JP2007141404A - 光ディスク装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】データ記録中に記録レーザパワーを増減調整する。
【解決手段】光ピックアップ10のフォトディテクタ17a〜17dのうち、光ディスクの内周側信号と外周側信号の差分を差分器16で演算してプッシュプル信号を生成しCPU26に供給する。また、レーザ光をトラック中心に位置決め制御するためのサーボプロセッサ28からのトラッキング駆動信号もCPU26に供給する。プッシュプル信号には、注目トラックの隣接トラックからのクロストーク成分が重畳されており、既記録ピットの形成度合いに応じてクロストーク量が変化する。CPU26は、両信号に基づいて既記録ピットの形成度合いを評価し、評価結果に応じて記録レーザパワーを増減調整する。
【選択図】図2

Description

本発明は光ディスク装置、特にデータ記録中の記録レーザパワーの調整に関する。
従来より、光ディスクにデータを記録するための記録レーザパワーの調整方法として、OPC(Optimum Power Control)及びROPC(Running OPC) が知られている。OPCは、データ記録に先立って、光ディスクのテストエリアに種々の記録レーザパワーでテストデータを記録し、該テストデータを再生してβ値やγ値、変調度その他の再生信号品質を検出し、所望の再生信号品質が得られる記録レーザパワーを最適レーザパワーとして選択してデータ記録時の記録レーザパワーに設定するものである。また、ROPCは、光ディスクの面内感度は一様ではなくOPCにより設定した記録レーザパワーでは光ディスクに対して均一な品質でデータを記録することが困難であることに鑑み、記録レーザパワーでデータを記録している最中の光ディスクからの反射光量に基づき、記録レーザパワーを増減調整するものである。通常、ROPCで用いられる反射光量は光ディスクにピットが形成された直後の反射光量が安定したタイミングにおける光量(いわゆるレベルB)が用いられる。ピット形成により反射光量が低下する光ディスクの場合、記録レーザパワーが不足してピットの形成が浅いとレベルBの値は目標値よりも大きくなり、逆に、記録レーザパワーが過剰でピットの形成が深すぎるとレベルBの値は目標値よりも小さくなる。したがって、レベルBの値に応じて記録レーザパワーを増減調整することで、ピットの形成サイズを最適化し、記録品質を担保できる。
しかし、ROPCにより記録レーザパワーを調整する処理は比較的複雑であり、レベルBの取得が不安定になり易い問題がある。また、レベルBの値に応じて記録レーザパワーを調整するためのフィードバック制御も微調整が要求される。さらに、データを記録すべき光ディスクが相変化タイプ(アモルファス状態と結晶状態間の遷移を利用するタイプ)である場合、レーザスポット通過後の冷却を経てピットが形成されるため、記録中の反射光量からピット形成の度合いを推定することができないため、ROPCを実行しない、あるいはデータ記録を一時的に中断し、直前の記録品質をチェックし、このチェック結果に基づいて記録レーザパワーを調整する方法を採用せざるを得ず、記録パフォーマンスの低下を招く問題がある。
下記の特許文献1には、光ピックアップから照射されるレーザ光の強度調整の高精度化を図るために、サブビームの光ディスクの記録が行われていない未記録部分からの反射光の強度を検出するとともに、光ディスクの記録が行われた既記録部分からの反射光の強度を検出し、未記録部分及び既記録部分からの反射光の強度比を算出して、この強度比が所定の範囲内に収まるようにメインビームの出力を調整することが記載されている。
特開2002−230766号公報
上記の従来技術では、レベルBの値を用いていないため記録レーザパワーの調整が容易化されるものの、メインビームを中心に点対称に配置される先行サブビームと後行サブビームが必須となるため、汎用性に欠ける問題がある。
さらに、未記録部と既記録部との強度比が純粋にピットの形成度合いに起因した物理量である保証はなく、光ピックアップのレンズシフトが生じていると強度比も影響を受けることとなり、記録レーザパワーの誤調整が実行されるおそれもある。
本発明の目的は、サブビームを不要としてメインビームのみでデータ記録中の記録レーザパワーを簡易に調整できる装置を提供することにある。
