JP2007121221A - 流体流量検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 熱式エアフロメータを吸気管の曲管の下流直後に配置する場合があるが、曲管の下流には2次流れによる偏流が発生しているため、2次流れによる偏流の影響によって空気入口へ流入する空気流量が変化して正確な流量を検出できない。
【解決手段】 熱式エアフロメータは、バイパス通路部材2を傾斜配置して、空気入口4を、真の流れ入口成分αと2次流れ入口成分βとを合成した合成流れ成分γに向かって開口させたものである。このため、バイパス通路部材2の空気入口4には、真の流れ入口成分αと2次流れ入口成分βの空気流量が導かれることになり、正確な空気流量を検出することができる。また、バイパス通路部材2の空気入口4の開口方向によって2次流れの影響を考慮するものであるため、整流格子など2次流れを抑えるために圧力損失を発生させる部材を必要としないため、圧力損失の増加を招かない。
【選択図】 図1

Description

本発明は、流体の流量を検出する流体流量検出装置に関するものであり、吸気管を流れる空気流量を検出するエアフロメータなど、車両に搭載される流体の流量測定に用いて好適な技術に関する。
流体流量検出装置の一例として、内燃機関(以下、エンジンと称す)の吸気管に取り付けられて、エンジンに吸入される空気流量(吸気流量)を検出する熱式エアフロメータ(熱線式流量計)が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
この空気流量を検出する熱式エアフロメータの概略を、図3(a)を参照して説明する。
熱式エアフロメータは、吸入空気(吸気)が流れる吸気管1に取り付けられ、吸気管1を流れる空気の一部が導かれて流れるバイパス通路部材2と、このバイパス通路部材2を流れる空気流量を検出する熱式流量センサ3とで構成される。
この熱式流量センサ3は、発熱体(例えば、発熱抵抗体)と、発熱体で加熱された空気の温度を検出する温度センサ(例えば、温度測定用の感温抵抗体)とで構成されるものであり、直接吸入空気の質量を検出できる利点がある。また、小さい発熱体を通過した空気の熱量から流速を測定して吸入空気全体の流量を測定するため、吸入空気に与える影響を小さくできる利点がある。
図3(a)に示すように、吸気管1が直管の場合、バイパス通路部材2の空気入口は、吸気管1の通路方向に沿う流れがバイパス通路部材2内に円滑に取り込まれるように、真の流れ方向に向かって開口する。
しかし、車両搭載の制約から、熱式エアフロメータを吸気管1の曲り部(以下、曲管と称す:図2参照)1aの下流直後に配置する場合がある。
曲管1aの下流直後は、曲率の大きい外側の圧力が遠心力で高まり、相対的に曲率の小さい内側の圧力が低下する。このため、図2(b)の破線および矢印に示すように、曲管1aの下流直後には、2次流れによる偏流が発生する。
ここで、従来の熱式エアフロメータは、2次流れによる偏流の影響が考慮されていない。このため、曲管1aの下流直後に熱式エアフロメータを取り付けると、2次流れによる偏流の影響によって空気入口へ流入する空気流量が変化することになり、正確な空気流量を検出することができないという不具合がある。
一方、バイパス通路部材2の上流の吸気管1内に整流格子(ネット等)を配置して、バイパス通路部材2の上流における空気の流れを整流する提案がなされている(例えば、特許文献3、4参照)。
しかし、整流格子によって2次流れによる偏流の発生を抑えると、整流格子が空気抵抗として作用する。即ち、エンジンの吸気抵抗が大きくなる。このため、エンジンの出力が低下する等の問題が少なからず発生するという不具合がある。
特開平11−287686号公報 特開2000−241222号公報 特開昭57−103016号公報 特開平6−288805号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、2次流れによる偏流の発生を抑えることなく、曲管の下流直後であっても正確な流体流量を検出することのできる流体流量検出装置の提供にある。
[請求項1の手段]
請求項1の手段を採用する流体流量検出装置は、バイパス通路部材が曲管(流体通路部材の曲り部)の下流または曲管内に配置されるものであり、バイパス通路部材の流体入口は「真の流れ入口成分」と「2次流れ入口成分」とを合成した「合成流れ成分」に向かって開口する。
これによって、バイパス通路部材の流体入口には、「真の流れ入口成分」と「2次流れ入口成分」による流体流量が導かれるようになり、バイパス通路部材内を流れる流体の流速から正確な流体流量を検出することができる。
