JP2007135925A - 異物検出方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】生体内に存在するしこり、腫瘍、マーカ等の異物を非接触で検知することができ、コンパクトで安全かつ操作性に優れ腹腔鏡下手術又は胸腔鏡下手術に好適に使用することができる異物検出方法及び装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る異物検出方法は、被測定物に空気を吹き付けたときに被測定物表面に生ずる変位振動を測定する段階と、被測定物の各位置において測定された変位振動に基づいて位相差を求める段階と、該位相差の程度により異物の有無を判別する段階と、からなる。また、異物検出装置は、被測定物に空気を吹き付ける加圧手段と、その吹き付けられる空気の圧力を検知する圧力計と、吹き付けられた空気により被測定物表面に生ずる変位振動を検知する変位計と、該変位計からの信号と前記圧力計からの信号に基づいて位相差を算出する演算手段と、該演算手段からの信号を出力する表示手段と、を有してなる。
【選択図】図1

Description

被測定物の内部に異物が存在するか否かを検知する異物検出装置に係り、特に生体内に存在するしこり、腫瘍、マーカ等の異物を非接触で検知するのに好適な異物検出方法及び装置に関する。
外科手術において体を大きく切り開く従来の開腹手術は、患者の負担が大きく回復が遅れること等の問題があるために、低侵襲の手術方法が導入され、例えば、腹腔鏡下手術や胸腔鏡下手術が次第に増加している。腹腔鏡下手術又は胸腔鏡下手術は、腹部や胸部に小さな穴を複数個開け、その穴から鉗子やカメラを入れて手術を行うものであり、迅速な手術を行うために、手術すべきしこり又は腫瘍、予め挿入されたマーカ等の位置を素早く特定することが求められている。
ところで、生体内に存在するしこりや腫瘍を検知する方法又は装置として、例えば特許文献1に、超音波振動子を生体に接触させその生体からの共振特性を検知することによりしこりや腫瘍の存在を検知することができる触覚センサが開示されている。また、特許文献2に、空気を噴射することができるノズルと、所定のパターンフィルタを通したラインレーザ光を投射するとともに反射光を受光する内視鏡と、該反射光を受光して視覚化する観察手段とからなる表面硬さ分布測定装置が提案されている。
特許文献3に、生体に接触させた振動子と、その生体からの反射波を検出する振動検出センサと、振動子への入力波形と振動検出センサからの出力波形との間に位相差を生じるときは、位相差がゼロにシフトさせる位相シフト回路とを有する生体のしこり検査装置が開示されている。また、特許文献4に、血管内に挿入されたセンサ部から、超音波等の振動を腫瘍等の患部である被測定部に向けて放射し、被測定部から反射してきた反射振動をセンサ部で受波し、信号処理部において、放射振動と反射振動の位相の変化に基づき、被測定部の硬さを測定する硬さ計測用カテーテルセンサが開示されている。
特開2005-111280号公報 特開2005-91265号公報 特開2004-283547号公報 特開2004-261233号公報
しかしながらこのような従来の方法又は装置にあっては、非接触でしこり、腫瘍又はマーカ等の存在を迅速に検知し腹腔鏡下手術や胸腔鏡下手術を支援できるような好適なものがない。例えば、特許文献1又は4に開示された超音波を利用するものにあっては非接触でしこり等を検知することはできるが、検知装置としこり等の間に空気が存在する場合は検知感度が低下し、胸腔鏡下手術においては利用することができないという問題がある。
また、特許文献3又は4に開示された装置は非接触で異物を検知することができず、特許文献1、2又は3に開示された装置は、大がかりで腹部や胸部に開けた小さな穴から出し入れできるようなコンパクトな装置を構成することが困難であるという問題がある。
本発明は、このような従来の問題点に鑑み、生体内に存在するしこり、腫瘍、マーカ等の異物を非接触で検知することができ、コンパクトで安全かつ操作性に優れ腹腔鏡下手術又は胸腔鏡下手術に好適に使用することができる異物検出方法及び装置を提供することを目的とする。
