JP2007127516A - 成分濃度測定装置及び成分濃度測定装置制御方法 - Google Patents

成分濃度測定装置及び成分濃度測定装置制御方法 Download PDF

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Kazunori Naganuma
和則 長沼
Takuro Tajima
卓郎 田島
Takanori Seiso
孝規 清倉
Yuichi Okabe
勇一 岡部
Shinji Mino
真司 美野
Junichi Shimada
純一 嶋田
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Abstract

【課題】本発明では、生体の静脈に流れる血液部分で発生する音波を非血液部分で発生する音波から分離して検出し、成分濃度の測定精度を向上させることを目的とする。
【解決手段】本発明は、光を一定周波数の信号により電気的に強度変調し、光透過性管の内部に流れる液体に向けて出射する第1光出射手段と、他の光を前記一定周波数より低い周波数の信号により電気的に強度変調し、前記第1光出射手段からの光を照射される前記液体の被照射位置よりも前記光透過性管に沿って上流側の前記液体に向けて出射する第2光出射手段と、前記第1光出射手段からの光により前記液体で発生する音波を検出する音波検出手段と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、人間又は動物の生体の静脈に流れる血液の濃度を測定する成分濃度測定装置及び成分濃度測定装置制御方法、或いはガラス管等の光透過性管に流れる液体の成分濃度を測定する成分濃度測定装置及び成分濃度測定装置制御方法に関する。
高齢化が進み、成人病に対する対応が大きな課題になりつつある。血糖値などの検査においては血液の採取が必要なために患者にとって大きな負担となるので、血液を採取しない非侵襲な成分濃度測定装置が注目されている。現在までに開発された非侵襲な成分濃度測定装置としては、皮膚内に電磁波を照射し、測定対象とする血液成分、例えば、血糖値の場合はグルコース分子に吸収され、局所的に加熱して熱膨張を起こして生体内から発生する音波を観測する、光音響法が注目されている。
しかし、グルコースと電磁波との相互作用は小さく、また生体に安全に照射し得る電磁波の強度には制限があり、生体の血糖値測定においては、十分な効果をあげるに至っていない。
図5および図6は、従来例として、光音響法による従来の血液成分濃度測定装置の構成例を示す図である。図5は光パルスを電磁波として用いた第一の従来例である(例えば、非特許文献1参照。)。本例では血液成分として血糖、すなわちグルコースを測定対象としている。図5において、駆動回路604はパルス状の励起電流をパルス光源616に供給し、パルス光源616はサブマイクロ秒の持続時間を有する光パルスを発生し、発生した光パルスは被検体610に照射される。光パルスは被検体610の内部にパルス状の光音響信号と呼ばれる音波を発生させ、発生した音波は超音波検出器613により検出され、さらに音圧に比例した電気信号に変換される。
変換された電気信号の波形は波形観測器620により観測される。この波形観測器620は上記励起電流に同期した信号によりトリガされ、変換された電気信号は波形観測器620の管面上の一定位置に表示され、変換された電気信号は積算・平均して測定することができる。このようにして得られた電気信号の振幅を解析して、被検体610の内部の血糖値、すなわちグルコースの量が測定される。図5に示す例の場合はサブマイクロ秒のパルス幅の光パルスを最大1kHzの繰り返しで発生し、1024個の光パルスを平均して、前記電気信号を測定しているが十分な精度が得られていない。
そこで、より精度を高める目的で、連続的に強度変調した光源を用いる第二の従来例が開示されている。図6に第二の従来例の装置の構成を示す(例えば、特許文献1参照。)。本例も血糖を主な測定対象として、異なる波長の複数の光源を用いて、高精度化を試みている。説明の煩雑さを避けるために、図6により光源の数が2の場合の動作を説明する。図6において、異なる波長の光源、即ち、第1の光源601及び第2の光源605は、それぞれ駆動回路604及び駆動回路608により駆動され、連続光を出力する。
第1の光源601及び第2の光源605が出力する光は、モータ618により駆動され一定回転数で回転するチョッパ板617により断続される。ここでチョッパ板617は不透明な材質により形成され、モータ618の軸を中心とする第1の光源601及び第2の光源605の光が通過する円周上に、互いに素な個数の開口部が形成されている。
上記の構成により、第1の光源601及び第2の光源605の各々が出力する光は互いに素な変調周波数f及び変調周波数fで強度変調された後、合波部609により合波され、1の光束として被検体610に照射される。
被検体610の内部には第1の光源601の光により周波数fの光音響信号が発生し、第2の光源605の光により周波数fの光音響信号が発生し、これらの光音響信号は、音響センサ619により検出され、音圧に比例した電気信号に変換され、その周波数スペクトルが、周波数解析器621により観測される。本例においては、複数の光源の波長は全てグルコースの吸収波長に設定されており、各波長に対応する光音響信号の強度は、血液中に含まれるグルコースの量に対応した電気信号として測定される。
ここで、予め光音響信号の測定値の強度と別途採血した血液によりグルコースの含有量を測定した値との関係を記憶しておいて、前記光音響信号の測定値からグルコースの量を測定している。
特開平10−189号公報 オウル大学(University of Oulu、Finland)学位論文「Pulse photoacoustic techniqus and glucose determination in human blood and tissue」(IBS 951−42−6690−0、http://herkules.oulu.fi/isbn9514266900/、2002年)
上述の従来例においては以下のような課題がある。人間や動物の体の約2/3は水であり、さらに血液の成分の8割近くを水が占め、水分子は波長1μm以上の光の波長帯において、顕著な吸収特性を示す。一方、グルコース分子は1.6μm近傍および2.1μm近傍の光の波長帯において吸収特性を示すが、健常者の血糖値50〜100mg/dl(2.8〜5.6mM)の濃度においては、水はグルコースに比べて1000倍以上大きな吸収を有する。従って、血糖値を測定するには0.1%より高い精度の測定が必要となる。通常、血糖値測定に要求される精度は5mg/dl(0.28mM)であり、この測定のためには、0.003%程度の精度が必要となる。このように、血液成分濃度の測定、特に血糖値、すなわちグルコース量の測定には、極めて高い測定精度が必要である。
つまり、従来の生体の成分濃度の測定方法においては特定の血液成分が吸収を呈する波長が非血液部分で吸収を呈する場合、発生した音波はそれらが合算されて測定される。そのため、非血液部分において発生しうる音波の誤差も同様に加算されるため、外乱の影響を受け易く測定誤差が非常に大きくなるという課題があった。
上記の課題を解決するために、本発明は、血液の流れに対して1波長又は2波長の光を出射すると共に、この1波長又は2波長の光とは別に第3の光を血液の流れの上流側に出射することにより、1波長又は2波長の光により血液で発生する音波を生体の非血液部分で発生する音波から分離させることで非血液部分において発生する音波の影響を少なくして成分濃度を正確に測定する成分濃度測定装置及び成分濃度測定装置制御方法である。
初めに、本発明の成分濃度測定装置及び成分濃度測定装置制御方法の基本原理を、一例として、生体の成分濃度を測定する場合について説明する。
本発明では、異なる2波長の光の中の、第1の光の波長を、例えば生体の測定対象の成分による吸光度が生体の大部分を占める水による吸光度と顕著に異なる波長とし、第2の光の波長を水が第1の光の波長におけるのと合い等しい吸光度を示す波長とする。上記の波長の設定方法を、血液中のグルコースの濃度を測定する場合を例として図1により説明する。
図1は常温における水とグルコース水溶液の吸光度特性を示す。図1において、縦軸は吸光度を示し、横軸は光の波長を示している。また、図1において、実線は水の吸光度特性を示し、破線はグルコース水溶液の吸光度特性を示している。図1に示す波長λはグルコースによる吸光度が水による吸光度と顕著に異なる波長であり、波長λは、水がλにおける吸光度と合い等しい吸光度を示す波長である。従って、例えば、第1の光の波長をλとし、第2の光の波長をλとすることができる。
以下の説明においては、一例として、第1の光の波長を測定対象の成分による吸光度が水による吸光度と顕著に異なる波長λにし、第2の光の波長を水が第1の光の波長λにおけるのと合い等しい吸光度を示す波長λにした場合を説明する。
上記のように規定した異なる2波長の光の各々を、同一周波数で逆位相の信号により強度変調してパルス状の光として出射し、出射された異なる2波長の光が生体の成分に吸収されて発生する音波を検出して、検出した音波の大きさから、生体の測定対象の成分の濃度を測定する。上記のように強度変調された異なる2波長の光を出射した場合、第1の光を測定対象の成分と水の両方が吸収して生体から発生する第1の音波と、第2の光を生体の大部分を占める水が吸収して生体から発生する第2の音波とは、周波数が等しくかつ逆位相である。従って、第1の音波と第2の音波は生体内で重畳し、音波の差として、第1の音波の中の測定対象の成分が吸収して生体から発生する音波の大きさのみが残留する。そこで、残留した音波により、第1の光を測定対象の成分が吸収して生体から発生する音波のみを測定することができる。上記の測定においては、測定対象の成分と水の両方が吸収して発生する音波と水が吸収して発生する音波を個別に測定して差を演算するよりも、測定対象の成分が吸収して生体から発生する音波を正確に測定することができる。
さらに、生体と音波検出素子との接触状態などの音波測定系の誤差の要因を除いて、高精度に測定する方法を以下に説明する。波長λの光及び波長λの光の各々に対する、生体の大部分を占める水の吸収係数をα (w)及びα (w)として、生体の測定対象の成分のモル吸収係数をα (g)及びα (g)とすれば、波長λの光及び波長λの光の各々により生体から発生する音波の大きさs及びsを含む連立方程式は数式(1)で表される。
Figure 2007127516
上記の、数式(1)を解いて、生体の測定対象の成分濃度Mを求めることができる。ここで、Cは制御あるいは予想困難な係数、すなわち、生体と音波検出素子の結合状態、音波検出素子の感度、生体において光により音波が発生される位置と音波検出素子との間の距離、生体の比熱及び熱膨張係数、生体の内部の音波の速度、波長λの光及び波長λの光の変調周波数、水の吸収係数及び生体の成分のモル吸収係数、などに依存する未知定数である。さらに数式(1)でCを消去すると次の数式(2)が得られる。
Figure 2007127516
