JP2007129935A - 試料中の微生物を特異的に検出するプライマー - Google Patents

試料中の微生物を特異的に検出するプライマー Download PDF

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智実 井上
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早苗 倉本
Hiroe Kodama
洋江 児玉
Ichiro Inui
一朗 戌亥
Toshihiro Yano
俊博 矢野
Takane Katayama
高嶺 片山
Hidehiko Kumagai
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Abstract

【課題】GUD(大腸菌群の有するβ−ガラクトシダーゼや大腸菌の有するβ−グルクロニダーゼ)の産生の有無を指標とした簡便培養法の検出結果との間で差異が生じない、簡便培養法に代わる大腸菌などの微生物有無の検出法として信頼性の高い方法を提供する。
【解決手段】試料中の微生物のゲノムDNAのuidA遺伝子において、672番目の塩基から843番目の塩基までで示される172塩基領域の、少なくとも一部分を含む領域を特異的に増幅するプライマーを用いた遺伝子増幅法による該微生物の検出法。
【選択図】図1

Description

本発明は、特に試料中の微生物を特異的に検出するプライマーに関するものである。
従来、食品製造業等の衛生管理における試料中の汚染指標の管理としては、生菌数、大腸菌群もしくは大腸菌の有無が検査されていた。この大腸菌群や大腸菌の有無を検出する方法としては、公定法として培養法が存在するが、この方法は試料中の大腸菌群や大腸菌を培養して判定するため、判定までに4〜5日といった非常に長時間を要してしまうという問題点があった。
上記の公定法である培養法を改良した判定法として、簡便培養法(酵素基質培地法)が用いられるようになっている。これは、大腸菌群の有するβ-ガラクトシダーゼや大腸菌の有するβ-グルクロニダーゼ(以下、GUDと略称する)を利用し、それぞれの酵素により分解される基質をそれぞれ培地に添加することで、その分解を呈色などによって判定する方法である。大腸菌群に定義される菌種には、動物の腸管由来のものばかりでなく自然界由来のものもあり、食品によっては大腸菌がより適切な汚染指標となる。しかし、このGUDの産生の有無を指標とした大腸菌検出のための簡便培養法では、病原性大腸菌O157等を含む一部の大腸菌は検出することが出来ない、という問題があった。
こうした問題点を解決すべく、例えば特許文献1、及び非特許文献1のような発明が考案されている。この発明は、大腸菌のβ−グルクロニダーゼ遺伝子であるuidA遺伝子の、455番目塩基〜601番目塩基、1643番目塩基〜1808番目塩基、455番目塩基〜1808番目塩基、をプライマーを用いてPCR増幅して検出する方法である。
特開平5−211898号公報 APPLIED AND ENVIRONMENTAL MICROBIOLOGY Aug. 1991, Vol.57, No.8, p-2429-2432 「Detection of Coliform Bacteria and Escherichia coli by Multiplex Polymerase Chain Reaction: Comparison with Defined Substrate and Plating Methods for Water Quality Monitoring」
しかし、この従来の発明による大腸菌の検出では、GUDの産生を指標として検出する簡便培養法の検出結果と、上記PCR増幅による検出での結果との間に一致しない差異が生じてしまっていた。すなわち、PCR法では検出できないが、簡便培養法では検出できるケースが存在してしまっており、簡便培養法に代わる大腸菌有無の検出法として信頼性の低いものであるという問題点があった。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、上記問題点を解決できる試料中の微生物を特異的に検出するプライマーを提供することを目的とする。
上記課題を解決するべく、本発明は以下に掲げる構成とした。