本発明に係る異物検出方法は、被測定物に空気を吹き付けたときに被測定物表面に生ずる変位振動を測定する段階と、被測定物の各位置において測定された変位振動に基づいて位相差を求める段階と、該位相差の程度により異物の有無を判別する段階と、からなる。
本発明に係る異物検出装置は、被測定物に空気を吹き付ける加圧手段と、その吹き付けられる空気の圧力を検知する圧力計と、吹き付けられた空気により被測定物表面に生ずる変位振動を検知する変位計と、該変位計からの信号と前記圧力計からの信号に基づいて位相差を算出する演算手段と、該演算手段からの信号を出力する表示手段と、を有してなる。
また、本発明に係る異物検出装置は、被測定物に空気を吹き付ける加圧手段と、吹き付けられた空気により被測定物表面に生ずる変位振動を検知する複数の変位計群と、該変位計群からの信号に基づいて位相差を算出する演算手段と、該演算手段からの信号を出力する表示手段と、を有してなる。
さらに、本発明に係る異物検出装置は、被測定物に空気を吹き付ける加圧手段と、吹き付けられた空気により被測定物表面に生ずる変位振動を検知する変位計と、該変位計からの信号を保存する記録手段と、該記録手段により記録された被測定物表面に生じた異なる位置の変位振動に基づいて位相差を算出する演算手段と、該演算手段からの信号を出力する表示手段と、を有してなる。
上記発明において、変位計は、光ファイバセンサからなるものであるのがよい。また、表示手段は、演算手段からの信号をリサージュ図形として表示することができるものであるのがよく、スピーカであってもよい。さらに、表示手段は、演算手段からの信号と内視鏡カメラからの映像を重ねて表示することができるものであるのがよい。
加圧手段は、コンプレッサ、空気タンク、レギュレータ、電磁弁、ノズル及び制御装置を有してなるものとすることができる。
本発明に係る異物検出方法及び装置は、生体内に存在するしこり、腫瘍、マーカ等の異物を非接触で検知することができ、被測定物への損傷が防止され安全であり、コンパクトで操作性に優れ腹腔鏡下手術又は胸腔鏡下手術に好適に使用することができる。
本発明に係る異物検出方法の実施の形態について図面を基に説明する。図1は、本発明に係る異物検出方法の説明図である。生体等の被測定物50の内部に存在する異物55を検出する場合を例に説明する。本異物検出方法は、先ず、被測定物に空気を瞬間的に吹き付け、そのときに被測定物表面に生ずる変位振動を測定する。すなわち、図1(a)〜(c)に示すように、被測定物50に空気を吹き付け、そのときに被測定物表面に生ずる変位振動を測定する。空気は走査ヘッド10のノズル13を通して被測定物50に吹き付けられる。そのとき被測定物50の表面に生ずる変位振動は、変位計15(15A、15B)により測定される。このような測定は図1に示すように複数箇所で行われる。
つぎに、変位計15A、15Bにより測定された被測定物50の各位置における変位振動に基づいて位相差を求める。この位相差の求め方は、以下に説明するように種々の求め方がある。そしてこの位相差は、被測定物に生ずる変位振動を測定した瞬間ごとに求めるものであってもよく、被測定物の各部位に生ずる変位振動を記録し、その記録データから位相差を求めるものであってもよい。さらに、被測定物50の位置情報と合わせて被測定物の各部位に生ずる変位振動を記録し、その記録データから位相差を求めるものであってもよい。
この位相差法によれば、被測定物に一定の周波数及び振幅を有する均一な強制振動を与え、被測定物の任意の箇所で一定距離の二点間の位相差を測定したとき、その位相差が同等であればその区間の硬度や形状的特性は同等であると予想される。一方、位相差が異なるほどその区間には異なる硬度の物、突出部あるいは陥没部等の異常部分の存在を予想することができる。さらに、測定区間における色彩の相違、勾配の相違等による影響は無視することができるという特徴を有する。本発明は、このような位相差法によって異物の有無を判別する方法であることに特徴がある。
図1において、ノズル13から非測定物50に均一な圧力波形を有する空気を吹き付けたとき、図1の各位置において変位計15A、15Bにより測定された変位振動の位相が、αA1、αA2・・αAn、αB1、αB2・・αBnである場合に、位相差は、(αA1B1)、(αA2B2)・・・(αAnBn)であると求めることができる。また、位相差は、(αA2A1)・・・(αAnA1)であると、あるいは、特定の振動波形の位相αを基準として、(αA1-α)、(αA2-α)、(αAn-α)であると求めることができる。特定の振動波形として、例えば、吹き付ける空気の圧力波形を基準とすることができる。
