JP2007124181A - Rf回路モジュールおよび移動体通信機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】アンテナ間の干渉に起因するアンテナ特性の劣化を改善し、小型化かつ通信距離の延伸化を可能な、RF回路モジュールおよび移動体通信機器を提供することを目的とする。
【解決手段】高周波で無線通信を行うRF回路モジュール1であって、伝送路の平衡・不平衡を変換する平衡不平衡変換器4と、平衡不平衡変換器4に接続されたループアンテナ2と、パッチアンテナ5と、を有することを特徴とするRF回路モジュール1。本発明のRF回路モジュール1によれば、アンテナ間の干渉に起因するアンテナ特性の劣化が改善されるので、アンテナを接近させて配置でき、RF回路モジュール1の小型化が可能となる。またアンテナを近接して配置してもアンテナ間の干渉が抑制されるので、十分なダイバーシティ効果を得ることができ、通信距離の延伸化が可能となる。
【選択図】図1
【解決手段】高周波で無線通信を行うRF回路モジュール1であって、伝送路の平衡・不平衡を変換する平衡不平衡変換器4と、平衡不平衡変換器4に接続されたループアンテナ2と、パッチアンテナ5と、を有することを特徴とするRF回路モジュール1。本発明のRF回路モジュール1によれば、アンテナ間の干渉に起因するアンテナ特性の劣化が改善されるので、アンテナを接近させて配置でき、RF回路モジュール1の小型化が可能となる。またアンテナを近接して配置してもアンテナ間の干渉が抑制されるので、十分なダイバーシティ効果を得ることができ、通信距離の延伸化が可能となる。
【選択図】図1
Description
本発明は、移動体通信機器に用いられるRF回路モジュールに関するものであり、特に、RF回路モジュールを構成するアンテナ同士を接近させてもアンテナ間の干渉が発生しにくく、小型化かつ通信距離を伸ばすことができるRF回路モジュールおよび移動体通信機器に関するものである。
従来の移動体通信機器のRF回路モジュールに接続されるアンテナ装置は、ロッド状のメインアンテナと、マルチパスフェージング対策用のサブアンテナにて、例えば図8に示す、従来の技術にかかるアンテナの構成図のような構成が採用されている(例えば、特許文献1など)。
図8に示すアンテナ装置では、メインアンテナであるホイップアンテナ12と、サブアンテナである短絡型マイクロストリップアンテナ13とが具備され、それぞれのアンテナの一端または一部がグランド板18に接続されている。
すなわち、従来のアンテナ装置は、メインアンテナとして、ホイップアンテナ12のようなモノポール型のアンテナを採用するとともに、機器内のグランド板18を利用してアンテナを小型化しているという特徴がある。
また、サブアンテナについても同様であり、グランド板を利用して小型化することができる、短絡型マイクロストリップアンテナや逆Fアンテナなどが用いられている。
特許第2702109号公報
しかしながら、移動体通信機器内にRF回路モジュールを構成する場合、従来の技術にかかる構成手法では、RF回路モジュールを構成するアンテナ装置を小型化しようとしてと、メインアンテナとサブアンテナとを接近させると、アンテナ間の干渉が発生してアンテナ特性が劣化するため、通信距離が落ちるという課題があった。
また干渉を回避しようとしてアンテナ間の距離を離すと、サブアンテナが手の影響を受けやすい場所や、十分な面積を確保できない場所などの、アンテナとして不利な位置に追いやられてしまい、結果としてサブアンテナの利得が低下して、十分なダイバーシティ効果を得ることができず、通信距離が落ちるという課題があった。
本発明は、上述のような従来の課題を解決するものであり、アンテナ間の干渉に起因するアンテナ特性の劣化を改善し、小型化かつ通信距離の延伸化を可能とするRF回路モジュールおよび移動体通信機器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のRF回路モジュールは、高周波で無線通信を行うRF回路モジュールであって、伝送路の平衡・不平衡を変換する平衡不平衡変換器と、前記平衡不平衡変換器に接続された磁界型の第1のアンテナと、電界型の第2のアンテナと、を有することを特徴とする。
本発明のRF回路モジュールによれば、アンテナ間の干渉に起因するアンテナ特性の劣化が改善されるので、アンテナを接近させて配置でき、RF回路モジュールの小型化が可能となる。またアンテナを近接して配置してもアンテナ間の干渉が抑制されるので、十分なダイバーシティ効果を得ることができ、通信距離の延伸化が可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
