JP2007127938A - カメラシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】 撮像素子の撮像感度を調整することなく被写体像のぶれを軽減可能なカメラシステムを提供する。照明光を被写体に向けて照射することで被写体像のぶれを軽減し、撮影者の意図する被写体像を得る。
【解決手段】 照明部12は、被写体に照明光を照射する。振動検出部34は、カメラ本体102の振動を検出し、振動を示す振動信号を出力する。変位量算出部38は、振動信号に基づいて、振動に伴う被写体像の変位量を算出する。輝度調整部38は、変位量算出部38により算出された変位量に基づいて、照明光の輝度を調整する。露光時間制御部38は、輝度調整部38により調整される輝度に対応して、レンズ46により結像される被写体像の露光の開始及び終了を制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、手振れ等により発生する被写体像のぶれを軽減するカメラシステムに関する。
従来、例えば、手振れによる被写体像のぶれの発生時に、撮像素子の撮像感度を上げることで撮像素子の露光時間を短縮し、被写体像のぶれを軽減する手法が開示されている(特許文献1参照)。
特開2004−361486号公報
しかしながら、特許文献1の手法では、撮像素子の撮像感度を変更可能なデジタルカメラのみに適用可能である。このため、撮像感度を変更できない銀塩フィルムカメラ等には適用できないという問題があった。また、撮像感度を上げる程、撮像される画像にノイズ成分が多く含まれ、画像が粗くなるという問題があった。
本発明の目的は、撮像素子の撮像感度を変更することなく被写体像のぶれを軽減可能なカメラシステムを提供することである。
本発明の別の目的は、照明光を被写体に向けて照射することで被写体像のぶれを軽減し、撮影者の意図する被写体像を得ることである。
請求項1のカメラシステムでは、照明部は、被写体に照明光を照射する。振動検出部は、カメラ本体の振動を検出し、振動を示す振動信号を出力する。変位量算出部は、振動信号に基づいて、振動に伴う被写体像の変位量を算出する。輝度調整部は、変位量算出部により算出された変位量に基づいて、照明光の輝度を調整する。露光時間制御部は、輝度調整部により調整される輝度に対応して、レンズにより結像される被写体像の露光の開始及び終了を制御する。
請求項2のカメラシステムでは、照明部は、露光時間制御部により露光が開始される前に、照明光の照射を開始する。
請求項3のカメラシステムでは、照明部は、接写用の照明部として構成される。
請求項4のカメラシステムでは、輝度調整部は、変位量が予め決められた基準変位量を超えるとき、変位量と基準変位量との比に基づいて輝度を上げる。露光時間制御部は、輝度調整部により上げられた輝度に対応して露光時間を短くする。
請求項5のカメラシステムでは、エラー表示部は、輝度調整部により調整される輝度が予め決められた最大値を超えるとき、エラー情報を表示する。
請求項6のカメラシステムでは、撮像部は、被写体像を撮像する。移動制御部は、振動信号に基づいて撮像部を移動させる。
撮像素子の撮像感度を変更することなく被写体像のぶれを軽減し、撮影者の意図する画像を得ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。図1は、本発明のカメラシステムの第1の実施形態を示している。図1(a)は、カメラシステム100の前面を示している。図1(b)は、カメラシステム100の左側面を示している。図1(a)及び図1(b)において、カメラシステム100は、一眼レフレックスタイプのデジタルカメラシステムとして形成される。カメラシステム100は、カメラ本体102、レンズ鏡筒104、照明制御装置106、照明装置108及びケーブル110を有している。
カメラ本体102は、前面に形成されたレンズマウント102a及び、上面に形成されたホットシュー102bを有している。レンズマウント102a及びホットシュー102bには、カメラ本体102とレンズ鏡筒104との間で各種情報を授受するための通信接点14(図2)、カメラ本体102と照明制御装置106との間で各種情報を授受するための通信接点16(図2)がそれぞれ設けられている。レンズ鏡筒104は、被写体からの入射光をカメラ本体102に導くために、レンズマウント102aに着脱可能に取り付けられる。
