JP2007135611A - ビジュアル聴診器、その画像表示方法およびその画像表示プログラム - Google Patents

ビジュアル聴診器、その画像表示方法およびその画像表示プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】人体から発生される呼吸音、心音、消化器音等の可聴音をリアルタイムで3次元表示することができ、かつ視認性、操作性の高いビジュアル聴診器を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係るビジュアル聴診器は、呼吸音および心音を含む人体から発生する可聴音がデジタルデータに変換された可聴音デジタルデータを入力し、複数の周波数毎の振幅データに変換する周波数変換手段と、複数の周波数毎の振幅データに変換された可聴音デジタルデータを、振幅、周波数および時間に基づいて3次元画像として実時間で表示させるための画像処理を行う3次元画像処理手段と、周波数変換手段および前記3次元画像処理手段に対する各種パラメータを設定するパラメータ設定手段と、3次元画像処理手段によって画像処理される3次元画像を予め定めた手順に従って自動的に変更する表示自動変更手段とを備えたことを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ビジュアル聴診器、その画像表示方法およびその画像表示プログラムに係り、特に呼吸音、心音等の可聴信号を表示器に3次元表示するビジュアル聴診器、その画像表示方法およびその画像表示プログラムに関する。
従来から、医師が麻酔中の患者の呼吸・循環・消化器などの体内状態を監視するために、或いは患者の呼吸器・循環器・消化器系の疾患を診断するため等に聴診器が広く用いられている。また特に麻酔下での手術中の患者の呼吸状態を確実に監視するために、マイクを患者の喉頭部に取りつけて気管呼吸音をスピーカで拡声する手法等も採られている。
しかしながら、聴診器を用いた場合、患者の呼吸・循環・消化器などの体内状態を監視できるのは聴診器をつけた医師のみであり、周囲の他の医師や看護師は監視できない。
前記のうち、麻酔下での手術中の患者の呼吸状態をマイクとスピーカでモニタしようとしても、手術中の他の音声等に紛れて必ずしも正確な監視ができない場合もあり得る。
そこで、係る問題を解決するために、リアルタイムで呼吸の様子を確認することができ、客観的でかつ迅速な診断が可能で、呼吸音を聞き取るのと同様な感覚で、呼吸音を目視しつつ呼吸音の全体像を容易に把握することができる呼吸音監視モニタ装置に関する技術が特許文献1に開示されている。
特許文献1が開示する呼吸音監視モニタ装置は、呼吸音を集音しアナログ電気信号に変換する集音器と、アナログ電気信号をデジタルデータである呼吸音データに変換するA/D変換手段と、周波数成分、時間及び波高値を基に表示呼吸音データを3次元表示する表示手段を備え、少なくとも一フレーム時間長の呼吸の呼吸音を実時間で時系列的に3次元表示することを特徴とするものである。
特開2004−33254号公報
特許文献1が開示する呼吸音監視モニタ装置によれば、呼吸音を振幅(波高値)軸、時間軸および周波数軸の3軸で3次元的に可視化することが可能となり、かつ3次元表示をリアルタイムで動的に表示することができる。この結果多くの医師や看護師が同時にかつリアルタイムで患者の呼吸状態を監視することができ、客観的でかつ迅速な診察・処置が可能となる。
しかしながら、特許文献1が開示する呼吸音監視モニタ装置には、視認性、操作性および監視対象の範囲において改善の余地がある。
(1)視認性の改善
特許文献1が開示する呼吸音監視モニタ装置は、呼吸音を3次元画像で表示することが可能である。
一方、医療現場においては、呼吸音の3次元画像を時間軸方向から監視したり、周波数軸方向から監視することが必要となることがしばしばある。また呼吸音をより詳細に監視するために3次元画像の特定方向からの拡大が必要となることもある。
このため、呼吸音の3次元画像に対する視線方向の変更や、3次元画像の移動、拡大、縮小等による視認性の改善が強く望まれている。
特許文献1には3次元画像に対する視認性向上に関する技術が十分開示されておらず、改善の余地がある。
(2)操作性の改善
呼吸音を3次元画像で適切に監視するためには、3軸(振幅軸、時間軸、周波数軸)の表示範囲やスケーリング等の表示に関する各種パラメータを監視する呼吸音に応じて設定する必要がある。またFFT・最大エントロピー法・ウェーブレット変換法を含む方法等によって周波数解析を行うためのサンプリング周波数やフレーム時間長等の周波数解析に関する各種パラメータも呼吸音に応じて適切に設定する必要がある。
一方、医療現場で呼吸音を監視する場合、呼吸音の大きさや呼吸の周期、或いは呼吸音の周波数成分は、個々の患者の状態や患者の疾患の内容に応じて大きく異なる。また、麻酔下で手術を行っている患者の呼吸状態がある時点から急激に変化する場合も十分考えられる。
このため、表示に関する各種パラメータや、周波数解析に関する各種パラメータの設定や変更は医療現場において医師が容易にできるような操作性の高いものが要求される。
特許文献1には操作性に関する技術が十分に開示されておらず、改善の余地がある。
(3)監視対象の範囲
特許文献1が監視の対象としているのは呼吸音である。これに対して、医師が聴診器を用いて監視や診断の対象とするものは呼吸音だけに限らず、人体から発生する可聴音でありこの中には心音も含まれる。従って、3次元表示による監視が可能な範囲を呼吸音だけでなく心音も含む広い範囲に拡大することが望まれている。
一方、心音は呼吸音に比べて各パルスの持続時間が短い。このため、心音も監視対象の範囲とするためには特許文献1が開示する技術に対して周波数解析周期の短縮化を含めたさらなる改善が必要となる。
また、監視対象を呼吸音に限定した場合においても、例えば捻髪音(fine crackle)と呼ばれる異常呼吸音は呼気の終末時に短い持続時間で観測される。この捻髪音のような持続時間の短い呼吸音も監視対象としようとすると、心音と同様にさらなる改善が必要となってくる。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたもので、人体から発生される呼吸音、心音等の可聴音をリアルタイムで3次元表示することができ、かつ視認性、操作性の高いビジュアル聴診器、その画像処理方法およびその画像処理プログラムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明に係るビジュアル聴診器は、請求項1に記載したように、呼吸音および心音を含む人体から発生する可聴音がデジタルデータに変換された可聴音デジタルデータを入力し、複数の周波数毎の振幅データに変換する周波数変換手段と、複数の周波数毎の振幅データに変換された可聴音デジタルデータを、振幅、周波数および時間に基づいて3次元画像として実時間で表示させるための画像処理を行う3次元画像処理手段と、周波数変換手段および前記3次元画像処理手段に対する各種パラメータを設定するパラメータ設定手段と、前記3次元画像処理手段によって画像処理される3次元画像を予め定めた手順に従って自動的に変更する表示自動変更手段とを備えたことを特徴とする。
また、上記課題を解決するために本発明に係るビジュアル聴診器の画像表示方法は、請求項17に記載したように、呼吸音および心音を含む人体から発生する可聴音がデジタルデータに変換された可聴音デジタルデータを入力し、周波数変換手段によって複数の周波数毎の振幅データに変換し、複数の周波数毎の振幅データに変換された可聴音デジタルデータを、3次元画像処理手段によって振幅、周波数および時間に基づいて3次元画像として実時間で表示するビジュアル聴診器の画像表示方法において、周波数変換手段および3次元画像処理手段に対するパラメータを手動で設定可能に構成するともに、3次元画像処理手段によって画像処理される3次元画像を予め定めた手順に従って自動的に変更可能に構成したことを特徴とする。
また、上記課題を解決するために本発明に係るビジュアル聴診器の画像表示プログラムは、請求項31に記載したように、呼吸音および心音を含む人体から発生する可聴音がデジタルデータに変換された可聴音デジタルデータを周波数変換手段によって複数の周波数毎の振幅データに変換するステップと、複数の周波数毎の振幅データに変換された可聴音デジタルデータを、3次元画像処理手段によって振幅、周波数および時間に基づいて3次元画像として実時間で表示させるステップと、をコンピュータに実行させるビジュアル聴診器の画像表示プログラムにおいて、周波数変換手段および3次元画像処理手段に対するパラメータを手動で設定可能に構成するとともに、3次元画像処理手段によって画像処理される3次元画像を予め定めた手順に従って自動的に変更可能に構成したことを特徴とする。
本発明に係るビジュアル聴診器、その画像表示方法およびその画像表示プログラムによれば、人体から発生される呼吸音、心音等の可聴音をリアルタイムで3次元表示することができ、かつ視認性、操作性の高いビジュアル聴診器、その画像表示方法およびその画像表示プログラムを提供することができる。
本発明に係るビジュアル聴診器、その画像処理方法およびその画像処理プログラムの実施形態について添付図面を参照して説明する。
(1)ビジュアル聴診器のシステム構成
図1は、本発明に係るビジュアル聴診器1の実施形態の外観の一例を示す図である。図1に示すように、ビジュアル聴診器1は、ビジュアル聴診器本体2と集音手段3としてのマイク3を有する。
ビジュアル聴診器本体2は、薄型の箱形状をなす本体ケース4に主要な構成品を収納している。本体ケース4の前面には、例えば液晶表示器からなる表示手段5が設けられている。
また、表示手段5の図1において右方には、入力手段6としての各種キーが配設されている。入力手段6には、例えば表示手段5に表示されるポインタを上下左右に移動させる方向キー6a、ポインタで指定された内容を設定する等に用いられる確定キー6b、表示手段5の画面に各種の機能を表示させるファンクションキー6c等を備えている。