請求項1記載の発明の要旨は、試料中の微生物を特異的に検出するプライマーであって、
前記プライマーは前記微生物のゲノムDNAのuidA遺伝子を標的とし、該uidA遺伝子の672番目の塩基から843番目の塩基までで示される172塩基の領域の少なくとも一部分を含む増幅領域が前記プライマーを用いた遺伝子増幅法によって増幅されること
を特徴とする試料中の微生物を特異的に検出するためのプライマーに存する。
請求項2記載の発明の要旨は、前記プライマーの配列は、
5’−TGCAACTGGACAAGGCACTA−3’(配列番号:a)と、
5’−GAACTGTTCGCCCTTCACTG−3’(配列番号:b)とであるか、
又は上記配列a又は上記配列bの少なくとも一部分を有していることを特徴とする請求項1に記載の試料中の微生物を特異的に検出するプライマーに存する。
請求項3記載の発明の要旨は、前記試料は食品であることを特徴とする請求項1又は2に記載の試料中の微生物を特異的に検出するプライマーに存する。
請求項4記載の発明の要旨は、前記微生物は大腸菌及び赤痢菌であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の試料中の微生物を特異的に検出するプライマーに存する。
請求項5記載の発明の要旨は、下記塩基配列を有する核酸
5’−TGCAACTGGACAAGGCACTA−3’(配列番号:a)
5’−GAACTGTTCGCCCTTCACTG−3’(配列番号:b)
及び上記塩基配列a及び上記塩基配列bによって挟まれるuidA遺伝子の672番目から843番目の塩基配列の少なくとも一部分を有する核酸、及び該塩基配列の相補配列の少なくとも一部分を有する核酸の1又は複数を含んで成る、核酸の増幅を用いる、微生物の検出のためのプライマー又はプローブに存する。
請求項6記載の発明の要旨は、前記微生物は大腸菌及び赤痢菌であることを特徴とする請求項5に記載の微生物の検出のためのプライマー又はプローブに存する。
請求項7記載の発明の要旨は、試料中の微生物を特異的に検出する方法であって、
前記微生物のゲノムDNAのuidA遺伝子を標的とし、該uidA遺伝子の672番目の塩基から843番目の塩基までで示される172塩基の領域の少なくとも一部分を含む増幅領域がプライマーを用いた遺伝子増幅法によって増幅されること
を特徴とする試料中の微生物を特異的に検出する方法に存する。
請求項8記載の発明の要旨は、前記プライマーの配列は、
5’−TGCAACTGGACAAGGCACTA−3’(配列番号:a)と、
5’−GAACTGTTCGCCCTTCACTG−3’(配列番号:b)とであるか、
又は上記配列の少なくとも一部分を有していることを特徴とする請求項7に記載の試料中の微生物を特異的に検出する方法に存する。
請求項9記載の発明の要旨は、前記試料は食品であることを特徴とする請求項7又は8に記載の試料中の微生物を特異的に検出する方法に存する。
請求項10記載の発明の要旨は、前記微生物は大腸菌及び赤痢菌であることを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の試料中の微生物を特異的に検出する方法に存する。
本発明の試料中の微生物を特異的に検出するプライマーは、増幅部位を工夫することによって、微生物の有無判定が改善され、大腸菌や大腸菌群などを含む数多くの微生物において、GUDの産生の有無を指標とした簡便培養法での検出結果と一致する、信頼性が高く迅速な検出判定方法を提供できるという利点がある。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
<第1の実施形態>
本実施形態の微生物を特異的に検出するプライマーは、大腸菌、赤痢菌等がゲノム中に有しているβ−グルクロニダーゼ遺伝子であるuidA遺伝子を標的とする。従来、uidA遺伝子を標的として大腸菌を特異的に検出する方法は存在したが、GUDの産生の有無を指標とした簡便培養法と検出判定結果に差異が生じてしまっていた。発明者は鋭意検討した結果、uidA遺伝子について、従来の増幅領域とは異なる領域を増幅して検出することによって、大腸菌などの数多くの菌種についてGUDの産生の有無を指標とした簡便培養法と一致する判定結果が得られることを見出した。