照明制御装置106は、ホットシュー102bに着脱可能に取り付けられ、図示しない操作部、液晶パネル及び液晶パネルの駆動用ドライバ回路等を有している。照明制御装置106は、ケーブル110を介して照明装置108に接続される。
照明制御装置106は、カメラ本体102から通信接点16を介して照明装置108を制御するための制御情報を受け取る。照明制御装置106は、受け取った制御情報をケーブル110を介して照明装置108に出力する。
照明装置108は、カメラ本体102から被写体までの距離が短い場合(例えば、0.2〜1m程度)に用いられる接写用の照明装置である。このため、照明装置108は、レンズ鏡筒104の先端部104aに着脱可能に取り付けられるための環状の取り付け部10と、取り付け部10から横方向に突出する2つの照明部12a、12bとを有している。
図2は、図1のカメラシステム100の詳細を示している。なお、図1に示した照明部12a、12bは同じ構成であるため、以降の説明では、照明部12a、12bを照明部12として説明する。
カメラ本体102は、クイックリターンミラー18、ファインダスクリーン20(エラー表示部)、接眼レンズ22、測光センサ24、シャッタ26、CCD(Charge Coupled Device)28(撮像部)、露出制御回路30、測光回路32、振れセンサ34(振動検出部)、振れ検出回路36、CPU38(変位量算出部、輝度調整部及び露光時間制御部)、表示制御部40、RAM42、半押しスイッチSW1、全押しスイッチSW2、モードスイッチSW3、LCD(Liquid Crystal Display)を有している。
クイックリターンミラー18は、光軸OA上に回動自在に設けられる。クイックリターンミラー18は、被写体の撮影を行わない非撮影時に、光軸OAに対して斜めに配置される。非撮影時に、クイックリターンミラー18は、被写体からレンズ系46を介して入射される光束を受光し、受光した光束を反射させてファインダスクリーン20に導く。
一方、被写体を撮像する撮像時には、クイックリターンミラー18は、回動により図の破線で示す位置に退避される。この退避により、被写体から入射される光束は、シャッタ26を介してCCD28に導かれる。
ファインダスクリーン20は、表示制御部40により駆動される。ファインダスクリーン20は、非撮像時にクイックリターンミラー18により導かれた光束を拡散し、拡散させた光束を図示しないペンタダハプリズムを介して接眼レンズ22及び測光センサ24に導く。
接眼レンズ22は、ファインダスクリーン20により導かれた光束を被写体像として結像する。撮影者は、接眼レンズ22により結像される被写体像を見ることで、被写体の構図やフレーム等を判断できる。
測光センサ24は、例えばCCD等の受光素子で構成され、測光回路32により駆動される。測光センサ24は、ファインダスクリーン20により導かれた被写体像の輝度Bを検出し、検出した輝度Bを測光回路32を介してCPU38に出力する。
シャッタ26は、レンズ系46からCCD28への光路を遮る位置に配置されるシャッタ膜(図示せず)を有している。シャッタ26は、露出制御回路30により駆動され、レンズ系44から入射される光束によりCCD28が露光される露光時間を調節する。シャッタ膜は、撮像時にレンズ系44からCCD28への光路を確保するために開く。
CCD28は、シャッタ26を介してレンズ系44に対向する位置に配置されている。CCD28は、図示しないCCDドライバにより駆動され、レンズ系44より結像される被写体像を光電変換し、光電変換した被写体像をA/D変換回路(後述)を介してCPU38に出力する。
露出制御回路30は、CPU38により制御され、シャッタ26のシャッタ速度SS(秒)及び絞り48の絞り値FNoを調整する。振れセンサ34は、振れ検出回路36により駆動され、カメラ本体102に加わる振動(例えば、手振れ)を、例えばコリオリ力を利用して角速度信号ω(振動信号)として検出する。振れセンサ34は、検出した角速度信号ωを振れ検出回路36を介してCPU38に出力する。
CPU38は、通信接点14、16を介してCPU50及びCPU52にそれぞれ接続される。CPU38は、ROM44を搭載している。ROM44は、例えば、電気的にデータの書き換えが可能なEEPROMやフラッシュメモリ等で構成され、カメラ本体102の電源がオフの間もデータを保持する。
