JP2007119692A - 導電性複合材料及びそれを用いた導電性薄膜 - Google Patents
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Abstract
【課題】抵抗値の経時変化が十分に抑制され、経時安定性に優れた導電性を付与することが可能な導電性複合材料、並びに経時安定性に優れた導電性を有している導電性薄膜を提供すること。
【解決手段】ポリピロールを含有するマトリックス中に光触媒機能を有する無機微粒子が分散されていることを特徴とする導電性複合材料。
【選択図】なし
【解決手段】ポリピロールを含有するマトリックス中に光触媒機能を有する無機微粒子が分散されていることを特徴とする導電性複合材料。
【選択図】なし
Description
本発明は、フィルム、ガラス、繊維、容器等の基材に導電性を付与する技術として有用な導電性複合材料、並びにそれを用いた導電性薄膜に関する。
導電性ポリマーで処理された基材は、使用環境の湿度に依存せずに高度の帯電防止機能が発現される事から、静電気による埃や塵の吸着がないことが求められるクリーンルーム等で使用される各種のフィルム、繊維、容器として用いられている。
ここで、利用される導電性ポリマーとしては、π電子共役系の導電性ポリマー、例えば、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェンが挙げられる。これらの中で、ポリアセチレンは、導電性は十分に高いものの、これを空気中に放置すると抵抗値が上昇し、導電性の低下が著しいという問題、すなわち、導電性の経時安定性の問題があった。一方、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェンといった導電性ポリマーの導電性の経時安定性は、ポリアセチレンに比較すれば優れているが、その経時安定性はカーボングラファイトのような有機導電材料と比較すると未だ不十分であった。
このような問題を解決するために、例えば、特開平8−151465号公報(特許文献1)には、基材上の導電性ポリマーの表面を、高分子型紫外線吸収剤を含有する酸素ガスバリヤー性樹脂の薄層により被覆してなる導電性積層体が開示されている。
しかしながら、このような導電性積層体は、導電性の経時安定性の問題については改善されているものの、導電性ポリマーの薄膜を作製する工程の他に導電性ポリマーを保護するための薄膜を作製する工程をさらに必要とするために、工業的には大変煩雑であり、製造コストも高くなってしまうといった問題があった。
特開平8−151465号公報
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、抵抗値の経時変化が十分に抑制され、経時安定性に優れた導電性を付与することが可能な導電性複合材料、並びに経時安定性に優れた導電性を有している導電性薄膜を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、ポリピロールを含有するマトリックス中に光触媒機能を有する無機微粒子が分散されている導電性複合材料を用いることにより、導電性薄膜の上にバリヤー層(保護層)を設けなくとも導電性薄膜の経時での抵抗値の変化が十分に抑制されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の導電性複合材料は、ポリピロールを含有するマトリックス中に光触媒機能を有する無機微粒子が分散されていることを特徴とするものである。
また、本発明の導電性複合材料においては、前記ポリピロールが、平均粒子径100nm以下の微粒子であることが好ましい。
さらに、本発明の導電性複合材料においては、前記無機微粒子が、可視光応答性を有する酸化チタンであることが好ましい。
また、本発明の導電性複合材料においては、前記無機微粒子の含有量が、前記ポリピロール1質量部に対して0.1〜10質量部の範囲であることが好ましい。
本発明の導電性薄膜は、前記導電性複合材料を成膜することにより得られることを特徴とするものである。
なお、本発明の導電性複合材料によれば経時安定性に優れた導電性を付与することが可能となる理由は必ずしも定かではないが、本発明者は以下のように推察する。すなわち、本発明の導電性複合材料においては、導電性薄膜中においてポリピロールと光触媒機能を有する無機微粒子とが接触ないしは近接しているため、経時安定性に優れた導電性を付与することが可能となる。より詳しく説明すると、酸素が存在する空気中に放置した導電性薄膜に太陽光線等を照射すると導電性薄膜中に酸素ラジカルが生じる。そして、その酸素ラジカルが導電性薄膜中のポリピロールの共役2重結合の切断するために、導電性薄膜の抵抗値が上昇する(J.Chem.Phys.85(11),6758−64)。一方、光触媒機能を有する無機微粒子は、特定の波長領域の光をを吸収して導電性薄膜中の酸素ラジカルやポリピロールに何らかの影響を与える。本発明の導電性複合材料においては、導電性薄膜中においてポリピロールと光触媒機能を有する無機微粒子とが接触しており、これらの無機微粒子が導電性薄膜中の酸素ラジカルやポリピロールに何らかの影響を与えるため、上記のように経時安定性に優れた導電性を付与することが可能となると本発明者は推察する。
