JP2007119452A - 新規なキラル触媒及びこれを用いるキラルなカルボン酸化合物の製造方法 - Google Patents

新規なキラル触媒及びこれを用いるキラルなカルボン酸化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課 題】新規な不斉有機触媒を提供すると共に該不斉有機触媒を用いる光学活性なカルボン酸化合物の製造方法を提供する。
【解決手段】式(I):
Figure 2007119452

[式中、Phはフェニル基を示し、Arはアリール基を示し、RおよびRはそれぞれアルキル基を示すか、あるいは両者が末端で結合して隣接する窒素原子と一緒になって異項環基を形成していることを示す。]
で示されるキラルスルホンアミド誘導体、および該キラルスルホンアミド誘導体を不斉触媒として用いる光学活性カルボン酸またはそのエステルの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は新規なキラル触媒およびそれを用いるキラルなカルボン酸化合物の製造方法に関し、更に詳しくは、キラルスルホンアミド誘導体およびそれを用いる光学活性カルボン酸化合物の製造方法に関する。
光学活性化合物の製造法としては、酵素法、光学分割剤を用いる光学分割法、不斉合成法などが知られている。これらの方法のうち、前二法はラセミ体の半分は利用されないという制約があるのに対し、不斉合成法はそのような制約がない点で優れている。
不斉合成法に通常用いられる触媒は、金属を活性中心とするものが多い。しかしながら、金属の種類によっては、高価・有毒・廃棄困難であったり、触媒が水や酸素に不安定であったりすることが多い。このため、近年、安定・安価・環境にやさしいなどの理由で、金属を使用することなく、有機分子そのものを触媒として用いる反応の研究が盛んに行われている(非特許文献1、2)。
一方、光学的に不活性なジカルボン酸誘導体は生理活性物質や医薬品の製造原料として有用であるが、従来、対称分子構造で光学的に不活性なプロキラルなジカルボン酸無水物から有機スルホンアミド触媒を用いて光学活性なカルボン酸化合物を製造する方法は知られていない。
Angev.Chem.Int.Ed.,2005、44、p.1369−1371 J.Am.Chem.Soc.,2004,126,p.12212−12213
本発明の目的は、不斉合成法に用いられる新規な有機分子触媒を提供することにある。本発明の他の目的は、当該有機分子触媒を用いて対称分子構造で光学的に不活性なプロキラルなジカルボン酸無水物から光学活性なカルボン酸もしくはそのエステルを製造する方法を提供することにある。本発明のさらなる他の目的は、前記有機分子触媒から誘導される新規亜鉛触媒、ならび当該亜鉛触媒を用いて、光学的に不活性なプロキラルな1,3−ジオール化合物から光学活性な1,3−ジオール・モノエステル化合物を製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するためキラルスルホンアミド化合物に着目して鋭意研究を重ねた結果、塩基性基であるジアルキルアミノ基と酸性基である二級スルホンアミド基とを同一分子内に有する二官能性化合物、すなわちキラルな1,2−ジフェニル−1−(N,N−ジアルキルアミノ)−2−N−アリールスルホンアミドの創製に成功すると共に、このキラルスルホンアミド誘導体を触媒量用いるだけでプロキラルなジカルボン酸無水物を高エナンチオ選択的にチオール分解(チオリシス)またはアルコール分解(アルコリシス)でき、光学活性なカルボン酸化合物が高収率かつ高光学収率で得られること、またこのキラルスルホンアミド誘導体の亜鉛錯体を形成させ、これを触媒としてプロキラルな1,3−ジオール誘導体とアシル化剤を反応させると、キラルなモノエステルを高収率かつ高光学収率で得られることも併せて見出し、さらに研究を重ねて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
[1] 式(I):
Figure 2007119452
[式中、Phはフェニル基を示し、Arはアリール基を示し、RおよびRはそれぞれアルキル基を示すか、あるいは両者が末端で結合して隣接する窒素原子と一緒になって異項環基を形成していることを示す。]
で示されるキラルスルホンアミド誘導体、
[2] Arが置換基を有するフェニル基であり、RおよびRはそれぞれ炭素数1〜3のアルキル基である前記[1]に記載のキラルスルホンアミド誘導体、
[3] Arが炭素数1〜3のアルキル基もしくは炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基で置換されたフェニル基である前記[1]または[2]に記載のキラルスルホンアミド誘導体、
[4] Arがメチルフェニル基または3,5−ビス(トリフルオロメチル)−フェニル基である前記[1]または[2]に記載のキラルスルホンアミド誘導体、
[5] 式(II):
Figure 2007119452
[式中、Aは対称分子構造となる位置に置換基を1〜2個有するアルキレン基、または対称分子構造となる位置に置換基を1〜2個有していてもよいシクロアルキレン基もしくはシクロアルケニレン基を示す。]
で示されるプロキラルなジカルボン酸無水物と式(III):
Figure 2007119452
[式中、Rはアルキル基、アリール基またはアラルキル基を示し、Xは硫黄原子または酸素原子を示す。]
で示されるチオールもしくはアルコール化合物とを、式(I):
Figure 2007119452
[式中、Phはフェニル基を示し、Arはアリール基を示し、RおよびRはそれぞれアルキル基を示すか、あるいは両者が末端で結合して隣接する窒素原子と一緒になって異項環基を形成していることを示す。]
で示されるキラルスルホンアミド誘導体の存在下に反応させ、ついで必要によりエステル化することを特徴とする、式(IV):
Figure 2007119452
[式中、RおよびXは上記と同意義を、Rは水素またはエステル残基を、AはAと平面構造が同一でかつ分子全体が非対称な絶対構造をとることを示す。]
で示される光学活性カルボン酸またはそのエステルの製造方法、
[6] Arが置換基を有するフェニル基であり、RおよびRはそれぞれ炭素数1〜3のアルキル基である前記[5]に記載の製造方法、
[7] Arが炭素数1〜3のアルキル基もしくは炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基で置換されたフェニル基である前記[5]または[6]に記載の製造方法、
[8] Arがメチルフェニル基または3,5−ビス(トリフルオロメチル)−フェニル基である前記[5]または[6]に記載の製造方法、
[9] Rが水素、アルキル基またはアラルキル基である前記[5]〜[8]のいずれかに記載の製造方法、
[10] Arが置換基を有するフェニル基であり、Rがベンジル基である前記[5]に記載の製造方法、
[11] 式(I−a):
Figure 2007119452
[式中、Phはフェニル基を示し、Arはアリール基を示し、RおよびRはそれぞれアルキル基を示すか、あるいは両者が末端で結合して隣接する窒素原子と一緒になって異項環基を形成していることを示す。]
で示されるキラルスルホンアミド誘導体・Zn錯体、
[12] 式(I):
Figure 2007119452
[式中、Phはフェニル基を示し、Arはアリール基を示し、RおよびRはそれぞれアルキル基を示すか、あるいは両者が末端で結合して隣接する窒素原子と一緒になって異項環基を形成していることを示す。]
で示されるキラルスルホンアミド誘導体とジアルキル亜鉛とを反応させることを特徴とする、式(I−a):
Figure 2007119452
[式中、Ph、Ar、RおよびRは上記と同意義を示す。]
で示されるキラルスルホンアミド誘導体・Zn錯体の製造方法、
[13] 式(VII):
Figure 2007119452
[式中、Rはアミノ基の保護基を示し、Rはアルキル基、アルケニル基、またはアラルキル基を示す。]
で示される1,3−ジオール化合物と、式(VIII):
Figure 2007119452
[式中、Rはアルキル基、またはアリール基を示す。]
で示される酸無水物とを、 式(I−a):
Figure 2007119452
[式中、Phはフェニル基を示し、Arはアリール基を示し、RおよびRはそれぞれアルキル基を示すか、あるいは両者が末端で結合して隣接する窒素原子と一緒になって異項環基を形成していることを示す。]
で示されるキラルスルホンアミド誘導体・Zn錯体の存在下に反応させることを特徴とする、式(IX):
Figure 2007119452
[式中、R、RおよびRは上記と同意義を示す。]
で示されるキラル1,3−ジオール・モノエステル化合物の製造方法、および
[14] 式(VII):
Figure 2007119452
[式中、Rはアミノ基の保護基を示し、Rはアルキル基、アルケニル基、またはアラルキル基を示す。]
で示される1,3−ジオール化合物と、式(VIII):
Figure 2007119452
[式中、Rはアルキル基、またはアリール基を示す。]
で示される酸無水物とを、 式(I):
Figure 2007119452
[式中、Phはフェニル基を示し、Arはアリール基を示し、RおよびRはそれぞれアルキル基を示すか、あるいは両者が末端で結合して隣接する窒素原子と一緒になって異項環基を形成していることを示す。]
で示されるキラルスルホンアミド誘導体とジアルキル亜鉛の存在下に反応させることを特徴とする、式(IX):
Figure 2007119452
[式中、R、RおよびRは上記と同意義を示す。]
で示されるキラル1,3−ジオール・モノエステル化合物の製造方法、
に関する。
本発明によれば、触媒能の優れた新規なキラル有機分子触媒が提供される。また、本発明によれば、前記キラル有機分子触媒を用いて、プロキラルなジカルボン酸無水物から光学活性カルボン酸化合物を、またプロキラルな1,3−ジオール化合物から光学活性1,3−ジオール・モノエステル化合物を高収率且つ高光学収率で得ることができる。
本発明の一つは、式(I):
Figure 2007119452
[式中、Phはフェニル基を示し、Arはアリール基を示し、RおよびRはそれぞれアルキル基を示すか、あるいは両者が末端で結合して隣接する窒素原子と一緒になって異項環基を形成していることを示す。]
で示されるキラルスルホンアミド誘導体である。
キラルスルホンアミド誘導体(I)において、Arで示されるアリール基としては、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基(たとえば、フェニル基、ナフチル基など)が挙げられる。前記置換基としては、たとえば、アルキル基(たとえば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基など)、アルコキシ基(たとえば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基など)、ハロゲン(たとえば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、ハロゲン化アルキル基(モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロエチル基、トリフルオロエチル基、トリクロロメチル基など)、ハロゲン化アルコキシ基(たとえば、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロエトキシ基など)が挙げられ、これら置換基は芳香族炭化水素基の任意の位置に1〜3個有していてもよい。
