JP2007132953A - 超音波探傷方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】単一の超音波探触子を用いて、被検材の表面から底面までの全探傷範囲を高感度で探傷することができる超音波探傷方法及び装置を得る。
【解決手段】複数の振動子を有するアレイ型超音波探触子10により超音波を送受信する振動子面積を複数N段階に変更可能とし、送信回路、30、受信回路40等により超音波の送受信周期毎に1段階ずつ順次N段階に振動子面積を変更して被検材に超音波を送受信して所定探傷範囲の受信信号を取得し、複数Nの超音波送受信周期において取得した各送受信周期毎の受信信号をそれぞれA/D変換器50により量子化して複数Nの時系列データとして#1メモリ51A、#2メモリ52Aに記憶し、探傷結果評価手段60が、この記憶した複数Nの時系列データを各時系列位置毎に比較し、そのうちの最大振幅値を有するデータを当時系列位置における受信結果データとして抽出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の振動子を有するアレイ探触子により被検材に超音波を送受信して探傷を行う方法及び装置に関するものである。
従来の超音波探傷方法は、超音波探傷機に複数の超音波探触子のうちから選択された1つの探触子を接続して被検材の検査(探傷)を行うものである。従ってこの超音波探触子は使用目的に適合する周波数、寸法、型式(垂直、斜角等)のものが選択されて接続される。例えば、5Z20Nと表示された探触子は、周波数が5MHz、振動子は円形で直径が20mmの寸法の垂直探触子である。
このように1つの超音波探触子が選択されると、この探触子の周波数や寸法(この例では、円形振動子の直径Dとする)が決定(固定)されるため、この探触子により被検材内に生成される音場も決まったものとなる。
円形振動子により被検材内に生成される音場は、振動子を接触させた被検材表面から次の(1)式により決まる近距離音場限界距離x0 までの範囲の近距離音場と、x0 より遠距離の範囲の遠距離音場とに分けられる。
0=D2/4λ=D2f/4C …(1)
ここでDは円形振動子の直径、λは伝搬中の超音波の波長であり、fを周波数、Cを伝搬速度とすると、λ=C/fである。
図7は円形振動子による超音波ビーム形状の説明図であり、円形振動子で発生した振動が被検材の表面からその内部に伝搬する超音波ビームは、図7に示すように、近距離音場においては、振動子の直径とほぼ等しく一定の太さになっている。
またx0 よりの遠方の遠距離音場では、図7に示すように、振動子の中心を頂点とした円すい形状で、次の(2)式により決まる指向角ψ0 により、距離が遠くなるに従い次第に太いビームになっていく。
ψ0 =70λ/D=70C/Df …(2)
ここでD,λは、(1)式と同様に、それぞれ振動子の直径、波長である。
このように超音波ビームの形状は、振動子寸法と超音波の波長により種々変化する。
いま、通常の市販されている垂直探触子を用いて、被検材内の近距離音場のきず、例えば表面近くにある小さなきずを検出しようとすると、一般にAスコープ表示器において、きずからの反射エコーの高さ(振幅値)は、このきずの面積と振動子の有効面積(超音波ビームの有効面積の意)との比に比例して表示されるため、小さな寸法(直径)の振動子を用いた方が、高感度で微細なきずまで検出することができる。
しかし小さな寸法の振動子を用いると、被検材内の近距離音場にあるきずは高感度で検出できるが、遠距離音場にあるきずを検出するには、その指向角の広がりから、振動子のみかけ上の有効面積が大きくなり、きず面積との比の関係から検出感度が低下してしまう。
この被検材内の遠距離音場にあるきずを検出しやすくするためには、指向角を小さくするために振動子の寸法(直径)を大きくする必要がある。しかし大きな寸法の振動子を用いると、遠距離音場のきずは検出しやすいが、逆に、表面近くにある小さなきずは、振動子面積が大きいので、きず面積の比との関係から感度が低下し検出が困難となる。
このように従来の超音波探傷方法では、単一の超音波探触子によって、被検材内の近距離音場から遠距離音場までの広範囲を良好な感度で、またはほぼ均一な感度で探傷することはできなかった。
従って検出感度を低下させずに探傷をするには、まず直径の小さな探触子を用いて被検材の近距離音場(被検材の表面に近い部分)についての探傷を行い、次に探触子を直径の大きなもに交換し、同一被検材に対して、その遠距離音場(被検材の内部の深い部分)についての探傷を行う必要があり、探傷作業量が単一の探触子の場合の2倍に増加するという問題があった。
また、きず寸法を推定する場合、きずが振動子寸法より小さい場合、Aスコープ上のきずエコー高さFと底面エコー高さBとの比F/Bにより推定する方法が一般に用いられている。
このため、超音波探触子と被検材との接触状態が少し変化すると、振動子の見かけ上の有効面積が変り、底面エコーの高さBや、前記F/Bの値が変化するので、きず寸法の推定精度にバラツキが生じる等の問題もあった。
この超音波探傷技術と類似するものに超音波診断技術があり、この超音波診断においても、被検体の浅い部位から深い部位まで広範囲にわたり、鮮明な超音波画像を得るために、焦点深度が深く、かつ細い超音波ビームを形成する探触子が要望されていた。この要望に応えた公知文献として特開平8−289889号公報(以下単に特許公報という)がある。
図8は上記特許公報の第1実施例による超音波診断装置の構成図である。
図8においては、アニュラアレイ型超音波振動子(トランスデューサ)104を、所定の点に焦点を結ぶ集束音場を発生する圧電素子101と、共焦点を有する同心円状の圧電素子102,103とで構成し、その音響放射面に音響レンズ120を接合する。圧電素子101の電極106を遅延線107、分離回路108を介して励振回路109に接続し、圧電素子102の電極110を遅延線111を介して励振回路109に接続し、圧電素子103の電極112を励振回路109に直接接続する。励振回路109を観測装置113に接続し、分離回路108をアンプ114を介して観測装置113に接続する。各圧電素子の合成音場が、上記所定の焦点とは異なる点に焦点を結ぶよう、圧電素子101,102を103に対して遅延駆動する。
この第1実施例では、圧電素子103は直接(即ち時間遅延なく)、圧電素子102は遅延線111で40ns遅延させ、圧電素子101は遅延線107で80ns遅延させてそれぞれ励振して、周波数15MHzの超音波を発生させ、各圧電素子の合成音場では幾何学焦点距離30mmと異なる電子的焦点距離21mmを得たとしている。
しかしながら上記特許公報の超音波探触子とその送受信方法による音場特性は、その図3、図8に示されるように、電子的焦点距離における超音波ビームは細く絞られているが、その前後の位置においてはかなり太いビームとなっている。
超音波探傷においては、所定の探傷範囲内では、超音波ビーム径がほぼ一定で且つ良好な感度で探傷できることが望ましいので、上記特許公報の音場特性は、超音波探傷に用いるには、満足できるものではなかった。
