JP2007132086A - 小動物のための脱出用の水路 - Google Patents

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Abstract

【課題】小動物が水路に落ちた場合、流水によって流下してしまうか、溺死することとなる。本発明は水路から地面に脱出できるよう、小動物の脱出経路を確保するための技術である。
【解決手段】水路の側壁21の一部に開口部22を設け、その外部に斜面又は階段状の脱出部3を設けた小動物のための脱出用の水路1であって、前記開口部22付近に水路内の水流を変化させるための水流変化手段4を設けたことを特徴としている。流下水が開口部22から脱出部3に流入した後、再び開口部22から水路2へと戻る水流を生じるように、水路内に水流変化手段4を設けている。さらに、上流側又は下流側の前記開口部22と非開口部との境界付近に流下水を堰き止め流速を低下させるための堰5を備え、その堰5が水路の幅方向に連続して又は断続的に設けられていることを特徴とする小動物のための脱出用の水路によって前記課題を解決する。
【選択図】図10

Description

本発明は、カエルやイモリ等の両生類並びにヘビやトカゲ等の爬虫類及び昆虫などの小動物が水路に転落した場合であっても、溺死することなく水路から地面に脱出できるよう、小動物の脱出経路を確保するための技術である。
現在水田や道路に設置されている水路は主にコンクリートで設けられており、側面の勾配は垂直に近く、内部を流れる水の流速も早い。そのため、この水路内にカエル等の小動物が落下すると、地面に再び這い上がることができずに、水流によって流下してしまうか、溺死してしまう場合が多く、生息環境分断の原因の一つとなっている。
従来から知られている小動物のための這い上がり用の水路として、一側端部を垂直状にすると共に他側部に斜面部を形成して側面部を台形形状となし、前記斜面部を多段状又は粗粒状とした発明が開示されている(特許文献1)。
特開平09−250121号公報
しかしながら、特許文献1に示す発明では、水路内に落下した小動物は下流方向への水流に抵抗して泳ぐことができず、開口部から脱出部に到達できないまま水流によって下流に流されるか、溺死してしまい、地面に這い上がることができない場合が多いため、水路に水流がある場合、小動物は水路からの脱出効果が低いものであった。
そこで本発明では水の流れを調整することによって、小動物を開口部へ漂着させ、這い上がりやすい環境を作り出すことの出来る小動物の脱出用水路を提案する。
上記課題を解決するために、本発明では下記の手段を採用する。
(1)図1に示す様に、水路側壁の一部に開口部を設け、その外部に斜面又は階段状の脱出部を設けた小動物のための脱出用水路であって、前記開口部付近に水路内の水流を変化させるための水流変化手段を設けたことを特徴とする小動物のための脱出用水路。
(2)前記水流変化手段が自然石あるいは人工ブロックから成っており、流下水が開口部から脱出部に流入した後、開口部内で還流するように水路内に水流変化手段を設けたことを特徴とする(1)に記載の小動物のための脱出用水路。
(3)前記(1)に記載の小動物のための脱出用水路であって、上流側又は下流側の前記開口部と非開口部との境界付近に流下水を堰き止めることにより流速を低下させるための堰が水路の幅方向に連続して又は断続的に設けられることを特徴とするもの。特に、水路側壁の一部に開口部を設け、その外部に斜面又は階段状の脱出部を設けた脱出用水路であって、上流側の前記開口部と非開口部との境界付近に堰を設け流下する水勢を弱め、流下水がその堰を通過したのち落下することによる縦方向の水流と、水流変化手段による横方向の水流により、複雑な水流を発生させることで、多くの流下水が開口部に流れ込み、その流下水により流されてきた小動物が脱出することを特徴とするもの。
本発明によれば、水路内に横方向及び縦方向の複雑な水流を発生させることで、水路に落下し水流により流されたカエル等の小動物が、水路本線から開口部内に流入し、脱出部まで誘導され、脱出することができる。そのため、これら小動物の体力を必要以上に奪うことがなく、無事脱出に成功する小動物が多い。このような小動物のための脱出用水路は、環境に一層配慮した有用な技術である。
