JP2007134664A - 固体撮像装置およびその製造方法 - Google Patents

固体撮像装置およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】有効画素領域とオプティカルブラック領域とで光学的黒レベルに差の無い固体撮像装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明における固体撮像装置は、半導体基板上に2次元的に配置された、光情報を検出する有効画素領域6、または、光学的黒レベルを規定するオプティカルブラック領域7に属する複数の光電変換部4と、複数の光電変換部4の上方に形成される遮光膜8とを備え、遮光膜8は、有効画素領域6の光電変換部4の上方を含む領域に形成される第一の開口と、オプティカルブラック領域7の上方に形成される第二の開口27とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、固体撮像装置、特に光学的黒レベルを規定するオプティカルブラック領域を有する固体撮像装置およびその製造方法に関する。
以下に、図面を参照しながら、特許文献1に示された従来技術の固体撮像装置について説明する。
図14は、固体撮像装置であるインターライン転送型CCD撮像装置の基本構成を示す平面概要図である。図14に示す固体撮像装置は、光電変換素子104と、トランスファーゲート81と、垂直レジスタ部105と、水平レジスタ部102と、電荷検出部103とを備える。また、全体の画素は、映像信号を得るための有効画素領域106と光学的黒レベルの基準信号を得るためのオプティカルブラック領域107(以下、「OB領域」と呼ぶ。)とから構成される。
OB領域107は、光信号強度の基準値を得るための領域である。OB領域107の光電変換素子104は、遮光膜で覆われることにより、有効画素領域106に光が入射した状態でも、光が入射しない状態(暗時)の信号強度を維持することができる。温度変動により暗時の出力信号(暗出力)が変動するが、温度が変動した場合でも有効画素領域106とOB領域107とにおける暗出力の変動を等しく保つ必要がある。以下、OB領域107より得られる暗時の基準となる信号強度を光学的黒レベルと称する。
図14に示す固体撮像装置の動作概略を以下に説明する。
光電変換素子104は、入射光量に比例した信号電荷を蓄積する。トランスファーゲート81は、垂直ブランキング期間内に、蓄積された信号電荷を、電荷結合素子(以下、「CCD」と呼ぶ。)で構成された垂直レジスタ部105に送る。これらの信号電荷は、垂直レジスタ部105を転送され、CCDで構成された水平レジスタ部102へ転送される。水平レジスタ部102を転送された信号電荷は、電荷検出部103によって信号として外部に順次出力される。
また、図15は、図14に示すX−X′における断面概略図である。
有効画素領域106では、垂直レジスタ部105に光が入射するとスミアと呼ばれる偽信号となって再生画面上に現れるため、垂直レジスタ部105の垂直転送電極116の上方に遮光膜91を設けて、光の入射を防止している。OB領域107では、有効画素領域106と同様に、垂直転送電極116の上方に遮光膜92を設けている。さらに、OB領域107の全体に遮光膜93を設けている。
遮光膜91、92および93は、工程の簡略化のため、通常トランスファーゲート81、垂直レジスタ部105、水平レジスタ部102を駆動する駆動回路および電荷検出部103からの出力の出力処理回路等の周辺回路の配線と同一工程で形成される。
また、遮光膜91および92の材料として周辺回路の配線材料であるアルミニウムとは異なる高融点金属を採用している。
高融点金属の一例としては、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)および白金(Pt)等が用いられる。これらの高融点金属は、可視光に対する反射率が50%程度以下とアルミニウムの可視光に対する反射率に比べて約1/2である。
また、高融点金属は、アルミニウムの欠点であるピンホールの発生がないため、膜厚を0.2μm程度とアルミニウムに比べて薄くできる。
従来の固体撮像装置は、OB領域107の垂直レジスタ部105を、有効画素領域106の周辺と同様に高融点金属で形成される遮光膜92で遮光し、さらにOB領域107の全体をアルミニウムで形成される遮光膜93で遮光している。
これにより、OB領域全面を高融点金属で遮光する場合に比べてストレスを緩和することが可能となり、暗電流の増加を妨げるため、正確な黒レベルの基準を得ることができる。
特開平3−169078号公報
上記のような従来技術の固体撮像装置は、以下のような問題がある。
固体撮像装置の製造過程においては、シリコン基板表面に存在する界面準位に起因する暗出力を低減するため、一般に水素シンター処理が行われる。このとき、水素は外部からだけで無く、水素を多量に含んだシリコン窒化膜などの保護膜からも供給される。したがって、有効画素領域106では光電変換部104の上方に水素を透過しにくい遮光膜93が形成されていないため、上部から基板側に水素が十分に供給され、暗出力が低減する。
一方、光電変換部104の上方も含めて全面が遮光膜93で覆われているOB領域107では、遮光膜93は酸化膜および窒化膜と比較して水素の透過性が悪いため、十分な水素の供給が行われず、有効画素領域106ほど暗出力は低減されない。したがって、従来の固体撮像装置は、OB領域107と有効画素領域106で光学的黒レベルに差が生じる。さらに、光検出信号電荷の信号処理はOB領域107の光学的黒レベルを基準にして行われるため、基準レベルの黒が本来よりも白く浮いた状態で信号処理されることになり画質の劣化につながるという問題がある。
