JP2007135148A - 折畳み式携帯無線機 - Google Patents

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Abstract

【課題】開いた状態から閉じた状態にすると、アンテナの放射効率が低下していた。
【解決手段】本携帯無線機は非導電材料の上部筐体1と下部筐体2と、上部筐体1と下部筐体2とを相互に回転自在に連結しているヒンジ部3とを備える。上部筐体1の内部には回路基板4が収納され、下部筐体2の内部には回路基板5が収納され、回路基板4と5は、ヒンジ部3の内部を通ったフレキシブルケーブル6により電気的に接続されている。上部筐体1および下部筐体2のそれぞれにグランド板8,9が配設されている。グランド板8と回路基板4、グランド板9と回路基板5は、それぞれ電気的に接続されている。そして、グランド板8とグランド板9は、上部筐体1と下部筐体2を折畳んだ時に接触するようになっている。
【選択図】図2B

Description

本発明は、折畳み式携帯無線機に関し、特に、折畳み式携帯無線機に用いられるアンテナ効率を向上させるための筐体構造に関する。
折畳み式携帯電話機のような携帯無線機は、上部筐体と下部筐体をヒンジ部で互いに回動可能に連結して、開閉自在なものである。この折畳み式携帯電話機は、上部筐体に大型の表示画面を備えることができ、開いて使用するときに便利である。さらに、閉じた状態ではコンパクトな形状になるという利点がある。
また、折畳み式携帯電話機には、図4A及び図4Bに示すように、上部筐体1に収納されている回路基板4と下部筐体2に収納されている回路基板5とが、ヒンジ部3を通したフレキシブルケーブル6のみにより電気的に接続されたものがある。そして、上部筐体1または下部筐体2の何れかの回路基板に内蔵アンテナとしてのアンテナ素子7が接続されている。このアンテナ素子は、筐体内部における各回路部品の配置の自由度を増やす目的で、筐体内のヒンジ部付近に配置される。しかし、このような構造では、開状態において上部筐体の内部を流れる電流と下部筐体の内部を流れる電流の位相が逆相(電流が流れる向きが逆)となり、双方の電流の合流地点付近に実装されているアンテナ素子の特性が劣化してしまう問題があった。
そこで、特許文献1に開示された発明では、開いた時(展開時)に良好なアンテナ特性が得られるように、上部筐体内の回路基板と下部筐体内の回路基板とを接続するフレキシブルケーブルの長さを特定の長さにしている。具体的には、フレキシブルケーブルの長さを、上部筐体の回路基板を流れる電流と下部筐体の回路基板を流れる電流の位相が同相(電流が流れる向きが同じ)になるように調整している。
特開2003−8320号公報
特許文献1に開示された携帯電話機は、図4Aに示すように開いた状態(展開状態)では各々の筐体の回路基板を流れる電流P,Qが同相になっている。しかし、図4Bに示すように閉じた時(折畳み時)には、上部筐体1の回路基板4を流れる電流Pと下部筐体2の回路基板5を流れる電流Qが互いに逆向きになり、打ち消しあうこととなる。このため、開いた状態から閉じた状態にすると、アンテナの放射効率が低下するという問題がある。
そこで、本発明は、上下筐体の折畳み時に生じる前述の問題点に鑑みてなされたものであり、上下筐体の展開時と折畳み時ともに、上部筐体及び下部筐体の内部をそれぞれ流れる電流によって内蔵アンテナの特性が悪影響を受けることのない携帯電話機のような折畳み式携帯無線機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための、本発明は、第一の回路基板を収納する第一の筐体と、第二の回路基板を収納する第二の筐体と、第一の筐体と第二の筐体とを回動自在に連結するヒンジ部と、第一の回路基板と第二の回路基板とをヒンジ部を介して電気的に接続するフレキシブルケーブルと、第一の回路基板及び第二の回路基板の何れか一方に接続され、かつ、ヒンジ部の近傍に配置されたアンテナ素子と、を備えた折畳み式携帯無線機である。そして、フレキシブルケーブルの長さが、第一の筐体の第一の回路基板を流れる電流と第二の筐体の第二の回路基板を流れる電流の位相が同相になるように調整されている。このため、開いた状態(展開状態)では各々の筐体内部を流れる電流が同じ向きに流れ、相互に打ち消し合うことはないので、内蔵されたアンテナ素子の特性が低下しない。