ここで、波長λの光及び波長λの光の各々に対する、生体の大部分を占める水の吸収係数α (w)及びα (w)が等しくなるように選択されているので、α (w)=α (w)が成立し、さらに、s≒sであることを用いれば、成分濃度Mは数式(3)で表される。
Figure 2007127516
上記の数式(3)に、既知の係数として、α (w)、α (g)及びα (g)を代入し、さらに、波長λの光及び波長λの光の各々により生体から発生する音波の大きさs及びsを測定して代入することにより、生体の成分濃度Mを算出することができる。上記の数式(3)においては、2つの音波の大きさs及びsを個別に測定するよりも、それらの差s−sを測定して、別に測定した音波の大きさsで除する方が、生体の成分濃度を高精度に測定することができる。
そこで、本発明の成分濃度測定装置及び成分濃度測定装置制御方法においては、まず、波長λの光及び波長λの光を、互いに逆位相の変調信号により強度変調して、1の光束に合波して出射することにより、生体から発生する音波の大きさs及び音波の大きさsが相互に重畳して生じる音波の差(s−s)を測定する。次に、波長λの光を出射して、生体から発生する音波の大きさsを測定する。上記のように測定した(s−s)とsとから、数式(3)により(s−s)÷sを演算して生体の測定対象の成分濃度を高精度に測定することができる。
本発明の成分濃度測定装置及び成分濃度測定装置制御方法における生体の非血液部分の温度変化による影響は以下の通りである。
本発明では、数式(3)における分子の(s−s)の値は、異なる2波長の光を電気的に強度変調して同時に照射し生体で発生する音波の大きさとして測定することができる。一方、分母のsの値は、異なる2波長の光のうち所定の1波長の光を別途照射して生体で発生する音波の大きさとして測定することができる。
しかし、数式(3)で与えられるsの値及び(s−s)の値は、血液部分のみで発生する音波のみならず非血液部分で発生する音波も含まれている。そこで、本発明では、血液部分で発生する音波のみを増幅させるため別途第3の光を生体に照射することを行う。
第3の光の波長をλとすると、波長λの光の生体への照射によって、ヘモグロビンの密度が大きい部位に吸収が生じ、光―熱変換により温度が上昇する。例えば、光CT法においては、およそ波長800nm程度の光が用いられるが、測定においては、生体内部の温度が0.1℃程度変化することが報告されており、またこの程度の温度上昇では人体に害がないことが知られている。さて、断続的な光照射によって生ずる音圧sは、次の数式(4)と表せる。
Figure 2007127516
数式(4)において、Iは照射光強度、βは熱膨張係数、cは音速、Cpは比熱である。上記、パラメータの内、β、cのみが温度に依存する。熱膨張係数βは1℃当たり3%変化するため、0.1℃の温度変化によって、数式(4)に従えば、音波は約0.3%変化することになる。グルコースの変化量5mg/dLによる音波の変化が0.017%であるから、それに比し、20倍の信号の変化を生じうる。波長λの光の同時照射による温度上昇が、生体で発生した音波の増加をもたらす。
本発明では、第3の光の照射により、ヘモグロビンの密度が大きい血液部分の温度を上昇させることができるため、血液部分と表皮、細胞、脂肪などの組織部分での水の音波の発生量に差異を生じさせることができる。ここで、この音波発生量の差異を考慮して数式(1)を次の数式(5)に書き換えることができる。
Figure 2007127516
数式(5)において、Cは血液における未知係数、Cは表皮、細胞、脂肪などの組織における未知係数である。波長λの光の同時照射による温度変化により、血液密度の高い部位において発生した音波は、増幅する。この増幅率をAとすれば、数式(5)は、次の数式(6)に書き換えられる。
Figure 2007127516
数式(6)の両式から数式(5)の差分をとれば、以下の数式(7)となり、非血液部分からの水の音波を除去できる。
Figure 2007127516
ここで、数式(7)の両式から(A−1)を消去すると、次の数式(8)を導出できる。但し、数式(8)は、数式(3)と同様に波長λ、λの各々に対して、主に水の背景による吸収係数α (w)とα (w)がほぼ等しいことを前提とし、さらにΔs≒Δsという性質を用いている。
Figure 2007127516
数式(8)によれば、数式(3)と同様に差分音響信号Δs及び既知の吸収係数αより濃度Mを求めることができる。
しかし、この方法においても第3の光は、生体の非血液部分で発生する音波も増幅するため、第1の光、又は第1及び第2の光と第3の光とによる生体の被照射部位を同一とすると非血液部分からの音波の完全な排除をすることができない。第3の光を吸収するヘモグロビンは、非血液部分にも含まれているため、非血液部分についても温度変化を生じさせるためである。
そこで、本発明では、上記第3の光を第1の光、又は第1及び第2の光の被照射部位に対して血液の流れに沿って上流側に照射することとした。
以上が本発明の成分濃度測定装置及び成分濃度測定装置制御方法の基本原理である。
具体的には、本発明に係る成分濃度測定装置は、光を一定周波数の信号により電気的に強度変調し、光透過性管の内部に流れる液体に向けて出射する第1光出射手段と、他の光を前記一定周波数より低い周波数の信号により電気的に強度変調し、前記第1光出射手段からの光を照射される前記液体の被照射位置よりも前記光透過性管に沿って上流側の前記液体に向けて出射する第2光出射手段と、前記第1光出射手段からの光により前記液体で発生する音波を検出する音波検出手段と、を備える。
本発明では、第1光出射手段は、光を一定周波数の信号により電気的に強度変調して光透過性管の内部に流れる液体に向けて出射する。また、第2光出射手段は、他の光を前記一定周波数より低い周波数の信号により電気的に強度変調し、第1光出射手段からの光を照射される液体の被照射位置よりも光透過性管に沿って上流側の液体に向けて出射する。第1光出射手段から出射した光が液体に照射されると液体の被照射位置から音波が発生する。一方、第2光出射手段から出射した光が液体に照射されると液体の被照射位置での温度が上昇する。ここで、第1光出射手段からの光により発生する音波の大きさは、前記一定周波数と同一の周波数で変化する。また、第2光出射手段からの光による被照射位置での液体の温度変化は、前記一定周波数より低い周波数と同一の周波数で変化する。
第2光出射手段からの光による液体の温度変化は、液体の流れと共に下流側に伝搬する。つまり、本発明では、第1光出射手段からの光を照射される液体の被照射位置での温度変化を液体以外の温度変化に影響を与えることなく第2光出射手段からの光による被照射位置での液体の温度変化と略同一の周期で変化させることができる。ここで、第2光出射手段の光の変調周波数を第1光出射手段からの光の変調周波数よりも低くしたため、第1光出射手段からの光により発生する音波の大きさは、前記一定周波数と同一の周波数で変化すると共に、全体として前記一定周波数より低い周波数と同一の周波数で変化する。そして、音波検出手段は、前記一定周波数と同一の周波数で変化すると共に、全体として前記一定周波数より低い周波数と略同一の周波数で変化する音波を検出する。
このように、本発明では、第1光出射手段からの光を照射される液体の被照射位置での温度を第2光出射手段からの光により間接的に変化させることで、第1光出射手段からの光により液体の被照射位置で発生する音波のみを第2光出射手段からの光による液体の被照射部位の温度変化に応じて変化させることができる。従って、本発明では、第1光出射手段からの光により液体以外で発生する音波の影響を小さくすることができ、液体の成分濃度を非接触で正確に測定することができる。
本発明の成分濃度測定装置において、前記第1光出射手段において、前記第1光出射手段から出射する光の光束の直径が前記液体の流速を前記一定周波数より低い前記周波数で除算した値の半分以下の値であることが望ましい。
光透過性管内に流れる液体の光透過性管に沿った温度変化の周期は、光透過性管内に流れる液体の流速を前記一定周波数より低い前記周波数で除算した値となる。そのため、本発明では、第1光出射手段から出射する光の光束の直径が前記液体の流速を前記一定周波数より低い前記周波数で除算した値の半分以下の値とすることで、光束の直径内における液体の光透過性管での流れ方向に沿った温度変化を1/2周期以下とできる。そのため、第1光出射手段からの光により発生する音波の大きさが光束の直径分の液体の温度変化で平均化される割合を小さくすることができる。従って、本発明では、第1光出射手段からの光により液体で発生する音波について、前記一定周波数より低い周波数と同一の周波数で変化する変化量を大きくすることができ、液体の成分濃度の測定精度を向上させることができる。
本発明の成分濃度測定装置において、前記第2光出射手段において、前記第2光出射手段から出射する光の波長が測定対象とする液体成分の特徴的な吸収を呈する波長であることが望ましい。
本発明では、第2光出射手段から出射する光の波長を測定対象とする液体成分の特徴的な吸収を呈する波長とすることにより、第2光出射手段からの光による液体の被照射位置での温度を効率的に変化させることができる。そのため、本発明では、第1光出射手段からの光により液体で発生する音波の、前記一定周波数より低い周波数と同一の周波数で変化する振幅を大きくすることができる。従って、本発明では、液体の成分濃度の測定精度を向上させることができる。
本発明の成分濃度測定装置において、前記一定周波数の前記信号に同期して前記音波検出手段で検出された音波の振幅を検出する第1同期検波増幅器をさらに備えることが望ましい。
本発明では、第1同期検波増幅器が前記一定周波数の前記信号に同期して音波検出手段で検出された音波の振幅を検出することにより、音波検出手段からの音波から熱雑音を除去して高感度に音波の振幅を検出することができる。従って、本発明では、液体の成分濃度の測定精度を向上させることができる。
本発明の成分濃度測定装置において、前記第1同期検波増幅器で検出された音波を積分して前記検出された音波から前記一定周波数より低い前記周波数の周波数成分を取り出して出力する積分器をさらに備えることが望ましい。
本発明では、第1同期検波増幅器で熱雑音が除去された音波から積分器が前記一定周波数より低い前記周波数の周波数成分を取り出すことにより、取り出した音波の振幅を第1光出射手段からの光により発生する音波の大きさとして検出することができる。従って、本発明では、第1同期検波増幅器で熱雑音が除去された音波のうち前記一定周波数の周波数成分を除去して液体の成分濃度の測定精度を向上させることができる。
本発明の成分濃度測定装置において、前記一定周波数より低い周波数の前記信号を前記液体の流速に基づいて遅延させた遅延信号を出力する遅延器と、前記遅延器から出力された遅延信号に同期して前記積分器から出力された音波の振幅を検出する第2同期検波増幅器をさらに備えることが望ましい。
