ここで、図1に示すような基本構成を有する遊技システムにおける、第1の実施例について説明する。
図2は、第1の実施例で用いる遊技機301およびカード処理ユニット401の内部構成を示すブロック図である。
同図には、カード処理ユニット401、該カード処理ユニット401にそれぞれ接続される左側遊技機301−1、右側遊技機301−2が図示されており、左側遊技機301−1と右側遊技機301−2は、カード処理ユニット401に接続されるにあたって、その左側に位置するか右側に位置するかの違いのみであり、異機種の場合には動作的な相違は多少あるものの、その他の点においては略同一の機能を有する遊技機301である。
カード処理ユニット401は、上述した各種カードまたは現金の投入を受け付け、これを処理するためのユニットである。先に述べたとおり、この遊技システムにおける遊技媒体(パチンコ玉)の貸出は、主にこのカード処理ユニット401と、遊技機301が備える玉投出機構304とが連携することで実現される。
カード処理ユニット401は、紙幣識別部402、カード処理部403、制御部406、電源部407、通信部408、メモリ413を具備して構成されており、ここでは、本発明に係わる構成要素のみを挙げて説明する。
紙幣識別部402は、左側遊技機301−1の遊技者若しくは右側遊技機301−2の遊技者のいずれが、パチンコ玉を借り受けるためにカード処理ユニット401に紙幣を投入したのかを識別する処理部である。詳しくは後述するが、ここで、左側遊技機301−1の遊技者が紙幣を投入したのか、右側遊技機301−2の遊技者が紙幣を投入したのかを識別することで、遊技機301毎の売上状況、使用状況等の情報を管理することができる。
カード処理部403は、遊技者により挿入されるプリペイドカードあるいは会員カードを受けつけるための処理部であり、左側処理部404および右側処理部405を具備して構成される。左側処理部404は、カード処理ユニット401の左側に位置する左側遊技機301−1の遊技者により挿入されたカードに対しての処理を行い、同様に右側処理部405は、右側遊技機301−2の遊技者により挿入されたカードに対しての処理を行う。
制御部406は、カード処理ユニット401を統括制御する。例えば、上記紙幣識別部402において、右側遊技機301−2の遊技者から紙幣が挿入されたと認識すると、制御部406はその識別情報に基づいて左側遊技機301−1の遊技者と右側遊技機301−2の遊技者とを分別した状態で、後述する通信部408および島コントローラ201を介してターミナルコンピュータ101にて管理される売上情報データベース102のうち右側遊技機301−2の売上情報に更新を行う。また、遊技機301側から玉貸要求(後述する玉貸ボタンの押下)があれば、当該遊技機301の玉投出機構に貸玉の投出を指示する。
電源部407は、カード処理ユニット401全体に電源供給を行う処理部であり、通信部408は、カード処理ユニット401が左側遊技機301−1および右側遊技機301−2および島コントローラ201と通信するためのインターフェース装置である。
メモリ413は、各種情報を一時的に記憶する機能を有し、左側および右側の遊技機301の識別情報(遊技機ID)に対応して、カード処理部(左側処理部404および右側処理部405)403に挿入されているカードの識別符号(カードID)と、各カードに関連付けられている残度数が記憶される。以上がカード処理ユニット401の内部構成を示す各機能ブロック図の説明である。
次に、左側遊技機301−1の概略構成について説明する。なお、先に述べたように左側遊技機301−1および右側遊技機301−2は同等の機能を有する遊技機301である。
遊技機301は、各種処理機能部として、カード処理ユニット401と通信を行う遊技機通信部302、遊技機301を統括制御する遊技機制御部303、カード処理ユニット401と連携して動作する玉投出機構304、プリペイドカードの残度数などを表示する表示部305、玉貸ボタンおよびカード返却ボタン等が配設される操作部306を具備して構成される。
以上が本発明に係わるカード処理ユニット401および遊技機301の内部構成であり、同図に示されるように、カード処理ユニット401内部に紙幣識別部402およびカード処理部403(左側処理部404および右側処理部405を具備する)を設けることにより、1台のカード処理ユニット401で複数台(同図では2台)の遊技機301のコントロールが可能になる。