つぎに、このようにして得られた位相差の程度により異物の有無を判別する。例えば、図1(a)〜(c)の各位置で測定された変位振動の位相差から被測定物50の内部に存する異物55の有無を判別することができる。すなわち、図1(a)〜(b)の位置で測定された変位振動から求められる位相差は同等になる。しかし、図1(c)の位置で測定された変位振動から求められる位相差は図1(a)〜(b)の場合と異なる。図1(c)の場合のように位相差が異なる部分は被測定物50の限られたある範囲であり、他の多くの部分は位相差が同等である。このため、異物55の存在を容易に検知することができる。
以下に、本異物検出方法について詳細に説明する。図2は、被測定物50の内部に異物55が存在する被測定物50の表面を走査ヘッド10を走査し、被測定物50の表面の変位振動を測定する場合を示す。被測定物50の表面にノズル13から空気を吹き付け、そのとき生ずる被測定物50の変位振動を変位計15A、15Bにより測定する。吹き付ける空気により被測定物50に印加される力(圧力)は圧力計26により測定する。51aは被測定物50の通常時の表面状態であり、51bは空気が吹き付けられたときの被測定物50の表面状態を示す。なお、図2に示すSZ系座標をとり、変位計はS1、S2の位置に配設されているものとする。
吹き付けられる空気の圧力波形の周波数をfとすると、被測定物50に印加される力u(t)と、変位計により測定される変位z(s,t)及び位相α(s,f,v)は、一般に式(1)〜(3)のように表される。
u(t)=A1sin(2πft)+A2 (1)
z(s,t)=B1(x)sin(2πft+α(s,f,v))+B2(x) (2)
α(s,f,v)=2πfs/v (3)
ここで、A1は印加した力の振幅、A2は印加した力の直流成分、B1は変位計15により測定された応答の振幅、B2は変位計15により測定された応答の直流成分、vは印加した点から伝播した波の速度、xは環境変数である。
ここで被測定物50に印加される力u(t)を基準にすると、各測定位置における位相差は式(3)のα(s,f,v)より求めることができる。式(3)から分かるように、位相差は、吹き付けられた空気の圧力波形の周波数fと、変位計15のノズル中心からの距離sに比例することが分かる。すなわち、測定感度は、周波数f又は距離sが大きいほど高くなる。この場合sはできるだけ小さい方が走査ヘッド10をコンパクトにできるので、測定感度は、周波数fにより調整するのが好ましい。
位相差は、上述のように、変位計15A、15Bの応答z(s,t)から求めるものであってもよい。この場合、変位計15A、15Bの応答の位相差は式(2)を用いてα(s1,f,v1)−α(s2,f,v2)より求めることができる。実際に位相差を求めた例を図3及び4に示す。図3において、図3(a)は、吹き付けた空気により被測定物50に印加される力u(t)を示し、横軸は測定開始からの時間を示し、縦軸は圧力計26により測定された圧力を示す。図3(b)は、図3(a)に示す空気を吹き付けたときの変位計15A、15Bの応答z(s1,t)、z(s2,t)を示し、横軸は測定開始からの時間を示し、縦軸は変位計変位計15A、15Bの出力電圧を示す。また、図3において、図の左端に示すグラフは、測定開始からの時間4.0〜4.1秒間の拡大図である。
図3(a)によると、吹き付けられる空気の印加圧力はほぼ一定であり、被測定物50に周波数と振幅が一定の均一な強制振動が印加されていることが分かる。また、測定開始後ほぼ4秒のとき、異物55の上面に空気が吹き付けられたのであるが、図3(b)によると、測定時間4〜5秒の位置で、特にz(s1,t)の波形に乱れが見られることが分かる。この測定位置での位相差をフーリエ変換により調べた結果を図4に示す。図4において、横軸は吹き付けられた空気の圧力波形の周波数を示し、縦軸は位相差を示す。図4において、●印で示すパラメータは、異物55の上面に空気が吹き付けられたときの位相差を示し、□印で示すパラメータは、異物55のない基地部分に空気が吹き付けられたときの位相差を示す。
