JP2007140264A - 電子写真用トナーの製造方法、電子写真用トナー、電子写真用現像剤、画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

電子写真用トナーの製造方法、電子写真用トナー、電子写真用現像剤、画像形成方法及び画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2007140264A
JP2007140264A JP2005335749A JP2005335749A JP2007140264A JP 2007140264 A JP2007140264 A JP 2007140264A JP 2005335749 A JP2005335749 A JP 2005335749A JP 2005335749 A JP2005335749 A JP 2005335749A JP 2007140264 A JP2007140264 A JP 2007140264A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
dispersant
image
electrophotographic
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005335749A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4777750B2 (ja
Inventor
Kazuyuki Yazaki
和之 矢崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2005335749A priority Critical patent/JP4777750B2/ja
Publication of JP2007140264A publication Critical patent/JP2007140264A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4777750B2 publication Critical patent/JP4777750B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】トナー内部の離型剤や着色剤の分散状態を変えることなく粒径が調整でき、所望の粒度分布を得ることができるトナーの製造方法を提供すること。
【解決手段】少なくとも樹脂、着色剤及び離型剤を有機溶剤、または有機分散剤に溶解または分散した溶解液および/または分散液と、水に難溶の固体微粒子分散剤を含有する水系媒体とを連続的に乳化機に送液して乳化分散し、トナーのサイズまで凝集させる前および/または後に、有機溶剤または有機分散剤を除去して粒子を取り出すトナーの製造方法であって、前記水系媒体の送液途中で分散剤を添加して配管内で混合することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真方式の画像形成装置に使用される電子写真用トナーの製造方法、電子写真用トナー、電子写真用現像剤、画像形成方法及び画像形成装置に関する。
近年、電子写真方式を用いた情報処理システムで使用される機器の発展には目覚ましいものがある。特に、情報をデジタル信号に変換して光によって情報記録を行うレーザープリンタやデジタル複写機のプリント品質や信頼性の向上が著しい。さらに、それらは高速化技術との融合によりフルカラー印刷が可能なレーザープリンタあるいはデジタル複写機へと応用されてきている。
そのような背景から、要求される感光体の機能としては、高品位、高画質の画像を形成させることが重要な課題となっており、トナーもまた、そのような画像を得るために粒子径をさらに小さくする改良が行われている。
しかしながら、通常の混練、粉砕法によるトナーの製造方法ではその粒子形状が不定形であり、機械内部では現像部内でのキャリアとの攪拌や、一成分系現像剤として用いる場合は現像ローラとトナー供給ローラ、層厚規制ブレードや摩擦帯電ブレードなどとによる接触ストレスによりさらにトナーが粉砕され、極微粒子が発生したり、流動化剤がトナー表面に埋め込まれるために画像品質が低下するという現象が発生している。
またその形状ゆえに粉体としての流動性が悪く、多量の流動化剤を必要としたり、トナーボトル内への充填率が低く、コンパクト化への阻害要因となっている。そのため小粒径化したメリットが生かされていないのが現状である。さらに粉砕法では粒子径の限界が存在し、さらなる小粒径化には対応できない。また、フルカラー画像を作製するために、多色トナーより形成された画像の感光体から転写媒体や紙への転写プロセスも複雑になってきており、粉砕トナーのような不定形の形状による転写性の悪さから、転写された画像のぬけやそれを補うためトナー消費量が多いなどの問題が発生している。
従って、さらなる転写効率の向上によりトナーの消費量を減少させて画像のぬけの無い高品位の画像を得たい、ランニングコストを低減させたいという要求も高まっている。転写効率が非常に良ければ、感光体や転写媒体から未転写トナーを取り除くためのクリーニングユニットが必要なくなり、機器の小型化、低コスト化が図れ、廃棄トナーも無くなるというメリットも同時に有しているからである。
これらの問題点を解決する方法として懸濁重合法、乳化重合凝集法によるトナー製造法が検討されている。また、特許文献1には、ポリエステル樹脂及び着色剤を低沸点有機溶媒などの揮発性溶剤に分散、溶解させ、これを無機分散剤の存在する水系媒体中で乳化、液滴化した後に揮発性溶剤を除去するという、ポリマー溶解懸濁法と呼ばれる体積収縮を伴う工法が提案されている。この方法は懸濁重合法、乳化重合凝集法と異なり、使用することができる樹脂の汎用性が広く、特に透明性や定着後の画像部の平滑性が要求されるフルカラープロセスに有用なポリエステル樹脂を用いることができる点で優れている。
特許文献2には、上述した方法のバッチ式不具合を解消すべく、結着樹脂及び着色剤を溶媒中に溶解もしくは分散したトナー組成物混合液と、無機分散剤を含む水系媒体とを乳化機に連続的に供給する製造方法が提案されている。この方法は乳化機の通過回数により粒度分布を制御しようとするものであるが、トナー内部の離型剤や着色剤の分散状態が変わってしまい、求める品質がその都度変わってしまう等の不具合がある。
そこで、水相中の分散剤量により粒径を調整するということが考えられるが、界面活性剤を一度に水相中に投入してしまうと、その後の粒径調整が困難であるとともに、余計な原材料を使用しなければならず、時間と資源が無駄になる。
特開平7−152202号公報 特開2001−255695号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、トナーの構成成分を有機溶剤に溶解または分散した液と、水系媒体とを乳化機に連続的に供給するトナーの製造方法において、トナー内部の離型剤や着色剤の分散状態を変えることなく粒径が調整でき、所望の粒度分布を得ることができる電子写真用トナーの製造方法ならびに電子写真用トナーを使用した現像剤、画像形成方法、画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の電子写真用トナーの製造方法では、少なくとも樹脂、着色剤及び離型剤を有機溶剤に溶解または分散した溶解分散液と、水に難溶性の固体微粒子分散剤を含有する水系媒体(水相)とを連続的に乳化機に送液して乳化分散し、トナーサイズまで凝集させる前後に、有機溶剤を除去して粒子を取り出すトナーの製造方法であって、水相の送液途中で分散剤を添加し配管内で混合することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の電子写真用トナーの製造方法であって、分散剤の送液量を任意に変更することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の電子写真用トナーの製造方法であって、分散剤の送液量が推計媒体の送液量に対して1.0〜10.0%の範囲であることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、分散剤と水系媒体が配管内で混合されたときの固形分濃度は、4.0〜15.0%の範囲であることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の電子写真用トナーの製造方法により得られたトナーであって、トナーの体積平均粒径(Dv)が4.0μm〜8.0μmの範囲であり、かつ、トナーの体積平均粒径(Dv)/個数平均粒径(Dn)が1.05〜1.20の範囲であることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の電子写真用トナーを有することを特徴とする。
請求項7記載の発明は、外部より帯電部材に電圧を印加し、被帯電体に帯電を行なう帯電工程と、帯電している被帯電体に静電荷像を形成する工程と、静電荷像をトナーによって現像してトナー画像を形成する現像工程と、外部より転写部材に電圧を印加し、トナー画像を転写体上に転写する転写工程と、転写後の被帯電体表面をクリーニング部材でクリーニングするクリーニング工程と、トナー画像を加熱定着する定着工程を有する画像形成方法において、現像工程から定着工程では、請求項5記載の電子写真用トナーを用いることを特徴とする。
請求項8記載の発明は、感光体を帯電させるための帯電器と、原稿からの情報を読取り電子化した情報に基づいて帯電された感光体に光照射して電子化した情報を書き込んで静電潜像を形成する露光部と、静電潜像が形成された感光体にトナーにより現像する現像部と、現像を媒体に転写する転写部と、転写された現像を媒体に定着する定着部と、転写後の未転写部および汚れの付着した感光体をクリーニングするクリーニング部と、クリーニングによって収集したトナーを回収するリサイクル部とを有する画像形成装置であって、トナーは、請求項5記載の電子写真用トナーであることを特徴とする。
本発明によれば、水相の送液途中で分散剤を添加し配管内で混合することから、分散剤を一度に投入してしまうのでなく、任意の量添加することができるので、リアルタイムで粒径調整を行うことができ、所望の粒度分布を得ることができる。
以下、図面を参照して、本実施形態を詳細に説明する。
図1は本実施形態によるトナーの製造方法を用いて製造するための連続乳化装置の一例を示すものである。図1に記載の連続乳化装置は、樹脂、例えば未変性のポリエステル樹脂、着色剤及び離型剤を含有するトナー組成物を有機溶剤あるいは有機分散剤に溶解または分散した油相1と、イソシアネート結合を有するプレポリマーを含有する油相2と、水に難溶性の固体微粒子分散剤を含有する水系媒体(水相1)と、界面活性剤などの分散剤と、スタティックミキサーと、乳化機とを有し、図1に示すとおり、分散剤が水相の送液途中で添加され、スタティックミキサー内で混合された後、乳化機に送液される構成となっている。
