以下、添付図面に基づいて、本発明の好ましい実施態様につき、詳細に説明を加える。
図1は、本発明の好ましい実施態様にかかる紙幣処理機の略縦断面図である。
本実施態様にかかる紙幣処理機は、第一の所定数の紙幣、たとえば、100枚の紙幣を含み、帯封処理が施された単位紙幣束(小束)を、第二の所定数だけ重ね合わせ、たとえば、10束の単位紙幣束を重ね合わせ、重ね合わせた紙幣束に結束テープを巻回して、帯封処理を施し、第二の所定数の単位紙幣束を含む紙幣束(大束)を生成するために、銀行などの金融機関内で使用される紙幣帯封機として構成されており、紙幣束を構成する紙幣には、紙幣の発行権限を有する機関によって、インレットが一体的に形成され、インレット中のICチップに、紙幣のIDデータ、紙幣の金種データなどのRFIDデータが、特定のフォーマットで、記録されている。ここに、紙幣に一体的に形成されたインレット中のICチップは、紙幣の発行権限を有する機関によって、ICチップに書き込まれた紙幣のIDデータ、紙幣の金種データなどのRFIDデータが、紙幣の流通過程において、改ざんされることを防止するため、読み取り専用に構成されている。
また、単位紙幣束には、ICチップとアンテナを含むインレットが一体的に形成された結束テープが巻回されて、帯封が付されており、インレット中のICチップには、単位紙幣束に含まれる紙幣のIDデータ、金種データなどの単位紙幣束を構成する紙幣に関するRFIDデータおよび単位紙幣束に含まれる紙幣の枚数、単位紙幣束に帯封処理を施した日時、単位紙幣束に帯封処理を施した金融機関名、単位紙幣束の帯封処理の実行者などの単位紙幣束の帯封処理に関するRFIDデータが書き込まれている。
インレットを結束テープに一体的に形成する方法としては、結束テープ用の紙を抄く際に、結束テープ用の紙にインレットを埋め込む方法、結束テープにインレットを印刷する方法などが挙げられるが、とくに限定されるものではない。
図1に示されるように、本実施態様にかかる紙幣処理機は、ハウジング1を備え、ハウジング1の上部には、第一の所定数の紙幣、たとえば、100枚の紙幣を含む単位紙幣束がセットされる紙幣束入金口2と、第二の所定数の単位紙幣束、たとえば、10束の単位紙幣束を含み、帯封処理が施された紙幣束を出金する紙幣束出金口3と、紙幣束入金口2にセットされた単位紙幣束のうち、受け入れ不能と判別された単位紙幣束を返却する第一の紙幣束返却口4と、紙幣束入金口2にセットされた単位紙幣束のうち、受け入れ可能ではあるが、単位紙幣束に含まれている紙幣の金種が、オペレータが指定した紙幣の金種とは異なると判別された単位紙幣束を返却する第二の紙幣束返却口5が設けられている。
紙幣束入金口2は、1束ずつ、単位紙幣束をセット可能に構成されており、図1に示されるように、紙幣束入金口2にセットされた単位紙幣束は、繰り出しローラ(図示せず)によって、紙幣束入金口2から、紙幣束搬送路9内に繰り出されるように構成されている。
図1に示されるように、紙幣束搬送路9は、データ読み取り手段10に接続されている。
データ読み取り手段10は、単位紙幣束に巻き付けられた結束テープに一体的に形成されているインレット内のICチップに書き込まれたRFIDデータを読み取る第一のRFIDリーダー(図示せず)と、単位紙幣束に含まれた紙幣に一体的に形成されているインレット内のICチップに書き込まれたRFIDデータを読み取る第二のRFIDリーダー(図示せず)を備え、第一のRFIDリーダーおよび第二のRFIDリーダーから発信される周波数の電波を遮蔽する材料によって形成されたケーシング10cによって覆われている。
図1に示されるように、データ読み取り手段10の下流側には、紙幣束搬送路11が接続されており、紙幣束搬送路11から、第一の紙幣束返却口4に接続された分岐搬送路12が分岐し、分岐搬送路12の分岐部には、単位紙幣束を、紙幣束搬送路11および分岐搬送路12のいずれかに選択的に導くゲート部材13が設けられている。
データ読み取り手段10の第一のRFIDリーダーおよび第二のRFIDリーダーによって読み取られたRFIDデータに基づき、受け入れ不能と判別された単位紙幣束は、紙幣束搬送路11、ゲート部材13および分岐搬送路12を介して、第一の紙幣束返却口4に送られて、オペレータに返却される。
さらに、分岐搬送路12の分岐部の下流側の紙幣束搬送路11から、第二の紙幣束返却口5に接続された分岐搬送路14が分岐し、分岐搬送路14の分岐部には、紙幣を、紙幣束搬送路11および分岐搬送路14のいずれかに選択的に導くゲート部材15が設けられている。
データ読み取り手段10の第一のRFIDリーダーおよび第二のRFIDリーダーによって読み取られたRFIDデータに基づき、受け入れ可能ではあるが、単位紙幣束に含まれている紙幣の金種が、オペレータが指定した紙幣の金種とは異なると判別された単位紙幣束は、紙幣束搬送路11、ゲート部材15および分岐搬送路14を介して、第二の紙幣束返却口5に送られて、オペレータに返却される。
図1に示されるように、分岐搬送路14の分岐部の下流側の紙幣束搬送路11には、紙幣帯封ユニット20が接続され、紙幣帯封ユニット20の直上流側の紙幣束搬送路11には、紙幣束センサ18が設けられている。
紙幣帯封ユニット20は、第一の所定数に等しい枚数の紙幣、たとえば、100枚の紙幣に、ICチップとアンテナを含むインレットが一体的に形成された結束テープが巻き付けられて、帯封が付された単位紙幣束を、第二の所定数に等しい数だけ、たとえば、10束だけ、集積させる紙幣束集積部21と、紙幣束集積部21によって集積された第二の所定数に等しい数の単位紙幣束を挟持する一対の挟持部材22a、22bと、一対の挟持部材22a、22bによって挟持された第二の所定数に等しい数の単位紙幣束の略中央部に、結束テープTを巻き付けるテープ巻き付け手段(図示せず)を備え、第二の所定数に等しい数の単位紙幣束に帯封処理を施して、紙幣束を生成する帯封処理部22と、帯封処理部22に、ICチップとアンテナを含むインレットが一体的に形成された結束テープTを供給する結束テープ供給手段23と、第二の所定数に等しい数の単位紙幣束に巻き付けられるべき結束テープTに一体的に形成されたインレット内のICチップに、各単位紙幣束に巻回された結束テープに一体的に形成されたインレット中のICチップに書き込まれた各単位紙幣束に含まれる紙幣のIDデータ、金種データなどの紙幣束を構成する紙幣に関するRFIDデータおよび各単位紙幣束に含まれる紙幣の枚数、各単位紙幣束に帯封処理を施した日時、各単位紙幣束に帯封処理を施した金融機関名、各単位紙幣束の帯封処理の実行者などの各単位紙幣束の帯封処理に関するRFIDデータ、ならびに、帯封処理を施した単位紙幣束を特定するデータ、帯封処理を施した単位紙幣束の数、帯封処理を施した日時、帯封処理を施した金融機関名、帯封処理の実行者などの帯封処理に関するRFIDデータを書き込むRFIDライター25を備えている。
インレットを結束テープTに一体的に形成する方法としては、結束テープT用の紙を抄く際に、結束テープT用の紙にインレットを埋め込む方法、結束テープTにインレットを印刷する方法などが挙げられるが、とくに限定されるものではない。
紙幣帯封ユニット20の帯封処理部22、RFIDライター25およびRFIDライター25の近傍の結束テープTの搬送路は、結束テープTに一体的に形成されたインレット内のICチップにRFIDデータを書き込む際に、RFIDライター25から発信される周波数の電波を遮蔽する材料によって形成されたケーシング26によって覆われている。
図1に示されるように、紙幣帯封ユニット20には、紙幣束搬送路30が接続され、紙幣束搬送路30には、紙幣束センサ35が設けられている。