図4によると、25Hz以上で位相差αが周波数fに比例し、周波数fが高くなるほど位相差αが大きくなっており、上記式(3)を満たされていることが分かる。しかし、周波数fが20Hz以下は上記式(3)が満たされてはおらず、周波数fが50Hz以上では、比較的データがばらついていることが分かる。これは、周波数の低いときは吹き付ける空気の開閉を行う電磁弁による影響が現れているためであり、周波数の高いときは振幅が小さくなるためにS/N比が悪くなるためである。
したがって、位相差を高感度で測定するには、被測定物の性状に合わせた周波数を選択する必要があるが、一般には被測定物の共振周波数の近辺で測定するのが好ましい。一方、被測定物に損傷を与えない範囲で位相差を測定する必要がある。このため、吹き付ける空気の圧力波形の振動数は200Hz以下で使用するのがよく、例えば被測定物が肺である場合は、吹き付ける空気の圧力は0.15MPa以下、周波数は40〜90Hz、好ましくは40〜50Hzの周波数であるのがよい。なお、走査ヘッド10自体の共振周波数近辺の周波数を使用するのは感度低下の原因になる。
以上本発明に係る異物検出方法について説明した。本異物検出方法は、腹腔鏡下手術又は胸腔鏡下手術において、図5に示す異物検出装置により効果的に実施することができる。図5(a)は本異物検出装置全体の模式図であり、図5(b)は本異物検出装置の走査ヘッド10部分の拡大図である。図5に示すように、本異物検出装置は、被測定物50に空気を吹き付ける加圧手段20と、その吹き付けられる空気の圧力を検知する圧力計26と、吹き付けられた空気により被測定物50の表面に生ずる変位振動を検知する変位計15と、変位計15からの信号を保存する記録手段33と、記録手段33により記録された被測定物表面に生じた異なる位置の変位振動に基づいて位相差を算出する演算手段35と、演算手段35からの信号を出力する表示手段38と、を有している。変位計15と空気を吹き付けるノズル13は一体になり走査ヘッド10が構成されている。
変位計15は、本発明においては光ファイバセンサを用いる。光ファイバセンサは公知のものを用いることができる。これにより腹腔鏡下手術又は胸腔鏡下手術において、腹部や胸部に開けた小さな穴から出し入れすることができるコンパクトで安価な走査ヘッド10を構成することができる。
光ファイバセンサは、コンパクトな変位計を構成することができるのであるが、以下に説明するように、被測定物の色彩や形状によってその出力が変動するため、通常は生体内の臓器等の変形状態を測定する変位計としては用いられないものである。しかしながら、本発明においては、被測定物50に空気を吹きつけたときに生ずる被測定物50の表面の変位自体を測定するのではなく、被測定物50の表面に生ずる変位振動の位相差を測定するものであるからこのような問題は生じない。このため、コンパクトな走査ヘッド10を構成することができる光ファイバセンサを使用することができる。
図6に、被測定物50の色彩を種々に変えたときの光ファイバセンサからなる変位計15の出力電圧Vと、変位計15と被測定物50との距離dとの関係を示すグラフを示す。図7に、光変位計15が正対する被測定物50の表面の傾斜角を変えたときの変位計15の出力電圧Vと、変位計15と被測定物50との距離dとの関係を示すグラフを示す。図6及び7によると、変位計15の出力電圧は、色彩及び被測定物50の表面の傾斜角によって影響を受け、特に実際に使用される被測定物50からの距離dが10mm以下において影響が大きいことが分かる。
変位計15は、図5(b)に示すように、ノズル13の中心から同心円上に複数配設することが好ましいが、図8に示すように、変位計15を1本配設した場合(図8(a))、あるいはノズル13の片方に複数本の変位計15を配設した場合(図8(b))等種々に配設することができる。感度良くコンパクトな走査ヘッド10を構成するためには、2〜4本の変位計15が図5(b)のようにノズル13の中心から同心円上に等間隔に配設されるようにするのがよい。このような複数の変位計によって変位計群が構成される。
圧力計26は、公知のものを使用することができるが、応答性の早いものがよい。圧力計26による気圧の測定は、ノズル13の先端部分で測定するのが時間遅れの無い応答が得られるので好ましい。なお、位相差を変位計の出力電圧のみから求める場合は、圧力計26を用いないこともできる。
