JP2007135813A - 消臭用品 - Google Patents

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Abstract

【課題】自然光のない暗所などでも幅広く使用でき、かつ、簡単な構成で効率よく消臭することができ、小型軽量でローコストな消臭製品を提供する。
【解決手段】消臭用品10の筺体11内には、板状の消臭体20と、ファン17、発光ダイオード14とを備えている。ファン17は、消臭体20と平行に、吸気口12から取り入れた空気を吹き付ける。
【選択図】図2

Description

本発明は、光触媒による酸化、分解作用を利用して、悪臭物質を含む空気を消臭するための消臭用品に関する。
近年、衛生意識の高まりや気密性の高い住宅の普及によって、消費者の悪臭に対する意識は高く、かつその悪臭に対する敏感さは、ますます大きくなる傾向にある。従来、一般に知られている消臭剤としては、活性炭などの吸着剤、あるいは植物抽出物などの化学消臭剤を用いたものが挙げられる。これらは、空気中に存在する悪臭物質の量と、吸着する吸着剤の細孔数や反応量とが平衡となるまでは消臭効果を示すものの、近年問題となっている微弱な悪臭、つまり悪臭成分分子の空間中濃度が低い場合には消臭効果を発揮しないという課題があった。
一方、芳香剤など各種香料によるマスキング作用を用いた消臭方法があるが、使用開始から時間が経つと香りが弱まって消臭効果が低くなるという課題があった。そして、こうした芳香剤などによる消臭方法では、香料や香料を溶解する溶媒などの化学物質が住居内等に拡散し、健康への影響が懸念されるなど課題がある。
こうした、吸着剤や化学消臭剤、あるいはマスキング作用による芳香剤などを用いた消臭方法の課題に対応するために、光触媒による悪臭成分の酸化分解反応を消臭用品に用いることが、近年行われるようになってきた。こうした光触媒は、光を照射すれば繰り返し酸化分解反応が可能なため、消臭効果の持続性を保てるというという優れた特徴がある。
光触媒による酸化分解反応には、一般に紫外線の照射が必要であり、自然光に含まれる紫外線を利用できる窓際や自動車内など、日中の自然光を取り入れられる場所に使用が限られてしまうという課題があった。このため、自然光を取り入れられない暗所や夜間などにも光触媒による消臭効果を発揮させる手段として、例えば、紫外線ランプやLEDなどの紫外線源を消臭用品に内蔵させ、消臭場所を限定せずに幅広く使用しようとする試みが図られている(特許文献1、2参照)。
特開2003−42489号公報 特開2003−254589号公報
紫外線源を内蔵させた形態で光触媒を反応させるには、紫外線源からの光を光触媒に効果的に照射することが重要である。その方策として、上述した特許文献1に記載の発明では、消臭効率を向上させるために、紫外線ランプに対向して光触媒フィルターを回転可能に設置している。しかしながら、こうした光触媒フィルターを回転させるためには、回転機構などが必要になり、消費電力の増大と構造の複雑化、大型化を招き、高価で大きなものとなってしまう。一方、特許文献2に記載の発明では、光源として複数のランプを用い、且つそれを順次点灯させるものであり、複数のランプを設置するための大きさと、それらランプの点滅制御のための制御回路が必要となり、やはり高価で大きなものとなってしまう。
また、光触媒は有機物を効果的に分解するが、ホコリなどに含まれる無機物は分解することができない。よって、空気中に漂っているホコリなどが表面に付着・堆積すると、分解効率が低下し、消臭効果が低減してしまうという課題があった。また、紫外線を発生する発光ダイオードは、点灯時間が長くなってくると、経時劣化によって発生する紫外線量が低下してしまうので、発光ダイオードが劣化すると光触媒などはまだ使用可能であっても、消臭用品全体を廃棄する必要があるなど、ランニングコストの面からも課題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、自然光のない暗所などでも幅広く使用でき、かつ、簡単な構成で効率よく消臭することができ、さらには構成部品の交換が容易で消臭効率を低下させることのない、小型軽量でローコストな消臭製品を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明によれば、光触媒を担持した消臭体と前記消臭体を保持する枠体とを有する消臭体カートリッジ、および、前記消臭体カートリッジを着脱可能に保持する消臭体ガイドと前記消臭体カートリッジに向けて紫外線を照射する発光ダイオードとを有する筺体、を備えたことを特徴とする消臭用品が提供される。
前記消臭体は、紫外線または化学物質に晒された時間に応じて色調が変化する色素によって着色されていればよい。前記消臭体カートリッジには、前記筺体に対する前記消臭体カートリッジの取付方向を規制する消臭体取付方向規制手段が更に形成されていればよい。
前記発光ダイオードは、発光面を露出させつつ保持する保持体に納められ、また、前記筐体には、前記発光ダイオードと保持体からなる光源カートリッジを着脱自在に保持する光源ガイドが形成されていればよい。前記光源カートリッジには、前記筺体に対する前記光源カートリッジの取付方向を規制する光源取付方向規制手段が更に形成されていればよい。
前記消臭体に向けて送風するファンをさらに備えていればよい。前記消臭体は板状に形成され、前記ファンは前記消臭体の前記光触媒が露出した面に対して0°〜45°の範囲内で送風された空気が当たるように配置されていればよい。前記光触媒は一次粒子径が0.001〜0.3μmの範囲内の光触媒微粒子であり、0.01〜70重量%の割合でアルミノ珪酸塩からなる粒子内に含有させた光触媒微粒子含有アルミノ珪酸塩粒子に担持されていればよい。前記発光ダイオードは、波長が360〜400nmの範囲の光を照射すればよい。
