JP2007140264A - 電子写真用トナーの製造方法、電子写真用トナー、電子写真用現像剤、画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも樹脂、着色剤及び離型剤を有機溶剤、または有機分散剤に溶解または分散した溶解液および/または分散液と、水に難溶の固体微粒子分散剤を含有する水系媒体とを連続的に乳化機に送液して乳化分散し、トナーのサイズまで凝集させる前および/または後に、有機溶剤または有機分散剤を除去して粒子を取り出すトナーの製造方法であって、前記水系媒体の送液途中で分散剤を添加して配管内で混合することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
そこで、水相中の分散剤量により粒径を調整するということが考えられるが、界面活性剤を一度に水相中に投入してしまうと、その後の粒径調整が困難であるとともに、余計な原材料を使用しなければならず、時間と資源が無駄になる。
図1は本実施形態によるトナーの製造方法を用いて製造するための連続乳化装置の一例を示すものである。図1に記載の連続乳化装置は、樹脂、例えば未変性のポリエステル樹脂、着色剤及び離型剤を含有するトナー組成物を有機溶剤あるいは有機分散剤に溶解または分散した油相1と、イソシアネート結合を有するプレポリマーを含有する油相2と、水に難溶性の固体微粒子分散剤を含有する水系媒体(水相1)と、界面活性剤などの分散剤と、スタティックミキサーと、乳化機とを有し、図1に示すとおり、分散剤が水相の送液途中で添加され、スタティックミキサー内で混合された後、乳化機に送液される構成となっている。
まずトナーバインダーとしては、スチレンアクリル樹脂、ポリオール樹脂、ポリエステル樹脂など通常のトナー用に用いられる樹脂であればどのようなものでも適用可能であるが、特に定着性の観点からフルカラー画像の再現にはポリエステル樹脂が好適である。
本実施形態に好適なポリエステル樹脂は変性ポリエステル樹脂であってもよい。変性ポリエステル樹脂とは、ポリエステル樹脂中に酸やアルコールなどのモノマーユニットに含まれる官能基と、エステル結合以外の結合基が存在したり、あるいはポリエステル樹脂中に構成の異なる樹脂成分が共有結合やイオン結合などで結合した樹脂をいう。
例えば、ポリエステル樹脂の末端をエステル結合以外のもので反応させた樹脂があげられる。具体的にはう末端に酸基や、水酸基と反応するイソシアネート基などの官能基を導入した上で、活性水素化合物とさらに反応させ末端を変性させたり伸長反応させた樹脂も含まれる。
さらに活性水素基が複数存在する化合物であればポリエステル末端同士を結合させた樹脂も含まれる(ウレア変性ポリエステル、ウレタン変性ポリエステルなど)。
また、ポリエステルの主鎖中に構成の異なる樹脂成分を共重合させたり末端のカルボキシル基や水酸基と反応させた樹脂であってもよい。例えば末端がカルボキシル基、水酸基、エポキシ基、メルカプト基によって変性されたシリコーン樹脂と共重合させたものも含まれる(シリコーン変性ポリエステルなど)。
(ウレア変性ポリエステル樹脂)
変性ポリエステル樹脂としてはウレア結合を有する変性されたポリエステル(i)が挙げられる。この変性されたポリエステル(i)としては、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との反応物などが挙げられる。イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)としては、ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の重縮合物でかつ活性水素基を有するポリエステルをさらにポリイソシアネート(3)と反応させた物などが挙げられる。上記ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基およびフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
本発明においては、ウレア結合で変性されたポリエステル(i)単独使用だけでなく、この(i)と共に、変性されていないポリエステル(ii)をトナーバインダー成分として含有させることもできる。(ii)を併用することで、低温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が向上し、単独使用より好ましい。(ii)としては、(i)のポリエステル成分と同様なポリオール(1)とポリカルボン酸(2)との重縮合物などが挙げられ、好ましいものも(i)と同様である。また、(ii)は無変性のポリエステルだけでなく、ウレア結合以外の化学結合で変性されているものでもよく、例えばウレタン結合で変性されていてもよい。(i)と(ii)は少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、(i)のポリエステル成分と(ii)は類似の組成が好ましい。(ii)を含有させる場合の(i)と(ii)の重量比は、通常5/95〜80/20、好ましくは5/95〜30/70、さらに好ましくは5/95〜25/75、特に好ましくは7/93〜20/80である。(i)の重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
本実施形態における着色剤としては公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