さらに、この無線機は、第一の筐体と第二の筐体の両方が非導電性材料で構成されている。第一の回路基板および第二の回路基板のそれぞれにグランド板が電気的に接続される。そして、第一の回路基板に電気接続されたグランド板と第二の回路基板に電気接続されたグランド板とが、第一の筐体と第二の筐体とを折畳んだ時に接触もしくは近接する構造となっている。
あるいは、別の態様として、第一の筐体および第二の筐体のいずれか一方が非導電性材料で構成され他方が導電性材料を含んで構成されている。非導電性材料で構成された側の筐体に収納された回路基板にグランド板が電気的に接続される。導電性材料を含んで構成された側の筐体に当該筐体に収納された回路基板が接地される。そして、グランド板と、導電性材料を含んで構成された側の筐体とが、第一の筐体と第二の筐体とを折畳んだ時に接触もしくは近接する構造となっている。この構造では、導電性材料を含んで構成された側の筐体内にグランド板が不要となる。
以上のような構成によると、展開状態から折畳んだ時には、第一の筐体内の第一の回路基板と第二の筐体内の第二の回路基板との両方のグランドが共通になり、両方の回路基板を電気的に一枚の金属板のようにみせることができる。この結果、各々の筐体の回路基板を流れる電流が同相となる。したがって、折畳んだ状態になっても良好なアンテナ特性を維持できる。
また、上記のようなグランド板は、非導電性材料で構成された側の筐体の表面に形成された導電性の膜で構成されていてもよい。金属などの導電性材料からなるグランド板を代用することができる。
また、第一の筐体と前記第二の筐体とは展開状態において相互間に高周波電流が流れないように相互に絶縁された状態にある。この構成によれば、第一の筐体内の第一の回路基板と第二の筐体内の第二の回路基板とが、展開状態においてはフレキシブルケーブルのみを介して相互に接続された状態にできる。
本発明によれば、上下筐体の展開時と折畳み時ともに、上部筐体における回路基板電流と下部筐体における回路基板電流の位相が同相になり、アンテナの放射効率を向上させることが可能である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施形態による折畳み式携帯無線機の折畳んだ状態の概略図である。図2Aは図1の点線Aで切断した断面であり、展開した状態の模式図、図2Bは図1の点線Aで切断した断面の模式図である。
本実施形態の折畳み式携帯無線機は、図1に示すように、第一の筐体としての上部筐体1と、第二の筐体としての下部筐体2と、上部筐体1と下部筐体2とを相互に回転自在に連結しているヒンジ部3とを備えている。本形態では上部筐体1と下部筐体2はいずれも、非導電材料で構成されている。例えば、上部筐体1及び下部筐体2の双方を、モールドで形成された非導電性物質からなるものとする。
上部筐体1の内部には、第一の基板としての回路基板4が収納されている。下部筐体2の内部には、第二の基板としての回路基板5が収納されている。回路基板4と回路基板5とは、ヒンジ部3の内部を通ったフレキシブルケーブル6により電気的に接続されている。なお、上部筐体1と下部筐体2とは展開状態において相互間に電流(特に高周波電流)が流れないように相互に絶縁された状態にあり、回路基板4と回路基板5とはフレキシブルケーブル6のみを介して相互に接続されている。
回路基板5のヒンジ部3寄りに、アンテナ素子7が接続されている。なお、アンテナ素子7は、図2Aとは異なり、回路基板4のヒンジ部3寄りに配置されていても良い。
アンテナ素子7として用いられる形状としては、例えば、板金で構成された逆Fアンテナまたは逆Lアンテナ、あるいは、ワイヤより構成されたヘリカルアンテナなど、種々の形状が考えられる。
フレキシブルケーブル6は、ヒンジ部3の周囲に少なくとも一回巻かれた状態で配置されている。フレキシブルケーブル6の巻き数を2以上とする場合は、フレキシブルケーブル6はヒンジ部3の長さ方向の軸線を中心としてヒンジ部3の長さ方向にスパイラル状に配置する。このフレキシブルケーブル6を平面状に伸ばしたときの長さは、上部筐体1内の回路基板4を流れる電流の位相と下部筐体2内の回路基板5を流れる電流の位相とが同相(電流の流れる向きが同じ)になるように設定されている。
