JP2007143299A - 静電モータ - Google Patents

静電モータ Download PDF

Info

Publication number
JP2007143299A
JP2007143299A JP2005334024A JP2005334024A JP2007143299A JP 2007143299 A JP2007143299 A JP 2007143299A JP 2005334024 A JP2005334024 A JP 2005334024A JP 2005334024 A JP2005334024 A JP 2005334024A JP 2007143299 A JP2007143299 A JP 2007143299A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotor
stator
electrode
electrodes
electrostatic motor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2005334024A
Other languages
English (en)
Inventor
Hidetaka Kosho
英高 古庄
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Alps Electric Co Ltd filed Critical Alps Electric Co Ltd
Priority to JP2005334024A priority Critical patent/JP2007143299A/ja
Publication of JP2007143299A publication Critical patent/JP2007143299A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Linear Motors (AREA)

Abstract

【課題】 小型・薄型化に適するとともに大きな回転トルクを発生させることを可能とした静電モータを提供する。
【解決手段】 複数の同心円上に複数の凸型電極15が形成されたステータ10と、同じく複数の同心円上に複数の凸型電極25が形成されたロータ20と、前記ステータ10に前記ロータ20を対向させた状態で前記ロータ20を回転自在に支持する支持機構12a,12bと、半径方向に所定のギャップg1,g2,g3,g4,g5を介して面対向する前記凸型電極15,25間に所定の駆動信号を前記ロータ20の回転方向に順次供給する給電部30と、を有するようにした。
【選択図】図2

Description

本発明は、ステータに対しロータが回転する静電モータに係わり、特に小型・薄型化に適するとともに比較的大きな回転トルクを発生させることを可能とした静電モータに関する。
従来の静電型のモータとしては、例えば円環状の電極を周方向に分割してなる平面円弧状の電極パターンを備えたステータと、平面扇形状からなる誘電体歯パターンを備えたロータとが対向配置され、前記電極パターンと誘電体歯パターンとの間に所定の駆動電圧を印加することにより、前記電極間に静電反発力及び静電吸引力を発生させて前記ロータを回転させるようにしたものがある(例えば、特許文献1)。
また固定子を形成する中空の外側シリンダの内面に内向きに突出する櫛型状極26と、回転子を形成する内側シリンダの外面に外向きに突出する複数の櫛型状極28とを有し、互いの櫛型状極26,28どうしを対向させた状態で前記固定子の内部に前記回転子を配置するとともに、両櫛型状極間に発生する静電力で前記回転子を回転させるようにしている(例えば、特許文献2)。
特願平8−33360号公報 特表2004−521593号公報
前記静電力で回転する静電型のモータは、原理上、静電力は駆動電圧の2乗及び電極間の対向面積に比例し、電極間距離(ギャップ長)の二乗に反比例する。このため、モータとして十分な回転トルク(駆動力)を得るためには、前記駆動電圧又は対向面積を大きくするか、電極間距離を小さく(短く)する必要がある。
しかし、電極間距離を小さくする方法は、軸支持体の精度の関係から自ずと限界があり、ステータやロータの対向面の平滑度などを保証して狭い空隙を確保することは困難である。しかも、前記駆動電圧は高電圧を用いるため、前記電極間距離を小さくし過ぎると、電極間が絶縁破壊による短絡が発生しやすくなるという問題もある。
また特許文献1記載の静電モータでは、その構造上の特徴より前記電極間の対向面積を大きくする方法を採用しやすいが、ロータを小型化し難くなるという問題がある。しかも、ロータは円板状をしており、その半径が長くなると慣性モーメントが半径の二乗に比例して大きくなるため、ロータ自体を回転させるためにより大きな回転トルクが必要になるという問題もある。