上記置換基において、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基およびハロゲン化アルコキシ基は、それぞれ炭素数1〜5、好ましくは炭素数1〜3のものが好適に挙げられる。
およびRで示されるアルキル基としては、炭素数1〜5、好ましくは炭素数1〜3のアルキル基が挙げられ、具体的には、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基などが挙げられる。また、RおよびRが末端で結合して隣接する窒素原子と一緒になって異項環基を形成している場合、かかる異項環基としては、たとえばアジリジノ基、アゼチジノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基などの窒素含有複素環基が挙げられる。
本発明のキラルスルホンアミド誘導体(I)は、式(V):
Figure 2007119452
[式中、Phは前記と同意義を示す。RおよびRは、それぞれ前記と同意義を示す。]
で示される化合物を式(VI):
Figure 2007119452
[式中、Arは前記と同意義を示す。]
で示される化合物と反応させることにより製造することができる。
本反応はそれ自体公知の方法で実施でき、たとえば、化合物(V)と化合物(VI)とを適当な溶媒中、塩基の存在下に反応させることにより好適に実施することができる。溶媒としては、たとえばジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、トルエン、ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。また、塩基としては、たとえばトリエチルアミン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、ピリジンなどが挙げられる。本反応は0℃〜10℃で行うのが好ましいが、必要により、より低温(〜−10℃)あるいはより高温(〜30℃)で行うこともできる。化合物(VI)の使用量は、化合物(V)1モルに対し通常1〜1.5モル、好ましくは1〜1.1モルである。このようにして生成した化合物(I)は、それ自体公知の方法、たとえば抽出、再結晶、クロマトグラフィーなどにより単離、精製することができる。
本発明の他の一つは、上記で得られたキラルスルホンアミド誘導体(I)を触媒として利用する方法である。すなわち、
式(II):
Figure 2007119452
[式中、Aは、対称分子構造となる位置に置換基を1〜2個有するアルキレン基、または対称分子構造となる位置に置換基を1〜2個有していてもよいシクロアルキレン基もしくはシクロアルケニレン基を示す。]
で示されるプロキラルなジカルボン酸無水物と式(III):
Figure 2007119452
[式中、Rはアルキル基、アリール基またはアラルキル基を示し、Xは硫黄原子または酸素原子を示す。]
で示されるチオールもしくはアルコール化合物を、前記キラルスルホンアミド誘導体(I)の存在下に反応させ、ついで必要によりエステル化することにより式(IV):
Figure 2007119452
[式中、RおよびXは上記と同意義を、Rは水素またはエステル残基を、AはAと平面構造が同一でかつ分子全体が非対称な絶対構造をとることを示す。]
で示される光学活性カルボン酸またはそのエステルを製造する方法である。
原料化合物であるプロキラルなジカルボン酸無水物(II)中、Aで示される対称分子構造となる位置に置換基を1〜2個有するアルキレン基、または対称分子構造となる位置に置換基を1〜2個有していてもよいシクロアルキレン基もしくはシクロアルケニレン基としては、たとえば2−置換−1,3−プロピレン基、1,3−cis−ジ置換−1,3−プロピレン基、4,6−cis−ジ置換−1,3−シクロヘキシレン基、2−置換−1,3−シクロヘキシレン基、5−置換−1,3−シクロヘキシレン基、3−シクロヘキセン−1,2−cis−ジイル基などが挙げられる。ここで置換基としては、本反応に不活性なものであればよく、たとえばアルキル基、アリール基、アリールアルキル基(=アラルキル基)、アルキルオキシ基(=アルコキシ基)、アリールアルキルオキシ基(=アリールアルコキシ基)、トリ置換シリルオキシ基などが挙げられる。これら置換基におけるアルキル部分は炭素数1〜8の直鎖状、分枝状もしくは環状のアルキル基が挙げられ、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、ヘプチル基、オクチル基などが挙げられる。また前記置換基におけるアリール部分は、化合物(I)において説明したアリール基(Ar)と同様なものが挙げられる。さらに、トリ置換シリルオキシ基としては、たとえばトリメチルシリルオキシ基、トリブチリルシリルオキシ基、ジメチルフェニルシリルオキシ基、tert−ブチルジメチルシリルオキシ基などが挙げられる。
他方の原料化合物であるチオールもしくはアルコール化合物(III)中、Rで示されるアルキル基としては、炭素数1〜16の直鎖状、分枝状もしくは環状のアルキル基が挙げられ、具体的には、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基などが挙げられる。Rで示されるアリール基としては、化合物(I)において説明したアリール基(Ar)と同様なものが挙げられる。Rで示されるアラルキル基(=アリールアルキル基)としては、炭素数1〜3のアルキル基に前記アリール基(Ar)が置換したものがあげられ、具体的には、たとえばベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、あるいはこれらの基におけるフェニル基またはナフチル基の任意の位置に前記と同様の置換基を1〜3個有するものなどが挙げられる。
プロキラルなジカルボン酸無水物(II)とチオールもしくはアルコール化合物(III)との反応は、キラルスルホンアミド誘導体(I)の存在下に、適当な溶媒中、0〜40℃、好ましくは室温付近(15〜30℃)で好適に実施される。溶媒としては、反応に不活性なものであればよく、たとえばn−ヘキサン、n−ペンタン、シクロヘキサン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、トルエン、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどが用いられる。
キラルスルホンアミド誘導体(I)の使用量は、触媒量すなわち(II)1モルに対して通常0.001〜0.1モル、好ましくは0.03〜0.06モルである。また化合物(III)の使用量は、化合物(II)1モルに対し、通常1.0〜5.0モル、好ましくは1.2〜5.0モルである。
かくして、化合物(II)が高エナンチオ選択的にチオール分解もしくはアルコール分解されて、光学活性カルボン酸(化合物(IV)においてRが水素である化合物)が得られる。
ここで特筆すべきことは、上記反応において、触媒として化合物(I)の代わりに、たとえば、下記に示すような、該化合物(I)において、窒素原子上の水素原子をアルキル基などで置換した化合物(A)や、二つの窒素原子の両方に同じ置換基で置換した化合物(B)ないし(C)では、チオール(もしくはアルコール)分解反応が起こらないか、収率および不斉収率とも非常に低いという点である。
Figure 2007119452
[式中、Meはメチル基を示し、Phは前記と同意義を示す。]
上記で得られた光学活性なカルボン酸は、所望によりエステル化することにより、光学活性なカルボン酸エステル(化合物(IV)においてRがエステル残基である化合物)が得られる。エステル化反応はそれ自体公知のエステル化法、たとえばアルキルエステル化法(アルカノール+酸触媒)やアラルキルエステル化法(アラルキルアルコール+酸触媒)、あるいはジアゾメタンやトリメチルシリルジアゾメタンを用いるメチル化法などによって実施することができる。かくして得られる化合物(IV)において、Rで示されるエステル残基としては、アルキル基やアラルキル基(=アリールアルキル基)などがあげられ、ここにアルキル基は炭素数1〜8の直鎖状、分枝状もしくは環状のアルキル基が挙げられ、アラルキル基は炭素数1〜5のアルキル基に前記アリール基(Ar)が置換したものがあげられる。
かくして得られる化合物(IV)は、それ自体公知の方法、たとえば抽出、再結晶、クロマトグラフィーなどにより、単離、精製することができ、医薬品など生理活性化合物の合成原料あるいは合成中間体などとして有用である。
本発明のさらに他の一つは、式(I−a):
Figure 2007119452
[式中、Ph、Ar、RおよびRは前記と同意義を示す。]
で示されるキラルスルホンアミド誘導体・Zn錯体である。
本発明のキラルスルホンアミド誘導体・Zn錯体(I−a)は、式(I):
Figure 2007119452
[式中、Ph、Ar、RおよびRは前記と同意義を示す。]
で示される化合物をジアルキル亜鉛と反応させることにより製造することができる。
本反応は、化合物(I)とジアルキル亜鉛とを適当な溶媒中において反応させることにより好適に実施することができる。溶媒としては、たとえばジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、トルエン、ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド、n−ヘキサン、およびこれらの混合溶媒などが挙げられる。本反応は室温で行うのが好ましい。ジアルキル亜鉛の使用量は、化合物(I)1モルに対し通常0.55〜2.0モル、好ましくは0.6〜1.0モルである。このようにして生成した化合物(I−a)は、それ自体公知の方法、たとえば抽出、再結晶などにより単離、精製することができる。
上記反応で用いるジアルキル亜鉛におけるアルキル部分としては、炭素数1〜5、好ましくは炭素数1〜3のアルキル基が挙げられ、具体的には、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基などが挙げられる。
本発明のさらに他の1つは、上記で得られたキラルスルホンアミド誘導体・Zn錯体(I−a)を触媒として利用する方法である。すなわち、
式(VII):
Figure 2007119452
[式中、Rはアミノ基の保護基を示し、Rはアルキル基、アルケニル基、またはアラルキル基を示す。]
で示される1,3−ジオール化合物と、式(VIII):
Figure 2007119452
[式中、Rはアルキル基、またはアリール基を示す。]
で示される酸無水物を、前記キラルスルホンアミド誘導体・Zn錯体(I−a)の存在下に反応させることにより、式(IX):
Figure 2007119452
[式中、R、RおよびRは前記と同意義を示す。]
で示されるキラル1,3−ジオール・モノエステル化合物を製造する方法である。
原料化合物であるプロキラルな1,3−ジオール化合物(VII)中、Rで示されるアミノ基の保護基としては、たとえばベンジルオキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニル基、アリルオキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基、p−メトキシベンジルオキシカルボニル基、p−メトキシフェニル基などが挙げられる。また1,3−ジオール化合物(VII)中、Rで示されるアルキル基としては、炭素数1〜18の直鎖状、分枝状もしくは環状のアルキル基が挙げられ、アルケニル基としては、炭素数2〜16の直鎖状、分枝状もしくは環状のアルキル基が挙げられ、アラルキル基としては、炭素数1〜3のアルキル基にアリール基(たとえばフェニル基)が置換したものが挙げられる。