本発明は、光ディスクに対するデータ記録中に前記光ディスクからの戻り光に基づき記録レーザパワーを増減調整する光ディスク装置であって、前記光ディスクのトラック中心に記録レーザ光を位置決め制御するトラッキング制御手段と、前記記録レーザ光の前記光ディスクからの反射光を受光する、少なくとも前記光ディスクの内周側と外周側に2分割されて内周側の第1信号及び外周側の第2信号を出力する受光手段と、前記第1信号と前記第2信号の差分量を演算する演算手段と、前記差分量に応じて前記記録レーザパワーを増減するパワー調整手段とを有することを特徴とする。
また、本発明は、光ディスクに対するデータ記録中に前記光ディスクからの戻り光に基づき記録レーザパワーを増減調整する光ディスク装置であって、光ディスクに記録レーザパワーのレーザ光を照射する光源と、前記光源を光ディスクのトラック方向に駆動するドライバと、前記光ディスクからの戻り光に基づき、前記光ディスクのデータを記録すべき注目トラックの中心に記録レーザ光が位置するように前記ドライバにトラッキング駆動信号を供給してフィードバック制御するトラッキングサーボと、前記光ディスクからの戻り光を受光する4分割フォトディテクタと、前記4分割フォトディテクタからの内周側出力信号と外周側出力信号との差分を演算することでプッシュプル信号を生成する生成回路と、前記プッシュプル信号及び前記トラッキング駆動信号に応じて前記記録レーザパワーを増減するプロセッサとを有することを特徴とする。
本発明によれば、記録レーザ光をトラック中心に位置決め制御した状態での内周側の反射光信号と外周側の反射光信号との差分信号、いわゆるプッシュプル信号によりピット形成度合いを評価して記録レーザパワーを増減調整するので、サブビームを不要としてメインビームのみでデータ記録中に記録レーザパワーを増減調整できる。また、相変化タイプの光ディスクにおいてもピット形成直後ではなく既にピット形成が完了したトラック(隣接トラック)の情報を用いるので、確実にピット形成度合いを評価できる。本発明によれば、いわゆるレベルBの値を用いることなく記録レーザパワーを増減調整できる。
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
図1に、本実施形態における記録レーザパワー調整の基本概念を示す。図1(A)は3つの隣接トラックTRn−1、TRn、TRn+1及び照射レーザ光100との位置関係を示す。照射レーザ光100は光ディスク装置のトラッキングサーボによりこれからデータを記録すべき注目トラックTRnの中心に対して位置決め制御されている。注目トラックTRnは未記録であり、内周側の隣接トラックTRn−1は一部が記録済みの領域があり、外周側の隣接トラックTRn+1にも一部が記録済みの領域があるとする。本実施形態では、このような状況において、レーザ光100の反射光をフォトディテクタで検出する際に、隣接トラックTRn−1からのクロストーク成分及び隣接トラックTRn+1からのクロストーク成分を利用して記録済み領域のピット形成度合いを評価する。
まず、図1の説明に際し、隣接トラックからのクロストークについて説明する。図7に示すように、注目トラックTRnに対し、内周側の隣接トラックTRn−1が全て記録済みであり、外周側の隣接トラックTRn+1が未記録であるとする。トラッキングサーボをかける場合、図8に示すようにレーザ光100の反射光を4分割フォトディテクタ17の4つのディテクタ17a、17b、17c、17dで受光し、これらのディテクタからの信号のうち、内周側の信号と外周側の信号の差分を演算し、この差分を解消するように制御する。すなわち、4分割フォトディテクタ17のうち、内周側のディテクタ17a、17dからのそれぞれの信号A、信号Dを加算し、外周側のディテクタ17b、17cからのそれぞれの信号B、Cを加算し、これらのプッシュプル信号={(信号A+信号D)−(信号B+信号C)}でトラッキングエラー信号を生成し、このトラッキングエラー信号に基づいて光ピックアップの対物レンズを半径方向に駆動する。
ところが、図8に示すように、信号A+信号Dには注目トラックTRnからの反射光102に加え、内周側の隣接トラックTRn−1からの反射光104がクロストーク成分として重畳することになる。また、信号B+信号Cには注目トラックTRnからの反射光102に加え、外周側の隣接トラックTRn+1からの反射光106がクロストーク成分として重畳することになる。隣接トラックTRn−1、TRn+1が共に未記録あるいは共に記録済みであればクロストーク成分は等しいためプッシュプル信号ではクロストーク成分は除去されるが、図7に示すようにいずれか一方が未記録、他方が記録済みである場合にはクロストーク成分が異なるためプッシュプル信号はオフセットすることになり、トラック外れ(デトラッキング)の原因ともなる。
