑えるように制御するものである。
このように制御することで、脱臭装置(1)の負担を少なくできるとともに消費電力を低減することができる。また、センサー値が一定値以下であれば、入力をゼロにして脱臭装置を停止させるようにしてもよい。
続いて第6の実施例を説明する。上記それぞれの実施例のように高電圧発生部(9)への入力電圧を制御することで、ほとんどの場合のスパークの発生を防ぐことが可能であるが、100%とは言えないものであり、万一スパークが発生した場合には、通常運転時に比較して大きな電流が流れるものである。
また、スパークは一度発生すると、図12に示すように、連続的に発生する傾向があるため、本実施例は、脱臭装置(1)に流れる電流値を検出し、所定値以上の大電流を検知した際には、脱臭装置への入力電圧を低下、あるいはゼロとなるように制御することを特徴としている。これにより、さらなるスパークの発生を防ぐことができ、放電電極(6)の劣化を抑制して脱臭装置(1)の負担を軽減できるとともに、消費電力を減らすことができる。
なお、脱臭装置(1)の構成をユニット化して内部がブラックボックス化されているような場合には、電源装置(8)側への入力電流を検知することで、脱臭装置の高電圧発生部(9)へ供給させる入力電流を検知してスパークの発生を検出するようにしてもよく、スパーク電流を検知した場合には入力電圧を低減、またはゼロにすることにより、スパークの再発を防ぎ、放電電極(6)の劣化を抑制することができる。
脱臭装置(1)の電極(6)(7)間に発生するスパークは、前述のように、同じ電圧であっても温度や湿度、汚れの付着によって発生し易くなるものであり、その際は、昇圧回路(23)におけるトランスの2次側の電流が急激に増加する現象を生じるので、これをとらえることによりスパークを検出することができる。
しかしながら、前記ユニット化された脱臭装置(1)は、光触媒フィルタ(5)の製造上の問題から、同一の電気的特性を有するものが量産し難いことから、同じ絶対値で電流リミッタを用いた場合は、ばらつきを含めて設定するので、検出値は過剰な値となってしまい、微小なスパークを検出することができなくなる。また、複数の脱臭装置(1)を接続した場合は、最大に接続した脱臭装置の電流値で電流リミッタを設定しなければならない。
そこで、シャント抵抗で検出した負荷側トランスの2次側電流を全波、あるいは半波整流し、電流検出信号を平滑してそれを微分すると定常電流は変化ないのでカットできる。また、スパークが発生すると50μS程度で通常の2倍以上の検出値となるので、それを検出すると脱臭装置(1)のばらつき、および脱臭装置の接続数による定常電流を加味する必要がなくなり、安定してスパークを検出することができる。
以下、第7の実施例であり、前記同様に符号を附した図13に沿い、負荷側に接続されたシャント抵抗(27)によって電源装置(8″)のスパークを検出する具体的構成を説明する。なお、電流を検出する方法としては、巻線を用いた電流センサーによる交流電流の検出や、直流成分まで測定可能なホール素子を用いた電流センサーでも可能である。
図14の電流検出波形で示すように、通常状態の電流波形は、ほぼ正弦波に近い状態の電流が流れており、通常はその電流波形を整流し平滑するので、ピークホールドな波形が検出される。制御回路(8′)には、絶対値電流と微分回路(28)による微分電流が入力されている。絶対値電流は、負荷短絡などの急激な電流が流れたときに電圧遮断をおこなうために停止するよう設定されており、通常制御状態では停止することはない。微分電流のは、変化量がほとんど無いため通常出力はゼロである。
このときに、脱臭装置である負荷(1)でスパークが発生すると電流値が急激に上昇し、絶対値電流も上昇するが、絶対値電流は前記のごとく、負荷短絡時に停止するように設定されているので、スパークでは停止しない。反面、微分電流では、急激な変化を捉えて検出電圧が上昇するため、この検出値が一定レベルAを超えるとスパークとして検出し、負荷(1)への電圧を遮断して動作を停止させ、脱臭装置(1)の電極(6)(7)への弊害を抑えるようにしている。
