JP2007137068A - インクジェット記録用組成物及びインクジェット記録シート - Google Patents

インクジェット記録用組成物及びインクジェット記録シート Download PDF

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Abstract

【解決手段】(A)アセチレングリコール及びアセチレングリコールのエトキシル化体から選ばれる1種又は2種以上、又は(C)アセチレングリコールのアルキレンオキサイド付加物から選ばれる1種又は2種以上と、
(B)HLBが8〜18のポリオキシアルキレンアルキルエーテルの1種又は2種以上と
を含有し、その0.1重量%水溶液の滴下30秒後の接触角が40度以下、1Hz及び10Hz時の動的表面張力が50mN/m以下である水溶性界面活性剤組成物を、平均粒子径が1〜20μmの白色顔料に添加したインクジェット記録用組成物。
【効果】本発明のインクジェット記録用組成物は、白色顔料の分散性に優れ、インキの吸収性が極めて高いため印字濃度が高く、鮮やかで解像度に優れたものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録用組成物及びインクジェット記録シートに関するものであり、特には、インキの吸収性が極めて高いため印字濃度が高く、鮮やかで解像度に優れ、しかも、製造時のシリカなどの白色顔料の分散性に優れたインクジェット記録用組成物及びインクジェット記録シートに関するものである。
1980年代後半から1990年代にかけてのパソコンの爆発的な普及と相俟って、手頃なアウトプットデバイスとして、水性インキを用いた記録方式のプリンターの普及が高まっており、それに伴い、インキや記録材料の需要も拡大しつつある。しかし、装置の高速化・高詳細化、あるいはフルカラー化など記録装置の性能の向上や用途の拡大に伴い、記録材料に対してもより高度な特性が要求されるようになった。
即ち記録材料としては、印字ドットの濃度が高く、色調が明るく鮮やかであること、更には、高速化・高詳細化、あるいはフルカラー化に伴い、インキの吸収が速いこと、印字ドットが重なった場合においてもインキが流れたり、滲んだりしないこと等が要求されている。
このような背景から、従来いくつかの提案がなされている。
例えば、特開昭60−171190号公報(特許文献1)には、HLB4〜10の特定の非イオン性界面活性剤を無機顔料とバインダーからなる水性塗料中に、塗料固形物に対して1〜10重量%添加することにより、インキの吸収性を高めたインクジェット記録用紙が提案されている。
更に、特開昭60−198285号公報(特許文献2)には、インキを吸収しない不透水性物質を支持体として、アニオン性界面活性剤又はノニオン性界面活性剤を塗工層に含有し、記録媒体表面の濡れ性を向上し、インキの水平方向への広がりを大きくして記録画像の画素径を大きくすることにより、白抜けのない良好なベタ画像を記録することが示されている。
更に、特開昭61−179781号公報(特許文献3)には、界面活性剤を被記録材料に含有する提案があり、特開昭61−209190号公報(特許文献4)には、ポリオキシエチレンオキサイドをインク受理層に含有するインクジェット記録シートの例が開示され、また、特開昭62−144986号公報(特許文献5)には、HLB3〜12のノニオン系界面活性剤を0.1重量%以下添加した、主にOHP用記録シートの例が開示されているし、特開昭62−21579号公報(特許文献6)には、アルキルイミダゾリン型界面活性剤0.1〜5重量%含有したシートの例が開示されている。
しかし、以上の提案は、製造時の白色顔料分散あるいはバインダーとの混合時に発生する泡が原因と考えられる塗工液の粘度のアップにより塗工不可能になったり、塗工ムラ、ピンホールの発生により記録材料へのインキの吸収にバラツキが発生する。
また、アニオン性界面活性剤の場合、インキの定着性をアップする目的でカチオン性オリゴマーやカチオンエマルジョンを添加する場合に、凝集物が発生したり塗工液の粘度が著しくアップすることなどの問題点を有していた。
近年、これら界面活性剤に代わるものとして、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールをはじめとするアセチレングリコール及びそのエチレンオキサイド付加物が注目を浴びている。
これらは、静的表面張力及び動的表面張力の低下能と両者のバランスが良くとれており、従来の非イオン及び陰イオン性界面活性剤のマイナス面を殆ど有していないこと、しかも消泡性も有することから、インキの吸収促進剤、塗料などの湿潤剤、シリカなどの分散助剤として用いられてきた。
しかし、アセチレングリコール系界面活性剤は、水への溶解性が低い、あるいは常温では固体などの問題点を有するため、ポリエチレングリコールやポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどを可溶化剤として併用していた。