また、上部筐体1および下部筐体2のそれぞれに、金属などの導電性材料でつくられたグランド板8,9が配設されている。グランド板8,9は、上部筐体1と下部筐体2の、折畳み時に接触する2つの面にそれぞれ沿って配置される。グランド板8と回路基板4、グランド板9と回路基板5は、それぞれ電気的に接続されている。そして、グランド板8とグランド板9は、上部筐体1と下部筐体2を折畳んだ時に接触するようになっている。図2A及び図2Bでは、上部筐体1における下部筐体2との接触面にグランド板8を配置し、下部筐体2における上部筐体1との接触面にグランド板9を配置している。しかし、図のようにグランド板を配置することが設計において困難である場合は、グランド板8とグランド板9はそれぞれ上部筐体1と下部筐体2の内部に配置される。そして、各々のグランド板8,9の一部が各筐体1,2の内部から表面に電気的に導出され、上部筐体1と下部筐体2を折畳んだ時に接触するように配置される。
なお、本実施形態の携帯無線機が携帯電話である場合は、上部筐体1には、レシーバ、ディスプレイなどが備えられている。下部筐体2には、マイク、バッテリ、および、複数のデータ入力用ボタンまたはキーを含むキー操作部などが備えられている。
本実施形態の折畳み式携帯無線機によれば、図2Aに示すように開いた状態(展開状態)では各々の筐体1,2の回路基板4,5を流れる電流が同相になっている。すなわち、回路基板4に流れる電流は矢印P方向(ヒンジ部3から離れる方向)に、回路基板5に流れる電流は矢印Q方向(ヒンジ部3に向かう方向)にそれぞれ流れる。これは、フレキシブルケーブル6が、上部筐体1内の回路基板4を流れる電流と下部筐体2内の回路基板5を流れる電流の位相が同相になるような長さに設定されているためである。
そして、図2Bに示すように閉じた時(折畳んだ時)には、グランド板8とグランド板9が接触する。これにより、回路基板4と回路基板5とグランド板8とグランド板9を電気的に一枚の金属板のようにみせることができる。この結果、各々の筐体1,2の回路基板4,5を流れる電流が同相になる。すなわち、回路基板4に流れる電流は矢印S方向(ヒンジ部3に向かう方向)に、回路基板5に流れる電流は矢印Q方向(ヒンジ部3に向かう方向)にそれぞれ流れる。
このように展開状態から折畳み状態にしても、上部筐体1及び下部筐体2の内部を流れる2つの電流が相互に打ち消し合うことはないので、アンテナの放射効率が低下しない。つまり、展開時および折畳み時ともに良好なアンテナ特性を維持できる。
次に、他の実施形態について述べる。
上述した実施形態は、図2Bに示したように2枚のグランド板8,9が上部筐体1と下部筐体2を折畳んだ時に接触する構造である。
2枚のグランド板8,9は同じ大きさである必要はなく、接触点を有すればグランド板8,9の位置関係および形状は自由である。グランド板8,9の設計例を図3に示す。
図3(a)に示すように2枚のグランド板8,9が同じ大きさで、折畳み時に両者の位置が合うようにしたり、図3(b)のように互いの位置がずれたりしても良い。また、図3(c)(d)に示すように各々のグランド板8,9の大きさが異なっていても良い。さらに、図3(e)に示すようにグランド板8,9に穴が開いていても良い。この穴はLCDユニットのための窓として使用できる。さらに、図示しないが、キー操作を行なえるようにグランド板にドーム形状を有していても良い。勿論、グランド板8,9は四角形である必要はなく、任意の形状をとることができる。
また、上述した実施形態では、上部筐体1と下部筐体2を折畳んだ時にグランド板8,9が接触する構造をとっているが、折畳み時に2枚のグランド板8,9を接触させず、容量結合させることでも本発明の効果を得ることができる。
この場合、容量結合を十分得るためにグランド板8,9は回路基板4,5と同程度の大きさであることが望ましく、折畳み時の2枚のグランド板の距離は近いほど効果を得られる。
また、上述した実施形態において、上部筐体1と下部筐体2に用いられる材料はどちらか一方は導電性材料でも可能である。この場合、導電性材料で構成された筐体内のグランド板は不要となる。つまり、導電性材料を含んで構成された筐体に、この筐体内に収納されている回路基板のグランドを接続しておき、導電性材料の筐体と非導電材料の筐体とを折畳むと、非導電材料の筐体内のグランド板と導電性材料の筐体とが接触または近接する構造であってもよい。