次に、図3を参照しながらカード処理ユニット401の外観を説明する。
同図には、上記図2で説明したカード処理ユニット401の前面部の一例を示す外観が図示されており、紙幣識別部402、カード処理部403を具備して構成される。また、このカード処理ユニット401の前面部には、状態表示ランプ、金額表示部、金額設定ボタン・・・などが配設されるが、本発明の要部ではないため説明は省略する。
紙幣識別部402は、左側紙幣挿入口402−Aおよび右側紙幣挿入口402−Bを具備して構成されており、この左側紙幣挿入口402−Aと右側紙幣挿入口402−Bは規制部材でそれぞれ分離されている。左側紙幣挿入口402−Aは、左側遊技機301−1の遊技者が紙幣を挿入するための紙幣挿入口であり、右側紙幣挿入口402−Bは、右側遊技機301−2の遊技者が紙幣を挿入するための紙幣挿入口である。
カード処理部403は、上述したとおり、左側処理部404および右側処理部405を具備して構成されており、左側処理部404は、左側遊技機301−1の遊技者がカードを挿入するためのカード処理部であり、右側処理部405は、右側遊技機301−2の遊技者がカードを挿入するためのカード処理部である。
ここで、上記紙幣識別部402の水平断面図を図4に示す。
同図には、紙幣識別部402を上部から見た図が示されており、上記図3で説明した左側紙幣挿入口402−Aには左側から紙幣(この例では、千円)が挿入されたことを検出するための左側紙幣挿入センサが設置されており、右側紙幣挿入口402−Bにも同様の右側紙幣挿入センサが設置されている。
すなわち、この左側紙幣挿入センサおよび右側紙幣挿入センサによりいずれの紙幣挿入口から紙幣が挿入されたのかを検出することで、カード処理ユニット401の左側に位置する左側遊技機301−1の遊技者が挿入した紙幣なのか、カード処理ユニット401の右側に位置する右側遊技機301−2の遊技者が挿入した紙幣なのかの判断を行っている。
また、左右紙幣挿入センサのさらに奥側に位置する紙幣合流部分には揺動自在に支持される揺動部材が配設されており、この揺動部材は挿入される紙幣によって押し動かされた位置で止まる(例えば、同図では、左側紙幣挿入口402−Aから紙幣が挿入された時の揺動位置で静止している)。識別不良等により紙幣が返却される際に、該紙幣を投入された側の紙幣挿入口に案内する為の部材である。
左右いずれかの紙幣挿入口から挿入された紙幣は、揺動部材が配設される位置で合流し内部に備わる搬送機構により単一の紙幣識別部402本体内へと搬送される。該紙幣識別部402によって識別された紙幣は後方の紙幣搬送装置へと送り込まれる。
図5は、図2に示したカード処理ユニット401における紙幣読取り処理の動作を説明するフローチャートである。なお、この処理は、遊技者がカード処理ユニット401に紙幣を挿入し、遊技を楽しむ場合のカード処理ユニット401における動作を説明するものである。
1000円札などの紙幣がカード処理ユニット401の左側紙幣挿入口402−A若しくは右側紙幣挿入口402−Bのいずれかに挿入されると、この紙幣読取り処理は開始される(ステップS101)。
ここで、左右いずれかの紙幣挿入口に紙幣が挿入されると(ステップS101でYES)、まず、挿入された紙幣が左側紙幣挿入口402−A若しくは右側紙幣挿入口402−Bのいずれから挿入されたかの検出を行う(ステップS102)。
すなわち、上記図4で示したようにカード処理ユニット401の紙幣識別部402には、紙幣が左側の挿入口から挿入されたのか、右側の挿入口から挿入されたのかを検出するために、それぞれ左側紙幣挿入センサおよび右側紙幣挿入センサが設置されており、該センサで検出した結果に基づいて制御部406でいずれの紙幣挿入口から紙幣が挿入されたのかを判断する。
紙幣が左側紙幣挿入口402−Aから挿入されたと判断された場合は(ステップS102で左側)、紙幣挿入口情報に左側を設定し(ステップS103)、紙幣が右側紙幣挿入口402−Bから挿入されたと判断された場合は(ステップS102で右側)、紙幣挿入口情報に右側を設定する(ステップS104)。