また上記特許公報における各圧電素子の励振方法は、各圧電素子間に時間差を設けて順次励振するので、最初にある圧電素子の励振により複数波の超音波が発生され、この最初の超音波の発生期間中に次の圧電素子の励振により再び複数波の超音波が発生されるという過程を繰り返す。従って全部の圧電素子を同時に励振する場合に比例して、全体として発生される超音波の波数が増加するので、距離分解能が悪化することになる。
超音波探傷においては、きずの位置や大きさの情報は重要であるので、上記距離分解能の悪化は好ましくないものであった。
このように超音波探傷においては、単一の超音波探触子を用いて、被検材内の近距離音場から遠距離音場までの広範囲を高感度で、またはほぼ均一な良好な感度で探傷できると共に、距離分解能も悪化しない超音波探傷方法及び装置が要望されていた。
本発明に係る超音波探傷方法は、複数の振動子を有するアレイ探触子により超音波を送受信する振動子面積を複数N段階に変更可能とし、超音波の送受信周期毎に1段階ずつ順次N段階に振動子面積を変更して被検材に超音波を送受信して所定探傷範囲の受信信号を取得し、複数Nの超音波送受信周期において取得した各送受信周期毎の受信信号をそれぞれ量子化して複数Nの時系列データとして記憶し、この記憶した複数Nの時系列データを各時系列位置毎に比較し、そのうちの最大振幅値を有するデータを当時系列位置における受信結果データとして抽出するものである。
本発明に係る超音波探傷方法は、複数Nの時系列データを各時系列位置毎に比較し、そのうちの最大振幅値を有するデータを順次抽出して得た所定探傷範囲内の受信結果データを表示又は記録する際に、各抽出位置における受信結果データの感度を変更せずにそのままの感度で表示又は記録するか、または各抽出位置における受信結果データの感度を所定探傷範囲においてほぼ均一な感度となるように変更して表示又は記録するものである。
本発明に係る超音波探傷方法は、複数Nの時系列データを各時系列位置毎に比較し、そのうちの最大振幅値を有するデータを順次抽出して得た所定探傷範囲の受信結果データより検出したきずの評価として、検出したきずのエコー高さと、このきずに相当する受信結果データが抽出された時系列データにおける底面エコーの高さとの比に基づききず寸法を評価するか、または検出したきずのエコー高さと、きずに相当する受信結果データが抽出された時系列データを記憶した送受信周期の当きず検出位置における超音波ビームの有効面積とに基づききず寸法を評価するものである。
本発明に係る超音波探傷装置は、中心部振動子と、この中心部振動子を取り囲む位置に配置された単数又は複数の周辺部振動子とを有するアレイ探触子と、アレイ探触子の中心部振動子と、この中心部振動子に単数又は複数の周辺部振動子を付加することにより、超音波の送受信周期毎に1段階ずつ順次複数N段階に振動子面積を変更させ、被検材に超音波の送受信を行う超音波送受信手段と、複数Nの超音波送受信周期において超音波送受信手段が各送受信周期毎に取得した所定探傷範囲の受信信号をそれぞれ量子化して複数Nの時系列データとして記憶し、この記憶した複数Nの時系列データを各時系列位置毎に比較し、そのうちの最大振幅値を有するデータを当時系列位置における受信結果データとして抽出する受信結果データ抽出手段とを備えたものである。
本発明に係る超音波探傷装置は、受信結果データ抽出手段が複数Nの時系列データより各時系列位置毎に抽出した受信結果データを入力し、この各時系列位置毎の受信結果データを、その受信感度の振幅値のまま出力するか、または所定探傷範囲においてほぼ均一な感度となるように振幅値を変更して出力する感度変更選択手段と、受信結果データ抽出手段が複数Nの時系列データより各時系列位置毎に抽出した受信結果データを検査し、この受信結果データより検出したきずの評価として、検出したきずのエコー高さと、このきずに相当する受信結果データが抽出された時系列データにおける底面エコーの高さとの比に基づききず寸法を評価するか、または検出したきずのエコー高さと、きずに相当する受信結果データが抽出された時系列データを記憶した送受信周期の当きず検出位置における超音波ビームの有効面積とに基づききず寸法を評価するきず寸法評価手段とを付加したものである。
本発明においては、複数の振動子を有するアレイ探触子により超音波を送受信する振動子面積を複数N段階に変更可能とし、超音波の送受信周期毎に1段階ずつ順次N段階に振動子面積を変更して被検材に超音波を送受信して所定探傷範囲の受信信号を取得し、複数Nの超音波送受信周期において取得した各送受信周期毎の受信信号をそれぞれ量子化して複数Nの時系列データとして記憶し、この記憶した複数Nの時系列データを各時系列位置毎に比較し、そのうちの最大振幅値を有するデータを当時系列位置における受信結果データとして抽出するようにしたので、各きず毎に、当きずの検出位置において最高感度で検出したきずデータを自動的に取得することができる。
また本発明においては、複数Nの時系列データを各時系列位置毎に比較し、そのうちの最大振幅値を有するデータを順次抽出して得た所定探傷範囲内の受信結果データを表示又は記録する際に、各抽出位置における受信結果データの感度を変更せずにそのままの感度で表示又は記録するか、または各抽出位置における受信結果データの感度を所定探傷範囲においてほぼ均一な感度となるように変更して表示又は記録するようにしたので、各きず検出位置毎の最高感度によるきずの表示も、全探傷範囲にわたるほぼ均一な感度によるきずの表示も可能となる。
また本発明によれば、複数Nの時系列データを各時系列位置毎に比較し、そのうちの最大振幅値を有するデータを順次抽出して得た所定探傷範囲の受信結果データより検出したきずの評価として、検出したきずのエコー高さと、このきずに相当する受信結果データが抽出された時系列データにおける底面エコーの高さとの比に基づききず寸法を評価するか、または検出したきずのエコー高さと、きずに相当する受信結果データが抽出された時系列データを記憶した送受信周期の当きず検出位置における超音波ビームの有効面積とに基づききず寸法を評価するようにしたので、底面エコー高さが十分に得られる場合にも、また得られない場合にも、較正データの併用等により、きず寸法を精度良く評価することができる。
実施形態1
実施形態1では、超音波探触子の振動子面積を複数(この実施形態では3とするが、一般的にはN)の段階に変更できるようにすると共に、被検材の所定探傷範囲(例えば垂直探傷の場合、被検材の表面から底面までの全範囲)を前記複数Nと同数の範囲に分割し、予め前記N段階の各振動子面積にそれぞれ対応させて前記複数Nに分割したうちの1つの探傷範囲を割り当てておき、超音波の送受信周期毎に1段階ずつ順次前記N段階に振動子面積を変更して被検材に超音波を送受信すると共に、前記各振動子面積に対応させて割り当てた各探傷範囲の探傷を行うものである。
なお、本実施形態1では、3段階の振動子面積と、これに対応させて全探傷範囲を3つに分割した各探傷範囲との組み合せ例を後述するが、これは3段階の各振動面積によってそれぞれ探傷を行った場合に、各振動子面積によって最も高感度で探傷ができるように、各振動子面積と各探傷範囲との対応組み合せがなされるものである。
