JP2007142306A - 液滴生成装置 - Google Patents

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閲夫 藤原
Hiroaki Nishimura
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Abstract

【課題】高い周期で液滴を連続的に生成することができる装置を提供する。
【解決手段】オリフィス22に連通するピストン室21に液体を圧送しつつ、ピストン室21内においてピストン23を、狭い間隔を隔てて対向するオリフィス22に向けて往復運動させる。これにより、オリフィス22を経てノズル出口25から射出される液体は、ピストン23の往復運動と同じ周期で振動する脈流となり、当初連続的な液体の流れは、所定の距離だけ走った後、個々の液滴に分離する。この装置では、液体が圧送されているため、生成された液滴の速度が速くなり、それにより高い周期(周波数が数kHz〜100kHz)で液滴を生成することができる。この装置で周期的に生成される液滴ターゲットにパルスレーザ光を照射することにより、極端紫外光をほぼ連続的に生成することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、液滴を所定の周期で生成する装置に関する。また、本発明は、所定の周期で放出される液滴ターゲットに、その周期に同期したパルスレーザ光を照射することにより極端紫外光を発生させる装置に関する。
半導体集積回路は通常、リソグラフィー技術を用いて製造される。リソグラフィーの最小加工寸法は照射する光の波長に依存し、回路の集積度を上げるには照射光の波長を短くすることが必要となる。具体的には、現在は波長が数百nmの光を用いて行われているが、今後は波長が数nm〜数十nmの極端紫外領域の光を用いたリソグラフィーを実用化することが目標とされている。
極端紫外光を生成する光源として、レーザプラズマ方式が検討されている。これは、ターゲットにレーザ光を照射してターゲットをプラズマ化し、そのプラズマから放射される極端紫外光を利用するものである。リソグラフィーではシリコンウエハ1枚の露光に対して約1秒間に亘って極端紫外光を照射する必要があるため、連続的に発光することが望ましい。しかし、極端紫外光を生成するためのレーザ光は通常、強い出力が必要であるため、パルス状のものが用いられる。しかし、できるだけ連続発光に近い極端紫外光を得るため、パルスレーザ光には数kHz〜100kHzという高い繰り返し周波数のものが用いられる。
ターゲットには固体、液体及び気体のものがある。このうち液体ターゲットは、液滴の状態でパルスレーザ光の周期に同期して供給することにより必要な量だけ無駄なく使用することができる、という利点を有する。しかし、上記のように連続発光に近い極端紫外光を発生するためには、液滴状のターゲットを高速で連続的に生成する装置が必要となる。
液滴を作製する方法の1つにインクジェット法がある。図1に、インクジェット法を用いた液滴生成装置の例を示す。ノズル11は、オリフィス12と液体の流入口13を有する。流入口13は液体を貯留するタンク15に接続されている。また、ノズル11にピエゾ素子14が設けられている。ピエゾ素子14に交流又はパルスの電圧を印加することにより、ピエゾ素子14はこの電圧と同じ周期でノズル11を押圧する。これにより液体は押圧時にオリフィス12から射出され、押圧と同じ周期で繰り返し液滴が生成される。
しかし、図1の装置では、ピエゾ素子14による押圧だけではオリフィス12から射出するための力を十分に液滴に加えることができず、射出速度を十分に速くすることができなかった。液滴の射出速度が遅いと、繰り返し生成される液滴同士の距離が短くなり、ついには液滴同士が分離できなくなる。そのため、インクジェット法では、液滴の生成周期を短くすることに限界があり、せいぜい数百Hz程度までしか周波数を高くすることができず、極端紫外光源において用いられる数kHz〜100kHzの繰り返し周波数を有するパルスレーザ光に液滴の射出を同期させることはできない。