次に、挿入された紙幣のチェック処理を行う(ステップS105)。すなわち、偽札か否かのチェックおよび紙幣を正しく認識できるか等のチェックである。
ここで、ステップS105の紙幣チェック処理にて、挿入された紙幣に何らかの異常があると判断した場合は(ステップS106でYES)、紙幣を排出する(ステップS108)。紙幣識別部402本体から送り出される紙幣は、揺動部材によって、投球された側の紙幣挿入口へ案内される。この時、遊技機301の前面部に設置される表示部305に、挿入された紙幣に異常がある旨を表示するなどして遊技者に報知する。
また、紙幣に異常がない場合は(ステップS106でNO)、該紙幣が左側紙幣挿入口402−A若しくは、右側紙幣挿入口402−Bのいずれから挿入されたのかを判断する(ステップS107)。すなわち、上述した処理で設定された紙幣挿入口情報に基づいて制御部406が判断する。
紙幣が左側紙幣挿入口402−Aから挿入されたと判断された場合は(ステップS107で左側)、カード処理ユニット401の左側に位置する遊技機301の表示部305に挿入された紙幣の金額に相当する度数情報を表示し(ステップS109)、紙幣が右側紙幣挿入口402−Bから挿入されたと判断された場合は(ステップS107で右側)、カード処理ユニット401の右側に位置する遊技機301の表示部305に挿入された紙幣の金額に相当する度数情報を表示する(ステップS110)。
そして、カード処理ユニット401へ挿入された紙幣に相当する紙幣情報(度数情報)と、遊技機301にそれぞれ割り当てられた台番号などの遊技機識別情報を含む情報を島コントローラ201を介しターミナルコントローラ101へ送信する(ステップS111)。
すなわち、ターミナルコントローラ101は、各遊技機301の売上げ情報を売上情報データベース102で管理しており、カード処理ユニット401は、売上げ情報を更新するために、ターミナルコントローラ101へ紙幣情報および遊技機識別情報を含む情報を送信する。そして、この処理が終わると、この紙幣読取り処理は終了する。
例えば、左側の紙幣挿入口402−Aから紙幣が挿入され、識別後、左側の遊技機301−1の表示部305−1に度数情報が表示された状態で、左側遊技機301−1の貸出ボタンが押下されると、該遊技機は、押下された旨の信号(貸出要求)をカード処理ユニット401の制御部406へと送信する。カード処理ユニット401の制御部406は、左側遊技機301−1の玉投出機構に対して所定数の貸出を投出するように指示を与える。
以上説明したように本実施例においては、紙幣識別部402に左側紙幣挿入口402−Aおよび右側紙幣挿入口402−Bを設け、それぞれに紙幣挿入センサを設置することで、左右共通の紙幣識別部402により左側遊技機301−1および右側遊技機301−2で遊技するために挿入される紙幣の読取り処理を行えるので、省スペースかつコスト削減を図ることが可能になる。
また、カード処理ユニット401は、左側紙幣挿入口402−A若しくは右側紙幣挿入口402−Bのいずれから紙幣が挿入されたのかを認識し、該認識により左右いずれの遊技機301の売上げかを分別し、ターミナルコントローラ101へ度数情報を送信する。このように制御することで、ターミナルコントローラ101においても、従来同様に個々の遊技機毎の売上げ情報等を正確に管理することができる。
図6は、図2に示したカード処理ユニット401におけるカード読取り処理の動作を説明するフローチャートである。なお、この処理は、遊技者がカード処理ユニット401にカードを挿入し、遊技を楽しむ場合のカード処理ユニット401における動作を説明するものである。
プリペイドカードまたは、会員カード等がカード処理ユニット401の左側カード挿入口(左側処理部404)若しくは右側カード挿入口(右側処理部405)のいずれかに挿入されると、このカード読取り処理は開始される(ステップS201)。
ここで、左右いずれかのカード挿入口にカードが挿入されると(ステップS201でYES)、まず、挿入されたカードのチェック処理を行う(ステップS202)。すなわち、当該遊技場において使用可能なカードであるか否かのチェックおよびカードが有するデータに破損がないか等のチェックである。