一方、特許文献2に記載のモータでは、櫛型状極を外側シリンダの内面に内向きに突出するように固定子を形成することが困難である。しかも、このような固定子の内部に、外向きに突出する複数の櫛型状極を備えた回転子を、前記回転子が回転する際に前記櫛型状極どうしが互いに接触することのないように設置する必要があるところ、外側シリンダの内面や内側シリンダの外面は共に曲面であるため、極めて高い寸法精度が要求されるという問題もある。
また前記外側シリンダ及び内側シリンダは、共に長手方向(軸方向)に所定の長さ寸法を有する筒型形状であるため、小型化又は薄型化しにくいという問題もある。
本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、小型・薄型化に適するとともに比較的大きな回転トルクを発生させることを可能とした静電モータを提供することを目的としている。
本発明は、複数の同心円上に複数の凸型電極が形成されたステータと、同じく複数の同心円上に複数の凸型電極が形成されたロータと、前記ステータに前記ロータを対向させた状態で前記ロータを回転自在に支持する支持機構と、半径方向に所定のギャップを介して面対向する前記凸型電極間に所定の駆動信号を前記ロータの回転方向に順次供給する給電部と、を有することを特徴とするものである。
本発明の静電モータでは、静電力に寄与する電極間の対向面積を高さ方向(板厚方向)に稼ぐことができるため、ロータを小型化することができる。また同じ面積のロータにあっては駆動トルク(回転トルク)を大きくすることができる。
上記においては、前記支持機構が、前記ステータと前記ロータの中心から所定の半径寸法内に設けられた少なくとも3ヶ以上の転動部材であることが好ましい。
上記手段では、少ない部品点数でロータを回転自在に支持することができる。
また前記ステータと前記ロータとの回転中心に支持部が設けられていることが好ましい。
上記手段では、ロータが回転中心を中心として回転することができるため、回転精度を高めること、すなわち回転ムラを抑えることができる。
さらには前記ロータには前記転動部材が転動する通路が環状に形成されていることが好ましく、より好ましくは前記通路が環状のガイド溝で形成されていることである。
上記手段では、前記転動部材が転がるための通路又はガイド溝を確保することができ、特にガイド溝にあってはロータの回転精度を高めることができる。
また前記転動部材が、小球又は回転ローラーであるものとすることができる。
上記手段では、ロータ回転時の摩擦を小さくすることができるため、スムーズな回転を実現することができる。
前記凸型電極は、周方向に分割された所定のピッチ角内に半径方向に沿って配列されており、前記ピッチ角内では半径方向に配列された個々の前記凸型電極が互いに導通接続されていることが好ましい。
上記手段では、ピッチ角ごとに電気系統(極または相)を形成することができるため、外部の給電部から駆動信号を供給して行うロータの回転制御を容易とすることが可能となる。
また前記半径方向に配列された個々の凸型電極は、前記ロータ及び固定子の表面に前記ピッチ角ごとに形成された接続パターンで接続されているものが好ましい。
上記構成では、前記接続パターンも静電力を発生させる電極として機能させることができるため、駆動トルクを大きくすることができる。
また前記凸型電極の長さ寸法は、外周側の長さ寸法の方が内周側の長さ寸法よりも長いものが好ましい。
上記手段では、ステータ電極とロータ電極とが面対向する時間を、円板の外周と内周側とで同じくすることができる。このため、各電極間に発生する静電力を円板の外周と内周側とで等しくすることができ、回転ムラの発生を抑制することができる。
さらには前記凸型電極が円弧状に形成されていることが好ましい。
上記手段では、ステータ電極の長手方向の縁部とロータ電極の長手方向の縁部とが回転中に接触するような事故を回避することができ、回転をよりスムーズなものとすることができる。
本発明では、小型かつ薄型で比較的大きな回転トルクを発生させることができるの静電モータを提供することができる。
また回転ムラの発生を抑えて回転精度の高い静電モータとすることができる。
図1は本発明の第1の実施の形態としての静電モータの概観を概略的に示す斜視図、図2は図1に示す静電モータの側面図、図3は図1に示す静電モータのステータの対向面を概念的に示す平面図、図4は図1に示す静電モータのロータの対向面を概念的に示す平面図である。なお、図1ではステータ電極及びロータ電極を省略して示している。また図3、図4は概念図であり、実際のステータ及びロータには数千個の電極が円周方向に沿うとともに同心円状に形成されている。