本実施形態においては、試料は水試料であっても、食品などの試料であっても良く、試料から検出対象となる大腸菌等を取り出すことができる試料であれば、どのようなものであっても良い。
試料からの菌体の回収は、以下のようにして行うことが好ましい。試料が固形食品などの固形である場合は、破砕懸濁液を10×g程度の弱い遠心力で遠心分離し、残渣を除いた上清を菌液とする。固形に付着した菌体が回収できるように洗い出した液を菌液としても良い。また、水系試料においては、そのままを菌液としても良い。
菌液は、必要に応じて濃縮過程及び増菌過程を経て、菌体濃度を高めることが好ましい。濃縮過程とは、具体的には菌液を遠心分離して、菌体を沈殿させ、得られる菌液の菌体濃度を高める処理を言う。また増菌過程とは、菌液、或いは濃縮過程を経た菌液に培地を加え、一定の時間、培養温度にて培養して菌体数を増やす処理を言う。菌液の濃縮過程においては、13000×g程度で数分間の遠心分離が好ましい。これらの濃縮過程及び増菌過程によって、本実施形態の検出感度を高めることができる。
上記のようにして得られた菌液からは、DNAを抽出して遺伝子増幅用DNA液を調製する。DNAの抽出方法については、検出対象である大腸菌・赤痢菌等のゲノムDNAを回収できる方法であれば、特に制限はなく、いかなる方法であっても良い。例えば、95℃、5分間の加熱処理後に急冷し、13000×gで1分間遠心して得られる上清を遺伝子増幅用DNA液として用いることができる。また、市販のDNA抽出用キットを用いて遺伝子増幅用DNA液を調製しても良い。
次に、遺伝子増幅用DNA液を用いて、遺伝子増幅法によるuidA遺伝子の標的領域の増幅を行う。配列表に配列番号1としてuidA遺伝子の全配列を示す。uidA遺伝子の標的領域とは、好ましくはuidA遺伝子の672番目の塩基から843番目の塩基の部分であるが、必ずしもこの塩基配列領域に限定されるものではなく、この塩基配列領域の少なくとも一部分を含んだ領域であれば良い。遺伝子増幅法については、増幅産物をゲル電気泳動法によって直接検出できるため、PCR法にて遺伝子増幅が行われることが好ましいが、標的領域の部分を増幅することができるものであれば特に制限はなく、PCR法であっても、LAMP法やICAN法などの方法であっても
良い。遺伝子増幅法のプロトコルについては、増幅に使用したプライマーと増幅法に応じて、最適な反応条件、反応時間によって遺伝子増幅が行われることが好ましい。
uidA遺伝子の標的領域が増幅された検体は、核酸断片検出法によって検出される。核酸断片検出法とは、ゲル電気泳動や、増幅断片と相補的な標識プローブを用いたハイブリダイゼーション、予めプライマーを標識物質で修飾して増幅断片に取り込ませた後にプライマーと増幅断片とを分離する分離法、などの各種検出法を言う。上記の遺伝子増幅法にLAMP法などを用いた場合は、この過程において必要に応じて制限酵素処理などを施しても良い。これら各種検出法において、試料に検出対象である大腸菌・赤痢菌等が存在していれば、増幅断片の生成として検出され、元の試料に検出対象の菌が存在しなければ、増幅断片が生成されない、あるいは検出されないこととなる。
食品試料などについては、厳密な意味では死菌を含む菌体数が全くゼロであるということは考えにくいが、こうした試料の判定においては、上記のような増菌過程を施すことで、試料中の菌体数を検出する下限閾値を適切に設定することが可能である。本実施形態においては、判定全体の所要時間の面から、3時間〜5時間程度の増菌過程を施すことが好ましい。また、従来の簡便培養法よりも判定時間を短縮するために、上記の試料調製から検出、判定までは、8時間程度で完了することが望ましい。
以下、本実施の形態の実施例および比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
本発明の大腸菌に対する特異的検出判定を検証した。試料の菌体としては、下記の実験結果である表1に記載した標準菌株16株を使用した。
まず、培地にて培養したコロニーから、白金耳にて菌体を少量採取し、滅菌水100μlに懸濁した。これを、95℃にて5分間熱処理し、遠心分離(12,000rpm、4℃、10分間)し、上清を回収した。