ここで、ステップS202のカード情報チェック処理にて、挿入されたカードに何らかの異常があると判断した場合は(ステップS203でYES)、カードを排出し(ステップS205)、遊技機301の前面部に設置される表示部305に、挿入されたカードに異常がある旨を表示するなどして遊技者に報知する。
また、カード情報に異常がない場合は(ステップS203でNO)、該カードが左側カード挿入口若しくは、右側カード挿入口のいずれから挿入されたのかを判断する(ステップS204)。すなわち、カード処理部403は、左側カード挿入口を有する左側処理部404および右側カード挿入口を有する右側処理部405の二つの処理部からなり、挿入されたカードに対する(ステップS203以前の)処理がどちらの処理部で行われたものかを制御部406が判断する。
カードが左側カード挿入口から挿入されたと判断された場合は(ステップS204で左側)、カード処理部情報に左側を設定し(ステップS206)、カードが右側カード挿入口から挿入されたと判断された場合は(ステップS204で右側)、カード処理部情報に右側を設定する(ステップS207)。
次に、カード処理ユニット401へ挿入されたカードが有するカード識別情報を含む情報を島コントローラ201を介しターミナルコントローラ101へ送信する(ステップS208)。
すなわち、ターミナルコントローラ101は、各カードに記録された識別データに対応する残度数をカード情報データベース103で管理しており、カード処理ユニット401は、挿入されたカードが有する残度数情報を得るために、ターミナルコントローラ101へカード識別情報を含む情報を送信する。
そして、ターミナルコントローラ101から、挿入されたカードと対応する残度数情報を受信し(ステップS209)、上述した処理で設定されたカード処理部情報に基づいて受信した情報に応じた処理を、カード処理ユニット401の左側若しくは右側に接続される遊技機301に対して行う(ステップS210)。
ここで、カード処理部情報に左側が設定されている場合は(ステップS210で左側)、受信した残度数情報を左側遊技機301−1に関連付けてメモリ413に記憶し(ステップS211)、左側遊技機301−1の表示部305−1に該残度数情報を表示する(ステップS212)。一方、カード処理部情報に右側が設定されている場合は(ステップS210で右側)、受信した残度数情報を右側遊技機301−2に関連付けてメモリ413に記憶し(ステップS213)、右側遊技機301−2の表示部305−2に該残度数情報を表示する(ステップS214)。そして、このカード読取り処理は終了する。
例えば、左側の紙幣挿入口402−Aからカードが挿入され、識別後、左側の遊技機301−1の表示部305−1に度数情報が表示された状態で、左側遊技機301−1の貸出ボタンが押下されると、該遊技機は、押下された旨の信号(貸出要求)をカード処理ユニット401の制御部406へと送信する。カード処理ユニット401の制御部406は、メモリ413に左側遊技機301−1と対応して記憶された残度数情報の減算を行うとともに、左側遊技機301−1の玉投出機構に対して所定数の貸出を投出するように指示を与える。また、減算された残度数情報を左側遊技機301−1の表示部305−1に更新表示する。
図7は、図2に示したカード処理ユニット401におけるカード返却処理の動作を説明するフローチャートである。なお、この処理は、遊技者がカード処理ユニット401にカードを挿入し、遊技を楽しむ場合のカード処理ユニット401における動作を説明するものである。
遊技機301の前面部に配設されるカード返却ボタンを遊技者が押下することにより、このカード返却処理は開始される(ステップS301)。また、カード処理ユニット401に挿入されているカードの残度数が0になった場合に、カードが排出され遊技者に返却される(中にはそのままカード処理ユニット401に取り込まれるものもある)。そういった場合にもこのカード返却処理が開始される。
まず、左右いずれの遊技機301のカード返却ボタンが押下されたのかを判断する(ステップS302)。
ここで、左側遊技機301−1の遊技者がカード返却ボタンを押下した場合は(ステップS302で左側)、カード処理部情報に左側を設定し(ステップS303)、右側遊技機301−2の遊技者がカード返却ボタンを押下した場合は(ステップS302で右側)、カード処理部情報に右側を設定する(ステップS304)。