また、極端紫外光は空気等の気体に吸収されないように、オリフィス12は真空中に配置されるが、この場合、ピエゾ素子14への印加電圧を下げて液体を引く時(復動時)に液体の圧力が低下して液中に気泡が発生(突沸)し、ノズル内の液体を押圧する時の妨げとなる、という問題もある。
一方、特許文献1及び2には、液体をノズルに圧送する構成を有する液滴生成装置が記載されている。図2にその例を示す。ノズル16はノズル出口161と液体の流入口162を有し、流入口162はタンク18に接続されている。タンク18内にアルゴン(Ar)等の不活性ガスから成る圧送ガスを圧入することにより、タンク18から流入口162に向けて液体を圧送することができる。また、ノズル16の側面にはピエゾ素子17が設けられている。ピエゾ素子17に交流又はパルスの電圧を印加することにより、ノズルを所定の周期で長さ方向に振動させることができる。
この装置では、液体を圧送することにより、液滴の射出速度を速くすることができ、液滴の生成周期を短くすることができると共に、気泡の発生を防ぐことができる。
また、この装置では、ノズルを長さ方向に振動させて脈流を与えることにより液滴を生成している。しかし、液体に直接ピエゾ素子からの振動が伝わるわけではなく、ノズルのわずかな振動だけでは確実に安定して液滴を形成することが難しい。
特開2004-006365号公報([0011]〜[0013], [0018], 図1〜3) 特開2004-031342号公報([0012]〜[0014], 図1〜2)
本発明が解決しようとする課題は、液滴を数kHz〜100kHzの周波数で周期的かつ確実に安定して生成することができる液滴生成装置を提供することにある。併せて、この液滴生成装置を用いた極端紫外光生成装置を提供する。
上記課題を解決するために成された、液滴を所定の周期で生成するための液滴生成装置は、
a)ピストン室と、
b)前記ピストン室に液体を圧送する送液部と、
c)前記ピストン室から外部に液体を送出するオリフィスと、
d)前記ピストン室内において前記オリフィスに向けて所定の周期で往復運動するピストンと、
を備えることを特徴とする。
本発明に係る極端紫外光生成装置は、
a)真空室と、
b)ピストン室と、
c)前記ピストン室に液体ターゲットを圧送する送液部と、
d)前記ピストン室から前記真空室に液体ターゲットを送出するオリフィスと、
e)前記ピストン室内において前記オリフィスに向けて所定の周期で往復運動するピストンと、
f)前記オリフィスから前記周期で真空室内に放出される液体ターゲットの液滴に、該周期に同期してパルスレーザ光を照射する光源と、
を備えることを特徴とする。
本発明に係る液滴生成装置及び極端紫外光生成装置において、前記ピストンは前記オリフィスを閉鎖する位置まで移動可能であることが望ましい。
発明の実施の形態及び効果
(1)液滴生成装置
本発明に係る液滴生成装置は、外部へ液体を射出するオリフィスをピストン室に有する。オリフィスの径は、生成される液滴が所望の径になるように、予備実験により定める。多くの場合、液滴の径はオリフィスの径の2倍程度になるため、まず液滴の径の1/2程度の径を有するオリフィスを用いて予備実験を行い、その結果に応じてオリフィスの径を調整するとよい。
ピストン室の内部に、オリフィスに向けて往復運動するピストンを設ける。往復運動の周期は、液滴の生成周期と一致させる。ピストンは、ピエゾ素子を用いると数kHz〜100kHzの高周波数でも容易に駆動させることができる。
ピストン室には、液体を圧送する送液部を接続する。これにより、送液部から圧送される液体はピストン室を通ってオリフィスから射出される。圧送の圧力は、オリフィスでの圧力損失を考慮して液滴を生成するに必要な値としなければならないが、その値は液体の組成、粘性、温度等により異なる。実用的には、各液体について予備実験により定めるのが最も簡単である。