本発明によれば、抵抗値の経時変化が十分に抑制され、経時安定性に優れた導電性を付与することが可能な導電性複合材料、並びに経時安定性に優れた導電性を有している導電性薄膜を提供することが可能となる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。先ず、本発明の導電性複合材料について説明する。
本発明の導電性複合材料は、ポリピロールを含有するマトリックス中に光触媒機能を有する無機微粒子が分散されていることを特徴とするものである。
本発明に用いられるポリピロールは、ピロール及びピロール誘導体からなる群から選択される少なくとも1種のモノマーのホモポリマー又はそれらのコポリマーである。このようなピロール誘導体としては、特に限定されないが、例えば、3−メチルピロール、3,4−ジメチルピロール、3,4−ジエチルピロール、3,4−ジプロピルピロール等のアルキル置換ピロール;3−フェニルピロール、3−トルイルピロール、3−フェノキシピロール等のアリール置換ピロール;3,4−ジクロルピロール等のハロゲン置換ピロール;3−メチル−4−ピロールカルボン酸メチル、3−メチル−4−ピロールカルボン酸ブチル、3−メチル−4−ピロールカルボン酸ベンジル等のピロールカルボン酸エステルが挙げられる。
また、このようなポリピロールは微粒子であることが好ましく、このような微粒子の平均粒子径としては100nm以下であることが好ましく、1〜100nmの範囲であることがより好ましい。このような微粒子の平均粒子径が100nmを超えると分散安定性が悪化する傾向にある。
本発明に用いられるポリピロールの合成方法としては、特に限定されないが、例えば、水と有機溶媒とアニオン系界面活性剤とを混合攪拌してなる水中油滴型(O/W型)の乳化液中(エマルジョン)に、前述したモノマー及び酸化重合剤を添加して、前述したモノマーを酸化重合させる方法、電解酸化重合により前述したモノマーを酸化重合させる方法が挙げられる。このような有機溶媒としては、疎水性であることが好ましく、中でも芳香族系有機溶媒のトルエンやキシレンはO/W型エマルジョンの安定性及びピロールモノマーとの親和性の点で好ましい。
また、アニオン系界面活性剤としては、市販されているものを適宜使用することができるが、疎水性末端基を有するものが好ましく、中でもスルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルナトリウム、スルホコハク酸ジ−2−エチルオクチルナトリウム等の分岐鎖型アルキルベンゼンスルホン酸塩が好適なものとして挙げられる。さらに、このようなアニオン系界面活性剤の使用量としては、前述したモノマー1モルに対し、0.05〜0.15モルの範囲であることが好ましい。
さらに、このような酸化重合剤としては、例えば、過硫酸、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩類;過マンガン酸、過マンガン酸カリウム等の過マンガン酸塩;三酸化クロム等のクロム酸類;塩素、臭素、沃素等のハロゲン;過酸化水素、過酸化ベンゾイル等の過酸化物;塩化銅等の金属塩化物が挙げられる。これらの酸化重合剤の中でも、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩類が好ましい。
また、このようなポリピロールの合成方法においては、良好な導電性を示すポリピロールを安定して得るためには反応を均一に行なわせることが重要である。そのためには、低温でゆっくりと反応させることが好ましいことから、液温が20℃以下の低い温度で反応させることが好ましく、液温が0〜20℃の範囲反応させることがより好ましい。液温が前記上限を超える温度ではモノマーの揮散があるうえに、反応速度が速いために良好な導電性を示す直鎖状重合体が得られ難い傾向にある。他方、上記のように低温で反応させることが望ましいが液温が前記下限未満では反応速度が遅くなり過ぎる傾向にある。
本発明にかかるポリピロールの微粒子を含有するマトリックスは、前述したポリピロールが分散された溶剤であっても、分散媒であってもよく、さらには前述したポリピロールの溶液であっても、前述したポリピロールの微粒子からなる微粉末であってもよい。