本発明の消臭用品によれば、光触媒微粒子含有アルミノ珪酸塩粒子による悪臭物質の吸着酸化、分解作用によって、悪臭成分が酸化、分解され、消臭される。そして、こうした光触媒微粒子含有アルミノ珪酸塩粒子は、発光ダイオードから照射される紫外光によって、常に悪臭物質の酸化、分解作用が維持され、悪臭物質を確実に酸化、分解させることができるように保たれる。
こうした発光ダイオードの点灯は、光触媒層の酸化、分解作用が維持される程度に制限して点灯されればよく、制御回路によって、点灯時間を制限したり、点滅させたりすることによって、光触媒層の酸化、分解作用を維持しつつ、電源の節約を図ることができる。
そして、本発明の消臭用品は、光触媒微粒子含有アルミノ珪酸塩粒子を含む消臭体と小型のファン、および発光ダイオードと乾電池などの電源から構成されるので、小型、軽量でローコストに製造することが可能であり、屋内のタンスやテーブルなどに、インテリア性を備えて配置し、室内の消臭を行うことが可能になる。
さらに、消臭体表面へのホコリなどの付着・堆積により、消臭効果が低下した場合には、消臭体をカートリッジに組み込んでいることから、容易に交換ができ、消臭効果を維持・回復することができる。
また、発光ダイオードの長期間使用により、照射される可視光あるいは紫外光が低減された場合には、発光ダイオードを枠体に組み込んだ発光ダイオードカートリッジにしていることから、容易に交換ができ、照射される可視光あるいは紫外光を維持・回復することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を交えて説明する。図1は、本発明の一実施形態である消臭用品の全体構成図である。また、図2は図1の側面断面図である。消臭用品10は、例えば、机上やタンスなどに設置して消臭を行う交流電源式の軽量でコンパクトな形状に形成される。消臭用品10は、外面が2分割可能な略直方体の筺体11に覆われる。この筺体11は、上筺体11aと下筺体11bとからなり、上筺体11aに形成された係合突起31と下筺体11bに形成された係合穴32によって、筺体11の略中央付近で係脱可能にされている。こうした筺体11は、例えば樹脂によって形成されていればよく、設置場所の雰囲気などに合わせて各種デザインを施したものを取替え可能な構成にしてもよい。
下筺体11bの側面には、外気を取り入れる吸気口12が形成される。また下筺体11bの側面には電源スイッチ33、パイロットランプ34が形成され、交流電源に接続するための電源コード35が取り付けられている。下筺体11bの内部には、制御ユニット36およびファン17が取り付けられている。ファン17やパイロットランプ34は制御ユニット36に電気的に接続される。
制御ユニット36は、電源コード35から取り入れた交流電源を降圧、直流にする電源装置や、後述する発光ダイオード14の発光時間や発光のタイミングを制御したり、ファン17を制御する制御回路などを備えていれば良い。なお、本実施形態では電源として電源コード35から取り入れた交流電源を用いているが、これ以外にも、例えば乾電池や外付けのACアダプターなど各種電源が用いられてもよい。
ファン17は、図2中の上方向Uに向けて吸気口12から取り入れた風を送風する。下筺体11bの上面には、ファン17による風を上筺体11aに向けて送り出すための開口36が形成されている。ファン17は、図示したプロペラ式ファン以外にも、シロッコファン(円筒形ファン)なども採用できる。
上筺体11aの底面は下筺体11bのファン17から送風された風を取り込む開口37とされ、また、上筺体11aの上面には排気口13が形成されている。そして、この上筺体11aの内部には消臭体カートリッジ38および光源カートリッジ39が配設されている。
図3に示すように、光源カートリッジ39は、発光ダイオード14と保持体42からなる。発光ダイオード14は、例えば波長が360〜400nmの紫外線波長域の光を照射する紫外線発光ダイオードが好ましく採用される。発光ダイオード14は、後述する消臭体20の前面全体に紫外光が照射されるように、消臭体20から適宜離して形成される。なお、発光ダイオード14の発光面には、紫外光の照射角度を調節するためのレンズ等が更に設けられていてもよい。なお、こうした発光ダイオード14は、上筺体11aに形成された係合突起31と下筺体11bに形成された係合穴32に電気接点を形成して、制御ユニット36から給電、制御されればよい。なお、保持体42は、発光ダイオード14を挟みとめることができ、かつ強度が保てるものであれば、その材質は限定されるものではない。例示するならば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合化合物(ABS樹脂)などの合成樹脂、木材、紙、金属などが挙げられる。なお、発光ダイオード14を挟み込む場合、保持体42に凹凸を設けてこれらを咬合させたり、釘や木ねじ、接着剤や粘着テープなどで固定してもよい。
保持体42には、係合溝43(光源取付方向規制手段)が形成される。この係合溝43は、上筺体11aに形成された係合突起44と嵌合し、上筺体11aに取り付けられる。こうした係合溝43と係合突起44によって、発光ダイオード14を含む光源カートリッジ39は交換可能とされる。また、こうした係合溝43と係合突起44は、光源カートリッジ39の脱着をスムーズに行えるようにするだけでなく、切り欠きやマークなどを設け、挿入方向を間違えた場合には、光源カートリッジ39が係合突起44差し込めないなどにより誤挿入を気づかせることができる。