この液滴生成装置の作用を説明する。液滴を生成する際には、送液部からピストン室に液体を圧送しつつ、液滴の生成周期と同じ周期でピストンを往復運動させる。
オリフィスから射出される液体には常に圧送による圧力が加えられているが、更に、ピストンの往復運動による圧力がそれに付加される。ピストンにより付加される圧力は、ピストンをオリフィス側に押す時(往動時)には圧送の圧力よりも増加し、ピストンをオリフィス側から引く時(復動時)には圧送の圧力よりも減少する。加えて、オリフィスとピストンの先端との間の隙間の大きさも同じ周期で変化するため、オリフィスを通った粘性のある液体の流れに振動が与えられ、脈流が形成される。ピストンは往復運動中にはオリフィスを閉塞する位置までは移動しないため、液体はオリフィスを通って外部に連続的に射出されるが、このような圧力の変動及び脈流は連続的に射出される液体の内部に存在し、外部に射出された連続液体柱内で流体不安定性(レーリーテーラー不安定性)のために徐々に液体柱を液滴に引き離すように作用する。そして、液体が外部に射出されて或る程度走行した後に、液体柱は液滴に分離してゆく。液滴はもちろん、ピストンの往復運動の周期で生成される。
本発明の液滴生成装置では、ピストンにより液体に対して直接、射出方向に圧力の変化を与えると共にオリフィスとピストン先端との隙間の拡狭により液体が脈流になるから、液滴を確実に形成することが可能になる。これにより、本発明の液滴生成装置では、数kHz〜100kHzという高い周波数で液滴を生成することができると共に、真空中に生成する場合にも気泡の発生を防いで確実に安定して液滴を生成することができる。
更に、ピエゾ素子に印加する交流電圧に加えて直流バイアス電圧を重畳し、その直流バイアス電圧の増減によってオリフィスとピストン先端との隙間を微調整できる。これにより、隙間での圧力損失を利用して射出速度を微調整する事ができる。
本発明の液滴生成装置において、オリフィスから直接ピストン室の外部に液体を射出させてもよいが、オリフィスからピストン室外部に液体を導出するノズルを設け、ノズルの先端(出口)からピストン室外部に液体を射出させてもよい。これにより、射出した液滴の位置や方向が安定する。
また、本発明の液滴生成装置において、前記ピストンが前記オリフィスを閉鎖する位置まで移動可能とすることが望ましい。これにより、液滴の生成の開始及び終了を、ピストンの動作のみにより制御することができる。
(2)極端紫外光生成装置
本発明に係る極端紫外光生成装置は、上記液滴生成装置、真空室及びパルスレーザ光を発振する光源を備える。
液滴生成装置は、液体が真空室内に射出されるように配置する。そのためには、オリフィスから直接ピストン室の外部に液体を射出させる場合にはオリフィスを真空室内に配置し、前述のノズルを設けた場合にはノズルの出口を真空室内に配置すればよい。それ以外の部分は真空室外に配置してもよい。
光源には、極端紫外光を発生させるのに必要な大きいピーク出力及び平均出力を得るために、高繰り返しパルスを発振するYAGレーザや炭酸ガスレーザを用いることができる。パルスレーザ光源は、真空室内に射出される液滴を照射するように配置し、レーザ光パルスの発生と液滴の生成は同期させる。
この極端紫外光生成装置は、液滴生成装置から液滴ターゲットを真空室内に周期的に射出し、それと同期してその液滴に対してパルスレーザ光を照射することにより、極端紫外光を得るものである。パルスレーザ光の繰り返し周波数は液滴の生成周期と同じであってもよいし、液滴生成周期の整数分の1であってもよい。
この極端紫外光生成装置では、前述の液滴生成装置を用いて真空中で極端紫外光を発光させるため、液滴ターゲットを真空中に安定して放射することができると共に、数kHz〜100kHzという高い周波数で液滴ターゲットを生成することができ、それにより連続発光に近い極端紫外光を得ることができる。
この極端紫外光生成装置においても、オリフィスを閉鎖する位置まで移動可能なピストンを用いることが望ましい。