そこで、本発明は、有効画素領域106とOB領域107とで光学的黒レベルに差の無い固体撮像装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明に係る固体撮像装置は、半導体基板上に2次元的に配置された、光情報を検出する有効画素領域、または、光学的黒レベルを規定するOB領域に属する複数の光電変換部と、前記複数の光電変換部の上方に形成される第一の遮光膜とを備え、前記第一の遮光膜は、前記有効画素領域の各光電変換部の上方を含む領域に形成される第一の開口と、前記OB領域の上方に形成される第二の開口とを備える。
上記構成によれば、OB領域の第一の遮光膜の一部に第二の開口を有する。これにより、水素シンター時に第二の開口から基板側へ十分な水素が供給され、シリコン基板表面の界面準位が不活性化される。その結果、OB領域での暗出力が有効画素領域の暗出力と同等のレベルとなり、OB領域と有効画素領域の光学的黒レベルに差は生じない。
また、前記第一の開口は、有効画素領域の各光電変換部の上方にそれぞれ形成され、前記第二の開口は、前記第一の開口より小さいことが好ましい。
上記構成によれば、第二の開口は第一の開口より小さいので、第二の開口への光の入射を抑制することができる。
また、前記固体撮像装置は、さらに、前記各光電変換部の上方に形成される複数の層内レンズと、前記各層内レンズの上方に形成される複数のオンチップマイクロレンズとを備え、前記OB領域に形成された層内レンズおよびオンチップマイクロレンズの集光位置が前記第二の開口の位置と一致しないことが好ましい。
上記構成によれば、第二の開口の位置と、OB領域の各光電変換素子の上方に形成された層内レンズおよびオンチップマイクロレンズの集光位置とが一致しないことから、層内レンズおよびオンチップマイクロレンズを透過した光は第二の開口には入射しにくい。よって、OB領域の第一の遮光膜に第二の開口を設けても、遮光性を保持することができる。
また、前記第二の開口の直径は、100nm以下であることが好ましい。
上記構成によれば、一部の光が第二の開口上に入射したとしても、第二の開口の直径は可視光の入射しにくい100nm以下の大きさであることから、光電変換素子に光は入射しにくい。よって、OB領域の第一の遮光膜に第二の開口を設けても、遮光性を保持することができる。
また、前記固体撮像装置は、さらに、前記層内レンズの上方かつ前記オンチップマイクロレンズの下方に第二の遮光膜を備え、前記OB領域に形成される第二の遮光膜は、2色以上のカラーフィルターから形成されることが好ましい。
上記構成によれば、OB領域に2色以上のカラーフィルターを重ねて形成した第二の遮光膜を有する。これにより、OB領域の第一の遮光膜に第二の開口を設けても遮光性を保持することができる。また、前記カラーフィルターを重ねて形成した第二の遮光膜は、従来のカラーフィルター形成工程と兼用することで工程数を増やすことなく形成することができる。
また、前記第二の開口は、第一の波長の光を受光する光電変換部の上方に形成され、前記第一の波長より短い第二の波長の光を受光する光電変換部の上方には形成されないことが好ましい。
上記構成によれば、開口径の大きさが同じ場合、波長の長い第1の波長をもつ光は、開口に入射され難いので、第一の遮光膜に第二の開口を設けても光は入射し難い。したがって、OB領域の第一の遮光膜に第二の開口を設けても、遮光性を保持することができる。
また、前記第一の波長の光は赤色光であることが好ましい。
また、前記第二の開口は、前記光電変換部の上方に形成されることが好ましい。
また、前記第二の開口は、前記オプティカルブラック領域の前記光電変換部の上方を含む領域に形成され、前記固体撮像装置は、さらに、前記第一の遮光膜の上方に形成される第三の遮光膜を備え、前期第三の遮光膜は、前記有効画素領域の前記複数の光電変換部の上方を含む領域に形成される第三の開口と、前記オプティカルブラック領域の前記複数の光電変換部の上方を除く領域に形成される第四の開口とを備えることが好ましい。
上記構成によれば、OB領域において、第一の遮光膜に形成された第二の開口の上方に第三の遮光膜が形成される。これにより、第二の開口への入射光を第三の遮光膜により遮断することができる。また、第一の遮光膜の第一の開口および第二の開口を光電変換部の上方に設けることにより、例えば水素シンター処理時に、第三の遮光膜の上方から光電変換部にいたる水素の通路を設けることが可能となる。これにより、有効画素領域とOB領域との光電変換部に同等量の水素が供給される。よって、有効画素領域とOB領域との暗出力に差が生じることがない。さらに、第三の遮光膜を備えることで、第一の遮光膜の第二の開口の寸法を大きくする(例えば、第二の開口を第一の開口と同程度の寸法にする。)ことが可能である。これにより、高価な微細加工設備を使用する必要がないため、コストを低減できるという利点がある。
また、前記固体撮像装置は、さらに、前記各光電変換部の上方に形成される複数の層内レンズと、前記各層内レンズの上方に形成される複数のオンチップマイクロレンズとを備え、前記オプティカルブラック領域に形成された層内レンズおよびオンチップマイクロレンズの集光位置が前記第三の開口および第四の開口の位置と一致しないことが好ましい。
この構造によれば、第三または第四の開口を通過した光線の多重反射や回り込みによる微量の光線(迷光)がOB領域の光電変換部に入射して光学的黒レベルを変動させることを防止することができる。
また、前記固体撮像装置は、さらに、前記層内レンズの上方かつ前記オンチップマイクロレンズの下方に第二の遮光膜を備え、前記オプティカルブラック領域に形成される第二の遮光膜は、2色以上のカラーフィルターから形成されることが好ましい。