一方、プッシュプル信号ではなく他の方法、例えば受光器を4分割フォトディテクタ17の2つの対角和信号の位相差がレーザ光のトラックはずれの方向と量に応じて変化することを利用する位相差法を用いてトラッキングエラー信号を生成してトラッキングサーボをかけ、レーザ光100を注目トラックTRnの中心に位置決め制御した場合、プッシュプル信号のオフセットはトラック外れに起因して生じたものではなく、隣接トラックTRn−1、TRnの記録状態が異なる、より正確にはいずれか一方が記録済みであることに起因して生じたものであり、プッシュプル信号のオフセット量は記録済みトラックのピット形成の度合いを示す物理量となる。
再び図1に戻り、図1(A)においてレーザ光100が注目トラックTRnの中央に位置決め制御されておりトラック外れがないものとする。内周側のディテクタからの信号である信号A+信号Dには隣接トラックTRn−1からのクロストーク成分が重畳され、隣接トラックTRn−1が記録済みである場合にはその分だけ信号A+信号Dのレベルが低下することになる(データ記録により反射率が低下するものとする)。従って、図1(B)に示すように、信号A+信号Dは隣接トラックTRn−1が記録済みの部分で相対的に低く、未記録の部分で相対的に高い信号波形となる。また、同様に、外周側のディテクタからの信号である信号B+信号Cには隣接トラックTRn+1からのクロストーク成分が重畳され、隣接トラックTRn+1が記録済みである場合にはその分だけ信号B+信号Cのレベルが低下することになる。従って、図1(C)に示すように、信号B+信号Cは隣接トラックTRn+1が記録済みの部分で相対的に低く、未記録の部分で相対的に高い信号波形となる。よって、信号A+信号Dと信号B+信号Cのプッシュプル信号である{(信号A+信号D)−(信号B+信号C)}は、図1(D)に示すように隣接トラックTRn−1、TRn+1のいずれか一方のみが記録済みの部分(CD−RやDVD−Rの場合には内周側から記録していくため、常に内周側の隣接トラックTRn−1が記録済みとなる)において基準レベルRefからのずれであるオフセット値PPbが生じることになり、このオフセット値PPbは記録済み部分のピット形成の度合いに応じて増減変動することになる。すなわち、記録レーザパワーが不足してピットの形成度合いが不足していると反射率があまり低下しないためオフセット値PPbは小さくなり、逆に記録レーザパワーが過剰でピットの形成度合いが過剰であると反射率が大きく低下してオフセット値PPbは大きくなる。
本実施形態では、このようにレーザ光100が注目トラックTRに位置決めされている場合に、プッシュプル信号のオフセット値がピット形成の度合いに応じて変動することを利用し、オフセット値の大小に応じてデータ記録中の記録レーザパワーを増減調整するものであり、オフセット値PPbが基準値に対して小さい場合には記録レーザパワーを増大調整し、オフセット値PPbが基準値に対して大きい場合には記録レーザパワーを減少調整する。なお、CD−RWやDVD−RW等の相変化タイプの場合でも、隣接トラックではある程度冷却が終了してピットが既に形成されているので、記録レーザパワーを調整することが可能である。
図2に、本実施形態における光ディスク装置の要部構成を示す。なお、全体構成は周知の光ディスク装置と同様であるためその説明は省略する。
図2において、光ピックアップ10は光ディスクに対向配置され、レーザ光を照射するレーザダイオードLD(図示せず)、光ディスクからの反射光を受光する4分割フォトディテクタ17及び対物レンズを光ディスクの半径方向に駆動してトラッキング制御するアクチュエータ32を有する。LDはレーザダイオードドライバLDD34により制御され、LDD34はCPU26からの指令に基づきLDに供給する駆動電流を調整してレーザパワーを調整する。
また、光ピックアップ10は例えば位相差法等でトラッキングエラー信号TEを生成するトラッキングエラー信号生成部36を有する。生成されたトラッキングエラー信号TEはサーボプロセッサ28に供給される。サーボプロセッサ28は、トラッキングエラー信号TEに基づき、駆動信号をアクチュエータ32に供給することで対物レンズをフィードバック制御する。サーボプロセッサ28は、トラッキング駆動信号をアナログデジタル変換器(A/D)30を介してCPU26にも供給する。