極端紫外光は、前述の通りリソグラフィーによるウエハへの回路の形成に用いることが検討されている。極端紫外光を用いたリソグラフィーでは、加工対象のウエハを交換する間は、真空室内の真空度の劣化を防ぐと共に汚れ(デブリ)の発生を抑えるために、極端紫外光の生成を停止させることが望ましい。そのために、ウエハを交換する間は、ピストンをオリフィス閉鎖位置まで移動させることにより液滴の発生を停止させることが望ましい。
リソグラフィーに用いることが検討されている極端紫外光は13nm前後の波長を有するものであり、そのような波長の極端紫外光を生成することができるターゲットには、スズ(Sn)、リチウム(Li)、キセノン(Xe)がある。常温では、Sn及びLiは固体でありXeは気体であるため、そのままでは本発明の極端紫外光生成装置で用いることはできない。そこで、常温で固体であるSn等のターゲットを用いる場合には、ターゲット原料を加熱して液化する加熱装置を送液部に設ける。また、液化したターゲットが冷却されて固化することを防ぐために、ピストン室やオリフィスを含む液体の流路全体を融点以上の温度に加熱することが望ましい。なお、送液部で液化されてから液滴が形成するまでの間に液体の温度が融点以下にならないように送液部で十分に高温まで加熱する場合には、流路を加熱する必要はない。一方、常温で気体であるXe等のターゲットを用いる場合には、ターゲット原料を冷却して液化する冷却装置を送液部に設ける。この場合、液体の流路全体を沸点以下の温度に冷却することが望ましい。
(1)液滴生成装置
本発明の液滴生成装置の実施例を、図3〜図8を用いて説明する。
図3は本実施例の液滴生成装置20の概略構成図である。ピストン室21は下面にオリフィス22が形成され、内部にピストン23が配置されている。オリフィス22には導出ノズル24が接続される。ピストン23にはピエゾ素子26が接続される。ピエゾ素子26は交流電圧が印加されることによりその電圧の周波数と同じ周波数で振動し、それによりピストン23を往復運動させる。
ピストン室21には更に、外部から液体を流入させる流入口27が設けられ、その流入口27に流路管を介してタンク28が接続される。タンク28は本発明における送液部に該当し、その内部には液滴の材料となる液体が貯留されている。タンク28内にアルゴン(Ar)等の不活性ガスから成る圧送ガスを圧入することにより、タンク28から流入口27に向けて液体を圧送することができる。
液滴生成装置20の動作を説明する。タンク28内に圧送ガスを所定の圧力で導入することにより、タンク28から流入口27に向けて液滴の材料となる液体を圧送する。これにより、液体はオリフィス22から、導出ノズル24を通過して、導出ノズル24の出口25から外部に射出される。それと共に、ピエゾ素子26に交流電圧を印加することにより、ピストン23を往復運動させる。これにより、流入口27からピストン室21を経てオリフィス22に向かう液体に、ピストン23の往復運動による圧力の変化が、その往復運動と同じ周期で加えられる。それと共に、この往復運動により、オリフィス22とピストン23の先端の間の距離が変化するため、オリフィス22に流入する液体の流量もピストン23の往復運動と同じ周期で変化する。このように流量の変化はあるものの、この往復運動の間、オリフィス22はピストン23により閉鎖されることはないため、ノズル出口25から射出される液体は、当初は連続的な液柱となっている。しかし、その内部にはピストン23の往復運動による圧力変動が内在しており、射出後所定の時間が経過した後、この圧力変動により、連続的な液柱は圧力変動と同じ周期で個々の液滴に分離される。
前述の通り、液滴を生成する間は、往復運動をするピストン23の先端は、最も押し込まれた時(図4(a))においてもオリフィス22を閉鎖しないように設定される。一方、液滴の生成を休止させる時には、ピストン23の先端をオリフィス22まで移動させ、オリフィス22を閉鎖する(図4(b))。すなわち、本発明に係る液滴生成装置20では、ピストン23の動作のみにより液滴の生成を休止させることができる。ピストン23の先端をオリフィス22まで移動させる方法には、往復運動時の交流電圧の最大値よりも大きい直流電圧をピエゾ素子26に印加する方法、ピエゾ素子26とは別に設けた駆動装置を用いる方法、等がある。