本発明では、水路本線から開口部内に多くの水を流入させるため、水流変化手段と堰を設けている。しかし堰を設けると、堰上げの下流側直下に生じる落ち込みにおいて、水が空気を巻き込みながら落下することにより、落ち込みの下が白く泡立ち、巻き返しの流れが発生するバックウォッシュ現象が生じることがある。このバックウォッシュに小動物が巻き込まれると、なかなか脱出できず、相当にエネルギーを消耗し、溺死してしまう場合も多い。本発明ではバックウォッシュを生じさせないよう、上流側に設けた堰に沿うように水流変化手段を配置し、水流のエネルギーを分散させている。これにより、開口部内に入り込む水流が生じ、小動物を脱出部3まで移動させることが出来る。
さらに堰通過後の流下水が、開口部付近の水路内に設けられた水流変化手段によって開口部に流れ込み、開口部内で還流を生じ、この還流に乗った小動物が自力で遊泳し、脱出を図ることができる。このように、堰と水流変化手段とが相俟って有用な効果を生じさせている。
加えて、堰を設けることによって、堰より上流部の流速を遅くすることができ、これにより、小動物が容易に遊泳できるようになるため、脱出効果を高めることができる。特に水流変化手段より上流側に堰を設けることによって、この効果が顕著なものとなる。
発明を実施するための標準形態
本発明を実施するための標準形態について図10及び図11を用いて詳細に説明する。図10は本発明に係る脱出用水路の標準形態の平面図であり、図11はその断面図である。脱出用水路1は水路2と、水路2の側壁21の一部に設けた開口部22から外部に設置された脱出部3と、開口部22付近に設けた水路内の水流を変化させる水流変化手段4Aと、流れを一時堰き止めて流速を遅くするための堰5から構成される。
水路2は一般的に用いられているコンクリート製水路であるが、その側壁21の一部には開口部22があり、その開口部22の外部に設けられている脱出部3は、斜面31又は階段状31になっている。これは、小動物の移動を容易にならしめるよう、自然石32が敷設され、あるいは植生させ、もしくはセラミック等の多孔質材料で被覆させ、更にはビニールや麻等を材質とするネット等を敷設することができる。尚、側壁21や脱出部3の直壁部分にもビニールや麻等を材質とするネットを取り付けることによって、側壁21や脱出部3の直壁部分から小動物が脱出するのを容易にすることができる。さらには水路2の底面にも自然石を敷設して、小動物の移動を容易にならしめることも可能である。
水流変化手段4は水流を阻害するための阻害物であれば何でも良いが、水流に押し流されないようなものとする。構造は、ゴミの堆積等のことも考え取り外しが可能なものとするが、あらかじめ水路の底面から突起を設けた構造の水路を用いても良い。材質は、望ましくは自然石やコンクリート製・金属製等の人工ブロックや、木材等を載置することができる。
堰5には、堰の機能があるコンクリートブロック、自然石、土のう、堰板が使用できる。堰5を設ける目的は、一時堰き止めて堰手前の流速を遅くし、堰流下後、開口部手前で縦方向の流れをつくり出すことである。堰5は上流側又は下流側の前記開口部と非開口部との境界付近に設けられ、水路の幅方向に連続して又は断続的に設けられる。
次に水流変化手段4及び堰5の配置について説明する。まず、堰5は開口部22の上流側に設ける。これは、堰による高低差で縦方向の渦を生じさせ、それに巻き込まれた小動物に危険意識を与えることで、小動物が水面に浮き上がった際に危機回避のため泳ぎ出す行動を誘発できるからである。さらに水路上流側には流れの遅い水流を生じるので、水路上流側においても小動物は脱出行動に移りやすくなる。
そして、堰5の下流側に発生するバックウォッシュを軽減するために、水流変化手段4Bを配置する。4Bは、堰5の大きさや形状等によって、数、大きさを増減させることができる。水流変化手段4Bは、水路幅の中央部のみに1つ、あるいは水路幅全体にわたって配置することもできる。この4Bの配置により、バックウォッシュを発生させずに流れを横方向に分散させることができ、開口部へと流れ入る水流を強く生じさせることができる。
さらに、4Bを越流し流下する水流に対して、水流変化手段4を配置し、流下水が開口部22から脱出部3に流入し、脱出部3で還流を生じるようにする。水流変化手段は、堰5の下流側かつ開口部付近に、開口部22の大きさに応じて、複数配置できる。図10及び図11では、堰の裏に4B、開口部中心部に4A、開口部下流側に4Cというように並べている。このように長手方向に水流変化手段4を配置すると、開口部22内に流入する水流が複数生じ、その水流に乗った小動物が脱出部3から脱出することができる。