ROM44は、CPU38により実行されるプログラムや、シャッタ26のシャッタ速度SS(秒)と絞り48の絞り値FNoを決定するためのプログラム線図やCCD28の撮像感度等を格納している。RAM42は、CCD28により撮像された画像データ等を一時的に格納する。
半押しスイッチSW1は、図示しないシャッタスイッチの半押しに連動してオンする。半押しスイッチSW1がオンすることにより、測光センサ24による測光演算や、レンズ系46によるオートフォーカス駆動等が開始される。
全押しスイッチSW2は、シャッタスイッチの全押しに連動してオンする。全押しスイッチSW2がオンすることにより、シャッタ26及び絞り48等が駆動され、被写体像が撮像される。
モードスイッチSW3は、カメラ本体102の動作モードを設定するための選択スイッチ(図示せず)の押し下げに連動してオンする。モードスイッチSW3のオンにより、カメラ本体102の動作モードは、例えば、被写体を撮影する撮影モードや、言語設定や日時設定等を変更可能なセットアップモードに設定される。
LCDは、液晶パネル及び液晶パネルの駆動用ドライバ回路(図示せず)等で構成される。LCDは、図示しないLCDドライバにより駆動され、全押しスイッチSW2のオンに同期してCCD28により撮像された画像や、撮影者がカメラ本体102の動作モードを設定するためのメニュー画面が表示される。
なお、特に図示していないが、カメラ本体102は、A/D変換回路、信号処理回路及び記憶メディアを有している。
A/D変換回路は、CCD28から受け取った被写体像をA/D変換し、A/D変換した画像データをCPU38及び信号処理回路に出力する。信号処理回路は、A/D変換回路から受け取った画像データに、ホワイトバランス調整、ガンマ補正、圧縮及びノイズ低減等の各種処理を行う。信号処理回路は、処理した画像データを記憶メディアに格納する。
記憶メディアは、SDカード等のメモリーカードであり、CCD28により得られた画像データ等を保存する。記憶メディアは、図示しないスロットを介して信号処理回路に接続される。記憶メディアは、フラッシュメモリ等で構成され、カメラ本体102の電源がオフの間もデータを保持する。
レンズ鏡筒104は、レンズ系46、絞り48、CPU50及び、レンズ系46の焦点距離fmmを検出する焦点距離検出回路(図示せず)を有している。レンズ系46は、被写体に焦点を合わせるフォーカスレンズ及び被写体像をズームするためのズームレンズ等を含む複数枚のレンズにより構成される。
フォーカスレンズ及びズームレンズは、図示しないレンズ駆動回路により光軸OA方向の位置が調節される。絞り48は、露出制御回路30によって駆動される。絞り48の絞り値は、レンズ系46を通過した光の光量を絞るように調節される。
CPU50は、通信接点14を介してCPU38に接続される。CPU50は、焦点距離検出回路から焦点距離fmmを受け取り、受け取った焦点距離fmmをCPU38に出力する。
照明制御装置106は、CPU52及び照明制御回路54を有している。CPU52は、通信接点16を介してCPU38に接続される。CPU52は、CPU38から制御情報(LED56の照射回数や電流値等)を受け取り、受け取った制御情報を照明制御回路54に出力する。
照明制御回路54は、ケーブル110を介して照明部12に接続される。照明制御回路54は、CPU52から受け取った制御情報をケーブル110を介して照明部12(駆動回路58)に出力する。なお、照明制御回路54は、無線方式で照明部12と通信を行うことにより、制御情報を照明部12に出力するものでもよい。
照明部12は、LED56、駆動回路58及び図示しない拡散板を有している。LED58は、駆動回路58により駆動され、被写体に向けて照明光を照射する。
駆動回路58は、照明制御回路54から受け取った制御情報(LED56の照射回数や電流値)に基づいてLED56に供給される電流を調節して、LED56の輝度B’や色度等を調整する。拡散板は、LED56の前面に配置され、LED56から照射される照明光を被写体にほぼ均一に照明する。
図3及び図4は、カメラシステムの第1実施形態における撮像動作を表している。図3及び図4に示す動作は、CPU38がROM44に格納されたプログラムを実行することによって実現される。
まず、ステップS100において、CPU38は、撮影者によりセットアップモード画面の表示要求を受けると、カメラ本体102の動作モードを接写撮影モードに設定するためのメニュー画面をLCDに表示させる。なお、接写撮影モードは、カメラ本体102から近距離に位置する被写体を撮影するために、LED56に照明光を照射させる撮影モードを指す。この後、処理はステップS102に移行する。