上記構成によれば、OB領域に2色以上のカラーフィルターを重ねて形成した第二の遮光膜を有する。これにより、OB領域の第一の遮光膜に第二の開口を設けても遮光性を保持することができる。また、前記カラーフィルターを重ねて形成した第二の遮光膜は、従来のカラーフィルター形成工程と兼用することで工程数を増やすことなく形成することができる。
また、前記固体撮像装置は、さらに、前記第一の遮光膜の上面および第三の遮光膜の下面のうち少なくとも一方に形成される反射防止膜を備えることが好ましい。
上記構成によれば、第一の遮光膜の上面に設けられた反射防止膜により、第三または第四の開口から入射した光線の反射を抑制できる。また、第三の遮光膜の下面に設けられた反射防止膜により、第三または第四の開口から入射し第一の遮光膜で反射した光線の第三の遮光膜の下面における反射を抑制できる。よって、第三または第四の開口から入射した光線がOB領域の光電変換部に入射し、光学的黒レベルを変動させることを防止できる。これにより、強い光線が入射した場合でも、光学的黒レベルを安定化させることが可能となる。
本発明は、有効画素領域とOB領域とで光学的黒レベルに差の無い固体撮像装置およびその製造方法を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について、図1〜図13を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態における固体撮像装置の平面概要図である。
第1の実施形態における固体撮像装置の基本的な構成は、従来の固体撮像装置と同様で、画素部1と、水平転送レジスタ部2と、出力回路3と、遮光膜8とを備える。
画素部1は、複数の光電変換部4と、垂直転送レジスタ部5と、オンチップマイクロレンズ9とを備える。
水平転送レジスタ部2は、画素部1の片側に配置され、CCDで構成される。
出力回路3は、水平転送レジスタ部2の出力側に接続され、水平転送レジスタ部2より送られてきた信号電荷を電気信号に変換し外部に出力する。
光電変換部4は、半導体基板上に2次元的に配置され、入射光量に比例した信号電荷を蓄積する。
垂直転送レジスタ部5は、光電変換部4の各列の片側に設けられ、CCDで構成される。垂直転送レジスタ部5は、光電変換部4に蓄積された信号電荷を読出し、水平転送レジスタ部2に転送する。
また、画素部1は、被写体の光情報を検出する有効画素領域6と、光学的黒レベルを規定するOB領域7から形成される。
遮光膜8は、図中の斜線で示すように、画素部1の有効画素領域6内の光電変換部4の上方以外の領域および水平転送レジスタ部2の上方(図1における手前方向)に形成される。すなわち、遮光膜8の有効画素領域6内の各光電変換部4の上方には、それぞれ開口が設けられる。遮光膜8は、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)および白金(Pt)等の高融点金属で形成される。
オンチップマイクロレンズ9は、画素部1の各光電変換部4の上方(図1における手前方向)に形成される。
OB領域7の遮光膜8の一部(本実施形態では光電変換部4の上方)に開口27が形成される。
本発明の第1の実施形態では、従来の固体撮像装置(図6に、従来の固体撮像装置の平面概要図を示す。)と比べ、OB領域7の遮光膜8の一部(本実施形態では光電変換部4の上方)に開口27を有している点と、OB領域7の光電変換部4の上方に形成されたオンチップマイクロレンズ9の位置が光電変換部4と一致しない点とが異なる。
図2は、図1に示すA−A′における有効画素領域6の断面概要図である。
有効画素領域6の断面構成は従来の固体撮像装置(図6におけるC−C′断面概要図)と同様である。
図2に示すように、光電変換部4は、n型電荷蓄積領域12、およびp++型領域13から構成される。
n型電荷蓄積領域12は、n-型シリコン基板10の上面に形成されたp--型ウェル領域11の上面に形成される。
++型領域13は、n型電荷蓄積領域12の上面に形成される。
垂直転送レジスタ部5は、n型埋め込みチャネル領域14と、p-型領域15と、ゲート電極16とから構成される。
n型埋め込みチャネル領域14は、p--型ウェル領域11の上面に形成されたp-型領域15の上面に形成される。
ゲート電極16は、n型埋め込みチャネル領域14の上方に形成される。ゲート電極16は、ポリシリコン膜等で形成される。
電荷読出し部17は、光電変換部4と一方(図2における光電変換部4の左方向)の垂直転送レジスタ部5との間に形成される。
+型チャネルストップ領域18は、光電変換部4と他方(図2における光電変換部4の右方向)の垂直転送レジスタ部5との間に形成される。
ゲート絶縁膜19は、p++型領域13、n型埋め込みチャネル領域14、電荷読出し部17およびp+型チャネルストップ領域18の上面に形成される。ゲート絶縁膜19は、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜の積層構造等から形成される。
層間絶縁膜20は、ゲート電極16の上面に形成される。
遮光膜8は、層間絶縁膜20の上面に形成される。遮光膜8は、タングステン膜等により形成される。
反射防止膜21は、p++型領域13の上方の遮光膜8が形成されていない部分に形成される。
平坦化膜22は、遮光膜8および反射防止膜21の上面全面に形成される。
保護膜23は、平坦化膜22の上面全面に形成される。保護膜23は、プラズマCVDによるシリコン窒化膜等により形成される。
層内レンズ24は、保護膜23の上面に形成される。層内レンズ24は、画素毎に入射光を光電変換部4に集光する。
平坦化膜25は、保護膜23および層内レンズ24の上方に形成される。
カラーフィルター層26は、平坦化膜25の上面に形成される。