このように、この発明を実施する標準形態では、堰5を設置することにより縦方向の渦を生じさせ、かつ、開口部22側に水流変化手段4Bを設けることによって、バックウォッシュの流れを分散させ、また、開口部22内に流れ入る水の流れを効果的に作り出すことができる。この開口部22側に流し入る水と、縦方向の渦により小動物に与えられる危険意識により、水路に落下した小動物が、効果的に水路から脱出することができる。
図8は小動物脱出用水路のA−A断面図である。脱出部3の上端は地面と同一高さであって、下端は水路2の底面と同一高さ、或いは図9のように水路2の底面よりも低めにして構成することができる。このことにより、ドジョウ等の生息・生育環境を創出することができる。尚、水路2の底面よりも高めに構成することもできる。
発明に至る実験概要
実験では、図1及び堰5と水流変化手段を組み合わせて配置し、模型を遊泳能力をなくしたカエルに見立て水流の変化を確認し、さらに遊泳能力のある通常のカエルを流下させることにより、小動物の脱出効果を確認した。擬似模型については、10個の擬似模型を数回流下させて、水の流れだけで脱出部3に流入した数を確認した。カエルについては、体長2.5cm程度のアマガエルやシュレーゲルアオガエルを10匹づつ流下させ、それらのカエルが流下後5分以内でどのような行動をとるかを2〜3回確認した。カエルの行動区分は、漂着、上陸、脱出、流下の4区分とした。なお、漂着とはカエルが脱出部3の直壁部分や斜面31、32、側壁21等に掴まっている状態を、上陸とは漂着の行動から両脚を水面から出した状態を、脱出とは、上陸の行動から脱出部3を経由して上端にたどり着いた状態を、流下とは脱出部3に流入することなくまたは、流入したものの水路2を流下した状態とした。なお、擬似模型、カエルのいずれも、上流側の開口部22よりも1m程度上流から流下させた。
Figure 2007132086
阻害物とは、水流変化手段を指す。
表1は、この実験結果である。表の到達数とは、模型については脱出部3に流入したもの、カエルについては脱出部3の直壁部分や斜面31及び水流変化手段や開口部の直壁部分に漂着および上陸、脱出したものの数である。これらの実施例を比較すると、標準形態である堰上げと阻害物を1つ置く場合、3つ置く場合において、模型の到達割合、カエルの到達割合がともに高く、脱出部に流れ込む水流とカエルに与えられた危険意識により、小動物の脱出効果が高いことが分かる。以下に各実施例の詳細を示す。
Figure 2007132086
表2は図1に示す、水流変化手段4を設けない場合での流下実験の結果である。水流変化手段4を配置しない場合、水流は下流に流下するのみで、開口部22に流入する水流は生じていない(生じていても極めて弱い)ことから、擬似模型で表される脱出能力を失ったカエルはそのまま流下し、全く開口部22内に入り込むことはできなかった。遊泳能力のあるカエルの場合、漂着、上陸、脱出できたカエルは表2に示すように約6割であり、そのほとんどは水路2の上流側壁21の壁づたいに流されたカエルであった。これらのカエルは開口部22付近で、流れに逆らうように遊泳しながら流されつつ開口部22内に入り込んだ。つまり、側壁21付近では水流が減勢するので、カエルが遊泳し、開口部に入りやすいことが分かる。
Figure 2007132086
そこで、流れの速い水路中央部で流されたカエルでも脱出しやすくするため、また、開口部22に水流が入り込みやすくするため、図2のように水流変化手段4を開口部22の水路長手方向に対する中央付近であり、かつ、水路の幅方向に対し中央に配置した。用いた水流変化手段4は10cm×10cm×10cmの自然石である。尚、後述の実施例についても同様の自然石を用いて実験を行なった。
その結果、開口部に流入する弱い流れが生じ、擬似模型が50個中3個開口部に流入し、更に、漂着、上陸、脱出は7割と、実施例1より向上した。
尚、水路の片側のみに開口部や脱出部が設けられている場合においては、開口部の反対側の側壁から流れ方向の中央にかけて水流変化手段4を配置し、開口部内に通じる水流が生じるようにすることができる。
以上より、水流変化手段4を用いることによって、開口部に流入する流れが生じ、脱出用水路の効果を高めることが判明した。この実施例を基本とし、以下に、更に効果を高める水流変化手段4の配置についての実施例を説明する。