また、各振動子面積と各探傷範囲との対応組み合せを予め決めておくことが不要な方法は、実施形態2において説明する。
図1は本発明の実施形態1に係る超音波探傷装置の構成図であり、図2は図1の装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。
最初に、実施形態1,2で共用するアレイ型超音波探触子について説明する。
図3は本発明の実施形態1,2に係るアレイ型超音波探触子の構成図である。
図3はアニュラアレイ型超音波探触子の場合の例を示したものであり、同図の(a)の1,2,3は同心円状に配置された#1,#2,#3振動子であり、4,5は振動子間のスペーサである。例えば#1振動子1は直径7mmの円形、#2振動子2は内径7.1mm、外径10.0mmのリング状、#3振動子3は内径10.1mm、外径14.0mmのリング状である。またスペーサ4,5は、例えば非導電性ゴムや樹脂等の円環状であり、各振動子間に設けられる。
なお、図3の(a)の構成により、#1振動子1は中心部振動子、#2,#3振動子2,3は、中心部振動子を取り囲む位置に配置された周辺部振動子ともいう。
図3の(b)の6,7,8は、#1,#2,#3の振動子の一方の面に設けられた個別電極で、それぞれ#1振動子電極、#2振動子電極、#3振動子電極という。9は#1,#2,#3振動子の他方の面に共通に設けられた共通電極である。この共通電極9は、#1,#2,#3振動子1,2,3と樹脂等のスペーサ4,5とを一体的に接合した後に、音響放射面に金属材のスパッタリング等により形成する。また各電極6〜9には、それぞれ接続線が設けられる。
このように図3のアレイ型超音波探触子10は、単一探触子の構造であるが、各振動子による超音波の送受信も、複数の振動子による超音波の送受信も可能である。
即ち各電極への接続線を介して、いま共通電極9と#1振動子電極6間のみにパルス電圧を印加すれば、#1振動子1による超音波の送信が行われ、共通電極9と#2振動子電極7間のみにパルス電圧を印加すれば#2振動子2による送信が行われる。
また#1振動子電極6と#2振動子電極7とを接続線を介して外部で結合し、この結合点と共通電極9間にパルス電圧を印加すれば、#1振動子1と#2振動子2による超音波の送信が行われる。また各振動子は、超音波の送信と同様に受信も可能である。
次に#1,#2,#3振動子1,2,3を用いて、超音波を送受信する振動子面積を3段階に変更する例を説明する。
(1)いま#1振動子1のみを使用する場合は、この例では直径が7mmの円形面積として、振動子面積A1は約38.5mm2となる。
(2)次に#1振動子1及び#2振動子2を使用する場合は、近似的に直径10mmの円形となるので、振動子面積A2は約78.5mm2となり、A1 の約2倍となる。
(3)次に#1振動子1、#2振動子2及び#3振動子3を使用する場合は、近似的に直径14mmの円形となるので、振動子面積A3 は約153.9mm2 となり、A2 の約2倍となる。
本実施形態1,2では上記のように、最初は中心部振動子のみ、次は中心部振動子とこれに隣接する周辺部振動子が1個、次は中心部振動子とこれに隣接する周辺部振動子が2個、…と超音波を送受信する振動子の数を順次増加させることにより、振動子面積を38.5mm2、78.5mm2、153.9mm2 と3段階に変更できるようにしている。
なお実施形態1における上記各振動子面積と全探傷範囲を3つに分割したうちの1つの探傷範囲との組み合せ例は後述する。
図1の超音波探傷装置において、10は図3で説明したアレイ型超音波探触子であり、共通電極9は接地され、#1,#2,#3振動子電極6,7,8からの各接続線は、それぞれ振動子選択回路20に接続される。
20は振動子選択回路であり、内部に超音波の送受信を行う振動子を選択するための機械式または半導体式のスイッチS1 及びS2 を含む。即ちスイッチS1 が閉となると、#1,#2振動子1,2による送受信が可能となり、スイッチS1 とS2 が共に閉となると、#1,#2,#3振動子1,2,3による送受信が可能となる。なおスイッチS1,S2の開閉制御信号はタイミング制御回路80から供給される。
21は受信保護回路であり、送信時に受信回路40を保護するための回路である。例えば双方向性ダイオード等により送信時に正,負双方向の過大電圧が受信回路40に印加されるのを保護する。
30は送信回路であり、タイミング制御回路80から同期信号(繰返周波数がf、即ち繰返周期がT=1/f)が供給される毎に、振動子を励振する送信パルスを出力する。この送信パルスは例えば、高電圧電源から抵抗を介してコンデンサに電荷をチャージしておき、前記同期信号により半導体スイッチ(SCR等)を介してコンデンサの電荷を瞬時に放電させることにより発生する。
40は受信回路であり、振動子からの受信信号が受信保護回路21を介して入力されるので、所要周波数帯域の受信信号を増幅し、検波し、ビデオ信号(エコー信号を含む)として出力する。
41は受信ゲート回路であり、タイミング制御回路80から受信ゲート信号として#1受信ゲート信号、#2受信ゲート信号または#3受信ゲート信号のうちのいずれか1つの受信ゲート信号が供給されるので、受信回路40の出力信号のうちから前記供給される受信ゲート信号の発生期間中の信号のみを取り出して出力する。
50はA/D変換器、51は#1メモリ、52は#2メモリ、53は書込・読出制御回路、S3,S4は半導体等のスイッチである。なお#1と#2の2つのメモリを設けるのは、A/D変換器50の出力データをスイッチS3 を介して一方のメモリ(図示では#1メモリ51)に書込んでいる期間に、並列的に他方のメモリ(図示では#2メモリ52)から既に格納されているデータをスイッチS4 を介して読出せるようにするためである。60は探傷結果評価手段であり、例えば市販のパソコン等により構成される。61はD/A変換器、62はCRTや液晶等の表示装置、70はプリント装置(記録計も含む)である。
80はタイミング制御回路であり、本装置全体のタイミングを制御するため各種信号を発生し、他の機器に供給する。例えば、振動子選択回路20内のスイッチS1,S2に#2,#3周期信号を、送信回路30に同期信号を、受信ゲート回路41に#1,#2,#3受信ゲート信号を、A/D変換器50にサンプリングクロック信号を、また書込・読出制御回路53にタイミング制御信号をそれぞれ供給する。
なお、タイミング制御回路80が発生し出力する各種タイミング制御信号は、アレイ型超音波探触子10に含まれる振動子の数、被検材の厚さ、材質等のパラメータデータにより変更される。従ってタイミング制御回路80には、例えば上記パラメータデータを設定できるデップスイッチを設けておくとか、またはパラメータデータ入力用のレジスタを設けておき、パソコン等の探傷結果評価手段60を介してパラメータデータを入力する等の手法により、パラメータデータを容易に変更できるようにしておことが望ましい。