図4に示すように、消臭体カートリッジ38は、消臭体20と、この消臭体20を保持する枠体46とからなる。枠体46は、消臭体20を挟みとめることができ、かつ強度が保てるものであれば、その材質は限定されるものではない。例示するならば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合化合物(ABS樹脂)などの合成樹脂、木材、紙、金属などが挙げられる。なお、消臭体20を挟み込む場合、枠体46に凹凸を設けてこれらを咬合させたり、釘や木ねじ、接着剤や粘着テープなどで固定してもよい。また、上筺体11aには、この消臭体カートリッジ38を保持する消臭体ガイド47が形成される(図1参照)。これにより、消臭体カートリッジ38は、上筺体11aに対して容易に交換が可能な構造とされる。こうした消臭体カートリッジ38には、消臭体ガイド47と符合する切り欠き(光源取付方向規制手段)48を形成することで、上筺体11aに対して挿入方向を間違えた場合には消臭体カートリッジ38が差し込めないなどにより誤挿入を気づかせることができる。
このような消臭体20は、ファン17によって形成される上方向Uに向けた風の流れに対して平行に取り付けられる。消臭体20の取り付け角度は、例えば水平面に対して0°〜45°の範囲で傾斜するようにすればよい。ファン17は、こうして上方向Uに向けた風の流れに対して平行に取り付けられた消臭体20に向けて、吸気口12から取り入れた空気を吹き付ける。
図5に示すように、消臭体20は、光触媒微粒子含有アルミノ珪酸塩粒子層(以下、光触媒層と称する)51と、この光触媒層51を担持する担持体52とから構成されている。担持体52は、例えば、紙、不織布、布、樹脂の少なくともいずれか1つを含むものから形成されればよい。こうした担持体52一面に、光触媒微粒子含有アルミノ珪酸塩粒子を塗布、浸透、あるいは積層することで板状の消臭体20が形成される。
光触媒微粒子含有アルミノ珪酸塩粒子は、アルミノ珪酸塩が鎖状、網状等の構造を有していても構わないが、層状構造を有し、この層状構造の層間に光触媒微粒子が担持されていることが好ましい。具体的には、前記アルミノ珪酸塩は、好ましくは、いわゆるフィロ珪酸塩構造を有する層状アルミノ珪酸塩(アルミニウム含有フィロ珪酸塩)であり、さらに好ましくは、フィロ珪酸塩構造を有する層に八面体構造金属酸化物層が積層して構成された複合化アルミノ珪酸塩(アルミニウム含有複合フィロ珪酸塩)である。
このアルミニウム含有複合フィロ珪酸塩は、基本的には、SiOを基本とする四面体構造層と、MO(Mは亜鉛、銅、銀、コバルト、ニッケル、鉄、チタン、バリウム、スズおよびジルコニウムから選ばれる少なくとも一種の金属:以下同じ)を基本とする八面体構造層とが、酸素原子を共有する形で積層した粘土鉱物型の二層構造を有している。なお、このアルミニウム含有複合フィロ珪酸塩においては、通常、四面体構造層SiOの一部のSiがAlにより置換され、八面体構造層MOの一部のAlにより置換されて構成されている。アルミノ珪酸塩が層状構造を有する場合には、光触媒微粒子が、層状アルミノ珪酸塩が積層して形成される層間に安定して担持され得る。
また、前記光触媒微粒子含有アルミノ珪酸塩粒子においては、アルミノ珪酸塩がモル%で表示して本質的に、SiO:5〜80%、MOn/2:5〜65%(Mは前記と同じ)及びAl:1〜60%の組成を含有することが好ましく、SiO:10〜70%、MOn/2:10〜60%及びAl:1〜50%の組成を有することがさらに好ましい。なお、Mは、前記した通り、亜鉛、銅、銀、コバルト、ニッケル、鉄、チタン、バリウム、スズおよびジルコニウムから選ばれる少なくとも一種の金属であるが、これらの中でも亜鉛が好ましい。
また、アルミノ珪酸塩は白色ないし単色の粉体として得られ、上記組成物比に相当する量の水溶性珪酸塩、水溶性金属塩、更に水溶性アルミニウム塩及び/又は水溶性アルミン酸塩を水の存在下に反応させ、必要により得られる沈殿の水の存在下に加熱することにより製造される。その粉体の粒子径は0.01〜30μm、好ましくは、0.03〜10μm、更に好ましくは0.05〜5μmである。粉体の粒子径が0.01μm未満の場合は、細かすぎるため粉体を取り扱う際、実用上のハンドリング性に問題がある。逆に30μmを超えると、フィルムや塗料に加工した際、外観を損なう(ブツの発生)ことになる。
光触媒微粒子を構成する光触媒としては、Se、Ge、Si、Ti、Zn、Cu、Al、Sn、Ga、In、P、As、Sb、C、Cd、S、Te、Ni、Fe、Co、Ag、Mo、Sr、W、Cr、Ba、Pb等の酸化物などの化合物で水に不溶なものが挙げられる。光触媒は、触媒活性の程度から、酸化チタン、酸化亜鉛および酸化タングステンから選ばれる少なくとも1種からなることが好ましい。
光触媒微粒子の一次粒子径は0.001〜0.3μmの範囲にあり、好ましくは0.003〜0.2μmの範囲である。光触媒微粒子の一次粒子径が0.3μmを超えると、光触媒の機能が発揮されない。光触媒は、紫外線照射によりその表面で電子と正孔とが分離し、この正孔が周囲の水、酸素等から強力な酸化作用を有する活性酸素を生成させる。そして、この活性酸素が悪臭などの有機物を酸化分解する。
本発明で用いる光触媒微粒子含有アルミノ珪酸塩粒子は、例えば、アルミノ珪酸塩と水からなる懸濁液から製造することができる。また、必要に応じて、さらに界面活性剤を用いてもよい。前記懸濁液中の3成分の混合比は、水:アルミノ珪酸塩=100:1〜1:3であることが好ましく(さらに好ましくは水:アルミノ珪酸塩=100:1〜1:1)、アルミノ珪酸塩:界面活性剤=100:0〜1:10であることが好ましい(さらに好ましくは、アルミノ珪酸塩:界面活性剤=100:0〜1:3)。また、懸濁液のpHは、特に制限はないが、必要によっては、効率よく担持させるためにアンモニア水や塩酸等によってpHを調整しても構わない。