次に、カード処理ユニット401へ挿入されたカードが有するカード識別情報と、遊技機301にそれぞれ割り当てられた台番号などの遊技機識別情報と、メモリ413から呼び出される残度数情報を含む情報を島コントローラ201を介しターミナルコントローラ101へ送信する(ステップS305)。
すなわち、ターミナルコントローラ101は、各カードに記録された識別データに対応する残度数をカード情報データベース103で管理しており、カード処理ユニット401は、挿入されたカードが有する残度数情報を更新するために、ターミナルコントローラ101へカード識別情報および残度数情報を含む情報を送信する。また、ターミナルコントローラ101は、各遊技機301の売上げ情報を売上情報データベース102で管理しており、カード処理ユニット401は、売上げ情報を更新するために、ターミナルコントローラ101へ残度数情報および遊技機識別情報を含む情報を送信する。
そして、ターミナルコントローラ101から、挿入されているカードに対応する残度数情報が正確に更新された旨の通知を受信し(ステップS306)、上述した処理で設定されたカード処理部情報に基づいて、カード排出処理を行う(ステップS307)。
ここで、カード処理部情報に左側が設定されている場合は(ステップS307で左側)、左側処理部404からカードを排出し(ステップS308)、カード処理部情報に右側が設定されている場合は(ステップS307で右側)、右側処理部405からカードを排出し(ステップS309)、このカード返却処理は終了する。
以上説明したように本発明においては、カード処理部403として左側処理部404および右側処理部405を設けたので、1台のカード処理ユニット401で左側遊技機301−1および右側遊技機301−2で遊技するために挿入されるカードの読取り処理を行える。
また、カード処理ユニット401は、左側処理部404若しくは右側処理部405のいずれに挿入されたカードに対して処理を行っているのかを認識し、該認識により左右いずれの遊技機301の売上げかを分別し、ターミナルコントローラ101へ度数情報を送信する。このように制御することで、ターミナルコントローラ101においても、従来同様に個々の遊技機毎の売上げ情報等を正確に管理することができる。同様にカード残度数についても正確に管理することができる。
なお、上記で説明した実施例においては、紙幣識別部402を設けることにより、左側遊技機301−1および右側遊技機301−2の双方に対して1台のカード処理ユニット401で制御するよう構成したが、硬貨に対しても硬貨識別部を設けることにより、紙幣に対する処理と同様に制御することができる。
また、上記で説明した実施例においては、カード処理ユニット401内部に紙幣識別部402を具備して構成されたカード処理ユニット401について説明したが、紙幣識別部402を別筐体に実装することにより、遊技機301またはカード処理ユニット401の上部などに設置し構成するようにしてもよい。
次に、図1に示すような基本構成を有する遊技システムにおける、第2の実施例について説明する。
上記第1の実施例では、紙幣識別部402に左側紙幣挿入口402−Aおよび右側紙幣挿入口402−Bを設け、それぞれに紙幣挿入センサを設置することで、いずれの遊技機301に対して紙幣が挿入されたのかを識別するよう構成したが、第2の実施例では、紙幣挿入口を左右で共通化し、左右に指示ボタンを具備することで遊技機301を制御するよう構成した実施形態を説明する。
図8は、第2の実施例で用いる遊技機301およびカード処理ユニット401の内部構成を示すブロック図である。
同図に示されるカード処理ユニット401は、第1の実施例を説明した上記図2に示されるカード処理ユニット401の構成に加えて左側指示ボタン409、右側指示ボタン410を具備して構成される。
左側指示ボタン409は、カード処理ユニット401の前面部に配設され、該カード処理ユニット401の左側に位置する遊技機301−1の遊技者が紙幣を挿入する際に、この左側指示ボタン409を押下することで、カード処理ユニット401は、挿入される紙幣が左側遊技機301−1のものと認識する。