図1に第1の実施の形態として示す静電モータ1は、円板形状からなるステータ10とロータ20とを有している。図1ないし図4に示すように、前記ステータ10は絶縁材料で形成されており、その対向面10Aには5つの凹部11が形成されている。このうち、軸受け凹部11aは前記ステータ10の中心(円板の軸中心)に形成されており、他の4つの凹部11bは前記軸受け凹部11aから外周方向に等距離rの位置で且つ正方形の頂点をなす位置に形成されている。そして、前記軸受け凹部11aには支持部材として機能する小球12aが配置され、また4つの凹部11bには転動部材として機能する小球12bが設けられている。各小球12a,12bは前記軸受け凹部11a及び4つの凹部11b内で転動自在に配置されている。
図3に示すように、前記ステータ10の対向面10Aには凸型形状をした複数のステータ電極(凸型電極)15(個別に15a,15b,15cとして示す。)が設けられている。なお、図3では複数のステータ電極15を直線的な形状として示しているが、より好ましい形状は前記軸受け凹部11aを中心とする円弧形状である。
ステータ電極15a,15a,・・・は前記軸受け凹部11aから半径R1となる最外周部に形成されたステータ電極であり、周方向に所定の長さ寸法L1で周設されている。またステータ電極15b,15b,・・・は前記ステータ電極15a,15a,・・・の内側となる半径R2(<R1)の位置に形成されたステータ電極であり、周方向に所定の長さ寸法L2(<L1)で周設されている。
またステータ電極15c,15c,・・・は前記軸受け凹部11aから半径R3(<R2<R1)となる最内周部に形成されたステータ電極であり、周方向に所定の長さ寸法L3(<L2<L1)で周設されている。
前記ステータ電極15a,15bおよび15cは、すべて同じピッチ角P(=P1+ΔP1)で周方向に配列されている。なお、円板状のロータ20の回転速度は内周が遅く、外周側が早い。このため、上記のようにステータ電極15a,15bおよび15cの長さ寸法は、外周側が長く、且つ内周側が短くなるように設定されている。このため、径方向に並ぶ各ステータ電極15a,15bおよび15cは、所定の第1のピッチ角P1で形成された扇状の領域16内に配置されている。そして、1つの扇状の領域16内においては、半径方向に並ぶ各ステータ電極15a,15bおよび15cが、例えば前記ステータ10に形成される図示しないスルーホールを介して背面(下面)側で導通接続されていることにより同電位に設定されている。
ただし、隣り合う扇状の領域16と扇状の領域16との間には、所定のピッチ角からなる第1の隙間ΔP1で形成された間隙17が設けられている。すなわち、1つの扇状の領域16内に設けられた一組のステータ電極15a,15bおよび15cは半径方向には互いに導通接続され、周方向に隣り合う一組のステータ電極15a,15bおよび15cとの間では互いに絶縁された状態にある。
なお、前記一組のステータ電極15a,15bおよび15cへの電力の供給は、前記ステータ10にステータ電極15a,15bおよび15cごとにスルーホール(図示せず)を形成し、ステータ10の背面から前記各スルーホールを介して行うことができる。さらにはステータ10の表面で前記扇状の領域16に、下地相として銅箔などからなる接続パターン16Aを形成することにより、前記一組のステータ電極15a,15bおよび15cを前記接続パターン16Aを介して導通接続するようにしてもよい。
前記径方向に並ぶ一組のステータ電極15a,15bおよび15cは1つの電気角に対応しており、例えば駆動信号がA相、B相およびC相の3相(電気角=120度)からなる場合にあっては一組のステータ電極15a,15bおよび15cは周方向3つおきに同相となるように設定され、また図3に示すようにA相ないしE相の5相(電気角=72度)からなる場合にあっては、一組のステータ電極15a,15bおよび15cは周方向に5つおきに同相となるように設定されている。
なお、1つの相を形成する前記一組のステータ電極15a,15bおよび15cは、外部に設けられた給電部30の出力部と各相ごとに接続されている。
他方、図4に示すように、ロータ20は前記ステータ10とほぼ同様の構成であり、軸中心に形成された軸受け凹部21aと凸型形状からなる複数のロータ電極(凸型電極)25とを有している。ただし、ロータ20の下面には銅箔などからなる接続層22が一面に形成されている点、および前記4つの凹部11bに対応する凹部を有していない点で相違している。
なお、ロータ電極25a,25b,25c及び25dは所定の第2のピッチ角P2内に配置されており、周方向に隣り合うロータ電極25a,25b,25c及び25dとロータ電極25a,25b,25c及び25dとの間は所定のピッチ角らなる第2の隙間ΔP2で形成された間隙17が設けられている。このため、周方向に隣り合う一方のロータ電極25a,25b,25c及び25dと他方のロータ電極25a,25b,25c及び25dとの間は一定のピッチ角Ta(=P2+ΔP2)に設定されている。