一方、光ピックアップ10の4分割フォトディテクタ17の4つのディテクタ17a〜17dからの信号A〜信号Dのうち、内周側の信号A及び信号Dは加算器12で加算され、ローパスフィルタ14で高周波ノイズが除去された後に差分器16に供給される。また、外周側の信号B及び信号Cは加算器18で加算され、ローパスフィルタ20で高周波ノイズが除去された後に差分器16に供給される。差分器16は2つの信号の差分を演算し、プッシュプル信号を生成する。プッシュプル信号には、図1(D)で示したように基準レベルRefからのずれであるオフセット値PPbが含まれる。プッシュプル信号はローパスフィルタ22で高周波ノイズが除去された後、アナログデジタル変換器(A/D)24を介してCPU26に供給される。
CPU26は、プッシュプル信号とトラッキング駆動信号とを入力し、両信号に基づいてピットの形成度合いを評価する。そして、評価結果に基づいてLDD34に指令し、記録レーザパワーを増減調整する。トラッキング駆動信号を考慮するのは、プッシュプル信号に含まれるオフセット値PPbに影響を与えるレンズシフト量がトラッキング駆動信号で評価できるからである。
図3に、プッシュプル(PP)信号とトラッキング駆動(TD)信号の波形を示す。プッシュプル信号は、ピットの形成度合いの他、偏芯及びレンズシフトにより変動する。偏芯成分は1回転に1回の正弦波形状であり、ディスク1回転当たりのA/Dサンプリング回数を増大して平均化することで無視することが可能である。図において、偏芯成分120は平均化により得られる平均化PP信号130及び平均化TD信号140から除去されていることを示す。一方、レンズシフト分はトラッキング駆動信号から評価することが可能である。すなわち、レンズシフト分が大きくなるとトラッキング駆動信号もそれに比例して増大することになる。したがって、オフセット値PPbの大小に応じて記録レーザパワーを調整する際に、トラッキング駆動信号もプッシュプル信号と同時にサンプルホールドして両者を比較照合することにより、そのときのレンズシフト分を知ることができ、レンズシフトによらないピット形成度合いによるPPbの値を正確に評価することができる。
以下、記録レーザパワーの調整処理を具体的に説明する。
図4に、平均化されて偏芯成分が除去されたプッシュプル信号である平均化PP信号130と、平均化されたトラッキング駆動信号である平均化TD信号140の波形を示す。平均化PP信号130の基準レベルからのずれはオフセット値PPbであり、これはピット形成度合いとレンズシフト分の影響を受けて変動する。一方、平均化TD信号140の基準レベルからのずれはレンズシフト分の影響を受ける。いま、2つの時刻t1、t2において平均化PP信号130と平均化TD信号140を同時にサンプリングし、時刻t1において平均化PP信号のレベルPPb1、平均化TD信号のレベルLslv1を取得し、時刻t2において平均化PP信号130のレベルPPb2、平均化TD信号のレベルLslv2を取得する。これらのデータの組(PPb1,Lslv1)、(PPb2,Lslv2)から、PPbとLslvとの関係式
PPb=A*Lslv+B
を算出する。ここに、A,Bは係数である。2つの時刻t1、t2においてサンプリングすることは、光ディスクの2つの異なる位置あるいはアドレスにおいてサンプリングすることと等価である。
次に、データ記録中の任意の時刻t3、すなわちデータ記録中の任意の位置あるいはアドレスにおいて平均化PP信号のレベルPPb3、平均化TD信号のレベルLslv3を取得する。このとき、既に時刻t1及び時刻t2における値に基づいてPPbとLslvとの間の関係は算出されているので、この時刻t3において本来得られるであろうPPb3(基準値)がLslv3から得られる。すなわち、
PPb3(基準値)=A*Lslv3+B
である。このPPb3(基準値)は、時刻t1及び時刻t2でのピット形成度合いと同様のピット形成度合いでデータを記録した場合の値であり、時刻t3において実際に得られた値であるPPb3との相違は、時刻t3でのピット形成度合いの変化を示す。そこで、PPb3とPPb3(基準値)との相違に応じて記録レーザパワーを増減調整する。