図1に示されるように、紙幣束搬送路30は、紙幣束出金口3に接続されており、紙幣帯封ユニット20によって、第一の所定数に等しい枚数の紙幣、たとえば、100枚の紙幣に帯封が付された単位紙幣束を、第二の所定数に等しい数、たとえば、10束だけ、束ねて、帯封を付して生成された紙幣束は、紙幣束出金口3から出金されるように構成されている。
図2は、図1に示された紙幣処理機の制御系、検出系、駆動系、入力系および表示系を示すブロックダイアグラムである。
図2に示されるように、本実施態様にかかる紙幣処理機の制御系は、紙幣処理機の動作を制御するCPU50と、紙幣入出金機の制御プログラムなどが格納されたROM51と、各種データを記憶するRAM52と、時計53を備えている。
ここに、RAM52には、紙幣処理機が設置されている金融機関名、支店名、紙幣処理機のIDデータなどの紙幣処理機に関するデータが記憶されている。
また、図2に示されるように、CPU50は、紙幣束に帯封処理を施す権限を有する金融機関によって、共同管理されている中央管理サーバ55に接続されており、中央管理サーバ55には、各金融機関が、所定枚数の紙幣に、結束テープを巻回して、帯封をし、紙幣束を生成する際に、結束テープに一体的に形成されたインレット内のICチップに書き込んだ帯封処理に関するデータが記憶されている。
図2に示されるように、本実施態様にかかる紙幣処理機の検出系は、データ読み取り手段10と、紙幣帯封ユニット20の直上流側の紙幣束搬送路11に設けられた紙幣束センサ18と、紙幣束搬送路30に設けられた紙幣束センサ35を備えている。
図2に示されるように、データ読み取り手段10は、単位紙幣束に巻き付けられた結束テープに一体的に形成されているインレット内のICチップに書き込まれたRFIDデータを読み取る第一のRFIDリーダー10aと、単位紙幣束に含まれた紙幣に一体的に形成されているインレット内のICチップに書き込まれたRFIDデータを読み取る第二のRFIDリーダー10bを備えている。
紙幣帯封ユニット20の直上流側の紙幣束搬送路11に設けられた紙幣束センサ18および紙幣束搬送路30に設けられた紙幣束センサ35は、紙幣束の通過を検出するものであり、紙幣束センサ18は、たとえば、紙幣帯封ユニット20の直上流側の紙幣束搬送路11に向けて、光を発する発光素子と、発光素子から発せられた光を、紙幣束搬送路11を介して、受光する受光素子とによって構成することができ、同様に、紙幣束センサ35も、紙幣束搬送路30に向けて、光を発する発光素子と、発光素子から発せられた光を、紙幣束搬送路30を介して、受光する受光素子とによって構成することができる。
図2に示されるように、本実施態様にかかる紙幣処理機の駆動系は、繰り出しローラ(図示せず)を駆動する繰り出しローラ駆動手段60と、紙幣束搬送路9、11ならびに分岐搬送路12、14に設けられた搬送ローラ(図示せず)を駆動する搬送ローラ駆動手段61と、紙幣束搬送路30に設けられた搬送ローラ(図示せず)を駆動する搬送ローラ駆動手段62と、ゲート部材13を駆動するソレノイド63と、ゲート部材15を駆動するソレノイド64と、紙幣帯封ユニット20の紙幣束集積部21内に、単位紙幣束を集積する紙幣束集積機構70と、紙幣帯封ユニット20の紙幣束集積部21内で集積された第二の所定数に等しい数の単位紙幣束を、紙幣帯封ユニット20の帯封処理部22に向けて送り出す紙幣束送り出し手段71と、紙幣帯封ユニット20の帯封処理部22の一対の挟持部材22a、22bを相対的に移動させるモータ72と、紙幣帯封ユニット20の結束テープ供給手段23を駆動するモータ73と、紙幣帯封ユニット20の帯封処理部22のテープ巻き付け手段(図示せず)を駆動する巻き付けモータ74と、紙幣帯封ユニット20のRFIDライター25を駆動するRFIDライター駆動手段75と、第二の所定数に等しい数の単位紙幣束を含み、結束テープTが巻き付けられて、帯封処理が施された紙幣束を、紙幣束搬送路30に繰り出す紙幣束繰り出し機構76を備えている。
図2に示されるように、本実施態様にかかる紙幣処理機の入力系は、オペレータによって操作され、種々の指示信号が入力されるキーボード80を備えており、紙幣処理機の表示系は、紙幣の計数結果などを表示するディスプレイ85を備えている。
以上のように構成された本実施態様にかかる紙幣処理機は、以下のようにして、紙幣束入金口2にセットされた単位紙幣束のうち、オペレータによって指定された金種の紙幣を含む単位紙幣束を選別して、第二の所定数だけ、たとえば、10束だけ、集積し、集積された第二の所定数の単位紙幣束の略中央部に、結束テープTを巻回して、集積紙幣に帯封処理を施し、第二の所定数の単位紙幣束を含む紙幣束を生成する。
まず、オペレータによって、単位紙幣束が、紙幣束入金口2内にセットされる。
次いで、オペレータによって、紙幣束の生成を指示する紙幣束生成信号とともに、生成すべき紙幣束に含まれる単位紙幣束の金種および紙幣束に含まれるべき単位紙幣束の数、すなわち、第二の所定数を特定する紙幣束データならびに金融機関名、支店名、紙幣処理機のIDデータならびにオペレータの名前などの帯封処理に関するデータがキーボード80に入力される。
オペレータによって入力された紙幣束生成信号は、紙幣束データおよび帯封処理に関するデータとともに、CPU50に出力され、オペレータによって入力された紙幣束生成信号、紙幣束データおよび帯封処理に関するデータを受けると、CPU50は、オペレータによって入力された紙幣束データおよび帯封処理に関するデータを、RAM52の生成すべき紙幣束に関するデータを格納するメモリ領域に書き込むとともに、繰り出しローラ駆動手段60、搬送ローラ駆動手段61に駆動信号を出力して、繰り出しローラ(図示せず)ならびに紙幣束搬送路9、紙幣束搬送路11、分岐搬送路12および分岐搬送路14内に設けられた搬送ローラ(図示せず)を駆動する。
その結果、紙幣束入金口2にセットされた単位紙幣束は、繰り出しローラによって、紙幣束搬送路9内に繰り出され、データ読み取り手段10に送られる。
単位紙幣束が、データ読み取り手段10に送られると、データ読み取り手段10に設けられた第一のRFIDリーダー10aによって、単位紙幣束に巻き付けられた結束テープに一体的に形成されているインレット内のICチップに書き込まれた単位紙幣束に含まれる紙幣のIDデータ、金種データなどの単位紙幣束を構成する紙幣に関するRFIDデータならびに帯封処理を施した紙幣の枚数、帯封処理を施した日時、帯封処理を施した金融機関名、帯封処理の実行者などの帯封処理に関するRFIDデータが読み取られるとともに、第二のRFIDリーダー10bによって、単位紙幣束に含まれた紙幣に一体的に形成されているインレット内のICチップに書き込まれた紙幣のIDデータ、金種データなどの各紙幣のRFIDデータが読み取られ、第一のRFIDリーダー10aによって読み取られた紙幣に関するRFIDデータおよび帯封処理に関するRFIDデータならびに第二のRFIDリーダー10bによって読み取られた各紙幣のRFIDデータは、データ読み取り手段10からCPU50に出力される。
CPU50は、データ読み取り手段10から、紙幣に関するRFIDデータおよび帯封処理に関するRFIDデータならびに各紙幣のRFIDデータを受けると、紙幣に関するRFIDデータおよび帯封処理に関するRFIDデータならびに各紙幣のRFIDデータを、RAM52の単位紙幣束を管理するためのデータを格納するメモリ領域に書き込むとともに、オペレータに、次の単位紙幣束を紙幣束入金口2にセットすべき旨を促すメッセージを、ディスプレイ85に表示する。