オンチップマイクロレンズ9は、カラーフィルター層26の上面に形成される。オンチップマイクロレンズ9は、画素毎に入射光を光電変換部4に集光する。
図3は、図1に示すB−B′におけるOB領域7の断面概要図である。なお、図2と同一の要素には同一の符号が付されており、それらに関する詳しい説明はここでは省略する。
図3に示すように、OB領域7では、遮光膜8は、光電変換部4の上方にも形成される。さらに、本発明の第1の実施形態では、OB領域7の遮光膜8の一部に開口27を有する。
これにより、水素シンター時にこの開口27から基板側へ十分な水素が供給され、シリコン基板表面の界面準位が低減される。すなわち、本実施形態における固体撮像装置は、OB領域7での暗出力が有効画素領域6の暗出力と同等のレベルとなり、OB領域7と有効画素領域6の光学的黒レベルに差は生じない。なお、同等レベルとは、OB領域7と有効画素領域6の光学的黒レベルの差に起因する黒基準のシフト量が、画質劣化につながらない程度の差である。
また、層内レンズ24およびオンチップマイクロレンズ9は、光電変換部4の真上には形成されない。すなわち、開口27の位置と、OB領域7の各画素に形成された層内レンズ24およびオンチップマイクロレンズ9の集光位置とが一致しないように、層内レンズ24およびオンチップマイクロレンズ9は形成される。
このように、本発明の第1の実施形態における固体撮像装置は、従来の固体撮像装置(図7に、従来の固体撮像装置のOB領域7の断面概要図を示す。図7は、図6のD−D′における断面概要図である。)と比べ、OB領域7の遮光膜8の一部に開口27を有している点と、OB領域7の各画素に形成された層内レンズ24およびオンチップマイクロレンズ9の集光位置とが一致しない点とが異なる。
上記構成により、OB領域7に形成された層内レンズ24およびオンチップマイクロレンズ9は、入射した光を開口27以外の部分に集光する。例えば、図3に示すように開口27を光電変換部4の上方に設けた場合は、集光位置が光電変換部4の上方以外になるように層内レンズ24およびオンチップマイクロレンズ9を形成する。例えば、集光位置がゲート電極16の上方になるように層内レンズ24およびオンチップマイクロレンズ9を形成する。
また、固体撮像装置に入射する光は平行光および斜め光がある。OB領域7はチップ周辺にあるため、斜め光の影響が大きい。平行光は一点に集光されるが、斜め光が存在すると一箇所に集光することは困難である。さらに、波動光学では平行光であっても一箇所に集光することは困難である。
したがって、すべての光をゲート電極16上等の一箇所に集光することは困難であり、レンズと開口27の位置をずらすだけでは、各レンズの構成を工夫しても一部の光は開口27に入射する。
そこで、本発明では、レンズをずらすとともに、開口径を可視光が入射しにくい100nm以下にすることを特徴としており、この特徴により開口27に入射される入射光の光量をデバイス特性に影響が生じないレベルにまで下げることが出来る。
電磁波は波長よりも充分に小さい開口は通り抜けられない。よって、前記開口27の直径を、可視光の波長(400〜800nm)よりも十分小さくすることで、開口への入射光を減少させることがでる。
平らな金属に開いた直径a[m]の開口に対して波長λ[m]の電磁波が垂直に入射したとき、開口に入射した電磁波のエネルギーに対する回折波の全エネルギーの比rは以下の近似式(1)で表される。
r 〜 23×(a/λ)4 (a<<λ) ・・・ (1)
例えばa=λ/4 のときには、rは0.1以下になり、エネルギーの90%以上は穴を通過できずに反射される。穴の径がさらに小さくなると、4乗の項が効き、通り抜けられる電磁波は急激に減少する。
したがって、前記開口27の直径を可視光の最小波長400nmの1/4である100nm以下にすることで透過光を10%以下に抑えることができる。これにより、開口27の直径を100nm以下にし、層内レンズ24およびオンチップマイクロ9の集光位置を開口27からずらすことで、入射光の光量をデバイス特性に影響が生じないレベルにまで下げることが出来る。すなわち、OB領域7の黒レベルと有効画素領域6の黒レベルの差は問題にならない程度にすることができる。
以上より、本実施形態における固体撮像装置は、OB領域7の遮光膜8の一部に開口27を有することにより、水素シンター時にこの開口27から基板側へ十分な水素が供給され、シリコン基板表面の界面準位が低減される。すなわち、本実施形態における固体撮像装置は、OB領域7での暗出力が有効画素領域6の暗出力と同等のレベルとなり、OB領域7と有効画素領域6の光学的黒レベルに差は生じない。
また、本実施形態における固体撮像装置は、OB領域7の遮光膜8に設けられた開口27の位置と、OB領域7の各画素に形成された層内レンズ24およびオンチップマイクロレンズ9の集光位置とが一致しない。よって、層内レンズ24およびオンチップマイクロレンズ9を透過した光は開口27に入射しにくい。したがって、OB領域7の遮光膜8に開口27を設けても、遮光性を保持することができる。
また、開口27の直径を可視光の最小波長400nmの1/4である100nm以下に形成する。これにより、開口27に入射する透過光を10%以下に抑えることができる。すなわち、OB領域7の遮光膜8に開口27を設けても、遮光性を保持することができる。
次に、本実施の形態における固体撮像装置の製造方法を示す。
図2および図3に示す断面構造のうち、遮光膜8の形成工程までは従来と同様の方法で形成するため、ここでは説明を省略する。
遮光膜8に開口27を設けるためのエッチングを行う際、従来は有効画素領域6の光電変換部4の上方にのみ開口を形成していたが、本実施の形態ではOB領域7の一部(本実施例では光電変換部4の上方)にも開口を形成する。