ステップS102において、CPU38は、接写撮影モードが設定されたことを検出すると、例えば、フラグFLG1に1(2進数)を設定する。一方、接写撮影モードが設定されたことを検出しないと、例えば、フラグFLG1に0を設定する。この後、処理はステップS104に移行する。
ステップS104において、CPU38は、撮影者によりセットアップモード画面の表示要求を受けると、カメラ本体102の動作モードを振動検出モードに設定するためのメニュー画面をLCDに表示させる。なお、振動検出モードは、カメラ本体102に加わる振動(例えば、手振れ)が検出される動作モードを指す。この後、処理はステップS106に移行する。
ステップS106において、CPU38は、振動検出モードが設定されたことを検出すると、例えば、フラグFLG2に1(2進数)を設定する。一方、振動検出モードが設定されたことを検出しないと、例えば、フラグFLG2に0を設定する。この後、処理はステップS108に移行する。
ステップS108において、CPU38は、半押しスイッチSW1がオンであるか否かを検出する。半押しスイッチSW1のオン、すなわち、撮影者によりシャッタスイッチが半押しされたことを検出すると、処理はステップS110に移行する。ステップS108は、半押しスイッチSW1のオンが検出されるまで繰り返される。
ステップS110において、CPU38は、フラグFLG1のビットが1であるか否かを検出する。ビットが1であるとき、すなわち、動作モードが接写撮影モードに設定されたことを検出すると、処理はステップS112に移行する。一方、ビットが0である時、すなわち、動作モードが接写撮影モードに設定されないことを検出すると、処理はステップS114に移行する。
ステップS112において、CPU38は、照明制御回路54を介して駆動回路58を制御して、LED56に照明光の照射を開始させる。このように、撮影者によりシャッタスイッチが全押しされる前、すなわち、CCD28により被写体像が撮像される前に被写体に照射光が照射される。したがって、撮影者は、被写体像が撮像される前の時点で、接眼レンズ22(図2)を通して、被写体像に影の出る様子を視認できる。このため、撮影者は自身の意図する被写体像を得ることができる。この後、処理はステップS114に移行する。
ステップS114において、CPU38は、測光回路32を介して測光センサ24を制御して被写体像の輝度Bを検出し、検出した被写体像の輝度BをRAM42に格納する。この後、処理はステップS116に移行する。
ステップS116において、CPU38は、CCD28の撮像感度と輝度Bとを用いたプログラム線図に従って、シャッタ速度SS(秒)及び絞り値FNoの組み合わせを決定し、決定した組み合わせをRAM42に格納する。この後、処理は図4のステップS118に移行する。
ステップS118において、CPU38は、フラグFLG2のビットが1であるか否かを検出する。ビットが1であるとき、すなわち、動作モードが振動検出モードに設定されたことを検出すると、処理はステップS120に移行する。一方、ビットが0であるとき、すなわち、動作モードが振動検出モードに設定されないことを検出すると、処理はステップS136に移行する。
ステップS120において、CPU38は、振れ検出回路36を介して振れセンサ34を制御して、カメラ本体102に加わる振動を角速度信号ωとして検出し、検出した角速度信号ωをRAM42に格納する。この後、処理はステップS122に移行する。
ステップS122において、CPU38は、CPU50から通信接点14を介してレンズ系46の焦点距離fmmを受け取り、受け取った焦点距離fmmをRAM42に格納する。この後、処理はステップS124に移行する。
ステップS124において、CPU38は、角速度信号ω、シャッタ速度SS(秒)及び焦点距離fmmに基づいて、カメラ本体102の振動によりレンズ系46の結像面(CCD28の撮像面)上で被写体像が移動する移動量Mを算出し、算出した移動量MをRAM42に格納する。この後、処理はステップS126に移行する。
