JP2007125011A - ポリメラーゼ連鎖反応の助けによりdna又はrnaの特定のフラグメントを検出する方法 - Google Patents

ポリメラーゼ連鎖反応の助けによりdna又はrnaの特定のフラグメントを検出する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】RT−PCRの欠点(である複雑な構造又は非常に低い特異性が特徴である挿入色素または複雑なプライマー構築のハイブリダイゼーションプローブ)を改善するために、該増幅方法の単純化、時間短縮及びコスト低減が可能なリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応によるDNAはRNAの特定のフラグメントの増幅方法を提供する。
【解決手段】その構造の中に蛍光色素を持ち、隣接しているか若干重なっている標的上にアニールするプライマーを使用し、順方向、逆方向プライマーに含まれるドナー色素とアクセプター色素間に蛍光共鳴移動を提供し、アクセプター蛍光色素の発光増加を記録する。
【選択図】なし

Description

本発明は、分子生物学及び生物工学に関し、そしてDNA及び/またはRNA分子の分析に関する。それは、医学、獣医学、公衆衛生−疫学的研究、犯人捜査学、食品工業において、バイオテロ攻撃の可能性、犯罪者の鑑定、遺伝子組換え生物から作られた食品の検出、原材料の品質の決定などを含めて危険な感染症の病原体を検出するために、DNA診断を行う際に使用することができる。
現存するDNA診断の方法は、主にポリメラーゼ連鎖反応(PCR)及びその変法の助けによりDNA又はRNAの特定のフラグメントを増幅することに基づいている。光学モジュールを装着した特別なDNAの増幅装置の助けにより増幅の際に目的とする産物の検出が直接行われる場合に、近時、いわゆるリアルタイムPCR(RT−PCR)は最も広範囲に使用されている方法である。この方法の重要な利点の一つは、反応産物の電気泳動による分離の段階を必要としないことであり、この段階では試験管を開け、その内容物を空気中で扱うことが想定されるので、その結果として部屋の作業区域はPCR産物−何十億個ものコピーとして提供されるアンプリコンで汚染される可能性がある。これにより、新しい反応混合物は、前の陽性反応の際に形成され、空気媒体中に循環している、アンプリコンを伴うエアロゾルで最初に汚染される可能性があり、続く分析において偽陽性の結果を得る可能性がある。これに加えて、電気泳動分析のない方法が可能になることにより、全手順に必要な時間を著しく減少させる。その他の重要な利点は、RT−PCRの助けにより、一つ又はその他の標的のコピー数の正確な定量的測定、例えば原材料又は食品中の遺伝子組換え成分又はほかの混入物の含有量を得ることが可能になる点である。
現在のところ、RT−PCRにより目的産物を検出する方法は極く少数であり、それらは仮に高特異性及び低特異性に分けることが出来る。低特異性の方法は、そのヌクレオチド配列に関係なく、DNAと複合して背景蛍光よりも有意に強い蛍光を発生する挿入色素、例えば臭化エチジウム[Higuchi et al.,1992;1993],SYBR Green I[Wittwer et al.,1997],BEBO[Bengtsson et al.,2003],LCGreen[Wittwer et al.,2003; Zhou et al.,2004]の発光により、反応混合物中における新しいDNAフラグメントの出現のみを検出することを可能にする方法が含まれる。これらの方法の利点は、それらが最も安いということであるが疑わしい。