その製造工程は、まず、OB領域7の一部(本実施例では光電変換部4の上方)以外、および、有効画素領域6の光電変換部4上にレジストパターンが形成されるようにフォトレジストを露光・現像する。このレジストパターンをマスクとして遮光膜8のエッチングを行う。次に、レジストパターンを除去する。上記工程により、遮光膜8のうち有効画素領域6の光電変換部4上方およびOB領域7の一部に開口27が形成される。
次に、CVDによってBPSG膜を堆積して平坦化膜22を形成する。さらにプラズマCVDによりシリコン窒化膜を堆積して保護膜23を形成する。
次に、層内レンズ24を形成する。このとき、有効画素領域6では従来どおり入射光を光電変換部4に集光するような位置にレンズを形成するが、OB領域7では、前記遮光膜8の開口27の上にレンズの集光位置が一致しないよう、開口27から位置をずらして形成する。すなわち、OB領域7に形成する層内レンズ24は、入射した光を開口27以外の部分に集光するような位置に形成する。
この際、層内レンズ24のパターニングに用いるマスクパターンを、有効画素領域6とOB領域7で変えることで、製造工程数を増やすことなく、有効画素領域6とOB領域7で層内レンズ24の形成位置を変えることができる。
この時点で、水素シンター処理を実施する。水素シンター処理とは、水素を含む雰囲気中で400〜450℃程度の温度の熱処理を施す工程である。これにより、雰囲気中の水素、または、水素を含有する保護膜23中の水素は、熱拡散によって光電変換部4および垂直転送レジスタ部5等の転送ゲートのシリコンとゲート絶縁膜19との界面に供給される。水素シンター処理によって、界面準位の不活性化、または、暗出力の発生要因となるフォトダイオードおよび転送チャンネル内の不純物準位の不活性化が行われる。これにより、暗出力を抑制することができる。
保護膜23および層内レンズ24の上方に平坦化膜25およびカラーフィルター層26を形成する。最後に画素毎のオンチップマイクロレンズ9の形成を従来と同様の方法で形成する。
ただし、前記層内レンズ24の形成時と同様、有効画素領域6では従来どおり入射光を光電変換部4に集光するような位置にレンズを形成するが、OB領域7では、遮光膜8の開口27の上にレンズの集光位置が一致しないよう、開口から位置をずらして形成する。
すなわち、OB領域7に形成するオンチップマイクロレンズ9は、入射した光を開口27以外の部分に集光するような位置に形成する。
この際、オンチップマイクロレンズ9のパターニングに用いるマスクパターンを、有効画素領域6とOB領域7で異なるようにすることで、製造工程数を増やすことなく、有効画素領域6とOB領域7でオンチップマイクロレンズ9の形成位置を変えることができる。
以上の工程により、本実施形態における固体撮像装置が形成される。
なお、本実施形態では、OB領域7における層内レンズ24およびオンチップマイクロレンズ9の位置を、従来位置よりずらして形成しているが、レンズ位置を変えずに開口27の位置をレンズの集光位置から離して(例えばゲート電極16上等)形成しても良い。
(第2の実施形態)
第1の実施形態における固体撮像装置は、OB領域7の開口27の位置と、層内レンズ24およびオンチップマイクロレンズ9との集光位置をずらすことと、開口27の直径を100nm以下にすることとで開口27への光の入射を防いでいる。
第2の実施形態では、OB領域7の開口27の位置と、層内レンズ24およびオンチップマイクロレンズ9との集光位置をずらすことと、2色以上のカラーフィルターを重ねて形成した遮光膜を用いることとにより、開口27への光の入射を防ぐ。
第2の実施形態における固体撮像装置の平面概要図は図1と同様であり、有効画素領域の断面構成は図2と同様であり説明は省略する。
図4は第2の実施形態におけるOB領域7の断面概要図(図1のB−B′における断面概要図)である。
第2の実施形態における固体撮像装置は、第1の実施形態と同様、OB領域7の遮光膜8の一部に開口27を有している点が、従来の固体撮像装置と異なる。
また、第2の実施形態における固体撮像装置は、第1の実施形態と同様、開口27の位置と、OB領域7の各画素に形成された層内レンズ24およびオンチップマイクロレンズ9の集光位置とが一致しないことを特徴とする。
さらに、第2の実施形態における固体撮像装置は、第1の実施形態と異なり、図4に示すように、OB領域7に2色以上のカラーフィルターを重ねて形成した遮光膜28を有することを特徴とする。
上記のような構成の固体撮像装置では、第1の実施形態における固体撮像装置と同様に、OB領域7の遮光膜8の一部に開口27を有することにより、水素シンター時にこの開口から基板側へ十分な水素が供給され、シリコン基板表面の界面準位が低減される。よって、OB領域7での暗出力が有効画素領域6の暗出力と同等のレベルとなり、OB領域7と有効画素領域6の光学的黒レベルに差は生じない。
また、上記構成によれば、OB領域7の遮光膜8に開口27を設けても、例えば赤色と青色のカラーフィルターを重ねて遮光膜28を形成した場合、可視光領域における光の透過率は10%以下に抑えられる。
したがって、遮光膜28を用いる効果と、開口27の位置と層内レンズ24およびオンチップマイクロレンズ9の集光位置をずらす効果との組合せにより、遮光性を保持することができる。
次に、第2の実施形態における固体撮像装置の製造方法を示す。
図4に示す断面構造のうち、遮光膜28を形成するカラーフィルター形成工程以外は、第1の実施形態と同様の方法で形成してよい。
また、オンチップカラーフィルター形成工程は、有効画素領域6は従来と同様の方法で形成してよいが、OB領域7では、各色のフィルター層を積層させて形成する。