本実施形態で用いる着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。 マスターバッチの製造またはマスターバッチとともに混練されるバインダー樹脂としては、先にあげた変性、未変性ポリエステル樹脂の他にポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族叉は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
また、トナーバインダーや着色剤と共にワックスなどの離型剤を含有させることもできる。ワックスとしては公知のものが使用でき、例えばポリオレフィンワッックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど);長鎖炭化水素(パラフィンワッックス、サゾールワックスなど);カルボニル基含有ワックスなどが挙げられる。これらのうち好ましいものは、カルボニル基含有ワックスである。カルボニル基含有ワックスとしては、ポリアルカン酸エステル(カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18-オクタデカンジオールジステアレートなど);ポリアルカノールエステル(トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなど);ポリアルカン酸アミド(エチレンジアミンジベヘニルアミドなど);ポリアルキルアミド(トリメリット酸トリステアリルアミドなど);およびジアルキルケトン(ジステアリルケトンなど)などが挙げられる。これらカルボニル基含有ワックスのうち好ましいものは、ポリアルカン酸エステルである。本発明のワックスの融点は、通常40〜160℃であり、好ましくは50〜120℃、さらに好ましくは60〜90℃である。融点が40℃未満のワックスは耐熱保存性に悪影響を与え、160℃を超えるワックスは低温での定着時にコールドオフセットを起こしやすい。また、ワックスの溶融粘度は、融点より20℃高い温度での測定値として、5〜1000cpsが好ましく、さらに好ましくは10〜100cpsである。1000cpsを超えるワックスは、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果に乏しい。トナー中のワックスの含有量は通常0〜40重量%であり、好ましくは3〜30重量%である。
必要に応じて帯電制御剤が含有されてもよい。帯電制御剤としては公知のものが全て使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンPー51、含金属アゾ染料のボントロンSー34、オキシナフトエ酸系金属錯体のEー82、サリチル酸系金属錯体のEー84、フェノール系縮合物のEー89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTPー302、TP一415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRAー901、ホウ素錯体であるLRー147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
本実施形態のトナーの製造方法は、上述の樹脂、着色剤及び離型剤などを有機溶剤に溶解または分散した油相と、水系媒体(水相)とで乳化されるが、この水系媒体には固体の微粒子分散剤が分散される。
固体の微粒子分散剤は、水系媒体中で水に難溶の固体状で存在するものであり、平均粒径が0.01から1μmのものが好ましい。
上記のように水系媒体には固体微粒子分散剤を分散させておくが、固体微粒子の液滴への吸着性を調整し、粒度分布を制御するために分散剤を併用する。このような分散剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどの陰イオン界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
(水系媒体)
本実施形態のトナーの製造方法では水系媒体を用いる。用いる水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などが挙げられる。また、酢酸エチルなどのエステル系などの有機溶剤も水と併用して用いることができる。
前述したように、水系媒体には固体微粒子分散剤を分散するが、固体微粒子分散剤の液滴への吸着性を調整し、粒度分布を制御するために分散剤を併用する。
本発明ではこの分散剤を、水系媒体(水相)を乳化機へ送液する途中で投入し、スタティックミキサーによる配管内混合をする。
このとき投入する分散剤の量(分散剤送液量)は、粒度分布により加減するが、分散剤送液量が水系媒体の送液量の1.0〜10.0%が好ましい。分散剤送液量が1.0%未満であると、分散剤による固体微粒子の液滴吸着が不完全で、粗粉分が多くなり、粒度分布がブロードになってしまう。また10.0%より多くなると、固体微粒子の液滴吸着が活発になり過ぎ、微粉が多く発生し、これらがその後合着し粗粉へと変わっていくため、粒度分布がシャープにならない。また本発明では分散剤の流量を任意に変えることを特徴とし、ポンプにより制御するが、特に限定されるものではない。ただし脈流がないことが望ましい。