複数のロータ電極25は、下地として形成した接続層22の上に塗布したフォトレジスト膜をフォトリソグラフィによって所定の形状にパターン形成し、その後に銅などの金属をメッキ成長させることにより形成されている。よって、複数のロータ電極25(25a,25b,25c及び25d)はすべて同電位に設定されている。
図2及び図4に示すように、ロータ電極25a,25a,・・・は前記軸受け凹部21aから半径Raとなる最外周部に形成されたロータ電極であり、周方向に所定の長さ寸法Laで周設されている。またロータ電極25b,25b,・・・は前記ロータ電極25a,25a,・・・の内側となる半径Rbの位置に形成されたロータ電極であり、周方向に所定の長さ寸法Lbで周設されている。
またロータ電極25c,25c,・・・は前記軸受け凹部21aから半径Rcの位置に形成されたロータ電極であり、周方向に所定の長さ寸法Lcで周設されている。さらにロータ電極25d,25d,・・・は前記軸受け凹部21aから半径Rdとなる最内周部に形成されたロータ電極であり、周方向に所定の長さ寸法Ldで周設されている。図4に一点鎖線示すように、前記ロータ電極25bとロータ電極25cとの間には、径方向及び周方向に環状の空きスペースとして形成された通路24が設けられている。
図2に示すように、前記軸受け凹部11a,21aに対する各ロータ電極25と各ステータ電極15の半径方向における長さ寸法の関係は、Rd<R3<Rc<r<Rb<R2<Ra<R1である。また各ロータ電極25と各ステータ電極15の周方向における長さ寸法の関係は、Ld<L3<Lc<Lb<L2<La<L1である。
図2に示すように、前記ステータ10にロータ20を載置すると、互いに対向する軸受け凹部11aと軸受け凹部21aとの間に設けられた小球12aにより、ロータ20の軸中心が支持される。
また残りの4つの凹部11bは前記ロータ20に形成された通路24に対向配置されており、前記4つの凹部11b内に配置された4つの小球12bの各頂点がそれぞれ前記通路24に接している。
すなわち、前記ロータ20は、その軸中心と前記空きスペースSが、前記5つの小球12a及び12bによって支持されており、ロータ20に対し周方向の力を与えると、前記ロータを前記力が加えられた周方向に回転させることが可能である。このとき、前記中央に設けられた小球12aが軸中心(ピボット)を形成し、前記凹部11b内に配置された4つの小球12bは前記通路24内を転動するため、ロータ20を高い回転精度で回転させること、すなわち回転ムラを抑えることができる。
前記支持部(小球12a)及び転動部材(4つの小球12b)は前記ステータ10に対しロータ20を回転自在に支持する支持機構を形成している。なお、前記軸受け凹部11a内に配置される支持部は、前記小球12aに限られるものではなく、例えば前記軸受け凹部21aを支持する支持ピンなどであってもよい。また前記4つの凹部11b内に設けられる転動部材は、前記小球12に限られるものではなく、例えば半径方向に回転軸を有する回転ローラーなどであってもよい。また前記転動部材は、回転中心の周囲に120度間隔以内で少なくとも3ヶ以上有していればよい。
図2に示すように、本実施の形態に示す前記4つの凹部11bよりも外周側の位置では、前記ロータ電極25aが前記ステータ電極15aと前記ステータ電極15bとの間に配置されており、同時に前記ステータ電極15bが前記ロータ電極25aとロータ電極25bとの間に配置されている。
このとき、前記ロータ電極25aの外周側の電極面が、その外周方向に位置する前記前記ステータ電極15aの内周側の電極面に対し所定の隙間余裕(ギャップ)g1を有して面対向する。また前記ロータ電極25aの内周側の電極面が、その内周方向に位置する前記前記ステータ電極15bの外周側の電極面に対し所定の隙間余裕(ギャップ)g2を有して面対向する。また前記ロータ電極25bの外周側の電極面が、その外周方向に位置する前記前記ステータ電極15bの内周側の電極面に対し所定の隙間余裕(ギャップ)g3を有して面対向する。
すなわち、前記4つの凹部11bよりも外周側では、前記ロータ電極25a,25bと前記ステータ電極15a,15bとが互い違いに配置されており、半径方向に面対向する各電極間に3つのギャップg1,g2およびg3が形成されている。
同様に、本実施の形態に示す前記4つの凹部11bよりも内周側の位置でも、前記ステータ電極15cが前記ロータ電極25cとロータ電極25dとの間に配置されている。そして、前記ステータ電極15cの外周側の電極面が、その外周方向に位置する前記ロータ電極25cの内周側の電極面に対し、所定の隙間余裕(ギャップ)g4を有して面対向している。また前記ステータ電極15cの内周側の電極面が、その内周方向に位置する前記ロータ電極25dの外周側の電極面に対し、所定の隙間余裕(ギャップ)g5を有して面対向している。
すなわち、前記4つの凹部11bよりも内周側では、前記ロータ電極25c,25d間に前記ステータ電極15cが配置されており、半径方向に面対向する各電極間に2つのギャップg4およびg5が形成されている。