このような溶媒又は分散媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、エチレングリコール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;テトラヒドロフラン等のエーテル類;トルエン、キシレン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の炭化水素類;N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド等の含窒素化合物;塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類が挙げられる。これらの溶媒又は分散媒は、1種のものを単独で用いても、2種以上のものを混合して用いてもよい。
本発明に用いられる無機微粒子は、光触媒機能を有するものであることが必要である。
ここで、光触媒機能とは、一定の波長域の光を吸収して非常に強い酸化力・還元力をもつ正孔と電子を発生させるという特定の物質が有する機能のことをいい、このような光触媒機能を有する無機微粒子としては、酸化チタン、酸亜鉛、チタン酸ストロンチウム、酸化タングステン、炭化珪素が挙げられる。これらの無機微粒子の中でも、光触媒機能が強いものであって350〜450nmの波長域の光を吸収するものを用いると、特に経時安定性に優れた導電性を付与することができるという観点から、アナターゼ型の酸化チタン、可視光応答性を有する酸化チタンが好ましく、可視光応答性を有する酸化チタンがより好ましい。ここで、可視光応答性とは、可視光領域(380〜780nmの波長域)の光を吸収して光触媒機能を発揮させるという性質のことをいい、このような可視光応答性を有する酸化チタンとしては、例えば、特開2001−205103号公報に開示されている酸化チタン結晶の酸素サイトの一部を窒素原子又はイオウ原子で置換、酸化チタン結晶の格子間に窒素原子又はイオウ原子をドーピング、或いは酸化チタン結晶の多結晶集合体の粒界に窒素原子又はイオウ原子を配してなるチタン化合物;特開平09―192496号公報に開示されているバナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル及び銅からなる群より選択される少なくとも一種類のドーパントがドーピングされている酸化チタン;特開2000−157841号公報に開示されている安定した酸素欠陥を有する二酸化チタン又は少なくとも表層に1価のイオンを含有する二酸化チタンを挙げることができる。
ここで、光触媒機能とは、一定の波長域の光を吸収して非常に強い酸化力・還元力をもつ正孔と電子を発生させるという特定の物質が有する機能のことをいい、このような光触媒機能を有する無機微粒子としては、酸化チタン、酸亜鉛、チタン酸ストロンチウム、酸化タングステン、炭化珪素が挙げられる。これらの無機微粒子の中でも、光触媒機能が強いものであって350〜450nmの波長域の光を吸収するものを用いると、特に経時安定性に優れた導電性を付与することができるという観点から、アナターゼ型の酸化チタン、可視光応答性を有する酸化チタンが好ましく、可視光応答性を有する酸化チタンがより好ましい。ここで、可視光応答性とは、可視光領域(380〜780nmの波長域)の光を吸収して光触媒機能を発揮させるという性質のことをいい、このような可視光応答性を有する酸化チタンとしては、例えば、特開2001−205103号公報に開示されている酸化チタン結晶の酸素サイトの一部を窒素原子又はイオウ原子で置換、酸化チタン結晶の格子間に窒素原子又はイオウ原子をドーピング、或いは酸化チタン結晶の多結晶集合体の粒界に窒素原子又はイオウ原子を配してなるチタン化合物;特開平09―192496号公報に開示されているバナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル及び銅からなる群より選択される少なくとも一種類のドーパントがドーピングされている酸化チタン;特開2000−157841号公報に開示されている安定した酸素欠陥を有する二酸化チタン又は少なくとも表層に1価のイオンを含有する二酸化チタンを挙げることができる。
また、このような無機微粒子の含有量としては、前述したポリピロール1質量部に対して0.1〜10質量部の範囲であることが好ましく、0.5〜2質量部の範囲であることがより好ましい。無機微粒子の含有量が前記下限未満では、得られる導電性薄膜の抵抗値の経時変化を抑制するという効果が得られない傾向にあり、他方、前記上限を超えると得られる導電性薄膜の初期抵抗値が高くなる傾向にある。