第1光出射手段からの光による被照射位置での液体の温度変化は、第2光出射手段からの光による被照射位置での液体の温度変化に対して被照射位置間距離に応じた遅延時間差を有している。そのため、本発明では、遅延器が液体の流速に基づいて遅延させた遅延信号を出力し、第2同期検波増幅器が遅延信号に同期して積分器からの音波の振幅を検出することで積分器からの音波の波形と遅延信号との波形の時間軸を一致させることができる。そのため、第2同期検波増幅器において、積分器からの音波から熱雑音を除去して高感度に音波の振幅を検出することができる。従って、本発明では、液体の成分濃度の測定精度を向上させることができる。
本発明の成分濃度測定装置において、前記遅延器は、前記第1光出射手段からの光を照射される前記光透過性管の被照射位置と前記第2光出射手段からの光を照射される前記光透過性管の被照射位置との間の前記液体の流れる長さを前記液体の流速と前記一定周波数より低い前記周波数との乗算値で除算した値のnπ倍から±π/4の範囲内で前記一定周波数より低い周波数の前記信号を遅延させることが望ましい。
本発明では、遅延器での遅延時間を液体の流れる長さを液体の流速と前記一定周波数より低い前記周波数との乗算値で除算した値のnπ倍から±π/4の範囲内とすることにより、積分器からの音波の波形と遅延信号の波形の時間を妥当な範囲内で一致させることができる。従って、本発明では、液体の成分濃度の測定精度を高精度に維持することができる。
本発明に係る成分濃度測定装置は、光を一定周波数の信号により電気的に強度変調し、生体の静脈に向けて出射する第1光出射手段と、他の光を前記一定周波数より低い周波数の信号により電気的に強度変調し、前記第1光出射手段からの光を照射される前記静脈の被照射部位よりも前記静脈に沿って上流側の前記静脈に向けて出射する第2光出射手段と、前記第1光出射手段からの光により前記生体で発生する音波を検出する音波検出手段と、を備える。
本発明では、第1光出射手段は、光を一定周波数の信号により電気的に強度変調して生体の静脈に向けて出射する。また、第2光出射手段は、他の光を前記一定周波数より低い周波数の信号により電気的に強度変調し、第1光出射手段からの光を照射される静脈の被照射部位よりも静脈に沿って上流側の静脈に向けて出射する。第1光出射手段から出射した光が生体に照射されると生体の被照射部位から音波が発生する。一方、第2光出射手段から出射した光が生体に照射されると生体の被照射部位の温度が上昇する。ここで、第1光出射手段からの光により発生する音波の大きさは、前記一定周波数と同一の周波数で変化する。また、第2光出射手段からの光を照射される被照射部位の血液部分の温度変化は、前記一定周波数より低い周波数と同一の周波数で変化する。
第2光出射手段からの光による生体の温度変化のうち静脈を流れる血液部分の温度変化は、血液の流れと共に下流側に伝搬する。つまり、本発明では、第1光出射手段からの光を照射される生体の被照射部位における静脈を流れる血液部分の温度変化を非血液部分の温度変化に影響を与えることなく第2光出射手段からの光による生体の被照射部位における血液部分の温度変化と略同一の周期で変化させることができる。ここで、第2光出射手段の光の変調周波数を第1光出射手段からの光の変調周波数よりも低くしたため、第1光出射手段からの光により発生する音波の大きさは、前記一定周波数と同一の周波数で変化すると共に、全体として前記一定周波数より低い周波数と同一の周波数で変化する。そして、音波検出手段は、前記一定周波数と同一の周波数で変化すると共に、全体として前記一定周波数より低い周波数と略同一の周波数で変化する音波を検出する。
このように、本発明では、第1光出射手段からの光を照射される生体の被照射部位における静脈を流れる血液部分の温度を第2光出射手段からの光により間接的に変化させることで、第1光出射手段からの光により血液部分で発生する音波のみを第2光出射手段からの光による生体の被照射部位の温度変化に応じて変化させることができる。そのため、本発明では、第1光出射手段からの光により生体で発生する音波について非血液部分で発生する音波の影響を小さくすることができる。従って、本発明では、血液の成分濃度を非侵襲で正確に測定することができる。
本発明の成分濃度測定装置において、前記第1光出射手段において、前記第1光出射手段から出射する光の光束の直径が前記静脈に流れる血液の流速を前記一定周波数より低い前記周波数で除算した値の半分以下の値であることが望ましい。
静脈に流れる血液の静脈に沿った温度変化の周期は、静脈に流れる血液の流速を前記一定周波数より低い前記周波数で除算した値となる。そのため、本発明では、第1光出射手段から出射する光の光束の直径が前記血液の流速を前記一定周波数より低い前記周波数で除算した値の半分以下の値とすることで、光束の直径内における血液の静脈での流れ方向に沿った温度変化を1/2周期以下とできる。そのため、第1光出射手段からの光により発生する音波の大きさが光束の直径分の血液の温度変化で平均化される割合を小さくすることができる。従って、本発明では、第1光出射手段からの光を照射される生体の被照射部位における血液部分で発生する音波について、前記一定周波数より低い周波数と同一の周波数で変化する変化量を大きくすることができ、血液の成分濃度の測定精度を向上させることができる。
本発明の成分濃度測定装置において、前記第2光出射手段は、前記第2光出射手段から出射する光の波長を前記静脈に流れる血液中のヘモグロビンの特徴的な吸収を呈する波長とすることが望ましい。
本発明では、第2光出射手段から出射する光の波長を血液中のヘモグロビンの特徴的な吸収を呈する波長とすることにより、第2光出射手段からの光を照射される生体の被照射部位における血液部分の温度を効率的に変化させることができる。そのため、本発明では、第1光出射手段からの光を照射される生体の被照射部位における血液部分で発生する音波の、前記一定周波数より低い周波数と同一の周波数で変化する変化量を大きくすることができる。従って、本発明では、血液の成分濃度の測定精度を向上させることができる。
本発明の成分濃度測定装置において、前記一定周波数の前記信号に同期して前記音波検出手段で検出された音波の振幅を検出する第1同期検波増幅器をさらに備えることが望ましい。
本発明では、第1同期検波増幅器が前記一定周波数の前記信号に同期して音波検出手段で検出された音波の振幅を検出することにより、音波検出手段からの音波から熱雑音を除去して高感度に音波の振幅を検出することができる。従って、本発明では、血液の成分濃度の測定精度を向上させることができる。
本発明の成分濃度測定装置において、前記第1同期検波増幅器で検出された音波を積分して前記検出された音波から前記一定周波数より低い前記周波数の周波数成分を取り出して出力する積分器をさらに備えることが望ましい。
本発明では、第1同期検波増幅器で熱雑音が除去された音波から積分器が前記一定周波数より低い前記周波数の周波数成分を取り出すことにより、取り出した音波の振幅を第1光出射手段からの光により発生する音波の大きさとして検出することができる。従って、本発明では、第1同期検波増幅器で熱雑音が除去された音波のうち前記一定周波数の周波数成分を除去して血液の成分濃度の測定精度を向上させることができる。
本発明の成分濃度測定装置において、前記静脈に流れる血液の流速に基づいて前記一定周波数より低い周波数の前記信号を遅延させた遅延信号を出力する遅延器と、前記遅延器から出力された遅延信号に同期して前記積分器から出力された音波の振幅を検出する第2同期検波増幅器をさらに備えることが望ましい。
第1光出射手段からの光の被照射部位における血液部分の温度変化は、第2光出射手段からの光の被照射部位における血液部分の温度変化に対して被照射部位間距離に応じた遅延時間差を有している。そのため、本発明では、遅延器が血液の流速に基づいて遅延させた遅延信号を出力し、第2同期検波増幅器が遅延信号に同期して積分器からの音波の振幅を検出することで積分器からの音波の波形と遅延信号との波形の時間軸を一致させることができる。そのため、第2同期検波増幅器において、積分器からの音波から熱雑音を除去して高感度に音波の振幅を検出することができる。従って、本発明では、血液の成分濃度の測定精度を向上させることができる。
本発明の成分濃度測定装置において、前記遅延器は、前記第1光出射手段からの光を照射される前記生体の被照射部位と前記第2光出射手段からの光を照射される前記生体の被照射部位との間の前記静脈の長さを前記静脈に流れる血液の流速と前記一定周波数より低い前記周波数との乗算値で除算した値のnπ倍から±π/4の範囲内で前記一定周波数より低い周波数の前記信号を遅延させることが望ましい。
本発明では、遅延器での遅延時間を、静脈の長さを静脈に流れる血液の流速と前記一定周波数より低い前記周波数との乗算値で除算した値のnπ倍から±π/4の範囲内とすることにより、積分器からの音波の波形と遅延信号の波形の時間を妥当な範囲内で一致させることができる。従って、本発明では、血液の成分濃度の測定精度を高精度に維持することができる。
本発明の成分濃度測定装置において、前記一定周波数の前記信号及び前記一定周波数よりも低い周波数の前記信号の周波数の値が互いに10倍以上異なることが望ましい。
本発明では、前記一定周波数の前記信号及び前記一定周波数よりも低い周波数の前記信号の周波数の値を互いに10倍以上異なったものとすることにより、第1光出射手段からの光により発生する音波から前記一定周波数の周波数成分及び前記一定周波数より低い前記周波数の周波数成分を十分に分離させることができる。従って、本発明では、液体又は血液の成分濃度の測定精度を高精度に維持することができる。
本発明の成分濃度測定装置において、前記第1光出射手段は、異なる2波長の光を前記一定周波数で逆位相の信号により電気的に強度変調し1つの光束になるように合波して出射することが望ましい。
本発明では、光出射手段は、異なる2波長の光、即ち、第1の光の波長及び第2の光の波長を、前述の測定原理に従って液体又は血液の測定対象の成分及び水の吸光度特性から選定された波長λ及び波長λとする。さらに、光出射手段は第1の光及び第2の光の各々を同一周波数で逆位相の信号により電気的に強度変調して出射する。このように出射した第1の光及び第2の光が生体又は液体に照射されると光を照射された生体又は液体から音波が発生し、音波検出手段は、光を照射された生体又は液体から発生する音波を検出する。ここで、音波検出手段により測定される音波は前述の第1の光により発生する第1の音波と第2の光により発生する第2の音波の差の音波が前記一定周波数より低い前記周波数と同一の周波数で変化したものである。従って、本発明では、数式(8)における(Δs−Δs)を検出することができ、成分濃度を算出することが可能となる。
本発明に係る成分濃度測定装置制御方法は、第1光出射手段が光を一定周波数の信号により電気的に強度変調し、光透過性管の内部に流れる液体に向けて出射し、第2光出射手段が他の光を前記一定周波数より低い周波数の信号により電気的に強度変調し、前記第1光出射手段からの光を照射される前記液体の被照射位置よりも前記光透過性管に沿って上流側の前記液体に向けて出射し、音波検出手段が前記第1光出射手段からの光により前記液体で発生する音波を検出する音波検出手順を有する。