この懸濁液を攪拌しながら光触媒微粒子が添加される。添加する光触媒微粒子の状態は、微粉状であってもスラリー状であってもよい。光触媒微粒子の添加量は、得られる光触媒微粒子含有アルミノ珪酸塩粒子における光触媒微粒子含有率で0.01〜70重量%、好ましくは0.02〜50重量%、さらに好ましくは0.1〜50重量%、特に好ましくは0.2〜30重量%に相当する量である。光触媒微粒子含有率が0.01重量%未満であると、光触媒本来の性能が充分に発現されない。一方、70重量%越となると、光触媒の性能は発現されるが、アルミノ珪酸塩中に含有されない光触媒も生じ、樹脂などと複合化し、紫外線を照射した際にその樹脂などを劣化させるおそれが生じる。
懸濁液と、微粉状、スラリー状等の形態を有する光触媒微粒子との混合は、一般には、常温、常圧の条件で行われるが、必要に応じて、加圧下や減圧下、または加熱下や冷却下で実施してもよい。混合時間には特に制限はないが、30分程度で充分である。このようにして得られる光触媒微粒子含有アルミノ珪酸塩は、遠心分離や濾過等の固体分離操作によって分離、回収することができる。回収された光触媒微粒子含有アルミノ珪酸塩は、そのまま乾燥して製品とすることができるし、また、水やアルコール等の洗浄液で1回から数回洗浄した後、乾燥処理や加熱処理を実施してから製品とすることもできる。
また、界面活性剤については、上記したように、光触媒を含有させる際に使用しても使用しなくてもどちらでも良いが、効率良く含有させるためには界面活性剤がある方が良い。この場合に用い得る界面活性剤は、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤、特に制限はないが、カチオン界面活性剤が好ましく、下記「化1」の一般式で示されるカチオン界面活性剤がさらに好ましい。
Figure 2007135813
ただし、化1中、Xはハロゲン化物イオン、水酸化物イオン、または有機酸陰イオンであり、Rは、炭素数8〜22の直鎖状もしくは分岐鎖状の飽和または不飽和脂肪族炭化水素基であり、R、RおよびRは、それぞれ、R、メチル基、エチル基または下記「化2」の一般式で示される有機基である。なお、R〜Rは、それぞれの基が同一であっても異なっていてもよい。
Figure 2007135813
ただし、式中、mは1〜5の整数であり、Yは水素またはメチル基である。用い得る界面活性剤として、さらに具体的には、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ミリストイルトリメチルアンモニウムクロライド、パルミチルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、オレイルトリメチルアンモニウムクロライド、エルシルトリメチルアンモニウムクロライド、ポリオキシエチレンミリストイルアンモニウムクロライド、ポリオキシエチレンパルミチルアンモニウムクロライド、ポリオキシエチレンオレイルアンモニウムクロライド、ポリオキシエチレンステアリルアンモニウムクロライド等が挙げられる。これらの界面活性剤は2種以上混合して用いてもよく、水溶液またはアルコール溶液として用いても良い。
光触媒含有高分子固体は、前記本発明の光触媒微粒子含有アルミノ珪酸塩粒子を、樹脂、繊維、紙、不織布、塗膜(塗料)等の高分子固体中に含ませることにより構成される。これらの中でも、本発明の光触媒微粒子含有アルミノ珪酸塩粒子は、樹脂フィルムなどの樹脂、不織布、紙、塗料に含ませることが好ましい。
樹脂に光触媒微粒子含有アルミノ珪酸塩粒子を含有させる場合、樹脂としては、例えば、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、アクリル樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、MS樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等が挙げられる。光触媒微粒子含有アルミノ珪酸塩粒子の添加量としては、樹脂に対して0.1〜30重量%の範囲で添加することが好ましく、さらに好ましくは1〜25重量%の範囲である。樹脂に光触媒微粒子含有アルミノ珪酸塩粒子を含有させる方法としては、例えば、樹脂フィルムの場合には、次のような方法によって作製することができるが、この方法に限定されるものではない。その方法とは、まず、樹脂と光触媒微粒子含有アルミノ珪酸塩粒子とを混合し、2軸同方向押出機などを用いて混練し、コンパウンドを作製する。次に、インフレーション装置などを用いてこのコンパウンドを適当な厚さを持つフィルムとする。
不織布に光触媒微粒子含有アルミノ珪酸塩粒子を含有させる場合、不織布としては、例えば、レーヨン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル等からなる不織布が挙げられる。また、不織布に光触媒微粒子含有アルミノ珪酸塩粒子を含有させる際に用いるバインダーとしては、特に限定されるものではないが、アクリル系、ラテックス系のバインダーが用いられる。不織布に光触媒微粒子含有アルミノ珪酸塩粒子を含有させる方法としては、光触媒微粒子含有アルミノ珪酸塩粒子とバインダーと水とからなる塗布剤に不織布を浸漬する方法が挙げられる。この際に、塗布剤のバインダーと光触媒微粒子含有アルミノ珪酸塩粒子とを含む固形分中には、光触媒微粒子含有アルミノ珪酸塩粒子が3〜90重量%であることが好ましい。