トナーバインダーは以下の方法などで製造することができる。ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧しながら生成する水を溜去して、水酸基を有するポリエステルを得る。次いで40〜140℃にて、これにポリイソシアネート(3)を反応させ、イソシアネート基を有するプレポリマー(A)を得る。さらに(A)にアミン類(B)を0〜140℃にて反応させ、ウレア結合で変性されたポリエステルを得る。(3)を反応させる際および(A)と(B)を反応させる際には、必要により溶剤を用いることもできる 。使用可能な溶剤としては、芳香族溶剤(トルエン、キシレンなど);ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど);エステル類(酢酸エチルなど);アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)およびエーテル類(テトラヒドロフランなど)などのイソシアネート(3)に対して不活性なものが挙げられる。ウレア結合で変性されていないポリエステル(ii)を併用する場合は、水酸基を有するポリエステルと同様な方法で(ii)を製造し、これを(i)の反応完了後の溶液に溶解し、混合する。
乳化の方法としては特に限定されるものではないが、回転羽根を有するものが好ましい。乳化機、分散機として一般に市販されているものであれば使用することができる。例えば、ウルトラタラックス(IKA社製)、ポリトロン(キネマティカ社製)、TKオートホモミクサー(特殊機化工業(株)製)、エバラマイルダー(荏原製作所(株)製)、TKパイプラインホモミクサー、TKホモミックラインフロー(特殊機化工業(株)製)、コロイドミル(神鋼パンテック社製)、スラッシャー、トリゴナル湿式微粉砕機(三井三池化工機(株)製)、キャビトロン(ユーロテック社製)、ファインフローミル(太平洋機工(株)製)等の連続式乳化機、クレアミックス(エムテクニック社製) 、フィルミックス(特殊機化工業(株)製)等のバッチまたは連続両用乳化機等が挙げられる。
得られた乳化分散体から有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に昇温し、液滴中の有機溶媒を完全に蒸発除去する方法を採用することができる。その際、減圧下で行なうことが、加熱温度を下げることができ好ましい。ワックスやその他トナー構成成分が有機溶剤に溶解するのを防止したり、乳化分散体の加熱による異常な凝集、会合、合一を防止するためである。この有機溶剤の除去工程は凝集工程の前に行なっても、凝集工程後に行なっても構わない。凝集工程の前に有機溶媒を除去すれば、凝集後の微粒子同士の融着、合一を促すことができる。
乳化分散時の粒度分布が広く、その粒度分布を保って洗浄、乾燥処理が行われた場合、所望の粒度分布に分級して粒度分布を整えることができる。
分級操作は液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことができる。もちろん乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行っても良いが、液体中で行うことが効率の面で好ましい。得られた不要の微粒子、または粗粒子は再び混練工程に戻して粒子の形成に用いることができる。その際微粒子、または粗粒子はウェットの状態でも構わない。
得られたトナーの形状をさらに調節するにはトナーバインダー、着色剤からなるトナー材料を溶融混練後、微粉砕したものをハイブリタイザー、メカノフュージョンなどを用いて機械的に形状を調節する方法や、いわゆるスプレードライ法と呼ばれるトナー材料をトナーバインダーが可溶な溶剤に溶解分散後、スプレードライ装置を用いて脱溶剤して球形トナーを得る方法。また、水系媒体中で加熱することにより球形化する方法などが挙げられるがこれに限定されるものではない。
本発明で得られた着色粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤としては、無機微粒子を用いることができる。この無機微粒子の一次粒子径は、5mμ〜2μmであることが好ましく、特に、5mμ〜500mμであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5重量%であることが好ましく、特に、0.01〜2.0重量%であることが好ましい。無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
本実施形態のトナーを2成分系現像剤に用いる場合には、磁性キャリアと混合して用いれば良く、現像剤中のキャリアとトナーの含有比は、キャリア100重量部に対してトナー1〜10重量部が好ましい。磁性キャリアとしては、粒子径20〜200μm程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリアなど従来から公知のものが使用できる。また、被覆材料としては、アミノ系樹脂、例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等があげられる。またポリビニルおよびポリビニリデン系樹脂、例えばアクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂およびスチレンアクリル共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂およびポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、およびシリコーン樹脂等が使用できる。また必要に応じて、導電粉等を被覆樹脂中に含有させてもよい。導電粉としては、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等が使用できる。これらの導電粉は、平均粒子径1μm以下のものが好ましい。平均粒子径が1μmよりも大きくなると、電気抵抗の制御が困難になる。