さらに、このような無機微粒子の平均粒子径としては2〜200nmの範囲であることが好ましい。このような無機微粒子の平均粒子径を前記下限未満にすることは技術的に難しく、経済的にも不利となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると沈降が早くなり安定した分散液が得られ難くなる傾向にある。
また、本発明に用いられる無機微粒子は、前述したポリピロールを含有するマトリックス中に分散されていることが必要である。このように無機微粒子を分散させる方法としては、特に限定されないが、例えば、前記無機微粒子の分散液を作製した後に前記マトリックスと混合する方法、前記無機微粒子を前記マトリックス中に添加して分散させる方法を挙げられる。これらの方法の中でも、より良好な分散状態を保つことができ、前記ポリピロールと前記無機微粒子の接触部位を増やして相互作用を増加させることができるという観点から、前記無機微粒子の分散液を作製した後に前記マトリックスと混合する方法が好ましい。また、このような無機微粒子の分散液を作製する方法としては、特に限定されないが、例えば、ビーズミル、ホモジナイザー、超音波分散機を用いて前記無機微粒子を分散媒中に分散させる方法が挙げられる。さらに、このような無機微粒子の分散液に用いられる分散媒としては、前述したポリピロールの微粒子を含有するマトリックスにおいて用いられる分散媒と同様のものが挙げられる。
次に、本発明の導電性薄膜について説明する。本発明の導電性薄膜は、前述した導電性複合材料を成膜することにより得られるものである。このような導電性薄膜の厚さとしては、導電性薄膜の厚みが0.05〜2μmの範囲であることが好ましい。導電性薄膜の厚みが前記下限未満では、所望の導電性が発現し難くなる傾向にあり、他方、2μmを超えてもさらなる導電性の向上は見込めない傾向にある。
このように導電性複合材料を成膜する方法としては、導電性を付与する基材の表面に前記導電性複合材料を塗布して乾燥させる方法が挙げられる。なお、成膜に際して、ポリピロールと無機微粒子が基材の表面に付着することに限らず、前記界面活性剤や分散媒が膜形成材料としても機能する。また、このように導電性を付与する基材の表面に前記導電性複合材料を塗布する方法としては、公知の塗工方法が特に制限なく使用可能であり、エアーナイフコーター、キスロールコーター、メタリングバーコーター、グラビアロールコーター、リバースロールコーター、ディップコーター、ダイコーター、スプレーコーター等の装置、或いは、それらを組み合わせた装置を用いた塗布方法が挙げられる。また、前記導電性複合材料の塗布量としては、導電性複合材料の塗布量が2〜100g/m2の範囲であることが好ましい。
さらに、このような導電性複合材料を乾燥させる方法としては、特に限定されないが、自然乾燥による方法や、所定の温度に設定したオーブン中で乾燥させる方法、前記コーター付属の乾燥機、例えばアーチドライヤー、フローティングドライヤー、ドラムドライヤー、赤外線ドライヤー等を用いる方法を挙げることができる。また、乾燥の条件としては、乾燥させる方法により適宜選択することできるが、例えば、温度80〜200℃にて、1〜60分間程度乾燥することが好ましい。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(合成例1)
先ず、スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルナトリウム1.5mmolをトルエン50mlに溶解させた後に、さらにイオン交換水100mlを加え20℃に保持しつつ乳化するまで攪拌して乳化液を得た。次に、得られた乳化液にピロールモノマー21.2mmolを加えて30分間攪拌し、次いで0.12M過硫酸アンモニウム水溶液50ml(6mmol相当)を少量ずつ滴下しつつ4時間反応せしめた。次いで、反応終了後の有機相を回収し、イオン交換水で数回洗浄して、ポリピロール微粒子の分散液を得た。
先ず、スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルナトリウム1.5mmolをトルエン50mlに溶解させた後に、さらにイオン交換水100mlを加え20℃に保持しつつ乳化するまで攪拌して乳化液を得た。次に、得られた乳化液にピロールモノマー21.2mmolを加えて30分間攪拌し、次いで0.12M過硫酸アンモニウム水溶液50ml(6mmol相当)を少量ずつ滴下しつつ4時間反応せしめた。次いで、反応終了後の有機相を回収し、イオン交換水で数回洗浄して、ポリピロール微粒子の分散液を得た。
(実施例1)