なお、本実施形態1,2では、被検材は軟鋼とし、その厚さ(表面から底面までの長さ)を55mmとする。そして底面エコーも十分に検出できるように、受信信号の取得範囲は表面から深さ60mmに相当する時間範囲とする。
次に本実施形態1においては、この表面から60mmまでの受信範囲(全探傷範囲ともいう)を表面〜20mm、20mm〜40mm、40mm〜60mmの3つの探傷範囲に分割し、前記アレイ型超音波探触子の3段階の面積と上記分割した各探傷範囲とを次のように組み合せて探傷を行う。なお上記3つの各探傷範囲の境界部では、隣接する探傷範囲が多少重複するように設定し、探傷落ちがないようにすることが望ましい。そして上記各組み合せ毎に送受信の1周期を要するので、次の3つの送受信周期を用いる。
(1)#1送受信周期において、振動子面積を38.5mm2 として送受信し、被検材の表面から内部20mmまでの範囲の受信信号を探傷に用いる。
(2)#2送受信周期において、振動子面積を78.5mm2 として送受信し、被検材の内部20mmから40mmまでの範囲の受信信号を探傷に用いる。
(3)#3送受信周期において、振動子面積を153.9mm2 として送受信し、被検材の内部40mmから60mmまでの範囲の受信信号を探傷に用いる。
図2のタイムチャートを参照し、図1の動作を説明する。なお図2の横軸はすべて時間である。
図1のタイミング制御回路80は、所定の繰返周波数f(例えば10KHz)、即ち繰返周期T(=1/fなので、f=10KHzとすると、T=100μs)毎に同期信号(図2の(a)を参照)を発生し、送信回路30に供給する。
またタイミング制御回路80は、#1送受信周期において、この例では被検材表面から20mmまでの範囲の受信信号を抽出するための#1受信ゲート信号を、#2送受信周期において、この例では被検材内部20mmから40mmまでの範囲の受信信号を抽出するための#2受信ゲート信号を、また#3送受信周期において、この例では被検材内部40mmから60mmまでの範囲の受信信号を抽出するための#3受信ゲート信号をそれぞれ発生する。
そして1つの送受信サイクルは、上記3周期により形成されるので、タイミング制御回路80は、3進カウンタにより同期信号を計数し、常に現在何番目の周期であるかを承知している。
(1)#1送受信周期
#1送受信周期においては、#1振動子1のみを用いて(市販探触子の5Z7と同等の探触子面積として)、例えば被検材の表面から深さ20mmまでの範囲についての探傷を行うものとする。
この#1送受信周期では、振動子選択回路20内のスイッチS1,S2は共に開となるようにタイミング制御回路80に制御されるので、同期信号に基づき送信回路30から出力される送信パルスは#1振動子1のみに印加される(図2の(b)を参照)。
この#1振動子1の励振により被検材内に伝搬し、内部のきず等から反射された超音波は、再び#1振動子1、受信保護回路21、受信回路40を介して受信ゲート回路41に供給される。
この#1送受信周期では、タイミング制御回路80は、#1振動子送信パルスの終了直後から時間幅t1 の#1受信ゲート信号のみを受信ゲート回路41に供給する(図2の(e)を参照)。
ここで上記時間幅t1 は、被検材の表面から深さ20mmの範囲の受信信号を抽出するため、次のように求める。
いま、被検材は軟鋼であり、垂直探触子による縦波探傷を行うとすると、この場合の縦波音速vは約5900m/sであり、往復40mmの距離を縦波が伝搬するのに要する時間t1 は、t1 =40mm/5900m/s≒6.78μsとして求められる。
受信ゲート回路41は、前記供給される#1受信ゲート信号に基づき、入力ビデオ信号より被検材の表面から深さ20mmまでの受信ビデオ信号を抽出してA/D変換器50に供給する。A/D変換器50では、この入力ビデオ信号を、所望の距離分解能を満足するように選定されてタイミング制御回路80から供給さるサンプリングクロック信号毎に、所望の振幅分解能によりエコー波形を表示できるような十分なビット数のデジタルデータに順次変換して出力する。
A/D変換器50の出力する時系列デジタルデータは、書込・読出制御回路53の制御によって、半導体等のスイッチS3 を介して、現在読出動作を行っていないほうのメモリ(図1では#1メモリ51)に供給される。
#1メモリ51、#2メモリ52は、垂直探傷の場合、それぞれ被検材の表面から底面までの全受信信号を量子化した時系列データ(各サンプリング位置毎の振幅データ)並びに各探傷範囲境界の境界識別データ等を十分に格納できるメモリ容量を備えている。
そして書込・読出制御回路53は、図1の例では、#i送受信サイクルの#1送受信周期において、#1メモリ51内の被検材の表面から深さ20mmまでの各単位深さ毎に設定された各アドレスに、A/D変換器50からスイッチS3 を介して供給される時系列デジタルデータを順次書込む。
またこの#1送受信周期に、書込・読出制御回路53は、探傷結果評価手段60からの読出制御信号に基づき、#2メモリ52から前回の#(i−1)送受信サイクルに格納した被検材の表面から底面までの全探傷範囲の時系列デジタルデータを順次読出し、スイッチS4 を介して探傷結果評価手段60に供給する。
なお、探傷結果評価手段60の動作は、#1〜#3送受信周期の全部に関係するので、#3送受信周期の説明の後に、記述する。
(2)#2送受信周期
#2送受信周期においては、#1振動子1及び#2振動子2を用いて(市販探触子の5Z10と同等の探触子面積として)超音波の送受信を行い、例えば被検材の深さ20mm〜40mmの範囲についての探傷を行うものとする。
この#2送受信周期では、振動子選択回路20内のスイッチS1 はタイミング制御回路80から供給される#2周期信号によって閉となっているので、送信回路30から出力される送信パルスは#1振動子1と#2振動子2の両方に印加される(図2の(b),(c)を参照)。
この#1振動1及び#2振動子2の励振により被検材内を伝搬し、内部のきず等から反射された超音波は、再び#1振動子1及び#2振動子2を介し、受信保護回路21、受信回路40を通って受信ゲート回路41に供給される。
この#2送受信周期では、タイミング制御回路80は、送信パルスの終了直後から前記時間t1 の経過後に、時間幅t2 の#2受信ゲート信号のみを受信ゲート回路41に供給する(図2の(f)を参照する)。
ここで上記時間t1 は、前記#1受信ゲート信号の時間t1 と同じで約6.78μsであり、時間幅t2 は次のように求める。
前記と同様に、縦波音速vは約5900m/sで、往復80mmの距離を縦波が伝搬するのに要する時間tは、t=80mm/5900m/s≒13.56μsであり、t2 =t−t1 ≒(13.56−6.78)μs≒6.78μsとして求められる。
なお、実際の装置設計時には、#2受信ゲート信号が発生してから#1受信ゲート信号を終了させ、両ゲート信号間に信号の切れ目が生じないようにすることが好ましい。