本実施形態は上記のように分散剤を水相の送液途中で添加し、スタティックミキサー内で混合された後、乳化機に送液されることを特徴としている。すなわち、このような方法によれば、分散剤を一度に投入してしまうのでなく任意の量添加することができるので、その後の粒径調整を容易に行うことができるとともに余計な原材料を使用する必要がない。
水相の送液途中で添加する分散剤の量は、水相送液量に対する分散剤送液量として1.0%〜10.0%が好ましく、また、水相と混合したときの固形分濃度が4.0%〜15.0%が好ましい。このような分散剤送液量の比率で、水相と分散剤を混合したときの固形分濃度であれば、小粒径で粒径分布のシャープな、すなわち、体積平均粒径(Dv)が4.0μm〜8.0μm、体積平均粒径(Dv)/個数平均粒径(Dn)が1.05〜1.20のトナーが得られ、画像品質の高い画像を形成することができる。
次に本実施形態のトナーの製造方法で使用される材料について詳細に記載する。
まずトナーバインダーとしては、スチレンアクリル樹脂、ポリオール樹脂、ポリエステル樹脂など通常のトナー用に用いられる樹脂であればどのようなものでも適用可能であるが、特に定着性の観点からフルカラー画像の再現にはポリエステル樹脂が好適である。
(変性ポリエステル樹脂)
本実施形態に好適なポリエステル樹脂は変性ポリエステル樹脂であってもよい。変性ポリエステル樹脂とは、ポリエステル樹脂中に酸やアルコールなどのモノマーユニットに含まれる官能基と、エステル結合以外の結合基が存在したり、あるいはポリエステル樹脂中に構成の異なる樹脂成分が共有結合やイオン結合などで結合した樹脂をいう。
例えば、ポリエステル樹脂の末端をエステル結合以外のもので反応させた樹脂があげられる。具体的にはう末端に酸基や、水酸基と反応するイソシアネート基などの官能基を導入した上で、活性水素化合物とさらに反応させ末端を変性させたり伸長反応させた樹脂も含まれる。
さらに活性水素基が複数存在する化合物であればポリエステル末端同士を結合させた樹脂も含まれる(ウレア変性ポリエステル、ウレタン変性ポリエステルなど)。
また、ポリエステル主鎖中に二重結合などの反応性基を導入し、この導入部位でラジカル重合させ、側鎖に炭素−炭素結合のグラフト成分を導入したり、二重結合同士を橋かけしたものも含まれる(スチレン変性、アクリル変性ポリエステルなど)。
また、ポリエステルの主鎖中に構成の異なる樹脂成分を共重合させたり末端のカルボキシル基や水酸基と反応させた樹脂であってもよい。例えば末端がカルボキシル基、水酸基、エポキシ基、メルカプト基によって変性されたシリコーン樹脂と共重合させたものも含まれる(シリコーン変性ポリエステルなど)。
以下、変性ポリエステル樹脂について具体的に説明する。
(ウレア変性ポリエステル樹脂)
変性ポリエステル樹脂としてはウレア結合を有する変性されたポリエステル(i)が挙げられる。この変性されたポリエステル(i)としては、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との反応物などが挙げられる。イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)としては、ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の重縮合物でかつ活性水素基を有するポリエステルをさらにポリイソシアネート(3)と反応させた物などが挙げられる。上記ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基およびフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
ポリオール(1)としては、ジオール(1−1)および3価以上のポリオール(1−2)が挙げられ、(1−1)単独、または(1−1)と少量の(1−2)の混合物が好ましい。ジオール(1−1)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4-シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上のポリオール(1−2)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
ポリカルボン酸(2)としては、ジカルボン酸(2−1)および3価以上のポリカルボン酸(2−2)が挙げられ、(2−1)単独、および(2−1)と少量の(2−2)の混合物が好ましい。ジカルボン酸(2−1)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上のポリカルボン酸(2−2)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、ポリカルボン酸(2)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてポリオール(1)と反応させてもよい。
ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
ポリイソシアネート(3)としては、脂肪族ポリイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α',α'−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアヌレート類;ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
ポリイソシアネート(3)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、変性ポリエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。末端にイソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のポリイソシアネート(3)構成成分の含有量は、通常0.5〜40重量%、好ましくは1〜30重量%、さらに好ましくは2〜20重量%である。0.5重量%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40重量%を超えると低温定着性が悪化する。
イソシアネート基を有するプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有するイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
アミン類(B)としては、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。ジアミン(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4'ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4'−ジアミノ−3,3'ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上のポリアミン(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
さらに必要によりウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。伸長停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常、1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超えたり、1/2未満では、ウレア変性ポリエステル(i)の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。本発明においては、ウレア結合で変性されたポリエステル(i)中に、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常、100/0〜10/90であり、好ましくは、80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
本実施形態におけるウレア変性ポリエステル(i)は、ワンショット法、プレポリマー法により製造される。ウレア変性ポリエステル(i)の重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。1万未満では耐ホットオフセット性が悪化する。ウレア変性ポリエステルの数平均分子量は、後述の変性されていないポリエステル(ii)を用いる場合は特に限定されるものではなく、重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。(i)単独の場合は、数平均分子量は、通常20000以下、好ましくは1000〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。20000を超えると低温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。
(未変性ポリエステル樹脂)
本発明においては、ウレア結合で変性されたポリエステル(i)単独使用だけでなく、この(i)と共に、変性されていないポリエステル(ii)をトナーバインダー成分として含有させることもできる。(ii)を併用することで、低温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が向上し、単独使用より好ましい。(ii)としては、(i)のポリエステル成分と同様なポリオール(1)とポリカルボン酸(2)との重縮合物などが挙げられ、好ましいものも(i)と同様である。また、(ii)は無変性のポリエステルだけでなく、ウレア結合以外の化学結合で変性されているものでもよく、例えばウレタン結合で変性されていてもよい。(i)と(ii)は少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、(i)のポリエステル成分と(ii)は類似の組成が好ましい。(ii)を含有させる場合の(i)と(ii)の重量比は、通常5/95〜80/20、好ましくは5/95〜30/70、さらに好ましくは5/95〜25/75、特に好ましくは7/93〜20/80である。(i)の重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