ステップS126において、CPU38は、移動量Mが予め決められた基準移動量SM(例えば、30μm)を超えているか否かを検出する。本発明において、基準移動量SMは、撮影像を一般的な大きさ(例えば、2Lサイズ)で鑑賞した時にぶれの認識が可能となる移動量を指す。基準移動量SM(例えば、30μm)を超えていることを検出すると、処理はステップS128に移行する。移動量Mが基準移動量SM(例えば、30μm)以下であることを検出すると、処理はステップ136に移行する。
ステップS128において、CPU38は、照明制御回路54を介して駆動回路58を制御して、LED56の輝度B’を段数nだけ上げる。CPU38は、以下の演算式(1)を用いて段数nを算出する。
n=log2(移動量M/基準移動量SM)・・・(1)
演算式(1)において、例えば、移動量M=120μm、基準移動量SM=30μmとすると、段数n=log2(120/30)=2となる。このように、移動量Mが基準移動量SMを超えるときのみ、すなわち、被写体像のぶれが認識されるときのみ、LED56の輝度B’が上げられる。このため、LED56の輝度B’が常に上げられる場合に比べて、照明部12(LED56及び駆動回路58)で消費される電力を小さくできる。この後、処理はステップS130に移行する。
ステップS130において、CPU38は、LED56の輝度B’が予め決められた最大値Bmax’を超えているか否かを検出する。輝度B’が最大値Bmax’を超えていること、すなわち、これ以上輝度B’を上げることができないことを検出すると、処理はステップS132に移行する。輝度B’が最大値Bmax’以下であることを検出すると、処理はステップS134に移行する。
ステップS132において、CPU38は、表示制御部40を駆動して、これ以上輝度B’を上げることができないことを示すエラー表示をファインダスクリーン20に表示させる。後述するように、輝度B’に対応してシャッタ速度SS(秒)が短縮されることで、被写体像のぶれは軽減される。したがって、これ以上輝度B’を上げることができなければ、シャッタ速度SS(秒)を短縮できないため、被写体像のぶれを軽減できない。 本発明では、ファインダスクリーン20にエラー表示を表示させることで、撮影者は接眼レンズ22を通して、被写体像のぶれを軽減できないことを認識できる。このため、撮影者は、被写体像のぶれの原因である手振れ等を防ぐために、カメラ本体102を安定して支持する三脚等を使用するか否かを判断できる。この後、処理はステップS134に移行する。
一方、ステップS130で輝度B’が最大値Bmax’以下であることが検出された場合、または、ステップS132でエラー表示が表示された後、ステップS134において、CPU38は、輝度B’に対応して、シャッタ速度SS(秒)(例えば、1/30秒)を段数n(例えば、2)だけ短縮する。具体的には、シャッタ速度SSとして、1/250(秒)〜1/4000(秒)のいずれかに設定可能であり、プログラム線図から決定されたシャッタ速度SS(秒)が1/30秒、段数nが2である場合、シャッタ速度SSは、1/30秒から2段だけ短縮された1/125(秒)(1/30秒の約1/4倍)に設定される。したがって、レンズ系46の結像面(CCD28の撮像面)上で被写体像が移動する移動時間が約1/4倍に短縮される。このため、移動量Mを120μmの約1/4倍である約30μmまで小さくでき、被写体像のぶれを軽減できる。このように、CCD28の撮像感度を上げることなく、また、被写体像のぶれを補正する補正機構(補正レンズや補正レンズを駆動するためのアクチュエータ等)を設けることなく、被写体像のぶれを軽減できる。この後、処理はステップS136に移行する。
ステップS118で振動検出モードに設定されないことが検出された場合、または、ステップS126で移動量Mが基準移動量SM以下であることが検出された場合、または、ステップS134でシャッタ速度SS(秒)を短縮した後、ステップS136において、CPU38は、全押しスイッチSW2がオンであるか否かを検出する。全押しスイッチSW2のオン、すなわち、撮影者によりシャッタスイッチが全押しされたことを検出すると、処理はステップS138に移行する。一方、全押しスイッチSW2のオフ、すなわち、撮影者によりシャッタスイッチが全押しされたことを検出しないと、撮影者によるシャッタスイッチの半押し下げを検出するために、処理は図3のステップS108に移行する。
ステップS138において、CPU38は、シャッタ26や絞り48等を駆動して、被写体を撮像する。そして、カメラシステムの第1の実施形態における撮像動作が終了する。