特許第3126128号公報(特許文献7)では、分子内に1個の三重結合を有するアセチレングリコール、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物の群より選ばれる少なくとも1種以上を含有する記録媒体が提案されているが、前述のように水性インキなどに添加する際、自己乳化性あるいは可溶化性を付与して使用しないと性能を十分に発揮することができず、記録用媒体にそのまま添加すると、インキの吸収性にバラツキが発生したり、白色顔料層の分散不十分でインキ受容層に凝集物が発生し、均一な印刷面が得られなくなる。
更に、前述の可溶化剤として使用してきたポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルは、近年の環境問題からPRTR対象物質、環境ホルモン含有物質の使用が危惧されており、法的な規制が厳しくなりつつある。このような情勢の中で、環境に対応した界面活性剤の要求が多くなり、各社からその代替品が提供されているが、これらの代替品は、静的な表面張力は同じであっても、動的表面張力に大きく影響するものや接触角が高くなるものが存在し、アセチレングリコール系界面活性剤の可溶化剤として配合したとき、必ずしも従来品と同じような性能が得られなかった。
特開昭60−171190号公報 特開昭60−198285号公報 特開昭61−179781号公報 特開昭61−209190号公報 特開昭62−144986号公報 特開昭62−21579号公報 特許第3126128号公報
本発明は、上記事情を改善するためなされたもので、低い動的表面張力及び接触角を有するため、優れた濡れ性、インキ吸収性、消泡性、白色顔料に対する分散性を発揮し、また、各種バインダーとの混合時に著しい粘度アップが認められず、記録方式の高速化にも対応でき、更に環境問題にも配慮したインクジェット記録用組成物及びインクジェット記録シート(以下、単に記録材料用組成物、記録シートという)を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記の課題を解決するため鋭意検討を行った結果、アセチレングリコール系界面活性剤と特定HLBの範囲にあるポリオキシアルキレンアルキルエーテルの配合物を用いることにより、記録材料用などの添加剤として使用した場合、低い動的表面張力及び接触角による優れた濡れ性、インキ吸収性、白色顔料に対する分散性、消泡性を有し、しかも環境問題及び記録方式の高速化にも適合するため、上述した従来の問題点を解決し得ることを知見し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明は、
(A)下記式(1)
Figure 2007137068
(式中、R1及びR2は炭素数1〜5のアルキル基を示す。)
で表されるアセチレングリコール及び下記式(2)
Figure 2007137068
(式中、R1及びR2は炭素数1〜5のアルキル基を示し、m及びnは、それぞれ0.5〜25の正数であり、m+nは、1〜40である。)
で表されるアセチレングリコールのエトキシル化体から選ばれる1種又は2種以上
30〜80重量%
(B)下記式(3)
3O(C24O)w(C36O)x(C24O)y(C36O)zH (3)
(式中、R3は炭素数1〜20のアルキル基、wは1〜20の正数、x、y、zは0又は1〜20の正数であるが、w+x+y+z=5〜30である。)
で表されるHLBが8〜18のポリオキシアルキレンアルキルエーテルの1種又は2種以上 20〜70重量%
を含有し、その0.1重量%水溶液の滴下30秒後の接触角が40度以下、1Hz及び10Hz時の動的表面張力が50mN/m以下である水溶性界面活性剤組成物を、平均粒子径が1〜20μmの白色顔料100重量部に対して0.05〜15重量部添加したことを特徴とするインクジェット記録用組成物、及びこの組成物を用いて製造したインクジェット記録シートを提供する。
本発明の記録材料用組成物及びこれを用いて製造した記録シートは、白色顔料の分散性に優れ、インキの吸収性が極めて高いため印字濃度が高く、鮮やかで解像度に優れたもので、しかも環境問題にも適合した優れた記録材料用組成物及び記録シートである。この特性により本発明は実用的に極めて有利である。
以下、本発明について更に詳しく説明する。
本発明の記録材料用組成物の成分(A)は、上述したように、下記式(1)で示されるアセチレングリコール及び下記式(2)で示されるアセチレングリコールのエトキシル化体から選ばれる1種又は2種以上のアセチレングリコール類である。
Figure 2007137068
(式中、R1及びR2は炭素数1〜5のアルキル基を示し、m及びnは、それぞれ0.5〜25の正数であり、m+nは、1〜40である。)
上記式(1)で表されるアセチレングリコールとしては、例えば、