また、バイパス通路部材の流体入口の開口方向によって2次流れの影響を考慮するものであるため、2次流れを抑える整流格子を必要としない。即ち、圧力損失の増加を招くことなく正確な流体流量の検出を行うことができる。
[請求項2の手段]
請求項2の手段を採用する流体流量検出装置におけるバイパス通路部材の流体入口は、「真の流れ入口成分」と「2次流れ入口成分」とを合成した「合成流れ成分」に対して垂直な開口縁を備えるものである。
このようにバイパス通路部材の流体入口の開口縁を「真の流れ入口成分」と「2次流れ入口成分」の「合成流れ成分」に対して垂直に設置することで、請求項1の効果を得ることができる。
[請求項3の手段]
請求項3の手段を採用する流体流量検出装置は、バイパス通路部材を傾斜配置することにより、バイパス通路部材の流体入口を「真の流れ入口成分」と「2次流れ入口成分」とを合成した「合成流れ成分」に向かって開口させるものである。
このため、バイパス通路部材を傾斜配置することにより、請求項1の効果を得ることができ、コストを抑えることができる。
[請求項4の手段]
請求項4の手段を採用する流体流量検出装置の流体通路部材は、エンジンの吸気管であり、検出する流体流量はエンジンに吸入される空気流量である。
これによって、吸気抵抗の増加を招くことなく、正確な空気流量を検出することができる。
[請求項5の手段]
請求項5の手段を採用する流体流量検出装置の流量センサは、通電により発熱する発熱体と、この発熱体で加熱された流体の通過部分に配置された温度センサとを備えた熱式流量センサである。
これによって、吸気抵抗の増加を招くことなく、熱式流量センサによって正確な空気流量を検出することができる。
最良の形態1の流体流量検出装置は、内部を流体が流れる流体通路部材内に配置され、当該流体通路部材を流れる流体の一部が導かれて流れるバイパス通路部材と、このバイパス通路部材を流れる流体の流量を検出する流量センサとを備える。
バイパス通路部材は、流体通路部材の曲管の下流または曲管内に配置される。
バイパス通路部材の流体入口は、流体通路部材の通路方向に沿う「真の流れ成分」のうち、流体入口における「真の流れ入口成分」と、曲管によって発生する「2次流れ成分」のうち、流体入口において発生する「2次流れ入口成分」とを合成した「合成流れ成分」に向かって開口する。
車両に搭載されるエンジンの吸気管において、空気流量を検出する熱式エアフロメータに本発明を適用した実施例1について、図1〜図4を参照して説明する。なお、この実施例1では、先ず図3、図4を参照して直管の吸気管に配置される熱式エアフロメータの概略構成を説明し、その後で図1、図2を参照して「実施例1の特徴」を説明する。
[直管の吸気管1に配置される熱式エアフロメータの説明]
熱式エアフロメータ(流体流量検出装置の一例)は、吸気管(流体通路部材の一例)1の内部に配置されて吸入空気(流体の一例)の一部が導かれて流れるバイパス通路部材2と、このバイパス通路部材2を流れる空気流量(流体流量の一例)を検出する熱式流量センサ3とを備える。
バイパス通路部材2は、図3(a)に示すように、上流側の吸気管1が直管の場合、バイパス通路部材2の空気入口(流体入口の一例)4は、吸気管1の通路方向に沿う「真の流れ成分」がバイパス通路部材2内に円滑に取り込まれるように、真の流れ方向に向かって開口する。即ち、直管に取り付けられるバイパス通路部材2の空気入口4aは、真の流速の流れ方向に対して垂直な開口縁4aを備える。
バイパス通路部材2の具体的な概略構成を、図3(b)を参照して説明する。
熱式エアフロメータは、内部に熱式流量センサ3が組み付けられたバイパス通路部材2の他に、バイパス通路部材2を吸気管1内に配置した状態で吸気管1に固定される蓋体(回路モジュール)5を備える。この蓋体5には、図示しない制御回路が内蔵されている。また、蓋体5には、内蔵された制御回路と他の機材(例えば、エンジンECU等)とを接続するためのコネクタ(図示しない)が設けられている。
バイパス通路部材2は、吸気管1に取り付けられた蓋体5から吸気管1の中心軸付近まで伸びる縦長の長方形断面の棒状を呈する。このバイパス通路部材2の内部には、逆U字形状を呈する空気流路が形成されており、吸気管1の中心軸(図中、一点鎖線参照)付近には、吸気管1の中心軸付近を流れる空気をバイパス通路部材2内へ導く空気入口4が設けられている。
この空気入口4は、吸気管1の通路方向に沿う「真の流れ成分」がバイパス通路部材2内に円滑に取り込まれるように、真の流れ方向に向かって開口するものであり、真の流速の流れ方向に対して垂直な開口縁4aを備える。
熱式流量センサ3は、バイパス通路部材2内に配置されるものであり、少なくとも、一定温度で発熱する発熱体と、発熱体で加熱された空気の温度を検出する温度センサとを備える周知なものである。