以上、第1の実施形態では、CCD28の撮像感度を上げることなく被写体のぶれを軽減できる。このため、撮像される画像データにノイズ成分が多く含まれることにより画像が粗くなることを防止できる。
被写体のぶれを軽減するためにCCD28の撮像感度を上げる必要がないため、画像データの余分なノイズ成分を処理することによる画像データの圧縮効率低下を防止できる。したがって、信号処理回路による画像データの圧縮効率が向上し、画像データを圧縮した圧縮データのデータ量を小さくできる。このため、圧縮データを格納するRAM42や記憶メディアの記憶領域を有効に活用できる。
被写体像のぶれを補正する補正機構を設けることなく、被写体像のぶれを軽減できる。このため、カメラシステム100を製造するための製造工数及び部品点数を削減でき、カメラシステム100の製造コストを削減できる。
図5は、本発明のカメラシステムの第2の実施形態を示している。第1の実施形態で説明した要素と同一の要素については、同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。この実施形態では、CPU38が実行するために、ROM44に格納されているプログラムが、カメラシステムの第1の実施形態と相違する。カメラシステム200は銀塩フィルムカメラシステムとして構成され、カメラ本体202には、フィルム60が取り替え可能に装填されている。また、カメラ本体202は、レンズ鏡筒104及び照明制御装置106がそれぞれ着脱可能に接続されるレンズマウント202a及びホットシュー202bを有している。その他の構成は、第1の実施形態の図1及び図2と同じである。
カメラ本体202は、クイックリターンミラー18、ファインダスクリーン20(エラー表示部)、接眼レンズ22、測光センサ24、シャッタ26、露出制御回路30、測光回路32、振れセンサ34(振動検出部)、振れ検出回路36、CPU38(変位量算出部、輝度調整部及び露光時間制御部)、表示制御部40、RAM42、半押しスイッチSW1、全押しスイッチSW2、モードスイッチSW3を有している。
フィルム60は、シャッタ26を介してレンズ系44に対向する位置に装填される。フィルム60のフィルム面には、レンズ系44より結像される被写体像が映し込まれる。
図6及び図7は、カメラシステムの第2実施形態における撮影動作を表している。図6及び図7に示す動作は、第1の実施形態(図3及び図4)のステップS124、S138が、ステップS200、S202にそれぞれ置き換えられた点を除いて、図3及び図4と同じである。
上述した図3及び図4と同じ処理については、詳細な説明を省略する。また、図6及び図7に示す動作は、CPU38がROM44に格納されたプログラムを実行することによって実現される。図6のステップS100〜S116、図7のステップS118〜S122が実行され、角速度信号ω、シャッタ速度SS(秒)及び焦点距離fmmがRAM42に格納された後、処理はステップS200に移行する。
ステップS200において、CPU38は、角速度信号ω、シャッタ速度SS(秒)及び焦点距離fmmに基づいて、カメラ本体202の振動によりレンズ系46の結像面(フィルム60のフィルム面)上で被写体像が移動する移動量Mを算出し、算出した移動量MをRAM42に格納する。この後、ステップS126〜S134が実行され、移動量Mを小さくするために、シャッタ速度SS(秒)(例えば、1/30秒)が段数n(例えば、2)だけ短縮された後、処理はステップS136に移行する。
ステップS136において、CPU38は、全押しスイッチSW2のオンを検出すると、被写体像を撮像するために、処理はステップS202に移行する。一方、全押しスイッチSW2のオフを検出すると、撮影者によるシャッタスイッチの半押し下げを検出するために、処理は図6のステップS108に移行する。
ステップS202において、CPU38は、シャッタ26や絞り48等を駆動して被写体像をフィルム60のフィルム面に映し込む。そして、カメラシステムの第2の実施形態における撮影動作が終了する。
以上、第2の実施形態では、第1の実施形態と同様な効果を得ることができる。更に、CCD28の撮像感度を変更することなく移動量Mを小さくできる。このため、撮像感度を変更できない銀塩フィルムカメラを用いた撮影時であっても、被写体像のぶれを軽減できる。