右側指示ボタン410も上記左側指示ボタン409同様にカード処理ユニット401の前面部に配設され、右側遊技機301−2の遊技者により押下されることにより、カード処理ユニット401は、挿入される紙幣が右側遊技機301−2のものと認識する。
紙幣識別部402は、左右の遊技機301の遊技者に対して共通の紙幣挿入口を持ち、挿入された紙幣が左側遊技機301−1の遊技者若しくは右側遊技機301−2の遊技者いずれのものかを前述した左側指示ボタン409若しくは右側指示ボタン410の押下により判断する。
カード処理部403は、カードの出し入れを行わない固定式の左側内蔵カード411および右側内蔵カード412を具備しており、この内蔵カードには各々個別のカードIDが付与されている。
制御部406は、遊技者が左側指示ボタン409若しくは右側指示ボタン410を押下する前に、紙幣挿入口へ紙幣を挿入しようとした場合には、紙幣が挿入されないように制御し、左側指示ボタン409若しくは右側指示ボタン410のいずれかが押下された後に、紙幣が挿入されたならば、該紙幣を取り込むよう制御する。
メモリ413は、各種情報を一時的に記憶する機能を有し、左側および右側の遊技機301の識別情報(遊技機ID)に対応して、カード処理部(左側内蔵カード411および右側内蔵カード412)403の各内蔵カードの識別符号(カードID)と、各カードに関連付けられている残度数が記憶される。
なお、上記に説明した以外のカード処理ユニット401および左側遊技機301−1および右側遊技機301−2の各種処理機能部に関しては、上記図2に示したものと同じ符号のものは略同様に動作するので、その説明は省略する。
次に、図9を参照しながらカード処理ユニット401の外観を説明する。
同図には、上記図8で説明したカード処理ユニット401の前面部の一例を示す外観が図示されており、紙幣識別部402、左側指示ボタン409、右側指示ボタン410を具備して構成される。また、このカード処理ユニット401の前面部には、状態表示ランプ、金額表示部、金額設定ボタン・・・などが配設されるが、本発明の要部ではないため説明は省略する。
紙幣識別部402は、左右の遊技機301の遊技者に対して共通の紙幣挿入口を具備して構成されており、左側遊技機301−1の遊技者が紙幣を挿入する際には、左側指示ボタン409を押下し紙幣を紙幣挿入口から挿入する。また、右側遊技機301−2の遊技者が紙幣を挿入する際にも左側遊技機301−1の遊技者同様に、右側指示ボタン410を押下し紙幣を紙幣挿入口から挿入する。
図10は、図8に示したカード処理ユニット401における紙幣読取り処理の動作を説明するフローチャートである。なお、この処理は、遊技者がカード処理ユニット401に紙幣を挿入し、遊技を楽しむ場合のカード処理ユニット401における動作を説明するものである。
カード処理ユニット401の前面部に配設される左側指示ボタン409若しくは右側指示ボタン410のいずれかが押下されると、この紙幣読取り処理は開始される(ステップS401)。カード処理ユニット401は、待機状態(指示ボタン押下以前)の間は、制御部406により紙幣挿入口から紙幣の挿入を受け付けないように制御し、指示ボタン押下に際して、紙幣挿入を受け付けるよう制御する。このように制御することにより、遊技者に混乱を生じさせないようにする。
ここで、左右いずれかの指示ボタンが押下されると(ステップS401でYES)、まず、左右いずれの指示ボタンが押下されたのかを判断する(ステップS402)。
左側指示ボタン409が押下された場合は(ステップS402で左側)、紙幣挿入口情報に左側を設定し(ステップS403)、右側指示ボタン410が押下された場合は(ステップS402で右側)、紙幣挿入口情報に右側を設定する(ステップS404)。
そして、紙幣が挿入されるのを所定の時間待つ(ステップS405)。例えば、所定の時間、遊技者に紙幣挿入を促すようにランプの点滅等を行う。また、所定の時間が経過しても紙幣が挿入されない場合には(ステップS405でNO)、紙幣挿入口から紙幣を受け付けないよう制御し、再び指示ボタンの押下まで待機状態に入る(ステップS401)。