低特異性の方法のグループには、二本鎖DNAフラグメントの増幅及び操作の際に生じる、プライマーの一つの蛍光の変化に基づくRT−PCR変法も含まれる。その方法の低い、又は少なくとも低下した特異性の理由は、この場合の発光の変化はいかなる方法によっても第二のプライマー、より正確には、それがアニールされる場所に依存しないことにある。すなわち、二箇所で直ちに「順方向」及び「逆方向」のプライマーとして両プライマー又は唯一の標識プライマーの(新しいDNAフラグメントの形成がまだ可能であるような互いの距離における)非特異的アニーリングを生じる結果として、いずれにせよ、この場合に元々非特異的なDNAフラグメントの増幅が起こる。但し、蛍光の増減の過程においては、それが特異的でないと言うことはできないであろう。したがって、例えば、最初は熱安定制限エンドヌクレアーゼの認識部位がプライマー配列の中に存在するために、増幅の過程においてこの酵素の作用により空間的に分離される色素及び消光基をプライマーの一つに置くRT−PCRの変法[Cairns et al.,2004]、又はプライマーの構造の中に蛍光色素及びそれに近い位置に非天然含窒素塩基isoCが存在し、増幅の過程においてそれに対して相補的なisoGを導入し、万能の消光基を他のDNA鎖に移入するRT−PCRの変法[Johnson et al.,2004]は、制限部位を持つ修飾プライマーが関与したRT−PCRの最初の例においては蛍光の増加を生じ、二番目の例ではその減少を生じた事実はあるが、高特異性の方法と見なすことは出来ない。さらに、一部の低特異性の方法のその他の欠点は、Sunrise[Nazarenko et al.,1997],Scorpion[Thelwell et al.,2000;Solinas et al.,2001;Huang et al.,2004],Cyclicon[Kandimalla,Agrawal,2000]及び他のタイプのプライマー構造の極端な複雑さである。目的とする配列にアニールする領域に加えて追加のヌクレオチド配列がそのプライマーの中に存在することもネガティブな要素であり、これは、アニーリングの特異性に有意な影響を与える可能性がある。
万能のハイブリダイゼーションUTプローブを使用するために設計された提案のRT−PCR法[Zhang et al.,2003]は、このプローブは殆ど全ての場合に事実上1つだけでよく、このことはRT−PCRに関係する費用を有意に減少させるという面において利点があるが、それをアニーリングするための場所はこの目的のために特別に伸長されたプライマーの一つの上に存在しており、この観点からのみでこの簡単な方法は低特異性であると認識されなければならない。プライマー上に色素の一つを置き、他の色素をハイブリダイゼーションプローブ上に置くことを提案する中間の変法もあった[Rasmussen et al.,2003]。この著者らは彼らの非標準的方法をPriProETと呼んだが、ドナー色素とアクセプター色素を互いの間に非常に大きな距離を開けて置き、アンプリコンの大きさを不当に大きくしたために、簡単な高特異性の方法の利点の全てを無にしてしまった。
ハイブリダイゼーションプローブの使用に基づいてRT−PCRにおいて目的産物を検出する方法は、このシステムが、二つの特異的なアニーリングプライマーに加えて、調和する方法で標識され、アンプリコンとのハイブリダイゼーションにより目的産物を確認するプローブも有しているという点から、高特異性であると考えられなければならない。このようなプローブの中で最も普及しているのはいわゆるTaqMan検出の方法であり、それはTaqポリメラーゼの5’−エキソヌクレアーゼ活性の使用に基づいており、その作用の下にアンプリコン上にアニールしたハイブリダイゼーションプローブの分解及び発光を開始する蛍光色素の脱離を生じるが、一方プローブの構造の中に消光基が存在する間はその発光が消されている[Lee et al.,1993; Livak et al.,1995]。その他の高特異性RT−PCR法は、いわゆる分子シグナル光(Beacon)の使用に基づいており、これは5’−及び3’−末端に位置する色素と消光基を持つオリゴヌクレオチドヘアピンである[Tyagi,Kramer,1996; Tyagi et al.,2000,Horejsh et al.,2005]。このプローブに相補的である1本鎖DNAの領域が増幅の過程において形成されたときヘアピンの開裂とそのアニーリングが起こり、これが消光基と色素の空間的な隔離を伴い、蛍光の増加を生じる。