受信ゲート回路41は、前記供給される#2受信ゲート信号に基づき、入力ビデオ信号により被検材の深さ20mm〜40mmの範囲の受信ビデオ信号を抽出してA/D変換器50に供給する。A/D変換器50は、入力ビデオ信号を、#1送受信周期のときと同様に、タイミング制御回路80から供給されるサンプリングクロック信号毎に、その振幅値を所定ビット数のデジタルデータに変換して順次出力する。
A/D変換器50から出力される時系列デジタルデータは、書込・読出制御回路53の制御により、スイッチS3 を介して、#1送受信周期においてデータ書込の行われた#1メモリ51内の被検材の深さ20mmから40mmまでの各単位深さ毎に設定された各アドレスに、順次書込まれる。
なおこの際に、#1送受信周期の探傷範囲のデータ群と、#2送受信周期の探傷範囲のデータ群との境界を示す境界識別データをメモリ内に設けておくと両データ群の感度差を補正する際に便利である。
また書込・読出制御回路53は、探傷結果評価手段60からの読出制御信号に基づき、#2メモリ52より前回の#(i−1)送受信サイクルに格納した被検材の表面から底面までの全探傷範囲の時系列デジタルデータのうちから、必要とするエコーデータ等を読出し、スイッチS4 を介して探傷結果評価手段60に供給する。
#3送受信周期
#3送受信周期においては、#1振動子1、#2振動子2及び#3振動子3の全振動子を用いて(市販探触子の5Z14と同等の振動子面積として)超音波の送受信を行い、例えば被検材の深さ40mm〜60mmの範囲についての探傷を行うものとする。
この#3送受信周期では、振動子選択回路20内のスイッチS1,S2はタイミング制御回路80から供給される#3周期信号によって、共に閉となっているので、送信回路30から出力される送信パルスは、#1振動子1、#2振動子2及び#3振動子3の全振動子に印加される(図2の(b),(c),(d)を参照)。
この#1振動子1、#2振動子2及び#3振動子3の励振により被検材内を伝搬し、内部のきずや底面等から反射された超音波は、再び#1〜#3振動子1〜3を介し、受信保護回路21、受信回路40を通って受信ゲート回路41に供給される。
この#3送受信周期では、タイミング制御回路80は、送信パルスの終了直後から前記時間t1 及びt2 の経過後に時間幅t3 の受信ゲート信号のみを受信ゲート回路41に供給する(図2の(g)を参照)。
ここで上記時間t1,t2は、前記#1,#2受信ゲート信号の時間t1,t2と同じで、それぞれ6,78μsであり、時間幅t3 は次のように求める。
前記と同様に、縦波音速vは約5900m/sで、往復120mmの距離を縦波が伝搬するのに要する時間tは、t=120mm/5900ms≒20.34μsであり、t3 =t−(t1+t2)≒(20.34−13.56)μs≒6.78μsとして求められる。
なお、実際の装置設計時には、#3送受信ゲート信号が発生してから#2送受信信号を終了させ、両ゲート信号間に信号の切れ目が生じないようにすることが好ましい。
受信ゲート回路41は、前記供給される#3受信ゲート信号に基づき、入力ビデオ信号より被検材の深さ40mm〜60mmの範囲の受信ビデオ信号を抽出してA/D変換器50に供給する。A/D変換器50は、入力ビデオ信号を、#1,#2送受信周期のときと同様に、タイミング制御回路80から供給されるサンプリングクロック信号毎に、その振幅値を所定ビット数のデジタルデータに変換して順次出力する。
A/D変換器50から出力される時系列デジタルデータは、書込・読出制御回路53の制御により、スイッチS3 を介して#1,#2送受信周期においてデータ書込みの行われた#1メモリ51内の被検材の深さ40mmから60mmまでの各単位深さ毎に設定された各アドレスに、順次書込まれる。
なおこの際に#2送受信周期の探傷範囲のデータ群と、#3送受信周期の探傷範囲のデータ群との境界を示す境界識別データをメモリ内に設けておく。
このようにして#3送受信周期の終了時点では、被検材の表面から底面までの全探傷範囲からの受信信号を量子化した全データは、#1メモリ51内の表面から単位深さ(A/D変換器50のサンプリングクロックの周期に超音波が往復できる距離)毎に設定された各アドレスに格納されている。そしてこの#3送受信周期の終了により#i送信サイクルは終了する。
なお書込・読出制御回路53は、この#3送受信周期においても、探傷結果評価手段60からの読出制御信号に基づき、#2メモリ52より前回の#(i−1)送受信サイクルに記憶した被検材の表面から底面までの全探傷範囲の時系列デジタルデータのうちから、必要とするエコーデータ等を読出し、スイッチS4 を介して探傷結果評価手段60に供給する。
図4は本発明の実施形態1,2に係るアレイ型超音波探触子のビームの説明図であり、図の(a),(b),(c)はそれぞれ#1,#2,#3送受信周期において振動子寸法を直径7mm、10mm、14mmの円形振動子とした場合を示し、各振動子の発生する超音波周波数は5MHzとして示したものである。
なお、図のx0 は近距離音場限界距離、ψ0 は指向角であり、図の(a),(b),(c)では、x0 は約10.4mm、21.2mm、41.5mmとなり、ψ0 は約11.8°、8.28°、5.9°となる。また図のt1,t2,t3 は、#1,#2,#3受信ゲート時間であり、(a),(b),(c)の各振動子面積により高感度で探傷ができる各探傷範囲(振動子〜20mm、20mm〜40mm、40mm〜60mm)からの受信信号をそれぞれ抽出するのに使用される。
本発明の実施形態1では、3つの送受信周期を用いて、図4のように振動子面積を3段階に変化させると共に、予め全探傷範囲を3分割して各振動子面積毎にそのうちの1つの探傷範囲を割り当てているが、従来の探傷方法では、単一の超音波探触子(即ち同一の振動子面積)を用いて全探傷範囲の探傷を行っている。
ここでは、市販の探触子5Z10を用いて全探傷範囲の探傷を行う従来の探傷方法と、本発明の探傷方法とにおける音場寸法と感度とを比較する。
いま試験用鋼材として、厚さ100mmの鋼板に直径2mmの平底穴を表面から17mm、30mm、55mmに加工する。この鋼板を従来型の探触子5Z10で探傷した一例を示すと、前記3つの加工穴の検出感度は、表面からの深さが17mmで+1dB、30mmで0dB、55mmで−7dBとなった。この深さ55mmにおける感度低下は、図4の(b)に示すように深さ40mm以上でビームが太くなり振動子の有効面積が増加することに起因する。またこの範囲内における感度差は8dBである。
本実施形態1では、表面から深さ17mmの円形平面きずは、図4の(a)の直径7mmの振動子により探傷する。図4の(a)において、振動子からの距離17mmの位置では、音場は既に遠距離音場となっているが、超音波ビームの有効寸法はほぼ振動子の直径に等しい。そしてこの場合のきずからの反射エコーの高さは、きずの面積と振動子の面積との比に比例する。従来の探傷法では、図4の(b)の直径10mmの振動子による探傷であり、(b)の振動子面積(78.5mm2 )は(a)の振動子面積(38.5mm2 )の2倍である。
従って深さ17mmの円形平面きずを、直径7mmの振動子により検出した場合のきずエコーの高さは、直径10mmの振動子により検出した場合のきずエコーの高さのほぼ2倍(+6dB)となり、本実施形態1の方が高感度であるので、微細なきずまで検出することができる。