他方の原料化合物である酸無水物(VIII)中、Rで示されるアルキル基としては、炭素数が1〜6の直鎖状、分枝状もしくは環状のアルキル基が挙げられる。また、アリール基としては、たとえば置換基を有してもよいフェニル基が挙げられる。
プロキラルな1,3−ジオール化合物(VII)と酸無水物(VIII)との反応は、キラルスルホンアミド誘導体・Zn錯体(I−a)の存在下に、適当な溶媒中、冷却下または室温下で好適に実施することができる。溶媒としては、反応に不活性なものであればよく、たとえばt−ブチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、t−アミルメチルエーテル、ジブチルエーテル、トルエン、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、n−ヘキサン、n−ペンタン、シクロヘキサンあるいはこれらの混合溶媒などが用いられる。
キラルスルホンアミド誘導体・Zn錯体(I−a)の使用量は、触媒量すなわち、化合物(VII)1モルに対して、通常0.01〜0.1モル、好ましくは0.05〜0.1モルである。また、酸無水物(VIII)の使用量は、化合物(VII)1モルに対して、通常1.0〜3.0モル、好ましくは1.5〜3.0モルである。
かくして、化合物(VII)が高エナンチオ選択的にモノエステル化されて、光学活性1,3−ジオール・モノエステル化合物(IX)が得られる。
本発明のさらなる他の1つは、上記キラルスルホンアミド誘導体・Zn錯体を単離せずに、反応系で生成させてキラル1,3−ジオール・モノエステル化合物を製造する方法である。すなわち、
式(VII):
Figure 2007119452
[式中、R、Rは前記と同意義を示す。]
で示される1,3−ジオール化合物と、式(VIII):
Figure 2007119452
[式中、Rは前記と同意義を示す。]
で示される酸無水物を、前記キラルスルホンアミド誘導体(I):
Figure 2007119452
[式中、Ph、Ar、RおよびRは前記と同意義を示す。]
とジアルキル亜鉛の存在下に反応させることにより、式(IX):
Figure 2007119452
[式中、R、RおよびRは前記と同意義を示す。]
で示されるキラル1,3−ジオール・モノエステル化合物を製造する方法である。
本反応に用いるキラルスルホンアミド誘導体(I)およびジアルキル亜鉛は、前記したものが用いられる。1,3−ジオール化合物(VII)と酸無水物(VIII)との反応は、キラルスルホンアミド誘導体(I)とジアルキル亜鉛との存在下に、適当な溶媒中、0〜40℃、好ましくは室温付近(15〜30℃)で好適に実施される。溶媒としては、反応に不活性なものであればよく、たとえばジエチルエーテル、ジブチルエーテル、トルエン、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、n−ヘキサン、n−ペンタン、シクロヘキサンあるいはこれらの混合溶媒などが用いられる。
キラルスルホンアミド誘導体(I)の使用量は、触媒量すなわち化合物(VII)1モルに対して通常0.01〜0.2モル、好ましくは0.05〜0.1モルである。ジアルキル亜鉛の使用量は、キラルスルホンアミド誘導体(I)1モルに対して、通常0.01〜0.2モル、好ましくは0.02〜0.1モルである。また、酸無水物(VIII)の使用量は、化合物(VII)1モルに対して、通常1.0〜3.0モル、好ましくは1.0〜2.0モルである。
かくして、化合物(VII)が高エナンチオ選択的にモノエステル化されて、光学活性1,3−ジオール・モノエステル化合物(IX)が得られる。
かくして得られる化合物(IX)は、それ自体公知の方法、たとえば抽出、再結晶、クロマトグラフィーなどにより、単離、精製することができ、医薬品など生理活性化合物の合成原料あるいは合成中間体などとして有用である。
[実施例1]
(1R,2R)−N,N−ジメチル−N’−p−トルエンスルホニル−1,2−ジフェニル−1,2−エタンジアミンの合成
Figure 2007119452
[式中、Meは前記と同意義を示す。]
(1R,2R)−N,N−ジメチル−1,2−ジフェニル−1,2−エタンジアミン(72mg、0.30mmol)とp−トルエンスルホニルクロリド(57mg、0.30mmol)のジクロロメタン(5mL)溶液に、アルゴン雰囲気下、トリエチルアミン(42μL、0.30mmol)を室温で加え、同温で1時間撹拌した。反応液に水を加え、クロロホルムで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去し、得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=25:1)に付し、題記化合物(105mg、89%収率)を得た。
融点:109−110℃
[α] 19 53.0°(c=0.50、CHCl
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ:7.54−7.42(3H,m)、7.25−6.86(12H,m)、4.67−4.57(1H,m)、3.77(1H,d,J=11.0Hz)、2.31(3H,s)、1.89(6H,s)
元素分析値:C2326
計算値:C,70.02;H,6.64;N,7.10
実測値:C,69.74;H,6.66;N,7.02
[実施例2]
(1R,2R)−N,N−ジメチル−N’−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホニル−1,2−ジフェニル−1,2−エタンジアミンの合成(その1):
Figure 2007119452
[式中、Meは前記と同意義を示す。]
(1R,2R)−N,N−ジメチル−1,2−ジフェニル−1,2−エタンジアミン(752mg、3.13mmol)と3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホニルクロリド(978mg、3.13mmol)のジクロロメタン(30mL)溶液に、アルゴン雰囲気下、トリエチルアミン(436μL、3.13mmol)を室温で加え、同温で1時間撹拌した。反応液に水を加え、クロロホルムで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去し、得られた粗製物をカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=25:1)に付し、題記化合物(1.23g、76%収率)を得た。本品をクロロホルム−ヘキサンで再結晶することにより無色針状晶を得た。
融点:168−169℃
[α] 18 131.5°(c=1.21、CHCl
HNMR(400MHz、DMSO−d)δ:8.61(1H,bs)、8.20(1H,s)、8.05(2H,s)、7.15−6.93(7H,m)、6.84−6.73(3H,m)、4.95(1H,d,J=11.2Hz)、3.86(1H,d,J=11.2Hz)、1.96(6H,s)
元素分析値:C2422
計算値:C,55.81;H,4.29;N,5.42
実測値:C,55.61;H,4.35;N,5.37
(1R,2R)−N,N−ジメチル−N’−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホニル−1,2−ジフェニル−1,2−エタンジアミンの合成(その2):
Figure 2007119452
(1R,2R)−1,2−ジフェニル−1,2−エタンジアミン(1.7g、8.0mmol)および3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホニルクロリド(2.5g、8.0mmol)のジクロロメタン(80mL)溶液にトリエチルアミン(1.15mL、8.0mmol)を室温で加え、同温で30分間撹拌した。反応液を1N NaOH水溶液(150mL)で処理した後、クロロホルムで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去し、得られた粗製物をテトラヒドロフラン(80mL)に溶かし、その溶液にNaH(ミネラルオイル中に60%w/w含有、800mg、20mmol)およびMeI(1.245mL、20mmol)を室温で撹拌しながら加えた。その混合液を1時間煮沸し、水を加えた後、クロロホルムで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去し、得られた粗製物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:3)に付し、題記化合物(2.8g、68%収率)を得た。本品をクロロホルム−ヘキサンで再結晶することにより無色針状晶を得た。
[実施例3]
3−フェニルグルタル酸無水物の触媒的エナンチオ選択的チオリシス
3−フェニルグルタル酸無水物(190mg、1.0mmol)と実施例2で得られた
(1R,2R)−N,N−ジメチル−N’−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホニル−1,2−ジフェニル−1,2−エタンジアミン(25.8mg、0.05mmol)のジエチルエーテル溶液(10mL)に、アルゴン雰囲気下、ベンジルメルカプタン(141μL、1.2mmol)を室温で加え、同温で20時間撹拌した。反応液に10%塩酸を加え、クロロホルムで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、得られた粗生成物[(S)−5−(ベンジルチオ)−5−オキソ−3−フェニルペンタン酸]をベンゼン−メタノール(7:2)(9mL)に溶かし、トリメチルシリルジアゾメタン(エーテル中2.0M、1mL、2.0mmol)を室温で加え、同温で15分撹拌した。その後、減圧下溶媒を留去し、得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:4)に付すことにより、(S)−5−(ベンジルチオ)−5−オキソ−3−フェニルペンタン酸メチルエステル(312mg、95%収率、91%ee)を白色結晶として得た。前記%eeは、エナンチオ過剰率を示す。
融点:34.5−35℃
[α] 20 43.7°(c=1.10、CHCl
HNMR(400MHz、CDCl)δ:7.34−7.07(10H,m)、4.05(2H,s)、3.77−3.67(1H,m)、3.57(3H,s)、2.96(1H,dd,J=15.1および7.1Hz)、2.91(1H,dd,J=15.1および7.8Hz)、2.73(1H,dd,J=15.6および6.8Hz)、2.65(1H,dd,J=15.6および8.1Hz)
元素分析値:C1920
計算値:C,69.48;H,6.14
実測値:C,69.22;H,6.12
なお、エナンチオ過剰率はダイセルキラルOD−Hカラム(ヘキサン:イソプロパノール=19:1、流速=1mL/分)で決定した。また、生成物の絶対配置は既知のケトエステルに変換して決定した(後記参考例1参照)。
[実施例4]