この他、表示手段5の図1において左方には、電源スイッチ7の他、本体ケース4に内蔵されたスピーカの音声を外部でモニタするための多数の連通孔8が設けられている。
集音手段3は、呼吸音、心音等の人体から発せられる可聴音を集音するために人体に装着されるものである。集音手段3とビジュアル聴診器本体2との間はケーブルによって接続される。
本発明に係るビジュアル聴診器1は、図1に示した形態に限定されるものではなく、本発明の範囲において種々の形態をとりうる。
例えば、図1に示した形態では表示手段5は本体ケース4と一体的に形成された形態となっているが、表示手段5を本体ケース4と分離させた形態であってもよい。
表示手段5を、薄型で大画面のディスプレーとすれば、多数の医師や看護師が同時にモニタすることができる。また、表示手段5を単眼用のHMD(Head Mounted Display)や透過型のHMDとすれば、医師は患者の状態を肉眼で監視すると同時に表示手段5に表示される3次元画像をモニタすることが可能となる。
また、入力手段6も図1に示した形態の他、使用場所のスペース的な余裕がある場合は例えばキーボードやマウス等の形態であってもよい。
また、入力手段6は、医師が足を用いて操作を行うことができるフットコントローラであってもよい。入力手段6がフットコントローラの場合には、医師は両手で患者に対する所用の医療行為を継続させながらビジュアル聴診器1の表示内容を足の動作によって容易に変更することが可能となる。
さらに、医療現場においては、患者の体面に装着した集音手段3(マイク等)とビジュアル聴診器本体2とを接続するケーブルが診療の妨げになる場合も考えられる。このような場合には、集音手段3とビジュアル聴診器本体2とを無線によって接続する形態とすればよい。
この他、例えばDVD(Digital Versatile Disk)等の記憶媒体に記憶された可聴音デジタルデータを読み出したり、新たに取得した可聴音デジタルデータを書き込むことができるDVDドライブ等のデータ入出力手段60(図2参照)をビジュアル聴診器1の外部或いは内部に設けた形態としても良い。
図2は、ビジュアル聴診器1のシステム構成例を示す図である。
ビジュアル聴診器1は、患者の体面に装着され、人体から発生する可聴音を集音し電気信号に変換する集音手段3と、集音手段3から出力される電気信号を可聴音デジタルデータに変換するA/D変換手段10と、A/D変換手段10から時系列として出力される可聴音デジタルデータを複数の周波数帯成分に変換する周波数変換手段20と、周波数変換手段20から出力される複数の周波数帯成分からなる可聴音デジタルデータを振幅、周波数および時間の3次元によって3次元画像化するための3次元画像処理手段30と、3次元画像処理手段30によって画像化されたデータを表示する表示手段5とが順次直列的に接続されて構成される。
また、ビジュアル聴診器1は、A/D変換手段10、周波数変換手段20および3次元画像処理手段30に対して各種パラメータを設定するパラメータ設定手段40、パラメータ設定手段40に対してユーザが外部から各種パラメータを入力する入力手段6、各種パラメータを自動的に設定しかつ予め定めた手順に従って変更することができる表示自動変更手段50を備える。
さらに、ビジュアル聴診器1は、既に記憶されている可聴音デジタルデータや3次元画像処理された画像データ等を出力し、A/D変換手段から出力される可聴音デジタルデータや3次元画像処理手段から出力される画像データ等を入力することができるデータ入出力手段60を備える。データ入出力手段60は、例えばDVD等の記憶媒体の読み出し・書き込みに基づいてデータを入力および出力する形態であっても良いし、例えばインタネットやLAN等の電気通信回線を介してデータを入力および出力する形態であっても良い。
なお、図2に示した本実施形態のビジュアル聴診器1のシステム構成例は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変形可能である。また、本実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。
例えば、データ入出力手段60を構成要素としない形態であっても良い。また逆にデータ入力手段60を備え、集音手段3およびA/D変換手段10を構成要素としない形態でもよい。或いはまた、表示手段5を構成要素としない形態であっても良い。
(2)ビジュアル聴診器1の動作概要
集音手段3は、例えばマイク等に代表される可聴音を電気信号に変換するトランスデューサである。呼吸音をモニタするような場合には集音手段3は例えば患者の喉頭部近傍に装着される。また心音をモニタするような場合には心臓近傍の体表面等に装着される。
集音手段3から出力される電気信号は、接続ケーブル等を介してA/D変換手段10に接続される。この際、集音手段3とA/D変換手段10との間に、不要な高周波成分を除去するためのフィルタ(図示していない)を設ける構成としてもよい。
また、集音手段3を複数設け、A/D変換手段10の前段にマルチプレクサ(図示していない)を設けた構成としても良い。係る構成によれば、人体の異なる場所に装着した複数の集音手段3からの可聴音をマルチプレクサを切り換えることによって1つの表示手段5でモニタすることが可能となる。
A/D変換手段10に入力された電気信号は、A/D変換器を主構成とするA/D変換手段10でサンプリングされて離散的なデジタル信号に変換される。このデジタル信号を可聴音デジタルデータという。可聴音デジタルデータは、集音手段3で集音された可聴音の振幅が時間方向に変化する時系列データである。
可聴音デジタルデータは、周波数変換手段20に入力される。周波数変換手段20は可聴音デジタルデータを複数の周波数帯成分に変換する。
周波数変換手段20は、例えば高速フーリエ変換(以下、FFT(Fast Fourier Transform)という。)に代表されるDFT(Discrete Fourier Transform)や複数のデジタルフィルタバンク等によって実現される。
本実施形態では、周波数変換手段20はFFTによって実現しており、ソフトウェアによってFFT演算を実行している。FFT演算はハードウェアによるFFT演算回路で構成してもよい。
周波数変換手段20がFFTの場合、一般的には2のn乗のサンプル数の時系列データが一括してFFTに入力され、周波数成分に分解された振幅値が出力される。FFTの出力は振幅値を2乗した電力値であっても良い。
なお、FFTに入力される時系列データのサンプル数をN(N=2)と表記するものとし(NはFFTポイント数と呼ばれることもある)、A/D変換のサンプリング周期Δtとサンプル数Nの積をFFTのフレーム時間長Tと表記する(T=Δt・N)ものとする。また、FFTから出力される周波数成分の数をMと表記するものとする。
FFTによる周波数変換手段20は、サンプル数Nの一群の時系列データを逐次入力してFFT繰り返し周期T’で繰り返し演算を行うが、FFT繰り返し周期T’とFFTフレーム時間長Tとは本来異なった物理量である。しかしながら、リアルタイム処理システムでは両者は同じ値をとることが多い。この場合、T’=Tとなり、FFT繰り返し周期はフレーム時間長Tと同じ値となる。本実施形態においてもT’=Tとしている。
周波数変換手段20からは、FFT繰り返し周期T’(T’=T)毎にM個の周波数成分に分解された可聴音デジタルデータの振幅値が出力され、3次元画像処理手段30に入力される。
3次元画像処理手段30は、入力された可聴音デジタルデータを、振幅、周波数及び時間の3軸に対応させて3次元画像を生成する。
図3は、3次元画像処理手段30で生成された3次元画像の一例を示すものである。図3に示した例では、可聴音デジタルデータの振幅は後述するsone値表示となっており振幅の表示範囲は「0.0」soneから「3.0」soneの範囲となっている。表示周波数範囲は、最小値が「0」、最大値が「1000」Hzの設定となっている。
また、表示時間範囲は「2.0」secの設定となっている。表示時間範囲を「2.0」secと設定した場合、過去2秒間の可聴音デジタルデータが3次元表示されることになる。即ち、時間軸上の「2.0」secの位置には2.0秒前の可聴音デジタルデータが周波数成分に分解されて表示され、時間軸上の「0.0」secの位置には0.0秒前の、即ち最新の入力の可聴音デジタルデータが周波数成分に分解されて表示されることになる。
最新の入力は、時間軸上の「0.0」secの位置に逐次入力され、その後時間軸に沿ってスイープされて(流れて)行く。このように、3次元画像処理手段30は、周波数成分に分解された可聴音デジタルデータを実時間で動画として表示することが可能である。
また、可聴音デジタルデータは、振幅の大きさに対応したカラー化が施されて表示される。例えば振幅の大きさを可視光の波長に対応させて、振幅の最大値を例えば赤色に、また振幅の最小値を例えば紫色に着色してカラー表示させている。このようなカラー化によって、3次元表示された可聴音デジタルデータの振幅の大きさをユーザは瞬時に判断することが可能となる。
図4は、ビジュアル聴診器1の表示手段5に表示される標準画面ウィンドウ301の一例を示したものである。
標準画面ウィンドウ301の中央部には、3次元画像表示領域Aが設けられており、図3に例示した3次元画像が表示される。
標準画面ウィンドウ301の上部の領域には、入力波形表示領域Bが設けられており、周波数変換手段20によって周波数成分に分解される前の可聴音デジタルデータの時間波形が表示される。
標準画面ウィンドウ301の右部および下部の帯状の領域には、操作ボタン領域Cが設けられている。操作ボタン領域Cには、スタートボタン302、ストップボタン303等、ビジュアル聴診器1に対する各種の操作を行うためのボタンや、負荷窓311,表示間隔窓312等のビジュアル聴診器1の内部状態を示すための窓が表示されている。
操作ボタン領域Cの特定のボタンをクリックすることにより、さらに詳細な操作や表示をさせることができる。例えば、設定ボタン304をクリックすると、図5に例示した表示設定ウィンドウ330が標準画面ウィンドウ301の一部に重ねて表示される。