紙に光触媒微粒子含有アルミノ珪酸塩粒子を含有させる場合、紙としては、例えば、綿、リンター、竹、バガス、葦、わら、こうぞ、針葉樹、広葉樹等から得られた繊維などが挙げられる。紙に光触媒微粒子含有アルミノ珪酸塩粒子を含有させる方法としては、例えば、次のような方法が挙げられる。その方法とは、まず、水にパルプと光触媒微粒子含有アルミノ珪酸塩粒子とを混合する。この時、光触媒微粒子含有アルミノ珪酸塩粒子の割合は、紙に対して1〜40重量%であることが好ましい。次に、この混合スラリーをスクリーン抄紙機を用いて抄紙し、その後ドラム乾燥機を用いて乾燥させる。
発光ダイオード(LED)14は、光触媒を活性化させる光源として用いる。LEDとしては、短波長の光を発光するものが好ましく、360〜400nmに最大発光波長をもったものが更に好ましい。具体的には、紫色LED、青色LED、紫外線LEDなどが挙げられ、紫外線量とコストとのバランスから、紫色LEDが特に好ましい。消臭体は、アルミノ珪酸塩、活性炭などに代表される多孔質で悪臭成分分子を吸着する機構をもつ物質、および酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タングステンなどに代表される光触媒能によって悪臭成分分子を分解する機構をもつ物質の両方の機構を有することが必要である。
光触媒微粒子含有アルミノ珪酸塩粒子のような多孔質の吸着体と光触媒を紙、不織布、布、樹脂のいずれかに担持させた形態のものを消臭体として用いた光触媒微粒子含有アルミノ珪酸塩粒子に対する発光ダイオード14との設置距離は、発光ダイオードから照射される紫外線強度と照射面積の大きさから規定される。このときの設置距離とは、筐体11内に光触媒と発光ダイオード14とを対向して配置した際の、光触媒表面と発光ダイオード14の先端との間の直線距離である。容器に充填した光触媒粉体の場合であれば、容器開口部で気相と接触している表面部分と、対向するLED先端との間の距離であり、紙、不織布等に担持させた形態の場合であれば、紙、不織布等のLED側の表面部分と、対向するLED先端との間の距離である。
また、消臭体20は、経時変化による消臭力の低下などで、消臭体の交換時期を使用者に効果的に伝えるために、紫外線または化学物質に晒された時間に応じて色調が変化する色素によって着色されているのが好ましい。こうした色素は、光や空気中に含まれる化学物質(例えば、二酸化炭素や酸素など)と反応し、その色調を変化させるものであれば、特に限定されない。好ましくは、紫外線及び/または二酸化炭素と、特に好ましくは、紫外線に反応して色調が変化する色素が挙げられる。二酸化炭素によって色調が変化する色素としては、例えばタイムインジケータ(理研香料工業株式会社)が例示できる。また、紫外線によって色調が変化する色素としては、Kayacyl Pure Blue FGA(日本化薬株式会社)が例示できる。
ファン17は、電気的に作動するモーターに取り付けたファンの回転で、悪臭を消臭用品の設置した場所へ吸引するものである。消臭用品の吸引口より悪臭を導入し、用品内部の消臭体に強制的に接触させることで、室内の自然対流だけで悪臭が接触するよりも、更に効果的に消臭が行える。モーターは、乾電池、家庭用交流電源、太陽電池、自動車内バッテリーなど、何れの電源によって作動させるものでも良く、ファンとしては、プロペラファン、シロッコファンなどが挙げられる。単位電力当たりの風量の点からプロペラファンが好ましく、製品形態の排気部の構造が送風の妨げとなり外圧が発生する場合には、外圧の影響を受け難いシロッコファンが好ましい。
以上のような構成の消臭用品10は、ファン17の回転によって吸気口12から悪臭物質を含んだ空気が取り入れられると、傾斜して→空気の流れと平行に取り付けられた消臭体20の光触媒層51に当たり、光触媒層51の表面に沿って流れる。この時、光触媒層51を構成する光触媒微粒子含有アルミノ珪酸塩粒子による悪臭物質の酸化、分解作用によって、悪臭成分が酸化、分解され、消臭された空気が排気口13から排出される。そして、光触媒層51は、発光ダイオード14から照射される紫外光によって、常に悪臭物質の酸化、分解作用が維持され、悪臭物質を確実に酸化、分解させることができるように保たれる。
なお、こうした発光ダイオード14の点灯またはファン17の回転は、光触媒層51の酸化、分解作用が維持される程度に制限して点灯、回転されればよく、制御ユニット36によって、点灯時間を制限したり、点滅させたり、また回転時間を制限したりすることによって、光触媒層51の酸化、分解作用を維持しつつ、消費電力の節約を図ってもよい。
そして、本発明の消臭用品10は、板状の消臭体20と小型のファン17、および発光ダイオード14などから構成されるので、小型、軽量でローコストに製造することが可能であり、屋内のタンスやテーブルなどに、インテリア性を備えて配置し、室内の消臭を行うことが可能になる。
(検証例1)
本出願人は、本発明の消臭用品の消臭効果を検証した。消臭のための光触媒として、酸化チタン粒子(アナタース型酸化チタン、石原産業製ST−01)、または光触媒複合基剤(酸化チタン/多孔質ケイ酸塩複合品、ライオン株式会社製ライオナイトPC−301P)0.5gを、気相接触面積11.3cmの容器に分取して消臭用品を得て、前記消臭用品を1.8Lガラス瓶の中に入れた。前記ガラス瓶のキャップの中央部および中央部から周辺部に至る中問部に直径4mmの穴を開けて、中央部から周辺部に至る中間部に開けた穴には悪臭ガス添加用兼検知管差込用パッキン(ジーエルサイエンス製「島津注入口パッキン標準型」)を取り付けて、中央部に開けた穴には紫色LED(SANDER製 SDL−5N3CUV−A φ5mm)と接続した電気コードを通し、紫色LEDに接続された電気コードを47Ω固定抵抗及び電池ボックス(単3アルカリ乾電池3本を直列接続で内蔵)に接続した。さらに、電気コードに接続された紫色LEDの発光面と前記消臭体の表面との間の距離を表1および表2に示した距離となる位置に設定し、電気コードとキャップとの隙間をシリコーンポリマー充てん材(コニシ株式会社製バスボンド水まわり用)にて、さらにキャッブと1.8Lガラス瓶との隙問をビニルテープ(幅19mm)にてそれぞれ塞ぎ、図6に示す消臭用品充填検証用装置を得た。