本願発明者は、ノズル出口25の径が150μmであるノズルAと、270μmであるノズルBのいずれかを取り付けた液滴生成装置20を用いて真空中に水滴(水のみから成る液滴)を生成する実験を行った。この実験において、ピストン23のストローク(往復距離)は2μmとし、ピストン23が往復運動中にピストン室21の最も奥まで移動した時のオリフィス22とピストン23の先端の間の距離は20μmとした。また、水の圧送の圧力は0.30MPaとした。これらの条件の下で、ピストン23の往復運動の周期を変えながら実験を行った。
その結果、ピストン23の往復運動の周波数が、ノズルAを用いた場合には6.5kHz〜17.0kHz、ノズルBを用いた場合には1.0kHz〜8.5kHzの範囲内にあるとき、液滴を形成することができた。
図5に、ノズルAを用いてノズル出口25から射出された水を撮影した写真を示す。(a)はノズル出口25を起点としてそこから24mm離れた位置まで撮影したもの、(b)はノズル出口25から20mm〜23mmの範囲を拡大したものである。写真中の明るい背景の中に黒く見えるものが水である。この実験時のピストン23の往復運動の周波数は7kHz、水の圧送の圧力は0.2MPaである。ノズル出口25から約8mmの位置までは水流は連続的に形成されているが、約8mm〜11mmの範囲では水流に周期的なくびれが見られる。そして、ノズル出口25から約11mm以上の範囲では水流が分裂して液滴が形成された。液滴の生成周波数は、ピストン23の往復運動の周波数と同じ7kHzであった。また、ノズル出口25から20mmの位置における液滴の速度は15m/secであった。
水がノズル出口25から流出した直後の水流の径をd、水流が分裂して液滴が形成された直後の液滴同士の間隔をλとする。上述の実験において液滴を形成することができた時のd及びλを測定し、パラメータλ/dを計算したところ、ノズルAでは3.7〜9.8、ノズルBでは4.7〜7.4となった。従来の液滴生成装置においては、液滴を生成するためには2.98<(λ/d)<(8〜10)の条件を満たす必要がある、とされている(吉田、永井:日本機械学会論文集(B編)46巻401号『振動による均一粒径液滴群の生成に関する研究』)。本実施例でもそれと同様の範囲において液滴が生成されているため、本発明の液滴生成装置を使用する際にはこの条件が指針となると考えられる。
次に、周波数を12kHzとし、水の圧送の圧力を0.05MPa〜0.3MPaの間で変化させて、水流が分裂して液滴が生成された直後の液滴の速度及び液滴間の距離を測定した。その結果を図6に示す。圧力を増加させることにより液滴の速度及び液滴間の距離λを増加させることができる。従って、この圧力を制御することにより、上述の液滴の生成条件を満たすように(λ/d)を調整することができる。
図7に、本実施例の変形例である液滴生成装置20’の概略構成図を示す。この装置は、ヒータにより内部を加熱することが可能な高温槽31内に液滴生成装置20を収納したものである。但し、ピエゾ素子26は、高温に耐えられないものが多いため、高温槽31の外に配置している。なお、ピエゾ素子26は、高温槽31内に配置して、別途設けた冷却装置により冷却してもよい。
この液滴生成装置20’では、常温では固体である原料32を高温槽31により加熱することで融解させ、得られた液体をピストン室21に圧送する。
図8に、本実施例の他の変形例である液滴生成装置20’’の概略構成図を示す。この装置は、気体から成る原料を液化する冷却装置33を液体導入管34に接続し、液体導入管34を流入口27に接続したものである。
この液滴生成装置20’’では、原料となる気体を冷却装置33により冷却して液化し、その液体を原料気体の圧力でピストン室21に圧送する。それ以外の動作は液滴生成装置20と同様である。