(ii)のピーク分子量は、通常1000〜30000、好ましくは1500〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。1000未満では耐熱保存性が悪化し、10000を超えると低温定着性が悪化する。(ii)の水酸基価は5以上であることが好ましく、さらに好ましくは10〜120、特に好ましくは20〜80である。5未満では耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。(ii)の酸価は通常1〜30、好ましくは5〜20である。酸価を持たせることで負帯電性となりやすい傾向がある。
本実施形態において、トナーバインダーのガラス転移点(Tg)は通常50〜70℃、好ましくは55〜65℃である。50℃未満ではトナーの耐熱保存性が悪化し、70℃を超えると低温定着性が不十分となる。ウレア変性ポリエステル樹脂の共存により、本発明による乾式トナーにおいては、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。トナーバインダーの貯蔵弾性率としては、測定周波数20Hzにおいて10000dyne/cm2となる温度(TG')が、通常100℃以上、好ましくは110〜200℃である。100℃未満では耐ホットオフセット性が悪化する。トナーバインダーの粘性としては、測定周波数20Hzにおいて1000ポイズとなる温度(Tη)が、通常180℃以下、好ましくは90〜160℃である。180℃を超えると低温定着性が悪化する。すなわち、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立の観点から、TG'はTηより高いことが好ましい。言い換えるとTG'とTηの差(TG'−Tη)は0℃以上が好ましい。さらに好ましくは10℃以上であり、特に好ましくは20℃以上である。差の上限は特に限定されない。また、耐熱保存性と低温定着性の両立の観点から、TηとTgの差は0〜100℃が好ましい。さらに好ましくは10〜90℃であり、特に好ましくは20〜80℃である。
(着色剤)
本実施形態における着色剤としては公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
(マスターバッチ)
本実施形態で用いる着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。 マスターバッチの製造またはマスターバッチとともに混練されるバインダー樹脂としては、先にあげた変性、未変性ポリエステル樹脂の他にポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族叉は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
本実施形態におけるマスターバッチは、マスターバッチ用の樹脂と着色剤とを高せん断力をかけて混合、混練してマスターバッチを得る事ができる。この際着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を用いる事ができる。またいわゆるフラッシング法と呼ばれる着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合混練し、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する方法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いる事ができるため乾燥する必要がなく、好ましく用いられる。混合混練するには3本ロールミル等の高せん断分散装置が好ましく用いられる。
(離型剤)
また、トナーバインダーや着色剤と共にワックスなどの離型剤を含有させることもできる。ワックスとしては公知のものが使用でき、例えばポリオレフィンワッックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど);長鎖炭化水素(パラフィンワッックス、サゾールワックスなど);カルボニル基含有ワックスなどが挙げられる。これらのうち好ましいものは、カルボニル基含有ワックスである。カルボニル基含有ワックスとしては、ポリアルカン酸エステル(カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18-オクタデカンジオールジステアレートなど);ポリアルカノールエステル(トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなど);ポリアルカン酸アミド(エチレンジアミンジベヘニルアミドなど);ポリアルキルアミド(トリメリット酸トリステアリルアミドなど);およびジアルキルケトン(ジステアリルケトンなど)などが挙げられる。これらカルボニル基含有ワックスのうち好ましいものは、ポリアルカン酸エステルである。本発明のワックスの融点は、通常40〜160℃であり、好ましくは50〜120℃、さらに好ましくは60〜90℃である。融点が40℃未満のワックスは耐熱保存性に悪影響を与え、160℃を超えるワックスは低温での定着時にコールドオフセットを起こしやすい。また、ワックスの溶融粘度は、融点より20℃高い温度での測定値として、5〜1000cpsが好ましく、さらに好ましくは10〜100cpsである。1000cpsを超えるワックスは、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果に乏しい。トナー中のワックスの含有量は通常0〜40重量%であり、好ましくは3〜30重量%である。
(帯電制御剤)
必要に応じて帯電制御剤が含有されてもよい。帯電制御剤としては公知のものが全て使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンPー51、含金属アゾ染料のボントロンSー34、オキシナフトエ酸系金属錯体のEー82、サリチル酸系金属錯体のEー84、フェノール系縮合物のEー89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTPー302、TP一415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRAー901、ホウ素錯体であるLRー147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
本実施形態において帯電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を越える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。これらの帯電制御剤、離型剤はマスターバッチ、樹脂とともに溶融混練することもできるし、もちろん有機溶剤に溶解、分散する際に加えても良い。
(固体微粒子分散剤)
本実施形態のトナーの製造方法は、上述の樹脂、着色剤及び離型剤などを有機溶剤に溶解または分散した油相と、水系媒体(水相)とで乳化されるが、この水系媒体には固体の微粒子分散剤が分散される。
固体の微粒子分散剤は、水系媒体中で水に難溶の固体状で存在するものであり、平均粒径が0.01から1μmのものが好ましい。
無機物の微粒子分散剤としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
さらに好ましくはリン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、コロイド状酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイトなども用いる事が出来る。特に水中でリン酸ナトリウムと塩化カルシウムを塩基性下反応させて合成したヒドロキシアパタイトが好ましい。
有機物の固体微粒子分散剤としては低分子有機化合物の微結晶や高分子系微粒子、例えばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるメタクリル酸等のカルボキシル基を有するモノマーと、共重合されたポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
固体微粒子分散剤を水中で調整後、リン酸三カルシウム塩などの酸に溶解可能な無機物質はあらかじめ塩酸等を必要量加え、部分的に溶解しておく。酸の添加量は無機物質を完全に溶解できる量の0.01%から10%が好ましく、より好ましくは0.1%から5%である。
固体微粒子分散剤としてカルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸と共重合された高分子微粒子などのアルカリに溶解可能な物を用いた場合は、水酸化ナトリウム等の塩基を必要量加え、部分的に溶解しておく。アルカリの添加量は無機物質を完全に溶解できる量の0.01%から10%が好ましく、より好ましくは0.1%から5%である。
(分散剤)
上記のように水系媒体には固体微粒子分散剤を分散させておくが、固体微粒子の液滴への吸着性を調整し、粒度分布を制御するために分散剤を併用する。このような分散剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどの陰イオン界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
またフルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及びその金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−l29(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−l02(ダイキン工業社製)、メガファックF−ll0、F−l20、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、l03、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F−150(ネオス社製)などが挙げられる。
また、カチオン界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族一級、二級もしくは二級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6−C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−l21(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEFーl32(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