熱式流量センサ3の具体的な一例について、図4を参照して説明する。
図4に示す熱式流量センサ3は、高断熱の耐熱材料(例えば、ポリイミド、セラミック等)からなる基材6の上に、発熱抵抗体(発熱体の一例:白金等)7が設けられると共に、その発熱抵抗体7を挟んで空気の流れの上流側および下流側に感温抵抗体(温度センサの一例:白金等)8、9が設けられている。
各抵抗体7〜9は基材6の表面において平行に並べられて配置されるものであり、熱式流量センサ3は各抵抗体7〜9が空気の流れ方向に対して直交する方向でバイパス通路部材2内に組み付けられる。
発熱抵抗体7は、通電されて所定の温度で発熱する発熱部7aを有する。また、感温抵抗体8、9は、温度によって抵抗値が変化する流速検出部8a、9aを有する。さらに、基材6の表面には、発熱抵抗体7および感温抵抗体8、9の大部分を覆うガラスなどの保護膜6aが設けられている。
各抵抗体7〜9の両端は、リード線10を介して図示しない蓋体5内の制御回路に接続されている。
発熱抵抗体7は、制御回路からの通電を受けて所定温度(例えば、200℃程)で保持される。
上流側の感温抵抗体8は、空気流に冷却されるのに対し、下流側の感温抵抗体9は、発熱抵抗体7で加熱された空気流によって加熱される。そして、制御回路は、上下流の感温発熱体8、9でそれぞれ検出される温度差に基づいて、空気の流れ方向を検出するとともに、空気流量(単位時間当たりの流速)を算出する。
[実施例1の特徴]
上記では、直管の吸気管1に取り付けられる熱式エアフロメータを説明したが、車両搭載の制約から、熱式エアフロメータを吸気管1の曲管1aの下流直後に配置する場合がある。
曲管1aの下流直後は、曲率の大きい外側の圧力が遠心力で高まり、相対的に曲率の小さい内側の圧力が低下する。このため、図2中の破線および矢印に示すように、曲管1aの下流直後には、2次流れによる偏流が発生する。
しかし、従来の熱式エアフロメータは、2次流れによる偏流の影響が考慮されていないため、曲管1aの下流直後に熱式エアフロメータを取り付けると、2次流れによる偏流の影響によってバイパス通路部材2の空気入口4へ流入する空気流量が変化することになり、正確な空気流量を検出することができない。
上記の不具合を解決するために、バイパス通路部材2が吸気管1の曲管1aの下流直後に配置される実施例1の熱式エアフロメータは、次の技術を採用している。
実施例1のバイパス通路部材2は、空気入口4が図1(a)に示すように、真の流れ入口成分αと2次流れ入口成分βとを合成した合成流れ成分γに向かって開口するものであり、真の流れ入口成分αと2次流れ入口成分βとを合成した合成流れ成分γに対して垂直な開口縁4aを備える。
なお、真の流れ入口成分αは、吸気管1の通路方向に沿う「真の流れ成分(例えば、吸気管1の中心線)」のうち、空気入口4における「真の流れ成分」である。また、2次流れ入口成分βは、曲管1aの下流側で発生する「2次流れ成分(図2中の破線および矢印の流れ成分)」のうち、空気入口4において発生する「2次流れ成分」である。
具体的に、この実施例1では、直管に取り付けられる熱式エアフロメータのバイパス通路部材2と同じ構造のバイパス通路部材2を傾斜配置することで、そのバイパス通路部材2の空気入口4aを真の流れ入口成分αと2次流れ入口成分βとを合成した合成流れ成分γに向かって開口させるものである。
即ち、2次流れによる偏流の影響が考慮されていないバイパス通路部材2を傾斜配置することで、バイパス通路部材2の空気入口4aの開口縁4aを、真の流れ入口成分αと2次流れ入口成分βとを合成した合成流れ成分γに対して垂直に配置するものである。
(実施例1の効果)
実施例1の熱式エアフロメータは、上述したように、バイパス通路部材2の空気入口4aが真の流れ入口成分αと2次流れ入口成分βとを合成した合成流れ成分γに向かって開口する。このため、曲管1aの下流直後で2次流れの影響があっても、バイパス通路部材2の空気入口4には、真の流れ入口成分αと2次流れ入口成分βの空気流量が導かれる。これによって、バイパス通路部材2内を流れる空気の流速から正確な空気流量を検出することが可能になる。
また、バイパス通路部材2の空気入口4の開口方向によって2次流れの影響を考慮するものであるため、整流格子など2次流れを抑えるために圧力損失を発生させる部材を必要としない。このため、圧力損失の増加を招くことなく正確な空気流量の検出を行うことができる。