図8は、本発明のカメラシステムの第3の実施形態を示している。第1の実施形態で説明した要素と同一の要素については、同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。この実施形態では、CPU38が実行するために、ROM44に格納されているプログラムが、カメラシステムの第1の実施形態と相違する。カメラシステム300は、コンパクトタイプのデジタルカメラシステムとして形成され、レンズ鏡筒104、照明制御装置106及び照明装置108が一体化されたカメラ本体302を有している。その他の構成は、第1の実施形態の図1及び図2と同じである。
カメラ本体302は、照明部12(LED56及び駆動回路58)、測光センサ24、シャッタ26、CCD28、露出制御回路30、測光回路32、振れセンサ34(振動検出部)、振れ検出回路36、CPU38(変位量算出部、輝度調整部及び露光時間制御部)、RAM42、レンズ系46、絞り48、照明制御回路54、半押しスイッチSW1、全押しスイッチSW2、モードスイッチSW3及びLCD(エラー表示部)を有している。
図9及び図10は、カメラシステムの第3実施形態における撮像動作を表している。図9及び図10に示す動作は、第1の実施形態(図3及び図4)のステップS132がステップS300に置き換えられた点を除いて、図3及び図4と同じである。
上述した図3及び図4と同じ処理については、詳細な説明を省略する。また、図9及び図10に示す動作は、CPU38がROM44に格納されたプログラムを実行することによって実現される。図9のステップS100〜S116、図10のステップS118〜S130が実行され、これ以上輝度B’を上げることができないことが検出されると、処理はステップS300に移行する。
ステップS300において、CPU38は、LCDドライバを駆動して、これ以上輝度B’を上げることができないことを示すエラー表示をLCDに表示させる。図3で述べたように、これ以上輝度B’を上げることができなければ、シャッタ速度SS(秒)を短縮できないため、被写体像のぶれを軽減できない。LCDにエラー表示を表示させることで、撮影者はLCDを通して、被写体像のぶれを軽減できないことを認識できる。この後、処理はステップS134〜S138が実行され、カメラシステムの第3の実施形態における撮像動作が終了する。
以上、第3の実施形態では、第1の実施形態と同様な効果を得ることができる。更に、撮影者はLCDを通して、被写体像のぶれを軽減できないことを認識できる。このため、被写体像のぶれの原因である手振れ等を防ぐために、カメラ本体302を安定して支持する三脚等を使用するか否かを判断できる。
なお、上述した第1及び第2実施形態では、照明制御回路54が照明制御装置106に内蔵される例について述べた。本発明は、かかる実施形態に限定されるものではない。照明制御回路54が照明装置108に内蔵されるものでもよい。
上述した第1及び第3の実施形態では、CCD28を用いて被写体を撮像する例について述べた。本発明は、かかる実施形態に限定されるものではない。CCD以外の撮像素子、例えば、CMOSイメージセンサや、その他の増幅型固体撮像素子を用いて被写体を撮像するものでもよい。
上述した第1〜第3の実施形態では、手振れを補正する機能を有していない例について述べた。本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。例えば、振動信号に基づいて手振れを打ち消すようにCPU38(移動制御部)がCCD28を駆動する手振れ補正機能付きカメラシステムに適用することができる。その場合、補正しきれずに残存してしまう撮影像の移動量を上述の実施例の移動量とすればよい。
上述した第1〜第3の実施形態では、振れセンサ34がカメラ本体102に加わる振動を角速度信号として検出する例について述べた。本発明は、かかる実施形態に限定されるものではない。振れセンサ34がカメラ本体102に加わる振動を加速度信号として検出するものでもよい。
上述した第1及び第3実施形態では、シャッタ26を用いてCCD28の露光時間が調節される例について述べた。本発明は、かかる実施形態に限定されるものではない。CCD28に内蔵された電子シャッタを用いてCCD28の露光時間が調節されるものでもよい。
上述した第1〜第3実施形態では、シャッタ速度SSが1段数毎に調節される例について述べた。本発明は、かかる実施形態に限定されるものではない。例えば、1/2段数、1/3段数、あるいは更に細かい段数毎に調整されるものでもよい。