図5に例示した表示設定ウィンドウ330によってさらに詳細にビジュアル聴診器1のパラメータを設定することが可能となる。
操作ボタン領域Cに設けられている各種ボタンや標準画面ウィンドウ301への各種パラメータの設定は、ビジュアル聴診器1の入力手段6を用いて行うことができる。
図2に示した入力手段6は、例えば図1に示した方向キー6aや確定キー6bによって実現できる。この他、入力手段6としてマウスやジョイスティック等のポインティングデバイスを用いた実施形態としても良いし、キーボードを用いた実施形態としてもよい。またフットコントローラを用いた実施形態としても良い。
図2のパラメータ設定手段は、入力手段6を用いて指定された各種パラメータをビジュアル聴診器1に登録し、登録された各種パラメータを、A/D変換手段10、周波数変換手段20および3次元画像処理手段30に設定する。
各種パラメータの設定は、入力手段6と図5に示した表示設定ウィンドウ330等とを用いてユーザが手動で設定できる他、表示自動変更手段50を用いて自動的に設定、変更をすることもできる。表示自動変更手段50による自動設定、変更機能によって、医療現場における医師の操作負担が大幅に低減されることになり、ビジュアル聴診器1の操作性が大きく向上する。
(3)A/D変換手段の構成と動作
図6は、A/D変換手段10の細部構成を示した図である。A/D変換手段10は、マイク等ならなる集音手段3の出力(アナログ信号である電気信号)が接続される利得可変増幅器101、アナログ信号をデジタル信号に変換し、可聴音デジタルデータとして出力するA/D変換器102、A/D変換器102の出力に対して所定の係数を乗じることによって可聴音デジタルデータの利得をデジタル領域で変更可能とする利得制御部103が順次直列的に接続されて構成される。
利得可変増幅器101および利得制御部103に対する利得は、パラメータ設定手段40から入力される。利得可変増幅器101および利得制御部103において利得を設定する或いは変更する理由は、A/D変換手段10の出力、即ち周波数変換手段20の入力が適切な振幅範囲に入るようにするためである。
A/D変換手段10から出力される可聴音デジタルデータの時間波形は、図4に示した標準画面ウィンドウ301の上部の入力波形表示領域Bに表示される。
一方、利得可変増幅器101および利得制御部103に対する利得は、図4に示した標準画面ウィンドウ301の右下部に設けられた「Wave」バー318によって変更できる。ユーザは、「Wave」バー318のスライドつまみ319をドラッグして上下させることによって利得可変増幅器101および利得制御部103に対する利得を変更させることができる。
入力波形表示領域Bに表示される可聴音デジタルデータの時間波形は、設定される利得に応じて実時間でその振幅が変化する。従って、入力波形表示領域Bの時間波形を目視ししながら振幅に対する利得を適切な値に設定することができる。
なお、利得可変増幅器101或いは利得制御部103のいずれか一方を省略した実施形態としても良い。例えばA/D変換器102のダイナミックレンジが十分広く、診断の対象とする可聴音によってA/D変換器102が飽和することが考えられないような場合にあっては利得可変増幅器101を省略することも可能である。
A/D変換器102のサンプリング周期Δt(或いはその逆数のサンプリング周波数fsでもよい。fs=1/Δt)はパラメータ設定手段40から設定される。
サンプリング周期Δt(或いはサンプリング周波数fs)は、ユーザが直接設定する形態としてもよいし、ユーザが設定する他のパラメータから間接的に設定しても良い。例えば、ユーザが設定したFFTのフレーム時間長TとFFTポイント数Nからサンプリング周期Δtを算出する形態としても良い(Δt=T/N)。
或いは、モニタする可聴音の周波数帯域が限定されている(極端に高い周波数成分は含まれない)という前提の基で、サンプリング周期Δt(或いはサンプリング周波数fs)を予め固定値として設定してもよい。例えばサンプリング周期Δtを62.5μs(或いはサンプリング周波数fsを16kHz)と固定して設定しても良い。
(4)周波数変換手段の構成と動作
図7は、周波数変換手段20の細部構成を示したものである。周波数変換手段20は、A/D変換手段10から出力される時系列の可聴音デジタルデータに対して適宜の窓関数を乗じるウェイティング演算部201、FFT演算および振幅値演算を行うFFT演算部202、周波数軸の表示をリニア表示、対数表示或いはBark値表示等で表示させるための周波数軸変換部203等から構成される。
ウェイティング演算部201で用いられる窓関数はパラメータとして選択することができる。窓関数の選択は、図5に示した表示設定ウィンドウ330の窓関数欄337をクリックすることによって表示される複数の窓関数の中から、例えば「ハミング」窓を選択することができる。
周波数軸変換部203では、FFT演算部202から出力される周波数成分(リニアな周波数成分)を対数表示、或いはBark値表示させるために、例えば変換用テーブル等を用いて変換を行うものである。リニア表示、対数表示、或いはBark値表示等はパラメータとして選択可能である。図5に示した表示設定ウィンドウ330の周波数軸欄332をクリックすることによって表示される複数の表示種類の中から、例えば「Bark」値表示を選択することができる。
なお、Bark値については、例えば特許文献1の図3の説明において詳述されているためここでは説明を省略する。
FFT演算部202に対しては、FFTフレーム長T、FFTポイント数N等のパラメータがパラメータ設定手段40から設定される。FFTフレーム長T、FFTポイント数Nおよびサンプリング周期Δt(或いはサンプリング周波数fs)の3つのパラメータの間には、T=N・Δt(或いはT=N/fs)の関係がある。従って、2つのパラメータを決めれば残りの1つのパラメータは自動的に決まってしまう。さらに、サンプリング周期Δtを固定とした場合には、FFTフレーム長Tの値を設定すればFFTポイント数は自動的に決まる。
例えばサンプリング周期Δtを62.5μs(或いはサンプリング周波数fsを16kHz)と固定している場合において、FFTフレーム長Tの値を例えば100msと設定した場合、T/Δt=1600となるが、Nは一般に2のn乗数であるため、Nは2048となる。なお、ここに示した3つのパラメータの決定方法は一例を示したものであり、他の決定方法であってもよい。
FFTフレーム長Tは、図5に示した表示設定ウィンドウ330のFFT間隔欄335をクリックすることによって表示される複数の時間の中から例えば「100」msを選択することができる。
なお、FFTフレーム長TとFFT繰り返し周期T’(或いはFFT間隔T’)とは、本来異なる物理量であるが、両者を同じ値としても支障はなく、本実施形態においてもFFTフレーム長とFFT繰り返し周期とは同じ値に設定するものとしている。従ってFFT間隔欄335にひとつの値Tを設定することによってFFTフレーム長TとFFT繰り返し周期Tが同時に設定される。
ところで、一般にFFTフレーム長Tと時間分解能との間には密接な関係が存在する。ここで、時間分解能とは、時間軸上に2以上のピーク波形が各々ある時間間隔をもって隣接している場合において、各ピーク波形の存在を識別することができる最小時間間隔のことをいう。
FFTフレーム長Tが大きくなると時間分解能は低下する。逆にFFTフレーム長Tが小さいと時間分解能は高くなる。
また、FFTフレーム長Tは、時間軸上の波形の位置精度にも影響を与える。例えば、FFTの入力が持続時間の短い単一のパルス状の波形であった場合において、FFTフレーム時間Tがパルスの持続時間に比べて例えば10倍程度大きいとすると、FFT出力におけるパルス状波形の持続時間は約10ないし20倍程度に広がった波形となってしまう。即ち、FFTの入力と出力との間において、時間軸上の波形の再現性が損なわれたものとなってしまう。
なお、FFTの出力における時間軸上の波形とは、実時間で繰り返し出力されるFFTの周波数成分のうち、特定の周波数成分の振幅値をFFTの周期毎に並べた波形のことをいう。
このように、FFTフレーム長Tが入力波形振幅の変動周期(或いは入力パルス波形の持続時間)に比べて大きくなると、時間分解能が低下するとともに、FFT出力における時間波形の再現性が確保できなくなる。
特許文献1に開示する呼吸音可視化モニタ装置は、測定対象が呼吸音に限定されており、医師の聴診器による診断対象である心音は測定対象に含まれていない。この理由は、心音がもつパルス状の可聴音の持続時間が呼吸音に比べてはるかに短いためである。
心音がもつ短いパルス状の波形をFFT出力において正確に再現するためには、FFTフレーム長を心音のパルスの持続時間と同程度か或いはそれ以下に短縮化する必要がある。またFFTフレーム長の短縮化にともなって、FFT演算のFFT繰り返し周期も併せて短縮化される。
FFTフレーム長の短縮化およびFFT繰り返し周期の短縮化を実時間で実現するためにはいずれもFFTの演算処理速度を向上させる必要がある。またFFT出力を実時間で3次元表示するためには画像処理速度も合わせて向上させる必要がある。特許文献1が開示する呼吸音可視化モニタ装置では係る処理速度の向上は実現困難であった。
本発明にかかるビジュアル聴診器1は、上記問題を解決するためにFFT演算速度および画像処理速度の高速化を図り、FFTフレーム長の短縮化およびFFT繰り返し周期の短縮化を可能としている。
一般にパルス状の心音の時間的な音響変化を描写するためには約5ms程度毎の解析と表示を高速にくりかえしていく必要である。このため、FFTフレーム長およびFFT繰り返し周期の下限値を約5ms以下でも処理可能となるように高速化を図り、対応するパラメータの設定も約5ms以下に設定可能となるようにしている。
この結果、ビジュアル聴診器1による監視、診断対象は、呼吸音だけでなく、心音を含めた人体から生じる可聴音全般に拡張することが可能となっている。
さらに、呼吸音に限定した場合においても、監視、診断可能な呼吸音の範囲は拡張させることができる。