次いで、CPU50は、中央管理サーバ55にアクセスして、データ読み取り手段10から入力された帯封処理に関するデータが、中央管理サーバ55に格納されているか否かを判別する。
その結果、データ読み取り手段10から入力された帯封処理に関するデータが、中央管理サーバ55に格納されていないと判別したときは、その単位紙幣束が、単位紙幣束を生成する権限がない者によって生成されたおそれが高いから、CPU50は、RAM52の生成すべき紙幣束に関するデータを格納するメモリ領域に、帯封処理を施すべきでない単位紙幣束が検出された旨を書き込み、ディスプレイ85に、帯封処理を施すべきでない単位紙幣束が検出された旨を表示するとともに、ゲート部材13を駆動するソレノイド63に駆動信号を出力して、ゲート部材13を、紙幣束搬送路11と分岐搬送路12とを連通させる位置に移動させ、その単位紙幣束を、紙幣束搬送路11、ゲート部材13および分岐搬送路12を介して、第一の紙幣束返却口4に送って、オペレータに返却する。
これに対して、データ読み取り手段10から入力された帯封処理に関するデータが、中央管理サーバ55に格納されていると判別したときは、CPU50は、さらに、データ読み取り手段10から入力された各紙幣のRFIDデータに基づいて、検出された単位紙幣束に含まれているすべての紙幣が、現に流通している真正な紙幣か否かを判別する。
その結果、検出された単位紙幣束に、偽造紙幣、外国紙幣などが含まれ、単位紙幣束に含まれている紙幣がすべて、現に流通している真正な紙幣ではないと判別したときは、その単位紙幣束を構成している紙幣の一部が、偽造紙幣、外国紙幣などに差し替えられているおそれが高いから、CPU50は、RAM52の生成すべき紙幣束に関するデータを格納するメモリ領域に、帯封処理を施すべきでない単位紙幣束が検出された旨を書き込み、ディスプレイ85に、帯封処理を施すべきでない単位紙幣束が検出された旨を表示するとともに、ゲート部材13を駆動するソレノイド63に駆動信号を出力して、ゲート部材13を、紙幣束搬送路11と分岐搬送路12とを連通させる位置に移動させ、その単位紙幣束を、紙幣束搬送路11、ゲート部材13および分岐搬送路12を介して、第一の紙幣束返却口4に送って、オペレータに返却する。
一方、各紙幣のRFIDデータに基づいて、検出された単位紙幣束に含まれているすべての紙幣が、現に流通している真正な紙幣であると判別したときは、CPU50は、さらに、データ読み取り手段10から入力された単位紙幣束を構成している各紙幣のRFIDデータと結束テープに一体的に形成されたインレット中のICチップに書き込まれた紙幣に関するRFIDデータとが一致しているか否かを判別する。
その結果、単位紙幣束を構成している各紙幣のRFIDデータと結束テープに一体的に形成されたインレット中のICチップに書き込まれた紙幣に関するRFIDデータとが一致していないと判別したときは、その単位紙幣束から、紙幣の一部が抜き取られ、あるいは、その単位紙幣束を構成している紙幣の一部が他の紙幣に差し替えられているおそれが高く、その単位紙幣束を用いて、紙幣束を生成すべきではないから、CPU50は、RAM52の生成すべき紙幣束に関するデータを格納するメモリ領域に、帯封処理を施すべきでない単位紙幣束が検出された旨を書き込み、ディスプレイ85に、帯封処理を施すべきでない単位紙幣束が検出された旨を表示するとともに、ゲート部材13を駆動するソレノイド63に駆動信号を出力して、ゲート部材13を、紙幣束搬送路11と分岐搬送路12とを連通させる位置に移動させ、その単位紙幣束を、紙幣束搬送路11、ゲート部材13および分岐搬送路12を介して、第一の紙幣束返却口4に送って、オペレータに返却する。
これに対して、単位紙幣束を構成している各紙幣のRFIDデータと結束テープに一体的に形成されたインレット中のICチップに書き込まれた紙幣に関するRFIDデータとが一致していると判別したときは、CPU50は、各紙幣のRFIDデータおよび紙幣に関するRFIDデータに基づいて、その単位紙幣束を構成している紙幣の金種が、オペレータによって特定され、RAM52の生成すべき紙幣束に関するデータを格納するメモリ領域に書き込まれている生成すべき紙幣束の金種と一致するか否かを判別する。
その結果、データ読み取り手段10から入力されたRFIDデータに基づいて判別された単位紙幣束を構成している紙幣の金種が、オペレータによって特定され、RAM52の生成すべき紙幣束に関するデータを格納するメモリ領域に書き込まれている生成すべき紙幣束の金種と一致していないと判別したときは、CPU50は、RAM52の生成すべき紙幣束に関するデータを格納するメモリ領域に、帯封処理を施すべきでない単位紙幣束が検出された旨を書き込み、ディスプレイ85に、帯封処理を施すべきでない単位紙幣束が検出された旨を表示するとともに、ゲート部材15を駆動するソレノイド64に駆動信号を出力して、ゲート部材15を、紙幣束搬送路11と分岐搬送路14とを連通させる位置に移動させ、その単位紙幣束を、紙幣束搬送路11、ゲート部材15および分岐搬送路14を介して、第二の紙幣束返却口5に送って、オペレータに返却する。
これに対して、データ読み取り手段10から入力されたRFIDデータに基づいて判別された単位紙幣束を構成している紙幣の金種が、オペレータによって特定され、RAM52の生成すべき紙幣束に関するデータを格納するメモリ領域に書き込まれている生成すべき紙幣束の金種と一致していると判別したときは、CPU50は、ゲート部材13を駆動するソレノイド63およびゲート部材15を駆動するソレノイド64に駆動信号を出力しない。
したがって、データ読み取り手段10によって検出された単位紙幣束は、紙幣束搬送路11内を、紙幣帯封ユニット20に向けて送られる。
単位紙幣束が、紙幣帯封ユニット20の直上流側に達すると、紙幣束センサ18によって、単位紙幣束が検出され、紙幣束検出信号が、CPU50に出力される。
CPU50は、紙幣束センサ18から、紙幣束検出信号を受けると、RAM52の紙幣帯封ユニット20に送られた単位紙幣束の数に関するデータを格納するメモリ領域に、1束の単位紙幣束が紙幣帯封ユニット20に送られた旨を書き込むとともに、紙幣束集積部21の紙幣束集積機構70に駆動信号を出力する。
その結果、単位紙幣束は、紙幣帯封ユニット20の紙幣束集積部21内に送られて、紙幣束集積機構70によって、紙幣束集積部21内に集積される。
同様にして、オペレータによって、次々に、単位紙幣束が紙幣束入金口2にセットされ、紙幣束入金口2にセットされた単位紙幣束は、データ読み取り手段10を介して、紙幣帯封ユニット20の紙幣束集積部21内に送られて、集積される。この際、CPU50によって、RAM52に書き込まれた紙幣帯封ユニット20に送られた単位紙幣束の数に関するデータが更新される。
その結果、RAM52に書き込まれた紙幣束に関するデータ中の紙幣束データおよびRAM52に書き込まれた紙幣帯封ユニット20に送られた単位紙幣束の数に関するデータに基づいて、オペレータによって指定された紙幣束に含まれるべき単位紙幣束の数に等しい単位紙幣束、すなわち、第二の所定数に等しい数の単位紙幣束が、紙幣帯封ユニット20の紙幣束集積部21内に集積されたと判別すると、CPU50は、紙幣帯封ユニット20の紙幣束送り出し手段71に駆動信号を出力して、紙幣束集積部21内に集積された紙幣束を、紙幣帯封ユニット20の帯封処理部22の一対の挟持部材22a、22bの間に、送り出し、さらに、帯封処理部22の一対の挟持部材22a、22bを相対的に移動させるモータ72に駆動信号を出力して、一対の挟持部材22a、22bによって、第二の所定数に等しい数の紙幣束が重ね合わされて形成された紙幣束を挟持させる。