これらのシステムの全ての主要な欠点は、その複雑さと、診断の目的にはイニシャルDNA、DNAポリメラーゼ及びデオキシヌクレオチド三リン酸に加えて通常は二つのプライマーのみで充分である通常のPCRに存在する成分より多数の成分をRT−PCRには使用する必要があることである。その中に(そのコストを著しく増加させる)2つ、時には3つの修飾を持つハイブリダイゼーションプローブの使用はまた、プライマーをアニーリングする場所の間にそのプローブのターゲットとして役立つ特別な領域の存在を前提としており、それはアンプリコンのサイズの増加を生じることは避けられず、通常60〜70bp又はそれ以上をも超える。
本発明の目的は、反応の高い特異性を維持しながら、著しく単純化し、促進し、そしてRT−PCRの結果を得るためのコストを減少させることである。
本発明の本質は、PCRの目的産物の特異性の高い検出が、光学モジュールを装着した特別なDNA増幅装置中で行われ、増幅反応過程自体の中で、ドナー色素からアクセプター色素へ蛍光共鳴エネルギーが伝達された後のアクセプター色素の発光強度の増加によって目的産物の増加が記録されるか、或いは別の変法においては、(蛍光色素の形態における修飾を考慮に入れなければ)全く通常の構造の中に別個に含まれ、二次構造、順方向及び逆方向プライマーを無にする消光基の作用の結果として蛍光色素の発光が減少することによって目的産物の増加が記録されるが、一方この目的のために現時点で使用されているRT−PCRには、TaqMan又はBeacon及びその他のタイプ又は複雑な二次構造又は非常に低い特異性が特徴である挿入色素を持つSunrise、ScorpionまたはCycliconタイプの複雑なプライマー構築のいずれかのハイブリダイゼーションプローブが使用されている。
われわれの方法の主な相違点は、ハイブリダイゼーションプローブの形態において、この操作を著しくより高価なものにし、さらに幾分速度を低下させる追加の構造を必要としないことである。われわれの変法では、順方向及び逆方向プライマーをアニーリングするための場所として選択されるDNA又はRNAの検出フラグメントのヌクレオチド配列のセクションは互いに隣接しているか部分的に重なりあっていることすらあり得ることから分るように、アンプリコンのサイズはわずか約35〜50bpであるので、標準的25サイクルが25分未満で終了する。“UFA”(Universal Fluorescent Amplification)とも呼ばれるわれわれのRT−PCR法の高特異性は、ドナー色素及びアクセプター色素、又は別の変法では色素と消光基が異なる(順方向及び逆方向)プライマーの構造に含まれることにより提供される。一方では、これにより一つのプライマーのみの非特異的増幅(もっと正確には、その検出)の可能性は除かれ、そして他方では、これは、検出領域として選択されないセクションでは確率論によると事実上起こりそうも無い互いの直近における両プライマーのアニーリングを必要とする。
この本願で請求する解決方法をプロトタイプから差別化している特徴に類似する特徴を持つ既知の技術的解決方法(類似方法)は発見されなかった。著者らの見解としては、この請求の解決方法は「本質的相違」基準(“essential distinctions”criterion)に該当する。
DNA又はRNAの特定のフラグメントのポリメラーゼ連鎖反応の助けをかりて、リアルタイム方式におけるその検出と共に増幅UFAを行う提案方法を以下の実施例により説明する。
実施例1.オリゴヌクレオチドプライマーの選択
オリゴヌクレオチドプライマーの選択は、それぞれそれらが反応の特異性を提供し、DNA(又はRNA)のヌクレオチド配列のフラグメントを35〜50ペアのサイズのヌクレオチド(又はヌクレオチド)に限定することを期待して行われる。プライマーの選択の際に、以下の環境が考慮されなければならない−オリゴヌクレオチドプライマーの合成の過程において(又は合成後)、励起及び発光の適当な波長を持ち、ドナー/アクセプター(図1)或いは色素/消光基(図2)のいずれかを構成し、そして増幅の結果として目的の二本鎖産物の中に、蛍光共鳴エネルギーの移転(図3)又は消光(図4)が効果的に検出される距離に互いに存在することを特徴とする対応する蛍光色素及び消光基でそれらを標識することができる。陰性−陽性対照のプライマーは、ドナー色素とアクセプター色素又は色素と消光基の間の距離が、第一の場合には蛍光共鳴エネルギーの移転を行うことを可能にせず、第二の場合には消光作用が存在しないが、いずれの場合にも対応するRT−PCR産物は生産されることを考慮して選択される。