異常呼吸音と呼ばれる呼吸音の中には正常な呼吸音に比べて持続時間がはるかに短いものが含まれることが知られている。例えば、間質性肺炎等の患者の呼吸音に含まれることが多いといわれている捻髪音(fine crackle)は、その持続時間が正常な呼吸音に比べて短く(例えば数ms程度)、特許文献1が開示する呼吸音可視化モニタ装置では測定困難であった。
ビジュアル聴診器1によれば、FFTフレーム長およびFFT繰り返し周期の下限値を約5msとすることが可能であるため、捻髪音(fine crackle)のような持続時間の短い異常呼吸音であっても監視、診断することが可能である。
図8は、FFTフレーム長TとFFTの出力における時間軸上の波形の再現性と関係を模式的に示したものである。
図8(a)は、FFTの入力波形Dを示したものであり、横軸に時間を縦軸に振幅をとってプロットしたものである。入力波形Dは、比較的持続時間の長い波形D1と持続時間が短い(約5ms程度)パルス状の波形D2とからなる。入力波形D上のドットの間隔は2.5msとしている。なお、パルス状の波形D2は、異常呼吸音である捻髪音(fine crackle)の時間波形を模擬したものである。
図8(b)は、FFTの出力における時間軸上の波形を示したものである。出力波形Eは、FFTフレーム長Tを25msとしたときの出力波形を示している。また出力波形Fは、FFTフレーム長Tを5msとしたときの出力波形を示している。
図8(b)からわかるように、FFTフレーム長Tがパルス状の波形D2の持続時間に比べて長い場合は(出力波形Eの場合)パルス状の波形D2の再現性は悪く、パルス状の波形D2のピークは識別困難である。これに対してFFTフレーム長Tとパルス状の波形D2の持続時間とが同程度の場合(出力波形Fの場合)、パルス状の波形D2の再現性は高く、パルス状の波形D2のピークが識別できる。
(5)3次元画像処理手段の構成と動作
図9は、3次元画像処理手段30の細部構成を示したものである。3次元画像処理手段30は、振幅圧縮/拡大処理部351、振幅軸変換処理部352、上限リミット/下限カットオフ処理部353、原3D画像作成処理部354、表示更新用3D画像作成処理部355、回転等処理部356が順次直列的に接続されて構成される。
振幅圧縮/拡大処理部351は、周波数変換手段20から出力される周波数毎の振幅値に対して、所定の振幅値(圧縮閾値という)以上の振幅値に対しては利得を下げて振幅を圧縮し、圧縮閾値未満の振幅値に対しては利得を上げて振幅を拡大する処理を行うものである。
ビジュアル聴診器1に入力される可聴音は、微弱な音と比較的大きな音が混在し時間的に変動している。微弱な可聴音に対してはその振幅を拡大してより見やすい状態で表示したいという要望がある。しかしながら、入力される可聴音に対して一律に利得を上げて振幅を拡大させると、大きな振幅入力に対しても拡大され飽和状態となるおそれがある。
そこで、圧縮閾値以上の振幅値に対しては利得を下げて振幅を圧縮し、圧縮閾値未満の振幅値に対しては利得を上げて振幅を拡大する処理を行うことにより、大きな入力に対しても飽和させることなく微弱な信号を拡大することが可能となる。
振幅圧縮/拡大処理部351に対して設定するパラメータには、圧縮閾値と圧縮比がある。ビジュアル聴診器1は、圧縮閾値と圧縮比の入力方法をグラフ化したインタフェースを備えることによって簡素化を図り操作性を向上させている。
図10は、圧縮調節ウィンドウ340を示している。圧縮調節ウィンドウ340は、図4に示した標準画面ウィンドウ301の調節ウィンドウ表示ボタン320をクリックすると標準画面ウィンドウ301に重ねて表示される。
圧縮調節ウィンドウ340のうち、大きな正方形をなす圧縮調節領域341は、入力振幅と出力振幅の関係を可視化している。横軸が入力振幅に対応し、縦軸が出力振幅に対応する。折れ線内にある調節ボタン342はポインタをドラッグすることによって移動する。図10に示した折れ線の状態は、調節ボタン342より上の領域にある折れ線の傾斜は「1」より小さく、この領域(領域343)の振幅は圧縮される。一方、調節ボタン342より下の領域にある折れ線の傾斜は「1」より大きく、この領域(領域344)の振幅は拡大される。
圧縮調節ウィンドウ340のうち右部にある帯状の領域には振幅値の大きさに割り振られている色表示がバー状に表示される。
圧縮調節ウィンドウ340によれば、ユーザが調節ボタン342をドラッグさせるだけで圧縮閾値と圧縮比を同時にかつ極めて簡易に設定することができる。また、設定した圧縮閾値と圧縮比は圧縮調節ウィンドウ340の右下の圧縮閾値欄345(Threshold)と圧縮比欄346(ratio)に数値として表示されるため、正確な数値設定が可能となる。
振幅軸変換処理部352は、3次元画像表示における振幅値の単位を変更・設定するための処理を行う。音の大きさを表す単位としては、リニア表示としての音圧、音圧を対数に変換して対数表示(或いはdB表示)で表す音圧レベルが一般的である。
この他、人間の耳の感音特性を含めた特性(これをラウドネス特性という。)を表す単位としてphone値或いはsone値も音の大きさを表す単位としてしばしば用いられる。
図11は、音圧レベル(音圧の対数表示)とラウドネス特性の関係を示す図である。図11に示した曲線群はラウドネス等感曲線とも呼ばれる。phone値は、周波数1kHzの点において音圧レベルとphone値の数値を一致させ、周波数1kHz以外の領域では人間の耳の感音特性を考慮して補正したものである。人間の耳の感音特性には周波数依存性があり、低い周波数に対しては感度が鈍くなる傾向がある。phone値はこの傾向を反映させたもので周波数依存性をもっている。これに対して、音圧レベルは絶対的な物理量であり、周波数依存性はない。
例えば、図11において、音圧レベル30(dB)は、1kHz(点α)においても100Hz(点β)においても音圧レベル30(dB)である。これに対して、phone値は、1kHz(点α)においては音圧レベルと同じ数値の30phoneであるが、100Hz(点β)においは10phoneとなり、音圧レベルに対して数値が20低い値となる。これは、人間の耳の感音特性が低い周波数に対しては感度が鈍くなる傾向を反映させたものである。
sone値は、phone値を別の尺度で表現したものであり、phone値と同じ曲線群で表される。sone値の定義は、40phoneを1soneとし、phone値の数値が10上がるとsone値を2倍とし、phone値の数値が10下がるとsone値を1/2倍とするものである。例えば30phoneの曲線は1/2soneの曲線と一致し、20phoneの曲線は1/4soneの曲線と一致する。
ビジュアル聴診器1では、周波数依存性の無い物理量である音圧表示(リニア表示)およびその対数表示である音圧レベルに加えて、人間の耳の感音特性を反映したphone値およびsone値によって表示可能とし、これらをパラメータとして選択可能な形態としている。
経験を積んだ医師は、従来の聴診器による診断によって自らの耳に聞こえる人体の可聴音の大きさを判断している。ビジュアル聴診器1においても、マイク等の集音手段3から出力される物理量に対して人間の耳の感音特性を反映したphone値およびsone値に変換して振幅値を表示可能とすることによって、医師の経験を活かした適切な監視、診断が可能となる。
振幅軸変換処理部352では、音圧表示、対数表示、phone値表示およびsone値表示の4種の表示に加えて、さらに1/Xsone補正法を用いた振幅値の補正表示を可能としている。
1/Xsone補正法とは、1/Xsone特性を表す曲線の1kHzを基準とした周波数特性(1kHzを基準とした変化量)を他の曲線の1kHz以外の領域にも適用して振幅値を補正するものである。
例えば1/Xsone補正法において、Xとして「8」を選択した場合、基準となる曲線は1/8sone曲線(図11において、曲線G)となる。この1/8sone曲線の1kHzを基準とした変化量を他の曲線の1kHz以外の領域に適用して補正する。例えば2soneの曲線(50phoneの曲線と同じ)に適用して補正した場合、補正後の2soneの曲線(或いは50phoneの曲線)は、曲線Hに変更される。
この結果、周波数が200Hzで音圧レベルが約58dBの振幅値(点γ)は、補正前は4sone(或いは60phone)であったものが1/Xsone補正法を適用した場合2sone(或いは50phone)として表される。
1/Xsone補正法は、1kHz以下の周波数において、同じ音圧レベルであってもsone値或いはphone値の値をより低く補正するものである。
一般に人体からの可聴音を監視、診断しようとする場合に、ある周波数以下の成分は重要性が低い場合がしばしばある。例えば呼吸音の監視、診断においては100Hz以下の周波数成分は重要性が低いとされる場合において、100Hz以下の表示を完全にカットするのではなく、表示感度を下げて表示したいという要望がある。1/Xsone補正法はかかる要望に答えるものである。
なお、音圧表示、対数表示、phone値表示、sone値表示および1/Xsone補正法の選択は、図5に示した表示設定ウィンドウ330のレベル軸欄333をクリックして容易に選択することができる。
次に、図9に示す上限リミット/下限カットオフ処理部353は、設定される振幅の上限値および下限値に基づいて、上限リミット処理および下限カットオフ処理をおこなうものである。
上限リミット処理は、設定されている上限値以上の振幅の信号に対しては、上限値をその振幅として表示させる。
一方、下限カットオフ処理は、設定されている下限値以下の振幅の信号に対してはその表示を禁止する。下限カットオフ処理によって、監視、診断上不要な程度の微小な可聴音や不要な雑音の表示を排除することが可能となり、視認性を向上させることが可能となる。
振幅の上限値、下限値は図4に示した標準画面ウィンドウ301の右下にある3Dバー315によって容易に設定・変更することができる。標準画面ウィンドウ301の上側バー316をドラッグすることによって上限値は変更できる。このとき、3次元画像表示領域Aの振幅上限値322も併せて変更される。同様に、標準画面ウィンドウ301の下側バー317をドラッグすることによって下限値が変更でき、3次元画像表示領域Aの振幅下限値323も併せて変更される。
