JP2007143144A - 拡張型ウィスパ機能 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の同時の電話会話が行われることを容易にする拡張型ウィスパ機能を提供すること。
【解決手段】電話通信セッションのそれぞれからの可聴出力をユーザに提供しながら、ユーザの可聴入力を電話通信セッションのうちの選択された1つのセッションから分離することによって、ユーザが異なる電話通信セッションに同時に参加することを可能にする。ユーザが応対可能かどうかを示すプレゼンス情報220を維持するプレゼンスシステム205を使用してさらに拡張され得る。プレゼンスシステム205は、ユーザが第2の電話通信セッションに参加することを求める要求が受信されるときにユーザが第1の電話通信セッションに現在参加していると判断すると、ユーザのウィスパ機能を動作可能にし得る。さらに、ユーザが第2の電話通信セッションに参加することを求める要求が受信されるときにアクティブ化される無音呼出しモード310を含み得る。
【選択図】図1

Description

本発明は、一般には、ユーザが複数の電話通信セッションに同時に参加することを可能にする機能に関し、より詳細には、電話入力を電話通信セッション間で分離するためのウィスパ機能に関する。
ユーザが複数の同時の電話会話に能動的に参加するマルチテレフォニ動作がますます普及している。たとえば、構内交換機(PBX:Private Branch Exchange)およびクラス5スイッチは現在、一般にコールセンタに「ウィスパ」機能を提供しており、この「ウィスパ」機能によって管理者は、コールセンタエージェントが顧客と電話している間に手助けしまたは訓練するためコールセンタエージェントに話し掛けることができる。コールセンタエージェントは管理者と顧客の声を同時に聞くことができるが、管理者の声は、顧客には聞こえず、コールセンタエージェントだけに聞こえる。結果として、現在の「ウィスパ」機能では、管理者が会話に参加していることを顧客が認識せずに、コールセンタエージェントが管理者と顧客の両方の話を同時に聞くことが可能である。
しかし、コールセンタエージェントが話すことは何でも、顧客と管理者の両方に聞こえる。したがって、コールセンタエージェントは、顧客がコールセンタエージェントの声を聞くことなしに、管理者に質問しまたは応答することができない。残念ながら、現在の「ウィスパ」機能は、コールセンタエージェントによって話されることを2つの会話間で分離するための機構を提供していない。
会話間の少なくとも部分的な分離を可能にする別のマルチテレフォニ動作は、「2ハンドセット操作(two handset operation)」である。多くの個人は現在、別個の会話を続行するために同時に操作され得る、卓上電話、固定電話、コードレス電話、および/または1つまたは複数の携帯電話などの2つ以上の電話を有する。しかし、複数の電話を使用する場合には、内在するプライバシーの欠如、および会話間の漏れ(bleed−through)のリスクがある。さらに、会話のうちの1つは、別の会話に混乱を生じさせ得る。たとえば、電話会議の参加者がその携帯電話で別の電話を受ける場合、携帯電話の会話が他の会議参加者に聞こえてくることがあり、それによって会議に混乱が生じる。
2つの会話間の分離を改善するために、多くの電話端末が現在、ユーザが会話を消音することを可能にするミュートボタンを設けている。ミュートボタンを押下すると、会話の相手にユーザの声が聞こえなくなるが、ユーザは依然として相手の声を聞くことができる。したがって、2つの別個の呼に関与するときにユーザは両方の相手の声を聞くことができるが、どちらの電話が消音されているかに応じて、それらの相手のうちの一方だけがユーザの声を聞くことができる。しかし、第2の呼の初期呼出し音(ringing)は、ユーザ、および第1の呼に関与する相手にとって不快なものであり得る。さらに、第2の呼に密かに応答するには、ユーザは、第2の呼に応答する前に第1の呼を忘れずに消音しなければならず、それによって、こうした2ハンドセット操作が難しく厄介なものになる。
J.Rosenberg他、「SIP:Session Initiation Protocol」、RFC:3261、2002年6月 A.Roach他、「Session Initiation Protocol(SIP)−Specific Event Notification」、RFC:3265、2002年6月
したがって、複数の同時の電話会話が行われることを容易にする拡張型ウィスパ機能が求められている。さらに、複数の電話会話間の単純で効率的な分離を提供する拡張型ウィスパ機能が求められている。
本発明の実施形態は、拡張型ウィスパ機能を提供するための電話システムを提供する。この電話システムは、ユーザとの異なる同時の電話通信セッションを確立するように動作可能な少なくとも1つのコールサーバと、少なくとも1つのスイッチとを含み、このスイッチは、電話通信セッションのそれぞれからの可聴出力をユーザに提供しながら、ユーザの可聴入力を電話通信セッションのうちの選択されたセッションから分離することによってウィスパ機能を動作可能にする。それによって、このスイッチは、ユーザが電話通信セッション間で選択することを可能にする。
ある実施形態では、コールサーバは、電話通信セッションをユーザに関連するユーザ電話装置に接続し、電話通信セッションの両方の可聴出力をそのユーザ電話装置に集中させるように動作することができる。さらなる実施形態では、コールサーバは、電話通信セッションのそれぞれを管理するために、スイッチと、スイッチと通信している各々のコールハンドラの両方を含む。さらなる実施形態では、それぞれのコールハンドラは、ユーザの可聴入力を各々の電話通信セッションに選択的に供給するための各々のスイッチを含む。さらなる実施形態では、コールサーバは、ウィスパ機能を動作可能にし、また電話通信セッションのうちの選択されたセッションからユーザの可聴入力を分離するためスイッチにウィスパ制御信号を供給するように動作可能なプロセッサをさらに含む。追加の実施形態では、プロセッサは、スイッチの切換えを制御するためウィスパ切換え信号をユーザから受信するように動作することができる。
別の実施形態では、電話通信セッションのそれぞれが、各々のコールサーバによって処理され、それぞれの各コールサーバは各々のスイッチを含む。別の実施形態では、ユーザの各々のユーザ電話装置が電話通信セッションのそれぞれに関連付けられ、ユーザ電話装置のうちの少なくとも1つが、ウィスパ機能が動作可能にされるときにアクティブ化される無音呼出しモードを含む。
本発明の実施形態はさらに、ユーザが異なる電話通信セッションに同時に参加することを可能にするプレゼンス拡張型ウィスパ機能を提供するための電話システムを提供する。この電話システムは、ユーザが応対可能かどうかを示すプレゼンス情報を維持するプレゼンスシステムを含む。プレゼンスシステムは、ユーザが第2の電話通信セッションに参加することを求める要求が受信されるときに、ユーザが第1の電話通信セッションに現在参加していると判断するように動作することができる。プレゼンスシステムと通信しているスイッチは、第1の電話通信セッションおよび第2の電話通信セッションのそれぞれからの可聴出力をユーザに提供しながら、ユーザの可聴入力を第1の電話通信セッションから分離することによってウィスパ機能を動作可能にする。