実施例2.目的産物の融解温度を決定するための予備的DNA増幅の実施
25μlの体積の反応混合物は、緩衝液(40mM Tris−HCl pH8.0,2.5mM MgCl,25mM KCl);20fMol DNA;1活性単位のTaq DNAポリメラーゼ;それぞれ(ドナー及びアクセプター又は色素及び消光基をもつ)蛍光色素で標識された二つのプライマーのそれぞれ0.5pMol及び相当する量の蒸留水からなる。RT−PCRは以下の条件の下にiCycler iQ model(Bio−Rad Laboratories,US)のDNA増幅器中で行った:最初のサイクルにおいて二本鎖DNAの変性を95℃で30秒間行い、次いでプライマーをアニールし、伸長を45℃で10秒間行い、この段階の終わりに蛍光を記録し、そして目的産物の変性を90℃で10秒間行い、サイクル数は25であった。二本鎖分子の形で目的産物が与えられた場合に、この段階において存在するドナー色素の蛍光共鳴エネルギーで励起された後のアクセプター色素の発光の増加を、また別の変法では消光作用の結果としての色素の発光の減少を記録することにより目的産物の生産の管理を行った。プライマーのアニーリング温度は、種々の実験において、使用したオリゴヌクレオチドのGC−構造によって若干変動した。DNA増幅の目的産物の融解温度の決定は、装置に付属するプログラムの対応するプロトコールにより規定されているように同じDNA増幅器の中で行われた。増幅ステップの終了後、二本鎖の状態から一本鎖へアンプリコンが移行する温度の検出は、温度に対する蛍光の一次導関数の負数の関係を確立し、それにより融解の微分曲線を得て、目的産物の融解温度を実験的に決定した。この情報は、古典的な95℃の代わりにアンプリコンの確実な変性のために充分な温度を選択のために必要である。何故なら、この場合には他の利点に加えて全体の増幅過程の時間が減少するからである、様々なモデルのDNA増幅器における反応ブロックを加熱冷却する平均速度が通常1秒当たり2〜3℃変化することを考慮すると、各サイクルにおいて12〜15秒は節約できる可能性がある。このため、最適より上の温度における時間の短縮を考慮すると、多数のサイクルでは酵素の作業能力は延長し、したがって総じてより信頼性の高い増幅が行われる。
実施例3.cDNAの調製
逆転写酵素の酵素を使用するRT−PCR(RT−RT−PCR)の助けにより材料に含まれるRNAを増幅するために、この酵素の助けによりRNAマトリックスに従って相補的DNAを構築する段階が必要である。予備的に、0.5μgのRNA及びここではプライマーとして働く0.001o.e.のオリゴヌクレオチド2をミクロ遠心分離試験管中で混合した。混合物を85℃に加熱し、徐々に30℃に冷却させた。逆転写反応を以下の成分を含む20μlの反応容量において42℃で10分間行った―50mM Tris−HCl pH8.3,10mM MgCl,10mM DTT,0.5mMスペルミジン,0.5mMの各dNTF及び5活性単位のAMV−逆転写酵素。
実施例4.RT−PCR又はRT−RT−PCRの実施
緩衝液(40mM Tris−HCl pH8.0,2.5mM MgCl,25mM KCl);20fMol DNA;1活性単位のTaq DNAポリメラーゼ;それぞれ自身の蛍光色素(ドナー及びアクセプター色素又は色素及び消光基)で標識された二つのプライマーのそれぞれ0.5pMol及び対応量の蒸留水を含む25μlの反応混合物中でPCRを行った。RT−PCRはiCycler iQモデルのDNA増幅器中において以下の条件の下に行った:最初のサイクルにおける二本鎖DNAの変性は95℃で30秒間行い、次いでプライマーのアニーリング及び延長を45℃,10秒間で行い、この段階の終わりに蛍光を記録し、目的産物の変性は80℃,10秒間で行った。サイクル数は25とした。