アンテナから発生する電磁波には、静電磁界、誘導電磁界および放射電磁界の3つの電磁界が存在するが、近距離での干渉やノイズの観点においては、特に、静電磁界が問題となることが多い。また、アンテナには、電界型と呼ばれるタイプのアンテナと、磁界型と呼ばれるタイプのアンテナとがある。例えば、ダイポールアンテナは、自身が作る静電磁界が電界成分のみを有する電界型のアンテナであるのに対して、ループアンテナは、自身が作る静電磁界が磁界成分のみを有する磁界型のアンテナである。このことは、アンテナを受信目的に使う場合でも同様であり、つまり、電界型のアンテナは近傍から発生する電界成分をよく拾うという性質を有しているのに対し、磁界型のアンテナは近傍から発生する磁界成分をよく拾うという性質を有している。したがって、電界型のアンテナと磁界型のアンテナとを近接して配置する場合には、電界型のアンテナ同士を近接して配置する場合、あるいは磁界型のアンテナ同士を近接して配置する場合に比べて、アンテナ間の干渉を抑制する効果があるといえる。
本発明では、上記のような観点に鑑みて、第1のアンテナとして磁界型のアンテナを用いる一方で、第2のアンテナとして電界型のアンテナを用いるようにしている。
すなわち、本発明の請求項1に記載のRF回路モジュールは、高周波で無線通信を行うRF回路モジュールであって、伝送路の平衡・不平衡を変換する平衡不平衡変換器と、平衡不平衡変換器に接続された磁界型の第1のアンテナと、電界型の第2のアンテナと、を有することを特徴とする。
この構成によれば、磁界型のアンテナ第1のアンテナとし、電界型のアンテナを第2のアンテナとして用いるとともに、機器内のグランドを各アンテナ間で共通に利用しない(共用しない)ようにしているので、アンテナ間の干渉の発生が抑制され、その結果、近接した位置に各アンテナを配置できるとともに、十分なダイバーシティ効果を得ることができるので、小型化かつ通信距離を伸ばすことができる。
本発明の請求項2に記載のRF回路モジュールは、更に、RF回路を有し、第1のアンテナは平衡不平衡変換器を介してRF回路に接続され、第2のアンテナはRF回路に接続されるとき、RF回路は、第1のアンテナおよび第2のアンテナを用いて偏波ダイバーシティ処理を行うことを特徴とする。
この構成および処理により、アンテナ間の干渉が発生しにくく、アンテナの近接配置できるため、RF回路モジュールを小型化して、かつ偏波ダイバーシティとして十分な効果を得ることができる。
本発明の請求項3に記載のRF回路モジュールにおける偏波ダイバーシティ処理は、第1のアンテナの主偏波成分と該第1のアンテナの主偏波成分に直交する第2のアンテナの偏波成分との組合せ、または、第2のアンテナの主偏波成分と該第2のアンテナの主偏波成分に直交する該第1のアンテナの偏波成分との組合せ、のいずれかの組合せに基づいて行われることを特徴とする。
この処理により、効果的な偏波ダイバーシティ処理が実現される。
本発明の請求項4に記載のRF回路モジュールは、更に、第1のアンテナの一方の面側に設けた金属部材を有することを特徴とする。
この構成により、本来はループの表面、裏面で変わらない第1のアンテナの利得を、金属部材がない面の方向へ大きくすることができ、小型のままで通信距離を延伸化することができる。
本発明の請求項5に記載のRF回路モジュールは、第1のアンテナがループアンテナであり、第2のアンテナがパッチアンテナであることを特徴とする。
パッチアンテナは小型・薄型で高利得である特徴があり、このアンテナを用いることでRF回路モジュールの小型化がさらに促進されるとともに、良好なダイバーシティ効果を得ることができる。
本発明の請求項6に記載の移動体通信機器は、請求項1〜5のいずれか一つに記載のRF回路モジュールを用いた移動体通信機器としたものである。
このような構成により、ダイバーシティ効果が高く通信距離の長い移動体通信機器を得ることができる。また、アンテナ内蔵であるため小型でデザインの良い移動体通信機器を得ることができる。
本発明の請求項7に記載の移動体通信機器は、携帯電話であることを特徴とする請求項6に記載の移動体通信機器。
このような構成により、通話時でもアンテナ利得の劣化が少なくなるとともに、ダイバーシティ効果を利用した安定した通話が可能な携帯電話を構成することができる。
次に、本発明の具体的な内容について説明する。なお、以下に示す内容は本発明の一例を示すものであり、その内容によって本発明が限定されるものではない。
(実施例1)