一実施形態では、プレゼンスシステムは、要求に基づいてユーザのプレゼンス情報を更新し、ウィスパ機能を動作可能にするためユーザのウォッチャに更新済みプレゼンス情報を提供するように動作することができる。たとえば、例示的な実施形態では、スイッチは、ユーザと少なくとも第1の通信セッションを確立するように動作可能なコールサーバ内に含まれる。コールサーバは、更新されたプレゼンス情報を受信するユーザのウォッチャであり、更新されたプレゼンス情報に応答してスイッチを制御する。例示的な別の実施形態では、スイッチは、第1の電話通信セッションおよび第2の電話通信セッションのうちの少なくとも1つに参加するユーザに関連する電話装置内に含まれる。ユーザ電話装置は、更新されたプレゼンス情報を受信するユーザのウォッチャであり、更新されたプレゼンス情報に応答してスイッチを制御する。
本発明の実施形態はさらに、ユーザが異なる電話通信セッションに同時に参加することを可能にするウィスパ機能を提供するための方法を提供する。この方法は、ユーザが第1の電話通信セッションに参加していると判断すること、およびユーザが第2の電話通信セッションに参加することを求める要求を受信することを含む。この方法はさらに、ユーザの可聴入力を第1の電話通信セッションから分離すること、ユーザの可聴入力を第2の電話通信セッションに供給すること、および第1の電話通信セッションおよび第2の電話通信セッションのそれぞれからの可聴出力をユーザに供給することを含む。
本発明のより完全な理解は、添付の図面と併せて考慮すると、以下の詳細な説明を参照することによって得られ得る。
図1を参照すると、本発明の実施形態による拡張型ウィスパ機能を提供するための例示的な電話システム5が示されている。図1に示す電話システム5は、ユーザ電話装置10とコールサーバ100とを含む。コールサーバ100は、回線交換機、ルータ、ゲートウェイ、または電話通信セッションをユーザ電話装置10に接続することができる他のスイッチング装置など、任意のタイプのネットワーク装置を表す。限定するためではなく、例示するために挙げると、コールサーバ100は、公衆交換電話網(PSTN:Public Switched Telephone Network)内の構内交換機(PBX:private branch exchange)またはクラス5スイッチ、公衆陸上移動網(PLMN:Public Land Mobile Network)内の移動通信交換局、ルータ、あるいはネットワーク装置の他の任意のタイプまたはその組合せを含み得る。
ユーザ電話装置10は、インターフェース50を介して音声通信をコールサーバ100に対して送信しかつ/または受信することができる物理的な通信装置である。ユーザ電話装置10の例には、それに限定されないが、卓上電話、固定電話、コードレス電話、携帯電話、および音声技術を提供するコンピュータ(スピーカ、マイクおよび音声ソフトウェアを備えるコンピュータなど)が含まれる。インターフェース50は、音声がそれを介して送信され得る任意のタイプの媒体を表す。たとえば、インターフェース50には、T1回線、ケーブル回線、光ファイバ回線、エアインターフェース、または音声を送信することができる他の媒体が含まれ得る。図1で、インターフェース50は、説明を簡単にするため、ユーザ電話装置10とコールサーバ100の間でメッセージを送信するための信号回線52、ユーザ電話装置10からコールサーバ100に音声を送信するための送信回線54、およびコールサーバ100からユーザ電話装置10に音声を送信するための受信回線56に論理的に分割されて示されている。
図では送信回線54は、コールサーバ100のために呼の切換えを実施する、コールサーバ100内のスイッチ150に論理的に接続されている。したがって、スイッチ150は、ユーザ電話装置10への呼およびそこからの呼をルーティングする、コールサーバ100内のスイッチング構造を表している。図では受信回線56は、コールサーバ100内の選択スイッチ160に論理的に接続されており、この選択スイッチ160は、拡張型ウィスパ機能がアクティブかどうかに応じてコールサーバ100内のスイッチ150または和回路170からの出力を選択し、選択された出力を回線56を介してユーザ電話装置10に供給する。図では信号回線52は、本発明の拡張型ウィスパ機能をアクティブ化するためにコールサーバ100内のコールプロセッサ110に論理的に接続されている。コールプロセッサ110は一般に、汎用コンピュータを駆動するドライバであると理解される。しかし、マイクロコントローラ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:Field Programmable Gate Array)または特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)あるいはその組合せなど、他のプロセッサ装置も同様に使用され、本明細書に記載された利益および利点を達成し得ることに留意されたい。
コールプロセッサ110は、ユーザ電話装置10との通信セッションを管理するために、1つまたは複数のコールハンドラ130および140、スイッチ150、ならびに選択スイッチ160に動作可能に結合される。たとえば、一実施形態では、コールプロセッサ110は、コールサーバ100に入って来る通信セッションを検出し、通信セッションのためにスイッチ150内のリソースを配分し、コールハンドラ130および140をそれぞれの通信セッションに割り当て、通信セッションに関連するメッセージを処理し、拡張型ウィスパ機能などの呼機能を動作可能にし、拡張型ウィスパ機能のための選択スイッチ160を制御するように動作することができる。コールプロセッサ110は、完全にコールサーバ100内で実装されることができ、またはコールサーバ100の動作を制御する補助的なシステムで少なくともとも部分的に実装され得る。
それぞれのコールハンドラ130および140は、ユーザ電話装置10との特定の電話通信セッションを管理するための任意のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアまたはその組合せを含む。一例として、それぞれのコールハンドラ130および140は、命令を実行する1つまたは複数のプロセッサと、プロセッサによって使用される命令およびデータを格納する1つまたは複数のメモリとを含み得る。コールハンドラ130および140は、スイッチ150および/またはコールプロセッサ110内で少なくとも部分的に実装され得る。
図1に示すように、コールハンドラ130は、インターフェース60を介してユーザ電話装置10と第1の端末30の間の第1の電話通信セッションを管理するように構成され、コールハンドラ140は、インターフェース70を介してユーザ電話装置10と第2の端末40の間の第2の電話通信セッションを管理するように構成される。この場合も、インターフェース60および70は、音声がそれを介して送信され得る任意のタイプの媒体を表しており、図では、それぞれが、説明を簡単にするため、端末30、40からコールサーバ100に音声を送信するための各々の送信回線62、72、およびコールサーバ100から端末30、40に音声を送信するための各々の受信回線64、74に論理的に分割されている。
第1の電話通信セッションおよび第2の電話通信セッションは、それぞれの電話通信セッションがスイッチ150を通ってユーザ電話装置10に別個にルーティングされることができる、互いに異なるものである。電話通信セッションがどのように互いに異なるかを示すために、ユーザ電話装置10が2つの電話通信セッション間で切り換わることを可能にする「キャッチホン」機能について考慮されたい。ユーザは、端末40との第2の電話通信セッションが開始されるときに端末30との第1の電話通信セッションに関与している場合、ユーザ電話装置10上の「キャッチホン」ボタンを使用することによって第2の電話通信セッションに応答することができる。「キャッチホン」ボタンを押下すると、ユーザ電話装置10は、回線52を介してコールプロセッサ110にキャッチホン機能アクティブ化信号を送信する。コールプロセッサ110は次いで、キャッチホン機能を動作可能にし、回線120を介してコールハンドラ130および140、スイッチ150ならびに選択スイッチ160にキャッチホン機能をアクティブ化するよう命令を与える。