高分子系保護コロイドにより分散液滴の安定化を調節しても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ピニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの窒素原子、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフエニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
次にトナーの製造方法について説明する。
(水系媒体)
本実施形態のトナーの製造方法では水系媒体を用いる。用いる水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などが挙げられる。また、酢酸エチルなどのエステル系などの有機溶剤も水と併用して用いることができる。
(分散剤の添加)
前述したように、水系媒体には固体微粒子分散剤を分散するが、固体微粒子分散剤の液滴への吸着性を調整し、粒度分布を制御するために分散剤を併用する。
本発明ではこの分散剤を、水系媒体(水相)を乳化機へ送液する途中で投入し、スタティックミキサーによる配管内混合をする。
このとき投入する分散剤の量(分散剤送液量)は、粒度分布により加減するが、分散剤送液量が水系媒体の送液量の1.0〜10.0%が好ましい。分散剤送液量が1.0%未満であると、分散剤による固体微粒子の液滴吸着が不完全で、粗粉分が多くなり、粒度分布がブロードになってしまう。また10.0%より多くなると、固体微粒子の液滴吸着が活発になり過ぎ、微粉が多く発生し、これらがその後合着し粗粉へと変わっていくため、粒度分布がシャープにならない。また本発明では分散剤の流量を任意に変えることを特徴とし、ポンプにより制御するが、特に限定されるものではない。ただし脈流がないことが望ましい。
(トナー組成物の調製)
トナーバインダーは以下の方法などで製造することができる。ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧しながら生成する水を溜去して、水酸基を有するポリエステルを得る。次いで40〜140℃にて、これにポリイソシアネート(3)を反応させ、イソシアネート基を有するプレポリマー(A)を得る。さらに(A)にアミン類(B)を0〜140℃にて反応させ、ウレア結合で変性されたポリエステルを得る。(3)を反応させる際および(A)と(B)を反応させる際には、必要により溶剤を用いることもできる 。使用可能な溶剤としては、芳香族溶剤(トルエン、キシレンなど);ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど);エステル類(酢酸エチルなど);アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)およびエーテル類(テトラヒドロフランなど)などのイソシアネート(3)に対して不活性なものが挙げられる。ウレア結合で変性されていないポリエステル(ii)を併用する場合は、水酸基を有するポリエステルと同様な方法で(ii)を製造し、これを(i)の反応完了後の溶液に溶解し、混合する。
トナー組成物の油相の粘度を低くし、乳化可能とするために、変性ポリエステル(i)やプレポリマー(A)が可溶の揮発性溶剤を使用する。該溶剤は沸点が100℃未満の揮発性であることが除去が容易である点から好ましい。該溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。その他アルコール、水等の水性媒体に溶解可能な溶剤を併用することによりトナー形状をさらに調節したりすることもできる。トナー組成物100部に対する溶剤の使用量は、通常10〜900部である。
トナー組成物の分散としては、高速回転体とステータを有するホモジナイザー、高圧ホモジナイザーの他、ボールミル、ビーズミル、サンドミルといった分散するメディアを用いた分散機などが好ましいが、スケールアップした場合には混合機による攪拌でもよい。
(乳化)
乳化の方法としては特に限定されるものではないが、回転羽根を有するものが好ましい。乳化機、分散機として一般に市販されているものであれば使用することができる。例えば、ウルトラタラックス(IKA社製)、ポリトロン(キネマティカ社製)、TKオートホモミクサー(特殊機化工業(株)製)、エバラマイルダー(荏原製作所(株)製)、TKパイプラインホモミクサー、TKホモミックラインフロー(特殊機化工業(株)製)、コロイドミル(神鋼パンテック社製)、スラッシャー、トリゴナル湿式微粉砕機(三井三池化工機(株)製)、キャビトロン(ユーロテック社製)、ファインフローミル(太平洋機工(株)製)等の連続式乳化機、クレアミックス(エムテクニック社製) 、フィルミックス(特殊機化工業(株)製)等のバッチまたは連続両用乳化機等が挙げられる。
プレポリマー(A)は、あらかじめ他のトナー組成物(以下トナー原料という)である着色剤、着色剤マスターバッチ、離型剤、荷電制御剤、未変性ポリエステル樹脂などと混合したものと、乳化する直前でスタティックミキサーによる配管内混合することが好ましい。
分散剤を使用した場合には、該分散剤がトナー粒子表面に残存したままとすることもできるが、伸長および/または架橋反応後、残りの固体微粒子分散剤を溶解洗浄除去するほうがトナーの帯電面から好ましい。
伸長および/または架橋反応時間は、プレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)の組み合わせによる反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
(不要分除去)
得られた乳化分散体から有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に昇温し、液滴中の有機溶媒を完全に蒸発除去する方法を採用することができる。その際、減圧下で行なうことが、加熱温度を下げることができ好ましい。ワックスやその他トナー構成成分が有機溶剤に溶解するのを防止したり、乳化分散体の加熱による異常な凝集、会合、合一を防止するためである。この有機溶剤の除去工程は凝集工程の前に行なっても、凝集工程後に行なっても構わない。凝集工程の前に有機溶媒を除去すれば、凝集後の微粒子同士の融着、合一を促すことができる。
有機溶媒に溶解したものの別の処理法としては、乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧して、液滴中の非水溶性有機溶媒を完全に除去してトナー微粒子を形成し、合わせて水系分散剤を蒸発除去することも可能である。乳化分散体が噴霧される乾燥雰囲気としては、空気、窒素、炭酸ガス、燃焼ガス等を加熱した気体、特に使用される最高沸点溶媒の沸点以上の温度に加熱された各種気流が一般に用いられる。スプレイドライアー、ベルトドライアー、ロータリーキルンなどの短時間の処理で十分目的とする品質が得られる。
凝集方法としては、水中で微粒子が荷電を有して分散している場合は、電解質などを投じて電気二重層を圧縮することにより、粒子同士を凝集させたり、高分子量の水溶性ポリマーを粒子同士に吸着させ凝集させたり、用いている界面活性剤や分散剤と逆荷電の物質を投入することにより、微粒子の表面の電荷を中和させ凝集させたり、吸着している界面活性剤や分散剤の対イオンを変化させたり、水系媒体に他の物質を投入することにより水系媒体への界面活性剤や分散剤の溶解性を変化させて分散安定性を弱めて凝集させる方法などが採用される。
その際、先に述べたワックスのエマルジョンや、極性基を有する樹脂微粒子とともに凝集させ、製造されるトナーに定着時の離型性を持たせたり、摩擦帯電性を強化したり、ガラス転移点の高い樹脂微粒子を比較的トナーの外側に配置することにより、高温保存時のトナー同士のブロッキングを防止することができる。
用いられる凝集剤は、例えば、電解質としては、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、りん酸ナトリウム、りん酸二水素ナトリウム、りん酸水素二ナトリウム、塩化アンモニウム、塩化カルシウム、塩化コバルト、塩化ストロンチウム、塩化セシウム、塩化バリウム、塩化ニッケル、塩化マグネシウム、塩化ルビジウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸アンモニウム、酢酸カリウム、安息香酸ナトリウム等に代表される一般的な無機あるいは有機の水溶性塩を用いることができる。
これら電解質の濃度は、1価の電解質を用いる場合0.01〜2.0mol/l(M)、さらには0.1〜1.0mol/l、またさらには0.2〜0.8mol/lの範囲が好ましい。さらに、多価の電解質を用いる場合、その添加量はより少ない量でよい。界面活性剤であれば先に例示したもの、高分子系の凝集剤であれば、先に挙げた高分子保護コロイドを形成させるもののうち、特に超高分子量体のものが適当である。また、水系媒体に共存させて分散安定性を弱めて凝集させる物質としては、水溶性有機化合物であるエタノール、ブタノール、イソプロパノール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトン、メチルエチルケトン等を使用することができる。
さらに、凝集後に分散液を加熱することにより、微粒子同士を融着させ、生成するトナーの形状を調節することができる。界面張力によって球状化するが、そのときの加熱温度、トナーの粘性、有機溶剤の存在などにより球形から不定形まで任意に粒子形状を整えることができる。
得られた凝集粒子の分散体は、乾燥雰囲気中に噴霧して、凝集粒子中に残存している非水溶性有機溶媒を完全に除去してトナー微粒子を形成し、合わせて水系分散剤を蒸発除去することも可能である。凝集粒子の分散体が噴霧される乾燥雰囲気としては、空気、窒素、炭酸ガス、燃焼ガス等を加熱した気体、特に使用される最高沸点溶媒の沸点以上の温度に加熱された各種気流が一般に用いられる。スプレイドライアー、ベルトドライアー、ロータリーキルンなどの短時間の処理で十分目的とする品質が得られる。乾燥前に固液分離して洗浄水を加え、再分散(リスラリー)する操作を繰り返し行なえば、用いた分散剤、乳化剤をほとんど除去することができる。
なお、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能なものを用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
(分級)
乳化分散時の粒度分布が広く、その粒度分布を保って洗浄、乾燥処理が行われた場合、所望の粒度分布に分級して粒度分布を整えることができる。
分級操作は液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことができる。もちろん乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行っても良いが、液体中で行うことが効率の面で好ましい。得られた不要の微粒子、または粗粒子は再び混練工程に戻して粒子の形成に用いることができる。その際微粒子、または粗粒子はウェットの状態でも構わない。