また振動子から距離17mmの位置は、図4の(b)では音圧変動の多い近距離音場であるが、図4の(a)では、音圧変動の少い遠距離音場となっているので、安定した探傷が可能である。
表面から深さ30mmの円形平面きずの探傷では、本実施形態1でも、従来の探傷法でも、同一の直径10mmの振動子を用いるので、共に遠距離音場における探傷であり、検出感度も同一と考えてよい。
表面から深さ55mの円形平面きずについて、本実施形態1では、図4の(c)の直径14mmの振動子により探傷する。図4の(c)において、振動子から距離55mmの位置では、音場は既に遠距離音場となっているが、超音波ビームの有効寸法はほぼ振動子の直径に等しい。
従来の探傷方法では、図4の(b)の直径10mmの振動子による探傷であり、深さ55mmの位置ではビームの直径は約16mmに太くなっている。そしてこの位置における図4の(b)と(c)とでの超音波ビームの有効面積は、約201mm2と154mm2である。従って深さ55mmの円形平面きずを直径14mmの振動子により検出したきずエコーの高さは、直径10mmの振動子により検出した場合のほぼ1.3倍(+2.5dB)となり、本実施形態1の方が感度が良い。
このように本実施形態1では、全探傷範囲を複数に分割した各探傷範囲に対して、この各探傷範囲で最も高感度の探傷が可能となる振動子面積を組み合せるように設定するので、従来の全探傷範囲を1つの振動子面積で探傷する場合よりも高感度の探傷ができる。
また前記分割した各探傷範囲の大部分(この例では80%程度)は、遠距離音場ではあるが、超音波ビームの有効寸法が振動子の直径にほぼ近い範囲(ビームが太くならない範囲)に設定されるので、安定した探傷を行うことができる。
なお、被検材の表面から底面までの全範囲をまとめて表示又は記録する場合には、前記複数に分割した各探傷範囲間の検出感度差を少くして、全探傷範囲においてほぼ均一な検出感度により行ないたい場合がある。このような場合に、本実施形態1では、次の(1),(2)のいずれか一方、または両方によりこれを実現している。
(1)振動子面積の変更段数とこれに対応する各探傷範囲の組み合せを、これまでの各探傷範囲毎に最高感度とする組み合せから、全探傷範囲にわたりほぼ均一な検出感度が得られるような組み合せに変更する。
例えば、表面から20mmの探傷範囲においても直径10mmの振動子を用い(直径7mmの振動子の使用を中止し)、2段階の面積による探傷とする。即ち表面から深さ40mmまでは直径10mmの振動子により探傷し、深さ40mm〜60mmまでを直径14mmの振動子により探傷するようにすれば、表面から深さ55mmまでは2.5dB以内の感度差において探傷を行うことができる。
(2)後述する探傷結果評価手段60により、同一寸法のきずは各探傷範囲毎に同一高さのエコーとなるように補正し、この補正後のデータを表示又は記録する。
これは較正用の試験材として、予め試験材の各探傷範囲毎に同一寸法のきず(平底穴等)を設けておく。そしてこの試験材による本装置の較正時に、各探傷範囲毎のきずエコー高さを測定し、これらのエコー高さが全探傷範囲にわたりほぼ同一の高さになるように各探傷装置毎の補正係数を求め、この補正係数を内部に記憶しておく。
そして実際の探傷時に、この較正時に記憶した補正係数を用いて、測定したきずエコー高さに対して各探傷範囲毎に補正を行う。
次に#i送受信サイクルにおける、#(i−1)送受信サイクルの探傷結果の評価、表示、プリント動作について説明する。
#i送受信サイクルの開始時点において、この例では#2メモリ52内には、#(i−1)送受信サイクルにおける被検材の表面から底面までの探傷結果の時系列デジタルデータが格納されているので、#1送受信周期に入ると、探傷結果評価手段60は、書込・読出制御回路53を制御し、上記時系列デジタルデータを、#2メモリ52からスイッチS4 を介して読出し、一旦自己の内部メモリに記憶後、下記(1),(2)の処理を並列的に行う。
(1)探傷結果評価手段60は、第1の処理として、前記記憶した時系列データをD/A変換器61を介してアナログ信号に変換し、表示装置62のAスコープ上にエコー波形として表示させる。
このエコー波形の表示法には、表示範囲を限定して各探傷範囲毎に表示する場合と、表面から底面までの全探傷範囲を一括表示する場合の2通りがある。前者の場合には、局部的な走査によりきず波形を拡大表示できるので、各探傷範囲毎の高感度のデータをそのまま表示する方法(ここでは方法Aという)でよいが、後者の場合には、全部の探傷範囲においてほぼ均一な検出感度となるようにデータを補正して表示する方法(ここでは方法Bという)が一般に用いられる。従って本実施形態では、上記表示範囲の選択により、表示感度は上記方法A又は方法Bが自動的に選択されるようにしている。
前記方法Aが選択された場合には、データ振幅値の補正が不要なので、探傷結果評価手段60は、自己の内部に記憶した時系列デジタルデータをそのまま表示装置62の走査速度に同期してD/A変換器61に出力すればよい。
また前記方法Bが選択された場合には、データ振幅値の補正が必要なので、探傷結果評価手段60は、予め各探傷範囲毎に区別して(例えば境界データを設けて)自己の内部に記憶した時系列デジタルデータに対して、較正時に取得した各探傷範囲毎の補正係数をそれぞれ乗算し、この乗算結果のデータを表示装置62の走査速度に同期してD/A変換器61に出力する。
この(1)のエコー波形の表示処理は、表示装置62がビデオメモリを有する場合には、#1送受信周期に1回だけ行えばよいが、ビデオメモリを有しない場合には、表示を連続させるため、探傷結果評価手段60は、#1,#2,#3送受信周期のすべての走査時間について行う。
(2)また探傷結果評価手段60は、例えば表示装置62の走査帰線期間等を利用した時分割処理により、上記(1)の処理と並列的に次の第2の処理を行う。
即ち探傷結果評価手段60は、第2の処理として、前記記憶した時系列デジタルデータに含まれるすべてのきずデータについてきず寸法(直径等)の推定を行い、きずの位置(深さ)と寸法のデータをプリント装置70(または記録計等)へ出力する。
一探触子法で、きずが平面きずで遠距離音場にある場合、きずからのエコー高さは、きずの面積と振動子の有効面積(超音波ビームの有効面積の意)との比に比例すると考えられるから、予めこの両者の関係を試験材等を用いて求めておけば、振動子の有効面積ときずエコーの高さからきず寸法を算出することができる。
即ち予め試験材の前記探傷範囲毎に、複数の既知の穴径の平底穴等を加工して設けておく。そして装置の較正時に、前記振動子の面積を3段階(A1 ,A2 ,A3 )に変化させた3つの各探傷範囲(#1,#2,#3探傷範囲)毎に既知の穴径(φ1 ,φ2 ,…)に対するきずエコー高さ(F1 ,F2 ,…)をそれぞれ測定する。そして各探傷範囲毎に測定した穴径φ1,φ2,…に対応するエコー高さF1 ,F2 ,…をエコー高さの参照値として、探傷結果評価手段60内に記憶しておく。そして実際の探傷時に各探傷範囲毎に得たきずエコー高さについて、既知穴径に対する前記参照値を用いて、きずの直径を推定して求めることができる。