図1は、本発明の一実施例におけるRF回路モジュールの構成図である。同図に示すRF回路モジュール1は、平衡不平衡変換器4を介してモジュール基板3に接続されたループアンテナ2(第1のアンテナ)と、第1のアンテナであるループアンテナ2とは異なる指向性を有するアンテナとしてモジュール基板3に接続されるパッチ電極8を有するパッチアンテナ5(第2のアンテナ)とを備えるように構成されている。なお、第2のアンテナであるパッチアンテナ5の主偏波と、第1のアンテナであるループアンテナ2の主偏波とが、直交関係にあるように形成されていることが、後述する偏波ダイバーシティ効果を得る上で、より好ましい。
図1は、本発明の一実施例におけるRF回路モジュールの構成図である。同図に示すRF回路モジュール1は、平衡不平衡変換器4を介してモジュール基板3に接続されたループアンテナ2(第1のアンテナ)と、第1のアンテナであるループアンテナ2とは異なる指向性を有するアンテナとしてモジュール基板3に接続されるパッチ電極8を有するパッチアンテナ5(第2のアンテナ)とを備えるように構成されている。なお、第2のアンテナであるパッチアンテナ5の主偏波と、第1のアンテナであるループアンテナ2の主偏波とが、直交関係にあるように形成されていることが、後述する偏波ダイバーシティ効果を得る上で、より好ましい。
次に、RF回路モジュール1を構成する各部の詳細について、ループアンテナ2、モジュール基板3、平衡不平衡変換器4、パッチアンテナ5の順に図1を用いて説明する。
次いで、ループアンテナ2について説明する。ループアンテナ2の材質としては、鉄、鉄合金、銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金、アルミニウム、アルミニウム合金等の導電材料で構成された線状あるいは板状のものが一般的であるが、ガラスエポキシ基板やセラミックなどの誘電体基板上に構成された金属膜、金属箔、導体パターンであってもよい。また、材質が鉄、鉄合金、銅、銅合金の場合には、ニッケルや錫などでメッキが施されていることが好ましい。
ループアンテナ2の形状は、図1では方形形状のアンテナを図示しているが、このような方形形状のものに限らず、円形形状、楕円形形状のものや、一部または複数箇所にループの中心方向へ角が向いている形状でもよい。
ループアンテナ2の周囲長は、ループ主面(ループ形状を含む面)に垂直な面内でほぼ円形または楕円形の指向性を持つ、所望周波数の1波長分の長さが最もよいが、誘電体やコイルなどによる波長短縮を行うことや、複数回巻きループであってもよいことは勿論である。
次いで、モジュール基板3について説明する。モジュール基板3の材質としては、両面または片面に部品が実装できるガラスエポキシ基板などが一般的であるが、単層または多層であってもよい。表面または内層にアンテナや平衡不平衡変換器4や、後述するRF回路7(図3参照)を接続する伝送路が設けられていることが好ましい。また、アンテナ取り付け用の穴などが設けられていてもよい。
次いで、平衡不平衡変換器4について説明する。平衡不平衡変換器4は、市販されているチップバラン、またはインダクタとコンデンサによる集中定数バランで構成するような手法が、実装面積が小さくできるので好ましい。特に、集中定数バランで実現した場合には、アンテナインピーダンスと伝送路インピーダンスとの整合を細かく調整できるので、より好ましい。また、これら以外の平衡不平衡変換器、たとえばモジュール基板3上に設けられた1/4波長相当の伝送線路によるインピーダンス変換などによって、平衡不平衡変換器4を実現してもかまわない。
平衡不平衡変換器4は、RF回路7とループアンテナ2との間に存在し、後述するRF回路7(図3参照)からの不平衡信号を平衡信号に変換してループアンテナ2につなぐ役割と、逆にループアンテナ2からの平衡信号を不平衡信号に変換してRF回路7につなぐ役割を果たす。この働きにより、モジュール基板3のグランド板への信号漏洩が防止され、ループアンテナ2の特性が十分に引き出され、かつパッチアンテナ5との間の干渉が抑制される。また、平衡不平衡変換器4はループアンテナ2とRF回路7との間のインピーダンス変換器としても機能する。
次いで、パッチアンテナ5について説明する。
図1では、第1のアンテナであるループアンテナ2とは異なる指向性を有する第2のアンテナとしてパッチアンテナ5を一例として示しているが、その他のアンテナであっても構わない。例えば、図2に示す本発明の一実施例における図1とは異なるアンテナを用いて構成したRF回路モジュールの構成図のような平面逆Fアンテナ6であってもよい。なお、平面逆Fアンテナ6の場合は、板状の金属で構成されていることが特性・コストの面から好ましく、平面逆Fアンテナ6で挟み込まれた空間には誘電体が充填されていてもよい。