原3D画像作成処理部354は、3次元画像表示の基となる3次元データの作成を行う処理である。設定された表示周波数の下限値、上限値のパラメータを基にFFTから出力された周波数成分の中から表示に必要な周波数成分を選択する。
また、設定された表示時間範囲とFFT繰り返し周期のパラメータを基に、FFTから逐次繰り返し出力されてくるデータを時間方向で切り取る処理を行う。例えば表示時間範囲が6秒、FFT繰り返し周期が50msと設定されている場合、120個(6000ms/50ms=120)のFFT出力を時間の新しい順から取り出し、これを3次元画像表示の基となる3次元データとする。
なお、表示周波数の下限値、上限値の設定は、図5に示した表示設定ウィンドウ330の周波数表示範囲欄336から設定することができる。また、表示時間範囲とFFT繰り返し周期は、同じく図5に示した表示設定ウィンドウ330の時間軸欄331およびFFT間隔欄335から設定することができる。
表示更新用3D画像作成処理部355は、原3D画像作成処理部354から出力される3次元データから表示更新用の3次元データを作成するものである。
ビジュアル聴診器1は、心音や捻髪音を監視、診断可能とするため、FFTフレーム長TやFFT繰り返し周期の短縮化を図っている。このため、FFTからは例えば5msの繰り返し周期で新しいFFTデータが出力される。従って、原理的には3次元画像の表示は5ms毎に更新することが可能である。
しかしながら、人間が3次元画像を目視する場合、5ms毎の画像の変化は識別することができない。3次元画像の更新周期は人間が識別できる範囲であれば十分である。例えば30ms程度の更新周期であっても人間の目には十分滑らかな連続性を確保できる。
図12は、3次元データのうち特定の周波数成分をとりだして、振幅波形と時間とをプロットしたものである。複数の同じ波形を時間方向にシフトして表示することによって画像が更新される様子を模擬したものである。また、各波形上のドットの周期はFFT繰り返し周期を表している。図12においては、画像の更新周期とFFT繰り返し周期は同じ値となっている。
これに対して図13は、画像の更新周期をFFT繰り返し周期の2倍としたときの画像の更新状態を模擬したものである。FFT繰り返し周期は図12と同じ値であることから、画像の更新周期を2倍としても波形の形状そのものは図12の形状と同じ形状が維持されている。
ビジュアル聴診器1では、画像の更新周期とFFT繰り返し周期をそれぞれ独立に設定できるようにしている。従って、FFT繰り返し周期を短く設定することによって持続時間が短い心音等の波形の再現性を確保しつつ、連続的な視認性が確保できる範囲で画像の更新周期を独立に低く設定することができる。この結果、後続する3次元画像の回転等処理に対して処理負荷を軽減することが可能となり、ハングアップ等の現象を排除することができる。
回転等処理部356は、3次元画像に対して、回転・平行移動・拡大・縮小(以下回転等という)させて表示するための処理である。回転等処理は、3次元データに対して回転・平行移動・拡大・縮小を行うための変換行列演算や、3次元データから2次元画面への投射処理、隠れた部分の消去処理等を含む処理である。
回転等を行う手法は種々の方法があるが、例えば3次元データに対する視線方向と視点距離を設定、変更することによって実現できる。
3次元画像の回転等は、図4に示した回転ボタン307,平行移動ボタン308および拡大・縮小ボタン309によって手動で実施させることができる。例えば回転ボタン307をクリックして回転可能な状態にした後、3次元画像が表示されている画面の上から回転させたい任意の方向にポインタをドラッグすることによって3次元画像を回転させることができる。
図14は、3次元画像を回転・拡大・縮小させたときの様子を例示したものである。図14(a)は初期の状態を示している。ユーザが図4に示した回転ボタン307をクリックして回転可能な状態にした後、図14(a)内にポインタ(図示せず)を移動させて例えば図14(a)内を左方向から右方向にポインタをドラッグすると、3次元画像は図14において反時計方向に回転して図14(b)の状態になる。
次にユーザが拡大・縮小ボタン309をクリックして拡大・縮小が可能な状態にした後、ポインタを手前方向(画面上で上から下へ)にドラッグすると3次元画像は拡大されて図14(c)の状態になる。逆にポインタを奥方向に(画面上で下から上へ)ドラッグすると3次元画像は縮小されて図14(c)の状態に戻る。
さらにユーザが、回転ボタン307をクリックした後、画面上のポインタを左方向から右方向にドラッグすると3次元画像を継続して反時計方向に回転させることが可能であり、図14(b)から図14(d)の状態へ、さらには図14(e)の状態へ回転する。
平行移動ボタン308をクリックすれば、同様にポインタをドラッグすることで3次元画像を任意の方向に平行移動させることができる。
このように極めて簡便な方法で3次元画像を自由に回転等させることができ、可聴音の監視、診断を容易かつ正確に行うことが可能となる。
例えば、可聴音の時間的変化や周波数の変化を総合的に判断したいような場合は3次元画像を斜め上方向から鳥瞰する状態に設定すればよい。可聴音の時間的な変化に着目したいときは、3次元画像を水平にして時間軸を画面の正面方向に向ければよい。さらに周波数成分の変化に着目したい場合は、周波数軸を画面の正面方向に向ければよい。このように3次元画像を任意の方向から監視することでより正確な診断が可能となる。
可聴音が3次元画像化されることによってさらに種々の利点が生じる。例えば、カルテ等の診断記録において客観的かつ正確な記録が可能となる。従来捻髪音等の異常呼吸音の存在をカルテ等に記録する際には、その音の特徴を示す専門用語を用いて記載する等の手段がとられていた。可聴音が3次元画像化されることによって例えば、捻髪音の周波数や振幅を付記することが可能となりより客観的な記載とすることも可能となる。また、プリントアウトした3次元画像をカルテ等の記録に含めることもできる。
(6)パラメータ設定手段の構成と動作
図15は、パラメータ設定手段40および表示自動更新手段50の細部構成を示したものである。
パラメータ設定手段40は、入力手段6によるクリック等の手動操作で入力された情報を基に作成された手動パラメータファイル401、パラメータ設定手段40で作成された手動パラメータファイル401と表示自動更新手段50が備えるシナリオパラメータファイル505とからパラメータを適宜選択する第1の選択部402を備える。また、入力手段6からクリック、ドラッグ等操作によって入力される情報を基に回転等の内容を識別する手動指示による回転等識別部403、識別された回転等の情報を基に求められる視線方向・視点距離データ404、パラメータ設定手段40で求められた視線方向・視点距離データ404と表示自動更新手段50で求められた視線方向・視点距離データ506とを適宜選択する第2の選択部405等を備える。
手動パラメータファイル401は、標準画面ウィンドウ301の各種ボタン314等、表示設定ウィンドウ330の各種ボタン331等、圧縮調節ウィンドウ340の調節ボタン342等で選択或いは入力された各種パラメータを基に作成される。
視線方向・視点距離データ404は、図16に例示したベクトルの方向(視線方向)やベクトルの始点(視点距離)によって表される量であり、3次元画像処理手段30における回転等の演算に用いられる。視線方向・視点距離データ404を変化させることによって3次元画像は回転等する。
(7)表示自動変更手段の構成と動作
図15には表示自動更新手段50の細部構成も併せて示している。
表示自動更新手段50は、予め作成してあるシナリオファイル501に基づいてFFT繰り返し周期等の各種パラメータや3次元画像の回転等を自動的に更新するものである。
シナリオファイル501はシナリオが記述されているファイルのことであり、シナリオは、パラメータ設定コマンド502や移動コマンド503等の実行コマンドと、コマンドの実行手順を示した手順コマンド504から構成されたものである。
図17は、シナリオファイル501の一例を示したものである。シナリオファイル501の行番号1にはシナリオファイル501を識別するためのシナリオ名称が記述される。図17の例では、シナリオ名称は「呼吸音(1)」である。
行番号2および3には、手順コマンド「手順A(B,1)」とこの手順コマンドに従って実行される実行コマンドが記述されている。ここで手順コマンド「手順A(B,1)」の最初の「A」はこの手順コマンドの識別名を表している。次の「B」は、手順コマンドAの手順が終了した後の次の手順を示すジャンプ先の手順コマンドの識別名を表している。
行番号3には、実行コマンドとして、パラメータ設定コマンド「パラメータ設定(#2)」と記述されている。「パラメータ設定(#2)」の意味するところは、シナリオパラメータファイル(#2)に記述されている各種パラメータをA/D変換手段10、周波数変換手段20および3次元画像処理手段30に送信し、設定せよ、という意味である。
また、「手順A(B,1)」のうち、「1」は手順コマンドAに含まれる実行コマンドの繰り返し数を示している。本例に示された手順によれば、「パラメータ設定(#2)」コマンドを1回だけ実行し、その後、識別名Bの手順コマンドへジャンプせよ、ということになる。
行番号4〜7には、手順コマンド「手順B(B,1)」とこの手順コマンドに従って実行される複数の実行コマンドが実行順に記述されている。このようにひとつの手順コマンドに含まれる実行コマンドの数はひとつに限らない。また本例では、識別名Bの手順コマンドの次のジャンプ先は同じく識別名Bの手順コマンドとなっていることから、識別名Bの手順コマンドに含まれる実行コマンド(本例では3つの実行コマンド)が繰り返し実行されることになる。