すなわち、OB領域7では、フィルター層の露光・現像時に、フィルター層を剥離することなく、2色以上のフィルター層を残して積層構造とする。
(第3の実施形態)
第3の実施形態は第1の実施形態の変形例である。
図5は第3の実施形態における固体撮像装置の平面概要図である。
図5のE−E′における断面概要図は図2と同様であり、F−F′における断面概要図は図7と同様であり、G−G′における断面概要図は図3と同様であり、重複する説明は省略する。
第3の実施形態における固体撮像装置は、第1の実施形態と同様、OB領域7の遮光膜8の一部(本実施例では光電変換部4の上方)に開口27を有している点が従来の固体撮像装置と異なる。
また、第3の実施形態における固体撮像装置は、第1の実施形態と同様、開口27の位置と、OB領域7の各画素に形成された層内レンズ24およびオンチップマイクロレンズ9の集光位置とが一致しないことを特徴とする。
また、第1の実施形態では、OB領域7の遮光膜8の開口27をOB領域7の全ての画素の遮光膜8に設けていた。一方、第3の実施形態では、OB領域7の特定のフィルターを有する光電変換部4の上方のみに開口27を設けることを特徴とする。例えば、図5に示すように、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色のフィルターを有する光電変換部4のうち、波長の最も長い光である赤色(R)の光を受光する光電変換部4の上方の遮光膜8にのみ開口27を設けることを特徴とする。
すなわち、赤色(波長600nm以上)の光を受光する光電変換部4の上方の遮光膜8の一部にのみ開口27を有することにより、開口27に入射する光を低減することができる。また、第1の実施形態で述べた、開口27の直径を100nm程度の大きさにすることと併用することで、前記近似式(1)より、前記入射光を2%以下に低減することができる。したがって、層内レンズ24およびオンチップマイクロ9の集光位置を開口27からずらす効果と合わせて、OB領域7の黒レベルと有効画素領域6の黒レベルの差は問題にならない程度になる。よって、OB領域7の遮光膜8に開口27を設けても、遮光性を保持することができる。
第3の実施形態における固体撮像装置の製造方法は、以下の点以外は第1の実施形態と同様であり、説明は省略する。
第3の実施形態では、OB領域7の遮光膜8の開口27を形成する工程において、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色のフィルターを有する光電変換部4のうち、波長の最も長い光である赤色(R)の光を受光する光電変換部4の上方の遮光膜8にのみ開口27を設ける。
(第4の実施形態)
第4の実施の形態では、OB領域において2層の遮光膜を有する固体撮像装置について、図8〜図13を用いて詳細に説明する。
図8は、本実施形態における固体撮像装置の平面概要図である。図9は、図8に示すH−H’における断面概要図である。なお、図1および図2と同様の要素には同一の符号を付しており詳細な説明は省略する。
図9に示す固体撮像装置の断面構造は、遮光膜39と、シャント配線コンタクトホール31と、遮光膜間絶縁膜30とを備える点が図2に示す固体撮像装置の断面構造と異なる。
遮光膜間絶縁膜30は、遮光膜8と遮光膜39との間に形成された絶縁膜である。
シャント配線コンタクトホール31は、多結晶シリコンからなるゲート電極(転送電極)16と遮光膜8とを接続するための層間絶縁膜20に設けられた開口である。本実施形態においては、遮光膜8は、タングステン(W)からなり、垂直転送レジスタ部5の上部を覆う。遮光膜8は、シャント配線コンタクトホール31を介して、ゲート電極16と電気的に接続される。遮光膜8は、ゲート電極16への駆動パルス電圧を印加するためのシャント配線を兼ねる。
図10は、図8に示した平面概要図から、遮光膜8を抜き出した平面概要図である。遮光膜8をシャント配線として用いた場合、各列(図10における縦方向)の光電変換部4に対し、転送電極16の電圧を制御する必要があるので、各列のシャント配線に対し隣接する列のシャント配線は電気的に絶縁されている必要がある。本実施形態における固体撮像装置では、図10に示すように隣接する遮光膜8は、開口40を介し電気的に絶縁されるので、シャント配線として用いることができる。開口40は、有効画素領域6およびOB領域7の光電変換部4の上方を含む領域に形成される。
図11は、図8に示した平面概要図から、タングステンからなる遮光膜39を抜き出した平面概要図である。遮光膜39は、遮光膜間絶縁膜30を介し遮光膜8の上方に形成される。遮光膜39は、有効画素領域6に形成される開口41と、OB領域7に形成される開口42とを有する。
開口41は、有効画素領域6の複数の光電変換部4の上方を含む領域に形成される。例えば、開口41は、光電変換部4および垂直転送レジスタ5を含むストライプ状に形成される。
開口42は、OB領域7の複数の光電変換部4の上方を除く領域に形成される。例えば、開口42は、垂直転送レジスタ5の上方に形成される。ここで、OB領域7に形成される遮光膜8の開口40および遮光膜39の開口42はできるだけ寸法が小さいことが望ましいが、OB領域7に形成される開口40および42の寸法を小さくするために特別な加工技術を使用する必要はなく、安価な設備を使用することができる。例えば、OB領域7に形成される開口42は、それぞれ300nm□程度の寸法とし、有効画素領域6の開口と同一の加工技術により同時に形成することができる。
以上より、本実施形態における固体撮像装置は、OB領域7において水素シンター処理時には遮光膜39の上部から、遮光膜39の開口42と遮光膜8の開口40を通して、光電変換領域4にも十分な水素が供給される。これにより、OB領域7における暗出力の温度変化は有効画素領域6と一致するので、安定した光学的黒レベルを維持することができる。