実施例3において、触媒として、(1R,2R)−N,N−ジメチル−N’−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホニル−1,2−ジフェニル−1,2−エタンジアミン(25.8mg、0.05mmol)の代わりに、実施例1で得られた(1R,2R)−N,N−ジメチル−N’−p−トルエンスルホニル−1,2−ジフェニル−1,2−エタンジアミン(39.4mg、0.05mmol)を用い、溶媒として、ジエチルエーテルの代わりにトルエンを用いる以外は、実施例3と同様に処理して、3−フェニルグルタル酸無水物(190mg、1.0mmol)とメルカプタン(141μL、1.2mmol)とから(S)−5−(ベンジルチオ)−5−オキソ−3−フェニルペンタン酸を経て、(S)−5−(ベンジルチオ)−5−オキソ−3−フェニルペンタン酸メチルエステル(256mg、78%収率、83%ee)を得た。
[実施例5a〜5h]
実施例3において、触媒である(1R,2R)−N,N−ジメチル−N’−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホニル−1,2−ジフェニル−1,2−エタンジアミンの量、溶媒の種類および反応温度を下記表1の通りとする以外は、実施例3と同様に処理して、3−フェニルグルタル酸無水物(190mg、1.0mmol)とベンジルメルカプタン(141μL、1.2mmol)とから(S)−5−(ベンジルチオ)−5−オキソ−3−フェニルペンタン酸を経て、(S)−5−(ベンジルチオ)−5−オキソ−3−フェニルペンタン酸メチルエステルを下記表1に示す収率およびエナンチオ過剰率で得た。
なお、比較例として、本発明の触媒に代えて下記化合物A〜Cを用いた場合の結果も、下記表1に示した。
Figure 2007119452
[式中、MeおよびPhはそれぞれ前記と同意義を示す。]
Figure 2007119452
なお、表1中、Bnはベンジル基を、PhおよびMeは、それぞれ前記と同意義を示す。また、TMSCHNは、トリメチルシリルジアゾメタンを意味し、Etはエチル基を意味し、THFはテトラヒドロフランを意味する。
[実施例6]
実施例3において、3−フェニルグルタル酸無水物の代わりに、3−メチルグルタル酸無水物を用いる以外は、実施例3と同様にして実施することにより、(S)−5−(ベンジルチオ)−3−メチル−5−オキソペンタン酸メチルエステルを無色油状物として得た(87%収率、91%ee)。
[α] 20 5.4°(c=1.24、CHCl
HNMR(400MHz、CDCl)δ:7.34−7.19(5H,m)、4.12(2H,s)、3.66(3H,s)、2.69−2.45(3H,m)、2.39(1H,dd,J=15.4および5.9Hz)、2.23(1H,dd,J=15.4および7.3Hz)、1.01(3H,d,J=6.3Hz)
元素分析値:C1418
計算値:C,63.13;H,6.81
実測値:C,63.05;H,6.85
なお、エナンチオ過剰率はダイセルキラルOD−Hカラム(ヘキサン:イソプロパノール=15:1、流速=0.7mL/分)で決定した。また、生成物の絶対配置は、(R)−3−メチル−5−オキソフェニルペンタン酸メチルエステルエステルに変換し、既知の対応する(S)体の文献値と比較して決定した(後記参考例2参照)。
[実施例7]
実施例3において、3−フェニルグルタル酸無水物の代わりに、2,4−ジメチルグルタル酸無水物を用いる以外は、実施例3と同様にして実施することにより、(2S,4R)−5−(ベンジルチオ)−2,4−ジメチル−5−オキソペンタン酸メチルエステルを無色油状物として得た(100%収率、90%ee)。
[α] 20 −17.2°(c=1.05、CHCl
HNMR(400MHz、CDCl)δ:7.33−7.20(5H,m)、4.11(2H,s)、3.66(3H,s)、2.76−2.65(1H,m)、2.56−2.45(1H,m)、2.20−2.11(1H,m)、1.54−1.44(1H,m)、1.20(3H,d,J=7.1Hz)、1.17(3H,J=7.1Hz)
元素分析値:C1520
計算値:C,64.26;H,7.19
実測値:C,64.09;H,7.15
[実施例8]
実施例3において、3−フェニルグルタル酸無水物の代わりに、3−(tert−ブチルジメチルシロキシ)グルタル酸無水物を用いる以外は、実施例3と同様にして実施することにより、(S)−5−(ベンジルチオ)−3−(tert−ブチルジメチルシロキシ)−5−オキソペンタン酸メチルエステルを無色油状物として得た(88%収率、93%ee)。
[α] 20 16.6°(c=1.38、CHCl
HNMR(400MHz、CDCl)δ:7.32−7.21(5H,m)、4.62−4.53(1H,m)、4.14(1H,d,J=13.7Hz)、4.09(1H,d、J=13.7Hz)、3.66(3H,s)、2.83(1H,dd,J=14.9および6.6Hz)、2.77(1H,dd,J=14.9および5.7Hz)、2.56(1H,dd、J=15.1および5.9Hz)、2.51(1H,dd、J=15.1および6.6Hz)、0.83(9H,s)、0.05(3H,s)、0.04(3H,s)
元素分析値:C1930SSi
計算値:C,59.65;H,7.90
実測値:C,59.39;H,7.85
[実施例9]
実施例3において、3−フェニルグルタル酸無水物の代わりに、シクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸無水物を用いる以外は、実施例3と同様にして実施することにより、(1R,3S)−3−(ベンジルチオ)カルボニル−シクロヘキサンカルボン酸メチルエステルを無色油状物として得た(90%収率、98%ee)。
[α] 20 −22.6°(c=1.42、CHCl
HNMR(400MHz、CDCl)δ:7.35−7.20(5H,m)、4.11(2H,s)、3.66(3H,s)、2.58−2.48(1H,m)、2.38−2.28(1H,m)、2.26−2.18(1H,m)、2.03−1.85(3H,s)、1.68−1.56(1H,m)、1.49−1.24(3H,m)
元素分析値:C1620
計算値:C,65.72;H,6.89
実測値:C、65.42;H,6.90
[実施例10]
実施例3において、3−フェニルグルタル酸無水物の代わりに、3−シクロヘキセン−1,6−ジカルボン酸無水物を用いる以外は、実施例3と同様にして実施することにより、(1R,6S)−6−(ベンジルチオ)カルボニル−シクロヘキサ−3−エンカルボン酸メチルエステルを無色油状物として得た(90%収率、83%ee)。
[α] 20 −15.6°(c=1.17、CHCl
HNMR(400MHz、CDCl)δ:7.32−7.19(5H,m)、5.74−5.64(2H,m)、4.16(1H,d,J=13.7Hz)、4.10(1H,d,J=13.7Hz)、3.65(3H,s)、3.22−3.15(1H,m)、3.10−3.03(1H,m)、2.66−2.31(4H,m)
元素分析値:C1618
計算値:C,66.18;H,6.25
実測値:C,65.94;H,6.29
表2に実施例6〜10の結果をまとめて示す。
Figure 2007119452
なお、上記表2において、TBSOはtert−ブチルジメチルシリルオキシ基を意味し、Bn、Meはぞれぞれ前記と同意義を意味する。
[参考例1]
実施例3で得られた(S)−5−(ベンジルチオ)−5−オキソ−3−フェニルペンタン酸メチルエステル(100mg、0.30mmol)と鉄(III)アセチルアセトネイト(21.5mg、0.061mmol)のテトラヒドロフラン(5mL)溶液に、アルゴン雰囲気下、エチルマグネシウムブロミド(テトラヒドロフラン中0.98M、747mmol)を−78℃で加え、同温で4時間撹拌した。反応液に10%塩酸を加え、クロロホルムで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去し、得られた粗製物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:4)に付すことにより、(R)−5−オキソ−3−フェニルペンタン酸メチルエステル(59mg、83%収率、91%ee)を白色結晶として得た。
融点:36−36.5℃
[α] 20 31.5°(c=0.75、C)[(R)の文献値:[α] 20 35.3°(c=2−3、C
HNMR(400MHz、CDCl)δ:7.32−7.16(5H,m)、3.72−3.65(1H,m)、3.58(3H,s)、2.82(1H,dd,J=16.6および7.1Hz)、2.77(1H,dd,J=16.6および7.3Hz)、2.69(1H,dd,J=15.3および7.2Hz)、2.61(1H,dd,J=15.3および7.7Hz)、2.41−2.23(2H,m)、0.96(3H,t,J=7.3Hz)
元素分析値:C1418
計算値:C,71.77;H,7.74
実測値:C,71.49;H,7.72
[参考例2]
実施例6で得られた(S)−5−(ベンジルチオ)−3−メチル−5−オキソペンタン酸メチルエステルを参考例1と同様に処理して、(R)−3−メチル−5−オキソフェニルペンタン酸メチルエステルを無色油状物として得た。
[α] 18 3.14°(c=1.05、C)[本品に対応するS体の文献値:[α] 18 −5.65°(c=1.24、C)]
HNMR(400MHz、CDCl)δ:8.01−7.91(2H,m)、7.61−7.52(1H,m)、7.51−7.41(2H,m)、3.68(3H,s)、3.11(1H,dd,J=16.4および5.9Hz)、2.85(1H,dd,J=16.4および7.6Hz)、2.73−2.61(1H,m)、2.45(1H,dd,J=15.1および6.6Hz)、2.33(1H,dd,J=15.1および7.1Hz)、1.05(3H,d,J=6.8Hz)
[実施例11]
3−フェニルグルタル酸無水物の触媒的エナンチオ選択的アルコリシス
3−フェニルグルタル酸無水物(190mg,1.0mmol)と実施例2で得られた(1R,2R)−N,N−ジメチル−N’−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホニル−1,2−ジフェニル−1,2−エタンジアミン(25.8mg,0.05mmol)のジエチルエーテル(10mL)溶液に、アルゴン雰囲気下、ベンジルアルコール(125mL,1.2mmol)を室温で加え、同温で20時間撹拌した。反応液に10%塩酸を加え、クロロホルムで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得られた粗生成物[(S)−5−ベンジルオキシ−3−フェニル−5−オキソペンタン酸]をベンゼン−メタノール(7:2)(9mL)に溶かし、トリメチルシリルジアゾメタン(2.0M in EtO,1mL,2.0mmol)を室温で加え、同温で15分撹拌した。その後、減圧下溶媒を留去して得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:4)に付し、(S)−5−ベンジルオキシ−3−フェニル−5−オキソペンタン酸メチルエステル(286mg、92%収率、87%ee)を無色油状物として得た。
[a] 20 2.4°(c=1.05,CHCl
HNMR(400MHz,CDCl)δ:7.34−7.15(10H,m),5.01(2H,s),3.71−3.61(1H,m),3.58(3H,s),2.79(1H,dd,J=15.6および6.8Hz),2.72(1H,dd,J=15.6および7.1Hz),2.70(1H,dd,J=15.6および8.3Hz),2.64(1H,dd,J=15.6および8.1Hz)
元素分析値:C1920
計算値:C,73.06;H,6.45
実測値:C,72.82;H,6.54