本発明では、第1光出射手段は、光を一定周波数の信号により電気的に強度変調して光透過性管の内部に流れる液体に向けて出射する。また、第2光出射手段は、他の光を前記一定周波数より低い周波数の信号により電気的に強度変調し、第1光出射手段からの光を照射される液体の被照射位置よりも光透過性管に沿って上流側の液体に向けて出射する。第1光出射手段から出射した光が液体に照射されると液体の被照射位置から音波が発生する。一方、第2光出射手段から出射した光が液体に照射されると液体の被照射位置での温度が上昇する。ここで、第1光出射手段からの光により発生する音波の大きさは、前記一定周波数と同一の周波数で変化する。また、第2光出射手段からの光による被照射位置での液体の温度変化は、前記一定周波数より低い周波数と同一の周波数で変化する。
第2光出射手段からの光による液体の温度変化は、液体の流れと共に下流側に伝搬する。つまり、本発明では、第1光出射手段からの光を照射される液体の被照射位置での温度変化を液体以外の温度変化に影響を与えることなく第2光出射手段からの光による被照射位置での液体の温度変化と略同一の周期で変化させることができる。ここで、第2光出射手段の光の変調周波数を第1光出射手段からの光の変調周波数よりも低くしたため、第1光出射手段からの光により発生する音波の大きさは、前記一定周波数と同一の周波数で変化すると共に、全体として前記一定周波数より低い周波数と同一の周波数で変化する。そして、音波検出手段は、前記一定周波数と同一の周波数で変化すると共に、全体として前記一定周波数より低い周波数と略同一の周波数で変化する音波を検出する。
このように、本発明では、第1光出射手段からの光を照射される液体の被照射位置での温度を第2光出射手段からの光により間接的に変化させることで、第1光出射手段からの光により液体の被照射位置で発生する音波のみを第2光出射手段からの光による液体の被照射部位の温度変化に応じて変化させることができる。従って、本発明では、第1光出射手段からの光により液体以外で発生する音波の影響を小さくすることができ、液体の成分濃度を非接触で正確に測定することができる。
本発明の成分濃度測定装置制御方法において、前記音波検出手順において前記第1光出射手段は、前記第1光出射手段から出射する光の光束の直径を、前記液体の流速を前記一定周波数より低い前記周波数で除算した値の半分以下となる値とすることが望ましい。
光透過性管内に流れる液体の光透過性管に沿った温度変化の周期は、光透過性管内に流れる液体の流速を前記一定周波数より低い前記周波数で除算した値となる。そのため、本発明では、第1光出射手段から出射する光の光束の直径が前記液体の流速を前記一定周波数より低い前記周波数で除算した値の半分以下の値とすることで、光束の直径内における液体の光透過性管での流れ方向に沿った温度変化を1/2周期以下とできる。そのため、第1光出射手段からの光により発生する音波の大きさが光束の直径分の液体の温度変化で平均化される割合を小さくすることができる。従って、本発明では、第1光出射手段からの光により液体で発生する音波について、前記一定周波数より低い周波数と同一の周波数で変化する変化量を大きくすることができ、液体の成分濃度の測定精度を向上させることができる。
本発明の成分濃度測定装置制御方法において、前記音波検出手順において前記第2光出射手段は、前記第2光出射手段から出射する光の波長を測定対象とする液体成分の特徴的な吸収を呈する波長とすることが望ましい。
本発明では、第2光出射手段から出射する光の波長を測定対象とする液体成分の特徴的な吸収を呈する波長とすることにより、第2光出射手段からの光による液体の被照射位置での温度を効率的に変化させることができる。そのため、本発明では、第1光出射手段からの光により液体で発生する音波の、前記一定周波数より低い周波数と同一の周波数で変化する振幅を大きくすることができる。従って、本発明では、液体の成分濃度の測定精度を向上させることができる。
本発明の成分濃度測定装置制御方法において、第1同期検波増幅器が前記音波検出手順において前記音波検出手段で検出された音波の振幅を前記一定周波数の前記信号に同期して検出する第1同期検波手順をさらに有することが望ましい。
本発明では、第1同期検波増幅器が前記一定周波数の前記信号に同期して音波検出手段で検出された音波の振幅を検出することにより、音波検出手段からの音波から熱雑音を除去して高感度に音波の振幅を検出することができる。
本発明の成分濃度測定装置制御方法において、積分器が前記第1同期検波手順において前記第1同期検波増幅器で検出された音波を積分して前記検出された音波から前記一定周波数より低い前記周波数の周波数成分を取り出して出力する積分手順をさらに有することが望ましい。
本発明では、第1同期検波増幅器で熱雑音が除去された音波から積分器が前記一定周波数より低い前記周波数の周波数成分を取り出すことにより、取り出した音波の振幅を第1光出射手段からの光により発生する音波の大きさとして検出することができる。従って、本発明では、第1同期検波増幅器で熱雑音が除去された音波のうち前記一定周波数の周波数成分を除去して液体の成分濃度の測定精度を向上させることができる。
本発明の成分濃度測定装置制御方法において、遅延器が前記一定周波数より低い周波数の前記信号を前記液体の流速に基づいて遅延させた遅延信号を出力すると共に、前記積分手順において前記積分器から出力された音波の振幅を前記遅延器から出力された遅延信号に同期して検出する第2同期検波手順をさらに有することが望ましい。
第1光出射手段からの光による被照射位置での液体の温度変化は、第2光出射手段からの光による被照射位置での液体の温度変化に対して被照射位置間距離に応じた遅延時間差を有している。そのため、本発明では、遅延器が液体の流速に基づいて遅延させた遅延信号を出力し、第2同期検波増幅器が遅延信号に同期して積分器からの音波の振幅を検出することで積分器からの音波の波形と遅延信号との波形の時間軸を一致させることができる。そのため、第2同期検波増幅器において、積分器からの音波から熱雑音を除去して高感度に音波の振幅を検出することができる。従って、本発明では、液体の成分濃度の測定精度を向上させることができる。
本発明の成分濃度測定装置制御方法において、前記第2同期検波手順において前記遅延器は、前記第1光出射手段からの光を照射される前記光透過性管の被照射位置と前記第2光出射手段からの光を照射される前記光透過性管の被照射位置との間の前記液体の流れる長さを前記液体の流速と前記一定周波数より低い前記周波数との乗算値で除算した値のnπ倍から±π/4の範囲内に前記一定周波数より低い前記周波数の信号を遅延させることが望ましい。
本発明では、遅延器での遅延時間を液体の流れる長さを液体の流速と前記一定周波数より低い前記周波数との乗算値で除算した値のnπ倍から±π/4の範囲内とすることにより、積分器からの音波の波形と遅延信号の波形の時間を妥当な範囲内で一致させることができる。従って、本発明では、液体の成分濃度の測定精度を高精度に維持することができる。
本発明に係る成分濃度測定装置制御方法は、第1光出射手段が光を一定周波数の信号により電気的に強度変調して生体の静脈に向けて出射し、第2光出射手段が他の光を前記一定周波数より低い周波数の信号により電気的に強度変調し、前記第1光出射手段からの光を照射される前記静脈の被照射部位よりも前記静脈に沿って上流側の前記静脈に向けて出射し、前記音波検出手段が前記第1光出射手段からの光により前記生体で発生する音波を検出する音波検出手順を有する。
本発明では、第1光出射手段は、光を一定周波数の信号により電気的に強度変調して生体の静脈に向けて出射する。また、第2光出射手段は、他の光を前記一定周波数より低い周波数の信号により電気的に強度変調し、第1光出射手段からの光を照射される静脈の被照射部位よりも静脈に沿って上流側の静脈に向けて出射する。第1光出射手段から出射した光が生体に照射されると生体の被照射部位から音波が発生する。一方、第2光出射手段から出射した光が生体に照射されると生体の被照射部位の温度が上昇する。ここで、第1光出射手段からの光により発生する音波の大きさは、前記一定周波数と同一の周波数で変化する。また、第2光出射手段からの光を照射される被照射部位の血液部分の温度変化は、前記一定周波数より低い周波数と同一の周波数で変化する。
第2光出射手段からの光による生体の温度変化のうち静脈を流れる血液部分の温度変化は、血液の流れと共に下流側に伝搬する。つまり、本発明では、第1光出射手段からの光を照射される生体の被照射部位における静脈を流れる血液部分の温度変化を非血液部分の温度変化に影響を与えることなく第2光出射手段からの光による生体の被照射部位における血液部分の温度変化と略同一の周期で変化させることができる。ここで、第2光出射手段の光の変調周波数を第1光出射手段からの光の変調周波数よりも低くしたため、第1光出射手段からの光により発生する音波の大きさは、前記一定周波数と同一の周波数で変化すると共に、全体として前記一定周波数より低い周波数と同一の周波数で変化する。そして、音波検出手段は、前記一定周波数と同一の周波数で変化すると共に、全体として前記一定周波数より低い周波数と略同一の周波数で変化する音波を検出する。
このように、本発明では、第1光出射手段からの光を照射される生体の被照射部位における静脈を流れる血液部分の温度を第2光出射手段からの光により間接的に変化させることで、第1光出射手段からの光により血液部分で発生する音波のみを第2光出射手段からの光による生体の被照射部位の温度変化に応じて変化させることができる。そのため、本発明では、第1光出射手段からの光により生体で発生する音波について非血液部分で発生する音波の影響を小さくすることができる。従って、本発明では、血液の成分濃度を非侵襲で正確に測定することができる。
本発明の成分濃度測定装置制御方法において、前記音波検出手順において前記第1光出射手段は、前記第1光出射手段から出射する光の光束の直径を、前記静脈に流れる血液の流速を前記一定周波数より低い前記周波数で除算した値の半分以下となる値とすることが望ましい。
静脈に流れる血液の静脈に沿った温度変化の周期は、静脈に流れる血液の流速を前記一定周波数より低い前記周波数で除算した値となる。そのため、本発明では、第1光出射手段から出射する光の光束の直径が前記血液の流速を前記一定周波数より低い前記周波数で除算した値の半分以下の値とすることで、光束の直径内における血液の静脈での流れ方向に沿った温度変化を1/2周期以下にできる。そのため、第1光出射手段からの光により発生する音波の大きさが光束の直径分の血液の温度変化で平均化される割合を小さくすることができる。従って、本発明では、第1光出射手段からの光を照射される生体の被照射部位における血液部分で発生する音波について、前記一定周波数より低い周波数と同一の周波数で変化する変化量を大きくすることができ、血液の成分濃度の測定精度を向上させることができる。
本発明の成分濃度測定装置制御方法において、前記音波検出手順において前記第2光出射手段は、前記第2光出射手段から出射する光の波長を前記静脈に流れる血液中のヘモグロビンの特徴的な吸収を呈する波長とすることが望ましい。