次いで、CPU50は、紙幣帯封ユニット20の結束テープ供給手段23を駆動するモータ73に駆動信号を出力して、結束テープ供給手段23を駆動させ、結束テープTを、帯封処理部22の一対の挟持部材22a、22bによって挟持された紙幣束に向けて、繰り出させる。
さらに、CPU50は、RAM52の単位紙幣束を管理するためのデータを格納するメモリ領域に書き込まれた紙幣に関するRFIDデータおよび帯封処理に関するRFIDデータを読み出して、駆動信号とともに、紙幣帯封ユニット20のRFIDライター25を駆動するRFIDライター駆動手段75に出力する。
その結果、紙幣帯封ユニット20のRFIDライター25によって、結束テープ供給手段23によって繰り出された結束テープTに一体的に形成されたインレット内のICチップに、各単位紙幣束に巻回された結束テープに一体的に形成されたインレット中のICチップに書き込まれた各単位紙幣束に含まれる紙幣のIDデータ、金種データなどの紙幣束を構成する紙幣に関するRFIDデータおよび各単位紙幣束に含まれる紙幣の枚数、各単位紙幣束に帯封処理を施した日時、各単位紙幣束に帯封処理を施した金融機関名、各単位紙幣束の帯封処理の実行者などの各単位紙幣束の帯封処理に関するRFIDデータ、ならびに、帯封処理を施した単位紙幣束を特定するデータ、帯封処理を施した単位紙幣束の数、帯封処理を施した日時、帯封処理を施した金融機関名、帯封処理の実行者などの帯封処理に関するRFIDデータが書き込まれる。
次いで、CPU50は、結束テープTに一体的に形成されたインレット内のICチップに書き込んだ帯封処理に関するデータを、紙幣束に帯封処理を施す権限を有する金融機関によって、共同管理されている中央管理サーバ55に出力する。こうして、中央管理サーバ55に、紙幣束に巻回された結束テープTに、紙幣処理機によって、書き込まれた帯封処理に関するデータが格納される。
CPU50は、紙幣帯封ユニット20の結束テープ供給手段23を駆動するモータ73に、さらに、駆動信号を出力して、結束テープ供給手段23を駆動させ、結束テープTを、帯封処理部22の一対の挟持部材22a、22bによって挟持された紙幣束に供給させ、次いで、帯封処理部22のテープ巻き付け手段(図示せず)を駆動する巻き付けモータ74に駆動信号を出力して、テープ巻き付け手段により、帯封処理部22の一対の挟持部材22a、22bによって挟持された紙幣束の略中央部に、結束テープTを巻き付けさせ、第二の所定数の紙幣束、たとえば、10束の紙幣束を含む紙幣束を生成する。
こうして、第二の所定数の紙幣束、たとえば、10束の紙幣束を含む紙幣束が生成されると、CPU50は、紙幣帯封ユニット20の紙幣束繰り出し機構76に駆動信号を出力して、第一の所定数に等しい枚数の紙幣、たとえば、100枚の紙幣に帯封が付された紙幣束を、第二の所定数に等しい数、たとえば、10束だけ、束ねて、帯封を付して生成された紙幣束を、紙幣束搬送路30に繰り出させる。
紙幣束搬送路30に繰り出された紙幣束が、紙幣束センサ35に達すると、紙幣束センサ35から、紙幣束検出信号がCPU50に出力される。
紙幣束センサ35から、紙幣束検出信号を受けると、CPU50は、RAM52の出金された紙幣束に関するデータを格納するメモリ領域に、第二の所定数に等しい数の紙幣束を含む紙幣束が生成されて、出金された旨を書き込む。
生成された紙幣束は、紙幣束搬送路30を介して、紙幣束出金口3に出金される。
生成された紙幣束が、紙幣束出金口3に出金されると、第二の所定数に等しい数の紙幣束を含む紙幣束の生成処理が完了する。
本実施態様によれば、第二の所定数に等しい数の単位紙幣束に帯封処理が施されて、生成された紙幣束に巻回されている結束テープTに一体的に形成されたインレット中のICチップには、金融機関名、支店名、紙幣処理機のIDデータ、オペレータの名前、帯封処理を実行する日時などの帯封処理に関するRFIDデータが書き込まれているから、結束テープTに一体的に形成されたインレット中のICチップに書き込まれた帯封処理に関するRFIDデータを読み取ることによって、容易に、紙幣束が生成された履歴を知ることができ、したがって、紙幣束を所望のように管理することが可能になる。
また、本実施態様によれば、データ読み取り手段10の第一のRFIDリーダー10aによって、単位紙幣束に巻き付けられた結束テープに一体的に形成されているインレット内のICチップに書き込まれたRFIDデータが読み取られ、RFIDライター25によって、結束テープTに一体的に形成されたインレット内のICチップに、各単位紙幣束に含まれる紙幣のIDデータ、金種データなどの紙幣束を構成する紙幣に関するRFIDデータおよび各単位紙幣束に含まれる紙幣の枚数、各単位紙幣束に帯封処理を施した日時、各単位紙幣束に帯封処理を施した金融機関名、各単位紙幣束の帯封処理の実行者などの各単位紙幣束の帯封処理に関するRFIDデータが書き込まれるように構成されているから、結束テープTに一体的に形成されたインレット内のICチップに書き込まれたRFIDデータを読み取ることによって、個々の単位紙幣束が、帯封処理を施す権限を有する機関によって、真正に生成されたものか否かを確実に判別することができ、したがって、紙幣束を所望のように管理することが可能になる。
さらに、本実施態様によれば、データ読み取り手段10の第一のRFIDリーダー10aによって、単位紙幣束に巻き付けられた結束テープに一体的に形成されているインレット内のICチップに書き込まれたRFIDデータが読み取られ、RFIDライター25によって、結束テープTに一体的に形成されたインレット内のICチップに、帯封処理を施した単位紙幣束を特定するデータ、帯封処理を施した単位紙幣束の数、帯封処理を施した日時、帯封処理を施した金融機関名、帯封処理の実行者などの帯封処理に関するRFIDデータが書き込まれるように構成されているから、紙幣束の生成後に、一部の単位紙幣束が、帯封処理を施す権限を有しない者によって生成された単位紙幣束によって差し替えられるなどの不正があった場合にも、結束テープTに一体的に形成されたインレット内のICチップに書き込まれたRFIDデータを読み取ることによって、その事実を正確に認識することができ、したがって、紙幣束を所望のように管理することが可能になる。
また、本実施態様によれば、単位紙幣束に巻回された結束テープに一体的に形成されたインレット内のICチップに書き込まれた帯封処理に関するデータは、紙幣束に帯封処理を施す権限を有する金融機関によって、共同管理されている中央管理サーバ55に出力されて、格納されるように構成されているから、単位紙幣束に巻回された結束テープに一体的に形成されたインレット内のICチップに書き込まれている帯封処理に関するRFIDデータを読み取り、中央管理サーバー55にアクセスすることによって、単位紙幣束が、紙幣束に帯封処理を施す権限を有する機関によって、真正に生成されたものか否かを正確に判断することができ、したがって、紙幣束を所望のように管理することが可能になる。
図3は、本発明の別の好ましい実施態様にかかる紙幣処理機の略縦断面図である。
図3に示されるように、本実施態様にかかる紙幣処理機の紙幣帯封ユニット20は、紙幣束集積部21と、帯封処理部22と、帯封処理部22に、結束テープTを供給する結束テープ供給手段90と、ICチップとアンテナを含むインレット(図示せず)が一体的に形成されたラベル(図示せず)が所定の間隔で、貼付されたフィルムFを、紙幣帯封ユニット20の帯封処理部22に向けて、送り出すフィルム供給手段91と、フィルム供給手段91から送り出されたフィルムFから、1枚ずつ、ICチップとアンテナを含むインレットが一体的に形成されたラベルを剥がし、結束テープTの表面に、所定の間隔で、貼り付けるラベル貼付手段92を備え、結束テープ供給手段90から供給される結束テープTには、ICチップとアンテナを含むインレットが一体的に形成されていない点を除き、図1および図2に示された紙幣処理機と同様の構成を有している。