なお、生成物のエナンチオ過剰率はダイセルキラルセルAD−Hカラム(ヘキサン:イソプロパノール=15.1、流速=1mL/分、保持時間:14.4分[メジャー、(S)−エナンチオマー]、16.1分[マイナー、(R)−エナンチオマー])で決定した。また生成物の絶対配置は既知のチオールエステル[即ち、(S)−5−ベンジルチオ−3−フェニル−5−オキソペンタン酸メチルエステル]に変換し、HPLCの保持時間によって決定した(後記参考例3参照)。
[実施例12]
実施例11において、3−フェニルグルタル酸無水物の代わりに、3−メチルグルタル酸無水物を用いる以外は、実施例11と同様にして実施することにより、(S)−5−ベンジルオキシ−3−メチル−5−オキソペンタン酸メチルエステル(86%収率、83%ee)を無色油状物として得た。
[α] 26 3.1°(c=1.05,CHCl
HNMR(400MHz,CDCl)δ:7.39−7.29(5H,m),5.12(2H,s),3.66(3H,s),2.54−2.35(3H,m),2.29(1H,dd,J=15.1および7.3Hz),2.24(1H,dd,J=15.1および7.6Hz),1.02(3H,d,J=6.6Hz)
元素分析値:C1418
計算値:C,67.18;H,7.25
実測値:C,66.91;H,7.34
なお、生成物のエナンチオ過剰率はダイセルキラルセルOB−Hカラム(ヘキサン : イソプロパノール=4:1、流速=0.5mL/分、保持時間:18.8分[メジャー、(S)−エナンチオマー]、24.7分[マイナー、(R)−エナンチオマー]で決定した。また、生成物の絶対配置は既知のチオールエステル[即ち、(S)−5−ベンジルチオ−3−メチル−5−オキソペンタン酸メチルエステル]に変換し、HPLCの保持時間によって決定した。
[実施例13]
実施例11において、3−フェニルグルタル酸無水物の代わりに、3−(tert−ブチルジメチルシロキシ)グルタル酸無水物を用いる以外は、実施例11と同様にして実施することにより、(S)−5−ベンジルオキシ−3−(tert−ブチルジメチルシロキシ)−5−オキソペンタン酸メチルエステル(86%収率、91%ee)を無色油状物として得た。
[a] 25 −1.4°(c=0.98,CHCl
HNMR(400MHz,CDCl)δ:7.42−7.29(5H,m),5.13(1H,d,J=12.5Hz),5.10(1H,d,J=12.5Hz),4.61−4.53(1H,m),3.66(3H,s),2.65−2.53(4H,m),0.83(9H,s),0.05(3H,s),0.04(3H,s)
元素分析値:C1930Si
計算値:C,62.26;H,8.25
実測値:C,62.00;H,8.30
なお、生成物のエナンチオ過剰率は既知のチオールエステル[即ち、(S)−5−ベンジルチオ−3−(tert−ブチルジメチルシロキシ)−5−オキソペンタン酸メチルエステル]に変換しHPLCによって決定した。また、生成物の絶対配置はチオールエステルのHPLCの保持時間によって決定した。
[実施例14]
実施例11において、3−フェニルグルタル酸無水物の代わりに、シクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸無水物を用いる以外は、実施例11と同様にして実施することにより、(1R,3S)−3−ベンジルオキシカルボニル−シクロヘキサンカルボン酸メチルエステル(90%収率、98%ee)を無色油状物として得た。
[α] 26 −9.0°(c=0.98,CHCl
HNMR(400MHZ,CDCl)σ:7.42−7.28(5H,m),5.11(2H,s),3.67(3H,s),2.55−2.20(3H,m),2.08−1.82(3H,m),1.70−1.51(1H,m),1.47−1.23(3H,m)
元素分析値:C1620
計算値:C,69.54;H,7.30
分析値:C,69.28;H,7.45
生成物のエナンチオ過剰率は既知のチオールエステル[即ち、(1R,3S)−3−(ベンジルチオ)カルボニル−シクロヘキサンカルボン酸メチルエステル]に変換しHPLCによって決定した。また、生成物の絶対配置は既知のチオールエステルのHPLCの保持時間によって決定した。
[実施例15]
実施例11において、3−フェニルグルタル酸無水物の代わりに、3−シクロヘキセン−1,6−ジカルボンン酸無水物を用いる以外は、実施例11と同様にして実施することにより、(1R,6S)−6−ベンジルオキシカルボニル−シクロヘキサ−3−エン−カルボン酸メチルエステル(収率95%、98%ee)を無色油状物として得た。
[α] 26 −1.6°(c=1.23,CHCl
HNMR(400MHz,CDCl)δ:7.41−7.28(5H,m),5.68(2H,br.s),5.13(2H,s),3.57(3H,s),3.14−3.03(2H,m),2.67−2.50(2H,m),2.45−2.30(2H,m)
元素分析値:C1618
計算値:C,70.06;H,6.61
実測値:C,70.05;H,6.72
なお、生成物のエナンチオ過剰率はダイセルキラルセルOD−Hカラム(ヘキサン:イソプロパノール=15:1、流速=0.5mL/分、保持時間:15.8分[マイナー、(1S,6R)−エナンチオマー]、17.5分[メジャー、(1R、6S)−エナンチオマー])で決定した。また生成物の絶対配置は既知のアミド[即ち、(1S,2R)−2−メトキシカルボニル−シクロヘキサンカルボン酸N−フェニルアミド]に変換し、HPLCの保持時間によって決定した(後記参考例4参照)。
[実施例16]
実施例11において、3−フェニルグルタル酸無水物の代わりに、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物を用いる以外は、実施例11と同様にして実施することにより、(1R,2S)−2−ベンジルオキシカルボニル−シクロヘキサン−1−カルボン酸メチルエステル(99%収率、98%ee)を無色油状物として得た。
[α] 26 −0.53°(c=5.08,CHCl
HNMR(400MHz,CDCl)δ:7.39−7.28(5H,m),5.13(1H,d,J=12.5Hz),5.11(1H,d,J=12.5Hz),3.57(3H,s),2.90−2.82(2H,m),2.08−1.96(2H,m),1.84−1.72(2H,m),1.57−1.46(2H,m),1.45−1.34(2H,m)
元素分析値:C1620
計算値:C,69.54;H,7.30
分析値:C,69.26;H,7.35
生成物のエナンチオ過剰率はダイセルキラルセルOJ−Hカラム(ヘキサン: イソプロパノール=15:1、流速=0.75mL/分、保持時間:14.6分[マイナー、(1S,2R)−エナンチオマー]、16.4分[メジャー、(1R,2S)−エナンチオマー]で決定した。また、生成物の絶対配置は既知のアミド[即ち、(1S,2R)−2−メトキシカルボニル−シクロヘキサン−1−カルボン酸N−フェニルアミド]に変換し、HPLCの保持時間によって決定した。
[実施例17]
実施例11において、3−フェニルグルタル酸無水物の代わりに、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物を用いる以外は、実施例11と同様にして実施することにより、(2R,3S)−3−エンド−ベンジルオキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−エンド−カルボン酸メチルエステルを無色油状物として得た(91%収率、98%ee)。
[α] 28 3.8°(c=1.05,CHCl
HNMR(400MHz,CDCl)δ:7.38−7.28(5H,m),6.30−6.20(2H,m),5.07(1H,d,J=12.5Hz),5.01(1H,d,J=12.5Hz),3.51(3H,s),3.37−3.25(2H,m),3.21−3.13(2H,m),1.50−1.43(1H,m),1.35−1.29(1H,m)
元素分析値:C1718
計算値:C,71.31;H,6.34
実測値:C,71.03;H,6.34
なお、生成物のエナンチオ過剰率は既知のジエステル[即ち、(2R,3S)−3−エンド−(4−ブロモフェニルオキシカルボニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−エンド−カルボン酸メチルエステル]に変換し、HPLCによって決定した。また、生成物の絶対配置は既知のジエステルのHPLCの保持時間によって決定した(参考例5参照)。
[実施例18]
実施例11において、3−フェニルグルタル酸無水物の代わりに、7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物を用いる以外は、実施例11と同様にして実施することにより、(2S,3R)−3−エキソ−ベンジルオキシカルボニル−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−エキソ−カルボン酸メチルエステル(89%収率、97%ee)を無色油状物として得た。
[α] 27 −13.7°(c=0.89,CHCl
HNMR(400MHz,CDCl)δ:7.42−7.30(5H,m),6.47−6.43(2H,m),5.29−5.26(2H,m),5.15(1H,d,J=12.5Hz),5.13(1H,d,J=12.5Hz),3.55(3H,s),2.87−2.80(2H,m)
元素分析値:C1616
計算値:C,66.66;H,5.59
実測値:C,66.24;H,5.67
なお、生成物のエナンチオ過剰率はダイセルキラルセルOJ−Hカラム(ヘキサン:イソプロパノール=4:1、流速=1.5ml/分、保持時間:25.8分[マイナー、(2R,3S)−エナンチオマー]、31.8分[メジャー、(2S,3R)−エナンチオマー]で決定した。また生成物の絶対配置は既知のカルボン酸[即ち、(2S,3R)−3−エキソ−カルボキシル−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−エキソ−カルボン酸メチルエステル]に変換し、旋光度によって決定した(参考例6参照)。
表3に実施例11〜18の結果をまとめて示す。
Figure 2007119452
なお、上記表3において、Ph、TBSO、BnおよびMeはそれぞれ前記と同意義を意味する。
[参考例3]
実施例11で得られた(S)−5−ベンジルオキシ−3−フェニル−5−オキソペンタン酸メチルエステル(165mg,0.528mmol)とPd・C(10%w/w,28mg,0.0264mmol)のエタノール(5mL)溶液に、水素雰囲気下、室温で1.5時間撹拌した。反応混合液を濾過し、減圧下溶媒を留去して得られた粗生成物をジクロロメタン(5mL)に溶かし、アルゴン雰囲気下、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC・HCl)(152mg,0.79mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)(19mg,0.158mmol)、ベンジルメルカプタン(BnSH)(68mL,0.579mmol)を加えた。室温で2時間撹拌した後、反応溶液に10%塩酸を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去して得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:4)に付し、(S)−5−ベンジルチオ−3−フェニル−5−オキソペンタン酸メチルエステル(141mg,82%)を得た。
融点:34.5−35℃