用いた分散剤は得られた分散液からできるだけ取り除くことが好ましいが、先に述べた分級操作と同時に行うのが好ましい。
(変形化)
得られたトナーの形状をさらに調節するにはトナーバインダー、着色剤からなるトナー材料を溶融混練後、微粉砕したものをハイブリタイザー、メカノフュージョンなどを用いて機械的に形状を調節する方法や、いわゆるスプレードライ法と呼ばれるトナー材料をトナーバインダーが可溶な溶剤に溶解分散後、スプレードライ装置を用いて脱溶剤して球形トナーを得る方法。また、水系媒体中で加熱することにより球形化する方法などが挙げられるがこれに限定されるものではない。
(外添剤)
本発明で得られた着色粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤としては、無機微粒子を用いることができる。この無機微粒子の一次粒子径は、5mμ〜2μmであることが好ましく、特に、5mμ〜500mμであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5重量%であることが好ましく、特に、0.01〜2.0重量%であることが好ましい。無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
この他、高分子系微粒子、たとえばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
このような流動化剤は、表面処理を行なって、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。例えばシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが好ましい表面処理剤として挙げられる。
感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するためのクリーニング性向上剤としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸など脂肪酸金属塩、例えばポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子などのソープフリー乳化重合などによって製造された、ポリマー微粒子などを挙げることができる。ポリマー微粒子は、比較的粒度分布が狭く、体積平均粒径が0.01から1μmのものが好ましい。
(2成分用キャリア)
本実施形態のトナーを2成分系現像剤に用いる場合には、磁性キャリアと混合して用いれば良く、現像剤中のキャリアとトナーの含有比は、キャリア100重量部に対してトナー1〜10重量部が好ましい。磁性キャリアとしては、粒子径20〜200μm程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリアなど従来から公知のものが使用できる。また、被覆材料としては、アミノ系樹脂、例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等があげられる。またポリビニルおよびポリビニリデン系樹脂、例えばアクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂およびスチレンアクリル共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂およびポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、およびシリコーン樹脂等が使用できる。また必要に応じて、導電粉等を被覆樹脂中に含有させてもよい。導電粉としては、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等が使用できる。これらの導電粉は、平均粒子径1μm以下のものが好ましい。平均粒子径が1μmよりも大きくなると、電気抵抗の制御が困難になる。
また、本実施形態のトナーはキャリアを使用しない1成分系の磁性トナー、あるいは非磁性トナーとしても用いることができる。
本実施形態の画像形成用トナーの好ましい態様は、少なくともバインダー樹脂と着色剤を含有する画像形成用トナーである。
いわゆるトナー飛散は逆帯電トナーや弱帯電トナーの発生により現像スリーブ上でトナーが飛散する現象であるが、このトナーの保磁力が2〜15kA/m、好ましくは5〜10KA/mの範囲にすると、キャリアとトナー、及び現像スリーブとトナーの間が保持され、逆帯電トナーや弱帯電トナーが飛散せず、現像部内で再攪拌されるため、トナー飛散やかぶりの発生の無いトナーを得ることができることもできる。
トナーの保磁力が2kA/m未満であると、保磁力が低いためトナー飛散が発生する。また、トナーの保磁力が15kA/mを超えると、キャリアとトナー、及び現像スリーブとトナーの間の保磁力が強すぎて現像能力が低下し、画像濃度不足が発生する。磁磁気特性の測定には、理研電子(株)製の磁化測定装置BHU−60を用い、内径7mmφ、高さ10mmのセルに充填したトナーに、磁界を測定磁場398Am2/kgまで掃引した際の履歴曲線から、保磁力を求めた。
本実施形態においては、トナーの体積固有抵抗を10.9〜11.4LogΩcm程度とし、トナー中の着色剤等の分散状態を調整したり、良好なトナーの帯電安定性、トナー飛散やかぶりを調整することができる。
本実施形態の画像形成用トナーにおいては、帯電性を制御するために、帯電制御剤を配合することが可能である。
この場合の帯電制御剤としては、例えばニグロシン系染料、四級アンモニウム塩、アミノ基含有のポリマー、含金属アゾ染料、サリチル酸の錯化合物、フェノール化合物などが挙げられるが、その中でもジルコニウムと芳香族オキシカルボン酸又はその塩からなるジルコニウム化合物であることにより帯電安定性や立ち上がり性が良好なトナーを得ることができる。
さらに本トナーはワックスを含有しても良く、ワックス成分として0.5〜7質量%のカルナウバワックス及び/またはライスワックス及び/またはエステルワックスを含有することが耐ホットオフセット性に有効である。
また、本実施形態の画像形成用トナーを混合して二成分現像剤として使用するキャリアとしては、ガラス、鉄、フェライト、ニッケル、ジルコン、シリカ等を主成分とする、粒径30〜1000μm程度の粉末、または、この粉末を芯材としてスチレン−アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリフッ化ビニリデン系樹脂等をコーティングしたものから適宜選択して使用可能であるが、帯電能力の点から粒径30〜80μmが好ましい。
本実施形態の画像形成用トナーは容器に充填され、トナーが充填された容器は画像形成装置とは別途に流通され、ユーザーが画像形成装置に装着して画像形成するようにすることができる。容器として用いられるのは限定的でなく、例えば従来のボトル型あるいはカートリッジあるいは減容可能なフレキシブルカートリッジなどが使用される。
また、本実施形態の画像形成方法は、外部より帯電部材に電圧を印加し被帯電体に帯電を行なう帯電工程と、帯電している被帯電体に静電荷像を形成する工程と、静電荷像をトナーによって現像してトナー画像を形成する現像工程と、外部より転写部材に電圧を印加しトナー画像を転写体上に転写する転写工程と、転写後の被帯電体表面をクリーニング部材でクリーニングするクリーニング工程と、トナー画像を加熱定着する定着工程を有している。具体的には、電子写真法によって画像を形成するための装置を用いて画像形成を行なう際に使用されるトナーであって、このような装置以外でも電子写真法による方式の装置であれば限定されず、例えば複写機やプリンタなどが包含される。
たとえば図2に本実施形態に用いられる画像形成装置の一例を示す。デジタル複写機である画像形成装置は、周知の電子写真方式を用い、内部にドラム状感光体(1)を備えている。感光体(1)の周囲には矢印Aで示す回転方向に沿って、電子写真複写行程を実施する帯電器(2)、露光部(3)、現像部(4)、転写部(5)、クリーニング部(6)、リサイクル部(15)、および定着部(10)が配置されている。
露光部(3)は、複写機上面の原稿載置台(7)に置かれた原稿を読み取り部(8)によって読み取られた画像信号を基に感光体(1)上に静電潜像を形成する。
感光体(1)上に形成された静電潜像は、現像部(4)によってトナー像化され、そのトナー像が給紙装置(9)から給送されてくる転写紙に転写部(5)によって静電転写される。トナー像が載った転写紙は、定着部(10)に搬送、定着された後に、機外へ排出される。
一方、未転写部や汚れの付着した感光体(1)はクリーニング部(6)によりクリーニングされ、クリーニングにより回収されたトナーはリサイクル手段(15)によりトナーホッパー部へ回収され、補給トナーと混合後、現像剤容器に戻され、次の作像ステップに入る。
さらに、近年オゾンの発生を低減化するために、帯電工程、転写工程、クリーニング工程において接触方式が有効に使用されており、帯電ローラや帯電ブレード、転写ベルト、クリーニングブレードなどが使用されている。
また、リサイクルシステムにおいては、本実施形態のトナーは微小な金属材料の硬度によりリサイクルトナーの凝集を防ぐことができる。また帯電ローラや帯電ブレード、転写ベルト、クリーニングブレードの材質としては導電性ゴムが好ましい。
定着工程は、トナー像を胆持した支持体を、2本のローラの間を通過させることによってトナー像の加熱定着を行なう定着装置であり、トナー像支持面と接触する側の定着ローラの厚みがたとえば1.0mm以下、2本のローラ間に加える面圧(ローラ荷重/接触面積)が1.5×105Pa以下である定着装置に用いられるようにしてもよい。定着工程に使用される定着ローラは、アルミニウム、鉄、ステンレス又は真鍮のような高熱伝導体から構成された金属シリンダーの表面にRTV、シリコンゴム、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のようなオフセット防止層が被覆されている。定着ローラの内部には、加熱ランプが配置されている。加圧ローラの金属シリンダーは定着ローラと同じ材質が用いられる場合が多く、その表面にはPFA、PTFAなどのオフセット防止層が被覆されていてもよい。また、必ずしも必要ではないが、加圧ローラの内部には加熱ランプが配置されていてもよい。
定着ローラと加圧ローラは図示してはいないが、両端のバネにより圧接され回転する。定着ローラと加圧ローラとの間にトナー像の付着支持体(紙などの転写紙)を通過させ定着を行なうことができる。
本実施形態に用いられる定着装置は、定着ローラの金属シリンダーの厚みを1.0mm以下とすることにより、定着ローラの温度立ち上がり特性を改善したものであってもよく、極めて短時間で所望の温度まで立ち上げることができる。