そして、ロータ20が回転したときには、回転した地点においてロータ20側の各ロータ電極25とステータ10側の各ステータ電極15との間の対向関係が維持される限り、前記ギャップg1,g2,g3,g4およびg5が形成される。
前記ステータ10に設けられたステータ電極15a,15bおよび15cにプラスとし且つ前記ロータ20側の接続層22にマイナスとして、所定の駆動電圧を印加すると、前記前記ギャップg1,g2,g3,g4およびg5を挟んで対向する各ステータ電極15と各ロータ電極25との間に電位差が生じるため、各電極間に静電力(静電吸引力)を発生させることが可能とされている。
上記静電モータの動作について、電気系統の相数(極数)が5種類のA相電極群,B相電極群,C相電極群、D相電極群、E相電極群からなる5相(極)の場合(図3参照)について説明する。前記A相ないしD相電極群は、この順番で回転方向α1に向かって順次配列されている。
図5は、電極配置の一例(等ピッチ配列)であり、ステータ電極とロータ電極との配置関係を等価的に直線状とみなして示す部分平面図であり、前記ステータ電極15aとステータ電極15bとの間にロータ電極25aが対向配置されている様子を示している。また図6は給電部から静電モータの各電極群に与えられる駆動信号の一例を示すタイミングチャートである。なお、図6中のSTEP1はA相電極群及びD相電極群に電圧を印加した状態、STEP2はB相電極群及びD相電極群に電圧を印加した状態、STEP3はB相電極群及びE相電極群に電圧を印加した状態、STEP4はC相電極群及びE相電極群に電圧を印加した状態、STEP5はA相電極群及びC相電極群に電圧を印加した状態をそれぞれ示している。また図5では、A相電極群ないしE相電極群を形成するステータ電極15aと15b(15cは省略)を符号AないしEで示している。さらに図5では駆動信号の電圧が印加されたステータ電極群(AとD)をハッチングで示している。
図5に示すように、前記5種類のA相電極群,B相電極群,C相電極群、D相電極群、E相電極群には、例えば図6に示すような所定の駆動信号が与えられる。すなわち、STEP1ではA相電極群とD相電極群が印加され、STEP2ではB相電極群とD相電極群が印加され、STEP3ではB相電極群とE相電極群が印加され、STEP4ではC相電極群とE相電極群が印加され、STEP5ではA相電極群とC相電極群が印加される。
例えば図5に示すような初期状態、すなわち前記静電モータ10のロータ電極25a1がE相電極群とA相電極群との間に部分的にまたがって対向し、かつロータ電極25a2がC相電極群に対向している状態にあったとする。
この初期状態から、図6のSTEP1に示すように所定の駆動電圧がA相電極群とD相電極群に同時に印加されると、A相電極群を形成するステータ電極15a,15bは前記ロータ電極25a1に対し回転方向α1の下流側に位置ずれしているため、これらの間に発生する静電力(クーロン力)により、前記A相電極群(ステータ電極15a,15b等)が前記ロータ電極25a1を吸引する。同時に、前記ロータ電極25a2が回転方向の下流側に位置するD相電極群によって吸引される。
よって、ステータ10は前記電極間に発生した前記静電力の回転方向α1の成分によって前記回転方向α1に回転させられる。
そして、このような駆動信号を、前記図6にしたがってSTEP1→STEP2→STEP3→STEP4→STEP5→STEP1→STEP2→・・・と順番に繰り返すと、前記ロータ電極25a,25b,25c及び25dとこれに面対向する一組のステータ電極15a,15bおよび15cからなるA相ないしE相電極群との間にこの順番で順次静電力が発生するため、前記ロータを回転方向α1に移動(回転)させることができる。
また、駆動信号を印加する順番を前記とは逆方向に変えると、前記ロータ20を逆方向である回転方向α2に回転させることが可能である。
前記ステータ電極とロータ電極との電極配置関係は、例えば以下に説明するような不等ピッチ配列であってもよい。
図7は電極配置の他の一例(不等ピッチ配列)を示す図5同様の部分平面図、図8は図7の電極配置における駆動信号の一例を示す図6同様のタイミングチャートである。なお、図8中のSTEP1はA相電極群及びB相電極群に電圧を印加した状態、STEP2はB相電極群及びC相電極群に電圧を印加した状態、STEP3はC相電極群及びD相電極群に電圧を印加した状態、STEP4はD相電極群及びA相電極群に電圧を印加した状態をそれぞれ示している。また図7では、A相電極群ないしE相電極群を形成するステータ電極15aと15b(15cは省略)を符号AないしEで示している。さらに図5では駆動信号の電圧が印加されたステータ電極群(AとB)をハッチングで示している。