また、この実施例1の熱式エアフロメータは、2次流れによる偏流の影響が考慮されていないバイパス通路部材2を傾斜配置することで、バイパス通路部材2の空気入口4を真の流れ入口成分αと2次流れ入口成分βとを合成した合成流れ成分γに向かって開口させる。具体的に実施例1の熱式エアフロメータは、空気入口4の開口縁4aが合成流れ成分γに対して垂直となるように、バイパス通路部材2を傾斜配置したものである。
このように、2次流れによる偏流の影響が考慮されていなかったバイパス通路部材2を傾斜配置することにより、制御回路の定数等を変更することなく用いることができ、コストを抑えることができる。
[変形例]
上記の実施例に示すバイパス通路部材2は、実施例を説明するための一例であって、他の形状や構造であっても良い。具体的には、例えば、バイパス通路部材2の空気出口に流速を与えるベンチュリ部を備えるバイパス通路部材であっても良い。
上記の実施例に示す熱式流量センサ3は、実施例を説明するための一例であって、他の形状や構造であっても良い。
上記の実施例では、空気の流量を検出する例を示したが、水素流量など空気以外の気体はもちろん、液体など他の流体の流量を検出するようにしても良い。
上記の実施例では、流量センサの一例として熱式流量センサ3を用いる例を示したが、バイパス通路部材2内の流量を検出するものであれば他の流量センサであっても良い。即ち、適用される用途に応じて、例えば、流量に応じて回転する回転式流量センサ、流体圧力に応じて回動する圧力回動式流量センサなど他の流量センサを用いても良い。
曲管の直後に配置される熱式エアフロメータの概略図である。 曲管の下流に生じる2次流れの説明図である。 直管に配置される熱式エアフロメータの概略図である。 熱式流量センサの概略図である。
符号の説明
1 吸気管(流体通路部材)
1a 曲管(曲り部)
2 バイパス通路部材
3 熱式流量センサ(流量センサ)
4 空気入口(流体入口)
4a 開口縁
7 発熱抵抗体(発熱体)
8、9 感温抵抗体(温度センサ)
α 真の流れ入口成分
β 2次流れ入口成分
γ 合成流れ成分

Claims (5)

  1. 内部を流体が流れる流体通路部材内に配置され、当該流体通路部材を流れる流体の一部が導かれて流れるバイパス通路部材と、このバイパス通路部材を流れる流体の流量を検出する流量センサとを備える流体流量検出装置において、
    前記バイパス通路部材は、前記流体通路部材の曲り部の下流または曲り部に配置されるものであり、
    前記バイパス通路部材の流体入口は、
    前記流体通路部材の通路方向に沿う流体の流れ成分(以下、真の流れ成分と称す)のうち、前記流体入口における真の流れ成分(以下、真の流れ入口成分と称す)と、
    前記曲り部によって発生する2次流れの流れ成分(以下、2次流れ成分と称す)のうち、前記流体入口において発生する2次流れ成分(以下、2次流れ入口成分と称す)とを合成した合成流れ成分に向かって開口することを特徴する流体流量検出装置。
  2. 請求項1に記載の流体流量検出装置において、
    前記バイパス通路部材における流体入口は、前記真の流れ入口成分と前記2次流れ入口成分とを合成した合成流れ成分に対して垂直な開口縁を備えることを特徴とする流体流量検出装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の流体流量検出装置において、
    前記バイパス通路部材を傾斜配置することで、当該バイパス通路部材の流体入口を前記真の流れ入口成分と前記2次流れ入口成分とを合成した合成流れ成分に向かって開口させることを特徴とする流体流量検出装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の流体流量検出装置において、
    前記流体通路部材は、内燃機関の吸気管であり、検出する流体流量は前記内燃機関に吸入される空気流量であることを特徴とする流体流量検出装置。
  5. 請求項4に記載の流体流量検出装置において、
    前記流量センサは、通電により発熱する発熱体と、この発熱体で加熱された流体の通過部分に配置された温度センサとを備えた熱式流量センサであることを特徴とする流体流量検出装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2015008324A1 (ja) * 2013-07-16 2015-01-22 株式会社日立製作所 流量センサおよびそれを用いた真空吸着装置およびチップマウンタ
JP2018100969A (ja) * 2016-12-21 2018-06-28 ノードソン コーポレーションNordson Corporation 液状のホットメルト接着剤の質量流量を測定するためのセンサー装置

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