ここまでに述べた液滴生成装置20、20’、20’’ではいずれも、オリフィス22に導出ノズル24を接続したものを示したが、図9に示すように、オリフィス22’から直接外部に液体を射出するようにしてもよい。
(2)極端紫外光生成装置
次に、本発明の極端紫外光生成装置の実施例を図10及び図11を用いて説明する。
まず、常温で固体であるSn又はLiをターゲットとする極端紫外光の生成装置40について、図10を用いて説明する。極端紫外光生成装置40では、前述の液滴生成装置20’のうちノズル出口25を含む導出ノズル24の一部を真空室41内に設け、それ以外の部分を真空室41の外に設ける。液滴生成装置20’のタンク28内には固体のSnを収容し、それを加熱して液化したものをピストン室21に圧送する。圧送はArガス等の不活性ガスにより行う。ここで述べた点以外については、液滴生成装置20’は前述の通りの構成を有する。
真空室41の壁面に窓43を設け、窓43からノズル出口25の延長線上の所定の位置にパルスレーザ光を導くように、真空室41の外に光源42を設ける。そして、予め液滴生成装置20’から液滴を生成する実験を行い、レーザ光照射位置が、液体Sn又はLiの流れが分離して液滴が形成される位置よりもノズル出口25から見て遠方になるように定める。パルスレーザ光の繰り返し周波数は数kHz〜100kHzとし、この周波数とピエゾ素子26に印加される交流電圧を同期させる。ピエゾ素子26に印加される交流電圧の周波数、即ち液滴の発生周波数は、パルスレーザ光の周波数と同じである必要はなく、パルスレーザ光の周波数の整数倍であればよい。
この極端紫外光生成装置40の動作を説明する。高温槽31内を270℃に加熱し、タンク28内の固体のSnを融解させる。タンク28内をArガスにより0.3MPaだけ加圧することにより、融解した液体Snがピストン室21に圧送される。なお、Snの融点は常圧で約232℃であるが、数MPaの加圧下でも、Snの融点はほとんど変わらない。
ピストン室21に圧送された液体Snは、ピストン23の動作により、前述のようにノズル出口25から射出された後に液滴44となる。液滴44はピストン23の往復運動の周期、即ちピエゾ素子26に印加される交流電圧の周期と同じ周期で生成される。
光源42は、ピエゾ素子26に印加される交流電圧の周期に同期して、パルスレーザ光45を発光する。交流電圧とパルスレーザ光45の時間差を調整することにより、液滴44にレーザ光のパルスを照射することができる。これにより、液滴44を構成するSnから波長13.5nmの極端紫外光が得られる。
本実施例において、液滴生成装置20’は数kHz〜100kHzという高周波数で液滴44を生成することができるため、それと同期して光源42からパルスレーザ光を発光させて液滴44に照射することにより、連続発光に近い特性を持つ極端紫外光を得ることができる。
次に、常温で気体であるXeをターゲットとする極端紫外光生成装置40’について、図11を用いて説明する。この装置40’では、液滴生成装置20’’のうちノズル出口25を含む導出ノズル24の一部を真空室41内に設け、それ以外の部分を真空室41の外に設ける。ここで述べた点以外は、前述の液滴生成装置20’と同様の構成を有する。
この極端紫外光生成装置40’においては、Xeガスを冷却装置33によりXeの液化温度(Xeガスの圧力に依存する)に冷却して液化し、Xeガスの圧力により液体Xeをピストン室21に圧送する。その後の動作は極端紫外光生成装置40と同様である。即ち、前述のように、ピストン23の動作により、ノズル出口25から射出された液体Xeから液滴44’を形成し、液滴44’にパルスレーザ光45を照射することにより、波長13.5nmの極端紫外光が得られる。