図3に示されるように、紙幣帯封ユニット20の帯封処理部22、RFIDライター25およびRFIDライター25の近傍のラベルが貼付された結束テープTの搬送路は、結束テープTに貼付されたラベルに一体的に形成されたインレット内のICチップにRFIDデータを書き込む際に、RFIDライター25から発信される周波数の電波を遮蔽する材料によって形成されたケーシング26によって覆われている。
図4は、図3に示された紙幣処理機の制御系、検出系、駆動系、入力系および表示系を示すブロックダイアグラムである。
図4に示されるように、本実施態様にかかる紙幣処理機の制御系、検出系、入力系および表示系は、図1および図2に示された紙幣処理機の制御系、検出系、入力系および表示系と同様の構成を有している。
図4に示されるように、本実施態様にかかる紙幣処理機の駆動系は、結束テープ供給手段23を駆動するモータ73に代えて、結束テープ供給手段90を駆動するモータ95を備え、さらに、ICチップとアンテナを含むインレットが一体的に形成されたラベルが所定の間隔で、貼付されたフィルムFを、紙幣帯封ユニット20の帯封処理部22に向けて、送り出すフィルム供給手段91を駆動するモータ96と、紙幣帯封ユニット20の帯封処理部22に向けて、フィルム供給手段91から送り出されたフィルムFから、1枚ずつ、ICチップとアンテナを含むインレットが一体的に形成されたラベルを剥がし、結束テープTの表面に、所定の間隔で、貼り付けるラベル貼付手段92を駆動するモータ97を備えている点を除いて、図1および図2に示された紙幣処理機の駆動系と同様の構成を有している。
以上のように構成された本発明の別の好ましい実施態様にかかる紙幣処理機は、以下のようにして、紙幣束入金口2にセットされた単位紙幣束のうち、オペレータによって指定された金種の紙幣を含む単位紙幣束を選別して、第二の所定数だけ、たとえば、10束だけ、集積し、集積された第二の所定数の単位紙幣束の略中央部に、結束テープTを巻回して、集積紙幣に帯封処理を施し、第二の所定数の単位紙幣束を含む紙幣束を生成する。
まず、オペレータによって、単位紙幣束が、紙幣束入金口2内にセットされる。
次いで、オペレータによって、紙幣束の生成を指示する紙幣束生成信号とともに、生成すべき紙幣束に含まれる単位紙幣束の金種および紙幣束に含まれるべき単位紙幣束の数、すなわち、第二の所定数を特定する紙幣束データならびに金融機関名、支店名、紙幣処理機のIDデータならびにオペレータの名前などの帯封処理に関するデータがキーボード80に入力される。
オペレータによって入力された紙幣束生成信号は、紙幣束データおよび帯封処理に関するデータとともに、CPU50に出力され、オペレータによって入力された紙幣束生成信号、紙幣束データおよび帯封処理に関するデータを受けると、CPU50は、オペレータによって入力された紙幣束データおよび帯封処理に関するデータを、RAM52の生成すべき紙幣束に関するデータを格納するメモリ領域に書き込むとともに、繰り出しローラ駆動手段60、搬送ローラ駆動手段61に駆動信号を出力して、繰り出しローラ(図示せず)ならびに紙幣束搬送路9、紙幣束搬送路11、分岐搬送路12および分岐搬送路14内に設けられた搬送ローラ(図示せず)を駆動する。
その結果、紙幣束入金口2にセットされた単位紙幣束は、繰り出しローラによって、紙幣束搬送路9内に繰り出され、データ読み取り手段10に送られる。
単位紙幣束が、データ読み取り手段10に送られると、データ読み取り手段10に設けられた第一のRFIDリーダー10aによって、単位紙幣束に巻き付けられた結束テープに一体的に形成されているインレット内のICチップに書き込まれた単位紙幣束に含まれる紙幣のIDデータ、金種データなどの単位紙幣束を構成する紙幣に関するRFIDデータならびに帯封処理を施した紙幣の枚数、帯封処理を施した日時、帯封処理を施した金融機関名、帯封処理の実行者などの帯封処理に関するRFIDデータが読み取られるとともに、第二のRFIDリーダー10bによって、単位紙幣束に含まれた紙幣に一体的に形成されているインレット内のICチップに書き込まれた紙幣のIDデータ、金種データなどの各紙幣のRFIDデータが読み取られ、第一のRFIDリーダー10aによって読み取られた紙幣に関するRFIDデータおよび帯封処理に関するRFIDデータならびに第二のRFIDリーダー10bによって読み取られた各紙幣のRFIDデータは、データ読み取り手段10からCPU50に出力される。
CPU50は、データ読み取り手段10から、紙幣に関するRFIDデータおよび帯封処理に関するRFIDデータならびに各紙幣のRFIDデータを受けると、紙幣に関するRFIDデータおよび帯封処理に関するRFIDデータならびに各紙幣のRFIDデータを、RAM52の単位紙幣束を管理するためのデータを格納するメモリ領域に書き込むとともに、オペレータに、次の単位紙幣束を紙幣束入金口2にセットすべき旨を促すメッセージを、ディスプレイ85に表示する。
次いで、CPU50は、中央管理サーバ55にアクセスして、データ読み取り手段10から入力された帯封処理に関するデータが、中央管理サーバ55に格納されているか否かを判別する。
その結果、データ読み取り手段10から入力された帯封処理に関するデータが、中央管理サーバ55に格納されていないと判別したときは、その単位紙幣束が、単位紙幣束を生成する権限がない者によって生成されたおそれが高いから、CPU50は、RAM52の生成すべき紙幣束に関するデータを格納するメモリ領域に、帯封処理を施すべきでない単位紙幣束が検出された旨を書き込み、ディスプレイ85に、帯封処理を施すべきでない単位紙幣束が検出された旨を表示するとともに、ゲート部材13を駆動するソレノイド63に駆動信号を出力して、ゲート部材13を、紙幣束搬送路11と分岐搬送路12とを連通させる位置に移動させ、その単位紙幣束を、紙幣束搬送路11、ゲート部材13および分岐搬送路12を介して、第一の紙幣束返却口4に送って、オペレータに返却する。
これに対して、データ読み取り手段10から入力された帯封処理に関するデータが、中央管理サーバ55に格納されていると判別したときは、CPU50は、さらに、データ読み取り手段10から入力された各紙幣のRFIDデータに基づいて、検出された単位紙幣束に含まれているすべての紙幣が、現に流通している真正な紙幣か否かを判別する。
その結果、検出された単位紙幣束に、偽造紙幣、外国紙幣などが含まれ、単位紙幣束に含まれている紙幣がすべて、現に流通している真正な紙幣ではないと判別したときは、その単位紙幣束を構成している紙幣の一部が、偽造紙幣、外国紙幣などに差し替えられているおそれが高いから、CPU50は、RAM52の生成すべき紙幣束に関するデータを格納するメモリ領域に、帯封処理を施すべきでない単位紙幣束が検出された旨を書き込み、ディスプレイ85に、帯封処理を施すべきでない単位紙幣束が検出された旨を表示するとともに、ゲート部材13を駆動するソレノイド63に駆動信号を出力して、ゲート部材13を、紙幣束搬送路11と分岐搬送路12とを連通させる位置に移動させ、その単位紙幣束を、紙幣束搬送路11、ゲート部材13および分岐搬送路12を介して、第一の紙幣束返却口4に送って、オペレータに返却する。