ここで、パッチアンテナ5の詳細にについてさらに説明する。図1に示すように、パッチアンテナ5は、樹脂またはセラミックである誘電体の主面に、導電体によるパッチ電極8が設けられた構成である。パッチ電極8への給電は、パッチ裏面からの給電ピンによる手法や、パッチ電極8の端に給電線路から行う方法手法、あるいは給電線路とパッチ電極の間にギャップを設けて給電する方法などがあり、いずれの手法を用いてもよい。
また、誘電体の材質という観点において、例えば誘電体が樹脂の場合は、ガラスフッ素樹脂系、熱硬化PPO樹脂系、セラミック−PTFE系などの高誘電率材料を用いることが、パッチアンテナ5を小型化する点から好ましい。なお、これらの樹脂系基板は、表面銅張板を用いることで簡単にパッチ電極8が形成できるという優れた特徴を有している。
一方、誘電体としてセラミックを用いる場合には、アルミナ、フォルステライト、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム等を用いることができる。なお、セラミック基板は、樹脂系基板との比較において、誘電正接が小さく、機械的強度やコストも優れているという特徴を有している。
また、セラミックにパッチ電極8を形成する手法としては、銀や銀パラジウム等を印刷して焼き付けて形成する手法や、薄いガラスエポキシ基板に銅などで電極を形成し、誘電体に張り合わせてパッチ電極とする手法などを用いることができる。
なお、パッチアンテナ5の特性は、一般的に狭帯域であるため、パッチ電極8の一部に切り欠きを設けたり、導波器を設けたりするなどの広帯域化手段を実施することが好ましい。
さらに、パッチアンテナ5をモジュール基板3に実装する手法としては、両面テープなどによる貼り付けや、パッチアンテナ5の裏面または側面にはんだ付け用のランドを設けておき、はんだにて固定する手法などがある。また、パッチアンテナ5の地板としてモジュール基板3とは別の基板または金属板をパッチアンテナ5に取り付け、これらの基板または金属板とモジュール基板3とをはんだ等で接続するようにしてもよい。
次いで、RF回路モジュールの動作について説明する。次に、RF回路モジュール1の動作について説明する。図1において、伝送路を通過した信号は、平衡不平衡変換器4を介してループアンテナ2に入力されるか、あるいはパッチアンテナ5に入力されて、無線信号として空間中に放射される。逆に、ループアンテナ2で受信した無線信号は、平衡不平衡変換器4を介して伝送路へ入力され、パッチアンテナ5で受信した無線信号は直接的に伝送路へ入力される。
従来の構造では、アンテナの一部として共通のグランド板を用いる構造であったため、グランドにも信号が流れていた。このため、共通のグランドに同一周波数で動作する複数のアンテナを配置すると、干渉が発生しやすく、またその干渉に起因して十分なダイバーシティ効果が得られなかった。
一方、ループアンテナ2は平衡型のアンテナであるので、不平衡である伝送路からの信号を平衡不平衡変換器4によって平衡に変換し、ループアンテナ2に送っている。この構成により、伝送路のグランドに信号が流入することがなく、パッチアンテナ5を近接配置してもグランドが共通ではなく、干渉の発生が抑制される構造となるため、十分なダイバーシティ効果を得ることができる。
なお、図1では、ループアンテナ2を垂直偏波用、パッチアンテナ5を水平偏波用として用いるようにしているが(後述の図6参照)、このような偏波面の組合せに限定されるものではなく、例えば主偏波面が斜めに傾斜していてもよい。また、パッチアンテナ5の偏波を円偏波としても構わない。
さらに、偏波ダイバーシティ効果を得るための最適な構成としては、ループアンテナ2とパッチアンテナ5の各主偏波面が直交していることが好ましい。
以上のように本実施例1によれば、アンテナ間の干渉の発生が抑制されるアンテナを採用しているので、第1、第2のアンテナを近接して配置することができ、RF回路モジュールを小型化することができる。また、アンテナを近接して配置した場合であっても、アンテナ間の干渉の発生が抑制されるアンテナを採用しているので、十分なダイバーシティ効果を得ることができ、通信距離の延伸化が可能となる。
(実施例2)
次に、図3〜図7を用いて、上述のRF回路モジュール1を移動体通信機器11に組み込んだ実施例2について説明する。
次に、図3〜図7を用いて、上述のRF回路モジュール1を移動体通信機器11に組み込んだ実施例2について説明する。