変位計15からの信号を保存する記録手段33は、以下に説明する電磁弁25の制御装置37、圧力計15からの信号の位相差を算出する演算手段35及び演算手段35からの信号を表示する表示手段38を含めて公知のコンピュータを使用することができる。本記録手段33を設けることによって、圧力計15からの信号を記録し必要に応じて演算手段35をへて表示手段38により位相差を表示することができるのでよい。特に圧力計15からの信号を圧力計15(走査ヘッド10)の位置信号と合わせて記録できるようにするとよい。位置信号は、例えば、位置センサを走査ヘッド10に付設することにより得ることができる。なお、本発明においては、記録手段33を設けないで、変位計15からの信号を演算手段35をへて表示手段38により直接表示できるようにするものであってもよい。
被測定物に空気を吹き付ける加圧手段20は、図5(a)に示すように、コンプレッサ21、空気タンク22、レギュレータ23、電磁弁25、ノズル13及び制御装置36を有し、所定(圧力振幅、周波数)の圧縮空気を瞬間的に噴出することができるようになっている。上記の各機器は配管27で連通されており、電磁弁25は制御装置37により制御することができるようになっている。吹き付ける空気の圧力はレギュレータにより調整される。コンプレッサ21で生成された圧縮空気は空気タンク22に蓄積されて被測定物50に吹き付けられる空気の圧力変動が抑制されるようになっている。
電磁弁25は応答性のよいものがよい。また、吹き付ける空気の圧力波形の周波数を調整できるものがよい。例えば、生体内の異物検出に用いる場合は圧力波形の周波数が200Hz以下で調整することができるものがよい。
変位計15によりえられた振動変位は、演算手段35により位相差が求められその結果は表示手段38により表示される。本発明においては、被測定物50の中に存在する異物55の有無を判別しやすくするために、例えば、リサージュ図形を用いる。
上記式(3)より、変位計15により測定される応答z(s,t)にフィルタをかけてその直流成分を取り除くと、変位計15A、15Bの応答z(s,t)はそれぞれ式(4)、(5)のように表される。
z(s1,t)=B1(x1)sin(2πft+α(s1,f,v1)) (4)
z(s2,t)=B1(x2)sin(2πft+α(s2,f,v2)) (5)
これを1周期分のデータを使用して正規化すると、それぞれ、
Z(s1,t)=sin(2πft+α(s1,f,v1)) (6)
Z(s2,t)=sin(2πft+α(s2,f,v2)) (7)
と表される。
図2の場合と同様に変位計15A、15Bの応答z(s,t)を求め、式(6)、(7)のZ(s1,t)を横軸に、Z(s2,t)を縦軸にとってリサージュ図形を描かせると図9のようになる。図9(a)は、被測定物50の表面が白色の場合、図9(b)は、被測定物50の表面が赤と黒のまだら模様に着色されている場合を示す。図中の数字は、測定開始後の時間を示す。
図9によると、走査ヘッド10が基地部分を走査しているときの図形(1.5〜2.0s、7.0〜7.5s)は円に近い形状をしているのに対し、走査ヘッド10が異物55の上面にきたとき(4.5〜5.0s、5.0〜5.5s)の図形は細長い楕円形をしていることが分かる。また、このような状態は被測定物50の色彩に関係ないことが分かる。
すなわち、位相差をリサージュ図形を用いて視覚化すると、被測定物50に異物が存在しないときは位相差(α(s1,f,v1)-α(s2,f,v2))がゼロとなり、リサージュ図形は直線となる。このような状態のときは、印加する圧力波形の周波数fや変位計間の距離s(例えば図1、2に示す変位計15Aと15B間の距離)を変化させても位相差はゼロのままでリサージュ図形は直線のままである。しかしながら、走査ヘッド10を走査して、異物55にさしかかったときには位相差が生じる。このとき、(α(s1,f,v1)-α(s2,f,v2))がゼロでなくなるためリサージュ図形は楕円になる。このようなとき、周波数fを調整することにより位相差の測定感度は調整することができる。周波数fを高く設定すればするほど測定感度を高くすることができる。したがって、これにより位相感度のアンプゲイン調節を行うことができる。