キャッチホン機能をアクティブ化した後に、回線62を介して送信され、コールハンドラ130で受信される端末30からの可聴出力は、回線138を介してスイッチ150に送信されない。そうではなく、回線72を介して送信され、コールハンドラ140で受信される端末40からの可聴出力が、回線148を介してスイッチ150に送信される。スイッチ150は、回線148上で受信された可聴出力を回線155上で選択スイッチ160にルーティングし、この選択スイッチ160は次いで、回線155上で受信された可聴出力を回線56を介してユーザ電話装置10にルーティングする。同様に、回線54を介して送信され、スイッチ150で受信されるユーザ電話装置10からの可聴入力は、回線135を介してコールハンドラ130にルーティングされない。そうではなく、回線54を介して受信される可聴入力が、スイッチ150によって回線145を介してコールハンドラ140にルーティングされる。したがって、それぞれの電話通信セッションは、スイッチ150を介してユーザ電話装置10へと別個に切り換えられる。
第1の電話通信セッションおよび第2の電話通信セッションは、従来の「キャッチホン」機能を備えた同時の通信セッションと見なされ得るが、ユーザは一度に、異なる電話通信セッションのうちの1つにしか参加することができない。したがって、電話通信セッションのうちの1つだけが、「アクティブ」通信セッションと見なされる。状況によっては、ユーザ電話装置10のユーザは、「ウィスパ」機能を使用して両方の電話通信セッションに同時に参加することを望み得る。しかし、上記で論じたように、現在のウィスパ機能は、ユーザ電話装置10からの可聴入力が2つの電話通信セッション間で分離されることを可能にしない。
したがって、本発明の実施形態によれば、拡張型ウィスパ機能がユーザ電話装置10に提供され、この拡張型ウィスパ機能は、電話通信セッション間で可聴入力を分離しながら、ユーザ電話装置10が異なる電話通信セッションに同時に参加することを可能にする。拡張型ウィスパ機能は、ユーザ電話装置10上のウィスパボタン20を使用して初期の呼設定時にアクティブ化される。たとえば、ユーザ電話装置10が端末30との第1の電話通信セッションに現在参加しており、第2の電話通信セッションの確立を求める要求が端末40から受信される場合、ユーザは、ウィスパボタン20を押下して、端末40との第2の電話通信セッションの確立時に拡張型ウィスパ機能をアクティブ化することができる。他の実施形態では、拡張型ウィスパ機能は、コールサーバ100内で自動的に、または別の補助装置、たとえばパーソナルコンピュータを介してアクティブ化される。
拡張型ウィスパ機能をアクティブ化すると、コールサーバ100は、ユーザが第2の電話通信セッション内で端末40上の相手とだけ話すことを可能にするために、ユーザの可聴入力を第1の電話通信セッションから分離する。しかし、ユーザが端末30上の相手と端末40上の相手の両方の声を同時に聞くことを可能にするために、端末30と40の両方からの可聴出力が、ユーザ電話装置10に供給される。したがって、ユーザは、端末30上の相手が話すどんなことをも聞くことができるが、端末30上の相手はユーザによって話されることを聞くことができない。ウィスパ機能がアクティブになると、ユーザは、いずれかの相手と話すために、ウィスパボタン20を使用して、電話通信セッション間で可聴入力を切り換えることができる。
例示的な一実施形態では、コールサーバ100は、端末30との第1の通信セッション中に端末40から第2通信セッションを求める要求を受信する場合、端末40からの着呼がコールサーバ100上で待機していることをユーザに知らせる「キャッチホン」または他の類似の信号をユーザ電話装置10に送信することができる。ユーザは、2つの異なる通信セッションに同時に能動的に参加することを望む場合、ユーザ電話装置10上のウィスパボタン20を押下することができ、それによってユーザ電話装置10に、回線52を介してコールプロセッサ110にウィスパ機能アクティブ化信号を送信させる。ウィスパ機能アクティブ化信号を受信するとコールプロセッサ110は、回線120上でスイッチ150、コールハンドラ130および140、ならびに選択スイッチ160にウィスパ制御信号を送信することによってウィスパ機能を動作可能にする。たとえば、一実施形態では、コールプロセッサ110は、アクティビティ、関数、または回線120上のウィスパ制御信号を生成するタスクの体系的なシーケンスを提供するソフトウェアアプリケーションなど、1つまたは複数のプロセスを含む。
スイッチ150で受信されるウィスパ制御信号は、スイッチ150に、回線54上でユーザ電話装置10から受信される可聴入力をコールハンドラ140にルーティングするよう指示する。コールハンドラ130および140で受信されるウィスパ制御信号は、コールハンドラ130および140に、それぞれ端末30および40から受信される可聴出力を、それぞれ回線138および148上でスイッチ150に送信するのではなく、それぞれ回線139および149上で和回路170に送信するよう指示する。和回路170は、回線175上で合計の可聴出力を生成するために、回線139および149上で受信された可聴出力を集中させる。選択スイッチ160で受信されるウィスパ制御信号は、選択スイッチ160に、回線175上で和回路170からの出力を選択するよう指示する。
したがって、ユーザがユーザ電話装置10に向かって話すときに、ユーザの可聴入力は、回線54を介してコールサーバ100内のスイッチ150に送信される。スイッチ150は、回線54上で受信される可聴入力を回線145上でコールハンドラ140にルーティングし、このコールハンドラ140は次いで、回線145上で受信される可聴入力を回線74上で端末40に送信する。さらに、端末30および40上の相手が話すときに、それぞれ回線62および72を介して端末30および40によって送信され、各々のコールハンドラ130および140によって受信される可聴出力は、それぞれ回線139および149を介してコールハンドラ130および140から和回路170に送信される。和回路170は、可聴出力を合計し、合計された可聴出力を回線175上で選択スイッチ160に供給する。選択スイッチ160は次いで、合計された可聴出力を回線56を介してユーザ電話装置10に送信する。
ユーザは、第1の電話通信セッションに戻りたい場合、ユーザ電話装置10上のウィスパボタン20を再び押下し、それによってユーザ電話装置10に、回線52を介してコールプロセッサ110にウィスパ切換え信号を送信させる。ウィスパ切換え信号を受信すると、コールプロセッサ110は、回線120上でスイッチ150に新しいウィスパ制御信号を送信する。スイッチ150で受信される新しいウィスパ制御信号は、スイッチ150に、回線54上でユーザ電話装置10から受信される可聴入力を、回線64を介した端末30への送信のためコールハンドラ130にルーティングするよう指示する。コールハンドラ130および140は、それぞれ端末30および40から受信される可聴出力を、回線56を介したユーザ電話装置10への合計可聴出力の送信のために、それぞれ回線139および149上で和回路170に送信し続ける。したがって、拡張型ウィスパ機能は一般に、それぞれの電話通信セッションからの可聴出力をユーザに供給しながら、ユーザの可聴入力を電話通信セッションのうちの選択された1つのセッションから分離する。