先ず、イソプロピルアルコール(IPA)と酸化チタン(P−25:Degussa社製)とを質量比が9:1(IPA:酸化チタン)となるように混合した後に、ビーズミルを用いて、平均粒子径40nmとなるように分散して酸化チタンの分散液を得た。次に、得られた酸化チタンの分散液と合成例1で得られたポリピロール微粒子の分散液とをポリピロールと酸化チタンとの質量比が2:1になるように混合して導電性複合材料a−1を得た。次いで、ガラス板の表面に、得られた導電性複合材料をバーコーター♯8を用いて塗布量3g/m2の条件で塗布し、140℃にて20分間乾燥させて導電性薄膜を形成させた。得られた導電性薄膜の厚みは200nmであった。
先ず、イソプロピルアルコール(IPA)と酸化チタン(P−25:Degussa社製)とを質量比が9:1(IPA:酸化チタン)となるように混合した後に、ビーズミルを用いて、平均粒子径40nmとなるように分散して酸化チタンの分散液を得た。次に、得られた酸化チタンの分散液と合成例1で得られたポリピロール微粒子の分散液とをポリピロールと酸化チタンとの質量比が2:1になるように混合して導電性複合材料a−1を得た。次いで、ガラス板の表面に、得られた導電性複合材料をバーコーター♯8を用いて塗布量3g/m2の条件で塗布し、140℃にて20分間乾燥させて導電性薄膜を形成させた。得られた導電性薄膜の厚みは200nmであった。
(実施例2)
先ず、IPAと可視光応答性を有する酸化チタン(TPS−201:住友化学(株)製)とを質量比が9:1(IPA:可視光応答性を有する酸化チタン)となるように混合した後に、ビーズミルを用いて、平均粒子径40nmとなるように分散して可視光応答型酸化チタンの分散液を得た。次に、得られた酸化チタンの分散液と合成例1で得られたポリピロール微粒子の分散液とをポリピロールと可視光応答性を有する酸化チタンとの質量比が2:1になるように混合して導電性複合材料a−2を得た。次いで、導電性複合材料a−1に代えて、得られた導電性複合材料a−2を用いた以外は実施例1と同様にしてガラス板の表面に導電性薄膜を形成させた。得られた導電性薄膜の厚みは200nmであった。
先ず、IPAと可視光応答性を有する酸化チタン(TPS−201:住友化学(株)製)とを質量比が9:1(IPA:可視光応答性を有する酸化チタン)となるように混合した後に、ビーズミルを用いて、平均粒子径40nmとなるように分散して可視光応答型酸化チタンの分散液を得た。次に、得られた酸化チタンの分散液と合成例1で得られたポリピロール微粒子の分散液とをポリピロールと可視光応答性を有する酸化チタンとの質量比が2:1になるように混合して導電性複合材料a−2を得た。次いで、導電性複合材料a−1に代えて、得られた導電性複合材料a−2を用いた以外は実施例1と同様にしてガラス板の表面に導電性薄膜を形成させた。得られた導電性薄膜の厚みは200nmであった。
(比較例1)
導電性複合材料a−1に代えて、合成例1で得られた得られたポリピロール微粒子の分散液を用いた以外は実施例1と同様にしてガラス板の表面に導電性薄膜を形成させた。得られた導電性薄膜の厚みは200nmであった。
導電性複合材料a−1に代えて、合成例1で得られた得られたポリピロール微粒子の分散液を用いた以外は実施例1と同様にしてガラス板の表面に導電性薄膜を形成させた。得られた導電性薄膜の厚みは200nmであった。
(比較例2)
先ず、合成例1で得られたポリピロール微粒子の分散液(固形分2質量%)100質量部にベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(JF−77:城北化学(株)製)1質量部を添加して導電性複合材料b−1を得た。次いで、導電性複合材料a−1に代えて、得られた導電性複合材料b−1を用いた以外は実施例1と同様にしてガラス板の表面に導電性薄膜を形成させた。得られた導電性薄膜の厚みは200nmであった。
先ず、合成例1で得られたポリピロール微粒子の分散液(固形分2質量%)100質量部にベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(JF−77:城北化学(株)製)1質量部を添加して導電性複合材料b−1を得た。次いで、導電性複合材料a−1に代えて、得られた導電性複合材料b−1を用いた以外は実施例1と同様にしてガラス板の表面に導電性薄膜を形成させた。得られた導電性薄膜の厚みは200nmであった。
(比較例3)
先ず、合成例1で得られたポリピロール微粒子の分散液(固形分2質量%)100質量部にポリフェノール系酸化防止剤(JX−11:城北化学(株)製)1質量部を添加して導電性複合材料b−2を得た。次いで、導電性複合材料a−1に代えて、得られた導電性複合材料b−2を用いた以外は実施例1と同様にしてガラス板の表面に導電性薄膜を形成させた。得られた導電性薄膜の厚みは200nmであった。