たとえば金属シリンダーの厚みは、用いる材料の強度、熱伝導率により異なるが0.2〜0.7mmとしてもよい。
また、定着ローラと加圧ローラ間に加える荷重(面圧)は、たとえば、1.5×105Pa以下としてもよい。面圧はローラ両端に加えられる荷重をローラ接触面積で割った値である。
ローラ接触面積は、定着可能温度まで加熱したローラ間にOHP用紙のような、加熱により表面性の大きく変化するシートを通過させ、途中で停止し数10秒間保持した後排出し、表面性の変化した箇所の面積を求める。
このように面圧は高い方がトナー像の定着には有利であるが、定着ローラの金属シリンダーの厚みを1.0mm以下とした定着装置では、ローラの歪みを招くため、大荷重は加えられず、その荷重を1.5×105Pa以下、さらに0.5〜1.0×105Paとしてもよい。
本実施形態では、本発明のトナーを使用し、感光体と、帯電部、現像部、クリーニング部より選ばれる少なくとも一つの部とを一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジとしてもよい。
本実施形態においては、感光体部、帯電部、現像部及びクリーニング部より選ばれる少なくとも一つの部をプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やプリンタ等の画像形成装置本体に対して着脱可能に構成することもできる。なお図2では、1色の画像形成装置を例示しているが、本発明では、カラー(例えば4色)の画像形成装置でよいことは、当然であり、説明の都合上、簡単化、明瞭化するためにしたものにすぎない。
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、部は重量部を示す。
[実施例1]
<油相1>
[低分子ポリエステル1]
冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229部、テレフタル酸529部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間重縮合反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応した後、反応容器に無水トリメリット酸44部を入れ、180℃常温、常圧で2時間反応し、[低分子ポリエステル1]を得た。
[マスターバッチ1]
水1200部、カーボンブラック(Printex35 デクサ製)540部[DBP吸油量=42ml/100mg、pH=9.5]、ポリエステル樹脂1200部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて150℃で30分混練後、圧延冷却しパルぺライザーで粉砕し[マスターバッチ1]を得た。
[ケチミン化合物1]
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部とメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で5時間反応を行い、[ケチミン化合物1]を得た。
攪拌棒および温度計をセットした容器に、[低分子ポリエステル1]380部、カルナウバワックス110部、帯電制御剤(サリチル酸金属錯体E-84:オリエント化学工業)20部、酢酸エチル950部を仕込み、攪拌下80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却した。
次いで容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、2時間混合し[原材料溶液1]を得た。
[原材料溶液1]1324部を容器に移しビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/h、周速度6m/sec、0.5mmジルコニアビーズを80堆積%充填、3パスの条件で分散を行なった。その後[低分子ポリエステル1]の68%酢酸エチル溶液1324部加え、条件のビーズミルで1パスさせ[マスターバッチ・ワックス分散液1]を得た。[マスターバッチ・ワックス分散液1]の固形分濃度は50%であった。
[マスターバッチ・ワックス分散液1]750部、[ケチミン化合物1]3.0部をホモディスパー(特殊機化)で5000rpmで1min間混合したものを<油相A>とする。
<油相2>
冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、テレフタル酸276部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間重縮合反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応して、[ポリエステル1]を得た。次いで[ポリエステル1]400部、イソホロンジイソシアネート90部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応させたものを<油相2>とする。
<水相1>
[微粒子分散液1]
攪拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エキレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30 三洋化成工業)11部、スチレン83部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/minで15min間攪拌し、白色乳濁液を得た。加熱して系内温度75℃まで昇温し、5時間反応させた。さらに1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エキレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液1]を得た。[微粒子分散液1]83部、水990部、酢酸エチル90部を混合攪拌したものを<水相1>とする。
の<油相1>60部、<油相2>8部、<水相1>100部、及び分散剤を図1に示す連続乳化装置に導入し、水相送液途中に添加する分散剤送液量(分散剤はドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム水溶液((株)三洋化成工業製エレミノールMON−7)を水相送液量の5.0%となるようポンプで調整し、乳化を行った。水相に分散剤を混合したときの固形分濃度は6.8%であった。
そしてこの後、次のような方法で不要分除去を行なった。45℃まで昇温し、攪拌翼周速10m/s、大気圧下で18時間かけて溶剤除去を行なった。その後濾別、洗浄、乾燥した後母体粒子を得た。
次にこの母体粒子100部に、疎水性シリカ0.5部と疎水性酸化チタン0.5部をヘンシェルミキサーにて混合し、本発明のトナーを得た。
[実施例2]
実施例1の分散剤送液量を水相送液量の9.0%としたこと以外は同様の方法で本発明のトナーを得た。このときの水相と分散剤を混合したときの固形分濃度は10.0%であった。
[実施例3]
実施例1の分散剤送液量を水相送液量の3.0%としたこと以外は同様の方法で本発明のトナーを得た。このときの水相と分散剤を混合したときの固形分濃度は3.7%であった。
[実施例4]
実施例1の分散剤送液量を水相送液量の9.5%としたこと以外は同様の方法で本発明のトナーを得た。このときの水相と分散剤を混合したときの固形分濃度は14.4%であった。
[比較例1]
実施例1の分散剤送液量を水相送液量の10.5%としたこと以外は同様の方法で本発明のトナーを得た。このときの水相と分散剤を混合したときの固形分濃度は11.4%であった。
[比較例2]
実施例1の分散剤送液量を水相送液量の0.5%としたこと以外は同様の方法で本発明のトナーを得た。このときの水相と分散剤を混合したときの固形分濃度は1.8%であった。
[比較例3]
実施例1の分散剤送液量を水相送液量の14.0%としたこと以外は同様の方法で本発明のトナーを得た。このときの水相と分散剤を混合したときの固形分濃度は15.9%であった。
[粒度分布測定]
トナーの平均粒径および粒度分布はコールターマルチサイザーIII(コールター社製)を用いた。試料は懸濁した電解液に超音波分散器で約3分間分散処理を行ない、100μmアパーチャーチューブを用いて、2μm以上のトナーの体積、個数を5万カウント測定して体積分布(Dv)と個数分布(Dn)とを算出した。Dv/Dnは1.0に近いほどシャープ分布ということになる。
[画像評価]
画像評価は細線再現性を5段階で評価し、数字が大きいものを良いと評価とした。
細線再現性は上記で得たそれぞれのトナーを、フェライトキャリア100gに対して8gの割合で混合して現像剤にし、中間転写方式のカラー複写機((株)リコー製imagio5000)の定着オイル部分を除去した評価機に入れ、画像占有率7%の印字率で普通紙((株)リコー製タイプ6000)を用いランニングし、その時の初期10枚めの画像と20000枚めの画像の細線部を原稿と比較し、光学顕微鏡で観察し、評価を行なった。
下記表1の試験結果で示すように、本発明により分散剤の量を適当な量に調整することにより、粒径を制御できるため、無駄な原材料の使用が抑制できる。またシャープな粒径分布の粒子が得られることから、最終的なトナーとしたときに、高品質な画像が得られることがわかる。
Figure 2007140264
以上の説明から、本実施形態では、水相の送液途中で分散剤を添加し配管内で混合することから、分散剤を一度に投入してしまうのでなく、任意の量添加することができるので、リアルタイムで粒径調整を行うことができ、所望の粒度分布を得ることができる。
また、水相の送液途中で添加する分散剤の量が、水相送液量に対する分散剤送液量として1.0%〜10.0%、または水相と混合したときの固形分濃度が4.0%〜15.0であることから、小粒径で粒径分布のシャープなトナーを製造することができる。
また、上記した製造方法によるDvが4.0μmないし8.0μm、Dv/Dnが1.05から1.20の小粒径で粒径分布のシャープなトナーであることから、画像品質の高い画像を形成することができる。
本発明のトナーの製造方法で用いる連続乳化装置の一例を示す図である。 本発明に用いられる画像形成装置の一例を示す図である。
符号の説明
1 感光体
2 帯電器
3 露光部
4 現像部
5 転写部
5a 転写ベルト
6 クリーニング部
6a クリーニングブレード
6b クリーニングブラシ
7 原稿載置台
8 読み取り部
9 給紙装置
10 定着部
14 廃棄トナータンク
15 リサイクル部
21 定着ローラ
22 加圧ローラ
23 金属シリンダー
24 オフセット防止層
25 加熱ランプ
26 金属シリンダー
27 オフセット防止層
28 加熱ランプ