HNMR(400MHz,CDCl)δ:7.34−7.07(10H,m),4.05(2H,s),3.77−3.67(1H,m),3.57(3H,s),2.96(1H,dd,J=15.1および7.1Hz),2.91(1H,dd,J=15.1および7.8Hz),2.73(1H,dd,J=15.6および6.8Hz),2.65(1H,dd,J=15.6および8.1Hz)
HPLC:ダイセルキラルセルOD−Hカラム(ヘキサン:イソプロパノール=19:1,流速=1.0mL/分,保持時間:14.7分[メジャー,(S)−エナンチオマー],24.8分[マイナー,(R)−エナンチオマー])(文献記載の方法で合成した標品のHPLC保持時間と比較し、絶対配置決定。)
[参考例4]
(1R,6S)−6−ベンジルオキシカルボニル−シクロヘキサ−3−エンカルボン酸メチルエステル(35.6mg,0.130mmol)とPd・C(10%w/w,6.9mg,0.006mmol)のエタノール(5mL)溶媒に、水素雰囲気下、室温で1.5時間撹拌した。反応混合液を濾過し、減圧下溶媒を留去して得られた粗生成物をジクロロメタン(5mL)に溶かし、アルゴン雰囲気下、EDC・HCl(37.4mg,0.195mmol)、DMAP(4.8mg,0.039mmol)、アニリン(13mL,0.143mmol)を加えた。室温で2時間撹拌した後、反応溶液に10%塩酸を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去して得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:2)に付し、(1S,2R)−2−メトキシカルボニル−シクロヘキサン−1−カルボン酸N−フェニルアミド(24.7mg,73%)を得た。
HNMR(400MHz,CDCl)δ:7.59(1H,br s),7.54−7.44(2H,m),7.38−7.27(2H,m),7.13−7.05(1H,m),3.67(3H,s),3.01−2.92(1H,m),2.84−2.75(1H,m),2.24−2.04(2H,m),1.95−1.16(8H,m)
HPLC:ダイセルキラルセルOJ−Hカラム(ヘキサン:イソプロパノール=4:1,流速=0.5mL/分,保持時間:16.2分[マイナー,(1R,2S)−エナンチオマー],18.0分[メジャー,(1S,2R)−エナンチオマー])(文献記載の方法で合成した標品のHPLC保持時間と比較し、絶対配置決定。)
[参考例5]
(2R,3S)−3−エンド−ベンジルオキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−エンド−カルボン酸メチルエステル(41.7mg,0.146mmol)とPd・C(10%w/w,7.8mg,0.007mmol)のエタノール(5mL)溶媒に、水素雰囲気下、室温で1.5時間撹拌した。反応混合液を濾過し、減圧下溶媒を留去して得られた粗生成物をジクロロメタン(5mL)に溶かし、アルゴン雰囲気下、EDC・HCl(41.9mg,0.219mmol)、DMAP(5.3mg,0.044mmol)、4−ブロモフェノール(30.3mg,0.175mmol)を加えた。室温で2時間撹拌した後、反応溶液に10%塩酸を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去して得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:4)に付し、(2R,3S)−3−エンド−(4−ブロモフェニルオキシカルボニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−エンド−カルボン酸メチルエステル(47.2mg,92%)を得た。
HNMR(400MHz,CDCl)δ:7.50−7.44(2H,m),7.05−6.99(2H,m),3.66(3H,s),3.21−3.08(2H,m),2.70−2.60(2H,m),2.04−1.95(1H,m),1.69−1.59(1H,m),1.58−1.41(4H,m)
HPLC:ダイセルキラルセルOD−Hカラム(n−ヘプタン:イソプロパノール=98:2,流速=0.5mL/分,保持時間:15.4分[メジャー,(2S,3R)−エナンチオマー],18.8分[マイナー,(2R,3S)−エナンチオマー])
[参考例6]
(2S,3R)−3−エキソ−ベンジルオキシカルボニル−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−エキソ−カルボン酸メチルエステル(148.1mg,0.518mmol)とPd・C(10%w/w,27.5mg,0.025mmol)のエタノール(5mL)溶媒に、水素雰囲気下、室温で1時間撹拌した。反応混合液を濾過し、減圧下溶媒を留去し(2S,3R)−3−エキソ−カルボキシル−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−エキソ−カルボン酸メチルエステル(98mg,95%)を得た。
融点:101.5−102.5℃
[α] 28 4.1°(c=2.52,MeOH)(2S,3R−エナンチオマー:93%ee:文献値[α] rt4.7°(c=2.11,MeOH))
HNMR(400MHz,CDCl)δ:4.99−4.85(2H,m),3.67(3H,s),3.07−2.96(2H,m),1.89−1.75(2H,m),1.59−1.47(2H,m)
[実施例19]
(1R,2R)−N,N−ジメチル−N’−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホニル−1,2−ジフェニル−1,2−エタンジアミン−Zn錯体の合成
Figure 2007119452
[式中、Me、Et、Phは前記と同意義を示す。]
(1R,2R)−N,N−ジメチル−N’−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホニル−1,2−ジフェニル−1,2−エタンジアミン(516mg、1.0mmol)のクロロホルム(5mL)溶液に、ジエチル亜鉛(1.0M n−ヘキサン溶液、550μL、0.55mmol)を加え、室温で1分間撹拌した。減圧下溶媒を留去し、生成した白色粉末にメタノール(5mL)を加え、メタノールに不溶性の白色不純物を濾取することで取り除いた。メタノールを減圧下留去することによって題記化合物(548mg、100%)を得た。
融点:201.5−203℃
[α] 25 +35.4°(c=1.05、CHCl
HNMR(400MHz、CDCl)δ:7.91(4H,s)、7.62(2H,s)、7.30−7.20(10H,m)、7.03−6.94(4H,m)、6.81−6.75(6H,m)、5.05(2H,d,J=11.5Hz)、4.67(2H,d,J=11.5Hz)、2.77(6H,s)、2.73(6H,s)
元素分析値:C484212Zn
計算値:C,52.58;H,3.86;N,5.11
実測値:C,52.29;H,3.89;N,5.05
[実施例20]
(S)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−メチル−3−アセトキシ−プロパノールの合成
2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−メチル−1,3−プロパンジオール(205mg、1.0mmol)と実施例19で得られた(1R,2R)−N,N−ジメチル−N’−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホニル−1,2−ジフェニル−1,2−エタンジアミン−Zn錯体(54.8mg、0.05mmol)のt−ブチルメチルエーテル(10mL)溶液に0℃にて無水酢酸(142μL、1.5mmol)を加え、同温で20時間撹拌した。反応液に飽和炭素水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1)に付し、(S)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−メチル−3−アセトキシ−プロパノール(227mg、92%収率、88%ee)を白色粉末として得た。
融点:63.5−65℃
[α] 25 +12.8°(c=1.25、CHCl
HNMR(400MHz、CDCl)δ:4.90(1H,br s)、4.25(1H,d,J=11.2Hz)、4.19(1H,d,J=11.2Hz)、3.93(1H,br s)、3.65(1H,d,J=11.7Hz)、3.59(1H,d,J=11.7Hz)、2.11(3H,s)、1.44(9H,s)、1.25(3H,s)
元素分析値:C1121NO
計算値:C,53.43;H,8.56;N,5.66
実測値:C,53.30;H,8.49;N,5.66
なお、エナンチオ過剰率はダイセルキラルパックIAカラム(n−ヘキサン:イソプロパノール=50:1、流速=1.0mL/分、波長220nm、保持時間:18.8分[メジャー、(S)−エナンチオマー]、25.2分[マイナー、(R)−エナンチオマー])で決定した。また、生成物の絶対配置は既知のメチル (R)−N−(tert−ブトキシカルボニル)−2−メチルセリナート[=(2R)−2−メチル−2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−3−ヒドロキシ−プロピオン酸メチルエステル]に変換して決定した(後記参考例7参照)。
[実施例21]
実施例20において、2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−メチル−1,3−プロパンジオールの代わりに、2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−エチル−1,3−プロパンジオール(219mg、1.0mmol)を用いる以外は、実施例20と同様にして実施することにより、(S)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−エチル−3−アセトキシ−プロパノール(227mg、87%収率、86%ee)を白色粉末として得た。
融点:81−83℃
[α] 25 +26.5°(c=1.00、CHCl
HNMR(400MHz、CDCl)δ:4.77(1H,br s)、4.28(1H,d,J=11.2Hz)、4.14(1H,d,J=11.2Hz)、3.99(1H,br s)、3.70(1H,dd,J=12.0Hzおよび6.6Hz)、3.64(1H,dd,J=12.0Hzおよび7.1Hz)、2.11(3H,s)、1.83−1.72(1H,m)、1.67−1.57(1H,m)、1.44(9H,s)、0.90(3H,t,J=7.6Hz)
元素分析値:C1223NO
計算値:C,55.16;H,8.87;N,5.36
実測値:C,55.04;H,8.79;N,5.38
なお、エナンチオ過剰率はダイセルキラルパックIAカラム(n−ヘキサン:イソプロパノール=50:1、流速=1.0mL/分、波長220nm、保持時間:17.9分[メジャー、(S)−エナンチオマー]、22.5分[マイナー、(R)−エナンチオマー])で決定した。また、生成物の絶対配置は実施例20の生成物の絶対配置から推定した。
[実施例22]