図1は、ユーザが単一の電話装置10上で複数の電話通信セッションに同時に参加する一実施形態を示している。しかし、ほとんどのユーザが2つ以上の電話を有していると、ユーザは、複数の電話装置上で複数の電話通信セッションに同時に参加する必要があり得る。従来のマルチテレフォニ動作では、会話間の漏れのリスクがあり、またはユーザは、会話間でユーザの音声を分離するため電話装置のうちの1つの装置上の「ミュート」ボタンを忘れずに押下しなければならない。本発明の実施形態によれば、拡張型ウィスパ機能は、漏れを防止し、またユーザが複数の電話装置上の「ミュート」ボタンを操作する必要性を取り除くため、こうしたマルチテレフォニ動作にまで拡大され得る。
図2は、本発明の実施形態による、コールサーバ100上でマルチテレフォニ拡張型ウィスパ機能を提供するための例示的な電話システム5を示している。図2では、ユーザは、単一の電話装置ではなく、2つの電話装置10aおよび10bに関連付けられている。電話装置10aは、端末30との第1の電話通信セッションに参加するためインターフェース50aを介してコールサーバ100に接続されており、電話装置10bは、端末40との異なる第2の電話通信セッションに参加するためインターフェース50bを介してコールサーバ100に接続されている。さらに、コールハンドラ130は、インターフェース60を介して電話装置10aと端末30の間の第1の電話通信セッションを管理するように構成され、コールハンドラ140は、インターフェース70を介して電話装置10bと端末40の間の第2の電話通信セッションを管理するように構成される。
より具体的には、図では信号回線52aおよび52bは、本発明の拡張型ウィスパ機能を動作可能にするためコールサーバ100内のコールプロセッサ110に論理的に接続されており、送信回線54aおよび54b、ならびに受信回線56aおよび56bはそれぞれ、各々のコールハンドラ130および140に論理的に接続されている。図では、それぞれのコールハンドラ130および140は、コールハンドラ130または140のために呼切換えを実施する各々のスイッチ230および240を含んでいる。スイッチ230と240が一緒に、ユーザ電話装置10aおよび10bへのまたはそこからの呼をルーティングするコールサーバ100内のスイッチング構造を表している。したがって、スイッチ230と240は一緒に、図1のスイッチ150を形成する。
この場合もコールプロセッサ110は、拡張型ウィスパ機能を動作可能にするために、コールハンドラ130と140の両方に動作可能に結合される。たとえば、例示的な一実施形態では、コールプロセッサ110は、電話装置10aと10bの両方を単一のユーザに関連付け、それぞれの電話装置10aおよび10bの状況(使用中や待機など)を示すデータを維持する。したがって、コールプロセッサ110は、コールサーバ100が端末40から電話装置10bとの通信セッションを求める要求を受信するときに、電話装置10bに関連するユーザの識別を判断し、そのユーザ識別に関連する他のすべての電話装置(装置10aなど)の状況の確認のためユーザ識別に索引付けする。他の電話装置の状況に関係なく、電話装置10bが通信セッションに応対可能であれば、コールサーバ100は、電話装置10bを「呼び出し」、電話装置10bへの着呼がコールサーバ100上で受信されていることをユーザに知らせることができる。
しかし、ユーザが電話装置10aと端末30の間の別の電話通信セッションにも参加しており、またユーザがその2つの異なる通信セッションに同時に能動的に参加することを望む場合には、会話間の可聴入力を分離しながら、一実施形態ではユーザは電話装置10b上のウィスパボタン20bを押下することによって電話装置10b上で呼に応答することができる。ウィスパボタン20bの押下によって、電話装置10bに、回線52bを介してコールプロセッサ110にウィスパ機能アクティブ化信号を送信させる。ウィスパ機能アクティブ化信号を受信すると、コールプロセッサ110は、回線120上でスイッチ230および240にウィスパ制御信号を送信することによってウィスパ機能を動作可能にする。スイッチ230で受信されるウィスパ制御信号は、スイッチ230に、電話装置10aからの可聴入力が端末30に向かう回線64に置かれないようにするために回線54a上でユーザ電話装置10aから受信される可聴入力を分離する(たとえば消音する)よう指示する。スイッチ240で受信されるウィスパ制御信号は、スイッチ240に、ユーザ電話装置10bから受信される可聴入力を回線74を介して端末40にルーティングするよう指示する。
上記と同様に、回線62および72上の両方の端末30と40からの可聴出力はそれぞれ、ユーザが異なる電話装置10aおよび10b上で端末30と40上の両方の相手の声を同時に聞くことを可能にするために、コールハンドラ130および140を介して回線56aおよび56b上で各々のユーザ電話装置10aおよび10bに供給される。したがって、端末30からの可聴出力はコールハンドラ130を介して電話装置10aにルーティングされ、端末40からの可聴出力はコールハンドラ140を介して電話装置10bにルーティングされる。
別の実施形態では、拡張型ウィスパ機能は、(たとえば通話器を取り、あるいは電話装置上の「話す」または他の類似のボタンをクリックすることによって)ユーザが通常に電話装置10bの呼に応答するときに、コールプロセッサ110によって自動的にアクティブ化される。したがって、ユーザが電話装置10b上で呼に応答するときに、コールプロセッサ110は、回線54a上でユーザ電話装置10aから受信される可聴入力を分離し(たとえば消音し)、回線54b上でユーザ電話装置10bから受信される可聴入力を回線74上で端末40にルーティングするために、回線120上でスイッチ230および240にウィスパ制御信号を送信する。その後、ユーザは、電話装置10aまたは10b上のウィスパボタン20aまたは20bを押下することによって電話通信セッション間で可聴入力を切り換えることができる。
別の実施形態では、拡張型ウィスパ機能は、電話装置10bへの着呼がコールサーバ100上で受信されるときに、コールプロセッサ110によって自動的にアクティブ化される。これによって、無音呼出しモードの追加の拡張が拡張型ウィスパ機能に含まれることが可能になる。たとえば、コールサーバ100は、端末40からの着呼を受信する場合、電話装置10bに無音呼出しモード信号を送信して電話装置10bに、着呼が電話装置10b上で受信されていることをユーザに警告するときに電話装置10b上の無音呼出しモード(振動など)をアクティブ化させることができる。無音呼出しモードは、電話装置10a上で生じる電話通信セッションへの混乱を最小限に抑える。その後、ユーザが電話装置10b上で呼に応答するときに、コールプロセッサ110は、回線54a上でユーザ電話装置10aから受信される可聴入力を分離し(たとえば消音し)、また回線54b上でユーザ電話装置10bから受信される可聴入力を回線74上で端末40にルーティングするために、回線120上でスイッチ230および240にウィスパ制御信号を送信する。
さらに別の実施形態では、拡張型ウィスパ機能は、電話装置10aと10bの両方を同じユーザに内部的に関連付け、知られているこの関連付けに基づいて拡張型ウィスパ機能を実装するコールプロセッサ110ではなく、プレゼンスシステム205を使用して動作可能にされ得る。図2に示すようにプレゼンスシステム205は、プレゼンティティ290、およびプレゼンティティ290に関連する任意のユーザ装置(電話装置10aおよび10bなど)に関するプレゼンス情報220を維持する。プレゼンスシステム205は、1つまたは複数のプレゼンスユーザエージェント250(PUA:presence user agent)とプレゼンスエージェント(PA:presence agent)210と、プレゼンティティ290のプレゼンス情報220を格納するプレゼンスサーバ200と、プレゼンティティ290の1つまたは複数のウォッチャ260とを含む。