図3は、図1に示す構成にRF回路が付加されたRF回路モジュールの構成図である。同図において、RF回路7は、少なくともアンテナ切り替えスイッチ、送受信切り替えスイッチ、送信用増幅器、受信用低雑音増幅器を含む回路である。なお、これらの各部品の全てまたは一部が1つのICの中にまとめられていてもよい。また、RF回路7は、図3に示すようにモジュール基板3上に実装されるが好ましいが、RF回路モジュール1に接続される別の基板上に実装されていてもよい。
図4(a)は、図1に示すRF回路モジュールを移動体通信機器に搭載した場合の一実施例を示す構成図である。図4(a)において、モジュール基板3のアンテナがある面(表面)側にスイッチや増幅器などのRF回路(図示省略)が構成され、モジュール基板3の裏面にはダイバーシティ制御や無線LANのベースバンド処理を行うディジタル回路(図示省略)が構成されている。また、ディジタル回路を構成した裏面側には、移動体通信機器の基板10と接続するためのコネクタ9が配置されている。
なお、この種の移動体通信機器では、第1のアンテナであるループアンテナ2と第2のアンテナであるパッチアンテナ5のうちの1つを指向性アンテナとすることが好ましい(本実施例では、指向性制御の容易なパッチアンテナ5を指向性アンテナとして用いている)。指向性アンテナを用いることで、利得の小さな方向、例えば図4(a)に示す構成ではパッチ電極8からモジュール基板3に向かう方向(図4(b)は、指向性測定時の測定座標系を示す図であり、測定座標系における180°の方向)に金属体や人体があってもアンテナ特性に与える影響を低減させることができ、図4(a)に示すような移動体通信機器内へ容易に配置することができる。
図5(a)は、ループアンテナ単体の指向性を示すシミュレーション結果とそのモデル座標系を示す図であり、図5(b)は、金属体15のグランド板上に配置されたループアンテナの指向性を示すシミュレーション結果とそのモデル座標系を示す図である。なお、図5(a)および図5(b)に示される指向性シミュレーション結果では、ループアンテナ2のモデル座標系の90°方向におけるループ上の一端を給電ポート14として測定し、等方性(isotropic)アンテナの利得を0dBとしてプロットしている。
図5(a)および図5(b)に示すシミュレーション結果が示すように、モデル座標系の0°方向において数dBの利得上昇が見られる。すなわち、ループアンテナ2の一方の面側に金属体15(図4におけるモジュール基板3や基板10などの金属部材に相当)を配置することで、アンテナ単体での指向性を改善することができる。したがって、移動体通信機器、特に携帯電話等の通信機器に適用することで、通話時の利得が有利にすることができ、さらにパッチアンテナ5とのダイバーシティ効果との相乗効果で通信距離の延伸化が可能となる。
図6は、図4(a)に示す移動体通信機器を使用したときの実施態様図である。図7に示すように、人体頭部16とループアンテナ2との間に金属部材に相当する基板10や移動体通信機器の筐体等が介在するので、人体頭部方向への電力放射を小さくすることができ、その結果SAR(Specific Absorption Rate)を小さくすることができる。
図7は、2.4GHz帯で無線LANモジュールを実現した場合の指向性測定結果を示す図である。なお、同図に示す指向性測定結果は、図4(a)と同様な構成のRF回路モジュールを用いている。なお、このRF回路モジュールでは、第1のアンテナであるループアンテナ2を約125mm長さのニッケルメッキの鉄線を用いて垂直偏波用のアンテナとして構成した。また、第2のアンテナであるパッチアンテナ5を誘電率が約10の熱硬化PPO系基板を用いて水平偏波用のアンテナとして構成した。
図7において、実線にて示される波形は垂直偏波すなわちループアンテナ2の指向性を示しており、破線にて示される波形は水平偏波すなわちパッチアンテナ5の指向性を示している。同図に示すように、2つのアンテナを同一周波数で近接配置したにもかかわらず、ループアンテナ2を選択したときの垂直偏波およびパッチアンテナ5を選択した場合の水平偏波の各特性が十分引き出されていることが理解できる。また、各アンテナの最大利得は機器に内蔵されているにも関わらずダイポールアンテナの利得(2.15dBi)よりも大きい。したがって、図4に示すような構成であっても、十分な偏波ダイバーシティ効果が期待できる。