本発明では、第2光出射手段から出射する光の波長を血液中のヘモグロビンの特徴的な吸収を呈する波長とすることにより、第2光出射手段からの光を照射される生体の被照射部位における血液部分の温度を効率的に変化させることができる。そのため、本発明では、第1光出射手段からの光を照射される生体の被照射部位における血液部分で発生する音波の、前記一定周波数より低い周波数と同一の周波数で変化する変化量を大きくすることができる。従って、本発明では、血液の成分濃度の測定精度を向上させることができる。
本発明の成分濃度測定装置制御方法において、第1同期検波増幅器が前記音波検出手順において前記音波検出手段で検出された音波の振幅を前記一定周波数の信号に同期して検出する第1同期検波手順をさらに有することが望ましい。
本発明では、第1同期検波増幅器が前記一定周波数の前記信号に同期して音波検出手段で検出された音波の振幅を検出することにより、音波検出手段からの音波から熱雑音を除去して高感度に音波の振幅を検出することができる。従って、本発明では、血液の成分濃度の測定精度を向上させることができる。
本発明の成分濃度測定装置制御方法において、積分器が前記第1同期検波手順において前記第1同期検波増幅器で検出された音波を積分して前記検出された音波から前記一定周波数より低い前記周波数の周波数成分を取り出して出力する積分手順をさらに有することが望ましい。
本発明では、第1同期検波増幅器で熱雑音が除去された音波から積分器が前記一定周波数より低い前記周波数の周波数成分を取り出すことにより、取り出した音波の振幅を第1光出射手段からの光により発生する音波の大きさとして検出することができる。従って、本発明では、第1同期検波増幅器で熱雑音が除去された音波のうち前記一定周波数の周波数成分を除去して血液の成分濃度の測定精度を向上させることができる。
本発明の成分濃度測定装置制御方法において、遅延器が前記一定周波数より低い周波数の前記信号を前記静脈に流れる血液の流速に基づいて遅延させた遅延信号を出力すると共に、第2同期検波増幅器が前記積分手順において前記積分器から出力された音波の振幅を前記遅延器から出力された遅延信号に同期して検出する第2同期検波手順をさらに有することが望ましい。
第1光出射手段からの光の被照射部位における血液部分の温度変化は、第2光出射手段からの光の被照射部位における血液部分の温度変化に対して被照射部位間距離に応じた遅延時間差を有している。そのため、本発明では、遅延器が血液の流速に基づいて遅延させた遅延信号を出力し、第2同期検波増幅器が遅延信号に同期して積分器からの音波の振幅を検出することで積分器からの音波の波形と遅延信号との波形の時間軸を一致させることができる。そのため、第2同期検波増幅器において、積分器からの音波から熱雑音を除去して高感度に音波の振幅を検出することができる。従って、本発明では、血液の成分濃度の測定精度を向上させることができる。
本発明の成分濃度測定装置制御方法において、前記第2同期検波手順において前記遅延器は、前記第1光出射手段からの光を照射される前記生体の被照射部位と前記第2光出射手段からの光を照射される前記生体の被照射部位との間の前記静脈の長さを前記静脈に流れる血液の流速と前記一定周波数より低い前記周波数との乗算値で除算した値のnπ倍から±π/4の範囲内で前記一定周波数より低い前記周波数の信号を遅延させることが望ましい。
本発明では、遅延器での遅延時間を、静脈の長さを静脈を流れる血液の流速と前記一定周波数より低い前記周波数との乗算値で除算した値のnπ倍から±π/4の範囲内とすることにより、積分器からの音波の波形と遅延信号の波形の時間を妥当な範囲内で一致させることができる。従って、本発明では、血液の成分濃度の測定精度を高精度に維持することができる。
本発明の成分濃度測定装置制御方法において、前記音波検出手順において前記第1光出射手段及び前記第2光出射手段は、前記一定周波数の前記信号及び前記一定周波数より低い周波数の前記信号の周波数の値が互いに10倍以上異なるようにすることが望ましい。
本発明では、前記一定周波数の前記信号及び前記一定周波数よりも低い周波数の前記信号の周波数の値を互いに10倍以上異なったものとすることにより、第1光出射手段からの光により発生する音波から前記一定周波数の周波数成分及び前記一定周波数より低い前記周波数の周波数成分を十分に分離させることができる。従って、本発明では、液体又は血液の成分濃度の測定精度を高精度に維持することができる。
本発明の成分濃度測定装置制御方法において、前記音波検出手順において前記第1光出射手段は、異なる2波長の光を前記一定周波数で逆位相の信号により電気的に強度変調し1つの光束に合波して出射することが望ましい。
本発明では、光出射手段は、異なる2波長の光、即ち、第1の光の波長及び第2の光の波長を、前述の測定原理に従って液体又は血液の測定対象の成分及び水の吸光度特性から選定された波長λ及び波長λとする。さらに、光出射手段は第1の光及び第2の光の各々を同一周波数で逆位相の信号により電気的に強度変調して出射する。このように出射した第1の光及び第2の光が生体又は液体に照射されると光を照射された生体又は液体から音波が発生し、音波検出手段は、光を照射された生体又は液体から発生する音波を検出する。ここで、音波検出手段により測定される音波は前述の第1の光により発生する第1の音波と第2の光により発生する第2の音波の差の音波が前記一定周波数より低い前記周波数と同一の周波数で変化したものである。従って、本発明では、数式(8)における(Δs−Δs)を検出することができ、成分濃度を算出することが可能となる。
本発明の成分濃度測定装置及び成分濃度測定装置制御方法は、光を照射される生体の静脈に流れる血液部分で発生する音波又は光透過性管を流れる液体で発生する音波を、光を照射される生体の非血液部分で発生する音波、又は光を照射される液体以外で発生する音波から分離して検出して成分濃度の測定精度を向上させることができる。
添付の図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
以下の実施形態は本発明の構成の例であり、生体である被検体の成分濃度を測定する場合の実施の形態であるが、本発明は、以下の実施の形態に制限されるものではない。また、生体又は生体の静脈を、例えばガラス管等の光透過性管に代え、生体の静脈を流れる血液を光透過性管内に流れる液体に代えることにより、以下の実施形態の構成は、そのまま光透過性管内を流れる液体の成分濃度を測定する成分濃度測定装置として適用することができる。また、以下の実施形態に係る成分濃度測定装置の構成を示す図2において、電源などの周知技術により実現できる部分は図示していない。
本実施形態に係る成分濃度測定装置について説明する。
図2に、本実施形態に係る成分濃度測定装置の概略構成図を示す。
図2において、成分濃度測定装置10は、第1光出射手段の一部としての発振器101、駆動回路102、第1の光源103、180°移相回路104、駆動回路105、第2の光源106及び合波部107と、第2光出射手段の一部としての発振器111、駆動回路112、第3の光源113及び反射鏡114と、音波検出手段の一部としての音波検出部116と、第1同期検波増幅器としての位相検波増幅部117と、積分器118、遅延器115と、第2同期検波増幅器としての位相検波増幅部119と、成分濃度算出部120と、を備える。
発振器101は、第1の光源103及び第2の光源106から出力される2波長の光を強度変調するため、一定周波数の変調信号を出力する。180°移相回路104は発振器101からの変調信号のうち一方を反転して出力する。
駆動回路102は、発振器101からの変調信号を基に第1の光源103を駆動させる。また、駆動回路105は、180°移相回路104で反転された変調信号を基に第2の光源106を駆動させる。第1の光源103は、異なる2波長の光のいずれか一方を駆動回路102からの信号により強度変調して波長λの第1の光を出力し、第2の光源106は、他方の光を駆動回路105からの信号により強度変調して波長λの第2の光を出力する。これにより、第1の光源103及び第2の光源106は、異なる2波長の光のそれぞれを同一周波数で逆位相の信号により電気的に強度変調して出力することができる。また、第1の光源103又は第2の光源106のいずれか一方の光の出射を停止させれば、第1の光源103又は第2の光源106は、異なる2波長の光のうち所定の1波長の光のみを出射することができる。
ここで、第1の光源103及び第2の光源106は、例えば半導体レーザを適用することができ、ヒーター又はペルチェ素子で加熱又は冷却することにより発生する光の波長を変化させることができる。また、第1の光源103及び第2の光源106は、後述するように出射する光の光束の直径を被検体2の静脈3に流れる血液の流速を発振器111からの信号の周波数で除算した値の半分以下の値とすることが望ましい。また、本実施形態では、発振器101から矩形波信号を出力することとし、半導体レーザ光源である第1の光源103及び第2の光源106の各々を駆動回路102、105を介して同一周波数で互いに逆位相の矩形波信号により直接変調する。このように、2つの半導体レーザ光源の各々を同一周波数で互いに逆位相の矩形波信号により直接変調することにより、異なる2波長の光を発生し同時に変調することが可能であり、装置構成を簡略化できる。
合波部107は、第1の光源103からの光と第2の光源106からの光とを例えばハーフミラーにより合波して被検体2の静脈3に向けて出射する。
発振器111は、第3の光源113から出力される1波長の光を強度変調するための変調信号を出力する。この信号は、発振器101からの信号の周波数より低くする。ここで、発振器101及び発振器111から出力する信号の周波数は、後述するように互いに10倍以上異なることが望ましい。
駆動回路112は、発振器111からの変調信号を基に第3の光源113を駆動させる。第3の光源113は、1波長の光を駆動回路112からの信号により強度変調して出力する。ここで、駆動回路113からの信号の周波数は、第1の光源103及び第2の光源107からの光を変調する信号の周波数より低い周波数とする。
第3の光源113は、例えば半導体レーザを適用することができ、ヒーター又はペルチェ素子で加熱又は冷却することにより発生する光の波長を変化させることができる。また、第3の光源113からの光の波長は、後述するように被検体2の静脈3に流れる血液中のヘモグロビンの特徴的な吸収を呈する波長とすることが望ましい。また、本実施形態では、発振器111から矩形波信号を出力することとし、半導体レーザ光源である第3の光源113を駆動回路112を介して矩形波信号により直接変調する。