2,5,8,11−テトラメチル−6−ドデシン−5,8−ジオール、
5,8−ジメチル−6−ドデシン−5,8−ジオール、
2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、
4,7−ジメチル−5−デシン−4,7−ジオール、
2,3,6,7−テトラメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、
3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、
3,6−ジエチル−4−オクチン−3,6−ジオール、
2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール
等を挙げることができ、式(2)で表されるアセチレングリコールのエトキシル化体としては、上記アセチレングリコールのエチレンオキサイド誘導体を挙げることができ、そのアセチレングリコール中のエチレンオキサイド単位の付加モル数は各0.5〜25モルであり、総数は1〜40モルである。エチレンオキサイドの付加モル数が40モルを超えた場合、静的及び動的表面張力が大きくなり、インキ吸収剤としての効果がなくなる。
これらのアセチレングリコール類[成分(A)]は、その1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができ、本発明の界面活性剤組成物を調製する際に用いられる量は、30〜80重量%であり、好ましくは30〜75重量%である。30重量%未満だと動的表面張力が上昇し、高速印刷時にハジキ発生の原因になるし、白色顔料分散時に発生する泡のため粘度がアップし、塗工ムラが発生する。また、80重量%を超えると水への溶解性が悪くなり、配合した際に凝集物が発生し、十分な表面張力低下効果が得られず白色顔料などの分散不良が発生したり、インキ吸収性にバラツキが生じ印刷ムラが発生する。
成分(A)のアセチレングリコール類に配合する成分(B)のポリオキシアルキレンアルキルエーテルは、下記式(3)で表されるものである。
3O(C24O)w(C36O)x(C24O)y(C36O)zH (3)
(式中、R3は炭素数1〜20のアルキル基、wは1〜20の正数、x、y、zは0又は1〜20の正数であるが、w+x+y+z=5〜30である。)
この場合、R3は好ましくは炭素数5〜15、更に好ましくは10〜15のアルキル基であり、またw+x+y+zは5〜30、特に5〜25であることが好ましい。
式(3)のポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、式(3)で示されるポリオキシアルキレンアルキルエーテルであればよいが、具体的には、
1225O(C24O)6(C36O)2(C24O)6(C36O)8H、
1327O(C24O)6(C36O)2(C24O)6(C36O)8H、
1225O(C24O)w(C36O)x(C24O)y(C36O)zH(但しw+y=15、x+z=4)、
1327O(C24O)w(C36O)x(C24O)y(C36O)zH(但しw+y=15、x+z=4)、
1225O(C24O)8(C36O)2(C24O)6H、
1327O(C24O)8(C36O)2(C24O)6H、
1225O(C24O)12(C36O)2(C24O)12H、
1327O(C24O)12(C36O)2(C24O)12H、
CH3(CH29(CH3)CHO(C24O)7(C36O)4.5H、
CH3(CH211(CH3)CHO(C24O)7(C36O)4.5H、
CH3(CH29(CH3)CHO(C24O)5(C36O)3.5H、
CH3(CH211(CH3)CHO(C24O)5(C36O)3.5H、
1429O(C24O)14(C36O)2H、
1123O(C24O)8H、
1021O(C24O)11H、
1225O(C24O)15
等を挙げることができ、その1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
なお、これら成分(B)のHLBは、8〜18、特に10〜16であることが好ましく、HLBが8未満では、疎水性が増し、水への溶解度が低下し、十分な水溶性が得られなくなるし、HLBが18を超えた場合は、動的表面張力が大きいためインキ吸収不良による滲みの原因になる。
本発明の界面活性剤組成物を調製する際に用いられる成分(B)の量は、20〜70重量%であり、好ましくは20〜65重量%である。成分(B)の量が少なすぎるとアセチレングリコール類の十分な可溶化が行われず、水溶性が低下し、配合した際に凝集物が発生したりインキの吸収性にバラツキが発生するし、多すぎると配合時の泡立ちが多くなり、顔料分散時に泡が発生しピンホールやムラなどの塗工不良が発生する。