図7に示すように、ステータ10の電極配置は上記同様である。すなわち、ステータ電極15a,15bおよび15cは、すべて同じピッチ角P(=P1+ΔP1)で周方向に配列され、隣り合うステータ電極間に設けられた間隙17の第1の隙間角はΔP1に設定されている。
他方、ロータ20の電極配置は上記と異なる不等ピッチ配列に設定されている。図7に示すように、周方向に隣合うロータ電極25a間(ロータ電極25b,25cおよび25dも同様)に設けられるピッチ角は、ロータ電極25a1とロータ電極25a2との間が第3の隙間角Δ3に、ロータ電極25a2とロータ電極25a3との間が第4の隙間角Δ4に設定されている。そして、このような第3の隙間角Δ3と第4の隙間角Δ4とは、交互に周方向に繰り返し形成されている。なお、ロータ電極25a,25b,25cおよび25dが形成される前記第2のピッチ角P2は上記同様に一定である。
このため、周方向に隣合うロータ電極25a1とロータ電極25a2との間の周期ピッチ角T1はT1=P2+ΔP3に設定され、またロータ電極25a2とロータ電極25a3との間の周期ピッチT2はT2=P2+ΔP4に設定されており、両者の関係はT1≠T2(不等ピッチ配列)に設定されている。
なお、このロータ20における先のロータ電極25a1と後のロータ電極25a3との間の周期ピッチ角Tbは、Tb=T1+T2に設定されている。
上記のような電極配置を有する静電アクチュエータは、例えばステータ電極15a,15bおよび15cをA相電極ないしD相電極からなる4相に分けるとともに、以下に示すような駆動信号を用いて駆動することができる。
図8に示すように、ロータ20が回転方向α1方向に移動する場合には、STEP1ではA相電極及びB相電極に電圧が印加され、STEP2ではB相電極及びC相電極に電圧が印加され、STEP3ではC相電極及びD相電極に電圧が印加され、STEP4ではD相電極及びA相電極に電圧が印加される。そして、これらの各ステップを、STEP1→STEP2→STEP3→STEP4→STEP1→STEP2・・・の順番で繰り返すと、前記ロータ20を回転方向α1に回転させることができる。また前記とは逆に、各ステップを、STEP4→STEP3→STEP2→STEP1→STEP4→STEP3・・・の順番で繰り返すと、前記ロータ20を回転方向α2に回転させることができる。
図9は本発明の第2の実施の形態としての静電モータの概観を概略的に示す斜視図、図10は図9における静電モータのロータの対向面(表面)を示す平面図である。
第2の実施の形態に示す静電モータは、支持機構を除き前記第1の実施の形態に示す静電モータと同様の構成である。
すなわち、第2の実施の形態では、ステータ10とロータ20の中心に貫通孔13,23が形成されており、上記のような軸受け凹部11a,21aと小球12aからなり支持部、あるいは支持ピンからなる支持部は設けられておらず、この点で部品点数が低減されている。
一方、ステータ10側には、4つ(最低3ヶ以上あればよい)の凹部11bと、これら4つの凹部11b内に設けられる小球12b、または回転ローラー(図示せず)が設けられる。ただし、ロータ20の表面(対向面)には前記通路24の代わりに環状のガイド溝26が形成されている。
この実施の形態では、ロータ20に回転方向の静電力が作用すると、前記小球12bまたは図示しない回転ローラーが前記ガイド溝26内を周回する。このとき、前記小球12bまたは図示しない回転ローラーは前記ガイド溝26に案内されるため、ロータ20の回転中心が支持部により支持されない構造であってもロータ20を回転方向α1又はα2方向にスムーズに、且つ高い回転精度で回転させることが可能である。
しかも、前記第2の実施の形態に示す静電モータでは、ロータ20の中心に貫通孔23を形成することができるが、これにより前記ロータ20の重量が軽くでき、且つ前記ロータ20の慣性モーメントを小さくすることができる。よって、ロータ20自体を回転させるのに必要な回転トルクを減少させることが可能となるため、静電モータが発生する回転トルクを前記減少分だけ大きくすることができる。
以上のように、本願発明の静電モータではステータ10とロータ20とが対向する部分に凸型のステータ電極(凸型電極)15とロータ電極(凸型電極)25をそれぞれ形成し、前記凸型電極どうしが面対向配置されるようにしたため、静電力に寄与する電極間対向面積を拡大することができ、より大きな静電力で前記ロータ20を回転させること、すなわち従来に比較してより大きな駆動トルクを発生させることができる。
しかも、電極間面積を高さ方向に稼ぐことができるため、従来のように大きな駆動トルクを得るためにロータ自体の面積(半径)を拡大させる必要がない。
また上記のようにステータ10の表面に形成した扇状の各接続パターン16Aを形成しておくと、前記接続パターン16Aとこれに対向する各ロータ電極25の天面25A(図2参照)との間にも静電力が発生し、駆動トルクとして寄与させることができる。よって、さらに大きな駆動トルクを発生させることができる。