先ず、合成例1で得られたポリピロール微粒子の分散液(固形分2質量%)100質量部にポリフェノール系酸化防止剤(JX−11:城北化学(株)製)1質量部を添加して導電性複合材料b−2を得た。次いで、導電性複合材料a−1に代えて、得られた導電性複合材料b−2を用いた以外は実施例1と同様にしてガラス板の表面に導電性薄膜を形成させた。得られた導電性薄膜の厚みは200nmであった。
<導電性の経時安定性の評価>
実施例1、2及び比較例1〜3で得られた導電性薄膜について、温度25℃±3℃、相対湿度50%±10%、三波長型蛍光灯を照射(照射間距離10cm)の条件下に放置して、一定時間経過後の抵抗値を測定することにより、導電性の経時安定性について評価した。なお、抵抗値の測定は、初期、2ケ月後、4ヶ月後及び6ヶ月後のものを試料として、測定装置としてハイレスタUP(三菱化学(株)製)を用いて印加電圧10Vの条件で行った。得られた結果を表1に示す。
実施例1、2及び比較例1〜3で得られた導電性薄膜について、温度25℃±3℃、相対湿度50%±10%、三波長型蛍光灯を照射(照射間距離10cm)の条件下に放置して、一定時間経過後の抵抗値を測定することにより、導電性の経時安定性について評価した。なお、抵抗値の測定は、初期、2ケ月後、4ヶ月後及び6ヶ月後のものを試料として、測定装置としてハイレスタUP(三菱化学(株)製)を用いて印加電圧10Vの条件で行った。得られた結果を表1に示す。
実施例1、2で得られた本発明の導電性薄膜は半年間で抵抗値の変化がほとんど見られなかった。また、抵抗値の変化は可視光応答性を有する酸化チタンを用いている実施例2の方が小さかった。したがって、本発明の導電性複合材料は、抵抗値の経時変化が十分に抑制され、経時安定性に優れた導電性を付与することができることが確認された。
以上説明したように、本発明によれば、抵抗値の経時変化が十分に抑制され、経時安定性に優れた導電性を付与することが可能な導電性複合材料、並びに経時安定性に優れた導電性を有している導電性薄膜を提供することが可能となる。
したがって、本発明は、フィルム、ガラス、繊維、容器等の基材に導電性を付与する技術として非常に有用である。
Claims (5)
- ポリピロールを含有するマトリックス中に光触媒機能を有する無機微粒子が分散されていることを特徴とする導電性複合材料。
- 前記ポリピロールが、平均粒子径100nm以下の微粒子であることを特徴とする請求項1に記載の導電性複合材料。
- 前記無機微粒子が、可視光応答性を有する酸化チタンであることを特徴とする請求項1又は2に記載の導電性複合材料。
- 前記無機微粒子の含有量が、前記ポリピロール1質量部に対して0.1〜10質量部の範囲であることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の導電性複合材料。
- 請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の導電性複合材料を成膜することにより得られることを特徴とする導電性薄膜。
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CN106340401A (zh) * | 2016-11-28 | 2017-01-18 | 中物院成都科学技术发展中心 | 一种复合电极材料的制备方法及其应用 |
CN109126891A (zh) * | 2018-07-09 | 2019-01-04 | 江汉大学 | 一种改性的二氧化钛掺杂的聚吡咯纳米团簇的制备方法 |
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2005
- 2005-10-31 JP JP2005316902A patent/JP2007119692A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN106340401A (zh) * | 2016-11-28 | 2017-01-18 | 中物院成都科学技术发展中心 | 一种复合电极材料的制备方法及其应用 |
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CN109126891A (zh) * | 2018-07-09 | 2019-01-04 | 江汉大学 | 一种改性的二氧化钛掺杂的聚吡咯纳米团簇的制备方法 |
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