Claims (8)

  1. 少なくとも樹脂、着色剤及び離型剤を有機溶剤、または有機分散剤に溶解または分散した溶解液および/または分散液と、水に難溶の固体微粒子分散剤を含有する水系媒体とを連続的に乳化機に送液して乳化分散し、トナーのサイズまで凝集させる前および/または後に、有機溶剤または有機分散剤を除去して粒子を取り出すトナーの製造方法であって、前記水系媒体の送液途中で分散剤を添加して配管内で混合することを特徴とする電子写真用トナーの製造方法。
  2. 前記分散剤の送液量を変更することを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナーの製造方法。
  3. 前記分散剤の送液量が前記推計媒体の送液量に対して1.0〜10.0%の範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真用トナーの製造方法。
  4. 前記分散剤と前記水系媒体が配管内で混合されたときの固形分濃度は、4.0〜15.0%の範囲であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の電子写真用トナーの製造方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の電子写真用トナーの製造方法により得られたトナーであって、前記トナーの体積平均粒径(Dv)が4.0μm〜8.0μmの範囲であり、かつ、前記トナーの体積平均粒径(Dv)/個数平均粒径(Dn)が1.05〜1.20の範囲であることを特徴とする電子写真用トナー。
  6. 請求項5記載の電子写真用トナーを有することを特徴とする電子写真用現像剤。
  7. 外部より帯電部材に電圧を印加し、被帯電体に帯電を行なう帯電工程と、
    帯電している被帯電体に静電荷像を形成する工程と、
    静電荷像をトナーによって現像してトナー画像を形成する現像工程と、
    外部より転写部材に電圧を印加し、トナー画像を転写体上に転写する転写工程と、
    転写後の被帯電体表面をクリーニング部材でクリーニングするクリーニング工程と、
    トナー画像を加熱定着する定着工程を有する画像形成方法において、
    前記現像工程から前記定着工程では、請求項5記載の電子写真用トナーを用いることを特徴とする画像形成方法。
  8. 感光体を帯電させるための帯電器と、
    原稿からの情報を読取り電子化した情報に基づいて前記帯電された感光体に光照射して前記電子化した情報を書き込んで静電潜像を形成する露光部と、
    前記静電潜像が形成された感光体にトナーにより現像する現像部と、
    前記現像を媒体に転写する転写部と、転写された現像を前記媒体に定着する定着部と、
    前記転写後の未転写部および汚れの付着した前記感光体をクリーニングするクリーニング部と、
    前記クリーニングによって収集したトナーを回収するリサイクル部とを有する画像形成装置であって、
    前記トナーは、請求項5記載の電子写真用トナーであることを特徴とする画像形成装置。
JP2005335749A 2005-11-21 2005-11-21 電子写真用トナーの製造方法、電子写真用トナー、電子写真用現像剤、画像形成方法及び画像形成装置 Expired - Fee Related JP4777750B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005335749A JP4777750B2 (ja) 2005-11-21 2005-11-21 電子写真用トナーの製造方法、電子写真用トナー、電子写真用現像剤、画像形成方法及び画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005335749A JP4777750B2 (ja) 2005-11-21 2005-11-21 電子写真用トナーの製造方法、電子写真用トナー、電子写真用現像剤、画像形成方法及び画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007140264A true JP2007140264A (ja) 2007-06-07
JP4777750B2 JP4777750B2 (ja) 2011-09-21