本実施形態の画像形成用トナーの好ましい態様は、少なくともバインダー樹脂と着色剤を含有する画像形成用トナーである。
トナーの保磁力が2kA/m未満であると、保磁力が低いためトナー飛散が発生する。また、トナーの保磁力が15kA/mを超えると、キャリアとトナー、及び現像スリーブとトナーの間の保磁力が強すぎて現像能力が低下し、画像濃度不足が発生する。磁磁気特性の測定には、理研電子(株)製の磁化測定装置BHU−60を用い、内径7mmφ、高さ10mmのセルに充填したトナーに、磁界を測定磁場398Am2/kgまで掃引した際の履歴曲線から、保磁力を求めた。
本実施形態の画像形成用トナーにおいては、帯電性を制御するために、帯電制御剤を配合することが可能である。
この場合の帯電制御剤としては、例えばニグロシン系染料、四級アンモニウム塩、アミノ基含有のポリマー、含金属アゾ染料、サリチル酸の錯化合物、フェノール化合物などが挙げられるが、その中でもジルコニウムと芳香族オキシカルボン酸又はその塩からなるジルコニウム化合物であることにより帯電安定性や立ち上がり性が良好なトナーを得ることができる。
さらに本トナーはワックスを含有しても良く、ワックス成分として0.5〜7質量%のカルナウバワックス及び/またはライスワックス及び/またはエステルワックスを含有することが耐ホットオフセット性に有効である。
感光体(1)上に形成された静電潜像は、現像部(4)によってトナー像化され、そのトナー像が給紙装置(9)から給送されてくる転写紙に転写部(5)によって静電転写される。トナー像が載った転写紙は、定着部(10)に搬送、定着された後に、機外へ排出される。
たとえば金属シリンダーの厚みは、用いる材料の強度、熱伝導率により異なるが0.2〜0.7mmとしてもよい。
ローラ接触面積は、定着可能温度まで加熱したローラ間にOHP用紙のような、加熱により表面性の大きく変化するシートを通過させ、途中で停止し数10秒間保持した後排出し、表面性の変化した箇所の面積を求める。
<油相1>
[低分子ポリエステル1]
冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229部、テレフタル酸529部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間重縮合反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応した後、反応容器に無水トリメリット酸44部を入れ、180℃常温、常圧で2時間反応し、[低分子ポリエステル1]を得た。
水1200部、カーボンブラック(Printex35 デクサ製)540部[DBP吸油量=42ml/100mg、pH=9.5]、ポリエステル樹脂1200部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて150℃で30分混練後、圧延冷却しパルぺライザーで粉砕し[マスターバッチ1]を得た。
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部とメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で5時間反応を行い、[ケチミン化合物1]を得た。
[原材料溶液1]1324部を容器に移しビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/h、周速度6m/sec、0.5mmジルコニアビーズを80堆積%充填、3パスの条件で分散を行なった。その後[低分子ポリエステル1]の68%酢酸エチル溶液1324部加え、条件のビーズミルで1パスさせ[マスターバッチ・ワックス分散液1]を得た。[マスターバッチ・ワックス分散液1]の固形分濃度は50%であった。
[マスターバッチ・ワックス分散液1]750部、[ケチミン化合物1]3.0部をホモディスパー(特殊機化)で5000rpmで1min間混合したものを<油相A>とする。
冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、テレフタル酸276部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間重縮合反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応して、[ポリエステル1]を得た。次いで[ポリエステル1]400部、イソホロンジイソシアネート90部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応させたものを<油相2>とする。
[微粒子分散液1]
攪拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エキレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30 三洋化成工業)11部、スチレン83部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/minで15min間攪拌し、白色乳濁液を得た。加熱して系内温度75℃まで昇温し、5時間反応させた。さらに1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エキレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液1]を得た。[微粒子分散液1]83部、水990部、酢酸エチル90部を混合攪拌したものを<水相1>とする。