また、本実施形態における固体撮像装置は、遮光膜8をシャント配線と兼用する。これにより、個別にシャント配線を設ける必要がないので、固体撮像装置の構成を簡略化することができる。また、本実施形態における固体撮像装置は、遮光膜8の上方に遮光膜39を備える。これにより、遮光膜8をシャント配線として使用するために図10の示すように、ストライブ上の開口40により隣接する遮光膜8を電気的に絶縁したとしても、遮光膜39との組み合わせにより、任意の形状の光の入射経路を形成することができる。例えば、図8に示すように、上方から見ると、有効画素領域6の光電変換部4のそれぞれに開口が形成されているのと同様の構成となる。
なお、上記説明では、遮光膜39は、有効画素領域6の光電変換部4および垂直転送レジスタ5の領域を含むストライプ状の開口41と、OB領域7の垂直転送レジスタ5の上方に形成された開口42とを有するが、遮光膜39の開口の形状はこれに限定されるものではない。図12は、遮光膜39の開口の配置の変形例を示す平面概要図である。図12に示す例では、遮光膜39は、有効画素領域6においては、光電変換部4の上方およびOB領域7と隣接する垂直転送レジスタ5の上方に開口43を有し、OB領域7においては、図11と同様に垂直転送レジスタ5の上方に開口42を有している。図12に示す遮光膜39の形状を採用しても、図11に示す遮光膜39の形状を用いた場合と同様の効果を得ることができる。
第4の実施形態に示した固体撮像装置の製造方法について説明する。遮光膜8に開口40を形成する工程までは、第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。遮光膜8に開口40を形成した後、CVD法によりBPSG膜を形成し、熱処理を施して遮光膜間絶縁膜30の表面を平坦化する。その後、スパッタ法により遮光膜39であるW膜(タングステン膜)を形成して、フォトエッチング技術により遮光膜39に開口41および42を形成する。この後、さらにCVD法によりBPSG膜を形成し、熱処理を施して層間絶縁膜22の表面を平坦化する。以降は、第1の実施形態にて説明した方法と同様の工程を経ることにより、カラーフィルターやオンチップマイクロレンズを形成して、固体撮像装置を製造する。
なお、上述した第4の実施形態に係る固体撮像装置でも光学的黒レベルを安定に維持することは可能であるが、撮像状態によっては光学的黒レベルが変動する可能性がある。太陽光などの非常に強い光が照射される場合、遮光膜39の開口から入射した光は、遮光膜8の表面で反射して遮光膜39の裏面に達する。遮光膜39の裏面に達した光は、遮光膜39の裏面にて再度反射して遮光膜8の開口40の内部に達する。開口40の内部に達した迷光により、光学的黒レベルが変動する可能性がある。この現象を抑制するために、オンチップマイクロレンズ9および層内レンズ24の集光位置と遮光膜39の開口の位置とを遠ざける構成を用いることができる。すなわち、オンチップマイクロレンズ9および層内レンズ24の集光位置が開口41または42の位置と一致しないように形成される。また、第2の実施形態と同様に遮光膜39の開口上に複数のカラーフィルター26を積層する構造および第2の実施形態と同様に遮光膜39の開口を波長の長い光を透過するカラーフィルター26を有する画素にのみ設ける構造を併用することにより、OB領域7の光電変換部4に入射する光を抑制することができる。ここで、図9では、カラーフィルター26は簡単のため、単層として記載しているが、OB領域7において2層構造とする場合には、図4に示す遮光膜28の構造と同様の構造となる。
また、前記迷光を抑制するために、例えば、遮光膜8の上面および遮光膜39の下面に反射防止膜を備える固体撮像装置を用いることができる。図13は、第4の実施形態に係る固体撮像装置の変形例として遮光膜8の表面および第三の遮光膜39の下面に反射防止膜を備える固体撮像装置の断面構造を示す断面概要図である。なお、図9と同様の要素には同一の符号を付しており詳細な説明は省略する。図13に示す固体撮像装置の断面構造は、図9に示す固体撮像装置の断面構造に加え、反射防止膜37および38を備える。
反射防止膜37は、遮光膜8の上面(上方表面)に形成される。反射防止膜38は、第三の遮光膜39の下面(下方表面)に形成される。反射防止膜38および39は、例えば、TiN膜である。なお、反射防止膜38および39は、炭素またはチタン酸化膜等により形成されてもよい。
以上より、図13に示す固体撮像装置は、OB領域7において遮光膜39の開口42から入射した光の、遮光膜8の上面での反射を抑制することができる。さらに、遮光膜8の上面で反射した光線が、遮光膜39の下面で反射して、光電変換部4上の第一の遮光膜8の開口40から光電変換部4に入射する迷光を抑制することができる。よって、強い光線がOB領域7に入射しても、光学的黒レベルが変動することがない。ここでは、反射防止膜を遮光膜8の上面と遮光膜39の下面の両方に設ける構造について説明したが、固体撮像装置の用途、画素の大きさ、配置、または製造コストの抑制の問題から、どちらか一方に設けることによっても、同様の効果を得ることができる。
以上説明したように、本発明は、有効画素領域とオプティカルブラック領域で光学的黒レベルに差の無い高画質な固体撮像装置の製造等に有用である。