実施例20において、2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−メチル−1,3−プロパンジオールの代わりに、2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−アリル−1,3−プロパンジオール(231mg、1.0mmol)を用いる以外は、実施例20と同様にして実施することにより、(S)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−アリル−3−アセトキシ−プロパノール(192mg、70%収率、82%ee)を無色油状物として得た。
[α] 25 +22.8°(c=1.00、CHCl
HNMR(400MHz、CDCl)δ:5.84−5.72(1H,m)、5.21−5.11(2H,m)、4.84(1H,br s)、4.29(1H,d,J=11.2Hz)、4.13(1H,d,J=11.2Hz)、4.05(1H,br s)、3.68(2H,d,J=6.6Hz)、2.54(1H,dd,J=13.9および6.8Hz)、2.32(1H,dd,J=13.9および8.3Hz)、2.11(3H,s)、1.44(9H,s)
なお、エナンチオ過剰率は、ダイセルキラルパックIAカラム(n−ヘキサン:イソプロパノール=50:1、流速=1.0mL/分、波長220nm、保持時間:17.2分[メジャー、(S)−エナンチオマー]、20.2分[マイナー、(R)−エナンチオマー])で決定した。また、生成物の絶対配置は既知のエチル (R)−N−(ベンジルオキシカルボニル)−2−アリルセリナートに変換し、旋光度を文献値と比較して決定した。
[実施例23]
実施例20において、2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−メチル−1,3−プロパンジオールの代わりに、2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−n−ヘキシル−1,3−プロパンジオール(275mg、1.0mmol)を用いる以外は、実施例20と同様にして実施することにより、(S)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−n−ヘキシル−3−アセトキシ−プロパノール(266mg、84%収率、83%ee)を無色油状物として得た。
[α] 25 +8.5°(c=1.20、CHCl
HNMR(400MHz、CDCl)δ:4.77(1H,br s)、4.27(1H,d,J=11.2Hz)、4.13(1H,d,J=11.2Hz)、4.03(1H,br s)、3.69(1H,dd,J=12.0および6.6Hz)、3.64(1H,dd,J=12.0および7.1Hz)、2.10(3H,s)、1.74−1.49(2H,m)、1.44(9H,s)、1.37−1.18(8H,m)、0.95−0.84(3H,m)
なお、エナンチオ過剰率は、生成物を(+)−メトキシ−α−(トリフルオロメチル)フェニル酢酸エステルに変換して決定した。また、生成物の絶対配置は実施例20の生成物の絶対配置から推定した。
[実施例24]
実施例20において、2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−メチル−1,3−プロパンジオールの代わりに、2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール(281mg、1.0mmol)を用いる以外は、実施例20と同様にして実施することにより、(S)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−ベンジル−3−アセトキシ−プロパノール(228mg、70%収率、70%ee)を無色油状物として得た。
[α] 25 −2.8°(c=5.50、CHCl
HNMR(400MHz、CDCl)δ:7.35−7.15(5H,m)、4.67(1H,br s)、4.21(1H,d,J=11.2Hz)、4.07(1H,d,J=11.2Hz)、3.87(1H,br s)、3.69(1H,dd,J=11.7および6.6Hz)、3.60(1H,dd,J=11.7および7.6Hz)、3.13(1H,d,J=13.7Hz)、2.95(1H,d,J=13.7Hz)、2.11(3H,s)、1.47(9H,s)
なお、エナンチオ過剰率は、ダイセルキラルパックAD−Hカラム(n−ヘキサン:エタノール=15:1、流速=0.5mL/分、波長254nm、保持時間:21.5分[メジャー、(S)−エナンチオマー]、26.6分[マイナー、(R)−エナンチオマー])で決定した。また、生成物の絶対配置は既知のエチル (R)−N−(ベンジルオキシカルボニル)−2−ベンジルセリナートに変換し、旋光度を文献値と比較して決定した。
表4に実施例20〜24の結果をまとめて示す。
Figure 2007119452
なお、上記表4において、Bocはベンジルオキシカルボニル基を意味し、Acはアセチル基を意味し、Me、Et、Phはぞれぞれ前記と同意義を意味する。
[実施例25a〜i]
実施例20において、触媒である(1R,2R)−N,N−ジメチル−N’−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホニル−1,2−ジフェニル−1,2−エタンジアミン−Zn錯体の量、溶媒の種類および反応温度を下記表5の通りとする以外は、実施例20と同様に処理して2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−メチル−1,3−プロパンジオール(205mg、1.0mmol)と無水酢酸(142μL、1.5mmol)から(S)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−メチル−3−アセトキシ−プロパノールを下記表5に示す収率およびエナンチオ過剰率で得た。
Figure 2007119452
なお、上記表5において、Et、MeおよびAcは、それぞれ前記と同意義を示す。また、Bocはtert−ブトキシカルボニル基を意味し、CPMEはシクロペンチルメチルエーテルを意味し、iPrはイソプロピル基を意味し、t−Buはtert−ブチル基を意味し、t−Amylはtert−ペンチル基を意味する。
[実施例26]
実施例20において、2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−メチル−1,3−プロパンジオール(205mg、1.0mmol)と実施例19で得られた(1R,2R)−N,N−ジメチル−N’−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホニル−1,2−ジフェニル−1,2−エタンジアミン−Zn錯体(27.4mg、0.025mmol)のジエチルエーテル(10mL)溶液に室温にて安息香酸無水物(339mg、1.5mmol)を加える以外は、実施例20と同様にして実施することにより、(S)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−メチル−3−(ベンゾイルオキシ)プロパノール(205mg、66%収率、71%ee)を白色粉末として得た。
融点:79−82℃
[α] 25 +17.8°(c=1.20、CHCl
HNMR(400MHz、CDCl)δ:8.08−8.01(2H,m)、7.62−7.55(1H,m)、7.50−7.42(2H,m)、4.96(1H,br s)、4.50(1H,d,J=11.2Hz)、4.47(1H,d,J=11.2Hz)、3.96(1H,br s)、3.73(1H,dd,J=11.7および6.6Hz)、3.65(1H,dd,J=11.7および6.3Hz)、1.44(9H,s)、1.35(3H,s)
元素分析値:C1623NO
計算値:C,62.12;H,7.49;N,4.53
実測値:C,61.99;H,7.44;N,4.56
なお、エナンチオ過剰率はダイセルキラルセルOD−Hカラム(n−ヘキサン:イソプロパノール=15:1、流速=0.5mL/分、波長254nm、保持時間:17.8分[マイナー、(R)−エナンチオマー]、20.7分[メジャー、(S)−エナンチオマー])で決定した。また、生成物の絶対配置は実施例20の生成物の絶対配置から推定した。
[実施例27]
実施例20において、2−[(ベンジルオキシカルボニル)アミノ]−2−メチル−1,3−プロパンジオール(239mg、1.0mmol)と実施例19で得られた(1R,2R)−N,N−ジメチル−N’−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホニル−1,2−ジフェニル−1,2−エタンジアミン−Zn錯体(27.4mg、0.025mmol)のジエチルエーテル(10mL)溶液に室温にて無水酢酸(142μL、1.5mmol)を加える以外は、実施例20と同様にして実施することにより、(S)−2−[(ベンジルオキシカルボニル)アミノ]−2−メチル−3−アセトキシ−プロパノール(230mg、82%収率、70%ee)を無色油状物として得た。
[α] 25 +5.7°(c=1.20、CHCl
HNMR(400MHz、CDCl)δ:7.42−7.31(5H,m)、5.17(1H,br s)、5.07(2H,s)、4.26(1H,d,J=11.2Hz)、4.21(1H,d,J=11.2Hz)、3.66(1H,dd,J =
11.7および4.4Hz)、3.60 (1H,dd,J=11.7および3.4Hz)、3.48(1H,br s)、2.09(3H,s)、1.30(3H,s)
元素分析値:C1419NO
計算値:C,59.78;H,6.81;N,4.98
実測値:C,59.55;H,6.70;N,4.94
なお、エナンチオ過剰率はダイセルキラルOD−Hカラム(n−ヘキサン:イソプロパノール=15:1、流速=0.5mL/分、波長254nm、保持時間:14.2分[メジャー、(S)−エナンチオマー]、20.5分[マイナー、(R)−エナンチオマー])で決定した。また、生成物の絶対配置は既知のエチル (R)−N−(ベンジルオキシカルボニル)−2−メチルセリナートに変換し、旋光度を文献値と比較して決定した。
[実施例28a〜d]
実施例27において、溶媒の種類を下記表6の通りとする以外は、実施例27と同様にして実施することにより、(S)−2−[(ベンジルオキシカルボニル)アミノ]−2−メチル−3−アセトキシ−プロパノールを下記表6に示す収率およびエナンチオ過剰率で得た。
Figure 2007119452
なお、上記表6において、Me、AcおよびTHFは、それぞれ前記と同意義を示す。また、Zはベンジルオキシカルボニル基を意味し、MeCNはアセトニトリルを意味し、CHClはジクロロメタンを意味する。
[実施例29]
実施例20において、2−[(ベンジルオキシカルボニル)アミノ]−2−メチル−1,3−プロパンジオール(239mg、1.0mmol)と実施例19で得られた(1R,2R)−N,N−ジメチル−N’−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホニル−1,2−ジフェニル−1,2−エタンジアミン−Zn錯体(27.4mg、0.025mmol)のジエチルエーテル(10mL)溶液に室温にて安息香酸無水物(339mg、1.5mmol)を加える以外は、実施例20と同様にして実施することにより、(S)−2−[(ベンジルオキシカルボニル)アミノ]−2−メチル−3−(ベンゾイルオキシ)プロパノール(206mg、60%収率、60%ee)を白色粉末として得た。
融点:57−59℃
[α] 25 +9.31°(c=1.30、CHCl