行番号5の、移動コマンド「移動(x、y、z、x、y、z、t、n)」の意味は、現在の視線ベクトル(図16における視線ベクトルA0)から、始点座標(x、y、z)、終点座標(x、y、z、)で表現される視線ベクトルA1へ移動時間tでかつn回のステップで移動せよ、という意味である。3次元画像の回転等の演算の基になる視線方向、視点距離は、視線ベクトルの方向および視線ベクトルの始点の位置によって表現される。したがって、視線ベクトルを本実行コマンドによって移動させることによって3次元画像を回転等させることができる。
本例でtを4秒(4000ms)、nを100と記述した場合、視線ベクトルは40ms毎に100回のステップで離散的に移動するが、人間の目にはほぼ連続的に滑らかに移動しているように見える。
行番号6にも同様の移動コマンド「移動(x、y、z、x、y、z、t、n)」が記述されている。行番号5および行番号6の移動コマンドの実行によって、図16に例示したように、現在の視線ベクトルA0から視線ベクトルA1へ、さらに視線ベクトルA2へ移動する。
行番号7の、停止コマンド「停止(m)」は、m秒間停止せよ、という意味である。
図17はシナリオファイル501の一例ではあるものの、基本的には本例で示した4種のコマンド、即ち、手順コマンド、パラメータ設定コマンド、移動コマンドおよび停止コマンドによって総てのシナリオファイル501を記述することが可能である。
このようにシナリオファイルを構成するコマンドの種類は限定されているため、キーボード等を用いてシナリオを直接記述するとしてもそれ程大きな負担とはならない。さらに後述するシナリオ簡易作成機能を用いればより一層簡易な方法でシナリオファイル501を作成することが可能である。
シナリオファイル501の実行方法を図4、図15および図17を参照して説明する。
まず、標準画面ウィンドウ301の下部のシナリオ選択欄325(図4参照)をクリックして所望のシナリオファイル501のシナリオ名称を選択する。例えば「呼吸音(1)」を選択する。次に同じく標準画面ウィンドウ301の右上部にあるスタートボタン302をクリックする。この2つの操作だけでシナリオファイル501(「呼吸音(1)」)に記述されている各コマンドが実行される。
具体的には、まず手順コマンド「手順A(B、1)」に含まれるパラメータ設定コマンド502がデコードされた後実行される。図17の例で言えばシナリオパラメータファイル(#2)505に記憶されている各種パラメータがA/D変換手段10、周波数変換手段20および3次元画像処理手段30に自動的に設定される。
なお、シナリオファイルが選択されて実行される場合には、パラメータ設定手段40の第1の選択部402は、表示自動更新手段50から出力されるパラメータが優先的に選択されるが、入力手段6から手動で特定のパラメータが設定された場合には、シナリオパラメータファイル内の該当するパラメータはオーバーライド(上書き)される。
次に手順コマンド「手順B(B、1)」に含まれている2つの移動コマンドと停止コマンドが繰り返し実行される。移動コマンドに含まれる視線ベクトルの座標情報、移動時間、ステップ数の情報から視線方向、視点距離データが順次求められ、パラメータ設定手段40の第2の選択部405を介して3次元画像処理手段30へ送られる。3次元画像処理手段30では、逐次送られてくる視線方向、視点距離データに基づいて、3次元画像に対して回転等の処理を行う。
患者の診断中において、呼吸音の監視、診断から心音の監視、診断に切り換える場合がある。呼吸音と心音とではそれぞれの周期や周波数範囲が大きく異なる。このため、呼吸音と心音をそれぞれ最適な状態で監視、診断するためには、表示時間範囲や表示周波数範囲、FFT繰り返し周期等の各種パラメータを変更する必要がある。しかしながら、各種パラメータの設定を患者の診断中に手動で変更するのは非常に面倒であり又誤操作の可能性もある。
ビジュアル聴診器1が備える表示自動更新手段50によれば、呼吸音用のシナリオと心音用のシナリオを予めそれぞれ備えることによって、操作の煩雑さや誤操作の危険性は解消される。呼吸音用のシナリオを実行させれば呼吸音の監視、診断に適した各種パラメータが自動的に設定することができ、心音用のシナリオを実行させれば心音の監視、診断に適した各種パラメータが自動的に設定することができるからである。
また、呼吸音の監視、診断と心音の監視、診断とでは、3次元画像に対する回転等を変更しなければならない場合もある。このような場合には、予め呼吸音用のシナリオと心音用のシナリオとにそれぞれの監視、診断に適した回転等を移動コマンドで記述しておけばよい。
(8)シナリオ簡易作成機能
シナリオファイル501は例えば4種程度のコマンドで簡便に記述することができるが、各種パラメータの内容や、視線ベクトルの座標点をキーボードを使って入力する操作は煩雑である。
表示自動更新手段50はシナリオファイル501を簡易に作成することができるシナリオ簡易作成部510を備えている。
シナリオ簡易作成部510は、基本的にはシナリオファイル501の実行の手順(図15参照)と逆の手順でシナリオファイル501を作成するものである。この際、各種パラメータの設定や、回転等の設定はパラメータ設定手段40が備える手動入力機能を利用することによって簡易に設定できるようにしている。
図18は、シナリオファイル501を簡易に作成するためのシナリオ作成ウィザードを示したものである。
まず、呼吸音用のシナリオを作成しようとする場合、呼吸音の監視、観測に適した各種パラメータを入力手段6および表示設定ウィンドウ330等を用いて手動で設定する。この結果、手動パラメータファイル401が作成される。
次に、表示設定ウィンドウ330の下部にあるシナリオ作成ボタン338をクリックすると手動パラメータファイル401の内容がシナリオパラメータファイル505に転送・保存される。さらに、図18に示したシナリオ作成ウィザード511が画面上に表示される。また、シナリオ作成ウィザード511の内部のシナリオ記述部513には、行番号1ないし4に相当するシナリオ名称および各コマンドが自動的に作成される。なお、シナリオ名称は当初は仮の名称が付されるが、シナリオ名称欄512に所望の名称(例えば「呼吸音(1)」)を入力することによって変更できる。
次に、標準画面ウィンドウ301の内部にあるポインタをドラッグすることによって、3次元画像に対して手動で所望の回転等の設定を行う。そして、その状態のままシナリオウィザード511の移動ボタン514をクリックする。その結果、表示されている3次元画像の状態に対応する回転等の情報が視線ベクトル情報に変換されて行番号5に相当する移動コマンドを自動的に作成する。なお、移動コマンドのt1、nにはそれぞれ既定値として、例えば4000(ms)、200が設定されるが、これらの数値はシナリオ記述欄513に直接数値を入力することで変更可能である。
さらに、標準画面ウィンドウ301の内部にあるポインタをドラッグすることによって、3次元画像に対して回転等を変更する。そして、変更後の画像の状態のままシナリオウィザード511の移動ボタン514を再度クリックする。その結果、表示されている3次元画像の状態に対応する回転等の情報が視線ベクトル情報に変換されて行番号6に相当する移動コマンドを自動的に作成する。
つぎに、シナリオウィザード511の停止ボタン515をクリックする。その結果、行番号7の停止コマンドが自動作成される。停止時間mには既定値として例えば2000(ms)が設定されるが、この数値もシナリオ記述欄513に直接数値を入力することで変更可能である。
最後に、シナリオウィザード511の右上部にある、OKボタン516をクリックすれば、シナリオ名称「呼吸音(1)」のシナリオファイルが作成される。
(9)ソフトウェアによる処理
図2に示したビジュアル聴診器1のシステム構成、図7,図9および図15に示した細部構成は、ハードウェアによっても実現可能であるが、ソフトウェアによっても実現できる。
図19は、図7,図9および図15に示した細部構成による処理をソフトウェアによって実現した場合の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、ステップST10で、FFT繰り返し周期、表示周波数範囲等の各種パラメータを入力する。また、最初に入力した各種パラメータの変化をモニタし、いずれかのパラメータに変化があった場合は再度変化のあったパラメータを入力する。
次に、ステップST11で、A/D変換手段10から、可聴音デジタルデータを入力する。ステップST12では、入力した可聴音デジタルデータに対して、FFT処理によって周波数変換処理を行う。FFT処理は、FFT演算の他、設定された窓関数によるウェイティング演算、FFT演算結果に対する振幅値演算、リニア、Bark等の周波数軸変換処理を含むものである。
ステップST13では、FFT処理された各周波数成分毎の振幅値に対して、圧縮および拡大処理を行う。
ステップST14では、振幅軸を、リニア表示、対数表示、phone値表示、sone値表示等で表示させるために各周波数成分の振幅値に対して加工処理を行う。
ステップST15では、各周波数成分毎の振幅値に対して、上限値以上の信号に対してはリミットし、下限値以下の信号に対しては除去する処理をさらに行う。
ステップST16では、パラメータとして設定された表示時間範囲、表示周波数範囲の振幅値を3次元データとして作成する。ステップST16で作成される3次元データは、FFT繰り返し周期に対応した時間間隔で更新されるものである。
ステップST17では、パラメータとして設定された画像更新周期に基づいて、ステップST16で作成された3次元データを取り出す。従って、ステップST17で作成される3次元データは、画像更新周期に対応した時間間隔で更新されるものである。
ステップST18では、視線方向、視点距離データを入力する。
ステップST19では、ステップST17で作成された3次元データと、ステップST18で入力された視線方向、視点距離データとに基づいて回転等の演算を行った後、3次元データから2次元への投射演算、隠れ部分の消去処理等を行って3次元画像データを作成する。またステップST19では、3次元画像データに加えて、A/D変換手段10から出力される時間波形も表示させる処理を行う。
ステップST20では、ビジュアル聴診器1が備える例えば液晶表示器等の表示手段5に対して画像データを出力する。