また、上述した実施形態において、グランド板8,9の代わりに、非導電材料で構成された上部筐体1及び/又は下部筐体2の表面に、蒸着やメッキや塗装などにより、導電性物質からなる膜が形成されたものでもよい。この場合は、表面に導電性の膜が形成された非導電材料の筐体内にはグランド板は不要となる。
また、上述した実施形態において、グランド板8及び9は金属などの導電性部材に限られず、非導電材料に導電性塗料を塗ることでも代用できる。
本発明の実施形態による折畳み式携帯無線機の折畳み状態の概略図である。 図1の折畳み式携帯無線機を展開した状態を示す模式図である。 図1の点線Aで切断した断面の模式図である。 本発明の折畳み式携帯無線機に使用するグランド板の構成例を示す図である。 従来の折畳み式携帯無線機を展開した状態を示す模式図である。 従来の折畳み式携帯電話機を折畳んだ状態を示す模式図である。
符号の説明
1 上部筐体
2 下部筐体
3 ヒンジ部
4,5 回路基板
6 フレキシブルケーブル
7 アンテナ素子
8、9 グランド板(地板)

Claims (6)

  1. 第一の回路基板を収納する第一の筐体と、
    第二の回路基板を収納する第二の筐体と、
    前記第一の筐体と前記第二の筐体とを回動自在に連結するヒンジ部と、
    前記第一の回路基板と前記第二の回路基板とを前記ヒンジ部を介して電気的に接続するフレキシブルケーブルと、
    前記第一の回路基板及び前記第二の回路基板の何れか一方に接続され、かつ、前記ヒンジ部の近傍に配置されたアンテナ素子と、を備え、
    前記フレキシブルケーブルの長さが、前記第一の筐体の前記第一の回路基板を流れる電流と前記第二の筐体の前記第二の回路基板を流れる電流の位相が同相になるように調整されている折畳み式携帯無線機において、
    前記第一の筐体および前記第二の筐体の両方が非導電性材料で構成されており、前記第一の回路基板および前記第二の回路基板のそれぞれにグランド板が電気的に接続され、前記第一の回路基板に電気接続されたグランド板と前記第二の回路基板に電気接続されたグランド板とが、前記第一の筐体と前記第二の筐体とを折畳んだ時に接触もしくは近接する構造となっていることを特徴とする折畳み式携帯無線機。
  2. 第一の回路基板を収納する第一の筐体と、
    第二の回路基板を収納する第二の筐体と、
    前記第一の筐体と前記第二の筐体とを回動自在に連結するヒンジ部と、
    前記第一の回路基板と前記第二の回路基板とを前記ヒンジ部を介して電気的に接続するフレキシブルケーブルと、
    前記第一の回路基板及び前記第二の回路基板の何れか一方に接続され、かつ、前記ヒンジ部の近傍に配置されたアンテナ素子と、を備え、
    前記フレキシブルケーブルの長さが、前記第一の筐体の前記第一の回路基板を流れる電流と前記第二の筐体の前記第二の回路基板を流れる電流の位相が同相になるように調整されている折畳み式携帯無線機において、
    前記第一の筐体および前記第二の筐体のいずれか一方が非導電性材料で構成され他方が導電性材料を含んで構成されており、
    前記非導電性材料で構成された側の筐体に収納された回路基板にグランド板が電気的に接続され、前記導電性材料を含んで構成された側の筐体に当該筐体に収納された回路基板が接地されており、
    前記グランド板と、前記導電性材料を含んで構成された側の筐体とが、前記第一の筐体と前記第二の筐体とを折畳んだ時に接触もしくは近接する構造となっていることを特徴とする折畳み式携帯無線機。
  3. 前記グランド板が、非導電性材料で構成された側の筐体の表面に形成された導電性の膜で構成されている請求項1または2に記載の折畳み式携帯無線機。
  4. 前記第一の筐体と前記第二の筐体とは展開状態において相互間に高周波電流が流れないように相互に絶縁された状態にあることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の折畳み式携帯無線機。
  5. 前記フレキシブルケーブルは少なくとも一回巻かれたものである請求項1から4のいずれかに記載の折畳み式携帯無線機。
  6. 前記フレキシブルケーブルは前記ヒンジ部の長さ方向の軸線を中心として前記ヒンジ部の長さ方向にスパイラル状に配置されている請求項5に記載の折畳み式携帯無線機。
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