本発明では、上記成分(A)と成分(B)の合計が100重量%になるように用いるのが好ましいが、更に第三成分(成分(D)という)として、イオン交換水あるいはエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、グリセリンなどの水溶性有機溶剤を併用しても良く、本記録材料用組成物の特性を損なわない限り、組成物全体の0〜25重量%、好ましくは10〜20重量%の量で用いることができる。
ここで、得られた水溶性界面活性剤組成物は、その0.1重量%水溶液の滴下30秒後の接触角が40度以下、好ましくは10〜40度、更に好ましくは25〜37度、更に動的表面張力が50mN/m以下、好ましくは10〜50mN/m、更に好ましくは25〜46mN/mであることが必要である。
なお、接触角は接触角計CA−D型(協和界面科学社製)を用いて0.1重量%水溶液の滴下30秒後の値を測定したものであり、動的表面張力はバブルプレッシャー型動的表面張力計クルスBP−2(KRUSS社製)を用いて0.1重量%水溶液の1Hz及び10Hzの値を測定したものである。
0.1重量%界面活性剤組成物水溶液の滴下30秒後の接触角が40度を超えると、記録材料用組成物に配合した際、インキの吸収性が悪くなるためインキの滲みが発生するし、同じく0.1重量%水溶液の1Hz及び10Hz時の動的表面張力が50mN/mを超えるとプリンターなどの印刷機で印刷などを行った際、ハジキや浸透力不足による滲みが発生する。
本発明で使用できる白色顔料としては、例えばシリカ、クレー、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、チタンホワイト、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、アルミナ、リトポン、希土類酸化物などの白色無機顔料及びスチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、マイクロカプセル、尿素樹脂顔料などの有機顔料が挙げられ、平均粒子径が1〜20μmであれば1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができ、特にシリカは、多孔質顔料であり、不純物を含まず、価格、入手のしやすさの点でも比較的有利であることから最も一般的である。とりわけ、平均粒子径が3〜6μmの微粉末シリカが好適である。1μm未満では、比表面積が低く、インクの吸収性が劣るし、20μmを超えると、表面の平滑性が劣り粉落ち等の現象が発生する。
本発明の記録材料用組成物を製造する場合、上記した水溶性界面活性剤組成物をシリカなどの白色顔料100重量部に対して0.05〜15重量部、好ましくは1〜5重量部の範囲で配合する。0.05重量部未満だと十分な白色顔料の分散効果が得られなかったりインキの吸収性が悪くて滲みが発生するし、15重量部を超えると不溶解物が発生するし、インキの吸収性にバラツキが出たり塗工困難になったりする。
本発明の記録材料用組成物にはバインダーとして、例えばポリビニルアルコール、酸化澱粉、エーテル化澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、大豆タンパク、シラノール変性ポリビニルアルコール、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体などの共役ジエン系ラテックス、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル共重合体などのアクリル系共重合体ラテックス、エチレン酢酸ビニル共重合体などのビニル系重合体ラテックス、無水マレイン酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂などの合成樹脂が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
バインダーの使用量は、白色顔料100重量部に対して乾燥固形分換算で5〜100重量部であり、好ましくは10〜70重量部、特に好ましくは30〜50重量部である。
その他の添加剤としては、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水白化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤などを適宜配合することもできる。
本発明の水溶性界面活性剤は、例えば上記成分(A)と成分(B)とをプロペラ式攪拌機などの混合調製方法によって混合することにより得られる。また、常温にて固体の成分については、必要により加温して混合するものである。
また、記録材料用組成物は、ディスパー型高速攪拌機などを用い、予め得られた水溶性界面活性剤を溶解したイオン交換水等の溶媒中に白色顔料を徐々に添加し、十分に分散したところでバインダー及びその他の添加剤を配合して得られる。