また、このような位相差の相違は、内視鏡による表示画面に重ねて表示すると異物の存在及び位置を特定しやすくなる。例えば、図10に示すように表示すると効果的である。図10(a)は内視鏡による画面にリサージュ図形を合わせて表示した場合、図10(b)は内視鏡による画面に位置情報とともに表示した位相差分布図を重ねて表示した場合、図10(c)は内視鏡による画面に位相差を段階ごとに色分け表示した図を合わせて表示した場合、図10(d)は内視鏡による画面に所定の位相差を検知した場合に音を発するようにした場合を示す。
図11に示す異物検出装置を用いて異物検出試験を行った。本異物検出装置の構成は図5の場合と同じである。測定は走査ヘッド10を固定し、被測定物50をスライドさせて被測定物50の表面を走査することにより行った。変位計15の先端と被測定物50との距離は5mmであった。ノズル13の外径は8mmで内径は3mm、光ファイバセンサからなる変位計15の外径は1.5mmでその取り付け位置はノズル13の中心から6mmであった。被測定物50は、長さ×奥行き×高さが150×60×40mm(板厚1mm)の箱体の中にゴム硬度3以下のシリコンを詰め、その上面から10mmの位置に外径が10mm、ゴム高度97以上のプラスチック球を埋め込んだものである。タンク22の容量は10lであった。スライダーの移動速度は10mm/sであった。電磁弁25の公称周波数は1kHzであった。
図12〜14に試験結果を示す。図12は、ノズル13と圧力計26との間の距離d及び圧力計の位置sを種々に変化させたときの測定圧力Pの変化状態を示す。横軸は位置s、縦軸は測定圧力Pを示す。図13(a)は被測定物50に吹き付ける空気の圧力を圧力計26により測定した結果である。横軸は測定開始からの時間を示し、縦軸は圧力計26により測定された圧力を示す。図13(b)は、図13(a)に示す空気が吹き付けられたときの変位計15A、15Bの応答z(s1,t)、z(s2,t)を示し、横軸は測定開始からの時間を示し、縦軸は変位計15A、15Bの出力電圧を示す。また、図13(b)において、図の左端に示すグラフは、測定開始からの時間4.0〜4.1秒間の拡大図である。
図14は、図13(b)の結果から求めたリサージュ図形を示す。横軸は、正規化された変位計15Aの出力応答Z1(Z(s1,t))を示し、縦軸は正規化された変位計15Bの出力応答Z2(Z(s2,t))を示す。図14(a)は被測定物50がシリコン基地のままの場合、図14(b)はそのシリコンの表面に赤及び黒のまだら模様を付した場合である。
図12によると、ノズル13と圧力計26との間の距離d及び圧力計の位置sを種々に変化させたとき、得られた圧力分布曲線がほぼ一定であることが分かる。したがって、この走査ヘッド10を実際に生体内で使用する場合にも高い精度で被測定物50に均一な強制振動を印加することができることがわかる。また、図13(a)によると吹き付ける空気の圧力波形は一定で安定していることが分かる。この圧力波形の周波数は50HZで、圧力振幅は0.15Mpであった。図13(b)によると、測定開始後ほぼ4秒のとき、異物55の上面に空気が吹き付けられたのであるが、測定時間3.5〜4.5秒の位置で、z(s1,t)及びz(s2,t)の波形に乱れが観察される。
図14によると図13(b)において圧力波形に乱れが観察されたとき、リサージュ図形は基地部分のリサージュ図形と異なる形状が観察される。また、図14(a)、(b)を比較すると同様なリサージュ図形が観察され、リサージュ図形の変化状態は、被測定物50の色彩に関係ないことが分かる。すなわち、リサージュ図形の変化状態を観察することにより被測定物50の内部に異物55が存在するか否かを容易に検出することができる。
摘出したヒトの肺を用いて実施例1と同様な異物検出試験を行った。試験装置の構成は走査ヘッド10を図2に示す形態のものを用いた以外は実施例1と同様である。走査ヘッド10を構成するノズル13及び変位計15は実施例1と同じものを用い、図2におけるS1、S2の寸法はそれぞれ6mm、5mmであった。
図15に、肺の硬い気管支部分と柔らかい生地部分を走査したとき、吹きかける空気の圧力波形の周波数と変位計15により測定された位相差の関係を示す。図15において、横軸は周波数、縦軸は位相差、○印は気管支部分を走査したときの位相差、+印は基地部分を走査したときを示す。