図5に、記録レーザパワー調整時の処理を示す。時刻t3におけるLslv3から得られるPPb3(基準値)に対し、実際に得られたPPb3がほぼ等しい場合にはピットが適正な度合いで形成されていることを意味するから記録レーザパワーは現状のパワーを維持する。この調整を行うのは、平均化PP信号130の場合である。一方、PPb3(基準値)に対し、実際に得られたPPb3が小さい場合にはピットの形成度合いが過剰であることを意味するから記録レーザパワーを所定量、所定割合、あるいはPPb3とPPb3(基準値)との差分量に応じた量だけ低下させる。この調整を行うのは、平均化PP信号132の場合である。また、PPb3(基準値)に対し、実際に得られたPPb3が大きい場合にはピットの形成度合いが不足していることを意味するから記録レーザパワーを所定量、所定割合、あるいはPPb3とPPb3(基準値)との差分量に応じた量だけ増大させる。この調整を行うのは、平均化PP信号134の場合である。
なお、各時刻t1,t2、t3でのPPb及びLslvの値は偏芯成分を除去するためにディスク1回転の平均化信号から取得する必要があるから、実際には例えば時刻t1においてディスク1回転する間に十分短い周期で複数のPPb及びLslvを取得し、これらを平均化して時刻t1における値とする。
また、時刻t1、t2においてそれぞれ取得するPPb1,PPb2は、ピット形成度合いが適当であることが保証されている必要があるので、例えば光ディスクのテストエリアあるいは記録開始初期の内周部であって、OPCにより得られた最適記録レーザパワーで記録した部分で実行することが好適である。
さらに、データ記録中の任意の時刻において取得したPPb3と算出したPPb3(基準値)との大小関係に応じて記録レーザパワーを増減する際に、光ディスクのタイプ(データ記録により反射率が低下するか増大するか)に応じて増減の方向を逆にすることは云うまでもない。
図6に、本実施形態の全体処理フローチャートを示す。まず、データを記録すべき光ディスクが光ディスク装置に装着されると(S101)、CPU26は光ディスクのリードインエリアに予め記録されているディスクの種別情報を取得し、データ記録により反射率が低下するタイプであるか増大するタイプであるかを判別する(S102)。判別結果はCPU26のワーキングメモリに格納する。次に、光ディスクのテストエリアにおいてOPCを実行し、最適記録レーザパワーを設定する(S103)。具体的には、記録レーザパワーを複数段に変化させながらテストデータを記録し、記録したテストデータを再生してβ値やγ値、変調度、エラーレート等の再生信号品質を測定する。そして、再生信号品質が所望の値となる記録レーザパワーを最適記録レーザパワーに設定する。OPCを実行して最適記録レーザパワーを設定した後、この最適記録レーザパワーにて光ディスクのデータエリアにデータを記録し始める(S104)。データの記録開始時には、制御モードが学習モードに設定されるため、ROPC制御は働かない。つまり、記録開始当初は、最適記録レーザパワーにてデータの記録を行いながらCPU26がPPbとLslvを取得し、取得した値を用いてPPbとLslvとの関係式を算出する(S105)。PPb及びLslvを取得する際のA/D24及びA/D30のサンプリング周期は数μ秒〜数m秒程度でよいが、上記のとおり、偏芯成分を除去するために光ディスク1回転あたり最低2回はサンプリングする必要がある。ある時刻t1において光ディスク1回転分のサンプル数を取得し、これらを平均して時刻t1におけるPPb1、lSlv1を得る。さらに、次の時刻t2において光ディスク1回転分のサンプル数を取得し、これらを平均して時刻t2におけるPPb2、Lslv2を得る。以下、同様にして複数の時刻においてPPbとLslvを取得し、これらの組を用いてPPbとLslvの関係式を算出する。2つの時刻で取得したデータの組を用いる場合には上記のとおり1次関数としてPPbとLslvとの関係を算出するが、2次関数あるいはそれ以上の高次関数として算出してもよい。PPbとLslvとの関係は関数式ではなく、マップとして規定してもよい。関係式の一例は上記のとおり、
PPb=A*Lslv+B
であり、一般的にはPPb=f(Lslv)と表現し得る。