実施例2において測定されたように、より低い温度(75℃)において目的産物は変性するので、目的産物を95℃に加熱する必要がないことから、低下した温度(80℃)において短時間(10秒間)で目的産物を変性させることにより、反応時間を短縮し、DNAポリメラーゼが臨界温度帯に存在する時間を短縮することを可能にした。プライマーのアニーリング温度及び目的産物の融解温度も、使用したオリゴヌクレオチドのGC成分によって、種々の実験において若干変更した。一方ではドナー色素で、他方では消光基で標識したプライマーを使用するRT−PCRの第二の変法も同様にして実施した。対照として、試験DNA(又はcDNA)を加えずに使用したオリゴヌクレオチドに相補的な領域を含まないDNAを加えてPCRを実施した。追加の陰性−陽性対照については、蛍光共鳴エネルギーが伝達されず、消光作用も生じないような相当の距離をプライマー2のアニーリング位置から離してプライマー3をアニーリングする場所として意図したヌクレオチド配列の領域を選択した(図1〜4)。目的産物の蛍光の増加曲線はプライマー1及び2に限定され、ドナー及びアクセプター色素の変法においてプライマー3及び2のペアによる同様の増加がないことは図5に示されている。
実施例5.RT−PCR産物の電気泳動による管理(任意)
RT−PCR産物の電気泳動による管理(任意)は目的産物を視覚的に検出することを目的にして行われた。RT−PCR産物の分離はトリス−酢酸緩衝液pH7.8中8%ポリアクリルアミドゲルにおいて非変性条件化においてゲルの長さのcm当たり4Vの電圧勾配で垂直タイプの装置において4時間行われた。電気泳動終了後、臭化エチジウムにより発色させたゲルを写真記録システム−Gel Camera System(UVP,Inc.,US)中で写真を撮影した。図6に示すように、RT−PCR中に記録された目的産物は予想サイズの42bpを示し、一方110bpのサイズの帯の形の陰性−陽性対照はRT−PCRの間蛍光シグナルの変化を示さなかったが、臭化エチジウムで染色した場合には極めて明白である。二つの蛍光色素がアンプリコンの組成中に存在することから、その移動度は同じサイズのDNAの非修飾フラグメントの場合よりも若干少ない。
[参考文献]
Figure 2007125011

Figure 2007125011
ドナー(F)及びアクセプター(R)色素の間の蛍光共鳴エネルギーの移動のあるRT−PCRの変法における順方向(1及び3)及び逆(2)プライマーの位置を示す図。 万能消光基(Q)により蛍光色素(F)の発光の消光のあるRT−PCRの変法における順方向(1及び3)及び逆方向(2)プライマーの位置を示す図。 ドナー(F)及びアクセプター(R)色素の間の蛍光共鳴エネルギーの移動のあるRT−PCRの経過を示す図。エネルギーの移動は波線の矢印で示されている。 万能消光基(Q)による蛍光色素(F)の発光の消光があるRT−PCRの経過を示す図。 ドナー及びアクセプター色素の間の蛍光共鳴エネルギーの移動のあるRT−PCRの変法における蛍光の増加の推移。曲線1はプライマー1及び2による;曲線2はプライマー3及び2による;曲線3は陰性対照(マトリックスDNA無し) ドナー及びアクセプター色素の間の蛍光共鳴エネルギーの移動のあるRT−PCR産物の電気泳動分析。MはマーカーDNA;レーン1はプライマー1及び2による産物;レーン2はプライマー3及び2による産物;レーン3は陰性対照(マトリックスDNAなし、遊離プライマーは明らか)。

Claims (2)

  1. ハイブリダイゼーションプローブを使用する必要はないが、二次構造を形成せず、その構造の中に蛍光色素を持ち、互いに直接隣接しているか又はさらに若干重なり合っている標的上にアニールするオリゴヌクレオチドプライマーを使用し、それによりそれぞれ順方向及び逆方向のプライマーの構造に含まれるドナー色素及びアクセプター色素の間にエネルギーの蛍光共鳴移動を提供し、そして増幅の目的産物の蓄積の検出をアクセプター蛍光色素の発光の増加を記録することにより行うことを特徴とする、リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応によるDNAまたはRNAの特定のフラグメントの増幅方法。
  2. 前記順方向及び逆方向プライマーの構造の中にそれぞれ蛍光色素及び万能の消光基を含み、増幅の目的産物の前記蓄積の検出が、消光作用の効果により該蛍光色素の発光が減少するのを記録することにより行うことを特徴とする請求項1に記載の方法。
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