図4は水流変化手段を開口部付近であって、水路中央に、その長手方向に沿って配置した場合の実施例に係る平面図である。一例として水流変化手段4A、4B、4Cを3つ並べた場合の実施例を説明する。この時、図2に示す実施例よりも開口部22から脱出部3に水が入るようになり、各水流変化手段4A〜4Cの下流側に小さな反転流が生じて、水流が複雑になった。また、3つの水流変化手段4A〜4Cが設置されることにより、流れが阻害されるので流速が遅くなっている。このように、実施例2においては、横方向の水流などが生じ、これらの複雑な水流によって、開口部22に流入する水流が生じていることが推察される。さらに、開口部22内においても複雑な水流となり、その結果、流速が弱まりカエルの遊泳能力が発揮できる環境となることで、カエルにとって脱出行動が容易になると判断した。
Figure 2007132086
この場合の流下実験結果を表4に示す。実験方法は上記発明を実施するための標準形態の通りである。180個中68個の擬似模型が開口部に流入したことが分かる。これは、実施例1に比べ到達割合で約3割向上しており、遊泳能力が無くても脱出部に流入しやすい事が分かった。又、漂着、上陸、脱出したカエルは20匹中、14匹であり、実施例1(表3)と同数であった。このことから、本実施例は、水流を変化させて開口部に水流を流入させることにより、小動物の脱出部3からの脱出が効果的になることが判明した。尚、開口部22の大きさによって、水流変化手段4の数は増減することが望ましい。
図5は開口部22の下流側に堰5を設けた場合の実施例に係る平面図を表す。まず下流側に堰5を設けた場合について述べると、開口部22付近の水深が増したのみで、本線から開口部22を通って脱出部3には水が流入しない状況を作り出した。又、堰上げの下流側直下には落ち込みが生じ、水が空気を巻き込みながら落下することにより、バックウォッシュを生じた。この場合の流下実験結果を表5に示す。
Figure 2007132086
擬似模型は、開口部に流入しない結果となった。又、漂着、上陸、脱出したカエルは20匹中、11匹となることが分かった。下流側の開口部22に堰を設けた場合、水深を増すのみで、あまり脱出に効果がないことが分かる。このため、カエルの脱出を誘発する刺激が必要であることが推測される。
図6は開口部22の上流側に堰5を設けるとともに、開口部22の水路長手方向に対する中央付近であり、かつ、水路の幅方向に対し中央に水路変化手段4Aを配置した場合の平面図である。図7はそのB−B断面図である。
流下水が堰5を通過したのち落下することによる、縦方向の水流と、水流変化手段4Aに当たることによる、横方向の水流によって、複雑な水流を発生させ、開口部22に流れ入る水の流れを作り出すことができる。
本実施例においては、縦方向の水流と横方向の水流を生じさせ、これらの複雑な水の流れを作り出すことができる構造であることから、本発明を実施するための標準形態として位置づけた。
Figure 2007132086
この実験結果より、30個中12個の擬似模型が開口部に流入したことが分かる。又、20匹中、9割にあたる18匹のカエルが、漂着、上陸、脱出し、高い脱出効果が得られた。
図10は開口部22の上流側に堰5を設けるとともに、その堰5の裏、つまり堰5の開口部22側にバックウォッシュを軽減するため水流変化手段4Bを設け、さらに開口部22の水路長手方向に対する中央付近であり、かつ、水路の幅方向に対し中央部分に、更に水流変化手段4Aとその下流方向に4Cを配置した場合の平面図である。さらに図11はそのB‐B断面図である。無論、水流変化手段の数は堰5の大きさ、形状等の諸事情により、適宜変更される。
堰5の開口部22側に水流変化手段4Bを設けることによって、バックウォッシュの流れを分散させることができ、これによって、開口部22に流れ入る水の流れを作り出すことができた。つまり、堰5を越え、堰5のすぐ裏に設けられている水流変化手段4Bに当たった水は、バックウォッシュが軽減される。適度に軽減された水の流れは、小動物に縦方向の渦に巻き込まれるという危険意識を与えることで、水面に浮き上がった際に危機を回避するため泳ぎ出すという効果があり、脱出行動を無意識に啓発させることができる。 さらに後方の水流変化手段4A、4Cに当たることにより、横方向の水流を発生させ、開口部に流れいる水の流れを作り出す事ができる。また、堰手前の水路上流側には流れの遅い水流を生じるので、小動物は脱出行動に移りやすくなったものと考えられる。