なお、図6及び図8に示すように、各ステップと各ステップとの間に、ロータ20をグランドに接地して前記各ステータ電極15と各ロータ電極25との間に蓄積させている電荷をその都度除電させると、確実に大きな駆動力を発生させることが可能となる。
上記実施の形態においては、電気系統の相数(極数)がA相ないしE相電極群からなる5相(極)の場合およびA相ないしD相電極群からなる4相(極)について説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、電気系統の相数は3相であってもよいし、6相以上であってもよい。
本発明の第1の実施の形態としての静電モータの概観を概略的に示す斜視図、 図1に示す静電モータの側面図、 図1に示すステータの対向面を概念的に示す平面図、 図1に示すロータの対向面を概念的に示す平面図、 電極配置の一例(等ピッチ配列)であり、ステータ電極とロータ電極との配置関係を等価的に直線状とみなして示す部分平面図、 給電部から静電モータの各電極群に与えられる駆動信号の一例を示すタイミングチャート、 電極配置の他の一例(不等ピッチ配列)を示す図5同様の部分平面図、 図7の電極配置における駆動信号の一例を示す図6同様のタイミングチャート、 本発明の第2の実施の形態としての静電モータの概観を概略的に示す斜視図、 図9におけるロータの対向面を示す平面図、
符号の説明
10 ステータ
11a 軸受け凹部
11b 凹部
12a,12b 小球
15,15a,15b,15c ステータ電極(凸型電極)
16 扇状の領域
16A 接続パターン
20 ロータ
23 貫通孔
24 通路
25,25a,25b,25c,25d ロータ電極(凸型電極)
26 ガイド溝
30 給電部

Claims (10)

  1. 複数の同心円上に複数の凸型電極が形成されたステータと、同じく複数の同心円上に複数の凸型電極が形成されたロータと、前記ステータに前記ロータを対向させた状態で前記ロータを回転自在に支持する支持機構と、半径方向に所定のギャップを介して面対向する前記凸型電極間に所定の駆動信号を前記ロータの回転方向に順次供給する給電部と、を有することを特徴とする静電モータ。
  2. 前記支持機構が、前記ステータと前記ロータの中心から所定の半径寸法内に設けられた少なくとも3ヶ以上の転動部材であることを特徴とする静電モータ。
  3. 前記ステータと前記ロータとの回転中心に支持部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の静電モータ。
  4. 前記ロータには前記転動部材が転動する通路が環状に形成されていることを特徴とする請求項2又は3記載の静電モータ。
  5. 前記通路が環状のガイド溝で形成されていることを特徴とする請求項4記載の静電モータ。
  6. 前記転動部材が、小球又は回転ローラーであることを特徴とする請求項2ないし5のいずれか一項に記載の静電モータ。
  7. 前記凸型電極は、周方向に分割された所定のピッチ角内に半径方向に沿って配列されており、前記ピッチ角内では半径方向に配列された個々の前記凸型電極が互いに導通接続されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載の静電モータ。
  8. 前記半径方向に配列された個々の凸型電極は、前記ロータ及び固定子の表面に前記ピッチ角ごとに形成された接続パターンで接続されている請求項1ないし7のいずれか一項に記載の静電モータ。
  9. 前記凸型電極の長さ寸法は、外周側の長さ寸法の方が内周側の長さ寸法よりも長いことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一項に記載の静電モータ。
  10. 前記凸型電極が円弧状に形成されていることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか一項に記載の静電モータ。
JP2005334024A 2005-11-18 2005-11-18 静電モータ Withdrawn JP2007143299A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005334024A JP2007143299A (ja) 2005-11-18 2005-11-18 静電モータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005334024A JP2007143299A (ja) 2005-11-18 2005-11-18 静電モータ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007143299A true JP2007143299A (ja) 2007-06-07

Family

ID=38205485