第1の実施形態における固体撮像装置の平面概要図である。 第1の実施形態における固体撮像装置の有効画素領域の断面概要図である。 第1の実施形態における固体撮像装置のオプティカルブラック領域の断面概要図である。 第2の実施形態における固体撮像装置のオプティカルブラック領域の断面概要図である。 第3の実施形態における固体撮像装置の平面概要図である。 従来の固体撮像装置の平面概要図である。 従来の固体撮像装置のオプティカルブラック領域の断面概要図である。 第4の実施形態における固体撮像装置の平面概要図である。 第4の実施形態における固体撮像装置の断面概要図である。 第4の実施形態における固体撮像装置の第一の遮光膜の平面概要図である。 第4の実施形態における固体撮像装置の第三の遮光膜の平面概要図である。 第4の実施形態における固体撮像装置の第三の遮光膜の変形例を示す平面概要図である。 第4の実施形態において、第一の遮光膜の上面および第三の遮光膜の下面に反射防止膜を有する固体撮像装置の断面概要図である。 従来の固体撮像装置の平面概要図である。 従来の固体撮像装置の断面概要図である。
符号の説明
1 画素部
2、102 水平転送レジスタ部
3 出力回路
4 光電変換部
5、105 垂直転送レジスタ部
6、106 有効画素領域
7、107 オプティカルブラック領域
8、39、91、92、93 遮光膜
9 オンチップマイクロレンズ
10 n-型シリコン基板
11 p--型ウェル領域
12 n型電荷蓄積領域
13 p++型領域
14 n型埋め込みチャネル領域
15 p-型領域
16 ゲート電極
17 電荷読出し部
18 p+型チャネルストップ領域
19 ゲート絶縁膜
20 層間絶縁膜
21 反射防止膜
22 平坦化膜
23 保護膜
24 層内レンズ
25 平坦化膜
26 カラーフィルター層
27 オプティカルブラック領域の遮光膜における開口
28 2色以上のカラーフィルターを重ねて形成した遮光膜
30 遮光膜間絶縁膜
31 シャント配線コンタクトホール
37、38 反射防止膜
40 遮光膜8の開口
41、42、43 遮光膜39の開口
81 トランスファーゲート
103 電荷検出部
116 垂直転送電極

Claims (12)

  1. 半導体基板上に2次元的に配置された、光情報を検出する有効画素領域、または、光学的黒レベルを規定するオプティカルブラック領域に属する複数の光電変換部と、
    前記複数の光電変換部の上方に形成される第一の遮光膜とを備え、
    前記第一の遮光膜は、
    前記有効画素領域の前記光電変換部の上方を含む領域に形成される第一の開口と、
    前記オプティカルブラック領域の上方に形成される第二の開口とを備える
    ことを特徴とする固体撮像装置。
  2. 前記第一の開口は、有効画素領域の各光電変換部の上方にそれぞれ形成され、
    前記第二の開口は、前記第一の開口より小さい
    ことを特徴とする請求項1記載の固体撮像装置。
  3. 前記固体撮像装置は、さらに、
    前記各光電変換部の上方に形成される複数の層内レンズと、
    前記各層内レンズの上方に形成される複数のオンチップマイクロレンズとを備え、
    前記オプティカルブラック領域に形成された層内レンズおよびオンチップマイクロレンズの集光位置が前記第二の開口の位置と一致しない
    ことを特徴とする請求項2記載の固体撮像装置。
  4. 前記第二の開口の直径は、100nm以下である
    ことを特徴とする請求項2または3記載の固体撮像装置。
  5. 前記固体撮像装置は、さらに、
    前記層内レンズの上方かつ前記オンチップマイクロレンズの下方に第二の遮光膜を備え、
    前記オプティカルブラック領域に形成される第二の遮光膜は、2色以上のカラーフィルターから形成される
    ことを特徴とする請求項3記載の固体撮像装置。
  6. 前記第二の開口は、第一の波長の光を受光する光電変換部の上方に形成され、前記第一の波長より短い第二の波長の光を受光する光電変換部の上方には形成されない
    ことを特徴とする請求項2、3、4または5記載の固体撮像装置。
  7. 前記第一の波長の光は赤色光である
    ことを特徴とする請求項5記載の固体撮像装置。
  8. 前記第二の開口は、前記光電変換部の上方に形成される
    ことを特徴とする請求項2、3、4、5、6または7記載の固体撮像装置。
  9. 前記第二の開口は、前記オプティカルブラック領域の前記光電変換部の上方を含む領域に形成され、
    前記固体撮像装置は、さらに、
    前記第一の遮光膜の上方に形成される第三の遮光膜を備え、
    前期第三の遮光膜は、
    前記有効画素領域の前記複数の光電変換部の上方を含む領域に形成される第三の開口と、
    前記オプティカルブラック領域の前記複数の光電変換部の上方を除く領域に形成される第四の開口とを備える
    ことを特徴とする請求項1記載の固体撮像装置。
  10. 前記固体撮像装置は、さらに、
    前記各光電変換部の上方に形成される複数の層内レンズと、
    前記各層内レンズの上方に形成される複数のオンチップマイクロレンズとを備え、
    前記オプティカルブラック領域に形成された層内レンズおよびオンチップマイクロレンズの集光位置が前記第三の開口および第四の開口の位置と一致しない
    ことを特徴とする請求項9記載の固体撮像装置。
  11. 前記固体撮像装置は、さらに、
    前記層内レンズの上方かつ前記オンチップマイクロレンズの下方に第二の遮光膜を備え、
    前記オプティカルブラック領域に形成される第二の遮光膜は、2色以上のカラーフィルターから形成される
    ことを特徴とする請求項10記載の固体撮像装置。
  12. 前記固体撮像装置は、さらに、
    前記第一の遮光膜の上面および第三の遮光膜の下面のうち少なくとも一方に形成される反射防止膜を備える
    ことを特徴とする請求項9、10または11記載の固体撮像装置。
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