検証にあたって、前記消臭用品充填検証用装置を用意し、ガラス瓶内に悪臭物質となるナトリウムメチルスルフィド(試薬、純正化学製)の3%水溶液をマイクロシリンジにて15μL採取し、前記悪臭ガス添加用兼検知管差込用パッキンより添加した。10分放置後、前記電池ボックスのスイッチを入れて通電し、24時問経過後に、前記ガラス瓶内のメチルメルカプタン残存量をガス検知管(ガステック製No.71)にて測定した。別途、前記消臭用品充填検証用装置から消臭用品を除いた条件の装置も用意し、同様に測定を行った。こうした検証結果として、表1に実施例(本発明例)を、表2に比較例(従来例)をそれぞれ示す。
Figure 2007135813
Figure 2007135813
これらの検証結果によれば、表1に示す実施例(本発明例)の消臭用品では、24時間経過後のガラス瓶内のメチルメルカプタン残存量は、いずれも10ppm以下、特に光触媒複合基剤(酸化チタン/多孔質ケイ酸塩複合品、ライオン株式会社製ライオナイトPC301P)を用いたものは5ppm以下になり、消臭効果が確認された。一方、表2に示す比較例(従来例)の消臭用品では、24時間経過後のガラス瓶内のメチルメルカプタン残存量は12〜20ppmと、悪臭物質の消臭効果が低いという結果に留まった。そして、LEDと光触媒との間の距離は、0.5〜8cmとするのが好適であることが判明した。
(検証例2)
本出願人は、さらに別な消臭用品の消臭効果を検証した。プリンタペーパー(キャノン製EN−500 白色度約70%)111部と水2000部を離解機(熊谷理機工業株式会社製パルプ離解機)に入れ、3000rpmにて約15分間運転し、解裁パルプとした。この解裁パルプ40.2gと、前記検証例1で用いた光触媒複合基剤5g、水500gを混合、超音波洗浄器(株式会社エスエヌデイ製US−3)にて振動を10分問加えて均一に分散させた後、抄紙機(熊谷理機工業株式会社製TAPPI標準消臭抄紙機)にて直径16cmの円形に抄紙し、これを室温下で1日乾燥させ、光触媒担持紙を作成した。こうして形成した光触媒担持紙を一辺5cmの正方形に裁断して光触媒担持紙消臭体を得た。検証にあたって、前記ガラス瓶のキャップの中央部およぴ中央部から周辺部に至る中間部に直径4mmの穴を開けて、中央部に開けた穴には前記紫色LEDと接続した電気コードを通し、中央部から周辺部に至る中問部に開けた穴には前記悪臭ガス添加用兼検知管差込用パッキンを取り付けた。さらに、電気コードに接続された紫色LEDの発光面と前記消臭体の表面との間の距離を表3に示した距離となる位置に固定用ワイヤを用いて設定し、1.8Lガラス瓶内に入れ、電気コードとキャップとの隙問をシリコーンポリマー充てん材(コニシ株式会社製バスボンド水まわり用)にて、さらにキャップと1.8Lガラス瓶との隙聞をビニルテープ(幅19mm)にてそれぞれ塞いだ。そして、前記電気コードと47Ω固定抵抗及ぴ電池ボックス(単3アルカリ乾電池3本を直列接続で内蔵)に接続し、図7に示す光触媒担持紙消臭体検証用装置を用意した。
検証にあたって、前記光触媒担持紙消臭体検証用装置を用意し、ガラス瓶内に悪臭物質となるナトリウムメチルスルフィド(試薬、純正化学製)の3%水溶液をマイクロシリンジにて15μL採取し、前記悪臭ガス添加用兼検知管差込用パッキンにより添加した。10分放置後、前記電池ボックスのスイッチを入れて通電し、24時間経過後に、前記ガラス瓶内のメチルメルカブタン残存量をガス検知管(ガステック製No.71)にて測定した。別途、前記光触媒担持紙消臭体検証用装置から消臭用品を除いた条件の装置も用意し、同様に測定を行った。こうした検証結果として、表3に実施例(本発明例)及び比較例(従来例)を示す。
Figure 2007135813
表3に示す検証例2の結果によれば、LEDと光触媒との間の距離を4cm以下にすることで、24時間経過後のガラス瓶内のメチルメルカプタン残存量を10ppm以下に抑えられることが判明した。
(検証例3)
本出願人は、さらに別な消臭用品の消臭効果を検証した。検証例3では、先に説明した本発明の実施の形態における図1に示す消臭用品10を用いてその効果を検証した。電池ボックス(単3アルカリ乾電池3本を直列接続で内臓)に電動モーター(マブチ製 RF−300C09550)を接続し、前記電動モーターの回転軸にφ80mmの5枚羽プロペラファンを取り付け、モーター部分を消臭用品10に固定した。前記電池ボックスと電動モーターの回路と並列に、47Ω固定抵抗及び紫色LED(SANDER製 SDL−5N3CUV−A φ5mm)と接続し、ファンから発生する風の下流側に前記検証例2で用いたものと同じ光触媒担持紙に対向して照射できるように設置した。
このLEDの照射面先端から、表4に示す距離の位置に、前記検証例2で用いたものと同じ光触媒担持紙を5cm×5cmに成型したものを、照射に対向する向きに設置した。そして、これら装置を覆うポリプロピレン板のケース(筺体)を設置し、吸引側と排気側を開口させ、吸引側はプロペラに直接触れないようスリット状とし、図1に示す消臭用品10を得た。