以上のように本実施例2によれば、第1、第2のアンテナを近接して配置した場合であっても、アンテナ間の干渉の増加を抑制することができ、さらに、指向性が増大するような効果的な配置が施されているので、移動体通信機器の小型化と通信距離増大に貢献するRF回路モジュールを実現することができる。
なお、本実施例では、RF回路モジュール1を移動体通信機器の基板10とは別の基板としたが、RF回路7、平衡不平衡変換器4、ループアンテナ2、パッチアンテナ5を移動体通信機器の基板10上に設けた場合であっても同様の効果が得られる。
また、本実施例では、2.4GHz帯無線LANにおいて実験を行ったが、本発明は2.4GHz帯だけに限定されるものではなく、他の周波数帯でも同様の効果が得られる。
さらに、無線LANに限らず、他の規格においても同様の効果が得られる。
本発明にかかるRF回路モジュールは、複数のアンテナを近接して配置した場合であっても、アンテナ間の干渉の増加を抑制することができるので、複数のアンテナを具備するRF回路モジュールを小型化することができ、例えば低消費電力かつ広範囲通信が必要とされるVoIP端末などの移動体通信機器への好適な利用が可能となる。
1 RF回路モジュール
2 ループアンテナ
3 モジュール基板
4 平衡不平衡変換器
5 パッチアンテナ
6 平面逆Fアンテナ
7 RF回路
8 パッチ電極
9 コネクタ
10 基板
11 移動体通信機器
12 ホイップアンテナ
13 短絡型マイクロストリップアンテナ
14 給電ポート
15 金属体
16 人体頭部
18 グランド板
2 ループアンテナ
3 モジュール基板
4 平衡不平衡変換器
5 パッチアンテナ
6 平面逆Fアンテナ
7 RF回路
8 パッチ電極
9 コネクタ
10 基板
11 移動体通信機器
12 ホイップアンテナ
13 短絡型マイクロストリップアンテナ
14 給電ポート
15 金属体
16 人体頭部
18 グランド板
Claims (7)
- 高周波で無線通信を行うRF回路モジュールであって、
伝送路の平衡・不平衡を変換する平衡不平衡変換器と、
前記平衡不平衡変換器に接続された磁界型の第1のアンテナと、
電界型の第2のアンテナと、
を有することを特徴とするRF回路モジュール。 - 更に、RF回路を有し、
前記第1のアンテナは、前記平衡不平衡変換器を介して前記RF回路に接続され、
前記第2のアンテナは、前記RF回路に接続され、
前記RF回路は、前記第1のアンテナおよび前記第2のアンテナの各出力を用いて偏波ダイバーシティ処理を行うことを特徴とする請求項1に記載のRF回路モジュール。 - 前記偏波ダイバーシティ処理は、前記第1のアンテナの主偏波成分と該第1のアンテナの主偏波成分に直交する前記第2のアンテナの偏波成分との組合せ、または、前記第2のアンテナの主偏波成分と該第2のアンテナの主偏波成分に直交する該第1のアンテナの偏波成分との組合せ、のいずれかの組合せに基づいて行われることを特徴とする請求項2に記載のRF回路モジュール。
- 更に、前記第1のアンテナの一方の面側に設けた金属部材を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のRF回路モジュール。
- 前記第1のアンテナがループアンテナであり、前記第2のアンテナがパッチアンテナであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のRF回路モジュール。
- 請求項1〜5のいずれか一つに記載のRF回路モジュールを用いたことを特徴とする移動体通信機器。
- 前記移動体通信機器は、携帯電話であることを特徴とする請求項6に記載の移動体通信機器。
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JP2009201047A (ja) * | 2008-02-25 | 2009-09-03 | Panasonic Electric Works Co Ltd | 無線装置 |
JP2010081500A (ja) * | 2008-09-29 | 2010-04-08 | Nippon Antenna Co Ltd | 統合アンテナ |
JP5349612B2 (ja) * | 2010-03-12 | 2013-11-20 | 株式会社東芝 | 通信装置 |
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- 2005-10-27 JP JP2005312248A patent/JP2007124181A/ja active Pending
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