反射鏡114は、第3の光源113からの光を反射し被検体2の静脈3に向けて出射する。成分濃度測定装置10は、反射鏡114の角度を変えて光の出射方向を変えることにより、静脈3の形状が複雑であっても静脈3の形状に応じて光を静脈3に向けて出射することが可能である。ここで、成分濃度測定装置10は、第3の光源113からの光を第1の光源103及び第2の光源106からの光を照射される静脈3の被照射部位よりも静脈3に沿って上流側の静脈3に向けて出射する。成分濃度測定装置10は、第3の光源113からの光を静脈3の上流側に照射することで、第3の光源113からの光により、被検体2の被照射部位における静脈3内の血液部分の温度は、変化する。そして、被照射部位における血液部分の温度変化は、血液の流れ4に従って下流側に伝搬することとなる。そのため、成分濃度測定装置10は、第1の光源103及び第2の光源106からの光を照射される被検体2の被照射部位における血液部分のみの温度を変化させることができる。
ここで、被検体2の成分濃度の具体的な測定方法について、図1、図2及び図3を参照して説明する。
図3は、第1の光及び第2の光により被検体で発生する音波の概略を示した図である。
図3において、図面上段から順に第3の光による血液の温度変化42、第1の光により被検体2で発生する音波43、第2の光により被検体2で発生する音波44、並びに第1の光及び第2の光により発生する音波の総和45を示している。
図2の第1の光源103及び第2の光源106からの第1の光及び第2の光の各光は、独立に音波を発生するものと考える。音波についての線形の重畳は、Helmholtz方程式の線形性より既に保証されているからである。従って、第1の光源103及び第2の光源106から第1の光及び第2の光を被検体2に照射すると、第1の光及び第2の光の各光は、図3の第二段に示す第1の光による音波43、及び第三段に示す第2の光による音波44をそれぞれ発生させる。音波43及び音波44の周波数は、発振器101からの信号の周波数に基づいたものとなる。つまり、第1の光源103及び第2の光源106において光を強度変調する信号の周波数である。更に図2の第3の光源113からの第3の光による静脈3の上流側での被検体2の温度変化は、静脈3の流れ4に従って下流側に伝搬するため、第1の光及び第2の光を照射される被検体2の被照射部位の血液部分に図3の第一段に示す温度変化42を生じさせる。ここで、温度変化42の周波数は、発振器111からの信号の周波数に基づいたものとなる。つまり、第3の光源113において光を強度変調する信号の周波数である。このように、第1の光及び第2の光を照射される被検体2の被照射部位の血液部分の温度のみが変化し、第1の光及び第2の光により発生する音波の総和は、図3の第4段に示すように温度変化42による変調を受けることとなる。
そして、音波の総和45における第一ピーク値と第二ピーク値の差からΔsが得られる。また、第一谷値と第二谷値の差からΔsが得られ、数式(8)から成分濃度Mを算出できる。また、温度上昇時の信号振幅はAs−Asに対応し、温度下降時の信号振幅はs−sに対応することから、両者の差をとることで、Δs―Δsを得ることもできる。あるいは、信号Δs、Δsを得るために、波長λまたはλ の光のみの照射下で、音波を測定してもよい。この場合、第1の光源103の波形を保ったまま、第2の光源106の出力を零とする。これは、合波部107の入力部の前に、第1の光源103若しくは第2の光源106の出力光を機械的なシャッターで遮るか、或いは、駆動回路102若しくは駆動回路105の出力を第1の光源103若しくは第2の光源106の発振閾値以下に落とすことにより実現できる。
このように、成分濃度測定装置10は、図2の第3の光源113からの光を第1の光源103からの第1の光及び第2の光源106からの第2の光による被検体2の被照射部位に対して静脈3の上流側の静脈3に照射することで、第1の光及び第2の光による被検体2の被照射部位と第3の光による被検体2の被照射部位との位置を互いに離すことができる。これにより、図2の第3の光源113からの第3の光により、第3の光による被照射部位における血液部分の温度のみを変化させることができる。第3の光による被照射部位における血液部分は静脈3の流れ4に従って下流側に流れるため、結果として、成分濃度測定装置10は、第3の光を出射することにより、第1の光および第2の光による被検体2の被照射部位における非血液部分の温度に影響を与えることなく当該被照射部位における血液部分の温度のみを間接的に変化させることができる。そのため、第1の光源103及び第2の光源106からの第1の光及び第2の光により第1の光及び第2の光による被照射部位における血液部分で発生する音波のみを第3の光の被照射部位の血液部分の温度変化に応じて変化させることができ、第1の光源103及び第2の光源106からの光により被検体2で発生する音波について非血液部分で発生する音波の影響を小さくすることができる。従って、血液の成分濃度を非侵襲で正確に測定することができる。
成分濃度Mを算出するため、図2の音波検出部116は、被検体2で発生する図3の音波の総和45を検出し、音波の振幅に比例した電気信号を出力する。位相検波増幅部117は、音波検出部116からの電気信号を発振器101からの変調信号により同期検波し、音圧に比例する電気信号を出力する。このようにして、音波検出部116及び位相検波増幅部117は、音波の大きさを測定する。成分濃度測定装置10では、音波を変調周波数に同期した同期検波により検出することにより、音波検出部116からの音波から熱雑音を除去して高感度に音波の振幅を検出することができる。そのため、血液の成分濃度の測定精度を向上させることができる。
ここで、被検体2と音波検出部116との間に被検体2で発生する音波の伝達効率を高めるための音響整合物質を設けることとしてもよい。また、音波検出部116と位相検波増幅部117との間にフィルタを設けてもよい。第1の光源103及び第2の光源106からの光を照射される被検体2の被照射部位と第3の光源113からの光を照射される被検体2の被照射部位との距離が近いと、音波検出部116は、第3の光源113からの光により被検体2で発生する音波をも検出しうる。そのため、音波検出部116と位相検波増幅部117との間にフィルタを設けることで、成分濃度測定装置10は、音波検出部116からの信号から第3の光により発生する音波の信号成分を除去することができる。
積分器118は、位相検波増幅部117からの音波を積分して発振器111からの信号の周波数の周波数成分を取り出して出力する。成分濃度測定装置10は、位相検波増幅部117で熱雑音が除去された音波から積分器118で駆動回路112からの信号の周波数の周波数成分を取り出すことにより、取り出した音波の振幅を第1又は第2の光により発生する音波の大きさとして検出することができる。つまり、図3で説明した音波の総和45のうち波形の極大値の包絡線を取り出すことでΔsを検出でき、極小値の包絡線を取り出すことでΔsを検出できる。従って、位相検波増幅部117で熱雑音が除去された音波のうち駆動回路112からの信号の周波数と同一の周波数成分を除去して血液の成分濃度の測定精度を向上させることができる。
遅延器115は、発振器111からの信号を静脈3に流れる血液の流速に基づいて遅延させた遅延信号を出力する。また、位相検波増幅部119は、積分器118からの音波を遅延器115からの遅延信号に同期検波し、音圧に比例する電気信号を出力する。
ここで、図4に第1の光、第2の光及び第3の光を照射される被検体の拡大概略図を示す。
図4の第1の光及び第2の光を照射される被検体2の被照射部位7の血液部分9での血液の温度変化は、第3の光の被照射部位8での血液部分5の温度変化に対して被照射部位間距離20に応じて被照射部位8の血液部分5の血液が被照射部位7の血液部分9まで流れる時間分の遅延時間差を有する。そのため、図2の成分濃度測定装置10は、遅延器115が血液の流速に基づいて遅延させた遅延信号を出力し、位相検波増幅部119が遅延信号に同期して積分器118からの音波の振幅を検出することで積分器118からの音波の波形と遅延信号との波形の時間軸を一致させることができる。そのため、位相検波増幅部119において、積分器118からの音波から熱雑音を除去して高感度に音波の振幅を検出することができ、血液の成分濃度の測定精度を向上させることができる。
ここで、遅延器115は、図4の第1の光及び第2の光を照射される被検体2の被照射部位7と第3の光を照射される被検体2の被照射部位8との間の静脈3の長さである被照射部位間距離20を静脈3に流れる血液の流速と図2の発振器111からの信号の周波数との乗算値で除算した値のnπ倍から±π/4の範囲内で発振器111からの信号を遅延させることが望ましい。図2の成分濃度測定装置10は、遅延器115での遅延時間を、被照射部位間距離20を静脈3に流れる血液の流速と図2の発振器111からの信号の周波数との乗算値で除算した値のnπ倍から±π/4の範囲内で発振器111からの信号を遅延させることにより、積分器118からの音波の波形と遅延信号の波形の時間を妥当な範囲内で一致させることができ、血液の成分濃度の測定精度を高精度に維持することができる。
成分濃度算出部120は、位相検波増幅部119で検出したΔs及びΔsを記憶しておき、予め用意した前述の数式(8)から成分濃度を算出する。成分濃度測定装置10は、第1の光源103及び第2の光源106を備え、光の強度を反転させて同時に出射するため、成分濃度算出部120において前述の測定原理に従って(Δs−Δs)÷Δsの演算を実行して、測定対象の成分濃度を算出することができる。
次に、本実施形態に係る成分濃度測定装置10の制御方法について図2、図3及び図4を参照して説明する。
本実施形態に係る成分濃度測定装置10の制御方法では、成分濃度測定装置10の第1の光源103及び第2の光源106は、異なる2波長の光、即ち、第1の光の波長及び第2の光の波長を、前述の測定原理に従って被検体2の測定対象の成分及び水の吸光度特性から選定された波長λ及び波長λとする。例えば、第1の光源103および第2の光源106の各々の波長は、一方の光の波長を測定対象とする成分が特徴的な吸収を呈する波長とし、他方の光の波長を水が一方の光の波長におけるのと相等しい吸収を呈する波長とする。ここで、前述のように測定対象とする成分をグルコース又はコレステロールとした場合には、グルコース又はコレステロールの特徴的な吸収を示す波長を照射することによって、グルコース又はコレステロールの濃度を精度よく測定することができる。一方、各々の波長は、測定対象とする成分の呈する吸収の差が水の呈する吸収の差よりも大きい2波長の光の波長とすることとしてもよい。さらに、測定対象とする成分の呈する吸収の差がそれ以外の成分の呈する吸収の差よりも大きい2波長とすることとしてもよい。これにより、水や測定対象とする成分以外の成分による吸収の影響を少なくして成分濃度測定の測定精度を良くすることができる。
また、第1の光源103及び第2の光源106は、第1の光源103及び第2の光源106からの2波長の光を1の光束に合波し水に照射して発生する音波の圧力が零になるように2波長の光の各々の相対的な強度を調整することが望ましい。異なる2波長の光を被検体に照射して発生する音波の圧力は、前述のように前記1波の光が被検体内に発生する測定対象の成分と水の混在した状態の全吸収に対応する音波の圧力と、他の1波の光が被検体内の大部分を占める水のみが発生する音波の圧力の差となって検出される。そのため、この差の値が零となるように異なる2波長の光の相対的な強度を校正すると成分濃度の測定精度を向上させることができる。