回収した上清を用いて、PCR反応液を調製した。PCR反応のプライマーとして、Forward primerとしては 5’−TGCAACTGGACAAGGCACTA−3’を用い、Reverse primerとしては 5’−GAACTGTTCGCCCTTCACTG−3’ を用いた(増幅産物172bp)。また、DNA抽出のポジティブコントロールprimerとして、増幅産物が349bpとなる16SrRNA遺伝子に対するprimer(Forward・Reverse、以下、F16S、R16Sと略称する)を使用した。PCR反応液は、上清2μl、10mM dNTPs 0.4μl、25mM MgCl2 1.2μl、10×PCR Buffer 2μl、50μM Forward primer 0.2μl、50μM Reverse primer 0.2μl、50μM F16S primer 0.2μl、50μM R16S primer 0.2μl、5U/μl Taq(Promega) 0.2μl、H2O 13.4μl、にて全量を20μlとした。PCR反応条件は、TAKARA PCR装置にて、94℃ 3min、(94℃ 10sec、56℃ 20sec、74℃ 20sec)×20〜50cycles の後、4℃に保持した。PCR反応液は、5μlを 2%アガロースゲルにて電気泳動して172bpのバンドを確認した。マーカーには、50bp DNA ladder marker を使用した。結果を図1及び表1に示す。
図1及び表1に示したように、大腸菌であるEscherichia coli のみが陽性となり、他の菌は検出されず、本発明の検出方法が大腸菌特異的であることが示された。
本発明の検出方法における、食品等からの分離菌株に対する検出判定を検証した。試料の菌体としては、生鮮食品や糞便、土壌等から採取し分離した分離菌株である大腸菌58株と大腸菌以外の大腸菌群45株を使用した。食品等からの分離は、試料を破砕懸濁した懸濁液を、デソキシコレート培地等を用いて分離した。この分離菌株を、β-ガラクトシダーゼの産生およびβ-グルクロニダーゼの産生を指標とした酵素基質寒天培地にて、大腸菌以外の大腸菌群、もしくは大腸菌と判別し、実施例1と同様にしてPCR増幅、及び電気泳動による判定を行った。結果の一部を図2に示す。
図2に示したように、分離菌株においても、大腸菌については実験を行った58株全てについて172bpのバンドが検出された。大腸菌以外の大腸菌群からは45株中45株すべてにおいて、陽性を示すバンドが検出されなかった。このことから、分離菌株においても、本発明の検出方法は大腸菌特異的であることが示された。また、簡便培養法と一致した結果が得られることが示された。
本発明の検出方法における、病原性大腸菌に対する検出判定を検証した。試料の菌体としては、腸管出血性大腸菌(EHEC)O157 30株、VT(-)のO157 5株を使用した。各菌体について、実施例1と同様にしてPCR増幅、及び電気泳動による判定を行った。結果を表2に示す。
表2に示したように、血清型・毒素型に関わらず、全ての菌種について陽性と判定されたことから、本発明の方法では、GUDの産生を指標とした簡便培養法では検出できないEHEC O157についても検出可能であることが示された。
本発明の検出方法における、赤痢菌に対する検出判定を検証した。試料の菌体としては、赤痢菌20株を使用した。各菌体について、実施例1と同様にしてPCR増幅、及び電気泳動による判定を行った。結果を表3に示す。
表3に示したように、赤痢菌については、S11(Shigella dysenteriae)以外は全て指標となる172bpのバンドが検出され、陽性と判定された。本発明のプライマーが、大腸菌だけでなく赤痢菌にも反応することが示されたが、赤痢菌が食品から検出されることは食品衛生上問題であり、汚染指標の有無を評価する大腸菌検査に支障をきたすものではない。
非特許文献1に記載のGUDの産生の有無を指標とした簡便培養法による大腸菌判別結果と、特許文献1に記載のuidA遺伝子を標的としたプライマーを用いてのPCR増幅による判別結果とを比較した。大腸菌及び大腸菌以外の大腸菌群としては、実施例2において用いた大腸菌58株と大腸菌以外の大腸菌群45株とを使用した。PCR増幅による判別法としては、Forward primerとして5’−AAAACGGCAAGAAAAAGCAG−3’を用い、Reverse primerとしては 5’−ACGCGTGGTTACAGTCTTGCG−3’を用いた(増幅産物147bp)。判定結果を表4に示す。