なお、微分回路(28)は、通常はハイパスフィルタと同様の構成であり、簡易的にはコンデンサと抵抗で形成されるが、速度を重視する場合などは、OPアンプ(Operational Amplifier)を用いて形成してもよい。
上記においては、スパーク検出レベルに達すると高圧電源を停止する構成について説明してきたが、再度復帰させるために、停止後に一定時間、例えば5秒間遅延させて通電し、再びスパーク発生の有無を検出して確認するようにしたり、あるいは、通常電源を5kVで動作させていれば、停止後に一定電圧、例えば500V下げることでスパークが発生しない電圧で動作させ、脱臭装置の電極(6)(7)を保護するようにしてもよい。
一方、電流は、高圧電源が立ち上がるときにも急激に上昇するため、微分検出回路(29)がこれを検出して高圧電源を停止させてしまうことを防止する必要がある。本発明では、例えば、電源立ち上げ時の10mSは微分検出回路(29)で高電流値が検出されても高圧電源を停止しないように、あらかじめ高圧電源の発振開始よりカウントするタイマーを制御回路(26)に入れて、一定時間後、例えば100mSまでは、微分回路(28)から検出した電圧のレベル判定をおこなわないようにしている。
また、高圧電源の動作時には直流電圧を緩やかに立ち上げることで、微分回路(28)で検出できないようにし、高圧電源が停止することを防止するようにしてもよい。
第8の実施例は人感センサー(15)を用いることを特徴とする。すなわち、喫煙エリアに配置した分煙機などのように、対象とするエリアに人がいる場合は脱臭装置(1)を動作させるが、人がいないような状況では高電圧発生部(9)への入力電圧を低下させるように制御するものであり、この制御をおこなうため、人の有無を検知するセンサー(15)を用いて、人の存在を検知した場合は脱臭装置(1)への入力電圧を限界電圧で動作させ、人の存在を検知しなかった際は、入力電圧を、例えば限界値の半分の電圧に下げて脱臭性能を低下させるものである。これにより、人に不快感を与えることなく消費電力を低減することができる。
さらに、第9の実施例について説明する。脱臭装置(1)の設置される環境、例えば、集合住宅のゴミ収集場などの閉鎖させた空間に脱臭装置(1)が設置され、ゴミ置き場にゴミが置かれるのが、ゴミ収集日前日の夜9時から翌朝8時のゴミ収集時間であることが決まっているような場合は、ゴミが置かれる時間帯とその前後の時間以外は、臭い物質がないため脱臭装置を動作させる必要がないものである。
したがって、タイマーによる制御などで、例えば、ゴミが置かれ臭気が発生している時間帯は、脱臭装置(1)への入力電圧を上げて限界電圧で放電をおこない、その前後の1時間については限界値の半分の入力電圧で脱臭装置を動作させるとともに、それ以外の時間帯については入力電圧がゼロになるように、時間毎に脱臭装置への入力電圧を制御することによって、消費電力の少ない効率的な脱臭制御をおこなうことができる。
上記制御は、前記説明した厨房におけるレンジフードについても、食事づくりなど脱臭作用が必要な時間帯とともに臭気物質が少ないその他の時間帯が存在するものであり、臭気物質の少ない場合は、入力電圧を低下させて脱臭能力を低くして、光触媒モジュールへの負担を軽減し、脱臭装置としての寿命を長期に延ばすことができる。
本発明は以上のように構成されているが、脱臭装置(1)の設置場所については、前記した厨房などの家庭内居住空間や公共の場所に置かれた分煙機、ゴミ収集場に限るものではなく、例えば、エアコンや、冷蔵庫の内部貯蔵空間の脱臭をおこなうように送風経路に設けられた脱臭装置にも適用でき、温度や湿度や臭気により高電圧放電手段への入力電圧を制御するようにしてもよい。