一方、第3の光源113からの光の波長は、被検体2の静脈3に流れる血液中のヘモグロビンの特徴的な吸収を呈する波長とすることが望ましい。成分濃度測定装置10は、第3の光源113から出射する光の波長を血液中のヘモグロビンの特徴的な吸収を呈する波長とすることにより、血液の温度を効率的に変化させることができる。そのため、第1の光源103及び第2の光源106からの光により血液で発生する音波について、図3の温度変化42に基づく周波数で変化する変化量を大きくすることができ、血液の成分濃度の測定精度を向上させることができる。
そして、成分濃度測定装置10は、音波検出手順として次の動作を行う。つまり、駆動回路102は、発振器101からの信号に基づいて変調信号を出力し、駆動回路105は、発振器101から180°移相回路104を介して出力される反転した信号に基づいて変調信号を出力する。第1の光源103及び第2の光源106は、波長λの第1の光及び波長λの第2の光を駆動回路102、105からの同一周波数で逆位相の信号により電気的に強度変調して合波部107を介して被検体2の静脈3に向けて出射する。また、駆動回路112は、発振器111からの信号に基づいて変調信号を出力する。第3の光源113は、他の光を駆動回路112からの信号により電気的に強度変調し、第1の光及び第2の光を照射される図4の静脈3の被照射部位7よりも静脈3に沿って上流側の静脈3に向けて反射鏡114を介して出射する。
ここで、発振器101及び発振器111から出力する信号の周波数は、互いに10倍以上異なることが望ましい。本実施形態の成分濃度測定装置10の制御方法では、発振器101及び発振器111から出力する信号の周波数を互いに10倍以上異なったものとすることにより、音波の大きさを測定する際に第1の光及び第2の光により発生する音波から発振器111からの信号の周波数の周波数成分を十分に分離させることができる。従って、本発明では、血液の成分濃度の測定精度を高精度に維持することができる。
また、駆動回路102、105は、第1の光源103及び第2の光源106からの2波長の光により発生する音波の検出に関わる共鳴周波数と同一の周波数で変調することが望ましい。異なる2波長の光の各々を電気的に強度変調する変調周波数を、被検体2内に発生する音波の検出に関わる共鳴周波数と同一の周波数で変調することにより、音波検出部116は、音波の測定値における吸収係数に関わる非線形性に配慮して選択された異なる2波長の光に対する音波を測定し、これらの測定値から、一定に保ち難い多数のパラメータの影響を排除して、高精度に被検体2内に発生する音波を検出することができる。
また、第1の光源103及び第2の光源106は、図4に示すように、出射する光の光束の直径22を静脈3に流れる血液の流速を図2の発振器111からの信号の周波数で除算した値の半分以下の値とすることが望ましい。図4の静脈3に流れる血液の静脈3に沿った温度変化41の拡がり21は、静脈3に流れる血液の流速を発振器111からの信号の周波数で除算した値となる。そのため、第1の光源103及び第2の光源106から出射する光の光束の直径22を温度変化41の拡がり21の半分以下の値とすることで、光束の直径22内における血液の静脈3の流れ4方向に沿った温度変化41を1/2周期以下にできる。そのため、図2の第1の光源103及び第2の光源106からの光により発生する音波の大きさが図4の光束の直径22分の血液の温度変化で平均化される割合を小さくすることができる。従って、本実施形態の成分濃度測定装置10の制御方法では、第1の光源103及び第2の光源106からの光により血液で発生する音波について、図3の温度変化42に基づく周波数で変化する変化量を大きくすることができ、血液の成分濃度の測定精度を向上させることができる。
音波検出部116は、第1の光及び第2の光により被検体2で発生する音波を検出する。
本実施形態の成分濃度測定装置10の制御方法では、図2の第3の光源113からの光を第1の光源103及び第2の光源106からの光を照射される図4の被検体2の被照射部位7に対して静脈3の上流側の静脈3に照射することにより、第1の光及び第2の光による被照射部位7と第3の光による被照射部位8との位置を互いに離す。これにより、図2の第3の光源113からの第3の光は、図4の被照射部位8における血液部分5の温度のみを変化させることができる。被照射部位8における血液部分5は静脈3の流れ4に従って下流側に流れるため、結果として、成分濃度測定装置10の制御方法では、第3の光を出射することにより、第1の光および第2の光の被照射部位7の非血液部分の温度に影響を与えることなく血液部分9の温度のみを間接的に変化させることができる。そのため、第1の光源103及び第2の光源106からの第1の光及び第2の光により第1の光及び第2の光による被照射部位7における血液部分9で発生する音波のみを血液部分9の温度変化に応じて変化させることができ、第1の光源103及び第2の光源106からの光により被検体2で発生する音波について非血液部分で発生する音波の影響を小さくすることができる。従って、血液の成分濃度を非侵襲で正確に測定することができる。
成分濃度Mを算出するため、本実施形態の成分濃度測定装置10の制御方法では、上記音波検出手順において、以下の第1同期検波手順を行う。つまり、図2の音波検出部116は、被検体2で発生する図3の音波の総和45を検出し、音波の振幅に比例した電気信号を出力する。そして、位相検波増幅部117は、音波検出部116からの電気信号を発振器101からの変調信号により同期検波し、音圧に比例する電気信号を出力する。このようにして、音波検出部116及び位相検波増幅部117は、音波の大きさを測定する。成分濃度測定装置10の制御方法では、音波を変調周波数に同期した同期検波により検出することにより、音波検出部116からの音波から熱雑音を除去して高感度に音波の振幅を検出することができる。そのため、血液の成分濃度の測定精度を向上させることができる。
また、本実施形態の成分濃度測定装置10の制御方法では、上記第1同期検波手順において、以下の積分手順を行う。つまり、積分器118は、位相検波増幅部117からの音波を積分して駆動回路112からの信号の周波数の周波数成分を取り出して出力する。成分濃度測定装置10の制御方法では、位相検波増幅部117で熱雑音が除去された音波から積分器118で駆動回路112からの信号の周波数の周波数成分を取り出すことにより、取り出した音波の振幅を第1又は第2の光により発生する音波の大きさとして検出することができる。つまり、前述したように図3で説明した音波の総和45のうち波形の極大値の包絡線を取り出すことでΔsを検出でき、極小値の包絡線を取り出すことでΔsを検出できる。従って、位相検波増幅部117で熱雑音が除去された音波のうち駆動回路112からの信号の周波数と同一の周波数成分を除去して血液の成分濃度の測定精度を向上させることができる。
また、本実施形態の成分濃度測定装置10の制御方法では、さらに以下の第2同期検波手順を行う。つまり、遅延器115は、発振器111からの信号を静脈3に流れる血液の流速に基づいて遅延させた遅延信号を出力する。そして、位相検波増幅部119は、積分器118からの音波を遅延器115からの遅延信号に同期検波し、音圧に比例する電気信号を出力する。図4の第1の光及び第2の光を照射される被検体2の被照射部位7の血液部分9での血液の温度変化は、第3の光の被照射部位8での血液部分5の温度変化に対して被照射部位間距離20に応じて被照射部位8での血液部分5の血液が被照射部位7の血液部分9まで流れる時間分の遅延時間差を有する。そのため、成分濃度測定装置10の制御方法では、遅延器115が血液の流速に基づいて遅延させた遅延信号を出力し、位相検波増幅部119が遅延信号に同期して積分器118からの音波の振幅を検出することで積分器118からの音波の波形と遅延信号との波形の時間軸を一致させることができる。そのため、位相検波増幅部119において、積分器118からの音波から熱雑音を除去して高感度に音波の振幅を検出することができ、血液の成分濃度の測定精度を向上させることができる。
ここで、遅延器115は、図4の第1の光及び第2の光を照射される被検体2の被照射部位7と第3の光を照射される被検体2の被照射部位8との間の静脈3の長さである被照射部位間距離20を静脈3に流れる血液の流速と図2の発振器111からの信号の周波数との乗算値で除算した値のnπ倍から±π/4の範囲内で発振器111からの信号を遅延させることが望ましい。図2の成分濃度測定装置10は、遅延器115での遅延時間を、被照射部位間距離20を静脈3に流れる血液の流速と図2の発振器111からの信号の周波数との乗算値で除算した値のnπ倍から±π/4の範囲内で発振器111からの信号を遅延させることにより、積分器118からの音波の波形と遅延信号の波形の時間を妥当な範囲内で一致させることができ、血液の成分濃度の測定精度を高精度に維持することができる。
成分濃度算出部120は、位相検波増幅部119で検出したΔs及びΔsを記憶しておき、予め用意した前述の数式(8)から成分濃度を算出する。成分濃度測定装置10の制御方法は、第1の光源103及び第2の光源106を備え、光の強度を反転させて同時に出射するため、成分濃度算出部120において前述の測定原理に従って(Δs−Δs)÷Δsの演算を実行して、測定対象の成分濃度を算出することができる。
本発明の成分濃度測定装置および成分濃度測定装置制御方法は、日常の健康管理や美容上のチェックに利用することができる。また、人間の生体ばかりでなく、動物の生体についても健康管理に利用することができる。さらに、液体中の成分濃度を測定する分野、例えば流動性の食品の糖度測定にも適用することができる。この場合、流動性の食品をガラス管等の光透過性管に流すこととして、糖度を測定することができる。
常温における水とグルコース水溶液の吸光度特性を示した図である。 1実施形態に係る成分濃度測定装置の概略構成図である。 第1の光及び第2の光により被検体で発生する音波の概略を示した図である。 第1の光、第2の光及び第3の光を照射される被検体の拡大概略図である。 光音響法による従来の血液成分濃度測定装置の構成例を示す図である。 光音響法による従来の血液成分濃度測定装置の構成例を示す図である。
符号の説明
2:被検体
3:静脈
4:流れ
5:血液部分
7:被照射部位
8:被照射部位
9:血液部分
10:成分濃度測定装置
20:被照射部位間距離
21:拡がり
22:光束の直径
31:周期
41:温度変化
42:第3の光による温度変化
43:第1の光により発生する音波
44:第2の光により発生する音波
45:音波の総和
101:発振器
102:駆動回路
103:第1の光源
104:180°移相回路
105:駆動回路
106:第2の光源
107:合波部
111:発振器
112:駆動回路
113:第3の光源
114:反射鏡
115:遅延器
116:音波検出部
117:位相検波増幅部
118:積分器
119:位相検波増幅部
120:成分濃度算出部
601:第1の光源