HNMR(400MHz、CDCl)δ:8.07−7.98(2H,m)、7.64−7.28(8H,m)、5.26(1H,br s)、5.09(2H,s)、4.53(1H,d,J=11.2Hz)、4.49(1H,d,J=11.2Hz)、3.74(1H,d,J=12.0Hz)、3.66(1H,d,J=12.0Hz)、3.54(1H,br s)、1.40(3H,s)
なお、エナンチオ過剰率はダイセルキラルセルOD−Hカラム(n−ヘキサン:エタノール=5:1、流速=0.5mL/分、波長254nm、保持時間:13.3分[メジャー、(S)−エナンチオマー]、14.6分[マイナー、(R)−エナンチオマー])で決定した。また、生成物の絶対配置は実施例27の生成物の絶対配置から推定した。
[実施例30]
2−[(ベンジルオキシカルボニル)アミノ]−2−メチル−1,3−プロパンジオール(239mg、1.0mmol)と実施例2で得られた(1R,2R)−N,N−ジメチル−N’−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホニル−1,2−ジフェニル−1,2−エタンジアミンのジエチルエーテル溶液に、室温にてジエチル亜鉛と無水酢酸(142μL、1.5mmol)を加え、同温で20時間撹拌した。反応終了後、実施例20と同様に後処理することにより、(S)−2−[(ベンジルオキシカルボニル)アミノ]−2−メチル−3−アセトキシ−プロパノール(82%収率、69%ee)を無色油状物として得た。
[参考例7]
オキサリルクロリド(132μL、1.537mmol)のジクロロメタン(7.5mL)溶液に、アルゴン雰囲気下、ジメチルスルホキシド(218μL、3.07mmol)を−60℃にて加えた。同温で15分間撹拌した後、実施例20で得られた(S)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−メチル−3−アセトキシ−プロパノール(190mg、0.768mmol)のジクロロメタン(2.5mL)溶液を加え、同温でさらに40分間撹拌した。その後、反応溶液に同温にてトリエチルアミン(536μL、3.84mmol)を加えた後、室温まで昇温し30分間撹拌した。反応溶液を酢酸エチルで希釈し、水洗した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得られた粗生成物であるアルデヒドをt−ブタノール−水(4:1)(10mL)に溶解させ、NaHPO・2HO(210mg、1.34mmol)、2−メチル−2−ブテン(572μL、5.38mmol)、NaClO(320mg、3.53mmol)を室温にて加えた。同温で1時間撹拌した後、4%塩酸を加え酸性にして酢酸エチルで抽出した後、有機層を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得られた粗生成物の2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−メチル−3−アセトキシ−プロピオン酸をベンゼン−メタノール(7:2)(9mL)に溶かし、トリメチルシリルジアゾメタン(2.0M ジエチルエーテル溶液、768μL、1.537mmol)を室温で加え、同温で30分撹拌した。その後、減圧下溶媒を留去して2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−メチル−3−アセトキシ−プロピオン酸メチルエステルを得た。該エステルをメタノール(10mL)に溶解させ、炭酸カリウム(106mg、0.768mmol)を室温で加え、同温で15分撹拌した。反応溶液を酢酸エチルで希釈し、水洗した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得られたカラムクロマトグラフィーカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1)に付し、メチル (R)−N−(tert−ブトキシカルボニル)−2−メチルセリナート[=(2R)−2−メチル−2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−3−ヒドロキシ−プロピオン酸メチルエステル](115mg、64%収率、77%ee)を無色油状物として得た。
[α] 25 −2.7°(c=0.90、CHCl)[(R)の文献値:[α] 18 −2.0°(c=0.81、CHCl)]
HNMR(400MHz、CDCl)δ:5.30(1H,br s)、3.98(1H,dd,J=11.2Hzおよび5.6Hz)、3.81−3.73(1H,m)、3.78(3H,s)、3.27(1H,br s)、1.47(3H,s)、1.45(9H,s)
なお、エナンチオ過剰率はダイセルキラルセルOJ−Hカラム(n−ヘキサン:イソプロパノール=30:1、流速=1.0mL/分、波長220nm、保持時間:11.6分[マイナー、(S)−エナンチオマー]、14.4分[メジャー、(R)−エナンチオマー])で決定した。また、生成物の絶対配置は旋光度を文献値と比較することによって決定した。
本発明の不斉有機触媒は高エナンチオ選択的にチオール分解(チオリシス)もしくはアルコール分解(アルコリシス)する触媒として利用できる。また、前記不斉有機触媒から誘導される亜鉛錯体も不斉合成の触媒として利用できる。

Claims (14)

  1. 式(I):
    Figure 2007119452
    [式中、Phはフェニル基を示し、Arはアリール基を示し、RおよびRはそれぞれアルキル基を示すか、あるいは両者が末端で結合して隣接する窒素原子と一緒になって異項環基を形成していることを示す。]
    で示されるキラルスルホンアミド誘導体。
  2. Arが置換基を有するフェニル基であり、RおよびRはそれぞれ炭素数1〜3のアルキル基である請求項1に記載のキラルスルホンアミド誘導体。
  3. Arが炭素数1〜3のアルキル基もしくは炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基で置換されたフェニル基である請求項1または2に記載のキラルスルホンアミド誘導体。
  4. Arが4−メチルフェニル基または3,5−ビス(トリフルオロメチル)−フェニル基である請求項1または2に記載のキラルスルホンアミド誘導体。
  5. 式(II):
    Figure 2007119452
    [式中、Aは、対称分子構造となる位置に置換基を1〜2個有するアルキレン基、または対称分子構造となる位置に置換基を1〜2個有していてもよいシクロアルキレン基もしくはシクロアルケニレン基を示す。]
    で示される対称分子構造となるジカルボン酸無水物と、式(III):
    Figure 2007119452
    [式中、Rはアルキル基、アリール基またはアラルキル基を示し、Xは硫黄原子または酸素原子を示す。]
    で示されるチオールもしくはアルコール化合物とを、式(I):
    Figure 2007119452
    [式中、Phはフェニル基を示し、Arはアリール基を示し、RおよびRはそれぞれアルキル基を示すか、あるいは両者が末端で結合して隣接する窒素原子と一緒になって異項環基を形成していることを示す。]
    で示されるキラルスルホンアミド誘導体の存在下に反応させ、ついで必要によりエステル化することを特徴とする、式(IV):
    Figure 2007119452
    [式中、RおよびXは上記と同意義を、Rは水素またはエステル残基を、AはAと平面構造が同一でかつ分子全体が非対称な絶対構造をとることを示す。]
    で示される光学活性カルボン酸またはそのエステルの製造方法。
  6. Arが置換基を有するフェニル基であり、RおよびRはそれぞれ炭素数1〜3のアルキル基である請求項5に記載の製造方法。
  7. Arが炭素数1〜3のアルキル基もしくは炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基で置換されたフェニル基である請求項5または6に記載の製造方法。
  8. Arが4−メチルフェニル基または3,5−ビス(トリフルオロメチル)−フェニル基である請求項5または6に記載の製造方法。
  9. が水素、アルキル基またはアラルキル基である請求項5〜8のいずれかに記載の製造方法。
  10. Arが置換基を有するフェニル基であり、Rがベンジル基である請求項5に記載の製造方法。
  11. 式(I−a):
    Figure 2007119452
    [式中、Phはフェニル基を示し、Arはアリール基を示し、RおよびRはそれぞれアルキル基を示すか、あるいは両者が末端で結合して隣接する窒素原子と一緒になって異項環基を形成していることを示す。]
    で示されるキラルスルホンアミド誘導体・Zn錯体。
  12. 式(I):
    Figure 2007119452
    [式中、Phはフェニル基を示し、Arはアリール基を示し、RおよびRはそれぞれアルキル基を示すか、あるいは両者が末端で結合して隣接する窒素原子と一緒になって異項環基を形成していることを示す。]
    で示されるキラルスルホンアミド誘導体とジアルキル亜鉛とを反応させることを特徴とする、式(I−a):
    Figure 2007119452
    [式中、Ph、Ar、RおよびRは上記と同意義を示す。]
    で示されるキラルスルホンアミド誘導体・Zn錯体の製造方法。
  13. 式(VII):
    Figure 2007119452
    [式中、Rはアミノ基の保護基を示し、Rはアルキル基、アルケニル基、またはアラルキル基を示す。]
    で示される1,3−ジオール化合物と、式(VIII):
    Figure 2007119452
    [式中、Rはアルキル基、またはアリール基を示す。]
    で示される酸無水物とを、 式(I−a):
    Figure 2007119452
    [式中、Phはフェニル基を示し、Arはアリール基を示し、RおよびRはそれぞれアルキル基を示すか、あるいは両者が末端で結合して隣接する窒素原子と一緒になって異項環基を形成していることを示す。]
    で示されるキラルスルホンアミド誘導体・Zn錯体の存在下に反応させることを特徴とする、式(IX):
    Figure 2007119452
    [式中、R、RおよびRは上記と同意義を示す。]
    で示されるキラル1,3−ジオール・モノエステル化合物の製造方法。
  14. 式(VII):
    Figure 2007119452
    [式中、Rはアミノ基の保護基を示し、Rはアルキル基、アルケニル基、またはアラルキル基を示す。]
    で示される1,3−ジオール化合物と、式(VIII):
    Figure 2007119452
    [式中、Rはアルキル基、またはアリール基を示す。]
    で示される酸無水物とを、式(I):
    Figure 2007119452
    [式中、Phはフェニル基を示し、Arはアリール基を示し、RおよびRはそれぞれアルキル基を示すか、あるいは両者が末端で結合して隣接する窒素原子と一緒になって異項環基を形成していることを示す。]
    で示されるキラルスルホンアミド誘導体とジアルキル亜鉛の存在下に反応させることを特徴とする、式(IX):
    Figure 2007119452
    [式中、R、RおよびRは上記と同意義を示す。]
    で示されるキラル1,3−ジオール・モノエステル化合物の製造方法。
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