100cm×100cm×250cmのボックス中に、悪臭物質となる10%メチルメルカプタン水溶液20μリットルを含浸させたろ紙を置き、直径15cmの小型扇風機でボックス内の空気を5分間攪拌、均一化した後、ボックス内のメチルメルカプタン量をガス検知管(ガステック製 No.71)で測定し、初期濃度とした。このボックスに図1に示す前記消臭用品を設置、作動させ、41時間後のメチルメルカプタン残存濃度をガス検知管で測定し、残存率(残存率(%)=残存濃度/初期濃度×100)を求めた。比較例として、ファンを作動させない場合、消臭装置を設置しない場合についても同様に試験した。こうした検証例3の検証結果を表4に示す。
Figure 2007135813
表4に示す検証例3の結果によれば、ファンを用いて光触媒に向けて悪臭物資を含む空気を吹き付けることにより、悪臭を効率的に消臭できることが判明した。
(検証例4)
本出願人は、紫色LEDによる紫外練強度と消臭効果の関係を検証した。検証にあたって、光触媒複合基剤(酸化チタン/多孔質ケイ酸塩複合品、ライオン株式会社製ライオナイトPC301P)0.5gを気相接触面積11.3cmの容器に分取し、1.8Lのガラス瓶に入れた。この光触媒複合基剤から4cm離して紫色LEDを配置した。前記ガラス瓶のキャツプの中央部および中央部から周辺部に至る中問部に直径4mmの穴を開けて、中央部から周辺部に至る中間部に開けた穴には悪臭ガス添加用兼検知管差込用パッキン(ジーエルサイエンス製「島津注入ロパッキン標準型」)を取り付けて、中央部に開けた穴には紫色LED(SANDER製 SDL−5N3CUV−A φ5mm)と接続した電気コードを通し、紫色LEDに接続された電気コードを安定化直流電源(菊水電子工業株式会社製 PMC18−2)に接続した。さらに、前記紫色LEDの発光面と紫外線強度計(東京硝子器械株式会社販売 CUSTOMUVA−365)のセンサー面を合わせ、このとき得られる紫外線強度が10,20,30,40μW/cmとなるように前記安定化直流電源の出力を調整した。そして、電気コードとキャップとの隙間をシリコーンポリマー充てん材(コニシ株式会社製バスボンド水まわり用)にて、さらにキャップと1.8Lガラス瓶との隙問をピニルテープ(幅19mm)にてそれぞれ塞ぎ、図6に示す消臭用品充填検証用装置をそれぞれ得た。検証にあたって、前記消臭用品充填検証用装置を用意し、ガラス瓶内に悪臭物質となるナトリウムメチルスルフイド(試薬、純正化学製)の3%水溶液をマイクロシリンジにて10μL採取し、前記悪臭ガス添加用兼検知管差込用パッキンより添加した。10分放置後、前記安定化直流電源のスイッチを入れて紫色LEDに通電し、0〜24時間後において、前記ガラス瓶内のメチルメルカプタン残存量をガス検知管(ガステック製No.71)にて測定した。こうした検証例4の検証結果を図8に示す。
図8に示す検証例4の結果によれば、紫色LEDを10μW/cm以上で点灯させれば、消臭効果が得られ、消費電力を大きくするほど、消臭効果が高まることがわかった。
(検証例5)
本出願人は、紫色LEDを点滅させたときの消臭効果の関係を検証した。検証にあたっては、前記検証例4と同様に、光触媒複合基剤(酸化チタン/多孔質ケイ酸塩複合品、ライオン株式会社製ライオナイトPC−301P)0.5gを気相接触面積11.3cmの容器に分取し、1.8Lのガラス瓶に入れた。この光触媒複合基剤から4cm離して紫色LEDを配置した。前記ガラス瓶のキャップの中央部および中央部から周辺部に至る中問部に直径4mmの穴を開けて、中央部から周辺部に至る中間部に開けた穴には悪臭ガス添加用兼検知管差込用パッキン(ジーエルサイエンス製「島津注入ロパッキン標準型」)を取り付けて、中央部に開けた穴には紫色LED(SANDER製 SDL−5N3CUV−A φ5mm)と接続した電気コードを通し、紫色LEDに接続された電気コードを安定化直流電源(菊水電子工業株式会社製 PMC18−2)に接続した。さらに、前記紫色LEDの発光面と紫外線強度計(東京硝子器械株式会社販売 CUSTOMUVA−365)のセンサー面を合わせ、このとき得られる紫外線強度が60μW/cmとなるように前記安定化直流電源の出力を調整した。そらに、前記安定化直流電源をタイマー(東京硝子器械株式会社製 FT−022)に接続した。そして、電気コードとキャップとの隙間をシリコーンポリマー充てん材(コニシ株式会社製バスボンド水まわり用)にて、さらにキャップと1.8Lガラス瓶との隙問をビニルテープ(幅19mm)にてそれぞれ塞ぎ、図7に示す消臭用品充填検証用装置をそれぞれ得た。検証にあたって、前記消臭用品充填検証用装置を用意し、ガラス瓶内に悪臭物質となるナトリウムメチルスルフィド(試薬、純正化学製)の3%水溶液をマイクロシリンジにて10μL採取し、前記悪臭ガス添加用兼検知管差込用パッキンより添加した。10分放置後、前記タイマー及び安定化直流電源のスイッチを入れて、紫色LEDを点灯時問0.1秒に対して0.9,1.8,3.6秒間それぞれ消灯した場合と、連続点灯した場合とで、24時間後のガラス瓶内のメチルメルカプタン残存量をガス検知管(ガステック製No.71)にて測定した。こうした検証例5の検証結果を図9に示す。
図9に示す検証例5の結果によれば、紫色LEDを0.1秒点灯させて3.6秒消灯させる点滅パターンであっても、24時間後の消臭効果は、紫色LEDを連続点灯した場合と大差ないことが判明した。これにより、紫色LEDを点滅させれば、乾電池などの消費電力を節約しつつ高い消臭効果を得られることがわかった。また、紫色LEDのトータル点灯時間を短くすることで、LEDの寿命を延ばす効果も期待できる。
(検証例6)
本出願人は、本発明の消臭用品の総合的な消臭効果を確認するために、図1に示す消臭用品を用いて、実際の家庭においてこれを設置して、悪臭の消臭効果の検証した。検証にあたっては、複数の家庭に図1に示す消臭用品を設置し、設置後の消臭効果を調べた。こうした検証例6の検証結果を表5に示す。