604:駆動回路
605:第2の光源
608:駆動回路
609:合波部
610:被検体
613:超音波検出器
616:パルス光源
617:チョッパ板
618:モータ
619:音響センサ
620:波形観測器
621:周波数解析器

Claims (32)

  1. 光を一定周波数の信号により電気的に強度変調し、光透過性管の内部に流れる液体に向けて出射する第1光出射手段と、
    他の光を前記一定周波数より低い周波数の信号により電気的に強度変調し、前記第1光出射手段からの光を照射される前記液体の被照射位置よりも前記光透過性管に沿って上流側の前記液体に向けて出射する第2光出射手段と、
    前記第1光出射手段からの光により前記液体で発生する音波を検出する音波検出手段と、
    を備える成分濃度測定装置。
  2. 前記第1光出射手段において、前記第1光出射手段から出射する光の光束の直径が前記液体の流速を前記一定周波数より低い前記周波数で除算した値の半分以下の値であることを特徴とする請求項1に記載の成分濃度測定装置。
  3. 前記第2光出射手段において、前記第2光出射手段から出射する光の波長が測定対象とする液体成分の特徴的な吸収を呈する波長であることを特徴とする請求項1又は2に記載の成分濃度測定装置。
  4. 前記一定周波数の前記信号に同期して前記音波検出手段で検出された音波の振幅を検出する第1同期検波増幅器をさらに備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の成分濃度測定装置。
  5. 前記第1同期検波増幅器で検出された音波を積分して前記検出された音波から前記一定周波数より低い前記周波数の周波数成分を取り出して出力する積分器をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の成分濃度測定装置。
  6. 前記一定周波数より低い周波数の前記信号を前記液体の流速に基づいて遅延させた遅延信号を出力する遅延器と、前記遅延器から出力された遅延信号に同期して前記積分器から出力された音波の振幅を検出する第2同期検波増幅器をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の成分濃度測定装置。
  7. 前記遅延器は、前記第1光出射手段からの光を照射される前記光透過性管の被照射位置と前記第2光出射手段からの光を照射される前記光透過性管の被照射位置との間の前記液体の流れる長さを前記液体の流速と前記一定周波数より低い前記周波数との乗算値で除算した値のnπ倍から±π/4の範囲内で前記一定周波数より低い周波数の前記信号を遅延させることを特徴とする請求項6に記載の成分濃度測定装置。
  8. 光を一定周波数の信号により電気的に強度変調し、生体の静脈に向けて出射する第1光出射手段と、
    他の光を前記一定周波数より低い周波数の信号により電気的に強度変調し、前記第1光出射手段からの光を照射される前記静脈の被照射部位よりも前記静脈に沿って上流側の前記静脈に向けて出射する第2光出射手段と、
    前記第1光出射手段からの光により前記生体で発生する音波を検出する音波検出手段と、
    を備える成分濃度測定装置。
  9. 前記第1光出射手段において、前記第1光出射手段から出射する光の光束の直径が前記静脈に流れる血液の流速を前記一定周波数より低い前記周波数で除算した値の半分以下の値であることを特徴とする請求項8に記載の成分濃度測定装置。
  10. 前記第2光出射手段は、前記第2光出射手段から出射する光の波長を前記静脈に流れる血液中のヘモグロビンの特徴的な吸収を呈する波長とすることを特徴とする請求項8又は9に記載の成分濃度測定装置。
  11. 前記一定周波数の前記信号に同期して前記音波検出手段で検出された音波の振幅を検出する第1同期検波増幅器をさらに備えることを特徴とする請求項8から10のいずれかに記載の成分濃度測定装置。
  12. 前記第1同期検波増幅器で検出された音波を積分して前記検出された音波から前記一定周波数より低い前記周波数の周波数成分を取り出して出力する積分器をさらに備えることを特徴とする請求項11に記載の成分濃度測定装置。
  13. 前記静脈に流れる血液の流速に基づいて前記一定周波数より低い周波数の前記信号を遅延させた遅延信号を出力する遅延器と、前記遅延器から出力された遅延信号に同期して前記積分器から出力された音波の振幅を検出する第2同期検波増幅器をさらに備えることを特徴とする請求項12に記載の成分濃度測定装置。
  14. 前記遅延器は、前記第1光出射手段からの光を照射される前記生体の被照射部位と前記第2光出射手段からの光を照射される前記生体の被照射部位との間の前記静脈の長さを前記静脈に流れる血液の流速と前記一定周波数より低い前記周波数との乗算値で除算した値のnπ倍から±π/4の範囲内で前記一定周波数より低い周波数の前記信号を遅延させることを特徴とする請求項13に記載の成分濃度測定装置。
  15. 前記一定周波数の前記信号及び前記一定周波数よりも低い周波数の前記信号の周波数の値が互いに10倍以上異なることを特徴とする請求項1から請求項14のいずれかに記載の成分濃度測定装置。
  16. 前記第1光出射手段は、異なる2波長の光を前記一定周波数で逆位相の信号により電気的に強度変調し1つの光束になるように合波して出射することを特徴とする請求項1から請求項15のいずれかに記載の成分濃度測定装置。
  17. 第1光出射手段が光を一定周波数の信号により電気的に強度変調し、光透過性管の内部に流れる液体に向けて出射し、第2光出射手段が他の光を前記一定周波数より低い周波数の信号により電気的に強度変調し、前記第1光出射手段からの光を照射される前記液体の被照射位置よりも前記光透過性管に沿って上流側の前記液体に向けて出射し、音波検出手段が前記第1光出射手段からの光により前記液体で発生する音波を検出する音波検出手順を有する成分濃度測定装置制御方法。
  18. 前記音波検出手順において前記第1光出射手段は、前記第1光出射手段から出射する光の光束の直径を、前記液体の流速を前記一定周波数より低い前記周波数で除算した値の半分以下となる値とすることを特徴とする請求項17に記載の成分濃度測定制御方法。
  19. 前記音波検出手順において前記第2光出射手段は、前記第2光出射手段から出射する光の波長を測定対象とする液体成分の特徴的な吸収を呈する波長とすることを特徴とする請求項17又は18に記載の成分濃度測定装置制御方法。
  20. 第1同期検波増幅器が前記音波検出手順において前記音波検出手段で検出された音波の振幅を前記一定周波数の前記信号に同期して検出する第1同期検波手順をさらに有することを特徴とする請求項17から19のいずれかに記載の成分濃度測定装置制御方法。
  21. 積分器が前記第1同期検波手順において前記第1同期検波増幅器で検出された音波を積分して前記検出された音波から前記一定周波数より低い前記周波数の周波数成分を取り出して出力する積分手順をさらに有することを特徴とする請求項20に記載の成分濃度測定装置制御方法。
  22. 遅延器が前記一定周波数より低い周波数の前記信号を前記液体の流速に基づいて遅延させた遅延信号を出力すると共に、前記積分手順において前記積分器から出力された音波の振幅を前記遅延器から出力された遅延信号に同期して検出する第2同期検波手順をさらに有することを特徴とする請求項21に記載の成分濃度測定装置制御方法。
  23. 前記第2同期検波手順において前記遅延器は、前記第1光出射手段からの光を照射される前記光透過性管の被照射位置と前記第2光出射手段からの光を照射される前記光透過性管の被照射位置との間の前記液体の流れる長さを前記液体の流速と前記一定周波数より低い前記周波数との乗算値で除算した値のnπ倍から±π/4の範囲内に前記一定周波数より低い前記周波数の信号を遅延させることを特徴とする請求項22に記載の成分濃度測定装置制御方法。
  24. 第1光出射手段が光を一定周波数の信号により電気的に強度変調して生体の静脈に向けて出射し、第2光出射手段が他の光を前記一定周波数より低い周波数の信号により電気的に強度変調し、前記第1光出射手段からの光を照射される前記静脈の被照射部位よりも前記静脈に沿って上流側の前記静脈に向けて出射し、前記音波検出手段が前記第1光出射手段からの光により前記生体で発生する音波を検出する音波検出手順を有する成分濃度測定装置制御方法。
  25. 前記音波検出手順において前記第1光出射手段は、前記第1光出射手段から出射する光の光束の直径を、前記静脈に流れる血液の流速を前記一定周波数より低い前記周波数で除算した値の半分以下となる値とすることを特徴とする請求項24に記載の成分濃度測定装置制御方法。
  26. 前記音波検出手順において前記第2光出射手段は、前記第2光出射手段から出射する光の波長を前記静脈に流れる血液中のヘモグロビンの特徴的な吸収を呈する波長とすることを特徴とする請求項24又は25に記載の成分濃度測定装置制御方法。
  27. 第1同期検波増幅器が前記音波検出手順において前記音波検出手段で検出された音波の振幅を前記一定周波数の信号に同期して検出する第1同期検波手順をさらに有することを特徴とする請求項24から26のいずれかに記載の成分濃度測定装置制御方法。
  28. 積分器が前記第1同期検波手順において前記第1同期検波増幅器で検出された音波を積分して前記検出された音波から前記一定周波数より低い前記周波数の周波数成分を取り出して出力する積分手順をさらに有することを特徴とする請求項27に記載の成分濃度測定装置制御方法。
  29. 遅延器が前記一定周波数より低い周波数の前記信号を前記静脈に流れる血液の流速に基づいて遅延させた遅延信号を出力すると共に、第2同期検波増幅器が前記積分手順において前記積分器から出力された音波の振幅を前記遅延器から出力された遅延信号に同期して検出する第2同期検波手順をさらに有することを特徴とする請求項28に記載の成分濃度測定装置制御方法。
  30. 前記第2同期検波手順において前記遅延器は、前記第1光出射手段からの光を照射される前記生体の被照射部位と前記第2光出射手段からの光を照射される前記生体の被照射部位との間の前記静脈の長さを前記静脈に流れる血液の流速と前記一定周波数より低い前記周波数との乗算値で除算した値のnπ倍から±π/4の範囲内で前記一定周波数より低い前記周波数の信号を遅延させることを特徴とする請求項29に記載の成分濃度測定装置制御方法。
  31. 前記音波検出手順において前記第1光出射手段及び前記第2光出射手段は、前記一定周波数の前記信号及び前記一定周波数より低い周波数の前記信号の周波数の値が互いに10倍以上異なるようにすることを特徴とする請求項17から30のいずれかに記載の成分濃度測定装置制御方法。
  32. 前記音波検出手順において前記第1光出射手段は、異なる2波長の光を前記一定周波数で逆位相の信号により電気的に強度変調し1つの光束に合波して出射することを特徴とする請求項17から31のいずれかに記載の成分濃度測定装置制御方法。
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