一方、各紙幣のRFIDデータに基づいて、検出された単位紙幣束に含まれているすべての紙幣が、現に流通している真正な紙幣であると判別したときは、CPU50は、さらに、データ読み取り手段10から入力された単位紙幣束を構成している各紙幣のRFIDデータと結束テープに一体的に形成されたインレット中のICチップに書き込まれた紙幣に関するRFIDデータとが一致しているか否かを判別する。
その結果、単位紙幣束を構成している各紙幣のRFIDデータと結束テープに一体的に形成されたインレット中のICチップに書き込まれた紙幣に関するRFIDデータとが一致していないと判別したときは、その単位紙幣束から、紙幣の一部が抜き取られ、あるいは、その単位紙幣束を構成している紙幣の一部が他の紙幣に差し替えられているおそれが高く、その単位紙幣束を用いて、紙幣束を生成すべきではないから、CPU50は、RAM52の生成すべき紙幣束に関するデータを格納するメモリ領域に、帯封処理を施すべきでない単位紙幣束が検出された旨を書き込み、ディスプレイ85に、帯封処理を施すべきでない単位紙幣束が検出された旨を表示するとともに、ゲート部材13を駆動するソレノイド63に駆動信号を出力して、ゲート部材13を、紙幣束搬送路11と分岐搬送路12とを連通させる位置に移動させ、その単位紙幣束を、紙幣束搬送路11、ゲート部材13および分岐搬送路12を介して、第一の紙幣束返却口4に送って、オペレータに返却する。
これに対して、単位紙幣束を構成している各紙幣のRFIDデータと結束テープに一体的に形成されたインレット中のICチップに書き込まれた紙幣に関するRFIDデータとが一致していると判別したときは、CPU50は、各紙幣のRFIDデータおよび紙幣に関するRFIDデータに基づいて、その単位紙幣束を構成している紙幣の金種が、オペレータによって特定され、RAM52の生成すべき紙幣束に関するデータを格納するメモリ領域に書き込まれている生成すべき紙幣束の金種と一致するか否かを判別する。
その結果、データ読み取り手段10から入力されたRFIDデータに基づいて判別された単位紙幣束を構成している紙幣の金種が、オペレータによって特定され、RAM52の生成すべき紙幣束に関するデータを格納するメモリ領域に書き込まれている生成すべき紙幣束の金種と一致していないと判別したときは、CPU50は、RAM52の生成すべき紙幣束に関するデータを格納するメモリ領域に、帯封処理を施すべきでない単位紙幣束が検出された旨を書き込み、ディスプレイ85に、帯封処理を施すべきでない単位紙幣束が検出された旨を表示するとともに、ゲート部材15を駆動するソレノイド64に駆動信号を出力して、ゲート部材15を、紙幣束搬送路11と分岐搬送路14とを連通させる位置に移動させ、その単位紙幣束を、紙幣束搬送路11、ゲート部材15および分岐搬送路14を介して、第二の紙幣束返却口5に送って、オペレータに返却する。
これに対して、データ読み取り手段10から入力されたRFIDデータに基づいて判別された単位紙幣束を構成している紙幣の金種が、オペレータによって特定され、RAM52の生成すべき紙幣束に関するデータを格納するメモリ領域に書き込まれている生成すべき紙幣束の金種と一致していると判別したときは、CPU50は、ゲート部材13を駆動するソレノイド63およびゲート部材15を駆動するソレノイド64に駆動信号を出力しない。
したがって、データ読み取り手段10によって検出された単位紙幣束は、紙幣束搬送路11内を、紙幣帯封ユニット20に向けて送られる。
単位紙幣束が、紙幣帯封ユニット20の直上流側に達すると、紙幣束センサ18によって、単位紙幣束が検出され、紙幣束検出信号が、CPU50に出力される。
CPU50は、紙幣束センサ18から、紙幣束検出信号を受けると、RAM52の紙幣帯封ユニット20に送られた単位紙幣束の数に関するデータを格納するメモリ領域に、1束の単位紙幣束が紙幣帯封ユニット20に送られた旨を書き込むとともに、紙幣束集積部21の紙幣束集積機構70に駆動信号を出力する。
その結果、単位紙幣束は、紙幣帯封ユニット20の紙幣束集積部21内に送られて、紙幣束集積機構70によって、紙幣束集積部21内に集積される。
同様にして、オペレータによって、次々に、単位紙幣束が紙幣束入金口2にセットされ、紙幣束入金口2にセットされた単位紙幣束は、データ読み取り手段10を介して、紙幣帯封ユニット20の紙幣束集積部21内に送られて、集積される。この際、CPU50によって、RAM52に書き込まれた紙幣帯封ユニット20に送られた単位紙幣束の数に関するデータが更新される。
その結果、RAM52に書き込まれた紙幣束に関するデータ中の紙幣束データおよびRAM52に書き込まれた紙幣帯封ユニット20に送られた単位紙幣束の数に関するデータに基づいて、オペレータによって指定された紙幣束に含まれるべき単位紙幣束の数に等しい単位紙幣束、すなわち、第二の所定数に等しい数の単位紙幣束が、紙幣帯封ユニット20の紙幣束集積部21内に集積されたと判別すると、CPU50は、紙幣帯封ユニット20の紙幣束送り出し手段71に駆動信号を出力して、紙幣束集積部21内に集積された紙幣束を、紙幣帯封ユニット20の帯封処理部22の一対の挟持部材22a、22bの間に、送り出し、さらに、帯封処理部22の一対の挟持部材22a、22bを相対的に移動させるモータ72に駆動信号を出力して、一対の挟持部材22a、22bによって、第二の所定数に等しい数の紙幣束が重ね合わされて形成された紙幣束を挟持させる。
次いで、CPU50は、フィルム供給手段91を駆動するモータ96に駆動信号を出力して、ICチップとアンテナを含むインレットが一体的に形成されたラベルが所定の間隔で、貼付されたフィルムFを、帯封処理部22に向けて、送り出させ、次いで、結束テープ供給手段90を駆動するモータ95に駆動信号を出力して、結束テープTを、帯封処理部22に向けて、繰り出させるとともに、ラベル貼付手段92を駆動するモータ97に駆動信号を出力して、フィルム供給手段91から送り出されたフィルムFから、1枚ずつ、ICチップとアンテナを含むインレットが一体的に形成されたラベルを剥がし、結束テープ供給手段90から繰り出された結束テープTの表面に、ラベルを、所定の間隔で、貼付させる。
さらに、CPU50は、RAM52の単位紙幣束を管理するためのデータを格納するメモリ領域に書き込まれた紙幣に関するRFIDデータおよび帯封処理に関するRFIDデータを読み出して、駆動信号とともに、紙幣帯封ユニット20のRFIDライター25を駆動するRFIDライター駆動手段75に出力する。
その結果、紙幣帯封ユニット20のRFIDライター25によって、結束テープTに貼付されたラベルに一体的に形成されたインレット内のICチップに、各単位紙幣束に巻回された結束テープに一体的に形成されたインレット中のICチップに書き込まれた各単位紙幣束に含まれる紙幣のIDデータ、金種データなどの紙幣束を構成する紙幣に関するRFIDデータおよび各単位紙幣束に含まれる紙幣の枚数、各単位紙幣束に帯封処理を施した日時、各単位紙幣束に帯封処理を施した金融機関名、各単位紙幣束の帯封処理の実行者などの各単位紙幣束の帯封処理に関するRFIDデータ、ならびに、帯封処理を施した単位紙幣束を特定するデータ、帯封処理を施した単位紙幣束の数、帯封処理を施した日時、帯封処理を施した金融機関名、帯封処理の実行者などの帯封処理に関するRFIDデータが書き込まれる。
次いで、CPU50は、結束テープTに貼付されたラベルに一体的に形成されたインレット内のICチップに書き込んだ帯封処理に関するデータを、紙幣束に帯封処理を施す権限を有する金融機関によって、共同管理されている中央管理サーバ55に出力する。こうして、中央管理サーバ55に、紙幣束に巻回された結束テープTに、紙幣処理機によって、書き込まれた帯封処理に関するデータが格納される。