実施例1の分散剤送液量を水相送液量の9.0%としたこと以外は同様の方法で本発明のトナーを得た。このときの水相と分散剤を混合したときの固形分濃度は10.0%であった。
実施例1の分散剤送液量を水相送液量の3.0%としたこと以外は同様の方法で本発明のトナーを得た。このときの水相と分散剤を混合したときの固形分濃度は3.7%であった。
実施例1の分散剤送液量を水相送液量の9.5%としたこと以外は同様の方法で本発明のトナーを得た。このときの水相と分散剤を混合したときの固形分濃度は14.4%であった。
実施例1の分散剤送液量を水相送液量の10.5%としたこと以外は同様の方法で本発明のトナーを得た。このときの水相と分散剤を混合したときの固形分濃度は11.4%であった。
実施例1の分散剤送液量を水相送液量の0.5%としたこと以外は同様の方法で本発明のトナーを得た。このときの水相と分散剤を混合したときの固形分濃度は1.8%であった。
実施例1の分散剤送液量を水相送液量の14.0%としたこと以外は同様の方法で本発明のトナーを得た。このときの水相と分散剤を混合したときの固形分濃度は15.9%であった。
トナーの平均粒径および粒度分布はコールターマルチサイザーIII(コールター社製)を用いた。試料は懸濁した電解液に超音波分散器で約3分間分散処理を行ない、100μmアパーチャーチューブを用いて、2μm以上のトナーの体積、個数を5万カウント測定して体積分布(Dv)と個数分布(Dn)とを算出した。Dv/Dnは1.0に近いほどシャープ分布ということになる。
画像評価は細線再現性を5段階で評価し、数字が大きいものを良いと評価とした。
細線再現性は上記で得たそれぞれのトナーを、フェライトキャリア100gに対して8gの割合で混合して現像剤にし、中間転写方式のカラー複写機((株)リコー製imagio5000)の定着オイル部分を除去した評価機に入れ、画像占有率7%の印字率で普通紙((株)リコー製タイプ6000)を用いランニングし、その時の初期10枚めの画像と20000枚めの画像の細線部を原稿と比較し、光学顕微鏡で観察し、評価を行なった。
2 帯電器
3 露光部
4 現像部
5 転写部
5a 転写ベルト
6 クリーニング部
6a クリーニングブレード
6b クリーニングブラシ
7 原稿載置台
8 読み取り部
9 給紙装置
10 定着部
14 廃棄トナータンク
15 リサイクル部
21 定着ローラ
22 加圧ローラ
23 金属シリンダー
24 オフセット防止層
25 加熱ランプ
26 金属シリンダー
27 オフセット防止層
28 加熱ランプ
Claims (8)
- 少なくとも樹脂、着色剤及び離型剤を有機溶剤、または有機分散剤に溶解または分散した溶解液および/または分散液と、水に難溶の固体微粒子分散剤を含有する水系媒体とを連続的に乳化機に送液して乳化分散し、トナーのサイズまで凝集させる前および/または後に、有機溶剤または有機分散剤を除去して粒子を取り出すトナーの製造方法であって、前記水系媒体の送液途中で分散剤を添加して配管内で混合することを特徴とする電子写真用トナーの製造方法。
- 前記分散剤の送液量を変更することを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナーの製造方法。
- 前記分散剤の送液量が前記推計媒体の送液量に対して1.0〜10.0%の範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真用トナーの製造方法。
- 前記分散剤と前記水系媒体が配管内で混合されたときの固形分濃度は、4.0〜15.0%の範囲であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の電子写真用トナーの製造方法。
- 請求項1ないし4のいずれかに記載の電子写真用トナーの製造方法により得られたトナーであって、前記トナーの体積平均粒径(Dv)が4.0μm〜8.0μmの範囲であり、かつ、前記トナーの体積平均粒径(Dv)/個数平均粒径(Dn)が1.05〜1.20の範囲であることを特徴とする電子写真用トナー。
- 請求項5記載の電子写真用トナーを有することを特徴とする電子写真用現像剤。
- 外部より帯電部材に電圧を印加し、被帯電体に帯電を行なう帯電工程と、
帯電している被帯電体に静電荷像を形成する工程と、
静電荷像をトナーによって現像してトナー画像を形成する現像工程と、
外部より転写部材に電圧を印加し、トナー画像を転写体上に転写する転写工程と、
転写後の被帯電体表面をクリーニング部材でクリーニングするクリーニング工程と、
トナー画像を加熱定着する定着工程を有する画像形成方法において、
前記現像工程から前記定着工程では、請求項5記載の電子写真用トナーを用いることを特徴とする画像形成方法。 - 感光体を帯電させるための帯電器と、
原稿からの情報を読取り電子化した情報に基づいて前記帯電された感光体に光照射して前記電子化した情報を書き込んで静電潜像を形成する露光部と、
前記静電潜像が形成された感光体にトナーにより現像する現像部と、
前記現像を媒体に転写する転写部と、転写された現像を前記媒体に定着する定着部と、
前記転写後の未転写部および汚れの付着した前記感光体をクリーニングするクリーニング部と、
前記クリーニングによって収集したトナーを回収するリサイクル部とを有する画像形成装置であって、
前記トナーは、請求項5記載の電子写真用トナーであることを特徴とする画像形成装置。
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