本発明の1実施形態を示す脱臭装置の概略構成図である。 図1における脱臭装置の入力電圧と放電電圧との特性を示すグラフである。 図1における脱臭装置の電源装置の一例を示す回路図である。 図3の整流回路としての代表的全波整流回路例を示す回路図である。 図3の整流回路としての代表的倍電圧整流回路例である。 図3のチョッパー回路として代表的降圧チョッパー回路例である。 図3のチョッパー回路として代表的昇圧チョッパー回路例である。 図3の整流回路とチョッパー回路の組み合わせ例を示す表である。 図3の電源装置の第2実施例を示す回路図である。 周辺温度が20℃の場合の湿度とスパーク電圧との関係を示すグラフである。 周辺温度が40℃の場合の湿度とスパーク電圧との関係を示すグラフである。 スパーク時の電流波形を示すイメージ図である。 図3の電源装置のさらに他の実施例を示す回路図である。 図13の回路図による電流検出波形を示す説明図である。 スパーク放電回数と電極消耗度との関係を示すグラフである。
符号の説明
1…脱臭装置
2…風路
3…光触媒モジュール
4…オゾン分解触媒
5…光触媒フィルタ
6…放電電極
7…対極
8…電源装置
9…高電圧発生部
10…集塵フィルタ
11…ファン
12、13、14、15…センサー
16…整流回路
19…チョッパー回路
23…昇圧回路
28…微分回路

Claims (14)

  1. オゾンおよび紫外線を発生させる高電圧放電手段と、この高電圧放電手段で発生させた紫外線により活性化され空気中に含まれている臭気成分や有害物質などの分解作用をおこなう光触媒モジュールと、前記高電圧放電手段により発生させたオゾンを分解するオゾン分解手段とを送風経路内に配置した脱臭装置において、前記高電圧放電手段への入力電圧を制御するようにしたことを特徴とする脱臭装置。
  2. 高電圧放電手段の直流電圧を変化させることにより入力電圧を制御するようにしたことを特徴とする請求項1記載の脱臭装置。
  3. 商用電源を整流し、チョッパー回路により電圧を上げ下げすることで入力電圧を制御するようにしたことを特徴とする請求項2記載の脱臭装置。
  4. 整流回路は、倍電圧整流回路であることを特徴とする請求項3記載の脱臭装置。
  5. 高電圧放電手段に流れる電流量を検知することにより前記高電圧放電手段への入力電圧を制御するようにしたことを特徴とする請求項1記載の脱臭装置。
  6. 高電圧放電手段の負荷側における電流の変化を微分回路を用いて検出することを特徴とする請求項5記載の脱臭装置。
  7. 微分回路から検出した電圧が所定値より高い場合は、高電圧放電手段を停止することを特徴とする請求項6記載の脱臭装置。
  8. 高圧電源回路の立ち上げ動作時における所定の時間は、微分回路から検出した電圧のレベル判定をしないことを特徴とする請求項6記載の脱臭装置。
  9. 脱臭装置の周辺湿度により高電圧放電手段への入力電圧を制御するようにしたことを特徴とする請求項1記載の脱臭装置。
  10. 脱臭装置の周辺温度により高電圧放電手段への入力電圧を制御するようにしたことを特徴とする請求項1記載の脱臭装置。
  11. 脱臭装置の周辺臭気濃度により高電圧放電手段への入力電圧を制御するようにしたことを特徴とする請求項1記載の脱臭装置。
  12. 脱臭装置の電源装置への入力電流を検知することにより高電圧放電手段への入力電圧を制御するようにしたことを特徴とする請求項1記載の脱臭装置。
  13. 人感センサーの検知に応じて高電圧放電手段への入力電圧を制御するようにしたことを特徴とする請求項1記載の脱臭装置。
  14. 所定時間毎に高電圧放電手段への入力電圧を制御するようにしたことを特徴とする請求項1記載の脱臭装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013051730A1 (ja) * 2011-10-07 2013-04-11 株式会社サムスン横浜研究所 プラズマ発生装置
JP2018190604A (ja) * 2017-05-08 2018-11-29 岩崎電気株式会社 Uvled照射システム
CN111038226A (zh) * 2019-12-31 2020-04-21 河海大学常州校区 放电和催化联合的车载空气净化器
CN115007598A (zh) * 2022-05-10 2022-09-06 嘉兴市绿能环保科技有限公司 一种餐厨垃圾预处理方法

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