図15に示したパラメータ設定手段40および表示自動更新手段50の細部構成もソフトウェアによって実現できるが、その内容は図15等に関する説明と重複するためここでは省略する。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
本発明に係るビジュアル聴診器の外観の一例を示す図。 本発明に係るビジュアル聴診器の実施形態のシステム構成例を示す図。 本発明に係るビジュアル聴診器の実施形態の3次元画像表示例を示す図。 本発明に係るビジュアル聴診器の実施形態における標準画面ウィンドウの表示例を示す図。 本発明に係るビジュアル聴診器の実施形態における表示設定ウィンドウの表示例を示す図。 本発明に係るビジュアル聴診器の実施形態におけるA/D変換手段の細部構成例を示す図。 本発明に係るビジュアル聴診器の実施形態における周波数変換手段の細部構成例を示す図。 FFTフレーム長とFFT出力の時間波形の再現性との関係を説明する図。 本発明に係るビジュアル聴診器の実施形態における3次元画像処理手段の細部構成例を示す図。 本発明に係るビジュアル聴診器の実施形態における圧縮調節ウィンドウの表示例を示す図。 音圧レベルとラウドネス特性の関係を示す図。 FFT繰り返し周期と画像更新周期の関係を説明する第1の図。 FFT繰り返し周期と画像更新周期の関係を説明する第2の図。 回転等を行ったときの3次元画像の表示例を示す図。 本発明に係るビジュアル聴診器の実施形態におけるパラメータ設定手段および表示自動更新手段の細部構成例を示す図。 視線ベクトルと視線方向および視点距離の関係を示す図。 本発明に係るビジュアル聴診器の表示自動更新手段で用いるシナリオの一例を示す図。 本発明に係るビジュアル聴診器のシナリオ簡易作成機能の一例を説明する図。 本発明に係るビジュアル聴診器のソフトウェア処理の一例を示すフローチャート。
符号の説明
1 ビジュアル聴診器
3 集音手段
5 表示手段
6 入力手段
10 A/D変換手段
20 周波数変換手段
30 3次元画像処理手段
40 パラメータ設定手段
50 表示自動更新手段
60 データ入出力手段
101 利得可変増幅器
102 A/D変換器
103 利得制御部
201 ウェイティング演算部
202 FFT演算部
203 周波数軸変換部
301 標準画面ウィンドウ
330 表示設定ウィンドウ
340 圧縮調節ウィンドウ
351 振幅圧縮/拡大処理部
352 振幅軸変換処理部
353 上限リミット/下限カットオフ処理部
354 原3D画像作成処理部
355 表示更新用3D画像作成処理部
356 回転等処理部
401 手動パラメータファイル
501 シナリオファイル
502 パラメータ設定コマンド
503 移動コマンド
504 手順コマンド
505 シナリオパラメータファイル
510 シナリオ簡易作成部

Claims (44)

  1. 呼吸音および心音を含む人体から発生する可聴音がデジタルデータに変換された可聴音デジタルデータを入力し、複数の周波数毎の振幅データに変換する周波数変換手段と、
    前記複数の周波数毎の振幅データに変換された可聴音デジタルデータを、振幅、周波数および時間に基づいて3次元画像として実時間で表示させるための画像処理を行う3次元画像処理手段と、
    前記周波数変換手段および前記3次元画像処理手段に対する各種パラメータを設定するパラメータ設定手段と、
    前記3次元画像処理手段によって画像処理される3次元画像を予め定めた手順に従って自動的に変更する表示自動変更手段と、
    を備えたことを特徴とするビジュアル聴診器。
  2. 呼吸音および心音を含む人体から発生する可聴音を集音し、電気信号に変換する集音手段と、
    前記集音手段から出力される前記電気信号を可聴音デジタルデータに変換するA/D変換手段とをさらに備え、
    前記パラメータ設定手段は、前記A/D変換手段に対して各種パラメータをさらに設定することを特徴とする請求項1に記載のビジュアル聴診器。
  3. 前記3次元画像処理手段によって画像処理された3次元画像を表示する表示手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のビジュアル聴診器。
  4. 前記パラメータ設定手段に対して前記パラメータを手動で入力する入力手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のビジュアル聴診器。
  5. 前記A/D変換手段は、前記A/D変換手段に入力される前記電気信号或いは前記A/D変換手段から出力される前記可聴音デジタルデータに対して利得を変更でき、前記パラメータ設定手段は、前記利得を含むパラメータを設定できることを特徴とする請求項2に記載のビジュアル聴診器。
  6. 前記周波数変換手段は、高速フーリエ変換による周波数変換手段であり、前記高速フーリエ変換のフレーム時間長の最小値は5ms以下であり、前記パラメータ設定手段は、前記高速フーリエ変換のフレーム時間長を含むパラメータを設定できることを特徴とする請求項1に記載のビジュアル聴診器。
  7. 前記3次元画像処理手段は、振幅の表示範囲の上限値および下限値を変更することが可能であり、前記パラメータ設定手段は、前記振幅の表示範囲の上限値および下限値を含むパラメータを設定できることを特徴とする請求項1に記載のビジュアル聴診器。
  8. 前記3次元画像処理手段は、前記複数の周波数毎の振幅データに変換された可聴音デジタルデータに対して、所定の振幅値以上の振幅データに対しては振幅の圧縮処理を行い前記所定の振幅値未満の振幅データに対しては振幅の拡張処理を行うことができ、前記パラメータ設定手段は、前記所定の振幅値および前記圧縮処理の圧縮率を含むパラメータを設定できることを特徴とする請求項1に記載のビジュアル聴診器。
  9. 前記3次元画像処理手段は、前記複数の周波数毎の振幅データに変換された可聴音デジタルデータを、リニア表示、対数表示、phone値表示、sone値表示のうち少なくともいずれかひとつの振幅表示の方法によって表示でき、前記パラメータ設定手段は、前記振幅表示の方法を含むパラメータを設定できることを特徴とする請求項1に記載のビジュアル聴診器。
  10. 前記3次元画像処理手段は、前記複数の周波数毎の振幅データに変換された可聴音デジタルデータをphone値表示或いはsone値表示によって表示した場合において、ラウドネス等感曲線の中から任意に選定したphone値曲線或いはsone値曲線の1kHzを基準とした変化量を他のphone値曲線或いはsone値曲線の1kHz以外の領域に適用してphone値表示或いはsone値表示することを特徴とする請求項1に記載のビジュアル聴診器。
  11. 前記3次元画像処理手段は、前記3次元画像の表示周波数範囲の最小値及び最大値を変更でき、前記パラメータ設定手段は、前記表示周波数範囲の最小値及び最大値を含むパラメータを設定できることを特徴とする請求項1に記載のビジュアル聴診器。
  12. 前記3次元画像処理手段は、前記3次元画像の表示時間範囲を変更でき、前記パラメータ設定手段は、前記表示時間範囲を含むパラメータを設定できることを特徴とする請求項1に記載のビジュアル聴診器。
  13. 前記3次元画像処理手段は、前記3次元画像の更新時間を変更でき、前記パラメータ設定手段は、前記更新時間を含むパラメータを設定できることを特徴とする請求項1に記載のビジュアル聴診器。
  14. 前記3次元画像処理手段は、回転、平行移動、拡大および縮小のうち任意のひとつ或いは任意の2以上の組み合わせによって前記3次元画像に対する視線方向および視点距離を変更することができ、前記パラメータ設定手段は、前記回転、平行移動、拡大および縮小をさせるための指示を設定できることを特徴とする請求項1に記載のビジュアル聴診器。
  15. 前記表示自動変更手段は、パラメータ設定コマンドと移動コマンドとを含む複数のコマンドに基づいて前記3次元画像を自動的に変更するための手順を予め定めることができることを特徴とし、
    前記パラメータ設定コマンドは、前記A/D変換手段、前記周波数変換手段および前記3次元画像処理手段に対して前記パラメータを設定することができるコマンドであり、
    前記移動コマンドは、移動後の前記3次元画像に対する視線方向および視点距離を示す視線ベクトルと、移動に要する時間とを含むコマンドであることを特徴とする請求項1又は2に記載のビジュアル聴診器。
  16. 前記パラメータ設定コマンドは、手動で設定された前記パラメータの情報に基づいて作成することができ、
    前記移動コマンドは、手動で設定された前記3次元画像に対する視線方向および視点距離の情報から移動コマンドを作成することができることを特徴とする請求項15に記載のビジュアル聴診器。
  17. 呼吸音および心音を含む人体から発生する可聴音がデジタルデータに変換された可聴音デジタルデータを入力し、
    周波数変換手段によって複数の周波数毎の振幅データに変換し、
    前記複数の周波数毎の振幅データに変換された可聴音デジタルデータを、3次元画像処理手段によって振幅、周波数および時間に基づいて3次元画像として実時間で表示するビジュアル聴診器の画像表示方法において、
    前記周波数変換手段および前記3次元画像処理手段に対するパラメータを手動で設定可能に構成するともに、前記3次元画像処理手段によって表示される3次元画像を予め定めた手順に従って自動的に変更可能に構成したことを特徴とするビジュアル聴診器の画像表示方法。
  18. 呼吸音および心音を含む人体から発生する可聴音を集音し電気信号に変換し、
    前記電気信号をA/D変換手段によって可聴音デジタルデータに変換し、
    前記A/D変換手段によって変換された可聴音デジタルデータをさらに入力し、
    前記A/D変換手段に対するパラメータを手動でさらに設定可能に構成したことを特徴とする請求項17に記載のビジュアル聴診器の画像表示方法。
  19. 前記A/D変換手段は、前記A/D変換手段に入力される前記電気信号或いは前記A/D変換手段から出力される前記可聴音デジタルデータに対して利得を変更でき、前記手動で設定することができるパラメータは前記利得を含むことを特徴とする請求項18に記載のビジュアル聴診器の画像表示方法。