PUA250は、プレゼンティティ290に関するプレゼンス情報220を操作し、PA210に提供することができる。図2で、コールサーバ100は、プレゼンティティ290に関するプレゼンス情報を生成するPUA250を含む。PUA250は一般に、プレゼンス状況の変化が生じるときにプレゼンス情報を生成する。プレゼンス状況の変化の例には、これだけに限らないが、電話装置10aまたは10bのうちの1つをオンおよびオフすること、電話装置10aまたは10bのうちの1つからの登録を修正すること、および電話装置10aまたは10bのうちの1つの電話装置上で通話を開始しまたはそれに応答することが含まれる。したがって、コールサーバ100内のPUAは、プレゼンティティ290に関連する電話装置10aおよび10bの状況を監視するためにコールプロセッサ110と通信しており、電話装置10aおよび/または電話装置10b上で電話通信セッションが開始されまたは終了されるときにPA210へのプレゼンティティプレゼンス情報220を生成する。
さらに、PA210は、カレンダー/スケジューラアプリケーション270(Microsoft Exchange Server、IBM Lotus Notes(登録商標)、Meeting Maker(登録商標)、または他の類似のアプリケーションなど)、およびプレゼンス情報の他のソース280(インスタントメッセージングアプリケーションなど)からプレゼンス情報を収集する。たとえば、プレゼンティティがそのカレンダー上でAM10:00からPM12:00の間に予定されたミーティングを有する場合、AM10:00に、カレンダー/スケジューラアプリケーション270は、プレゼンティティのプレゼンス状況を「ミーティング中」に設定するようPA210に通知する。PA210は、それぞれのソース(PUA250、カレンダー270および他のソース280など)からのプレゼンス情報を集約し、プレゼンティティ290についての現在の完全なプレゼンス情報220を維持する。プレゼンス情報220は、たとえばプレゼンティティが応対可能であるか、プレゼンティティの現在のアクティビティ、プレゼンティティが位置するローカル時間、プレゼンティティの現在の位置、ならびにアクティブ装置および/またはアクティブ装置を実行するアプリケーションの現在の状況を示す。
PA210はさらに、プレゼンティティ290のプレゼンスサービスに加入している1つまたは複数のウォッチャ260にプレゼンス情報220を提供するように動作することができる。図2で、コールサーバ100もまた、プレゼンティティ290のウォッチャ260である。したがって、PA210は、プレゼンティティ290の現在のプレゼンス状況に関するリアルタイム更新をコールサーバ100内のウォッチャ260に提供する。ウォッチャ260は、このプレゼンス情報220を、電話装置10aおよび10bとの電話通信セッションの処理で使用するためコールプロセッサ110に提供する。
たとえば、ユーザ/プレゼンティティ290が電話装置10a上で端末30との電話通信セッションに参加している場合、コールサーバ100内のPUA250は、プレゼンティティ290が電話装置10a上で電話通信セッションに関与していることを示す、PA210へのプレゼンス情報220を生成する。次いで、このプレゼンス情報220は、PA210によって、コールサーバ100内のウォッチャ260に提供される。その後、プレゼンティティ290が電話装置10b上で電話通信セッションに参加することを求める要求が端末40から受信される場合、コールサーバ100内のPUA250は、この要求が受信されたことを示す、PA210への更新済みプレゼンス情報220を生成する。PA210は次いで、この更新済みプレゼンス情報220を、コールサーバ100内のウォッチャ260に提供する。ウォッチャ260は、上述したように拡張型ウィスパ機能を動作可能にする(たとえばウィスパボタン20bを押下し、またはコールプロセッサ110内のウィスパ機能を自動的に動作可能にする)際に使用するために、この更新済みプレゼンス情報220をコールプロセッサ110に提供することができる。
別の実施形態では、プレゼンスサーバ200はさらに、プレゼンスシステム200のプレゼンティティ290、ウォッチャ260および/または管理者について嗜好情報225を格納することができる。嗜好情報225は、プライバシーの問題、優先順位付けの要件、管理者のポリシーおよびセキュリティへの配慮に対処し、また拡張型ウィスパ機能などの様々な機能を実装するためにウォッチャ260に提供されたプレゼンティティ290のプレゼンス情報220をフィルタリングしかつ/またはそれを増加させるように作用することができる。
たとえば、嗜好情報225は、たとえばプレゼンティティ290が別の電話で話している間に着呼が特定の電話装置に、または特定の発呼者から受信されるときなど、特定のときに拡張型ウィスパ機能を自動的に動作可能にするために、プレゼンティティの嗜好を含み得る。結果として、コールプロセッサ110は拡張型ウィスパ機能を実装するためのアルゴリズムの維持だけが必要であり、コールプロセッサ110は、プレゼンス情報200がそうすることの指示を含む場合に、アルゴリズムを実行することができる。別の例として、嗜好情報225は、1日の特定のとき、週末または特定の打合わせ中に拡張型ウィスパ機能を動作可能にしまたは動作不能にするために、管理者またはプレゼンティティの嗜好を含み得る(たとえばカレンダーのエントリは、チェックされるときに拡張型ウィスパ機能を動作可能または動作不能にするボックスを含み得る)。
プレゼンスシステム205は、プレゼンティティ290およびウォッチャ260にプレゼンスサービスを提供するために、プレゼンスプロトコルを使用する。プレゼンスシステム205内で使用され得るプレゼンスプロトコルの一例は、それぞれが参照により本明細書に組み込まれている、J.Rosenberg他、「SIP:Session Initiation Protocol」、RFC:3261、2002年6月、およびA.Roach他、「Session Initiation Protocol(SIP)−Specific Event Notification」、RFC:3265、2002年6月に記載されたセッション開始プロトコル(SIP:Session Initiation Protocol)である。SIPは、通信(音声、テキストおよび/またはマルチメディア)セッションを作成し、変更し、終了するために使用されるアプリケーション層制御プロトコルである。SIPは、リアルタイムトランスポートプロトコル(RTP:Real−Time Transport Protocol)、リアルタイムストリーミングプロトコル(RTSP:Real−Time Streaming Protocol)、セッション記述プロトコル(SDP:Session Description Protocol)、国際電気通信連合−通信(ITU−T:International Telecommunication Union−Telecommunications)H.263規格(ビデオCODEC)、G.711およびG.729規格(オーディオCODEC)などの他のプロトコル、ならびに他のまたは追加の規格またはプロトコルで使用され得る。理解されるように、他のまたは追加のプロトコルおよび構成が使用され得る。