Figure 2007135813
表5に示す検証例6の結果によれば、いずれの設置場所においても、消臭効果があると感じた被験者が75%以上に達し、総合的な消臭効果においても、本発明の消臭用品の効果が確認された。
(検証例7)
本出願人は、使用に応じて発光ダイオードから照射される紫外線強度が低下することを検証した。発光ダイオードには紫色LED1(SANDER製 SDL−5N3CUV−A φ5mm)及び紫色LED2(オプトサプライ製 LED5−UV−395−30 φ5mm)を用い、紫色LEDに接続された電気コードを安定化直流電源(菊水電子工業株式会社製 PMC18−2)に接続し、10mA通電するように安定化電源の出力を調整した。このとき、前記紫色LEDの発光面と紫外線強度計(東京硝子器械株式会社販売 CUSTOM製 UVA−365)のセンサー面を合わせ、このとき得られる紫外線強度を経時的に測定した。こうして得られた結果を図10に示す。
図8に示す検証例4の結果によれば、紫色LEDを10μW/cm以上で点灯させれば、消臭効果が得られることがわかっているが、紫色LED1は27日、紫色LED2は70日経過した時点で10μW/cmを下回ったことから、紫色LEDの交換によって消臭効果の維持を図らねばならないことが判明した。
(検証例8)
本出願人は、消臭体の交換時期を使用者に効果的に伝えるための施策として、二酸化炭素によって色が変化する色素を塗布して、適当なタイミングで交換時期を知らせることができるかを検証した。上述した検証例2と同様に、光触媒担持紙を調製した。二酸化炭素変色色素(理研香料工業株式会社製「タイムインジケーター」)を水に溶解し、3g/m,5g/mとなるようにポリスポイトを用いて、光触媒担持紙に滴下した。検証にあたっては、複数の家庭に二酸化炭素変色色素滴下光触媒担持紙を設置し、設置後の変色具合を色差計(ミノルタ株式会社製「CR−200」(Lot.82903038))にて色の抜け具合を示すLa値(+:赤・−:青を表す)を調べ、かつ目視観察を行った。こうした得られた検証結果を表6に示す。
Figure 2007135813
表6に示す検証例の結果によれば、3g/mであれば2ヶ月、5g/mであれば4ヶ月で光触媒消臭紙の色である白が確認され、交換時期が認知されることが判明した。
図1は、本発明の消臭用品の外観を示す斜視図である。 図2は、本発明の消臭用品の側面断面図である。 図3は、光源カートリッジの外観を示す斜視図である。 図4は、消臭体カートリッジの外観を示す斜視図である。 図5は、消臭体の構成を示す断面図である。 図6は、本発明の検証に用いた消臭用品を示す説明図である。 図7は、本発明の検証に用いた消臭用品を示す説明図である。 図8は、本発明の検証結果を示すグラフである。 図9は、本発明の検証結果を示すグラフである。 図10は、本発明の検証結果を示すグラフである。
符号の説明
10 消臭用品
11 筺体
12 吸気口
13 排気口
14 発光ダイオード
17 ファン
18 光触媒層(光触媒微粒子含有アルミノ珪酸塩粒子)
19 担持体
20 消臭体
38 消臭体カートリッジ
39 光源カートリッジ



Claims (9)

  1. 光触媒を担持した消臭体と前記消臭体を保持する枠体とを有する消臭体カートリッジ、および、前記消臭体カートリッジを着脱可能に保持する消臭体ガイドと前記消臭体カートリッジに向けて紫外線を照射する発光ダイオードとを有する筺体、を備えたことを特徴とする消臭用品。
  2. 前記消臭体は、紫外線または化学物質に晒された時間に応じて色調が変化する色素によって着色されたことを特徴とする請求項1に記載の消臭用品。
  3. 前記消臭体カートリッジには、前記筺体に対する前記消臭体カートリッジの取付方向を規制する消臭体取付方向規制手段が更に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の消臭用品。
  4. 前記発光ダイオードは、発光面を露出させつつ保持する保持体に納められ、また、前記筐体には、前記発光ダイオードと保持体からなる光源カートリッジを着脱自在に保持する光源ガイドが形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の消臭用品。
  5. 前記光源カートリッジには、前記筺体に対する前記光源カートリッジの取付方向を規制する光源取付方向規制手段が更に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の消臭用品。
  6. 前記消臭体に向けて送風するファンをさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の消臭用品。
  7. 前記消臭体は板状に形成され、前記ファンは前記消臭体の前記光触媒が露出した面に対して0°〜45°の範囲内で送風された空気が当たるように配置されたことを特徴とする請求項6に記載の消臭用品。
  8. 前記光触媒は一次粒子径が0.001〜0.3μmの範囲内の光触媒微粒子であり、0.01〜70重量%の割合でアルミノ珪酸塩からなる粒子内に含有させた光触媒微粒子含有アルミノ珪酸塩粒子に担持されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の消臭用品。
  9. 前記発光ダイオードは、波長が360〜400nmの範囲の光を照射することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の消臭用品。

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