PPbとLslvとの関係式を算出した後、データ記録を続行し、記録レーザパワーの調整タイミングであるか否か、例えばデータの記録開始時から所定時間が経過したか否かを判定する(S106)。調整タイミングでない場合には現在の記録レーザパワーをそのまま維持する。調整タイミングである場合、制御モードをROPCモードに切り替えて、CPU26は光ディスク1回転分のPPbとLslvのサンプル数を取得し、これらを平均してPPbm及びLslvmを取得する(S107)。そして、S105で算出した関係式PPb=f(Lslv)とS107で取得したLslvmとを用いてPPbm(基準値)を算出する(S108)。この基準値は、ピット形成度合いが適当であるときに得られるであろうPPbmの予想値である。そこで、算出したPPbm(基準値)とS107で実際に取得したPPbmとを比較し、その大小に応じて記録レーザパワーを増減調整する(S109)。具体的には、光ディスクがデータ記録により反射率が低下するタイプである場合、PPbm>PPbm(基準値)であれば現在の記録レーザパワーに対して所定量ΔPだけ増大させ、PPbm=PPbm(基準値)であれば現在の記録レーザパワーをそのまま維持し、PPbm<PPbm(基準値)であれば現在の記録レーザパワーに対して所定量ΔPだけ減少させる。ΔPは固定値ではなく、
ΔP=|(PPbm−PPbm(基準値))*Pk|
の如く、PPbmとPPbm(基準値)との差分量に応じた可変値としてもよい。係数Pkは、光ディスクの種類や記録速度に応じて予め設定しておく。
以上のようにしてデータ記録中に記録レーザパワーを調整し、データ記録終了まで繰り返し実行する(S110)。記録終了時(記録中断時を含む)には、その光ディスクに対してS105で算出した関係式や直前の記録レーザパワーをCPU26のメモリに格納しておき、次に同一の光ディスクに対してデータを記録する場合に備えることもできる。
CD−RやDVD−R等のR系媒体では内周側から順次データを記録していくため、注目トラックTRnに対して内周側の隣接トラックTRn−1は記録済み、外周側の隣接トラックTRn+1は未記録であることが保証されており、このためPPbを用いてピット形成度合いを評価することが可能であるが、CD−RWやDVD−RW等の書き換え可能媒体では以下のように処理すればよい。
初期記録の場合、すなわち未記録状態の光ディスクに最初にデータを記録する場合、R系と同様にPPbからピット形成度合いを評価して記録レーザパワーを増減調整することができる。
ダイレクトオーバライトの場合、既に光ディスクの全面が記録済みであれば、同様にPPbからピット形成度合いを評価して記録レーザパワーを増減調整することができる。全面の記録済み状態から新たにデータを記録する場合は、全面が未記録状態と等価だからである。但し、全面の記録済み状態は、その記録状態が均一であることが必要である。新たにデータを記録するときのクロストーク分と、既にデータが記録されているときのクロストーク分の差分を利用するものだからである。
一方、ダイレクトオーバライトの場合に、外周側の隣接トラックTRn+1が未記録の場合と記録済みの場合とが存在し得る。記録開始時にTRn+1が記録済みであった場合、記録開始時に取得した関係式はTRn+1が記録済みである間は有効であるが、TRn+1が未記録の領域では有効でなくなる。また、同様に、記録開始時にTRn+1が未記録であった場合、記録開始時に取得した関係式はTRn+1が未記録である場合は有効であるが、TRn+1が記録済みの領域では有効でなくなる。
そこで、RW系の光ディスクでは以下のように処理を変更すればよい。
まず、テストエリアにおいてOPCを実行し、最適記録レーザパワーを設定する。その後、テストエリアにおいて未記録領域を例えば100トラック程度確保する。テストエリアに空きがなければ、テストデータを消去してエリアを確保する。そして、確保した空き領域に最適記録レーザパワーでテストデータを記録し、TRn+1が未記録である場合の関係式(第1の関係式)を取得する。また、記録開始時にTRn+1が記録済みである場合の関係式(第2の関係式)を取得する。
次に、データ記録開始時前に記録済み領域と未記録領域のアドレスを取得してメモリに格納しておき、データ記録時に、記録すべきアドレスとメモリに格納されたアドレスとを照合し、アドレスに応じてTRn+1が記録済みの場合の関係式とTRn+1が未記録の場合の関係式とを切り替えて記録レーザパワーを増減調整する。データを記録すべきアドレスがTRn+1の記録済みアドレスに相当する場合には第2の関係式を用い、TRn+1の未記録アドレスに相当する場合には第1の関係式を用いて記録レーザパワーを増減する。記録済み領域と未記録領域のアドレスを取得するには、光ディスクの所定エリアに記録状態を示すテーブル等が存在する場合には当該テーブルを参照すればよく、テーブルが存在しない場合には光ディスクの全位置をスキャンして記録済みか未記録かを判別すればよい。