上述した第1〜第3実施形態では、LED56により被写体に照明光が照射される例について述べた。本発明は、かかる実施形態に限定されるものではない。蛍光管等により被写体に照明光が照射されるものでもよい。
上述した第1〜第3実施形態では、カメラ本体102の振動に伴い被写体像が移動する移動量Mに基づいて、LED56の輝度B’を調整して被写体像のぶれを軽減する例について述べた。本発明は、かかる実施形態に限定されるものではない。カメラ本体102の振動に伴い被写体像が回転する回転角に基づいて、LED56の輝度B’を調整して被写体像のぶれを軽減するものでもよい。
以上、本発明について詳細に説明してきたが、上記の実施形態及びその変形例は発明の一例に過ぎず、本発明はこれに限定されるものではない。本発明を逸脱しない範囲で変形可能であることは明らかである。
本発明は、手振れ等により発生する被写体像のぶれを軽減するカメラシステムに適用される。
本発明のカメラシステムの第1の実施形態を示すブロック図である。 カメラシステムの詳細を示すブロック図である。 本発明のカメラシステムの第1の実施形態における撮像動作を示すフローチャートである。 本発明のカメラシステムの第1の実施形態における撮像動作を示すフローチャートである。 本発明のカメラシステムの第2の実施形態を示すブロック図である。 本発明のカメラシステムの第2の実施形態における撮影動作を示すフローチャートである。 本発明のカメラシステムの第2の実施形態における撮影動作を示すフローチャートである。 本発明のカメラシステムの第3の実施形態を示すブロック図である。 本発明のカメラシステムの第3の実施形態における撮像動作を示すフローチャートである。 本発明のカメラシステムの第3の実施形態における撮像動作を示すフローチャートである。
符号の説明
10…取り付け部、12、12a、12b…照明部、14、16…通信接点、18…クイックリターンミラー、20…ファインダスクリーン、22…接眼レンズ、24…測光センサ、26…シャッタ、28…CCD、30…露出制御回路、32…測光回路、34…振れセンサ、36…振れ検出回路、38、50、52…CPU、40…表示制御部、42…RAM、44…ROM、46…レンズ系、48…絞り、54…照明制御回路、56…LED、58…駆動回路、60…フィルム、100、200、300…カメラシステム、102、202、302…カメラ本体、102a、202a…レンズマウント、102b、202b…ホットシュー、104…レンズ鏡筒、104a…先端部、106…照明制御装置、108…照明装置

Claims (6)

  1. 被写体に照明光を照射する照明部と、
    カメラ本体の振動を検出し、前記振動を示す振動信号を出力する振動検出部と、
    前記振動信号に基づいて、前記振動に伴う前記被写体像の変位量を算出する変位量算出部と、
    前記変位量算出部により算出された変位量に基づいて、前記照明光の輝度を調整する輝度調整部と、
    前記輝度調整部により調整される輝度に対応して、レンズにより結像される被写体像の露光の開始及び終了を制御する露光時間制御部とを備えることを特徴とするカメラシステム。
  2. 請求項1記載のカメラシステムであって、
    前記照明部は、前記露光時間制御部により露光が開始される前に、前記照明光の照射を開始することを特徴とするカメラシステム。
  3. 請求項2記載のカメラシステムであって、
    前記照明部は、接写用の照明部として構成されることを特徴とするカメラシステム。
  4. 請求項1〜3に記載のカメラシステムであって、
    前記輝度調整部は、前記変位量が予め決められた基準変位量を超えるとき、前記変位量と前記基準変位量との比に基づいて前記輝度を上げ、
    前記露光時間制御部は、前記輝度調整部により上げられた輝度に対応して露光時間を短くすることを特徴とするカメラシステム。
  5. 請求項1〜4に記載のカメラシステムであって、
    前記輝度調整部により調整される輝度が予め決められた最大値を超えるとき、エラー情報を表示するエラー表示部を備えることを特徴とするカメラシステム。
  6. 請求項1〜5に記載のカメラシステムであって、
    前記被写体像を撮像する撮像部と、
    前記振動信号に基づいて前記撮像部を移動させる移動制御部とを有することを特徴とするカメラシステム。
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