ここで、1000円札などの紙幣がカード処理ユニット401の紙幣挿入口に挿入されると(ステップS405でYES)、挿入された紙幣のチェック処理を行う(ステップS406)。すなわち、偽札か否かのチェックおよび紙幣を正しく認識できるか等のチェックである。
ここで、ステップS406の紙幣チェック処理にて、挿入された紙幣に何らかの異常があると判断した場合は(ステップS407でYES)、紙幣を排出し(ステップS408)、遊技機301の前面部に設置される表示部305に、挿入された紙幣に異常がある旨を表示するなどして遊技者に報知する。
また、紙幣に異常がない場合は(ステップS407でNO)、該紙幣が挿入される際に、左側指示ボタン409若しくは、右側指示ボタン410のいずれが押下されたのかを判断する(ステップS409)。すなわち、上述した処理で設定された紙幣挿入口情報に基づいて制御部406が判断する(ステップS409)。
左側指示ボタン409が押下された場合は(ステップS409で左側)、受信したカード情報を左側遊技機301−1と関連付けてメモリ413に記憶し(ステップS410)、左側遊技機301−1の表示部305−1にカード情報を表示する(ステップS411)。そして、左側遊技機301−1の玉投出機構304−1から自動で当該価値(全額)の貸玉投出を行うとともに(ステップS412)、メモリ413に左側遊技機301−1と関連付けられて記憶されたカード情報から前述の貸出単位分に相当する度数を減算し(ステップS413)、該減算されたカード情報をカード処理ユニット401の左側に位置する遊技機301の表示部305に更新表示する(ステップS414)。
一方、右側指示ボタン410が押下された場合は(ステップS409で右側)、受信したカード情報を右側遊技機301−2と関連付けてメモリ413に記憶し(ステップS415)、右側遊技機301−2の表示部305−2にカード情報を表示する(ステップS416)。そして、右側遊技機301−2の玉投出機構304−2から自動で当該価値(全額)の貸玉投出を行うとともに(ステップS417)、メモリ413に右側遊技機301−2と関連付けられて記憶されたカード情報から前述の貸出単位分に相当する度数を減算し(ステップS418)、該減算されたカード情報をカード処理ユニット401の右側に位置する遊技機301の表示部305に更新表示する(ステップS419)。
そして、カード処理ユニット401へ挿入された紙幣に相当する紙幣情報(度数情報)と、遊技機301にそれぞれ割り当てられた台番号などの遊技機識別情報と、内蔵カード各々に割り当てられた個別のカードIDを含む情報を島コントローラ201を介しターミナルコントローラ101へ送信する(ステップS420)。
すなわち、ターミナルコントローラ101は、各遊技機301の売上げ情報を売上情報データベース102で管理しており、カード処理ユニット401は、売上げ情報を更新するために、ターミナルコントローラ101へ紙幣情報および遊技機識別情報を含む情報を送信する。また、ターミナルコントローラ101は、各内蔵カードに記録された識別データに対応する紙幣情報をカード情報データベース103で管理しており、カード処理ユニット401は、内蔵カードと対応する紙幣情報を更新するために、ターミナルコントローラ101へ内蔵カードIDおよび紙幣情報を含む情報を送信する。そして、この処理が終わると、この紙幣読取り処理は終了する。
以上説明したように本実施例においては、左右の遊技機301の遊技者に対して共通の紙幣挿入口(紙幣識別部402)を設け、左側遊技機301−1の遊技者が紙幣を挿入する際に押下する左側指示ボタン409および右側遊技機301−2の遊技者が紙幣を挿入する際に押下する右側指示ボタン410を設置することで、左右共通の紙幣識別部402により左側遊技機301−1および右側遊技機301−2で遊技するために挿入される紙幣の読取り処理を行えるので、省スペースかつコスト削減を図ることが可能になる。
また、カード処理ユニット401は、左側指示ボタン409若しくは右側指示ボタン410の押下により、いずれの遊技者が紙幣を挿入したのかを認識し、該認識により左右いずれの遊技機301の売上げかを分別し、ターミナルコントローラ101へ度数情報を送信する。このように制御することで、ターミナルコントローラ101においても、従来同様に個々の遊技機毎の売上げ情報等を正確に管理することができる。