図3は、本発明の実施形態による、複数のコールサーバ上でマルチテレフォニ拡張型ウィスパ機能を提供するための別の例示的な電話システムを示すブロック図である。図3で、それぞれのユーザ電話装置10aおよび10bは、異なる電話システム5aおよび5b内の異なるコールサーバ100aおよび100bによってそれぞれサービスされている。したがって、電話装置10aはインターフェース50aを介してコールサーバ100aと通信しており、電話装置10bはインターフェース50bを介してコールサーバ100bと通信している。さらに、スイッチ230を含むコールハンドラ130は、コールサーバ100aを経由しインターフェース60を介した電話装置10aと端末30の間の電話通信セッションを管理するために、コールサーバ100aに関連付けられ、スイッチ240を含むコールハンドラ140は、コールサーバ100bを経由しインターフェース70を介した電話装置10bと端末40の間の電話通信セッションを管理するために、コールサーバ100bに関連付けられる。
図2と同様に、電話装置10aおよび10bは、プレゼンティティ290に関連付けられる。したがって、それぞれのコールサーバ100aおよび100bは、各々のPUA250aおよび250b、ならびにウォッチャ260aおよび260bを含む。それぞれのPUA250aおよび250bは、プレゼンティティ290に関係するプレゼンス情報220をPA210に提供するために、プレゼンスシステム205内のプレゼンスサーバ200と通信している。さらに、それぞれのウォッチャ260aおよび260bは、プレゼンティティに関係する更新済みプレゼンス情報220をPA210から受信するために、プレゼンスシステム205内のプレゼンスサーバ200と通信している。
それぞれのコールサーバ100aおよび100bはさらに、各々のコールプロセッサ110aおよび110bを含む。それぞれのコールプロセッサ110aおよび110bは、各々の拡張型ウィスパ機能を動作可能にすることができる。たとえば、コールプロセッサ110aは、回線120上でスイッチ230にウィスパ制御信号を送信することによってウィスパ機能を動作可能にする。スイッチ230で受信されるウィスパ制御信号は、スイッチ230に、電話装置10aからの可聴入力が端末30に向かう回線64上に置かれないようにするために、回線54a上でユーザ電話装置10aから受信される可聴入力を分離する(たとえば消音する)よう指示する。別の例として、コールプロセッサ110bは、回線120上でスイッチ240にウィスパ制御信号を送信することによってウィスパ機能を動作可能にする。スイッチ240で受信されるウィスパ制御信号は、回線54b上でユーザ電話装置10bから受信される可聴入力を端末40に向かう回線74上に置かれることから分離するようスイッチ240に指示する。
上記と同様に、回線62および72上の両方の端末30と40からの可聴出力はそれぞれ、ユーザが異なる電話装置10aおよび10b上で端末30と40の両方の相手の声を同時に聞くことを可能にするために、コールサーバ100aおよび100b内のコールハンドラ130および140を介して回線56aおよび56b上で各々のユーザ電話装置10aおよび10bにそれぞれ提供される。したがって、端末30からの可聴出力は、コールハンドラ130およびコールサーバ100aを介して電話装置10aにルーティングされ、端末40からの可聴出力は、コールハンドラ140およびコールサーバ100bを介して電話装置10bにルーティングされる。
例示的な一実施形態では、ユーザ/プレゼンティティ290が電話装置10a上で端末30との電話通信セッションに参加している場合、コールサーバ100a内のPUA250aは、プレゼンティティ290が電話装置10a上で電話通信セッションに関与していることを示す、PA210へのプレゼンス情報220を生成する。次いで、このプレゼンス情報220は、PA210によって、コールサーバ100b内のウォッチャ260bに提供される。その後、プレゼンティティ290が電話装置10b上で電話通信セッションに参加することを求める要求が端末40から受信される場合、コールサーバ100b内のPUA250bは、この要求が受信されたことを示す、PA210への更新済みプレゼンス情報220を生成する。PA210は次いで、この更新済みプレゼンス情報220を、コールサーバ100a内のウォッチャ260aに提供する。ウォッチャ260aは、拡張型ウィスパ機能を動作可能にする際に使用するために、この更新済みプレゼンス情報220をコールサーバ100a内のコールプロセッサ110aに提供することができる。たとえば、拡張型ウィスパ機能は、上述したように、コールプロセッサ110aによって自動的に、またはプレゼンスサーバ200内に格納された嗜好情報225に応答して動作可能にされることができる。
拡張型ウィスパ機能は、上述の無音呼出しモード機能を提供することもできる。たとえば、コールサーバ100b内のウォッチャ260bが、プレゼンティティが別の電話通信セッションに関与している間に要求が受信されたことを示す更新済みプレゼンス情報を受信し、またウォッチャ260bがこの更新済みプレゼンス情報をコールサーバ100b内のコールプロセッサ110bに提供するとき、コールプロセッサ110bは、電話装置10bに無音呼出しモード信号を送信し得る。図3に、無音リングトーン機能を実装するためにプロセッサ320bによって制御されるリングモードセレクタ310bを含む電話装置10bが示されている。無音呼出しモード信号を受信すると、プロセッサ320bは、着呼が電話装置10b上で受信されていることをユーザに警告する間、リングモードセレクタ310bを無音呼出しモード(振動など)に切り換える。無音呼出しモード機能は、どちらの電話装置10aまたは10bが第1の電話通信セッションに関与しているかに応じて、プロセッサ320aまたは320b、および関連する各々のリングモードセレクタ310aまたは310bを使用して電話装置10aまたは10bで実装され得る。
さらに、ユーザは、電話通信セッション間の切換えのため、回線52aまたは52b上で「ウィスパ切換え」信号をコールサーバ100aまたは100bに送信することができる。たとえば、ユーザがユーザ電話装置10b上でウィスパボタン(図2に示す20)を押下する場合、ユーザ電話装置10bは、回線52bを介してコールサーバ100b内のコールプロセッサ110bにウィスパ切換え信号を送信する。ウィスパ切換え信号を受信すると、音声が電話装置10bから端末40に現在ルーティングされている場合には、コールプロセッサ110bは、電話装置10bから受信される可聴入力を分離しまたは有効に消音するようスイッチ240に指示する新しいウィスパ制御信号を回線120上でスイッチ240に送信する。
またコールプロセッサ110bは、ユーザが電話通信セッション間で切換えを望んでいることをPUA250bに知らせ、PUA250bは、切換えの要望を示す更新済みプレゼンス情報220をPA210に提供する。PA210は次いで、この更新済みプレゼンス情報220をコールサーバ100a内のウォッチャに提供し、それによってコールサーバ100a内のコールプロセッサ110aに、回線120上でスイッチ230に新しいウィスパ制御信号を送信させる。スイッチ230で受信される新しいウィスパ制御信号は、スイッチ230に、回線54a上でユーザ通信装置10aから受信される可聴入力を、回線64を介した端末30への送信のためコールハンドラ130に再びルーティングするよう指示する。