  20. 前記周波数変換手段は高速フーリエ変換による周波数変換手段であり、前記高速フーリエ変換のフレーム時間長の下限値は5ms以下であり、前記手動で設定することができるパラメータは前記高速フーリエ変換のフレーム時間長を含むことを特徴とする請求項17に記載のビジュアル聴診器の画像表示方法。
  21. 前記3次元画像処理手段は、振幅の表示範囲の上限値および下限値を変更でき、前記手動で設定することができるパラメータは前記振幅の表示範囲の上限値および下限値を含むことを特徴とする請求項17に記載のビジュアル聴診器の画像表示方法。
  22. 前記3次元画像処理手段は、前記複数の周波数毎の振幅データに変換された可聴音デジタルデータに対して、所定の振幅値以上の振幅データに対しては振幅の圧縮処理を行い前記所定の振幅値未満の振幅データに対しては振幅の拡張処理を行うことができ、前記手動で設定することができるパラメータは前記所定の振幅値および前記圧縮処理の圧縮率を含むことを特徴とする請求項17に記載のビジュアル聴診器の画像表示方法。
  23. 前記3次元画像処理手段は、前記複数の周波数毎の振幅データに変換された可聴音デジタルデータを、リニア表示、対数表示、phone値表示、sone値表示のうち少なくともいずれかひとつの振幅表示の方法によって表示でき、前記手動で設定することができるパラメータは前記振幅表示の方法を含むことを特徴とする請求項17に記載のビジュアル聴診器の画像表示方法。
  24. 前記3次元画像処理手段は、前記複数の周波数毎の振幅データに変換された可聴音デジタルデータをphone値表示或いはsone値表示によって表示した場合において、ラウドネス等感曲線の中から任意に選定したphone値曲線或いはsone値曲線の1kHzを基準とした変化量を他のphone値曲線或いはsone値曲線の1kHz以外の領域に適用してphone値表示或いはsone値表示することを特徴とする請求項17に記載のビジュアル聴診器の画像表示方法。
  25. 前記3次元画像処理手段は、前記3次元画像の表示周波数範囲の最小値及び最大値を変更でき、前記手動で設定することができるパラメータは前記表示周波数範囲の最小値及び最大値を含むことを特徴とする請求項17に記載のビジュアル聴診器の画像表示方法。
  26. 前記3次元画像処理手段は、前記3次元画像の表示時間範囲を変更でき、前記手動で設定することができるパラメータは前記表示時間範囲を含むことを特徴とする請求項17に記載のビジュアル聴診器の画像表示方法。
  27. 前記3次元画像処理手段は、前記3次元画像の更新時間を変更でき、前記手動で設定することができるパラメータは前記更新時間を含むことを特徴とする請求項17に記載のビジュアル聴診器の画像表示方法。
  28. 前記3次元画像処理手段は、回転、平行移動、拡大および縮小のうち任意のひとつ或いは任意の2以上の組み合わせによって前記3次元画像に対する視線方向および視点距離を変更することができ、前記手動で設定することができるパラメータは前記回転、平行移動、拡大および縮小をさせるための指示を含むことを特徴とする請求項17に記載のビジュアル聴診器の画像表示方法。
  29. 前記3次元画像を自動的に変更することができる予め定めた手順は、パラメータ設定コマンドと移動コマンドとを含む複数のコマンドに基づいて前記手順を定めることができ、
    前記パラメータ設定コマンドは、前記A/D変換手段、前記周波数変換手段および前記3次元画像処理手段に対して前記パラメータを設定することができるコマンドであり、
    前記移動コマンドは、移動後の前記3次元画像に対する視線方向および視点距離を示す視線ベクトルと、移動に要する時間とを含むコマンドであることを特徴とする請求項17又は18に記載のビジュアル聴診器の画像表示方法。
  30. 前記パラメータ設定コマンドは、手動で設定された前記パラメータの情報に基づいて作成することができ、
    前記移動コマンドは、手動で設定された前記3次元画像に対する視線方向および視点距離の情報から移動コマンドを作成することができることを特徴とする請求項29に記載のビジュアル聴診器の画像表示方法。
  31. 呼吸音および心音を含む人体から発生する可聴音がデジタルデータに変換された可聴音デジタルデータを周波数変換手段によって複数の周波数毎の振幅データに変換するステップと、
    前記複数の周波数毎の振幅データに変換された可聴音デジタルデータを、3次元画像処理手段によって振幅、周波数および時間に基づいて3次元画像として実時間で表示させるステップと、
    をコンピュータに実行させるビジュアル聴診器の画像表示プログラムにおいて、
    前記周波数変換手段および前記3次元画像処理手段に対するパラメータを手動で設定可能に構成するとともに、前記3次元画像処理手段によって表示される3次元画像を予め定めた手順に従って自動的に変更可能に構成したことを特徴とするビジュアル聴診器の画像表示プログラム。
  32. 前記可聴音デジタルデータは、呼吸音および心音を含む人体から発生する可聴音を集音し電気信号に変換した後、前記電気信号をA/D変換手段によって変換した可聴音デジタルデータであり、
    前記A/D変換手段に対するパラメータを手動でさらに設定可能に構成したことを特徴とする請求項31に記載のビジュアル聴診器の画像表示プログラム。
  33. 前記A/D変換手段は、前記A/D変換手段に入力される前記電気信号或いは前記A/D変換手段から出力される前記可聴音デジタルデータに対して利得を変更でき、前記手動で設定することができるパラメータは前記利得を含むことを特徴とする請求項32に記載のビジュアル聴診器の画像表示プログラム。
  34. 前記周波数変換手段は高速フーリエ変換による周波数変換手段であり、前記高速フーリエ変換のフレーム時間長の下限値は5ms以下であり、前記手動で設定することができるパラメータは前記高速フーリエ変換のフレーム時間長を含むことを特徴とする請求項31に記載のビジュアル聴診器の画像表示プログラム。
  35. 前記3次元画像処理手段は、振幅の表示範囲の上限値および下限値を変更でき、前記手動で設定することができるパラメータは前記振幅の表示範囲の上限値および下限値を含むことを特徴とする請求項31に記載のビジュアル聴診器の画像表示プログラム。
  36. 前記3次元画像処理手段は、前記複数の周波数毎の振幅データに変換された可聴音デジタルデータに対して、所定の振幅値以上の振幅データに対しては振幅の圧縮処理を行い前記所定の振幅値未満の振幅データに対しては振幅の拡張処理を行うことができ、前記手動で設定することができるパラメータは前記所定の振幅値および前記圧縮処理の圧縮率を含むことを特徴とする請求項31に記載のビジュアル聴診器の画像表示プログラム。
  37. 前記3次元画像処理手段は、前記複数の周波数毎の振幅データに変換された可聴音デジタルデータを、リニア表示、対数表示、phone値表示、sone値表示のうち少なくともいずれかひとつの振幅表示の方法によって表示でき、前記手動で設定することができるパラメータは前記振幅表示の方法を含むことを特徴とする請求項31に記載のビジュアル聴診器の画像表示プログラム。
  38. 前記3次元画像処理手段は、前記複数の周波数毎の振幅データに変換された可聴音デジタルデータをphone値表示或いはsone値表示によって表示した場合において、ラウドネス等感曲線の中から任意に選定したphone値曲線或いはsone値曲線の1kHzを基準とした変化量を他のphone値曲線或いはsone値曲線の1kHz以外の領域に適用してphone値表示或いはsone値表示することを特徴とする請求項31に記載のビジュアル聴診器の画像表示プログラム。
  39. 前記3次元画像処理手段は、前記3次元画像の表示周波数範囲の最小値及び最大値を変更でき、前記手動で設定することができるパラメータは前記表示周波数範囲の最小値及び最大値を含むことを特徴とする請求項31に記載のビジュアル聴診器の画像表示プログラム。
  40. 前記3次元画像処理手段は、前記3次元画像の表示時間範囲を変更でき、前記手動で設定することができるパラメータは前記表示時間範囲を含むことを特徴とする請求項31に記載のビジュアル聴診器の画像表示プログラム。
  41. 前記3次元画像処理手段は、前記3次元画像の更新時間を変更でき、前記手動で設定することができるパラメータは前記更新時間を含むことを特徴とする請求項31に記載のビジュアル聴診器の画像表示プログラム。
  42. 前記3次元画像処理手段は、回転、平行移動、拡大および縮小のうち任意のひとつ或いは任意の2以上の組み合わせによって前記3次元画像に対する視線方向および視点距離を変更することができ、前記手動で設定することができるパラメータは前記回転、平行移動、拡大および縮小をさせるための指示を含むことを特徴とする請求項31に記載のビジュアル聴診器の画像表示プログラム。
  43. 前記3次元画像を自動的に変更することができる予め定めた手順は、パラメータ設定コマンドと移動コマンドとを含む複数のコマンドに基づいて前記手順を定めることができ、
    前記パラメータ設定コマンドは、前記A/D変換手段、前記周波数変換手段および前記3次元画像処理手段に対して前記パラメータを設定することができるコマンドであり、
    前記移動コマンドは、移動後の前記3次元画像に対する視線方向および視点距離を示す視線ベクトルと、移動に要する時間とを含むコマンドであることを特徴とする請求項31又は32に記載のビジュアル聴診器の画像表示プログラム。
  44. 前記パラメータ設定コマンドは、手動で入力された前記パラメータの情報に基づいて作成することができ、
    前記移動コマンドは、手動で設定された前記3次元画像に対する視線方向および視点距離の情報から移動コマンドを作成することができることを特徴とする請求項43に記載のビジュアル聴診器の画像表示プログラム。
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