CPU50は、紙幣帯封ユニット20の結束テープ供給手段90を駆動するモータ95に、さらに、駆動信号を出力して、結束テープ供給手段90を駆動させ、結束テープTを、帯封処理部22の一対の挟持部材22a、22bによって挟持された紙幣束に供給させ、次いで、帯封処理部22のテープ巻き付け手段(図示せず)を駆動する巻き付けモータ74に駆動信号を出力して、テープ巻き付け手段により、帯封処理部22の一対の挟持部材22a、22bによって挟持された紙幣束の略中央部に、結束テープTを巻き付けさせ、第二の所定数の紙幣束、たとえば、10束の紙幣束を含む紙幣束を生成する。
こうして、第二の所定数の紙幣束、たとえば、10束の紙幣束を含む紙幣束が生成されると、CPU50は、紙幣帯封ユニット20の紙幣束繰り出し機構76に駆動信号を出力して、第一の所定数に等しい枚数の紙幣、たとえば、100枚の紙幣に帯封が付された紙幣束を、第二の所定数に等しい数、たとえば、10束だけ、束ねて、帯封を付して生成された紙幣束を、紙幣束搬送路30に繰り出させる。
紙幣束搬送路30に繰り出された紙幣束が、紙幣束センサ35に達すると、紙幣束センサ35から、紙幣束検出信号がCPU50に出力される。
紙幣束センサ35から、紙幣束検出信号を受けると、CPU50は、RAM52の出金された紙幣束に関するデータを格納するメモリ領域に、第二の所定数に等しい数の紙幣束を含む紙幣束が生成されて、出金された旨を書き込む。
生成された紙幣束は、紙幣束搬送路30を介して、紙幣束出金口3に出金される。
生成された紙幣束が、紙幣束出金口3に出金されると、第二の所定数に等しい数の紙幣束を含む紙幣束の生成処理が完了する。
本実施態様によれば、第二の所定数に等しい数の単位紙幣束に帯封処理が施されて、生成された紙幣束に巻回されている結束テープTに貼付されたラベルに一体的に形成されたインレット中のICチップには、金融機関名、支店名、紙幣処理機のIDデータ、オペレータの名前、帯封処理を実行する日時などの帯封処理に関するRFIDデータが書き込まれているから、結束テープTに貼付されたラベルに一体的に形成されたインレット中のICチップに書き込まれた帯封処理に関するRFIDデータを読み取ることによって、容易に、紙幣束が生成された履歴を知ることができ、したがって、紙幣束を所望のように管理することが可能になる。
また、本実施態様によれば、データ読み取り手段10の第一のRFIDリーダー10aによって、単位紙幣束に巻き付けられた結束テープに貼付されたラベルに一体的に形成されているインレット内のICチップに書き込まれたRFIDデータが読み取られ、RFIDライター25によって、結束テープTに貼付されたラベルに一体的に形成されたインレット内のICチップに、各単位紙幣束に含まれる紙幣のIDデータ、金種データなどの紙幣束を構成する紙幣に関するRFIDデータおよび各単位紙幣束に含まれる紙幣の枚数、各単位紙幣束に帯封処理を施した日時、各単位紙幣束に帯封処理を施した金融機関名、各単位紙幣束の帯封処理の実行者などの各単位紙幣束の帯封処理に関するRFIDデータが書き込まれるように構成されているから、結束テープTに貼付されたラベルに一体的に形成されたインレット内のICチップに書き込まれたRFIDデータを読み取ることによって、個々の単位紙幣束が、帯封処理を施す権限を有する機関によって、真正に生成されたものか否かを確実に判別することができ、したがって、紙幣束を所望のように管理することが可能になる。
さらに、本実施態様によれば、データ読み取り手段10の第一のRFIDリーダー10aによって、単位紙幣束に巻き付けられた結束テープに貼付されたラベルに一体的に形成されているインレット内のICチップに書き込まれたRFIDデータが読み取られ、RFIDライター25によって、結束テープTに貼付されたラベルに一体的に形成されたインレット内のICチップに、帯封処理を施した単位紙幣束を特定するデータ、帯封処理を施した単位紙幣束の数、帯封処理を施した日時、帯封処理を施した金融機関名、帯封処理の実行者などの帯封処理に関するRFIDデータが書き込まれるように構成されているから、紙幣束の生成後に、一部の単位紙幣束が、帯封処理を施す権限を有しない者によって生成された単位紙幣束によって差し替えられるなどの不正があった場合にも、結束テープTに貼付されたラベルに形成されたインレット内のICチップに書き込まれたRFIDデータを読み取ることによって、その事実を正確に認識することができ、したがって、紙幣束を所望のように管理することが可能になる。
また、本実施態様によれば、単位紙幣束に巻回された結束テープに貼付されたラベルに一体的に形成されたインレット内のICチップに書き込まれた帯封処理に関するデータは、紙幣束に帯封処理を施す権限を有する金融機関によって、共同管理されている中央管理サーバ55に出力されて、格納されるように構成されているから、単位紙幣束に巻回された結束テープに貼付されたラベルに形成されたインレット内のICチップに書き込まれている帯封処理に関するRFIDデータを読み取り、中央管理サーバー55にアクセスすることによって、単位紙幣束が、紙幣束に帯封処理を施す権限を有する機関によって、真正に生成されたものか否かを正確に判断することができ、したがって、紙幣束を所望のように管理することが可能になる。
本発明は、以上の実施態様に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
たとえば、前記実施態様においては、紙幣処理機は、紙幣束入金口2にセットされた第一の所定数の紙幣を含む単位紙幣束を、第二の所定数だけ、重ね合わせて、第二の所定数に等しい単位紙幣束を含む紙幣束を生成し、生成された紙幣束に結束テープTを巻回して、帯封処理が施された紙幣束を生成する専用の紙幣帯封機として構成されているが、紙幣処理機が、所定の数の単位紙幣束を重ね合わせて、紙幣束を生成する専用の紙幣帯封機として構成されていることは必ずしも必要でなく、さらに、紙幣入金口にセットされた紙幣から、オペレータが指定した金種の紙幣を選別して、単位紙幣束を生成する機構を備えていてもよい。たとえば、紙幣処理機に、紙幣をセットする紙幣入金口2を備え、紙幣入金口にセットされた紙幣を判別して、オペレータが指定した金種の紙幣を選別し、選別した紙幣を、第一の所定数だけ、重ね合わせて、紙幣束を生成し、生成された紙幣束に結束テープを巻回して、帯封処理が施された単位紙幣束を生成する単位紙幣束生成機構を設け、単位紙幣束生成機構によって生成された第二の所定数の単位紙幣束を重ね合わせて、紙幣束を生成するように、紙幣処理機を構成することもできる。紙幣処理機は、さらに、紙幣を入金して、金種別に収納し、必要に応じて、出金する紙幣入出金機構を備えていてもよく、たとえば、紙幣処理機に、紙幣を投入する紙幣入金口を備え、紙幣入金口に投入された紙幣を判別して、現に流通している真正な紙幣を、金種別に、複数の紙幣収納ボックス内に収納し、必要に応じて、出金するように構成された紙幣入出金機構を設け、紙幣入出金機構の複数の紙幣収納ボックスのいずれかに収納された紙幣を、1枚ずつ、繰り出して、単位紙幣束生成機構によって、単位紙幣束を生成し、単位紙幣束生成機構によって生成された第二の所定数の単位紙幣束を重ね合わせて、紙幣束を生成するように、紙幣処理機を構成することもできる。