図4は、本発明の実施形態による、ユーザ電話装置上でマルチテレフォニ拡張型ウィスパ機能を提供するための別の例示的な電話システムを示すブロック図である。図4で、それぞれのユーザ電話装置10aおよび10bはこの場合も、異なる電話システム5aおよび5b内の異なるコールサーバ100aおよび100bによってそれぞれサービスされている。したがって、電話装置10aはインターフェース50aを介してコールサーバ100aと通信しており、電話装置10bはインターフェース50bを介してコールサーバ100bと通信している。さらに、図ではそれぞれの電話装置10aおよび10bは、各々のインターフェース60および70を介して各々の端末30および40との異なる電話通信セッションに関与している。しかし、図1〜3に示すようにコールサーバ100aおよび100b内でウィスパ切換え機能を実装するのではなく、図4では、ウィスパ切換え機能は、電話装置10aおよび10b内の各々のミュートスイッチ410aおよび410bによって実装される。
上記と同様に、電話装置10aおよび10bは、プレゼンティティ290に関連付けられている。しかし、PUA250aおよびウォッチャ260aは電話装置10a内で実装されており、PUA250bおよびウォッチャ260bは電話装置10bで実装されている。それぞれのPUA250aおよび250bは、プレゼンティティ290に関係するプレゼンス情報220をプレゼンスサーバ200に提供するために、プレゼンスシステム205内のプレゼンスサーバ200と通信している。さらに、それぞれのウォッチャ260aおよび260bは、プレゼンティティに関係する更新済みプレゼンス情報220をプレゼンスサーバ200から受信するために、プレゼンスシステム205内のプレゼンスサーバ200と通信している。
電話装置10aおよび10bはさらに、それぞれミュートスイッチ410aおよび410b、ならびに呼出しモードセレクタ310aおよび310bを制御するための各々のプロセッサ320aおよび320bを含む。それぞれのプロセッサ320aおよび320bは、各々の拡張型ウィスパ機能を動作可能にすることができる。たとえば、プロセッサ320aは、可聴入力が電話装置10aからコールサーバ100aに送信されないようにするために、ミュートスイッチ410aに電話装置10a上のマイクを消音するよう指示することによって拡張型ウィスパ機能を動作可能にする。別の例として、プロセッサ320bは、ミュートスイッチ410bにユーザ電話装置10bのマイクを消音するよう指示することによってウィスパ機能を動作可能にする。
上記と同様に、それぞれ回線62および72上の両方の端末30と40からの可聴出力は、ユーザが異なる電話装置10aおよび10b上で端末30と40の両方の相手の声を同時に聞くことを可能にするために、それぞれ回線56aおよび56b上でコールサーバ100aおよび100bを介して各々のユーザ電話装置10aおよび10bに供給される。さらに、消音されない電話装置10aまたは10bからの可聴入力は、回線52aまたは52bを介してコールサーバ100aまたは100bに、また回線64または74を介してコールサーバ100aまたは100bから端末30または40に送信される。
例示的な一実施形態では、ユーザ/プレゼンティティ290が電話装置10a上で端末30との電話通信セッションに参加している場合、電話装置10a内のPUA250aは、プレゼンティティ290が電話装置10a上で電話通信セッションに関与していることを示す、プレゼンスサーバ200へのプレゼンス情報220を生成する。次いで、このプレゼンス情報220は、プレゼンスサーバ200によって、電話装置10b内のウォッチャ260bに提供される。その後、プレゼンティティ290が電話装置10b上で電話通信セッションに参加することを求める要求が端末40から受信される場合、電話装置10b内のPUA250bは、この要求が受信されたことを示す、プレゼンスサーバ200への更新済みプレゼンス情報220を生成する。プレゼンスサーバ200は次いで、この更新済みプレゼンス情報220を電話装置10a内のウォッチャ260aに提供する。上記と同様に、ウォッチャ260aは、拡張型ウィスパ機能を動作可能にする際に使用するために、この更新済みプレゼンス情報220を電話装置10a内のプロセッサ320aに提供することができる。
さらに、電話装置10b内のウォッチャ260bが、プレゼンティティが電話装置10a上で別の電話通信セッションに関与している間に電話装置10b上で要求が受信されたことを示す更新済みプレゼンス情報220を受信するとき、ウォッチャ260bは、この更新済みプレゼンス情報220を電話装置10b内のプロセッサ320bに提供する。電話装置10b内のプロセッサ320bは、電話装置10b上で着呼が受信されていることをユーザに警告する間、呼出しモードセレクタ310bを無音呼出しモード(振動など)に切り換えることができる。
図5は、本発明の実施形態による、ユーザが異なる電話通信セッションに同時に参加することを可能にする拡張型ウィスパ機能を提供するための例示的なプロセス500を示すフローチャートである。ブロック505で、ユーザは、第1の電話通信セッションに参加する。ブロック510で、ユーザは、第2の電話通信セッションへの参加を求める要求を受信する。ブロック515および520で、ユーザが第2の電話通信セッションに応答せず、または拡張型ウィスパ機能をアクティブ化していない場合、通常の呼処理が第2の電話通信セッションに適用される。
しかし、ブロック515でユーザが第2の電話通信セッションに応答し、またブロック520で拡張型ウィスパ機能がアクティブ化されている場合、ブロック530および535でユーザの可聴入力は、第1の電話通信セッションから分離され、第2の電話通信セッションに供給される。ブロック540で第1の電話通信セッションまたは第2の電話通信セッションが終了する場合、ブロック545でユーザの可聴入力は、終了されない電話通信セッションに供給される。たとえば、ユーザの可聴入力が第1の電話通信セッションから現在分離されており、第2の電話通信セッションが終了する場合、ユーザの可聴入力は、第1の電話通信セッションに再び供給される。
第1および第2の通信セッションが同時に発生している間にブロック550でウィスパ切換え信号が受信される場合、ブロック555で、ユーザの可聴入力が通信セッション間で切り換えられる。たとえば、ウィスパ切換え信号が受信されるときにユーザの可聴入力が第1の電話通信セッションから現在分離されている場合、ユーザの可聴入力は第1の電話通信セッションに再び供給され、ユーザの可聴入力は第2の電話通信セッションから分離される。
図6は、本発明の実施形態による、ユーザが異なる電話通信セッションに同時に参加することを可能にするプレゼンス拡張型ウィスパ機能を提供するための例示的なプロセス600を示すフローチャートである。ブロック605で、ユーザ/プレゼンティティは、第1の電話通信セッションに参加する。ブロック610で、プレゼンティティのプレゼンス情報が、第1の電話通信セッションを反映するように更新される。ブロック615でユーザ/プレゼンティティが第2の通信セッションに参加する場合、ブロック620で、プレゼンティティのプレゼンス情報が、第2の通信セッションを反映するように再び更新される。ブロック625でユーザ/プレゼンティティが拡張型ウィスパ機能をアクティブ化していない場合、通常の呼処理が第2の電話通信セッションに適用される。