表4に示したように、従来のPCRを用いた判別方法では、簡便培養法での判定結果との間に差異が生じてしまうことが確認された。
なお、本発明が上記実施例の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。
本発明の微生物を特異的に検出するプライマーは、uidA遺伝子について、従来の増幅領域とは異なる領域を増幅して検出することによって、大腸菌種などの数多くの微生物について、GUDの産生の有無を指標とした簡便培養法と一致する判定結果が得られるため、信頼性が高く迅速な、簡便培養法に代わりうる検出判定方法を提供できる。このことによって、食品等の衛生管理において迅速且つ正確に衛生指標の判定を行うことができるという効果を奏する。
本発明の大腸菌特異的検出方法での標準菌株の判定例(実施例1) 本発明の大腸菌特異的検出方法での分離菌株の判定例(実施例2)
大腸菌β−グルクロニダーゼ遺伝子であるuidA遺伝子を配列番号1として記す。

Claims (10)

  1. 試料中の微生物を特異的に検出するプライマーであって、
    前記プライマーは前記微生物のゲノムDNAのuidA遺伝子を標的とし、該uidA遺伝子の672番目の塩基から843番目の塩基までで示される172塩基の領域の少なくとも一部分を含む増幅領域が前記プライマーを用いた遺伝子増幅法によって増幅されること
    を特徴とする試料中の微生物を特異的に検出するためのプライマー。
  2. 前記プライマーの配列は、
    5’−TGCAACTGGACAAGGCACTA−3’(配列番号:a)と、
    5’−GAACTGTTCGCCCTTCACTG−3’(配列番号:b)とであるか、
    又は上記配列a又は上記配列bの少なくとも一部分を有していることを特徴とする請求項1に記載の試料中の微生物を特異的に検出するプライマー。
  3. 前記試料は食品であることを特徴とする請求項1又は2に記載の試料中の微生物を特異的に検出するプライマー。
  4. 前記微生物は大腸菌及び赤痢菌であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の試料中の微生物を特異的に検出するプライマー。
  5. 下記塩基配列を有する核酸
    5’−TGCAACTGGACAAGGCACTA−3’(配列番号:a)
    5’−GAACTGTTCGCCCTTCACTG−3’(配列番号:b)
    及び上記塩基配列a及び上記塩基配列bによって挟まれるuidA遺伝子の672番目から843番目の塩基配列の少なくとも一部分を有する核酸、及び該塩基配列の相補配列の少なくとも一部分を有する核酸の1又は複数を含んで成る、核酸の増幅を用いる、微生物の検出のためのプライマー又はプローブ。
  6. 前記微生物は大腸菌及び赤痢菌であることを特徴とする請求項5に記載の微生物の検出のためのプライマー又はプローブ。
  7. 試料中の微生物を特異的に検出する方法であって、
    前記微生物のゲノムDNAのuidA遺伝子を標的とし、該uidA遺伝子の672番目の塩基から843番目の塩基までで示される172塩基の領域の少なくとも一部分を含む増幅領域がプライマーを用いた遺伝子増幅法によって増幅されること
    を特徴とする試料中の微生物を特異的に検出する方法。
  8. 前記プライマーの配列は、
    5’−TGCAACTGGACAAGGCACTA−3’(配列番号:a)と、
    5’−GAACTGTTCGCCCTTCACTG−3’(配列番号:b)とであるか、
    又は上記配列の少なくとも一部分を有していることを特徴とする請求項7に記載の試料中の微生物を特異的に検出する方法。
  9. 前記試料は食品であることを特徴とする請求項7又は8に記載の試料中の微生物を特異的に検出する方法。
  10. 前記微生物は大腸菌及び赤痢菌であることを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の試料中の微生物を特異的に検出する方法。
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