また、前記実施態様においては、一対の挟持部材22a、22bによって挟持された第一の所定数に等しい数の単位紙幣束の略中央部に、結束テープTを巻き付けて、紙幣束を生成するのに先立って、RFIDライター25によって、結束テープTに一体的に形成されたインレット内のICチップあるいは結束テープTに貼付されたラベルに一体的に形成されたインレット内のICチップに、各単位紙幣束に巻回された結束テープに一体的に形成されたインレット中のICチップに書き込まれた各単位紙幣束に含まれる紙幣のIDデータ、金種データなどの紙幣束を構成する紙幣に関するRFIDデータおよび各単位紙幣束に含まれる紙幣の枚数、各単位紙幣束に帯封処理を施した日時、各単位紙幣束に帯封処理を施した金融機関名、各単位紙幣束の帯封処理の実行者などの各単位紙幣束の帯封処理に関するRFIDデータ、ならびに、帯封処理を施した単位紙幣束を特定するデータ、帯封処理を施した単位紙幣束の数、帯封処理を施した日時、帯封処理を施した金融機関名、帯封処理の実行者などの帯封処理に関するRFIDデータを書き込むように構成されているが、結束テープTを巻き付けて、紙幣束を生成するのに先立って、結束テープTに一体的に形成されたインレット内のICチップあるいは結束テープTに貼付されたラベルに一体的に形成されたインレット内のICチップに、RFIDデータを書き込むことは必ずしも必要でなく、一対の挟持部材22a、22bによって挟持された第一の所定数に等しい数の単位紙幣束の略中央部に、結束テープTを巻き付けて、紙幣束を生成した後に、結束テープTに一体的に形成されたインレット内のICチップあるいは結束テープTに貼付されたラベルに一体的に形成されたインレット内のICチップに、各単位紙幣束に巻回された結束テープに一体的に形成されたインレット中のICチップに書き込まれた各単位紙幣束に含まれる紙幣のIDデータ、金種データなどの紙幣束を構成する紙幣に関するRFIDデータおよび各単位紙幣束に含まれる紙幣の枚数、各単位紙幣束に帯封処理を施した日時、各単位紙幣束に帯封処理を施した金融機関名、各単位紙幣束の帯封処理の実行者などの各単位紙幣束の帯封処理に関するRFIDデータ、ならびに、帯封処理を施した単位紙幣束を特定するデータ、帯封処理を施した単位紙幣束の数、帯封処理を施した日時、帯封処理を施した金融機関名、帯封処理の実行者などの帯封処理に関するRFIDデータを書き込むようにすることもできる。
さらに、前記実施態様においては、データ読み取り手段10に設けられた第一のRFIDリーダー10aによって、単位紙幣束に巻き付けられた結束テープに一体的に形成されているインレット内のICチップに書き込まれた単位紙幣束に含まれる紙幣のIDデータ、金種データなどの単位紙幣束を構成する紙幣に関するRFIDデータならびに帯封処理を施した紙幣の枚数、帯封処理を施した日時、帯封処理を施した金融機関名、帯封処理の実行者などの帯封処理に関するRFIDデータを読み取って、RAM52の単位紙幣束を管理するためのデータを格納するメモリ領域に書き込み、データ読み取り手段10に設けられた第一のRFIDリーダー10aによって読み取られ、RAM52に書き込まれた単位紙幣束の帯封処理に関するRFIDデータに基づいて、紙幣帯封ユニット20のRFIDライター25によって、結束テープTに一体的に形成されたインレット内のICチップあるいは結束テープTに貼付されたラベルに一体的に形成されたインレット内のICチップに、各単位紙幣束に含まれる紙幣の枚数、各単位紙幣束に帯封処理を施した日時、各単位紙幣束に帯封処理を施した金融機関名、各単位紙幣束の帯封処理の実行者などの各単位紙幣束の帯封処理に関するRFIDデータを書き込むように構成されているが、第二の所定数の単位紙幣束を含む紙幣束を生成するのに先立って、オペレータによって、キーボード80に、各単位紙幣束の帯封処理に関するRFIDデータに対応するデータが入力されるように構成し、データ読み取り手段10の第一のRFIDリーダー10aを省略することもできる。
また、前記実施態様においては、CPU50が、紙幣束を生成する権限を有する金融機関が共同管理する中央管理サーバ55に接続され、中央管理サーバ55に、各金融機関が、所定枚数の紙幣に、結束テープを巻回して、帯封をし、単位紙幣束を生成する際に、結束テープに一体的に形成されたインレット内のICチップに書き込んだ帯封処理に関するデータが記憶されており、CPU50が、データ読み取り手段10から入力されたRFIDデータに基づき、単位紙幣束の結束テープに一体的に形成されたインレット内のICチップに書き込まれた帯封処理に関するデータが、中央管理サーバ55に格納されているか否かを判別し、単位紙幣束が、紙幣束に帯封処理を施す権限を有する機関によって、真正に生成されたものか否かを判別するように構成されているが、単位紙幣束が、紙幣束に帯封処理を施す権限を有する機関によって、真正に生成されたものか否かは、結束テープに一体的に形成されたインレット内のICチップに書き込まれた単位紙幣束を構成する紙幣に関するRFIDデータと、単位紙幣束を構成している紙幣に一体的に形成されたインレット内のICチップに書き込まれている紙幣のIDデータ、金種データなどのRFIDデータを、RFIDリーダーによって読み取り、照合することにより判別することができるから、CPU50が、紙幣束を生成する権限を有する金融機関が共同管理する中央管理サーバ55に接続されていることは必ずしも必要でない。
さらに、前記実施態様においては、紙幣帯封ユニット20の帯封処理部22、RFIDライター25およびRFIDライター25の近傍の結束テープTの搬送路あるいはRFIDライター25の近傍のラベルが貼り付けられた結束テープTの搬送路は、結束テープTに一体的に形成されたインレット内のICチップあるいは結束テープTに貼付されたラベルに一体的に形成されたインレット内のICチップにRFIDデータを書き込む際に、RFIDライター25から発信される周波数の電波を遮蔽する材料によって形成されたケーシング26によって覆われているが、結束テープTに一体的に形成されたインレット内のICチップあるいは結束テープTに貼付されたラベルに一体的に形成されたインレット内のICチップに、あらかじめ、固有のIDデータが書き込まれ、ICチップが、書き込まれた固有のIDデータとともに、RFIDライター25から発信された電波以外は受信しないように構成されている場合には、紙幣帯封ユニット20の帯封処理部22、RFIDライター25およびRFIDライター25の近傍の結束テープTの搬送路あるいはRFIDライター25の近傍のラベルが貼り付けられた結束テープTの搬送路が、RFIDライター25から発信される周波数の電波を遮蔽する材料によって形成されたケーシング26によって覆われていることは必ずしも必要でない。
また、前記実施態様においては、紙幣束入金口2にセットされた単位紙幣束のうち、受け入れ可能ではあるが、単位紙幣束に含まれている紙幣の金種が、オペレータが指定した紙幣の金種とは異なると判別された単位紙幣束を返却する第二の紙幣束返却口5を設けているが、オペレータが指定した紙幣の金種とは異なると判別された単位紙幣束は、受け入れ不能と判別された単位紙幣束と同様に、第一の紙幣束返却口4から返却するように構成し、第二の紙幣束返却口5を省略することもできる。
さらに、前記実施態様においては、単位紙幣束に巻回された結束テープには、結束テープ用の紙を抄く際に、結束テープ用の紙にインレットを埋め込む方法、結束テープにインレットを印刷する方法などによって、ICチップとアンテナを含むインレットが一体的に形成されているが、単位紙幣束に巻回された結束テープに、ICチップとアンテナを含むインレットが一体的に形成されていることは必ずしも必要でなく、ICチップとアンテナを含むインレットが一体的に形成されたラベルを、結束テープに貼り付けて、インレットを結束テープに形成してもよい。