前述に従って調製した記録材料用組成物は、ブレードコーター、エアナイフコーター、カーテンコーター、マイヤーバーコーター、グラビアコーター、ロールコーターなどの塗布方式で無サイズ紙、再生紙、キャストコート紙、写真用印画紙、合成紙、不織布、ポリエステル、塩化ビニル等のプラスチックフィルム等の支持体上に塗布量が3〜25g/m2(乾燥固形分)となるように塗布、乾燥して白色顔料層を設け、続いてスーパーカレンダー、ソフトカレンダーなどの平滑化装置で処理し、記録シートを製造することができる。
以下、配合例、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、例中の部及び%は、それぞれ重量部と重量%を示す。
[水溶性界面活性剤組成物]
[配合例1]
50℃に加温した2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール(エアプロダクツ社製、商品名サーフィノール104)55部を攪拌機付容器に投入後、攪拌しながらポリオキシアルキレンアルキルエーテル(第一工業製薬社製、商品名ノイゲンET−116B、HLB12.0)45部を徐々に投入混合し、2時間連続攪拌後、室温まで冷却した。
冷却後、200メッシュ濾布にて濾過し、水溶性界面活性剤組成物(以下、これをM−1という)を得た。
更に、組成物M−1の0.1部をイオン交換水100部に加え、マグネチックスタラーにて攪拌し、0.1%水溶液とし、これを用いて水溶液の外観、接触角、動的表面張力、静的表面張力を測定した。その結果を表2に示す。
なお、各特性の測定は下記のようにして行った。
[界面活性剤組成物水溶液の評価]
(1)水溶液の外観
上記水溶液の外観及び不溶解物の有無の確認を行った。
○ :水溶液が透明で、不溶解物が認められない。
△ :水溶液が白濁しているが、不溶解物は認められない。
× :一部不溶解物が認められる。
××:殆ど溶解せず。
(2)接触角
界面活性剤組成物の0.1%水溶液を、協和界面科学社製接触角計CA−D型を用いて、滴下30秒後の接触角を測定した。
(3)動的表面張力
KRUSS社製バブルプレッシャー型動的表面張力計クルスBP−2を用いて、界面活性剤組成物の0.1%水溶液の1Hz及び10Hzの動的表面張力を測定した。
(4)静的表面張力
界面活性剤組成物の0.1%水溶液を、協和界面科学社製表面張力計ESB−V型を用いて、静的な表面張力を測定した。
[配合例2〜11]
配合例1と同様にして表1に示される成分(A)、(B)、(D)の種類及び配合量(部)で攪拌混合し界面活性剤組成物(M−2〜M−11)を得た。なお、配合例1については、成分(A)、(B)、(D)の配合量を部で再記した。
配合例1と同様にして0.1%水溶液を作り、同様にして水溶液の評価を行って、その結果を表2に示した。
Figure 2007137068
[成分(A)]
S−82:サーフィノール82(エアプロダクツ社製商品名、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール)
S−104:サーフィノール104(エアプロダクツ社製商品名、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール)
S−440:サーフィノール440(エアプロダクツ社製商品名、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのエトキシル化体、エチレンオキサイド付加モル数3.5)
S−465:サーフィノール465(エアプロダクツ社製商品名、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのエトキシル化体、エチレンオキサイド付加モル数10)
DF−110:サーフィノールDF−110(エアプロダクツ社製商品名、2,5,8,11−テトラメチル−6−ドデシン−5,8−ジオール)
[成分(B)]
NP−1:ノイゲンET−116B(第一工業製薬社製商品名、RO(C24O)W(C36O)xH、R:炭素数12、14のアルキル、w=7、x=4.5、HLB12.0)
NP−2:ノイゲンDL−0415(第一工業製薬社製商品名、RO(C24O)W(C36O)x(C24O)y(C36O)zH、R:炭素数12、13のアルキル、w+y=15、x+z=4、HLB15.0)
NP−3:ノイゲンET−106A(第一工業製薬社製商品名、RO(C24O)w(C36O)xH、R:炭素数12、14のアルキル、w=5、x=3.5、HLB10.9)
NP−4:エマルゲン1108(花王社製商品名、RO(C24O)wH、R:炭素数11のアルキル、w=8、HLB13.4)
NP−5:ノイゲンDH−0300(第一工業製薬社製商品名、RO(C24O)wH、R:炭素数14のアルキル、w=2、HLB4.0)
NP−6:ノイゲンYX−400(第一工業製薬社製商品名、RO(C24O)wH、R:炭素数12のアルキル、w=40、HLB18.1)