従来の液滴生成装置(インクジェット法を用いたもの)の概略構成図。 従来の加圧型液滴生成装置の概略構成図。 本発明の液滴生成装置の一実施例を示す概略構成図。 (a)ピストンの往復運動時及び(b)液滴の生成を休止させる時のピストン23の位置を示す縦断面図。 本実施例の液滴生成装置により生成された水滴の写真(a)及びその一部を拡大した写真(b)。 水の圧送の圧力と液滴の速度(a)及びこの圧力と液滴間の距離(b)の関係を示すグラフ。 本発明の液滴生成装置の他の実施例である、固体を液化させて液滴を生成する装置の例を示す概略構成図。 本発明の液滴生成装置の他の実施例である、気体を液化させて液滴を生成する装置の例を示す概略構成図。 オリフィスから直接外部に液体を射出するように構成した液滴生成装置の例を示す概略構成図。 本発明の一実施例である、スズの液滴ターゲットを用いる極端紫外光生成装置を示す概略構成図。 本発明の一実施例である、キセノンの液滴ターゲットを用いる極端紫外光生成装置を示す概略構成図。
符号の説明
11、16…ノズル
12…オリフィス
13、162、27…流入口
14、17、26…ピエゾ素子
15、18、28…タンク
161…ノズル出口
17…ピエゾ素子
18…タンク
20、20’、20’’…液滴生成装置
21…ピストン室
22…オリフィス
23…ピストン
24…導出ノズル
25…導出ノズルの出口
31…高温槽
32…固体原料
33…冷却装置
34…液体導入管
40、40’…極端紫外光生成装置
41…真空室
42…パルスレーザ光源
43…窓
44、44’…液滴
45…パルスレーザ光

Claims (11)

  1. a)ピストン室と、
    b)前記ピストン室に液体を圧送する送液部と、
    c)前記ピストン室から外部に液体を送出するオリフィスと、
    d)前記ピストン室内において前記オリフィスに向けて所定の周期で往復運動するピストンと、
    を備えることを特徴とする、液滴を前記周期で生成するための液滴生成装置。
  2. 更に、前記オリフィスからピストン室外部に液体を導出するノズルを備えることを特徴とする請求項1に記載の液滴生成装置。
  3. 前記ピストンが前記オリフィスを閉鎖する位置まで移動可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の液滴生成装置。
  4. 前記ピストンがピエゾ素子により駆動されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液滴生成装置。
  5. a)真空室と、
    b)ピストン室と、
    c)前記ピストン室に液体ターゲットを圧送する送液部と、
    d)前記ピストン室から前記真空室に液体ターゲットを送出するオリフィスと、
    e)前記ピストン室内において前記オリフィスに向けて所定の周期で往復運動するピストンと、
    f)前記オリフィスから前記周期で真空室内に放出される液体ターゲットの液滴に、該周期に同期してパルスレーザ光を照射する光源と、
    を備えることを特徴とする極端紫外光生成装置。
  6. 更に、前記オリフィスから前記真空室に液体を導出するノズルを備えることを特徴とする請求項5に記載の極端紫外光生成装置。
  7. 前記ピストンが前記オリフィスを閉鎖する位置まで移動可能であることを特徴とする請求項5又は6に記載の極端紫外光生成装置。
  8. 前記ピストンがピエゾ素子により駆動されることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の極端紫外光生成装置。
  9. 前記送液部が固体ターゲット原料を加熱して液化する加熱装置を有することを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の極端紫外光生成装置。
  10. 前記送液部が気体ターゲット原料を冷却して液化する冷却装置を有することを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の極端紫外光生成装置。
  11. 前記液体ターゲットが、液化されたSn、Li又はXeから成ることを特徴とする請求項5〜10のいずれかに記載の極端紫外光生成装置。
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