探傷結果評価手段60は、#1〜#3送受信周期内における(1)の処理と重複しない時間帯に、自己の内部に記憶した時系列デジタルデータを用いて、きず寸法の推定と推定したきずデータのプリント装置70への出力を行う。
実施形態2
実施形態2では、超音波探触子の振動子面積を複数(この実施形態では3とするが、一般的にはN)の段階に変更できるようにし、超音波の送受信周期毎に1段階ずつ順次前記N段階に振動子面積を変更して被検材に超音波を送受信して所定探傷範囲の受信信号を取得し、複数Nの超音波送受信周期において前記取得した各送受信周期毎の受信信号をそれぞれ量子化して複数Nの時系列データとして記憶する。そしてこの記憶した複数Nの時系列データを各時系列位置毎に比較し、そのうちの最大振幅値を有するデータを該当時系列位置における受信結果データとして抽出する。
その結果、同一のきずに対する複数Nのエコーから最大感度で得られたエコーを自動的に抽出することができる。
図5は本発明の実施形態2に係る超音波探傷装置の構成図であり、図6は図5の装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。
最初に図5と図1との相違点及び図6と図2の相違点について説明する。
図5においては、受信ゲート回路41に対して、タイミング制御回路80Aは、被検材の表面から底面までの全探傷範囲の受信信号を取出することができる一種類の受信ゲート信号を供給するようにしている。
また#1メモリ51A、#2メモリ52Aには、それぞれ被検材の表面から底面までの全探傷範囲の時系列デジタルデータを送受信の3周期分記憶できる容量を備えるようにした。
なお探傷結果評価手段60の処理内容は、実施形態1の場合と異なるが、パソコン等の装置としてみた場合には、実施形態1と同一装置でよい。
以上が図5と図1と相違する点であり、その他の図5の機器は図1と同じものである。
また図6では、図5の#1,#2,#3受信ゲート信号(e),(f),(g)の代りに、共通の受信ゲート信号(e)(時間幅はt)をすべての送受信周期に用いるようにした点以外は、図2と同一タイミングである。
実施形態2では、実施形態1と異なる動作を主に説明する。
超音波探触子の振動子面積を#1,#2,#3送受信周期毎に1段階ずつ順次増加させて(この例では、38.5mm2、78.5mm2、153.9mm2 として)、被検材に超音波を送受信する動作は実施形態1の場合と同じである(図6の(a)〜(d)を参照)。
そして各送受信周期毎に、被検材内から反射され振動子、受信保護回路21、受信回路40を介して受信ゲート回路41Aに入力された受信信号に対して、タイミング制御回路80Aは、時間幅tの共通の受信ゲート信号を供給する(図6の(e)を参照)。
ここで上記時間幅tは、被検材の表面から底面までの全探傷範囲をカバーするように、この例では表面から深さ60mmの距離を超音波縦波が往復するのに要する時間t=20.34μsとして決められる。
従って受信ゲート回路41Aは、各送受信周期毎に表面から60mmまでの全探傷範囲の受信信号を出力する。
A/D変換器50が、サンプリングクロック毎に受信ゲート回路41Aの出力するアナログ信号を量子化データに変換し、スイッチS3 を介して、現在読出動作を行っていない方のメモリ(図5では#1メモリ51A)に供給すると、書込・読出制御回路53は、#1,#2,#3送受信周期にそれぞれ対応して#1メモリ51A内に設けられた#1,#2,#3周期用メモリに対して、該当(例えば#1)送受信周期に受信して得られた時系列デジタルデータを該当(この場合#1)周期用メモリに格納する。
このようにして3つの送受信周期が終了した時点では、#1メモリ51A内には、振動子面積を3段階に変化させて、被検材の全探傷範囲を探傷した結果の3つの時系列デジタルデータが格納されている。なおこの格納データには、当然底面エコーデータも含まれている。
本実施形態2においては、#i送受信サイクルの#1送受信周期が開始すると、探傷結果評価手段60は、下記(1),(2),(3)の処理を行う。
(1)探傷結果評価手段60は、第1の処理として、#2メモリ52A内の#1,#2,#3周期用メモリに、#(i−1)送受信サイクルの探傷結果データとして記憶されている3つの時系列デジタルデータを、スイッチS4 を介して読出し、各時系列位置毎に3つのデータを比較して、そのうちの最も振幅値の高いデータを代表データ(ここでは受信結果データという)として抽出し、この抽出したデータを自己の内部のメモリに記憶する。
なおこの際に、どの送受信周期(即ち振動子面積がいくつの場合)のデータを抽出したかを識別する2ビットの符号を受信結果データの先頭に付加しておくと、後で感度補正やきず寸法の測定をする場合に便利である。
上記同一時系列位置にある3つのデータのうちで最も振幅値の高いデータを抽出することの物理的意味は、被検材内の同一のきずに対して、3回測定を行って得られた3つのエコーデータのうちから最大感度で得られたエコーデータを自動的に抽出するということである。
このようにして抽出される高感度エコーは、図4で説明したように、結果としては、振動子から深さ方向の距離の近距離、中距離、遠距離に応じて、振動子直径の小径、中径、大径の場合のエコーから順次抽出されることになるが、さらにどの直径の振動子では、どの距離まで探傷するかという境界(例えば近距離と中距離の境界)も感度比較により自動的に決まることになる。
従って本実施形態2では、実施形態1のように、予め振動子面積毎に対応する探傷範囲を設定する必要はない。
なおこの(1)の受信結果データの抽出処理が完了すると、探傷結果評価手段60は、実施形態1の場合と同様に、直ちに次の(2),(3)の処理を並列的に行う。
(2)次に探傷結果評価手段60は、前記最大感度データとして抽出した全探傷範囲にわたる時系列デジタルデータをD/A変換器61を介してアナログ信号に変換し、表示装置62のAスコープ上にエコー波形として表示させる。
このエコー波形の表示法は、実施形態1の場合と同様に、表示範囲を限定して(局部的な走査として)、きず波形を拡大表示するため、(1)の処理で抽出した最大感度のデータを、そのままの感度で表示する方法Aと、全探傷範囲を一括表示するため、各データの感度を全探傷範囲にあたりほぼ均一な検出感度となるようにそれぞれ補正して表示する方法Bのいずれかが選択されるので、この選択された方法による処理を行う。具体的な感度補正方法や表示装置62へのデータ出力タイミング等は、実施形態1の場合と同様であるので、重複する説明は省略する。
(3)また探傷結果評価手段60は、上記(2)の処理と並列的に次の第3の処理を行う。
即ち探傷結果評価手段60は、第3の処理として、前記抽出して記憶した時系列デジタルデータに含まれるすべてのきずデータについて、きず寸法(直径等)の推定を行い、きずの位置(深さ)及び寸法のデータをプリント装置70(または記録計等)へ出力する。