Family

ID=38203180

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005335749A Expired - Fee Related JP4777750B2 (ja) 2005-11-21 2005-11-21 電子写真用トナーの製造方法、電子写真用トナー、電子写真用現像剤、画像形成方法及び画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4777750B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004334157A (ja) * 2003-04-17 2004-11-25 Ricoh Co Ltd 電子写真用球形トナー及び製造方法
JP2005004021A (ja) * 2003-06-13 2005-01-06 Ricoh Co Ltd 電子写真用トナーおよび製造方法
JP2005070680A (ja) * 2003-08-27 2005-03-17 Ricoh Co Ltd 連続乳化装置及び該装置を用いたトナーの製造方法
JP2005266615A (ja) * 2004-03-19 2005-09-29 Ricoh Co Ltd トナー、現像剤、現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004334157A (ja) * 2003-04-17 2004-11-25 Ricoh Co Ltd 電子写真用球形トナー及び製造方法
JP2005004021A (ja) * 2003-06-13 2005-01-06 Ricoh Co Ltd 電子写真用トナーおよび製造方法
JP2005070680A (ja) * 2003-08-27 2005-03-17 Ricoh Co Ltd 連続乳化装置及び該装置を用いたトナーの製造方法
JP2005266615A (ja) * 2004-03-19 2005-09-29 Ricoh Co Ltd トナー、現像剤、現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4777750B2 (ja) 2011-09-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4829489B2 (ja) トナー、並びに、現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法
JP4541814B2 (ja) トナー及びその製造方法、並びに、画像形成方法
JP4213067B2 (ja) 画像形成用トナーおよび現像剤とその製造方法、並びにこれらを用いた画像形成方法、画像形成装置
JP2004318043A (ja) 乾式トナー、画像形成方法、及び画像形成装置
JP2009069862A (ja) トナーの製造方法、並びに、現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法
JP3728285B2 (ja) 乾式トナー及びこれを用いた現像方法、転写方法
JP2007233030A (ja) 静電荷像現像用トナー
JP2004037516A (ja) 静電荷像現像用トナー
JP4175504B2 (ja) 非磁性一成分現像用トナー
JP4307857B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
JP4027290B2 (ja) 静電荷像現像用トナー及びこれを用いるプロセスカートリッジ、画像形成装置と静電荷像現像用トナーの製造方法
JP2004004414A (ja) 乾式トナー
JP4494070B2 (ja) 画像形成装置
JP4056377B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
JP4049679B2 (ja) 静電荷像現像用トナーおよび現像剤、並びにこれらを用いた画像形成方法、画像形成装置
JP4031488B2 (ja) 乾式トナーの製造方法、及び現像方法、転写方法
JP4084666B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
JP4777750B2 (ja) 電子写真用トナーの製造方法、電子写真用トナー、電子写真用現像剤、画像形成方法及び画像形成装置
JP4433450B2 (ja) 電子写真用トナーの製造方法
JP4327053B2 (ja) トナー及びその製造方法、並びに、画像形成方法
JP4141355B2 (ja) 電子写真用トナー及びそれを用いる画像形成装置
JP2004212653A (ja) 二成分現像剤
JP3908636B2 (ja) 電子写真用トナー及びその製造方法並びにこのトナーを用いた画像形成方法
JP4607228B2 (ja) トナー及びその製造方法、並びに、画像形成方法
JP4221319B2 (ja) 電子写真用トナー及び画像形成プロセス

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081007

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20081023

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100813

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100824

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101018

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110628

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110630

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140708

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees