JP2007124485A - 高速ダウンリンクパケットアクセス方式における伝送方法及び受信装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)方式における伝送方法及び受信装置に関し、受信データの復元処理に使用されるVirtual IRバッファのメモリ領域を増やすことなく、受信特性の良いカテゴリの通信を行う。
【解決手段】受信装置のIRバッファ5−2は、第2レートデマッチング部5−3から入力される受信データに対して、再送データとの合成処理対象か否かを判定し、スイッチ部5−22により、合成処理対象の場合はバッファメモリ5−21に送り、合成処理対象でない場合は直接次段の第1レートデマッチング部5−1に送り出す。バッファメモリ・合成処理制御部5−23は、スイッチ部及びバッファメモリを制御し、IRバッファからはみ出すプロセス番号の受信データは合成しない、或いはIRバッファサイズからはみ出すプロセス番号を決め打ちせず、CRC誤りを検出した受信データのみを合成するよう制御する。
【選択図】図5
【解決手段】受信装置のIRバッファ5−2は、第2レートデマッチング部5−3から入力される受信データに対して、再送データとの合成処理対象か否かを判定し、スイッチ部5−22により、合成処理対象の場合はバッファメモリ5−21に送り、合成処理対象でない場合は直接次段の第1レートデマッチング部5−1に送り出す。バッファメモリ・合成処理制御部5−23は、スイッチ部及びバッファメモリを制御し、IRバッファからはみ出すプロセス番号の受信データは合成しない、或いはIRバッファサイズからはみ出すプロセス番号を決め打ちせず、CRC誤りを検出した受信データのみを合成するよう制御する。
【選択図】図5
Description
本発明は、高速ダウンリンクパケットアクセス方式における伝送方法及び受信装置に関し、特に、第3世代(3G)携帯電話方式W−CDMAのデータ通信を更に高速化したパケット通信を実現する高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA:High Speed Downlink Packet Access;以下HSDPAという)方式の規格に準拠した通信方式における伝送方法及びその受信装置に関する。
HSDPA通信システムにおいて、複合自動再送要求(H−ARQ:Hybrid-Automatic Repeat Request)処理が第3世代移動体通信システムの標準化プロジェクト(3GPP:3rdGeneration Partnership Project)の規格で定義されている。以下、複合自動再送要求(H−ARQ)について説明する。
図6に示すように、HSDPA通信システムは、基地局(BTS)において、送信するデータにCRC付加部6−1により巡回冗長検査(CRC:Cyclic Redundancy Check)符号を付加し、ターボ符号部6−2によりターボ符号化処理を行い、第1レートマッチング部6−3により、トランスポートチャネルに伝送レート又は品質に応じたビット割り当てを行うためのレートマッチング処理を行い、Virtual IR(Increment Redundancy)バッファ6−4にそれらのデータを格納した後、第2レートマッチング部6−5により2回目のレートマッチング処理を行い、物理チャネルマッピング部6−6により、トランスポートチャネルのHS−DSCH(High Speed-Dedicated Shared Channel)データを物理チャネルマッピングし、移動機(MS)に向けて送信する。
移動機(MS)は、基地局(BTS)から送信されてくる無線信号から物理チャネル分離部6−7によりHS−DSCHデータを分離し、第2レートデマッチング部6−8により、基地局(BTS)で第2レートマッチングされたデータの再生処理を施した後、一旦、Virtual IRバッファ6−9に受信データを保持する。
Virtual IRバッファ6−9では、受信データが再送データで有る場合は、先に受信し保持されている同一プロセス番号のデータと合成し、受信データが新規データである場合は、合成することなくそのまま受信データを出力する。
その後、第1レートデマッチング部6−10により、基地局(BTS)で第1レートマッチングされたデータの再生処理を施し、ターボ復号部6−11によりターボ復号化処理を行い、CRCチェック部6−12で巡回冗長検査(CRC)符合のチェックを行い、チェック結果が良(OK)であれば、肯定応答(ACK)を基地局(BTS)に送信する。
しかし、上記の巡回冗長検査(CRC)符合のチェック結果が不良(NG)であれば、否定応答(NACK)を基地局(BTS)に送信し、その後、基地局(BTS)からレートマッチングパターンを変更したデータが再送され、先にVirtual IRバッファ6−9に保持してあるデータと再送データとを合成してターボ復号化処理を行う。これが複合自動再送要求(H−ARQ)処理である。
なお、最初のデータ受信時から、巡回冗長検査(CRC)符合チェックの不良(NG)を検出して否定応答(NACK)を基地局(BTS)に送信し、基地局(BTS)から再送データが受信されるまで、最短で伝送時間間隔(TTI:Transmission Time Interval;1TTI=2ms)6個分の期間を要する。
従って、移動機(MS)は巡回冗長検査(CRC)符合チェックの不良(NG)の検出時、6個分の伝送時間間隔(TTI)未満の期間内に再送データを合成してはいけない。そのため、データ合成処理のためのプロセス番号(0,1,…,7:最大8)が定義されていて、該プロセス番号は、処理の時間順に6個の伝送時間間隔(TTI)の期間で一巡するように付与し、それによって同一のプロセス番号のデータを合成するようにする。
プロセス番号と合成可能/不可の期間との関係を図7に示す。同図に示すように、例えば、プロセス番号0のデータは、6個の伝送時間間隔(TTI)後に受信される同一プロセス番号0の再送データと合成され、同様に、次のプロセス番号1のデータは、6個の伝送時間間隔(TTI)後に受信される同一プロセス番号1の再送データと合成される。
上記のプロセス番号、データが再送データか新規データかを示すインジケータ、及びレートデマッチングを行なう際に必要なレートマッチングパターンは、HS−SCCH(High Speed-Shared Control Channel)データ中に格納されている。HSDPA方式における基地局(BTS)と移動機(MS)との間のダウンリンク(BTS→MS)及びアップリンク(MS→BTS)で送受されるデータの概要を図8に示す。
HS−SCCHは、HS−PDSCH(High Speed-Physical Dedicated Shared Channel)のレイヤ1情報を示し、移動機(MS)は指定されたHS−SCCHの4本(HS−SCCH−1,2,3,4)のデータを常時受信し、ユーザイクィップメント識別子(UE−ID)を使用してそのうちの1本を選択し、そのデータを受信する。
図8に示すHS−SCCHのデータ(a)は、HS−PDSCHデータを復調するための情報(コード多重数、変調方式等)であり、データ(b)はHS−DSCH(High Speed-Dedicated Shared Channel)を復号するための情報(プロセス番号、再送データ/新規データのインジケータ、レートマッチング情報等)である。
HS−SCCHに格納された上述のプロセス番号等のデータ(b)は、図8に示すように、HS−PDSCHの受信の1スロット前から受信が開始される。そして移動機(MS)は、上記データ(a)の情報により指定されたn本(最大15)のHS−PDSCHデータを受信する。HS−PDSCHのデータ(c)は、ユーザデータのみである。以上が、基地局(BTS)から移動機(MS)方向に伝送されるダウンリンクのデータである。
一方、移動機(MS)から基地局(BTS)方向に伝送されるアップリンクのデータは、HS−DPCCH(High Speed-Dedicated Physical Control Channel)のデータ(d)により、前述の巡回冗長検査(CRC)符号チェック結果の良否を示す肯定/否定応答(Ack/Nack)を送信し、また、HS−DPCCHのデータ(e)により、チャネル品質指標(CQI:Channel Quality Indicator)を送信する。
ここでHSDPA方式におけるカテゴリについて説明する。HSDPA方式には、伝送形式をカテゴライズした12種類のカテゴリが存在する。該12種類のカテゴリを図9の一覧表に示す。各カテゴリ1〜12は、使用可能な変調方式、使用可能なコード多重数、各伝送時間間隔(TTI)間の最小間隔(Minimum-inter TTI interval)、最大トランスポートブロック(TrBLK)サイズ、及びVirtual IRバッファサイズがそれぞれカテゴライズされ、カテゴリの相違によって最大伝送レート(最大トランスポートブロックサイズ/2ms)が異なる。
なお、上記の伝送時間間隔(TTI)間の最小間隔(Minimum-inter TTI interval)は、1伝送時間間隔(TTI)毎に連続してデータ送信可能であれば“1”、2伝送時間間隔(TTI)毎に1伝送時間間隔(TTI)のデータが送信可能であれば“2”、3伝送時間間隔(TTI)毎に1伝送時間間隔(TTI)のデータが送信可能であれば“3”として表される。
ここで、カテゴリ1と2、カテゴリ3と4、カテゴリ5と6及びカテゴリ7と8とで、それぞれの項目を比較すると、Virtual IRバッファ(以下IRバッファという)のサイズのみが異なり、他の項目は同一である。このことは、最大伝送レート自体は変わらないが、後述するように、IRバッファのサイズの違いにより、再送時のデータ合成後の特性が異なり、IRバッファサイズの大きいカテゴリの方が、巡回冗長検査(CRC)符号のチェック結果が良(OK)となる確率が高くなる。例えば、カテゴリ5とカテゴリ6とでは、最大伝送レートは共に3.649Mbpsで同一であるが、IRバッファサイズはカテゴリ6の方が大きく、その分、再送データとの合成によりデータが良好に受信される確率が高くなる。
ここで、カテゴリ5とカテゴリ6を例に挙げて受信特性の違いについて説明する。レートデマッチングは、(情報ビット長)/(レートデマッチング部への入力ビット長)の値が小さいほど(送信側で沢山レペティションされるほど)、ビット当たりでの電力比率が高くなり、受信側で復号した際により良い特性が得られる。即ち、(情報ビット長)/(レートマッチングの後ビット長)の値(=コーディングレートの値)が小さいほど、符号化利得が高く、特性が良い。
図10にレートマッチング/デマッチングによるデータのビット長の変化の例を示す。同図の(a)はカテゴリ6の場合を示し、同図の(b)はカテゴリ5の場合を示している。同図に示すように、情報ビット長は何れのカテゴリでも7298ビットである。この情報ビットに対して、カテゴリ6では11200ビット、カテゴリ5では9600ビットの符号に変換するレートマッチングが行なわれ送信される。
受信側では、カテゴリ6では11200ビット、カテゴリ5では9600ビットのデータを受信し、それぞれレートデマッチングを行なって、7298ビットの情報ビットを復号化する。カテゴリ6では、コーディングレートは7298/11200=0.65である。一方、カテゴリ5では、コーディングレートは7298/9600=0.76である。即ち、カテゴリ6の方が、コーディングレートの値が小さく、受信特性は良いものとなる。
このような特性をふまえて、HSDPA方式のレートデマッチングを行う構成を考察する。HSDPA方式のレートデマッチングは、第1レートデマッチングと第2レートデマッチングの2段階のレートデマッチングを行う構成となる。第1レートデマッチング部と第2レートデマッチング部との間に、Virtual IRバッファが備えられ、HSDPA方式のカテゴリによりVirtual IRバッファのサイズが異なるものとなる。
図11に、レートデマッチングを行う構成の機能ブロックを示す。同図において、10−1はビットコレクション部、10−2は第2レートデマッチング部、10−3はVirtual IRバッファ、10−4は第1レートデマッチング部、10−5はターボ復号部である。また、Nsysは組織ビットで元のデータそのものを表し、Np1は畳み込み符号化されたデータ(パリティ1ビット)、Np2は畳み込み符号化及びインタリーブされたデータ(パリティ2ビット)を表す。
カテゴリ5とカテゴリ6とで異なるのは、Virtual IRバッファのサイズのみであり、同量の情報ビットを受信する場合は、Virtual IRバッファのサイズが大きいほど、第1レートデマッチングにおけるコーディングレートが小さくなり(符号化利得が高くなり)、特性が良くなる。
カテゴリ5とカテゴリ6のVirtual IRバッファのサイズ57600,67200を、プロセス数=6で除算すると、1プロセス当たりのVirtual IRバッファのサイズは、それぞれ9600ビット及び11200ビットとなる。一方、物理チャネルの最大ビット長は、1920ビット(16QAM)×5(コード多重)=9600ビットとなる。
新規データ送信時は、図12の(a)に示すように、斜線部分の組織ビット優先のデータが送信され、該データで9600ビット分の送信になるので、カテゴリ5とカテゴリ6の両者とも、コーディングレートは、7298/9600=0.76となり、特性は変わらない。
再送データ送信時は、カテゴリ5では物理チャネル最大サイズのデータ送信時、新規データ送信時と同一部分のデータのみを送信する(Chase Combine)。一方、カテゴリ6では図12(b)に示すように、物理チャネル最大サイズのデータ送信時、網目模様で表す組織ビット非優先(パリティビット優先)のデータを送信する。
即ち、カテゴリ6では、新規データ送信時に送信されなかったデータを含む9600ビットの物理チャネルビット長の再送データとして送信され、移動機(MS)側のVirtual IRバッファでは、先に受信した新規データに加えて再送データを含む11200ビット分のデータをVirtual IRバッファ内に受領する。その場合、カテゴリ6では、コーディングレートは、7298/11200=0.65となり、カテゴリ5と比較して特性が良くなる。
新規データ送信時はカテゴリ5と6とで符号化利得の特性は同一であるが、再送データ送信時は、カテゴリ6の方が若干特性が良くなる。従って、カテゴリ6はカテゴリ5と比較して、最大伝送レートは変わらないが、再送データ送信回数が少なくなり、実使用環境下でのユーザデータ伝送レートが若干良くなることが期待される。同様な特性は、カテゴリ1と2、カテゴリ3と4及びカテゴリ7と8の間にも適用される。
本発明に関連する先行技術文献として、下記の特許文献1には、伝搬路誤りが生じたデータを再送するARQ方式を用いた送受信装置において、通信相手からの再送要求信号を受信する受信手段と、該受信手段が再送要求信号を受信した際、誤りの生じ易いビットのみを通信相手の無線局に再送信号として再送する送信手段とを具備し、実質的に再送の必要のあるビットのみを再送することになり、再送に要するビット数を削減し、誤り率を増加させずに再送効率を向上させた発明について記載されている。
また、下記の特許文献2には、複合再伝送方式(HARQ)を使用した高速データ伝送のためのデータ通信システムにおいて、初期伝送及び再伝送の時に使用されるリダンダンシーパターンを決定するための方法に関し、入力情報ビットを予め決定された符号化率で準補完ターボ符号(QCTC)によって符号化して符号語シンボルを発生し、データ伝送率によって決定されたサブパケットの長さで前記符号語シンボルを伝送するために、前記符号語シンボルの一部または全部に対応する予め決定されたパターンのうちいずれか1つのパターンを選択する過程と、データ伝送率、サブパケットの長さ及びパターンを所定の情報に予めマッピングしたテーブルからデータ伝送率、サブパケットの長さ及び選択されたパターンに対応する情報を読み取る過程と、該読み取られた情報及び選択されたパターンによって符号語シンボルを伝送する過程とを含む伝送処理率の改善のためのデータ通信システムの逆方向送信方法等について記載されている。
特開2003−152691号公報
特表2004−535137号公報
前述したように、HSDPA方式におけるH−ARQ処理のVirtual IRバッファは、カテゴリ毎にバッファサイズが決められているが、Virtual IRバッファのサイズのみが異なるカテゴリ間では、最大伝送レートは同一であっても、受信データの復元(H−ARQ処理)に使用されるVirtual IRバッファのサイズの大きいカテゴリの方が、受信特性が良い。
しかし、より小さいバッファサイズで別カテゴリのH−ARQ処理を行うことにより、メモリサイズの低減が可能となる。本発明はこの点に着目し、同一メモリ容量のままで、1ランク特性の良いカテゴリで通信を行うことができるようにしたものである。即ち、本発明は、HSDPA方式の規格に準拠した通信方式おいて、受信データの復元処理に使用されるVirtual IRバッファのメモリ領域を増やすことなく、受信特性の良いカテゴリの通信を行うことが可能な伝送方法及び受信装置を提供することを目的とする。
本発明の伝送方法は、(1)予め伝送形式としてカテゴライズされた複数種類のカテゴリのうちから、何れのカテゴリで伝送するかを送信側と受信側とでネゴシエーションを行った後に、誤り検出訂正符号を含むデータをプロセス番号順に送信し、受信側で該データの誤り検出結果を送信側に送信し、送信側は該誤り検出結果が不良の場合に該データを再送し、受信側は先に受信した新規データと後に受信した再送データとを合成処理した後、復号処理を行う高速ダウンリンクパケットアクセス方式の伝送方法において、新規データの受信から再送データが受信されるまで受信データを保持するバッファメモリのサイズのみが他のカテゴリのものより小さく、最大伝送レートを含む他の項目が同一であるカテゴリの伝送形式で伝送する際に、新規データの送信時から再送データの送信時までの期間に伝送可能な前記プロセス番号順のデータのうち、その一部のプロセス番号のデータを省いて伝送することを特徴とする。
また、本発明の受信装置は、(2)予め伝送形式としてカテゴライズされた複数種類のカテゴリのうちの一つの伝送形式で送信された誤り検出訂正符号を含むデータを受信し、該データの誤り検出結果を送信側に送信し、該誤り検出結果が不良の場合に再送されるデータを受信し、先に受信した新規データと後に受信した再送データとを合成処理した後、復号処理を行う高速ダウンリンクパケットアクセス方式の受信装置において、新規データの受信時から再送データの受信時までの期間にプロセス番号順に受信される受信データに対して、該受信データのプロセス番号を判別するプロセス番号判別手段と、前記プロセス番号判別手段で判別されたプロセス番号が予め定められた特定のプロセス番号で有る場合に、該プロセス番号のデータをバッファメモリに保持することなく復号処理部へ出力し、かつ、前記特定のプロセス番号の受信データが新規データか再送データかを判定し、再送データである場合に新規データとして読み変えて合成処理を行うことなく前記復号処理部へ出力する手段と、を備えたことを特徴とする。
また、(3)前記特定のプロセス番号の受信データに対して、復号処理の後にデータ誤りを検出したときに、送信側に対して、前記データの誤り検出結果を送信することなく、無応答とする再送制御手段を備えたことを特徴とする。
また、(4)予め伝送形式としてカテゴライズされた複数種類のカテゴリのうちの一つの伝送形式で送信された誤り検出訂正符号を含むデータを受信し、該データの誤り検出結果を送信側に送信し、該誤り検出結果が不良の場合に再送されるデータを受信し、先に受信した新規データと後に受信した再送データとを合成処理した後、復号処理を行う高速ダウンリンクパケットアクセス方式の受信装置において、受信データをバッファメモリの空き領域に一旦格納する手段と、該バッファメモリに格納された受信データを復号した後にデータの誤りチェックを行い、該誤りチェックの結果が誤り無しの場合、該受信データをバッファメモリから消去して該受信データの格納領域を空き状態にし、該誤りチェックの結果が誤り有りの場合、該受信データをバッファメモリに保持しておくバッファメモリ書き込み制御手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、HSDPA方式の規格に準拠した通信方式おいて、Virtual IRバッファサイズのみ異なる組み合わせのカテゴリのデータ伝送に際し、一部のプロセス番号の受信データに対して再送データとの合成処理を行わないようにすることにより、受信データの復元処理に使用されるVirtual IRバッファのメモリ容量を同一容量としたままで、1ランク特性の良いカテゴリで通信を行い、他のプロセス番号のデータに対してVirtual IRバッファのメモリ領域を増やすことなく、受信特性の良いカテゴリの通信を行うことが可能となる。
即ち、基地局(BTS)でVirtual IRバッファの大きいサイズのカテゴリに対応した送信を行う場合も、移動機(MS)ではVirtual IRバッファの小さいサイズのカテゴリのままで、特性がほぼ同様の伝送を行なうことが可能となり、移動機(MS)におけるVirtual IRバッファのサイズ削減が可能となる。
(1)本発明の第1の実施形態(使用するプロセスを制限する実施形態)として、カテゴリ6での伝送方法を例に挙げて説明する。カテゴリ6では、本来は11200ビットの6プロセス分のデータ(11200×6=67200ビット)を使用するべきところを、本発明では、11200ビットのデータを5プロセス分のみの使用とする(11200×5=56000ビット)。
移動機(MS)のVirtual IRバッファ(以下、IRバッファという)のサイズはカテゴリ5サイズであっても、このIRバッファで受信される5プロセス分の各々のデータは、カテゴリ6で伝送しようとする1プロセス分のデータサイズ(11200ビット)にマッチするために、各プロセスの受信データの特性はカテゴリ6と同様である。
但し、上記の伝送を行う場合、基地局(BTS)は、本来6プロセス分のデータを送信することができるところを、5プロセス分のデータのみを送信する構成とする必要がある。基地局(BTS)において、使用するプロセスを制限するための処理フローを図1に示す。
同図に示すように、基地局(BTS)は、移動機(MS)とどのカテゴリで通信するかについてネゴシエーションを行う(ステップ1−1)。該ネゴシエーションは、DPDCH(Dedicated Physical Data Channel)を用いて行われる。
上記ネゴシエーションの後、移動機(MS)のIRバッファのサイズを判定し(ステップ1−2)、該サイズがカテゴリ5のサイズである場合、プロセス0〜4のデータのみを送信する(ステップ1−3)。一方、IRバッファのサイズがカテゴリ6のサイズである場合、プロセス0〜5のデータを送信する(ステップ1−4)。
(2)本発明の第2の実施形態(IRバッファサイズからはみ出すプロセスのデータは合成処理を行わない実施形態)についてカテゴリ6での伝送を例に挙げて以下に説明する。基地局(BTS)は、カテゴリ6として11200ビットの6プロセス分のデータ(11200×6=67200ビット)を送信する。
移動機(MS)では、カテゴリ5のIRバッファサイズのメモリしかなく、11200ビットの5プロセス分のデータに対してはIRバッファに保持し、再送時に通常通り再送データと合成することができるが、該IRバッファからはみ出る1プロセス分のデータは、IRバッファにデータを保持することができないために、このプロセスのデータに対しては合成処理を行わずに受信する。
但し、このはみ出るプロセスのデータを新規データとして受信した際に、巡回冗長検査(CRC)符号チェックが不良(NG)で、否定応答(NACK)送信した場合に、6伝送時間間隔(TTI)後に、同一プロセスの再送データが受信される。
この再送データを受信した際に「再送データ」を示す情報を「新規データ」を示す情報と読み替えて新規データとして扱い、合成処理を行わないで復号処理を実施する。こうすることにより、上記第1の実施形態のようは基地局(BTS)でのプロセス数制限のための構成は不要となる。
また、はみ出るプロセスのデータが再送されてくる場合、通常は、新規データ送信時は組織ビット優先のデータとして送信されてくるものが、再送データ送信時は組織ビット非優先のデータで送信されてくるために、巡回冗長検査(CRC)符号チェックが不良(NG)になる確率が高くなる。
そこで、IRバッファからはみ出るプロセスのデータを受信し、巡回冗長検査(CRC)符号チェック不良(NG)の場合、否定応答(NACK)を送信することなく、何も応答を返さず無応答(DTX送信)とすることにより、基地局(BTS)では移動機(MS)でHS−SCCHの受信における自局判定に失敗したと認識して、新規データと全く同一のデータ(組織ビット優先のレートマッチングパラメータ)を送信してくるために、移動機(MS)では、巡回冗長検査(CRC)符号チェックが良(OK)となる確率が高くなる。
上記の処理のフローを図2に示す。同図に示すように、受信データのプロセス番号を判別し(ステップ2−1)、プロセス番号が5の場合、受信データをIRバッファに保持せず、従って合成処理を行わないよう、IRバッファ書き込み制御を行って次の処理に移る(ステップ2−2)。
次に、受信データが再送データか否かを判定し(ステップ2−3)、再送データである場合は「再送データ」を「新規データ」と読み替え(ステップ2−4)、復号処理を行う(ステップ2−5)。受信データが新規データである場合はそのまま復号処理を行う(ステップ2−5)。
上記復号処理の結果、巡回冗長検査(CRC)符号チェックが不良(NG)であるか否かを判定し(ステップ2−6)、不良(NG)である場合は、基地局に対してDTX送信(無応答)とする送信制御を行う(ステップ2−7)。また、上記ステップ2−1において受信データのプロセス番号が5以外であった場合は、該受信データをIRバッファに保持し(ステップ2−8)、再送データとの合成処理の対象とし、以降は通常通りの復号処理を行う(ステップ2−9)。
次に本発明の第3の実施形態(IRバッファサイズからはみ出すプロセスを決め打ちしない実施形態)について、カテゴリ6の伝送を例に挙げて以下に説明する。前述のようにはみ出るプロセス番号を例えばプロセス5というように決め打ちしておき、このプロセス番号のデータは合成しないよう制御する手法(プロセス番号固定)とは別に、はみ出るプロセス番号を決めうちせず、IRバッファサイズがカテゴリ5の移動機(MS)では、5個のプロセス数までの受信データをIRバッファに保持し、該保持した受信データのうち、その巡回冗長検査(CRC)符号チェック結果が不良(NG)となった受信データに対して再送データと合成するという、プロセス番号可変のIRバッファ書き込み制御を行う手法としたものが第3の実施形態である。
図3に本発明の第3の実施形態の処理フローを示す。同図に示すように、受信データをIRバッファに一旦保持し((ステップップ3−1)、該保持した受信データに対して復号化処理を行い(ステップ3−2)、該復号化データの巡回冗長検査(CRC)符号チェック結果が不良(NG)かどうかを判定し(ステップ3−3)、該チェック結果が良(OK)の場合、当該プロセス番号の受信データをIRバッファから消去し、該受信データが保持されていたIRバッファのメモリ領域を空き状態にする(ステップ3−4)。一方、ステップ3−3でのチェック結果が不良(NG)である場合、当該プロセス番号の受信データをIRバッファに保持したままとし、該受信データを再送データと合成処理する(ステップ3−5)。
図4に本発明の第2及び第3の実施形態によるIRバッファへの受信データの書き込みの具体例を示す。同図の(a)は、プロセス番号順に到来するプロセス番号0〜5の各データの巡回冗長検査(CRC)符号チェック結果の例を示し、1巡目ではプロセス3,5の巡回冗長検査(CRC)符号チェック結果が良(OK)で他のプロセス0,1,2,4の巡回冗長検査(CRC)符号チェック結果が不良(NG)であり、2巡目ではプロセス2,3,4の巡回冗長検査(CRC)符号チェック結果が良(OK)で他のプロセス0,1,5の巡回冗長検査(CRC)符号チェック結果が不良(NG)であり、3巡目ではプロセス0の巡回冗長検査(CRC)符号チェック結果が良(OK)で他のプロセス1,2,3,4,5の巡回冗長検査(CRC)符号チェック結果が不良(NG)である例を示している。
図4の(b)は、IRバッファに書き込む受信データのプロセス番号を固定した実施形態2の場合の例を示し、IRバッファのアドレス0〜4の5個の領域に、それぞれプロセス0〜4の受信データを保持し、プロセス5の受信データは保持しない。この場合、1巡目の受信データに対して、巡回冗長検査(CRC)符号チェック結果が不良(NG)となったプロセス0,1,2,4の受信データ全てに対して合成処理を行うことができる。
しかし、2巡目の受信データに対して、巡回冗長検査(CRC)符号チェック結果が不良(NG)となったプロセス0,1の受信データに対して合成処理を行うことができるが、プロセス5の受信データに対して合成処理を行うことができない。また、3巡目の受信データに対して、巡回冗長検査(CRC)符号チェック結果が不良(NG)となったプロセス1〜4の受信データに対して合成処理を行うことができるが、プロセス5の受信データに対して合成処理を行うことができない。
即ち、プロセス5の受信データを固定的に保持しないこととした場合、プロセス5の受信データは、巡回冗長検査(CRC)符号チェックが不良(NG)時に本来合成するべきところであるが、合成することができないため特性劣化につながることとなる。
図4の(c)は、IRバッファサイズからはみ出すプロセスを決め打ちせずに、プロセス番号可変のIRバッファ書き込みを行う場合の例を示し、図3(a)の受信データの場合、1巡目の受信データに対して、巡回冗長検査(CRC)符号チェック結果が不良(NG)となったプロセス0,1,2,4の受信データ全てを保持し、それらに対して合成処理を行うことができる。
また、2巡目の受信データに対して、巡回冗長検査(CRC)符号チェック結果が不良(NG)となったプロセス0,1,5の全ての受信データを保持し、合成処理を行うことができる。また、3巡目の受信データに対して、巡回冗長検査(CRC)符号チェック結果が不良(NG)となったプロセス1〜4の受信データ全てを保持し、合成処理を行うことができる。
即ち、プロセス番号可変の書き込み制御の場合は、巡回冗長検査(CRC)符号チェック結果不良(NG)となった合成すべきプロセス番号の受信データを、IRバッファの空きメモリ領域に、順に(アドレス0,1,2,3,4という順に)詰めて格納していくので、空きメモリ領域が存在しなくなる極めて稀な場合を除いて、合成することができないプロセスは存在しなく、特性劣化はない。
図5に上記第2及び第3の実施形態を適用した移動機(MS)におけるIRバッファのメモリ制御の機能部を示す。同図に示すようにIRバッファ5−2は、第2レートデマッチング部5−3から入力される受信データに対して、合成処理の対象か否かを判定し、スイッチ部5−22により、合成処理の対象の受信データをバッファメモリ5−21に送り、合成処理の対象でない受信データは、バッファリングせずに次段の第1レートデマッチング部5−1に受信データ送出するパスに送り出す。
受信データに対して合成処理を行なうか否かの判定は、バッファメモリ・合成処理制御部5−23により行い、該バッファメモリ・合成処理制御部5−23は、上記スイッチ部の5−22の切り替え制御、及びバッファメモリ5−21の受信データ書き込み・消去制御を行う。そして、前述したように第2及び第3の実施形態を実現するために、受信データのプロセッサ番号判定部、合成処理制御部、「再送データ」→「新規データ」読み替え部、巡回冗長検査(CRC)符号チェック結果判定部、DTX送信制御部、及びバッファメモリ書き込み・消去制御部を備える。
5−1 第1レートデマッチング部
5−2 Virtual IRバッファ
5−3 第2レートデマッチング部
5−21 バッファメモリ
5−22 スイッチ部
5−23 バッファメモリ・合成処理制御部
6−1 CRC付加部
6−2 ターボ符号部
6−3 第1レートマッチング部
6−4 Virtual IRバッファ
6−5 第2レートマッチング部
6−6 物理チャネルマッピング部
6−7 物理チャネル分離部
6−8 第2レートデマッチング部
6−9 Virtual IRバッファ
6−10 第1レートデマッチング部
6−11 ターボ復号部
6−12 CRCチェック部
5−2 Virtual IRバッファ
5−3 第2レートデマッチング部
5−21 バッファメモリ
5−22 スイッチ部
5−23 バッファメモリ・合成処理制御部
6−1 CRC付加部
6−2 ターボ符号部
6−3 第1レートマッチング部
6−4 Virtual IRバッファ
6−5 第2レートマッチング部
6−6 物理チャネルマッピング部
6−7 物理チャネル分離部
6−8 第2レートデマッチング部
6−9 Virtual IRバッファ
6−10 第1レートデマッチング部
6−11 ターボ復号部
6−12 CRCチェック部
Claims (4)
- 予め伝送形式としてカテゴライズされた複数種類のカテゴリのうちから、何れのカテゴリで伝送するかを送信側と受信側とでネゴシエーションを行った後に、誤り検出訂正符号を含むデータをプロセス番号順に送信し、受信側で該データの誤り検出結果を送信側に送信し、送信側は該誤り検出結果が不良の場合に該データを再送し、受信側は先に受信した新規データと後に受信した再送データとを合成処理した後、復号処理を行う伝送方法において、
新規データの受信から再送データが受信されるまで受信データを保持するバッファメモリのサイズのみが他のカテゴリのものより小さく、最大伝送レートを含む他の項目が同一であるカテゴリの伝送形式で伝送する際に、新規データの送信時から再送データの送信時までの期間に伝送可能な前記プロセス番号順のデータのうち、その一部のプロセス番号のデータを省いて伝送することを特徴とする高速ダウンリンクパケットアクセス方式における伝送方法。 - 予め伝送形式としてカテゴライズされた複数種類のカテゴリのうちの一つの伝送形式で送信された誤り検出訂正符号を含むデータを受信し、該データの誤り検出結果を送信側に送信し、該誤り検出結果が不良の場合に再送されるデータを受信し、先に受信した新規データと後に受信した再送データとを合成処理した後、復号処理を行う受信装置において、
新規データの受信時から再送データの受信時までの期間にプロセス番号順に受信される受信データに対して、該受信データのプロセス番号を判別するプロセス番号判別手段と、
前記プロセス番号判別手段で判別されたプロセス番号が予め定められた特定のプロセス番号で有る場合に、該プロセス番号のデータをバッファメモリに保持することなく復号処理部へ出力し、かつ、前記特定のプロセス番号の受信データが新規データか再送データかを判定し、再送データである場合に新規データとして読み変えて合成処理を行うことなく前記復号処理部へ出力する手段と、
を備えたことを特徴とする高速ダウンリンクパケットアクセス方式における受信装置。 - 前記特定のプロセス番号の受信データに対して、復号処理の後にデータ誤りを検出したときに、送信側に対して、前記データの誤り検出結果を送信することなく、無応答とする再送制御手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載の高速ダウンリンクパケットアクセス方式における受信装置。
- 予め伝送形式としてカテゴライズされた複数種類のカテゴリのうちの一つの伝送形式で送信された誤り検出訂正符号を含むデータを受信し、該データの誤り検出結果を送信側に送信し、該誤り検出結果が不良の場合に再送されるデータを受信し、先に受信した新規データと後に受信した再送データとを合成処理した後、復号処理を行う受信装置において、
受信データをバッファメモリの空き領域に一旦格納する手段と、
該バッファメモリに格納された受信データを復号した後にデータの誤りチェックを行い、該誤りチェックの結果が誤り無しの場合、該受信データをバッファメモリから消去して該受信データの格納領域を空き状態にし、該誤りチェックの結果が誤り有りの場合、該受信データをバッファメモリに保持しておくバッファメモリ書き込み制御手段と、
を備えたことを特徴とする高速ダウンリンクパケットアクセス方式における受信装置。
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