本実施形態2では、各送受信周期毎の底面エコー高さデータも記憶されるので、例えばきずエコーの高さ(F)と底面エコーの高さ(B)の比からきず直径を算出するF/B法を用いることができる(F/B法については、例えば日本非破壊検査協会、超音波探傷試験II、平成元年2月、p109を参照)。
また実施形態1の場合と同様に、予め試験材を用いて較正用データを取得しておき、きずエコーの高さと、このきずに相当する受信結果データが抽出された時系列データを記憶した送受信周期の該当きず検出位置における超音波ビームの有効面積とに基づききず寸法を評価することもできる。
なお上記F/B法においても、実施形態1の場合と同様に試験材を用いて予め較正用データを取得しておくことは有効である。
即ち試験材には、予め被検材の表面から等間隔の深さの複数の位置毎に、複数の既知の穴径の平底穴等を加工して設けておく。そして本装置の較正時に、前記振動子の面積を3段階(A1,A2,A3 )に変化させ、前記複数の位置毎に既知の穴径(φ1,φ2,…)に対するきずエコー高さ(F1,F2,…)及び底面エコー高さ(B1,B2,…)を測定する。そしてこの各穴径に対応する各エコー高さの測定値を参照値として内部に記憶し、さらに前記文献等に記載のF/Bときず直径(d)との関係式から求めた理論的きず直径と実際の穴径との誤差を求めておく。
そして実際の探傷時に得られたきずエコー高さ、底面エコー高さに対して前記参照値、誤差を用いてきず直径を精度良く算出することができる。
探傷結果処理手段60は、#1〜#3送受信周期内において、最初に(1)の処理を完了させ、その後、この(1)による処理済みのデータを用いて、(2)と(3)の処理を互に時間帯が重複しないように時分割で並列処理で行う。
なお図3の超音波探触子では、中心部振動子である#1振動子を円形として、この中心部振動子を取り囲む位置に配置された周辺部振動子である#2,#3振動子を同心のリング状としたが、本発明はこの形状に限定されるものではない。例えば中心部振動子を、長円、四角形、六角形、八角形等として、周辺部振動子は中心部振動子を取り囲み、順次振動子面積を増加させる形状のものであればよい。
本発明の実施形態1に係る超音波探傷装置の構成図である。 図1の装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。 本発明の実施形態1,2に係るアレイ型超音波探触子の構成図である。 本発明の実施形態1,2に係るアレイ型超音波探触子のビームの説明図である。 本発明の実施形態2に係る超音波探傷装置の構成図である。 図5の装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。 円形振動子による超音波ビーム形状の説明図である。 公知文献に示された超音波診断装置の構成例を示す図である。
符号の説明
1 #1振動子
2 #2振動子
3 #3振動子
4 スペーサ
5 スペーサ
6 #1振動子電極
7 #2振動子電極
8 #3振動子電極
9 共通電極
10 アレイ型超音波探触子
20 振動子選択回路
21 受信保護回路
30 送信回路
40 受信回路
41,41A 受信ゲート回路
50 A/D変換器
51,51A #1メモリ
52,52A #2メモリ
53 書込・読出制御回路
60 探傷結果評価手段
61 D/A変換器
62 表示装置
70 プリトン装置

Claims (5)

  1. 複数の振動子を有するアレイ探触子により超音波を送受信する振動子面積を複数N段階に変更可能とし、超音波の送受信周期毎に1段階ずつ順次前記N段階に振動子面積を変更して被検材に超音波を送受信して所定探傷範囲の受信信号を取得し、複数Nの超音波送受信周期において前記取得した各送受信周期毎の受信信号をそれぞれ量子化して複数Nの時系列データとして記憶し、この記憶した複数Nの時系列データを各時系列位置毎に比較し、そのうちの最大振幅値を有するデータを該当時系列位置における受信結果データとして抽出することを特徴とする超音波探傷方法。
  2. 前記複数Nの時系列データを各時系列位置毎に比較し、そのうちの最大振幅値を有するデータを順次抽出して得た前記所定探傷範囲内の受信結果データを表示又は記録する際に、各抽出位置における受信結果データの感度を変更せずにそのままの感度で表示又は記録するか、または各抽出位置における受信結果データの感度を前記所定探傷範囲においてほぼ均一な感度となるように変更して表示又は記録することを特徴とする請求項1記載の超音波探傷方法。
  3. 前記複数Nの時系列データを各時系列位置毎に比較し、そのうちの最大振幅値を有するデータを順次抽出して得た所定探傷範囲の受信結果データより検出したきずの評価として、前記検出したきずのエコー高さと、このきずに相当する受信結果データが抽出された時系列データにおける底面エコーの高さとの比に基づききず寸法を評価するか、または前記検出したきずのエコー高さと、前記きずに相当する受信結果データが抽出された時系列データを記憶した送受信周期の該当きず検出位置における超音波ビームの有効面積とに基づききず寸法を評価することを特徴とする請求項1又は2記載の超音波探傷方法。
  4. 中心部振動子と、この中心部振動子を取り囲む位置に配置された単数又は複数の周辺部振動子とを有するアレイ探触子と、
    前記アレイ探触子の中心部振動子と、この中心部振動子に単数又は複数の周辺部振動子を付加することにより、超音波の送受信周期毎に1段階ずつ順次複数N段階に振動子面積を変更させ、被検材に超音波の送受信を行う超音波送受信手段と、
    複数Nの超音波送受信周期において前記超音波送受信手段が各送受信周期毎に取得した所定探傷範囲の受信信号をそれぞれ量子化して複数Nの時系列データとして記憶し、この記憶した複数Nの時系列データを各時系列位置毎に比較し、そのうちの最大振幅値を有するデータを該当時系列位置における受信結果データとして抽出する受信結果データ抽出手段とを備えたことを特徴とする超音波探傷装置。
  5. 前記受信結果データ抽出手段が複数Nの時系列データより各時系列位置毎に抽出した受信結果データを入力し、この各時系列位置毎の受信結果データを、その受信感度の振幅値のまま出力するか、または前記所定探傷範囲においてほぼ均一な感度となるように振幅値を変更して出力する感度変更選択手段と、
    前記受信結果データ抽出手段が複数Nの時系列データより各時系列位置毎に抽出した受信結果データを検査し、この受信結果データより検出したきずの評価として、前記検出したきずのエコー高さと、このきずに相当する受信結果データが抽出された時系列データにおける底面エコーの高さとの比に基づききず寸法を評価するか、または前記検出したきずのエコー高さと、前記きずに相当する受信結果データが抽出された時系列データを記憶した送受信周期の該当きず検出位置における超音波ビームの有効面積とに基づききず寸法を評価するきず寸法評価手段とを付加したことを特徴とする請求項4記載の超音波探傷装置。
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