実施形態の処理説明図である。 実施形態の構成ブロック図である。 実施形態のプッシュプル(PP)信号とトラッキング駆動(TD)信号の波形説明図である。 実施形態の平均化PP信号と平均化TD信号の波形説明図である。 データ記録中の記録レーザパワー増減調整を示す説明図である。 実施形態の処理フローチャートである。 光ディスクのトラックとレーザ光との位置関係を示す図である。 4分割フォトディテクタに入射する反射光及びクロストーク光を示す図である。
符号の説明
10 光ピックアップ、16 差分器、17 4分割フォトディテクタ、26 CPU、28 サーボプロセッサ、100 レーザ光。

Claims (7)

  1. 光ディスクに対するデータ記録中に前記光ディスクからの戻り光に基づき記録レーザパワーを増減調整する光ディスク装置であって、
    前記光ディスクのトラック中心に記録レーザ光を位置決め制御するトラッキング制御手段と、
    前記記録レーザ光の前記光ディスクからの反射光を受光する、少なくとも前記光ディスクの内周側と外周側に2分割されて内周側の第1信号及び外周側の第2信号を出力する受光手段と、
    前記第1信号と前記第2信号の差分量を演算する演算手段と、
    前記差分量に応じて前記記録レーザパワーを増減するパワー調整手段と、
    を有することを特徴とする光ディスク装置。
  2. 請求項1記載の装置において、
    前記パワー調整手段は、前記差分量と前記トラッキング制御手段によるトラッキング制御量とに応じて前記記録レーザパワーを増減することを特徴とする光ディスク装置。
  3. 請求項2記載の装置において、さらに、
    複数の位置における前記差分量と前記トラッキング制御量とに基づき前記差分量と前記トラッキング制御量との関係を算出する第2演算手段と、
    を有し、前記パワー調整手段は、データ記録中の任意の位置において得られる前記トラッキング制御量から前記関係を用いて基準差分量を算出し、前記任意の位置において得られる差分量と前記基準差分量とに基づき記録レーザパワーを増減することを特徴とする光ディスク装置。
  4. 請求項2記載の装置において、
    前記差分量及び前記トラッキング制御量は、それぞれ光ディスク1回転当たりの平均値であることを特徴とする光ディスク装置。
  5. 請求項2記載の装置において、さらに、
    データを記録すべき注目トラックの外周側隣接トラックが未記録状態において複数の位置における前記差分量と前記トラッキング制御量とに基づき前記差分量と前記トラッキング制御量との第1の関係を算出し、かつ、前記外周側隣接トラックが記録済み状態において複数の位置における前記差分量と前記トラッキング制御量とに基づき前記差分量と前記トラッキング制御量との第2の関係を算出する第2演算手段と、
    を有し、前記パワー調整手段は、データ記録中の任意の位置において得られる前記トラッキング制御量から前記第1の関係あるいは前記第2の関係のいずれかを用いて前記基準差分量を算出し、前記任意の位置において得られる差分量と前記基準差分量とに基づき前記記録レーザパワーを増減することを特徴とする光ディスク装置。
  6. 請求項5記載の装置において、さらに、
    前記外周側隣接トラックが未記録状態である位置及び記録済み状態である位置を記憶する記憶手段と、
    を有し、前記パワー調整手段は、前記任意の位置と前記記憶手段に記憶されている位置とに基づいて前記第1の関係と前記第2の関係とを切り替えて用いることを特徴とする光ディスク装置。
  7. 光ディスクに対するデータ記録中に前記光ディスクからの戻り光に基づき記録レーザパワーを増減調整する光ディスク装置であって、
    光ディスクに記録レーザパワーのレーザ光を照射する光源と、
    前記光源を光ディスクのトラック方向に駆動するドライバと、
    前記光ディスクからの戻り光に基づき、前記光ディスクのデータを記録すべき注目トラックの中心に記録レーザ光が位置するように前記ドライバにトラッキング駆動信号を供給してフィードバック制御するトラッキングサーボと、
    前記光ディスクからの戻り光を受光する4分割フォトディテクタと、
    前記4分割フォトディテクタからの内周側出力信号と外周側出力信号との差分を演算することでプッシュプル信号を生成する生成回路と、
    前記プッシュプル信号及び前記トラッキング駆動信号に応じて前記記録レーザパワーを増減するプロセッサと、
    を有することを特徴とする光ディスク装置。
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