また、本実施例においても、縦方向の水流と横方向の水流を生じさせ、これらの複雑な水流によって、開口部22に流入する水流が生じる。この場合の実験結果を表7に示す。
Figure 2007132086
この結果より、10個中5個の擬似模型が開口部に流入したことが分かる。又、およそ8割にあたる13匹中10匹のカエルが、上陸や脱出することができた。本実施例では、堰5と水流変化手段4との組み合わせによって水流を調節し、両者が相俟って有用な効果を生じさせており、本発明を実施するための標準形態を現地にあわせ適切に応用することにより、高い効果が得られることが分かった。
図12は水路中に桝6を設けて、その桝6に一端水を溜め込んだ後、その桝6からスロープへと伸びる脱出通路33を形成することにより、小動物を脱出させる形式の実施例を示す平面図である。図13はそのA−A断面図、図14はそのB−B断面図である。桝6は水路2よりも深く形成しておくことが望ましい。なぜならば、桝6に水が流れ込む際にバックウォッシュが生じ、桝6の内部で縦方向(水路長手方向。B−B方向。)と横方向(脱出部方向。A−A方向)の複雑な流れが生じ、小動物が脱出部に入り込みやすくなるからである。本実施例は上述した実施例5と同様に、縦方向と横方向の複雑な流れを生じさせることができる点で効果的である。
さらに脱出通路33の底面は桝6の底面よりも高く、水路2より低く設けることが望ましい。水流を脱出通路まで侵入させるためであり、小動物の脱出を容易にならしめるためである。
このように桝6に一度水を溜め込むため水流が遅くなり、小動物が脱出しやすくなる。無論、脱出通路33に水流方向が向くよう桝内に水流変化手段を設けることも可能である。さらに桝6や水路2の側面にはビニールや麻等を材質とするネット等を敷設することができる。このようにネットを設けることにより、小動物の這い上がりを容易にせしめる。
実施例1に係る脱出用水路の平面図である。 実施例2に係る脱出用水路の平面図である。 実施例2に係る脱出用水路のB−B断面図である。 実施例3に係る脱出用水路の平面図である。 実施例4に係る脱出用水路の平面図である。 実施例5に係る脱出用水路の平面図である。 実施例5に係る脱出用水路のB−B断面図である。 実施例5に係る脱出用水路のA−A断面図である。 実施例5に係る脱出用水路のA−A断面図である。 本発明に係る標準形態脱出用水路(実施例6)の平面図である。 本発明に係る標準形態脱出用水路(実施例6)の断面図である。 実施例7に係る脱出用水路の平面図である。 実施例7に係る脱出用水路のA−A断面図である。 実施例7に係る脱出用水路のB−B断面図である。
符号の説明
1 脱出用水路
2 水路
3 脱出部
4 水流変化手段
5 堰
21 側壁
22 開口部
31 斜面

Claims (3)

  1. 水路の側壁の一部に開口部を設け、その外部に斜面又は階段状の脱出部を設けた小動物のための脱出用の水路であって、前記開口部付近に水路内の水流を変化させるための水流変化手段を設けたことを特徴とする小動物のための脱出用の水路。
  2. 前記水流変化手段が自然石あるいは人工ブロックから成っており、流下水が開口部から脱出部に流入した後再び開口部から水路へ戻る水流を生じるように水路内に水流変化手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の小動物のための脱出用の水路。
  3. 水路の側壁の一部に開口部を設け、その外部に斜面又は階段状の脱出部を設けた小動物のための脱出用の水路であって、上流側又は下流側の前記開口部と非開口部との境界付近に流下水を堰き止めることにより流速を低下させるための堰が水路の幅方向に連続して又は断続的に設けられたことを特徴とする小動物のための脱出用の水路。
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CN101985377A (zh) * 2010-10-27 2011-03-16 湖南农业大学 一种污水处理用生态沟渠及其构建方法和应用
CN105887779A (zh) * 2016-05-27 2016-08-24 河海大学 一种硬质化护坡弯曲渠道的生物逃生通道

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