しかし、ブロック625でユーザ/プレゼンティティが拡張型ウィスパ機能をアクティブ化している場合、ブロック635および640でユーザの可聴入力は、第1の電話通信セッションから分離され、第2の電話通信セッションに供給される。ブロック645で、第1の電話通信セッションまたは第2の電話通信セッションが終了する場合、ブロック650でプレゼンティティのプレゼンス情報が、終了を反映するように再び更新され、ブロック655で、ユーザの可聴入力は、終了されない電話通信セッションに供給される。第1と第2の電話通信セッションが同時に発生する間にブロック660でウィスパ切換え信号が受信される場合、ブロック665でプレゼンティティのプレゼンス情報が再び更新され、ブロック670で、ユーザの可聴入力が通信セッション間で切り換えられる。
当業者によって認識されるように、本出願に記載される革新的な概念は、広範囲の適用例に渡って修正され、変更され得る。したがって、この特許主題の範囲は、論じた例示的な特定の教示のいずれにも限定されるべきではなく、特許請求の範囲によって定められる。
本発明の実施形態による、拡張型ウィスパ機能を提供するための例示的な電話システムを示す図である。 本発明の実施形態による、コールサーバ上でマルチテレフォニ拡張型ウィスパ機能を提供するための例示的な電話システムを示す図である。 本発明の実施形態による、複数のコールサーバ上でマルチテレフォニ拡張型ウィスパ機能を提供するための別の例示的な電話システムを示すブロック図である。 本発明の実施形態による、ユーザ電話装置上でマルチテレフォニ拡張型ウィスパ機能を提供するための別の例示的な電話システムを示すブロック図である。 本発明の実施形態による、ユーザが異なる電話通信セッションに同時に参加することを可能にする拡張型ウィスパ機能を提供するための例示的なプロセスを示すフローチャートである。 本発明の実施形態による、ユーザが異なる電話通信セッションに同時に参加することを可能にするプレゼンス拡張型ウィスパ機能を提供するための例示的なプロセスを示すフローチャートである。
符号の説明
5、5a、5b 電話システム
10、10a、10b ユーザ電話装置
20、20a、20b ウィスパボタン
30、40 端末
50、50a、50b、60、70 インターフェース
52、52a、52b 信号回線
54、54a、54b、62、72 送信回線
56、56a、56b、64、74 受信回線
100、100a、100b コールサーバ
110、110a、110b コールプロセッサ
120、135、138、139、145、148、149、155、158、175 回線
130、140 コールハンドラ
150、230、240 スイッチ
160 選択スイッチ
170 和回路
200 プレゼンスサーバ
205 プレゼンスシステム
210 プレゼンスエージェント
220 プレゼンス情報
225 嗜好情報
250、250a、250b プレゼンスユーザエージェント(PUA)
260、260a、260b ウォッチャ
270 カレンダー/スケジューラアプリケーション
280 他のソース
290 プレゼンティティ
310a、310b 呼出しモードセレクタ
320a、320b プロセッサ
410a、410b ミュートスイッチ
500、600 プロセス

Claims (10)

  1. ユーザとの異なる同時の電話通信セッションを確立するように動作可能な少なくとも1つのコールサーバ(100)を有する拡張型ウィスパ機能を提供するための電話システムであって、
    少なくとも1つのスイッチ(150)が、電話通信セッションのそれぞれからの可聴出力をユーザに提供しながら、ユーザの可聴入力を電話通信セッションのうちの選択された1つのセッションから分離することによってウィスパ機能を動作可能にし、
    前記少なくとも1つのスイッチ(150)が、ユーザが電話通信セッション間で選択することを可能にすることを特徴とする、電話システム。
  2. 前記少なくとも1つのコールサーバ(100)が電話通信セッションをユーザに関連するユーザ電話装置(10)に接続するように動作し、前記少なくとも1つのコールサーバ(100)がさらに、電話通信セッションの両方の可聴出力をユーザ電話装置(10)に集中させるように動作することができる、請求項1に記載の電話システム。
  3. 前記少なくとも1つのコールサーバ(100)が前記少なくとも1つのスイッチ(150)を含み、電話通信セッションのそれぞれを管理するために前記少なくとも1つのスイッチ(150)と通信している各々のコールハンドラ(130および140)をさらに含み、前記少なくとも1つのコールサーバ(100)が、ユーザの可聴入力を電話通信セッションのうちの選択された1つのセッションから分離するためにウィスパ機能を動作可能にし、前記少なくとも1つのスイッチ(150)にウィスパ制御信号(120)を供給するように動作可能なプロセッサ(110)をさらに含む、請求項1に記載の電話システム。
  4. 前記プロセッサ(110)がさらに、前記少なくとも1つのスイッチ(150)の切換えを制御するためにユーザからウィスパ切換え信号を受信するように動作することができる、請求項3に記載の電話システム。
  5. 前記少なくとも1つのサーバ(100)が、電話通信セッションのそれぞれについて各々のコールサーバ(100aおよび100b)を含み、前記各々のコールサーバ(100aおよび100b)のそれぞれが、前記少なくとも1つのスイッチ(230および240)のそれぞれ1つを含む、請求項3に記載の電話システム。
  6. ユーザが第1の電話通信セッションに現在参加していることを示すプレゼンス情報(220)を維持するプレゼンスサーバ(200)をさらに備え、前記プレゼンスサーバ(200)が、ユーザが第2の電話通信セッションに参加することを求める要求を受信して、要求に基づいて前記プレゼンス情報(220)を更新し、ウィスパ機能を動作可能にするためユーザのウォッチャ(260)に前記更新済みプレゼンス情報(220)を提供するよう動作することができる、請求項1に記載の電話システム。
  7. 前記少なくとも1つのコールサーバ(100)が、前記更新済みプレゼンス情報(220)を受信するユーザのウォッチャ(260)であり、前記少なくとも1つのコールサーバ(100)が前記少なくとも1つのスイッチ(230および240)を含む、請求項6に記載の電話システム。
  8. 第1の電話通信セッションおよび第2の電話通信セッションのうちの少なくとも1つに参加するユーザに関連するユーザ電話装置(10)をさらに備え、
    前記ユーザ電話装置(10)が、前記更新済みプレゼンス情報(220)を受信するユーザのウォッチャ(260)であり、前記ユーザ装置(10)が前記少なくとも1つのスイッチ(410)を含む、請求項6に記載の電話システム。
  9. 第1の電話通信セッションおよび第2の電話通信セッションのそれぞれについてユーザに関連する各々のユーザ電話装置(10aおよび10b)をさらに備え、第2の電話通信セッションの前記ユーザ電話装置(10b)が、ユーザが第2の電話通信セッションに参加することを求める要求を受信するとアクティブ化される無音呼出しモード(310b)を含む、請求項6に記載の電話システム。
  10. ユーザが異なるアクティブ電話通信セッションに同時に参加することを可能にするウィスパ機能を提供するための方法であって、
    ユーザが第1の電話通信セッションに能動的に参加していると判断するステップ(505)と、
    ユーザが第2の電話通信セッションに能動的に参加することを求める要求を受信するステップと(510)、
    ユーザの可聴入力を第1の電話通信セッションから分離するステップ(530)と、
    ユーザの可聴入力を第2の電話通信セッションに供給するステップ(535)と、
    第1の電話通信セッションおよび第2の電話通信セッションのそれぞれからの可聴出力をユーザに供給するステップとを特徴とする、方法。
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