NP−7:ノイゲンEA−160(第一工業製薬社製商品名、C91964O(C24O)wH、w=16.8、HLB15.4)
Figure 2007137068
市販品:ダプロW−77(エレメンティス・ジャパン社製商品名、サクシネート系界面活性剤)
[実施例1]
界面活性剤組成物M−1 1部をイオン交換水739部に添加し、ディスパーにて攪拌しながら溶解した。引き続き、微粉末シリカ(水澤化学社製、平均粒子径4.5μm)100部を攪拌しながら徐々に添加し、約30分間攪拌した後、バインダー(ビニブラン2650、日信化学社製商品名、固形分濃度40%)100部を配合し、更に30分間攪拌して、記録材料用組成物とし、分散性を確認した。
この組成物をマイヤーバーで塗布量が5g/m2(乾燥重量固形分)となるように無サイズ紙に塗布、乾燥し、続いてスーパーカレンダーを通して記録シートを形成し試験片とした。得られた試験片について印字濃度、ドット径、印字画像の解像度、インク吸収性を測定し、その結果を表3に示した。
各特性の測定は、下記のようにして行った。
(1)分散性
記録材料用組成物を6ミルのドクターナイフで塗布し、凝集物の有無を目視にて確認した。
○:凝集物が殆ど認められない。
△:一部凝集物が認められる。
×:凝集物があり、分散時に粘度がアップする。
(2)印字濃度
キャノンプリンターBJC455Jで黒インキを用いて印字したドットに関し、サクラマイクロデンシトメーターPDM−5型(サクラ製機社製)でドットの濃度を測定した。
(3)ドット径
キャノンプリンターBJC455Jで黒インキを用いて印字し、100倍に拡大しドット径を測定した。
(4)印字画像の解像度
キャノンプリンターBJC455Jでブラック、マゼンタ、シアン、イエローをベタ印刷し、マクベス濃度計RD−918型(マクベス社製)で測定した。
○:白色部分の汚れのないもの
△:微かに汚れるもの
×:汚れがひどいもの
(5)インク吸収性
キャノンプリンターBJC445Jでマゼンタとイエローをベタ重ね印刷した記録物を室温下で放置し、記録部を指で触れてもインクが指に付着しなくなるまでの時間を測定し判定した。
〇:10秒未満
×:10秒以上
[実施例2〜5、比較例1〜7]
実施例1と同様にして表3に示される配合物の種類及び配合量(部)で攪拌混合し、記録材料用組成物及び記録シートを得た。なお、実施例1については、配合量を再記した。
実施例1と同様にして記録材料用組成物の分散性及び記録シートの評価を行って、その結果を表3に示した。
Figure 2007137068
白色顔料A:サイリシア350(富士シリシア化学社製商品名、平均粒子径4.5μm)
白色顔料B:サイリシア470(富士シリシア化学社製商品名、平均粒子径12.0μm)
白色顔料C:ミズソーブS−0(水澤化学社製商品名、平均粒子径25.0μm)
白色顔料D:アエロジル200(日本アエロジル社製商品名、平均粒子径0.016μm)
バインダー1:10%PVA−117(クラレ社製商品名、ポリビニルアルコール、ケン化度98〜99%、重合度1700)
バインダー2:ビニブラン2650(日信化学社製商品名、アクリル系エマルジョン、固形分濃度40%)

Claims (3)

  1. (A)下記式(1)
    Figure 2007137068
    (式中、R1及びR2は炭素数1〜5のアルキル基を示す。)
    で表されるアセチレングリコール及び下記式(2)
    Figure 2007137068
    (式中、R1及びR2は炭素数1〜5のアルキル基を示し、m及びnは、それぞれ0.5〜25の正数であり、m+nは、1〜40である。)
    で表されるアセチレングリコールのエトキシル化体から選ばれる1種又は2種以上
    30〜80重量%
    (B)下記式(3)
    3O(C24O)w(C36O)x(C24O)y(C36O)zH (3)
    (式中、R3は炭素数1〜20のアルキル基、wは1〜20の正数、x、y、zは0又は1〜20の正数であるが、w+x+y+z=5〜30である。)
    で表されるHLBが8〜18のポリオキシアルキレンアルキルエーテルの1種又は2種以上 20〜70重量%
    を含有し、その0.1重量%水溶液の滴下30秒後の接触角が40度以下、1Hz及び10Hz時の動的表面張力が50mN/m以下である水溶性界面活性剤組成物を、平均粒子径が1〜20μmの白色顔料100重量部に対して0.05〜15重量部添加したことを特徴とする記録材料用組成物。
  2. イオン交換水及び水溶性有機溶剤から選ばれる成分を組成物全体の5〜25重量%配合した請求項1記載の組成物。
  3. 請求項1又は2に記載したインクジェット記録用組成物を用いて製造したインクジェット記録シート。
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