図15によると、周波数が20Hz以上で気管支部分と基地部分の位相差が明確に異なり、肺の内部に異物が存在する場合はこれを検知することができることが分かる。また、周波数が25〜50Hzでこのような現象が明瞭に観察されることが分かる。
本発明に係る異物検出方法の説明図である。 異物検出方法の詳細説明図である 被測定物に吹き付ける空気の圧力波形図と、そのときに変位計により測定される出力電圧波形図である。 図4の変位計の出力電圧より求められる位相差を示すグラフである。 本発明に係る異物検出装置の一例を示す構成図である。 光ファイバセンサからなる変位計の被測定物からの距離と出力電圧の関係を示すグラフである。 図7の変位計の被測定物表面の勾配と出力電圧の関係を示すグラフである。 変位計の種々の配設例を示す模式図である。 変位計により測定された変位振動から求められた位相差をリサージュ図形に表したグラフである。 位相差を表示手段により表示する種々の例を示す説明図である。 実施例の異物検出装置の構成を示す説明図である。 ノズルと被測定物との位置関係による空気圧分布を示すグラフである。 測定された被測定物に吹き付ける空気の圧力波形図と、そのときに変位計により測定される出力電圧波形図である。 上記の結果から求めた位相差をリサージュ図形に表したグラフである。 実施例2の試験により求められた位相差を圧力波形の周波数との関係で表したグラフである
符号の説明
10 走査ヘッド
13 ノズル
15、15A、15B 変位計
20 加圧手段
21 コンプレッサ
22 空気タンク
23 レギュレータ
25 電磁弁
26 圧力計
27 配管
33 記録手段
35 演算手段
37 制御手段
38 表示手段
50 被測定物
55 異物

Claims (9)

  1. 被測定物に空気を吹き付けたときに被測定物表面に生ずる変位振動を測定する段階と、被測定物の各位置において測定された変位振動に基づいて位相差を求める段階と、該位相差の程度により異物の有無を判別する段階と、からなる異物検出方法。
  2. 被測定物に空気を吹き付ける加圧手段と、その吹き付けられる空気の圧力を検知する圧力計と、吹き付けられた空気により被測定物表面に生ずる変位振動を検知する変位計と、該変位計からの信号と前記圧力計からの信号に基づいて位相差を算出する演算手段と、該演算手段からの信号を出力する表示手段と、を有する異物検出装置。
  3. 被測定物に空気を吹き付ける加圧手段と、吹き付けられた空気により被測定物表面に生ずる変位振動を検知する複数の変位計群と、該変位計群からの信号に基づいて位相差を算出する演算手段と、該演算手段からの信号を出力する表示手段と、を有する異物検出装置。
  4. 被測定物に空気を吹き付ける加圧手段と、吹き付けられた空気により被測定物表面に生ずる変位振動を検知する変位計と、該変位計からの信号を保存する記録手段と、該記録手段により記録された被測定物表面に生じた異なる位置の変位振動に基づいて位相差を算出する演算手段と、該演算手段からの信号を出力する表示手段と、を有する異物検出装置。
  5. 変位計は、光ファイバセンサからなるものであることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の異物検出装置。
  6. 表示手段は、演算手段からの信号をリサージュ図形として表示することができるものであることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の異物検出装置。
  7. 表示手段は、スピーカであることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の異物検出装置。
  8. 表示手段は、演算手段からの信号と内視鏡カメラからの映像を重ねて表示することができるものであることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の異物検出装置。
  9. 加圧手段は、コンプレッサ、空気タンク、レギュレータ、電磁弁、ノズル及び制御装置を有してなるものであることを特徴とする請求項2〜8のいずれかに記載の異物検出装置。
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