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005334024A Withdrawn JP2007143299A (ja) 2005-11-18 2005-11-18 静電モータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007143299A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007145131A1 (ja) * 2006-06-16 2007-12-21 Shinsei Corporation 静電モータ
US11303225B2 (en) * 2017-03-22 2022-04-12 Citizen Watch Co., Ltd. Electrostatic motor

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007145131A1 (ja) * 2006-06-16 2007-12-21 Shinsei Corporation 静電モータ
JP2007336735A (ja) * 2006-06-16 2007-12-27 Shinsei Kogyo:Kk 静電モータ
US8278797B2 (en) 2006-06-16 2012-10-02 Shinsei Corporation Electrostatic motor
US8779647B2 (en) 2006-06-16 2014-07-15 Shinsei Corporation Electrostatic motor
US11303225B2 (en) * 2017-03-22 2022-04-12 Citizen Watch Co., Ltd. Electrostatic motor

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4837449B2 (ja) 静電モータ
JP3801642B2 (ja) 最小の正味径方向力および低いコギングトルクを伴う d.c.ブラシレスモータ
JP3995450B2 (ja) 永久磁石型回転電機
US7671494B2 (en) Motor/generator
US6822368B2 (en) Rotary permanent magnet electric motor having stator pole shoes of varying dimensions
US7235906B2 (en) Magnetic bearing using displacement winding techniques
US6727630B1 (en) Rotary permanent magnet electric motor with varying air gap between interfacing stator and rotor elements
JPS63136982A (ja) 静電アクチユエ−タ
US20070216252A1 (en) Motor/generator
JP3006178B2 (ja) 静電式アクチュエータ
US20140252914A1 (en) Electrostatic generator/motor designs capable of operation with the electrodes immersed in a liquid or pressurized gas
CN105846567A (zh) 外转子型可变励磁式电动机
EP3610558A1 (en) Sheet and rotor of electric machine and method of manufacturing them
JP2007143299A (ja) 静電モータ
JP4120347B2 (ja) 回転電機
CN105656268B (zh) 外转子型可变励磁式电动机
JP6530956B2 (ja) 電動モータ
CN1801587A (zh) 一种圆盘型双转子双转向直流无刷电动机
EP1512212A1 (en) Rotary permanent magnet electric motor with varying air gap between interfacing stator and rotor elements
JPH11136927A (ja) 回転装置
JP2007151205A (ja) マイクロモータ
CN1858966A (zh) 一种圆盘型双转子单转向直流无刷电动机
US20020163281A1 (en) Thin film motors
JP2648565B2 (ja) 駆動装置
JP2006006032A5 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20090203